00:00:42 ~ 00:01:17 会長(中川雅治君)
ただいまから憲法審査会を開会いたします。日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する調査を議題といたします。本日は、憲法に対する考え方について(特に、参議院議員の選挙区の合区問題を中心として)について憲法審査会事務局及び法制局から説明を聴取した後、意見交換を行います。 Angry: 0.784 Disgust: 0.399 Fear: 0.391 Happy: 0.449 Sad: 0.336 Surprise: 0.407
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00:01:17 ~ 00:01:40 会長(中川雅治君)
全体の所要は二時間を目途といたします。まず、合区制度をめぐる論点等について順次説明を聴取いたします。なお、御発言は着席のままで結構でございます。岡崎憲法審査会事務局長。 Angry: 0.453 Disgust: 0.346 Fear: 0.487 Happy: 0.606 Sad: 0.410 Surprise: 0.588
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00:01:40 ~ 00:02:05 憲法審査会事務局長(岡崎慎吾君)
私からは、参議院定数訴訟における一連の最高裁判決について、これまでの動向を概観しつつ、本日のテーマとの関係から、合区制度の導入や都道府県を選挙区単位とすることに対する裁判所の判断について御説明させていただくとともに、定数較差の現状等について、簡単ではありますが触れさせていただきたいと存じます。 Angry: 0.789 Disgust: 0.215 Fear: 0.331 Happy: 0.555 Sad: 0.323 Surprise: 0.419
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00:02:05 ~ 00:03:09 憲法審査会事務局長(岡崎慎吾君)
資料一ページを御覧ください。表一は、参議院定数訴訟の最高裁判決の一覧でございます。古くは昭和三十九年の大法廷判決がございますが、後に触れますように、昭和五十八年の大法廷判決が参議院定数訴訟のリーディングケースとされております。参議院では、これまで違憲判決はございませんが、平成八年大法廷判決は、最大較差六・五九倍の投票価値の不均衡について、違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態が生じていたとして、いわゆる違憲状態の判断を示しました。その後も最大較差は五倍前後で推移し、平成二十四年と平成二十六年の大法廷判決では、再び違憲状態の判断が示されました。その後、合区制度導入後に施行された平成二十八年と令和元年の選挙について、最高裁はそれぞれ合憲の判断をしています。 Angry: 0.658 Disgust: 0.288 Fear: 0.445 Happy: 0.521 Sad: 0.281 Surprise: 0.524
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00:03:09 ~ 00:04:19 憲法審査会事務局長(岡崎慎吾君)
以下の御説明におきましても、適宜この表を御参照いただければと思います。資料二ページを御覧ください。裁判所は、選挙制度の憲法適合性について、まず、投票価値の不均衡が違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態に至っているか否かを判断し、これが認められる場合に、選挙までの期間内に是正されなかったことが国会の裁量権の限界を超えるか否かを検討する判断枠組みを採用しています。最高裁は、こうした判断枠組みは、憲法秩序の下における司法権と立法権との関係に由来するものであると説明をしています。このため、憲法適合性の判断では、国会が選挙制度の決定に幅広い裁量権を有することを前提に、是正措置がなされなかった期間の長短だけではなく、是正措置の内容や検討を要する事項等の諸般の事項を総合考慮して、国会の裁量権行使の在り方が相当と言えるか否かという観点で評価がなされています。 Angry: 0.626 Disgust: 0.318 Fear: 0.428 Happy: 0.525 Sad: 0.340 Surprise: 0.484
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00:04:19 ~ 00:05:17 憲法審査会事務局長(岡崎慎吾君)
資料三ページから四ページを御覧ください。最高裁昭和五十八年判決は、参議院定数訴訟のリーディングケースとされており、投票価値の平等を憲法上の要請と認め、国会の裁量権との関係を示した衆議院定数訴訟の最高裁昭和五十一年判決の趣旨を踏襲しています。この五十八年判決で示された基本的な判断枠組みは、累次の参議院定数訴訟を経て、直近の令和二年判決まで、その趣旨が踏襲されています。五ページに掲載した平成二十九年判決でも、昭和五十八年判決で示された投票価値の平等と国会の裁量権行使の関係などに関する基本的な判断枠組みや、参議院の性格と機能などを選挙制度に反映させるための国会の合理的裁量などについての基本的な立場が踏襲されています。 Angry: 0.720 Disgust: 0.281 Fear: 0.468 Happy: 0.416 Sad: 0.277 Surprise: 0.511
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00:05:17 ~ 00:06:20 憲法審査会事務局長(岡崎慎吾君)
資料六ページから七ページを御覧ください。表一で御説明いたしましたとおり、平成八年判決では参議院定数訴訟では初めて違憲状態の判断が示されましたが、五倍前後の最大較差が継続する中で、最高裁の判断も次第に厳格化し、各判決では反対意見が多く付されるだけでなく、多数意見からも国会に対して厳しい指摘がなされるようになりました。平成十八年判決では、国会において、これまでの制度の枠組みの見直しを含め、選挙区間における選挙人の投票価値の較差をより縮小するための検討を継続することが憲法の趣旨に沿うものである旨の指摘がなされ、平成二十一年判決では、最大較差の大幅な縮小を行おうとすれば、現行の選挙制度の仕組み自体の見直しが必要となることは否定できず、国会において、速やかに適切な検討が行われることが望まれる旨の要望がなされました。 Angry: 0.452 Disgust: 0.246 Fear: 0.508 Happy: 0.566 Sad: 0.392 Surprise: 0.581
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00:06:20 ~ 00:07:42 憲法審査会事務局長(岡崎慎吾君)
そして、平成二十四年判決及び平成二十六年判決では、再び違憲状態の判断が示されました。資料九ページから十ページを御覧ください。平成二十九年判決は、合区を導入した平成二十七年の法改正について、これまでにない手法を導入して行われたものであり、都道府県を各選挙区の単位とする選挙制度の仕組みを改めて、長年にわたり大きな投票価値の不均衡が継続してきた状態から脱せしめるとともに、更なる較差の是正を指向するものと評価できる旨の判示をしました。また、令和二年判決は、平成三十年法改正における立法府の検討過程に対して、合区の解消を強く望む意見も存在する中で、合区を維持して僅かではあるが較差を是正して、平成二十七年改正法における方向性を維持するよう配慮しており、参議院選挙制度の改革では、憲法が採用している二院制の仕組みなどから導かれる参議院が果たすべき役割等も踏まえる必要があるなど、事柄の性質上、慎重な考慮を要することに鑑みれば、その実現は漸進的にならざるを得ない面があり、較差是正を指向する姿勢が失われたと断ずることはできない旨の評価をしました。 Angry: 0.526 Disgust: 0.278 Fear: 0.557 Happy: 0.541 Sad: 0.329 Surprise: 0.563
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00:07:42 ~ 00:08:15 憲法審査会事務局長(岡崎慎吾君)
資料十ページから十四ページを御覧ください。昭和五十八年判決は、参議院地方選出議員の選挙の仕組みについて、都道府県が歴史的にも政治的、経済的、社会的にも独自の意義と実体を有し、一つの政治的まとまりを有する単位として捉え得ることに照らし、これを構成する住民の意思を集約的に反映させるという意義ないし機能を加味しようとしたものであると解しました。 Angry: 0.680 Disgust: 0.331 Fear: 0.486 Happy: 0.489 Sad: 0.315 Surprise: 0.452
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00:08:15 ~ 00:09:15 憲法審査会事務局長(岡崎慎吾君)
しかし、その後、最大較差五倍を違憲状態と判示した平成二十四年判決は、都道府県を参議院議員の選挙区の単位としなければならないという憲法上の要請はなく、その仕組みを維持しながら投票価値の平等の実現を図るという要求に応えていくことは、もはや著しく困難な状況に至っている旨の認識を示しました。さらに、同様に違憲状態の判示をした平成二十六年判決も、より適切な民意の反映が可能となるよう、単に一部の選挙区の定数を増減するにとどまらず、都道府県を単位として各選挙区の定数を設定する現行の方式をしかるべき形で改めるなどの具体的な改正案の検討と集約が着実に進められ、できるだけ速やかに、現行の選挙制度の仕組み自体の見直しを内容とする立法的措置により違憲状態が解消される必要があるとの認識を示しました。 Angry: 0.719 Disgust: 0.271 Fear: 0.517 Happy: 0.519 Sad: 0.215 Surprise: 0.501
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00:09:15 ~ 00:10:25 憲法審査会事務局長(岡崎慎吾君)
もっとも、合区制度導入後に施行された平成二十八年選挙についての平成二十九年判決では、具体的な選挙制度の仕組みを決定するに当たり、一定の地域の住民の意思を集約的に反映させるという意義ないし機能を加味する観点から、政治的に一つのまとまりを有する単位である都道府県の意義や実体等を一つの要素として考慮すること自体が否定されるべきものであるとは言えず、投票価値の平等の要請との調和が保たれる限りにおいて、このような要素を踏まえた選挙制度を構築することが直ちに国会の合理的な裁量を超えるものとは解されないとの判断が示されました。また、先ほど御紹介した平成二十四年と平成二十六年の最高裁の判断については、都道府県を各選挙区の単位として固定することが投票価値の大きな不平等状態を長期にわたって継続させてきた要因であると見たことによるものにほかならず、各選挙区の区域を定めるに当たり、都道府県という単位を用いること自体を不合理なものとして許されないとしたものではないと判示しました。 Angry: 0.863 Disgust: 0.276 Fear: 0.445 Happy: 0.408 Sad: 0.219 Surprise: 0.436
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00:10:25 ~ 00:11:01 憲法審査会事務局長(岡崎慎吾君)
また、直近の令和二年判決においても、平成二十九年判決と同様に、具体的な選挙制度の仕組みを決定するに当たり、一定の地域の住民の意思を集約的に反映させるという意義ないし機能を加味する観点から、政治的に一つのまとまりを有する単位である都道府県の意義や実体等を一つの要素として考慮すること自体が否定されるべきものであるとは言えず、投票価値の平等の要請との調和が保たれる限りにおいて、このような要素を踏まえた選挙制度を構築することが直ちに国会の合理的な裁量を超えるものとは解されないとして、その立場を再度確認しています。 Angry: 0.911 Disgust: 0.279 Fear: 0.486 Happy: 0.489 Sad: 0.137 Surprise: 0.436
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00:11:01 ~ 00:12:06 憲法審査会事務局長(岡崎慎吾君)
以上が、これまでの最高裁の判断に関する御説明でございます。資料十五ページから十六ページを御覧ください。選挙区間の定数較差の現状につきましては、最近の数値をお示ししてございます。いずれの数値に基づきましても選挙区間の較差は最大で三倍を超える状況となっており、前回通常選挙時より僅かではありますが拡大している状況にあります。また、十七ページから十八ページは、合区導入前後における選挙区での都道府県別投票率の推移を示したものでございます。さらに、十九ページから二十ページは、同様に合区導入前後における選挙区での無効投票数及び無効投票率の推移を示したものでございます。二十一ページから二十三ページは、平成二十七年法改正による合区の導入を契機に、毎年、全国知事会などから合区に関連する決議や提言が出されておりますが、その主な状況と内容の一部を御紹介いたしたものでございます。 Angry: 0.335 Disgust: 0.275 Fear: 0.485 Happy: 0.711 Sad: 0.424 Surprise: 0.598
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00:12:06 ~ 00:12:31 憲法審査会事務局長(岡崎慎吾君)
二十四ページ以下には、一部ではございますが、本件テーマに関連性のあると思われる有識者の御意見を御紹介しております。また、三十ページ以下には、参議院定数訴訟の直近の最高裁判決である令和二年判決について、反対意見を含む全文を掲載しておりますので、御参照いただければ幸いでございます。私からは、以上でございます。 Angry: 0.465 Disgust: 0.272 Fear: 0.373 Happy: 0.765 Sad: 0.343 Surprise: 0.557
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00:12:36 ~ 00:13:04 法制局長(川崎政司君)
着席したままで失礼いたします。参議院法制局長の川崎でございます。どうかよろしくお願いいたします。私の方からは、お手元の資料に基づき、参議院議員の選挙制度に関しまして、その経緯等とともに、憲法上の要請、最高裁の判断枠組みなどにつきまして御説明をさせていただきます。まず、参議院選挙制度に関する経緯と定数較差に係る主な最高裁判決の動向につきまして確認をさせていただきたいと思います。 Angry: 0.593 Disgust: 0.296 Fear: 0.359 Happy: 0.638 Sad: 0.389 Surprise: 0.469
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00:13:04 ~ 00:14:06 法制局長(川崎政司君)
表紙をめくり、一、二ページを見開きで御覧くださいませ。参議院の選挙制度については、検討の段階では紆余曲折がありましたが、総定数二百五十人、そのうち都道府県の区域を単位とする地方区選挙が百五十人、全国を単位とする全国区選挙が百人という構成でスタートし、地方区選挙では、当時の人口に基づき、各選挙区の人口に比例する形で二人から八人の偶数の議員数が配分され、その最大較差は二・六二倍でした。なお、総定数につきましては、昭和四十七年の沖縄の復帰に伴い、二百五十二人とされました。参議院の選挙制度に関し、当初議論となっていたのは全国区選挙の在り方であり、昭和五十七年の公職選挙法の改正で拘束名簿式比例代表選挙に改正され、選挙の名称もそれぞれ選挙区選挙と比例代表選挙に改められました。 Angry: 0.539 Disgust: 0.203 Fear: 0.507 Happy: 0.634 Sad: 0.267 Surprise: 0.627
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00:14:06 ~ 00:15:12 法制局長(川崎政司君)
他方、高度成長や産業構造の変化に伴う都市への人口移動により、選挙区間の定数較差が次第に大きくなり、定数較差訴訟が裁判所に提起されるようになります。最初に最高裁が判断を示したのは参議院選挙に関してであり、昭和三十九年判決、一番上のところでございますが、は、各選挙区にいかなる割合で議員数を配分するかは、立法政策の問題であり、違憲問題を生じないと、そういう判断を示したところでございます。最高裁が投票価値の平等が憲法上の要請であるとしたのは、衆議院選挙に関する昭和五十一年判決が最初であり、参議院については昭和五十八年判決となります。昭和五十八年判決では、国会の広い裁量を認め、最大較差五・二六倍を合憲と判断しましたが、平成四年の通常選挙では最大較差が六・五九倍にまで達し、これについて平成八年の最高裁判決が違憲状態との判断を示しました。 Angry: 0.702 Disgust: 0.242 Fear: 0.447 Happy: 0.598 Sad: 0.179 Surprise: 0.587
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00:15:12 ~ 00:16:13 法制局長(川崎政司君)
もっとも、較差につきましては、平成六年の八増八減の改正で既に四・八一倍に縮小しており、最高裁はその後合憲判決を続けて出すとともに、平成十二年には定数十減とともに比例代表選挙について非拘束名簿式とする改正が行われております。最高裁に変化が現れ始めたのは平成十六年判決からというふうに言われております。同判決は較差五・〇六倍を合憲としたものの、複数の裁判官により補足意見を通じて較差状況を問題視する指摘がなされるなど、実質的により厳格な評価が行われるようになっていきます。これに対し、参議院において超党派による検討機関が設けられ、定数較差問題について検討が行われるようになるとともに、平成十八年には四増四減の改正も行われ、最大較差は四・八四倍となりました。 Angry: 0.592 Disgust: 0.365 Fear: 0.481 Happy: 0.505 Sad: 0.349 Surprise: 0.476
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00:16:13 ~ 00:17:04 法制局長(川崎政司君)
しかし、最高裁は投票価値の平等の要請を重視する姿勢を強め、平成二十四年判決では、昭和五十八年判決の考え方を実質的に変更し、最大較差五・〇〇倍を違憲状態とし、その直後の平成二十四年改正で較差は四・七五倍とされたものの、平成二十六年判決では四・七七倍の較差を再び違憲状態といたしました。これらを受けて行われたのが平成二十七年の改正であり、四県二合区を含む十増十減により最大較差は二・九七倍に縮小し、これに対し平成二十九年判決は、平成二十四年判決と平成二十六年判決の趣旨に沿った改正であるとして、選挙時最大較差三・〇八倍を合憲との判断を示しました。 Angry: 0.695 Disgust: 0.219 Fear: 0.474 Happy: 0.708 Sad: 0.148 Surprise: 0.641
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00:17:04 ~ 00:18:01 法制局長(川崎政司君)
その後も検討条項を踏まえ、選挙制度の改革について検討が進められ、平成三十年の改正では定数が六増され、選挙区では定数二増により較差が二・九九倍にされるとともに、比例代表選挙では部分的に拘束式となる特定枠の制度が設けられたところであり、これに対し最高裁は令和二年判決で、選挙時三・〇〇倍の較差を合憲と判断しております。なお、比例代表選挙につきましては、別途、非拘束名簿式が平成十六年判決、特定枠が令和二年判決で合憲と判断をされております。このような国会と最高裁判所との相互作用とも言える状況は、衆議院の小選挙区間の較差をめぐっても生じており、ある最高裁判事はその補足意見の中で、両者の間で言わば実効性のあるキャッチボールが続いている状況にあると表現しているところです。 Angry: 0.473 Disgust: 0.255 Fear: 0.442 Happy: 0.745 Sad: 0.283 Surprise: 0.581
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00:18:01 ~ 00:19:27 法制局長(川崎政司君)
そして、最高裁によれば、それは、資料の十ページ、飛んでしまいますが、恐縮でございますが、その下の段に挙げておりますけれども、憲法の予定している司法権と立法権の関係に由来するものとしております。それでは、参議院の選挙における投票価値の平等に関する最高裁の見方、判断はどのように変わってきているのか、これについて確認をさせていただきます。三、四ページに戻っていただいて恐縮でございますが、そこに簡単にまとめとして示しております。参議院選挙にも投票価値の平等の要請があるとした昭和五十八年判決は、その一方で、投票価値の平等の要求は、人口比例主義を基本とする選挙制度の場合と比較して一定の譲歩、後退を免れない、較差の是正にもおのずから限度があるとし、都道府県単位とすることについても一定の理解を示していました。これに対し、平成二十四年判決は、基本的判断枠組みは維持しつつも、長年にわたる制度と社会の状況の変化を考慮して実質的に五十八年判決の考え方を変更し、参議院の選挙制度であること自体から、直ちに投票価値の平等の要請が後退してよいと解すべき理由は見出し難い、都道府県を参議院の選挙区単位とする憲法上の要請はなく、投票価値の平等との関係からは都道府県単位といった仕組み自体を見直すことが必要としました。 Angry: 0.630 Disgust: 0.222 Fear: 0.470 Happy: 0.609 Sad: 0.278 Surprise: 0.512
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00:19:27 ~ 00:20:15 法制局長(川崎政司君)
このように判断する理由につきましては、平成二十四年判決のところで〓@から〓Bということで示しておりますけれども、近年の衆参ねじれ現象等の経験を背景に、立法を始めとする多くの事柄について参議院にも衆議院とほぼ等しい権限が与えられており、国政における参議院の役割が大きくなっているという認識があると見られております。平成二十四年判決の考え方はその後も基本的に維持されておりますが、合区による較差是正を評価した平成二十九年判決では、投票価値の平等の要請との調和が保たれる限りにおいて、都道府県の意義や実体等を一つの要素として考慮することが否定されるものではないとの言及もなされているところでございます。 Angry: 0.644 Disgust: 0.331 Fear: 0.477 Happy: 0.617 Sad: 0.257 Surprise: 0.486
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00:20:15 ~ 00:21:09 法制局長(川崎政司君)
次に、五ページをお開きくださいませ。先ほど憲法審査会の事務局の方から説明がありました較差の現況を示しておりますが、最大較差は三倍をちょっと超えておりますが、三倍を超える選挙区が三つ存在するというような状況にございます。そのことも念頭に置きつつ、選挙に関する憲法の規定、選挙原則、投票価値の平等や全国民の代表の意義などについて見てまいりたいと思います。憲法の規定と選挙原則につきましては、隣の六ページのとおりでございます。普通、平等、自由、直接、秘密の選挙原則のうち、どこまで憲法で規定されているのかは議論がありますものの、それらは国会の裁量を拘束し、それらに反する法律の規定は憲法違反とされることになります。 Angry: 0.557 Disgust: 0.248 Fear: 0.448 Happy: 0.637 Sad: 0.299 Surprise: 0.546
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00:21:09 ~ 00:22:12 法制局長(川崎政司君)
そのような中で、次の七ページと八ページを御覧くださいませ。投票価値の平等でございますけれども、選挙権の内容の平等として、各投票が選挙の結果に及ぼす影響力においても平等であることを要求するものであり、具体的には、議員一人当たりの選挙人数ないし人口ができる限り平等に保たれる人口比例を基準とすることが求められているとされております。そして、その憲法上の根拠につきましては、その下でございますけれども、最高裁は法の下の平等を定める憲法十四条一項を中心に、十五条一項、三項、四十四条ただし書の規定を挙げております。ただし、八ページとなりますけれども、最高裁は、選挙制度の仕組みの決定において、投票価値の平等は、唯一、絶対の基準となるものではなく、国会が正当に考慮できる他の政策目的ないし理由との関連において調和的に実現されるべきものともしております。 Angry: 0.549 Disgust: 0.234 Fear: 0.397 Happy: 0.711 Sad: 0.346 Surprise: 0.520
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00:22:12 ~ 00:23:00 法制局長(川崎政司君)
他方、憲法四十三条一項の全国民の代表につきましては、その下のところに判例を示しておりますけれども、最高裁は、本来的には、両議院の議員は、その選出方法にかかわらず、特定の階級、党派、地域住民など一部の国民を代表するものではなく、全国民を代表するものであること、選挙人の指図に拘束されることなく独立して全国民のために行動すべき使命を有することを意味するとしております。続きまして、九ページ以降になります。最高裁が選挙制度や投票価値の較差の憲法適合性に関し審査する場合の判断枠組みなどについて簡単に触れさせていただきたいと存じます。 Angry: 0.582 Disgust: 0.395 Fear: 0.366 Happy: 0.636 Sad: 0.467 Surprise: 0.391
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00:23:00 ~ 00:24:00 法制局長(川崎政司君)
まず、選挙制度についてですけれども、最高裁は、選挙された代表者を通じて、国民の利害や意見が公正かつ効果的に国政の運営に反映されることを目標とし、政治の安定の要請も考慮しながら、それぞれの国の実情に即して具体的に決定されるべきものであり、そこに論理的に要請される一定不変の形態が存在するわけではないとします。その上で、日本国憲法も両議院の議員の選挙制度について、全国民の代表といった制約の下で、法律で定めるべきものとして国会の裁量に委ねているとし、その憲法適合性の審査は、国会の裁量権を考慮しても、全国民の代表による制約や法の下の平等などの憲法上の要請に反するためその限界を超えており、これを是認できない場合に憲法違反となると判示しております。 Angry: 0.877 Disgust: 0.400 Fear: 0.431 Happy: 0.420 Sad: 0.207 Surprise: 0.309
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00:24:00 ~ 00:25:34 法制局長(川崎政司君)
なお、その下でございますけれども、その際、参議院の選挙制度の独自性については、二院制の下における参議院の性格や機能及び衆議院との異同をどのように位置付け、いかに反映させていくかという点を含め、国会の合理的な裁量に委ねられているとしております。そして、十ページです。定数較差について、最高裁は何倍未満といった較差基準などは示しておりません。投票価値の著しい不平等状態が生じ、かつ、それが相当期間継続しているにもかかわらず是正措置を講じないことが国会の裁量権の限界を超えると判断される場合に憲法に違反するとの基本的な判断枠組みを示しております。すなわち、最高裁は、その下のところでございますが、一、投票価値の不均衡が違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態に至っているかどうか、二、そのような状態に至っている場合に、選挙までの期間内に是正されなかったことが国会の裁量権の限界を超えるとして憲法に違反するに至っているかどうかといった二段階の判断枠組みにより審査を行っており、司法権と立法権との関係から、裁判所が投票価値の平等の観点から憲法上問題があると判断しても、これに代わる具体的な制度を定め得るものではなく、その是正は国会の立法によって行われることが憲法上想定されているとしているところでございます。 Angry: 0.663 Disgust: 0.364 Fear: 0.457 Happy: 0.531 Sad: 0.315 Surprise: 0.457
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00:25:34 ~ 00:26:30 法制局長(川崎政司君)
最後、十一ページでございます。衆議院との比較を簡単にさせていただきたいと存じます。最高裁は、衆参の制度の類似を指摘し、参議院選挙の投票価値の平等の要請が後退してよいとする理由はないとしつつ、衆議院の判断枠組みでは、投票価値の著しい不平等状態ではなく、投票価値の平等の要求に反する状態、参議院の相当期間、相当の期間ではなく、合理的な期間内の是正とするなど、より厳格な姿勢を取っており、また、衆議院の中選挙区制度時代の二度の違憲判決では、事情判決の法理により、選挙の違法を宣言するにとどめ無効としないとしたことから、これが三段階目の枠組みとされております。 Angry: 0.539 Disgust: 0.317 Fear: 0.455 Happy: 0.558 Sad: 0.452 Surprise: 0.481
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Angry: 0.278 Disgust: 0.334 Fear: 0.625 Happy: 0.523 Sad: 0.530 Surprise: 0.508
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00:26:37 ~ 00:27:05 会長(中川雅治君)
ありがとうございました。以上で説明の聴取は終了いたしました。これより意見交換を行います。各会派から意見表明を行った後、委員間の意見交換を行います。発言時間につきましては、経過状況をメモで通知し、時間が超過した際はベルを鳴らしますので、あらかじめ御承知願います。 Angry: 0.492 Disgust: 0.385 Fear: 0.368 Happy: 0.688 Sad: 0.483 Surprise: 0.459
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00:27:05 ~ 00:27:34 会長(中川雅治君)
また、御発言は着席のままで結構でございます。なお、委員間の意見交換において発言を希望される方は、各会派からの意見表明の間にあらかじめ氏名標をお立てください。それでは、各会派一名ずつ、各五分以内で御意見を順次お述べいただきたいと存じます。有村治子君。 Angry: 0.396 Disgust: 0.318 Fear: 0.443 Happy: 0.678 Sad: 0.454 Surprise: 0.565
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00:27:34 ~ 00:28:09 有村治子君
自由民主党の幹事を務めております有村治子です。憲法審査会岡崎事務局長と川崎法制局長の実に的確な御報告に感謝を申し上げ、本日は合区問題について持論を申し述べます。平成二十七年の公職選挙法改正で、島根、鳥取、また徳島、高知という四県による二つの合区が導入をされました。これら四県においては、投票率の低下、また合区反対と書かれた多くの無効票が出るなど、合区に対する不満が顕著に出ています。 Angry: 0.579 Disgust: 0.285 Fear: 0.427 Happy: 0.611 Sad: 0.376 Surprise: 0.513
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00:28:09 ~ 00:29:02 有村治子君
鳥取県の地方紙による調査では、合区反対の世論が七六%もあり、このままでは人口の少ない地方の声が国政に届かなくなるのではという切実な危機感があります。人材や食料、エネルギー等を大都市に供給してきた地方の貢献なくして国民生活が成り立たないことは明らかです。また、足掛け三年となるコロナ禍で更に出生率が低下し、どの都道府県においても早晩人口減少に直面していくことが予想される中、人口だけが民主主義を測る唯一の物差しとなっている現状のままでよいのでしょうか。人口の多い少ないを唯一の指標とする計算を行い、その算定に一喜一憂を繰り返すことで、果たして私たちは人口減少社会、日本の将来に備えられるものなのでしょうか。 Angry: 0.412 Disgust: 0.327 Fear: 0.640 Happy: 0.380 Sad: 0.444 Surprise: 0.589
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00:29:02 ~ 00:30:13 有村治子君
人口減少や高齢化率が急速に高まっている離島が国境を守る島々であったりもいたします。厳しい自然環境や過疎化が進む地域であっても、父祖伝来の地に住み、ふるさともお墓も暮らしも守りたいと人々がその地に住み続けられることで、国境や漁業権や漁場、里山も守られている。この現実に向き合い、国政の中枢に現状を伝えて政治的な光を当てていく議会人が少なくなっていくことが、国家全体の経営という視点で健全なことだとは思えません。政治的、社会的関心を寄せ続けなければ、厳しい環境における地方の人口減少が加速度的に進んでしまうことを憂慮いたします。都道府県単位での地方の声を着実に国政に届けられる選挙制度の実現を目指して、全国知事会、全国市長会、全国町村会、全国都道府県議会議長会、全国市議会議長会、全国町村議会議長会という地方を代表する公的な六団体は全てそれぞれ独自に合区解消に対する決議を採択しています。 Angry: 0.519 Disgust: 0.274 Fear: 0.532 Happy: 0.394 Sad: 0.471 Surprise: 0.498
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00:30:13 ~ 00:31:00 有村治子君
これに加えて、現在までに三十五の県議会が合区解消の意見書を採択しています。大事な民意です。もちろん、投票価値の平等という理念は、それ自体極めて大事な価値であることを承知しておりますが、一方で、最高裁判決では、先ほど御紹介いただいたように、投票価値の平等は唯一、絶対の基準となるものではないとも言っています。たった一つの物差し、絶対的な基準ではないと司法自身も明言しているわけです。地方区と全国比例によって構成される参議院においては、四県による二合区が導入される前まで、地方区選挙は都道府県単位で行われ、その全域の民意と職責を負う議会人を選出してきました。 Angry: 0.595 Disgust: 0.351 Fear: 0.405 Happy: 0.649 Sad: 0.372 Surprise: 0.453
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00:31:00 ~ 00:32:00 有村治子君
都道府県は、明治二十年来の府県制以来百三十年の歴史を重ねてきた社会の単位であり、その区域ごとに行政府、議会、警察、教育委員会などが設置され、農林水産、医療、保健、商工業といった様々な組織、団体が合意形成を図り、国と市町の間で調整機能を果たしてきました。今般の感染症対策でも現に法的責任を負っている行政単位であり、自衛隊に対する災害派遣要請も知事により都道府県単位で行われています。このように、都道府県は、歴史的、政治的、経済的、社会的、文化的にも意義と実体を有し、国民にとって重要な役割を果たしてきました。以上の観点から、自由民主党として、参議院は、全国比例選挙と都道府県を単位とする地方選出によって構成する価値を堅持し、合区を解消することが肝要だと考えます。 Angry: 0.661 Disgust: 0.244 Fear: 0.517 Happy: 0.522 Sad: 0.256 Surprise: 0.565
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00:32:00 ~ 00:32:44 有村治子君
自由民主党として、憲法改正を行う際の最重要事項四項目の一つに合区解消の価値を掲げるゆえんです。都道府県という行政単位をまたいだ合区制度の副作用については、合区の対象となっていない全国ほとんどの地域には実感としてなかなか見えにくい傾向があります。四県により二つの合区選挙区において選出された同僚議員が語られる切実な現実にも真摯に耳を傾けながら、地方も都市も持続可能な日本にする憲法審査会議論が深まっていくことを願い、自由民主党、有村治子の意見表明とさせていただきます。以上です。 Angry: 0.604 Disgust: 0.295 Fear: 0.457 Happy: 0.463 Sad: 0.465 Surprise: 0.497
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Angry: 0.267 Disgust: 0.159 Fear: 0.415 Happy: 0.810 Sad: 0.419 Surprise: 0.702
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00:32:45 ~ 00:33:16 小西洋之君
立憲民主・社民の小西洋之でございます。私からも、憲法審査会事務局、また法制局の大変な御努力に敬意を表させていただきます。私、今お二方から御説明をいただきまして、我が委員会は憲法審査会でございますので、憲法問題を議論するとなったときに、歴代の最高裁判決が言っていることの一番基本的なことは何なのかと、この参議院の選挙制度について、そこを押さえることが大事ではないかと思う次第でございます。 Angry: 0.576 Disgust: 0.230 Fear: 0.479 Happy: 0.570 Sad: 0.302 Surprise: 0.598
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00:33:16 ~ 00:34:03 小西洋之君
事務局の資料におきましては、五ページから六ページですね、リーディングケースの五十八年判決、さらにそれを引き継いだ二十九年判決とありますが、実は歴代の最高裁、法制局の資料だと九ページでございますんですが、まあどちらでも結構なんですが、事務局の資料の方の六ページの平成二十九年判決、これ五十八年判決と言っていること同じなんですが、一番上のところでございますですよね。先ほど有村先生がおっしゃられたように、最高裁は数字だけで一票の較差は判断をしないと、二院制なのだから、参議院が国会として衆議院と違う独自の機能をどう国民のために果たすかとまず考える。 Angry: 0.640 Disgust: 0.220 Fear: 0.441 Happy: 0.620 Sad: 0.182 Surprise: 0.542
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00:34:03 ~ 00:35:09 小西洋之君
それを実現するために、必要かつ合理的な選挙制度であれば、それは一票の数字だけでは判断するものではないということを言っているのが最高裁の判決だと思います。資料の六ページですが、事務局の、投票価値の平等の要請と調和していくかには、二院制の下における参議院の性格や機能及び衆議院との異同をどのように位置付け、これをそれぞれの選挙制度に生かし、反映させていくかという点を含め、国会の合理的な裁量に委ねられている。このことを、今度は法制局の資料の九ページを先生方御覧いただきたいと思うんですが、法制局の資料の九ページの下段のところでございますが、下段の二つ目の丸の太いゴシック体の後段の部分でございますが、これは一番最近の令和二年大法廷判決のところでございますけれども、参議院につき衆議院とは異なる選挙制度を採用し、国民各層の多様な意見を反映させて、参議院に衆議院とは異なる独自の機能を発揮させようとすることも、選挙制度の仕組みを定めるに当たって国会に委ねられた裁量権の合理的行使として是認し得ると書いております。 Angry: 0.768 Disgust: 0.268 Fear: 0.406 Happy: 0.554 Sad: 0.197 Surprise: 0.548
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00:35:09 ~ 00:35:47 小西洋之君
それで、岡崎局長にまず質問したいんですが、先ほど御説明いただいた違憲状態という厳しい判決が出てから、我が参議院においては、四増四減、あと合区を含めた十増十減と、あといわゆる六増法ですね、法改正をやってまいりましたが、その法改正の中で、この歴代最高裁の判決が言っている基本的な考え方、参議院としてどういう役割、衆議院と違う役割を果たそうとしていて、それによってこういう法改正が必要だと、そういう議論、あるいはそういう、まあ言うと法改正をやってきたことがあるでしょうか。 Angry: 0.675 Disgust: 0.199 Fear: 0.585 Happy: 0.380 Sad: 0.246 Surprise: 0.425
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00:35:47 ~ 00:36:12 憲法審査会事務局長(岡崎慎吾君)
かつて参議院改革協議会の選挙制度に関する専門委員会が設置されておりました頃に、平成三十年の四月十三日における参議院選挙制度改革の具体的な方向性についての議論の中で次のような御議論、御提案がありました。 Angry: 0.812 Disgust: 0.289 Fear: 0.447 Happy: 0.564 Sad: 0.129 Surprise: 0.514
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00:36:12 ~ 00:36:46 憲法審査会事務局長(岡崎慎吾君)
よろしゅうございますか。それは、今回の、今回というか、平成二十七年改正、あるいはそれに続く平成三十年改正というものが、ある意味ではそのキャッチボールをした最たる結果ではございます。 Angry: 0.267 Disgust: 0.278 Fear: 0.441 Happy: 0.850 Sad: 0.378 Surprise: 0.600
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00:36:13 ~ 00:37:09 小西洋之君
私の質問は、過去三回の法改正のときに、最高裁の判決、川崎局長の言葉で言えば、キャッチボールのボールを投げられたんだけれども、その向こうが言っていることを受け止めて、その考え方に基づいた法改正、改革をしたことがまずあるかどうか、事実として。じゃ、川崎局長に、ごめんなさい、聞きますが、参議院が衆議院とは違う独自の役割をまず考えて、それを実現するための例えば国会法の改正などをやる、で、それを基づいて参議院の選挙制度を考えるとか、多分最高裁の判決はそういうことを言っているんだと思うんですが、そういう考え方に基づいて行われたのが過去三回の改正だと言えるかどうか。 Angry: 0.750 Disgust: 0.371 Fear: 0.493 Happy: 0.453 Sad: 0.315 Surprise: 0.397
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00:37:09 ~ 00:37:49 小西洋之君
事実関係の認識だけで結構なんですが、川崎局長、いかがですか、条文を作った立場として。じゃ、もう時間なので結論だけ言いますと、実はないんですね。そういう意味では、我々はキャッチボールに応えていないということだと思います。 Angry: 0.400 Disgust: 0.267 Fear: 0.506 Happy: 0.602 Sad: 0.414 Surprise: 0.615
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00:37:16 ~ 00:37:39 法制局長(川崎政司君)
お答えいたします。いろいろとその選挙制度の改革を御議論される際にはいろんな議論があったというふうに承知しております。ただ、実際のその改正の関係につきましては、結局、あくまでも改正の結果でございますので、それがその最高裁が言っていたこととの関係でどういうメッセージとして伝わったかというのはいろいろ議論のあるところだと思います。 Angry: 0.395 Disgust: 0.327 Fear: 0.383 Happy: 0.749 Sad: 0.425 Surprise: 0.537
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00:38:00 ~ 00:39:01 西田実仁君
平成二十四年及び二十六年の違憲状態とされた参議院選挙における投票価値の平等をめぐる最高裁の判断を踏まえて、参議院議長の下に選挙制度の改革に関する検討会が設置されました。しかし、成案を得ることはできず、平成二十七年に、いずれも合区を含む二案が国会に提出されて、現行の鳥取・島根、徳島・高知の四県二合区が生まれたというのがその経緯です。しかし、合区対象県の投票率及び合区制度に関する意識調査によれば、投票率の低下は顕著であり、かつ、合区は解消すべきとの意見が大半であることが分かっております。全国知事会を始め地方六団体や県議会も合区解消を求める決議を発出されています。確かに、選挙区の地域代表的性格からすれば、各都道府県から少なくとも一名の議員を選出すべきであるとの素朴な感情は理解できます。しかし、平成二十四年の最高裁判決にもあるように、都道府県を参議院議員の選挙区の単位としなければならないという憲法上の要請はありません。 Angry: 0.673 Disgust: 0.264 Fear: 0.466 Happy: 0.501 Sad: 0.301 Surprise: 0.519
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00:39:01 ~ 00:40:08 西田実仁君
むしろ、憲法の要請である投票価値の平等が民主主義における参議院の役割を支える極めて重要な基盤であることに十分な留意が求められてきます。すなわち、憲法において参議院は、予算の議決等ごく一部を除き、衆議院と同様の権能を有しています。法律上の権限もまた同様に、衆議院の優越を定めているのは臨時会、特別会の会期及び国会の会期の延長の決定ぐらいのものであり、ほとんど同様とされています。さらに、衆議院が解散して衆議院不存在の場合でも、国会の権能を代行させるために参議院の緊急集会まで定めています。これは、上下両院の二院制を取る諸外国の中でも極めて珍しい制度と言われています。この参議院の緊急集会は、後の失効の可能性があるとはいえ、参議院単独で国会の権能を行使することができることを意味します。それが可能なのは、参議院も衆議院と同様に全国民の代表だからであります。全国民の代表という点において衆参両院が共に同質のものとして単一の国会を構成しているからこそ、衆議院が不存在の場合でも国会の権能を行使できるわけです。 Angry: 0.756 Disgust: 0.364 Fear: 0.408 Happy: 0.449 Sad: 0.324 Surprise: 0.409
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00:40:08 ~ 00:41:00 西田実仁君
衆議院と同様、参議院の選挙制度においても投票価値の平等が求められる理由はここにあります。最高裁の判決は合憲判断、最高裁の判決を見ても、合憲判断の根拠は、投票価値の較差の更なる是正に向けての方向性と立法府の決意であります。それは直近の令和二年合憲判決でも同様です。立法府においては、較差の更なる是正を図るとともに、これを再び拡大させずに持続していくために必要となる方策等について議論し、取組を進めることが求められているとしています。間違っても較差を拡大するような改革は、いかなる政策的目的ないし理由があったとしても、少なくとも現行の憲法を前提とする限り許されないと解します。もちろん、最高裁の言うように、投票価値の平等が選挙制度の仕組みを決定する唯一絶対の基準となるものではありません。 Angry: 0.621 Disgust: 0.328 Fear: 0.391 Happy: 0.644 Sad: 0.346 Surprise: 0.464
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00:41:00 ~ 00:42:00 西田実仁君
平成二十九年、令和二年、最高裁大法廷においてもこう述べています。具体的な選挙制度の仕組みを決定するに当たり、都道府県の意義や実体等を一つの要素として考慮すること自体が否定されるべきものであるとは言えず、投票価値の平等の要請との調和が保たれる限りにおいて、このような要素を踏まえた選挙制度を構築することが直ちに国会の合理的な裁量を超えるものとは解されない。大事なのは、この調和であると考えます。憲法が求める投票価値の平等という価値と地域代表的性格をどう調和させるか。私どもは、従来から、全国を十一のブロック単位とする個人名投票による大選挙区制を提唱しています。憲法が求める議員一人当たりの人口較差の更なる縮小と、参議院選挙区の持つ地域代表的な性格を両立ないし調和させるための方策であります。合区は、確かに特定の県のみが県単位の参議院議員を選出できないことは不平等と言えるし、実際に当該住民からは多くの不満の声が聞かれています。 Angry: 0.659 Disgust: 0.323 Fear: 0.404 Happy: 0.567 Sad: 0.332 Surprise: 0.490
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00:42:14 ~ 00:43:12 足立信也君
国民民主党・新緑風会の足立信也です。私は、平成二十五年九月に当時の山崎議長が設置された選挙制度の改革に関する検討会の下につくられた選挙制度協議会に三十一回、そして、平成二十九年五月に当時の伊達議長のつくられた参議院改革協議会の下にある選挙制度に関する専門委員会十七回の全てに出席しました。最高裁が我々に明確な宿題を課したのは、平成二十四年の最高裁大法廷判決です。判決では、投票価値の著しい不平等状態が生じていたと断じ、都道府県を単位として各選挙区の定数を設定する現行の方式をしかるべき形で改めるなど、現行の選挙制度の仕組み自体の見直しを内容とする立法的措置を講じ、できるだけ速やかに違憲の問題が生ずる不平等状態を解消する必要があると指摘されました。 Angry: 0.809 Disgust: 0.273 Fear: 0.364 Happy: 0.536 Sad: 0.244 Surprise: 0.452
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00:43:12 ~ 00:44:00 足立信也君
法理として、最高裁は、一、憲法は投票価値の平等を要求している。二、しかし、平等が唯一絶対ではなく、国会の裁量権として立法による平等性の一定程度の譲歩があっても憲法に違反するとは言えない。三、衆議院については、選挙区間の人口較差が二倍未満となることを基本として定められている以上、参議院議員の選挙であること自体から直ちに投票価値の平等の要請が後退してよいという理由はない。四、司法権と立法権の関係上、違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態に至っている旨の司法の判断がされれば、国会はこれを受けて是正を行う責務を負う。 Angry: 0.835 Disgust: 0.322 Fear: 0.419 Happy: 0.402 Sad: 0.284 Surprise: 0.435
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00:44:00 ~ 00:45:20 足立信也君
五、都道府県を各選挙区の単位としなければならない憲法上の要請はない。六、偶数配分を前提に、都道府県を各選挙区の単位とする仕組みを維持しながら投票価値の平等の実現を図るのは著しく困難であるとしています。平成二十六年の判決でも、偶数配分を前提に、都道府県を各選挙区の単位とする仕組みを維持しながら投票価値の平等の実現を図るのは著しく困難であると、偶数配分を前提にという条件が付いています。私も都道府県単位を維持するために奇数配当案を提案しましたが、会派の案としては取り下げました。平成二十九年の最高裁判決において、平成二十八年の参議院通常選挙は合憲とされました。その理由として、選挙区選出議員一人当たりの人口較差が三・〇八と大幅に縮小されたことに加え、平成二十七年、自ら作った改正公職選挙法の附則、来年の通常選挙に向けて選挙制度の抜本的な見直しについて必ず結論を得ると強い立法府の意思を示したことが挙げられていました。 Angry: 0.594 Disgust: 0.316 Fear: 0.472 Happy: 0.616 Sad: 0.281 Surprise: 0.541
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00:45:20 ~ 00:46:05 足立信也君
現行制度も合憲と判決されました。しかし、新たな投票価値の不平等を生む制度であると思われます。昭和五十一年の衆議院定数訴訟の最高裁判決以降、最高裁の累次の判決では、憲法は、選挙権の内容の平等、換言すれば、議員の選出における各選挙人の投票の有する影響力の平等、すなわち投票価値の平等を要求していると解されると判決理由に書かれております。非拘束式に拘束式を混在させると、各選挙人の投票の有する影響力は全く不平等になってしまうのではないか、これまで選挙区選挙で問われてきた一票の較差訴訟が比例区にも広がるのではないか。 Angry: 0.771 Disgust: 0.305 Fear: 0.429 Happy: 0.414 Sad: 0.329 Surprise: 0.485
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00:46:05 ~ 00:47:03 足立信也君
当時の発議者は、合区を踏まえて拘束式の四増をお願いしたいと発言されました。選挙区の候補者になれない部分も有権者の民意に全く関係ない拘束式で当選させるということは、民意を踏みにじることです。また、投票の有する影響力を平等にするには、連記制についても考慮されるべきだと考えます。我々国民民主党・新緑風会の法案も抜本改革案ではありませんでした。しかし、今後の抜本改革の検討項目として、二院制の下における参議院の在り方、各都道府県選挙区において議員が選挙されること、つまり合区の解消、比例代表選出と選挙区選出の議員の在り方等を明記しました。最後に、比例区と選挙区の二本立てで比率を変えない、一票の較差三倍以内、定数増を伴わない、この条件の下では奇数配当区導入をもってしても方程式の解は得られないと思います。 Angry: 0.721 Disgust: 0.384 Fear: 0.467 Happy: 0.438 Sad: 0.369 Surprise: 0.430
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Angry: 0.713 Disgust: 0.472 Fear: 0.452 Happy: 0.495 Sad: 0.451 Surprise: 0.429
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Angry: 0.368 Disgust: 0.244 Fear: 0.527 Happy: 0.561 Sad: 0.513 Surprise: 0.657
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00:47:09 ~ 00:48:10 高木かおり君
日本維新の会の高木かおりです。発言の機会をいただき、ありがとうございます。合区について、会派として意見を述べさせていただきます。選挙制度を考えるに当たって重要なことは、国会議員を選ぶ有権者の一票が同じ価値を持っていること、すなわち一議席当たりの有権者数に大きな隔たりがあってはならず、投票価値の平等が保障されていることが民主主義の前提と考えます。個人が持つ価値観が多様化している今日だからこそ、以前にも増して利害や意見、主張を公正に国政へと反映していくことが重要だと考えています。参議院の場合、衆議院にある解散というものはありません。また、任期も六年と長期間にわたります。多数派の政党が長きにわたって国政に影響力を及ぼすことを想定すれば、参議院議員を選ぶ過程において一票の持つ価値が不平等にならない民主的仕組みが整っていなければなりません。 Angry: 0.669 Disgust: 0.370 Fear: 0.412 Happy: 0.476 Sad: 0.403 Surprise: 0.444
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00:48:10 ~ 00:49:08 高木かおり君
合区によって地元の声を反映できない県が存在することは不平等だという見解があります。そして、この合区を解消する方法として、参議院を地方の府と位置付け、都道府県単位の選挙区に戻すために、憲法を改正して、都道府県から一人以上の選出を憲法で明記するという見解もあります。しかし、この案には賛同できかねます。以下、理由を申し上げます。第一の理由は、合区解消、すなわち都道府県単位の選挙区に戻すことは、再び一票の較差を拡大させてしまうことにつながります。そして、これを回避するために参議院の総定数を増やそうという論法だからです。憲法を改正し、都道府県単位の地域代表制を規定してしまうことは、選挙制度の根幹である投票価値の平等をゆがめてしまいます。 Angry: 0.574 Disgust: 0.291 Fear: 0.465 Happy: 0.517 Sad: 0.420 Surprise: 0.519
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00:49:08 ~ 00:50:17 高木かおり君
そして、較差を容認するための便法として憲法改正が行われるならば、民主主義の後退へとつながってしまいます。よって、慎重な議論が必要だと考えています。第二の理由は、憲法第四十三条の「両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。」の規定、すなわち国民の代表という視点と合区をどのように整合性を取っていくのかという論点があります。憲法を改正してまで参議院が地域代表制を導入する十分な実態、合理的な理由というものが現状で果たしてあるのかについては十分な議論が必要です。分かりやすく例を挙げるならば、我が国が自然災害の激甚化傾向にある中で、既に一つの都道府県ではとどまらず、他県との連携によって避難誘導の確保や災害情報の共有など、都道府県を越えた広域連携が求められています。 Angry: 0.777 Disgust: 0.317 Fear: 0.467 Happy: 0.362 Sad: 0.250 Surprise: 0.442
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00:50:17 ~ 00:51:04 高木かおり君
また、新型コロナ禍を通して、我々国会議員は、地域の問題は日本国全体の問題として捉えなければならないことを痛感いたしました。さらに、通信や情報網の発達により、瞬時に全国民に知れ渡ることによって、当初は地域的な声であっても全国的に共通する問題へと発展し、国会議員として迅速な対応が迫られる場面も想定されます。このように、近年の激変する状況から見たときに、地域代表制に固執する理由は希釈されていると考えます。日本維新の会は、一票の較差を更に縮小させるために、全国を十一ブロックに分け、総定数を削減する改革案を示しております。 Angry: 0.454 Disgust: 0.300 Fear: 0.507 Happy: 0.588 Sad: 0.415 Surprise: 0.535
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00:51:04 ~ 00:51:37 高木かおり君
以上の理由から、結論として、合区解消の必要はないという見解を述べさせていただきます。他方で、この憲法審査会では、統治機構改革、教育の無償化、憲法裁判所の設置の三項目を憲法改正の具体案として発表しております。更に一言付け加えますと、現在の国際情勢を鑑みたとき、緊急事態への対処をまずは優先して議論すべきと考えます。以上、会派としての意見表明とさせていただきます。ありがとうございました。 Angry: 0.599 Disgust: 0.318 Fear: 0.445 Happy: 0.590 Sad: 0.361 Surprise: 0.512
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Angry: 0.437 Disgust: 0.271 Fear: 0.421 Happy: 0.689 Sad: 0.492 Surprise: 0.587
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00:51:39 ~ 00:52:07 山添拓君
日本共産党の山添拓です。参議院選挙の選挙区の合区問題について意見を述べます。選挙権は参政権の中心を成す基本的人権であり、選挙制度は議会制民主主義の根幹です。参議院議員の選挙制度は、投票価値の平等を求める憲法十四条一項、選挙権を国民固有の権利とする十五条一項、国会議員が全国民の代表であるとする四十三条一項など、憲法の要求を満たすことが求められます。 Angry: 0.818 Disgust: 0.391 Fear: 0.368 Happy: 0.566 Sad: 0.267 Surprise: 0.395
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00:52:07 ~ 00:53:11 山添拓君
二〇〇九年の最高裁判決は、投票価値の平等の観点から、参議院選挙区選挙の仕組み自体の見直しを提起しました。ところが、自民党は、二〇一二年に四増四減で先送りし、一五年には二つの合区を含む十増十減で取り繕い、一八年には合区で立候補できない自民党の議員候補者を事実上救済する比例代表特定枠を導入し、党利党略を優先したのです。我が党は、一部の県だけが対象となる合区制度は不公平であるとして反対し、多様な民意を議会に反映させる比例代表を中心とした選挙制度への抜本的な見直しを提案してきました。較差是正に向けた議論こそ必要です。一五年改定公選法の附則七条は、「抜本的な見直しについて引き続き検討を行い、必ず結論を得る」としていました。自民党が一八年の改定について、一方で抜本的な見直しの一つであると強弁しながら、憲法改正こそが抜本的な見直しだと述べ、抜本改革に背を向けるばかりか、改憲の口実にしたのは言語道断です。 Angry: 0.777 Disgust: 0.385 Fear: 0.396 Happy: 0.520 Sad: 0.280 Surprise: 0.408
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00:53:11 ~ 00:54:38 山添拓君
一九年参議院選挙について、二〇年の最高裁判決は、結論こそ合憲としたものの、都道府県を選挙区制度の要素とすることは、投票価値の平等の要請との調和が保たれる限りにおいて認められるとしています。また、国民の意思を適正に反映する選挙制度が民主政治の基盤であり、参議院議員選挙については直ちに投票価値の平等の要請が後退してもよいと解すべき理由は見出し難いとし、国会に更なる較差是正を求めています。元最高裁判事で、いわゆる定数訴訟にも関わってきた千葉勝美氏は、昨年十二月の参議院改革協議会の参考人質疑で次のように述べています。参議院議員も、いずれの地域の選挙区から選出されたかを問わず、全国を代表して国政に携わることが要請されている、都道府県を単位とする地方代表制は憲法が許容しているとは言い難い、定数配分が人口比例と関係なく行われるため投票価値の較差は増大する、憲法十四条等の許容範囲と言えるかどうかは難しい、では憲法改正で都道府県を単位とする地域代表制の選挙区を憲法自体に規定することはどうか、それ自体は一般的には可能だが、アメリカやドイツの州と同様に、我が国の都道府県が独立性を付与されるだけの歴史的、社会的、政治的実体があるのか、それがなければ改憲自体の合理性に疑義が生じてくる。 Angry: 0.861 Disgust: 0.281 Fear: 0.396 Happy: 0.458 Sad: 0.234 Surprise: 0.414
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00:54:38 ~ 00:55:05 山添拓君
同じ改革協で只野雅人参考人は、憲法上、参議院に衆議院にも対等に近い強い権限があるということになると、衆参共にその権限にふさわしい民主的な基盤を備える必要がある、参議院にも権限の正統性が問われ、投票価値の平等が求められる理由も十分にあると述べています。いずれも傾聴すべき意見です。憲法は、選挙制度を設計する前提として投票価値の平等を要求しています。 Angry: 0.753 Disgust: 0.343 Fear: 0.396 Happy: 0.530 Sad: 0.368 Surprise: 0.414
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00:55:05 ~ 00:56:12 山添拓君
一方、都道府県を選挙区の単位としなければならない憲法上の要請はありません。現在の仕組み自体を見直すべきです。なお、二〇一八年の自民党改憲草案は、参議院について、都道府県単位での選挙区を認めると同時に、両議院の選挙区を人口を基本とし、行政区画、地域的な一体性、地勢等を総合的に勘案して定めるとし、衆参双方で投票価値の平等を選挙制度構築に当たって考慮する一要素に格下げしようとするものであり、看過できません。較差解消のために人口比例原則を重視すると、地方の声が国政に反映されにくくなるといいます。しかし、自民党政治の実態はどうか。沖縄の本土復帰から五十年、今年新たに決定された建議書は、復帰時、沖縄県と政府が共有した沖縄を平和の島とするという目標は、五十年経過した現在においてもいまだ達成されていないとし、日米地位協定の抜本的見直しや辺野古新基地建設の断念、憲法に基づき民意や地方自治体の判断と責任の原則を尊重することを求めています。 Angry: 0.803 Disgust: 0.335 Fear: 0.457 Happy: 0.322 Sad: 0.383 Surprise: 0.424
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00:56:12 ~ 00:56:39 山添拓君
地方の声を反映するどころか、無視し踏みにじってきた歴史と現実を直視すべきです。問われているのは、合区による一時しのぎでも合区解消のための改憲でもなく、ましてや改憲論議を推進するために憲法審査会を動かすことでもありません。民意を反映する選挙制度への抜本改革と、地方を含め民意を受け止め、憲法を守り生かす政治への転換こそ求められているということを強調し、意見とします。 Angry: 0.890 Disgust: 0.497 Fear: 0.421 Happy: 0.350 Sad: 0.286 Surprise: 0.292
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Angry: 0.376 Disgust: 0.298 Fear: 0.373 Happy: 0.794 Sad: 0.471 Surprise: 0.570
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00:56:41 ~ 00:57:03 渡辺喜美君
みんなの党、渡辺喜美です。昔、小泉内閣から第一次安倍内閣にかけて、自民党の中に上げ潮派と言われる改革派グループがあったんですね。中川秀直先生とか杉浦正健先生などが中心になっていました。 Angry: 0.515 Disgust: 0.335 Fear: 0.436 Happy: 0.659 Sad: 0.344 Surprise: 0.566
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00:57:03 ~ 00:58:11 渡辺喜美君
そのテーマの一つが道州制だったんです。第一次安倍内閣では、道州制担当大臣というのがつくられ、実は私はピンチヒッターで第二代目の道州制担当大臣を仰せ付かったことがありました。その頃、道州制懇談会というのを大臣の下につくって、よく言われていたのは、廃藩置県で人工的に県をつくったわけですが、大体一日掛けて歩いて行ける距離を県境にしたんだよねというようなことを座長の江口克彦さんがよく言っておられました。当然、道州制というのは中央集権から地域主権、地方分権体制を目指すというわけでありまして、これをやられると困る人たちが続出するわけですね。 Angry: 0.423 Disgust: 0.321 Fear: 0.484 Happy: 0.654 Sad: 0.396 Surprise: 0.540
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00:58:11 ~ 00:59:05 渡辺喜美君
特に、霞が関の人たちは、国会議員が地域代表で週末地元に帰ってへろへろになって月曜日に戻ってくると、余り政策のお勉強してほしくない方が、実は有り難いわけですね。果たしてそういう選挙制度でいいんだろうかという議論も当時ありました。最高裁の判例は、合区をつくってその後合憲判決が出たのは、緩めたわけじゃないんですね、国会の努力を評価をしたというだけの話であります。全国民の代表、四十三条一項にありますのは、もうまさに五十八年判決が言っているとおりですよ。 Angry: 0.547 Disgust: 0.329 Fear: 0.470 Happy: 0.552 Sad: 0.359 Surprise: 0.565
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00:59:05 ~ 01:00:06 渡辺喜美君
誰の代理人でもないんですね。地元の代理人でもない、業界の代理人でもない。命令されない存在なんだと。命令委任の禁止ということこそ全国民の代表の真骨頂。で、この全国民の代表を担保するのが、選挙されたという文言ですよ、選挙された議員。選挙されたというのは、もうまさに一人一票、これが全国民の代表の正統性の根拠になっているわけであります。一人一票というのは、住んでいるところで差別されないというわけであって、区割りははっきり言って何でもいいんですよ、都道府県であろうが、小であろうが中であろうが大であろうがね。区割りごとに当選者を決めるからおかしくなるわけなのであって、全国集計をしたらいいんです。 Angry: 0.628 Disgust: 0.342 Fear: 0.527 Happy: 0.405 Sad: 0.408 Surprise: 0.514
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01:00:06 ~ 01:01:00 渡辺喜美君
全国集計をして、何党は何人と決めて、あとはその政党の中で、過疎地域を優先したいというんだったらあらかじめそういうルールをつくっておいてやればいいだけの話。拘束名簿と非拘束名簿、どっちでも、あるいはミックスでも構いませんよ、特定枠でも構いませんよ。マイノリティーを優先したいというのであれば、政党の中でそういうルールをあらかじめ届けておけばいいわけであります。いずれにしても、そういう改革から反するようなことを何で今この選挙前にやるのかというのは非常に解せないところであります。以上です。 Angry: 0.776 Disgust: 0.431 Fear: 0.417 Happy: 0.403 Sad: 0.403 Surprise: 0.402
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01:01:00 ~ 01:01:35 会長(中川雅治君)
以上で各会派の意見表明は終了いたしました。次に、委員間の意見交換を行います。一回の発言時間は各五分以内でお述べいただき、憲法審査会事務局又は法制局に答弁を求める場合は、答弁を含め五分以内といたします。なお、発言が終わりましたら、氏名標を横にお戻しください。舞立昇治君。 Angry: 0.522 Disgust: 0.316 Fear: 0.382 Happy: 0.715 Sad: 0.409 Surprise: 0.514
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01:01:35 ~ 01:02:06 舞立昇治君
自由民主党の舞立昇治です。合区につきましては、国に最も近い広域の地方公共団体として憲法より長い歴史で定着した平等な都道府県制度の下、県単位で育んできた民主的な政治や地域の一体性を無視され、特定の県のみ一人の代表すら出せないことに対して、私の地元鳥取や島根では、地方切捨てや参政権の侵害、逆に法の下の平等に反するといった不平等感が高まっております。 Angry: 0.754 Disgust: 0.470 Fear: 0.455 Happy: 0.397 Sad: 0.326 Surprise: 0.375
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01:02:06 ~ 01:03:16 舞立昇治君
合区解消については、衆参の役割の違いをより鮮明化するとか、較差縮小に焦点を当てた技術的な是正策など、法改正でも確かに可能であり、国民投票にさえかけられないまま合区の実害を放置し続けるよりも、仮に期限を切って各党で真剣に議論して一定の結論を出し、法改正によって最高裁に立法府の意思を示すことができるのであれば、合区当事者の私としては賛成したいと思っています。しかしながら、法改正も憲法との関係でああだこうだと見解が分かれるなどして、憲法改正と同じぐらい時間が掛かると思いますし、投票価値の平等を追求する弁護士グループの違憲訴訟、国民審査バツ運動は永久にやまないと思います。さらに、今の最高裁では、投票価値の平等を唯一絶対の基準とするものではないと言っておきながら、衆参共に投票価値の平等をより厳しく評価するようになったこと、そして都道府県単位を選挙区とする憲法上の要請はないと指摘する以上、憲法の投票価値の平等と同じ土俵で議論しなければ、つまり憲法改正で人口比例主義に明確な歯止めを掛けなければ根本的な解決にならないと思います。 Angry: 0.800 Disgust: 0.302 Fear: 0.430 Happy: 0.534 Sad: 0.249 Surprise: 0.370
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01:03:16 ~ 01:04:06 舞立昇治君
いずれにしても、人口減少社会や大規模災害、感染症等への対応とも密接に関連する問題であり、四十八年連続出生率最下位を独走する東京への一極集中を是正し、地方分散型社会へ転換するためにも、憲法改正をメーンとしつつ、法改正も辞さない覚悟で、一日も早く合区解消に向けた具体的な議論、調整に入るべきと考えます。自民党は憲法改正推進本部、今は実現本部ですが、それを設置し、具体的に四つを優先項目に掲げています。その一つ、合区解消について検討状況を整理したものがお手元の配付資料です。私はよりエッジの利いた案を主張しましたが、簡潔明瞭を旨とし、できる限り多くの国民や政党に理解が得られるよう配慮されたイメージ案となっています。 Angry: 0.644 Disgust: 0.381 Fear: 0.479 Happy: 0.543 Sad: 0.316 Surprise: 0.458
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01:04:06 ~ 01:04:51 舞立昇治君
私としては、この審査会で早くこの具体案の作成に向けた議論ができることを願いつつ、今日はこのイメージ案について法制局に質問します。まず、人口を基本とし、行政区画、地域的な一体性、地勢等を総合的に勘案しての文言を明記することにより、投票価値の平等の要請に対し、衆参共に一定の明確な譲歩、緩和効果をもたらすものと考えてよいかどうか、御見解を伺うとともに、日本の衆議院に当たる海外の下院、例えばイギリス、カナダでは約五倍の一票の較差がありますが、なぜそのような大きな較差が許容されているのか、説明をお願いしたいと思います。残りは次に回したいと思いますので、よろしくお願いいたします。 Angry: 0.524 Disgust: 0.202 Fear: 0.356 Happy: 0.703 Sad: 0.341 Surprise: 0.546
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01:04:51 ~ 01:05:17 法制局長(川崎政司君)
お答えいたします。条文イメージの前段、四十七条前段を拝見しますと、人口を基本とするとしつつ、行政区画、地域的な一体性等の要素を総合的に勘案するとしており、投票価値の平等と行政区画、地域的一体性等の地域的要素との適切な調和を図っていくことも憲法上求められることになることを意図しているものと理解することができるのではないかと思われます。 Angry: 0.401 Disgust: 0.374 Fear: 0.428 Happy: 0.727 Sad: 0.370 Surprise: 0.579
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01:05:17 ~ 01:06:16 法制局長(川崎政司君)
解釈の問題になりますが、そのような趣旨と捉えるのであれば、投票価値の平等の要請の緩和の程度は分かりませんが、そのような調和の観点から、国会が定めた選挙制度、定数配分、区割り等の合理性が認められやすくなると見ることもできるように思われます。続きまして、イギリスとカナダの関係について簡単に御説明させていただきます。イギリスは、不文憲法、議会主権を基本とする国であり、選挙区割りについて憲法違反といった問題は生じないとも考えられます。また、下院の選挙区割りについては、一九八六年議会選挙区法は行政区画を重視し、最大較差は五倍近くに上っていました。これに対して、二〇一一年の議会選挙制度・選挙区法が制定され、最大較差を原則として約一・一一倍以下となるよう区割りを行うこととされましたが、これに基づく選挙区割りは行われず、その後、二〇二〇年議会選挙区法が制定され、選挙区割り改定に関する規定の改正が行われております。 Angry: 0.437 Disgust: 0.209 Fear: 0.415 Happy: 0.752 Sad: 0.311 Surprise: 0.513
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01:06:16 ~ 01:06:42 法制局長(川崎政司君)
他方、カナダでは、憲法として位置付けられた法律で下院の定数、議席配分について規定しておりますが、各州に人口に比例した定数を配分することを基本としつつも、人口の少ない州でも一定程度の議員数を確保できるようにする特別措置も講じられております。その結果、五倍近い選挙区間の較差が生じておりますが、憲法に基づくものであるため、憲法違反の問題は生じないものと考えられます。以上でございます。 Angry: 0.617 Disgust: 0.361 Fear: 0.504 Happy: 0.440 Sad: 0.398 Surprise: 0.479
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01:06:44 ~ 01:07:01 小西洋之君
先ほどちょっと時間が足りなかったので、私の考えを端的に述べます。実は、我が会派が改革協でも述べている考え方なんですが、憲法改正をしなくても、最高裁の歴代の判決の基本的な法理、それに即して合区を廃止することができるのではないかということでございます。 Angry: 0.578 Disgust: 0.326 Fear: 0.408 Happy: 0.572 Sad: 0.467 Surprise: 0.459
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01:07:01 ~ 01:08:05 小西洋之君
実は、二〇一八年の改革協の下の選挙制度改革の専門委員会、岡田先生が委員長でございましたが、そこに民進党の意見として次のものが出されております。平成二十九年最高裁判決で示された累次の大法廷判決における参議院選挙制度の在り方に関する基本法理を踏まえた上で、立法府として都道府県単位の選挙区の意義を明らかにし、かつ、当該意義に基づく二院制における参議院の役割を実現するための委員会設置などの制度改革を行った上で、一定の人口較差をやむを得ないものと認めつつ合区制度を廃止し従前の方法で定数配分する案であるというものでございます。端的に、国家基本政策委員会がございますけれども、地方基本政策委員会といったようなものを例えば設けて、先生方も御案内のとおり、この日本の構造問題、人口減あるいはこの較差、地方において極めて深刻でございます。これは同時に、私も県選出の議員ですが、各自治体において行政サービスの格差すら生み出しております。 Angry: 0.586 Disgust: 0.337 Fear: 0.511 Happy: 0.486 Sad: 0.350 Surprise: 0.501
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01:08:05 ~ 01:08:44 小西洋之君
こうしたこの地方の問題、構造問題というものを、参議院というのは、もちろん衆議院も議論するんですが、参議院というのはしっかりと議論する院であるということを二院制の中で参議院の機能として位置付けて、そうしたことをするのであれば、当然、私も十二年間、参議院議員、都道府県選出やっておりますが、都道府県選出の議員の先生方は各県に一人は絶対必要だと思うんですが、岡崎局長に伺いますが、これまでのこの改革協あるいは選挙制度の専門家委員会の中で、こうした最高裁の判決の基本的な法理ですね、これに直接応えるような会派の見解というのはこれ以外にありますでしょうか。 Angry: 0.775 Disgust: 0.189 Fear: 0.390 Happy: 0.596 Sad: 0.221 Surprise: 0.458
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01:08:44 ~ 01:09:06 憲法審査会事務局長(岡崎慎吾君)
お答え申し上げます。先ほど先生がおっしゃられました専門委員会の開催過程で、平成二十九年の最高裁判決が……はい、出ました。その判決を受けて御提案されたのは、先ほど先生がおっしゃられた民進会派からの御提案だと考えています。 Angry: 0.542 Disgust: 0.348 Fear: 0.445 Happy: 0.671 Sad: 0.338 Surprise: 0.501
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01:09:06 ~ 01:10:45 小西洋之君
これ以外、実はないんですね。つまり、毎回最高裁判決を受けていますが、最高裁判決が我々国会に求めている、参議院は衆議院と違って何の役割を果たす院であるのか、それに基づいて一票の較差を含めた選挙制度を考えなさいと繰り返し繰り返し言っているんですが、それに実は我々応えたことがないわけでございます。それをやろうということを御提案をしているんですが。参議院の事務局が作ってくださった資料二十五ページ御覧いただけますでしょうか。有識者の見解として、東京大学の宍戸教授、憲法学者、日本を代表する憲法学者のお一人ですが、宍戸教授のこの見解の三つ目のポツの〓B番を御覧いただけますか。都道府県選挙区制の維持と参議院の権限、意思決定手続をセットで改革すると書かれています。これは端的に今私が言ったことなんですが、これであれば、違憲判決も出ないであろうというふうに憲法学者はおっしゃられておりまして、宍戸先生は、その上で、地方の府と参議院を位置付けるというような言い方をされているんですが、私がさっき申し上げた提案は地方の府までは多分いかなくて、我々、決算委員会、決算重視のことをやっていますけれども、だからといって、この参議院がもう憲法上決算の府というわけではないわけでございまして、参議院が衆議院とは異なる機能として、決算重視と同じように地方問題をしっかりと全国比例の先生方と一緒に都道府県の議員が議論をしていく、そうした機能を国会法を変えて行うのであれば、合区を廃止するのであれば、違憲判決は出ないのではないかということを、実は労働組合の連合の勉強会で宍戸先生に私、質問しております。 Angry: 0.592 Disgust: 0.271 Fear: 0.450 Happy: 0.578 Sad: 0.332 Surprise: 0.541
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01:10:45 ~ 01:11:03 小西洋之君
宍戸先生の会議録、答弁があります。今読み上げさせていただきますが、参議院の中で地方の問題にしっかりと取り組む姿勢を何らかの形で示した上で、都道府県に一議席ずつ割り振るということは立法政策として十分あり得る選択肢であり、それを最高裁が違憲と言えるかは極めて難しいところであると。 Angry: 0.554 Disgust: 0.277 Fear: 0.442 Happy: 0.619 Sad: 0.298 Surprise: 0.558
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01:11:03 ~ 01:11:50 小西洋之君
最高裁の見解のとおりに国会が頑張った結果ですので、そのような憲法学者、当代を代表する憲法学者もおっしゃられているところでございます。最後、我が会派は、改憲をですね、合区廃止のために改憲をすることは少なくとも私は反対でございます。それは、先ほどから維新の高木先生もおっしゃられましたけれども、一票の較差をやはり改憲によって葬り去るということは許されない。その前提として、都道府県選出の議員が、一体この参議院の中で全国比例の先生方とともにハウスとして何の役に立つのか、そこの議論を尽くす。それは実は、改憲の必要性でも同じ、求められる立法事実でございますので、そこの議論をしっかりして、法改正により合区を廃止することを私は議論すればいいと思います。以上でございます。 Angry: 0.740 Disgust: 0.384 Fear: 0.436 Happy: 0.486 Sad: 0.338 Surprise: 0.411
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Angry: 0.533 Disgust: 0.261 Fear: 0.478 Happy: 0.563 Sad: 0.476 Surprise: 0.590
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01:11:52 ~ 01:12:20 山谷えり子君
自由民主党、山谷えり子でございます。合区問題について、考え方、感じ方を述べさせていただきます。人口の減少と一極集中化が進み、投票価値の平等を重視する視点から、平成二十二年と平成二十五年の参議院選挙に対する一票の較差について訴訟が各地で提訴され、全体として違憲状態との判断が示され、選挙制度の仕組みの見直しの必要性等が指摘されました。 Angry: 0.579 Disgust: 0.326 Fear: 0.542 Happy: 0.534 Sad: 0.316 Surprise: 0.568
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01:12:20 ~ 01:13:17 山谷えり子君
そして、平成二十八年参議院選挙では四県二合区の導入にまで至りました。このままでいきますと、そのうち福井と石川、山梨と長野、佐賀と長崎も次々と合区になるのではないかとも言われています。これでは、人口減少が進む地方の声が反映されにくくなり、地域間格差が広がり、選挙への参加意欲の低下にもつながります。都道府県は、歴史的、政治的、経済的、社会的、文化的に独自の実体があります。例えば、私は福井で育ちましたが、人口は少なくても、いにしえからの都とのつながりにより育まれた文化、教育県、幸福度日本一の県、原子力発電所を多く立地しエネルギー供給県としての誇りと悩みも持っています。 Angry: 0.326 Disgust: 0.196 Fear: 0.466 Happy: 0.751 Sad: 0.357 Surprise: 0.665
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01:13:17 ~ 01:14:04 山谷えり子君
私は、石川県もちろん好きですが、福井県の政治的まとまりが分断されるのは、福井にとっても石川にとっても悩ましいものとなるでしょう。人口比で選挙区定数を定めていくのは、日本人の文化と歴史の視点から合いません。各県の力の源を壊していくことにつながります。憲法十四条は法の下の平等を定めていますが、最高裁の過去の判例でも、違憲状態となる具体的基準は示していません。過去は衆議院で三倍、参議院では六倍超え辺りで違憲状態と推測されているようですが、基準は近年厳格化しています。 Angry: 0.594 Disgust: 0.296 Fear: 0.474 Happy: 0.518 Sad: 0.424 Surprise: 0.494
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01:14:04 ~ 01:15:05 山谷えり子君
諸外国では、上院議員の選出について、例えばアメリカでは、人口の多寡にかかわらず、各州の定数を二名と定めているところですが、ほかにも多くの国々が各州への定数保障をしています。地域代表という位置付けのためでしょう。法の下の平等は当然大切ですが、個人は共同体とのつながり、先祖また未来の子供たちとのつながりを持って生かされています。法制局に伺います。司法の判断のロジックは尊重するとして、全体の憲法の性格から、各自治体、共同体とのつながり、未来への責任の中での個人の存在、尊重という視点は全く読み込めないのでしょうか。憲法九十七条には、基本的人権について、「現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたもの」とあります。 Angry: 0.551 Disgust: 0.350 Fear: 0.458 Happy: 0.544 Sad: 0.447 Surprise: 0.461
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01:15:18 ~ 01:16:12 法制局長(川崎政司君)
お答えいたします。憲法は、両議院議員の選挙制度について、選挙区も一つの構成要素として挙げており、選挙区については伝統的に一定の地域を単位としていたところでございます。他方、憲法は地方自治について一つの章を設けて保障しており、その主体となる共同体としての地方公共団体については、行政区画として選挙区を定める際の要素の一つとなるものであり、最高裁もそのことを認めてきております。選挙区は、それぞれの有権者団を構成するものであり、そこでは人々のつながり、地域的なまとまり具合といったことも考慮することは許されると考えられますが、最高裁もかつてはそのことを言及しておりました。しかし、投票価値の平等の要請を重視するに伴い、行政区画を含むそれらの要素は憲法上の要請ではないなどとして、憲法上の要請である投票価値の平等を優先するようになってきているものと思われます。 Angry: 0.639 Disgust: 0.346 Fear: 0.374 Happy: 0.648 Sad: 0.322 Surprise: 0.474
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01:16:19 ~ 01:16:46 山谷えり子君
地域が持つつながりの意味に目を向ける憲法学説というのが本当に少ないというふうに思いますので、充実を願いたいと思います。全国知事会を始め地方六団体がその早急な解消等を求める決議を行っております。自民党は、合区問題は憲法問題として条文イメージ案を出しております。議論が進むことを願います。 Angry: 0.570 Disgust: 0.281 Fear: 0.426 Happy: 0.571 Sad: 0.417 Surprise: 0.505
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01:17:00 ~ 01:17:58 打越さく良君
これを受けて、参議院では各会派で真摯な議論を行い、公職選挙法の改正に取り組んできました。この過程で、ほぼあらゆる選挙制度、またその組合せがシミュレートされ、その上で、平成二十七年の公職選挙法の改正により、四県二合区を含む十増十減が導入されました。この過程は、いかに合区を回避するかの苦闘の結果でもあったと思われます。そこで、岡崎事務局長と川崎法制局長に伺いたいのですが、いかにして合区が導入されたのか、経緯について御理解なさっているところを御説明いただきたいです。そして、合区なしで最高裁の違憲状態の判断を回避し得る選挙制度が当時の議論の中であったのかも教えていただければと思います。 Angry: 0.519 Disgust: 0.255 Fear: 0.501 Happy: 0.572 Sad: 0.343 Surprise: 0.563
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01:17:58 ~ 01:18:22 憲法審査会事務局長(岡崎慎吾君)
この合区の導入に際しての先生方の御議論が極めて多種多様にわたりまして、なかなか、合区そのものについての新たな考え方ということについて様々な御議論があったと承知しております。 Angry: 0.280 Disgust: 0.192 Fear: 0.579 Happy: 0.640 Sad: 0.381 Surprise: 0.654
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01:18:22 ~ 01:18:47 憲法審査会事務局長(岡崎慎吾君)
その詳細について細かくここで御披露することはちょっとできませんけれども、そういった、まさにその選挙区の在り方ということについては相当幅広い御提案と御議論があったと承知しております。 Angry: 0.224 Disgust: 0.140 Fear: 0.576 Happy: 0.619 Sad: 0.340 Surprise: 0.763
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01:18:47 ~ 01:19:08 法制局長(川崎政司君)
お答えになるかどうか分かりませんけれども、それまでの改正というのは、何増何減という形で、その較差、定数を削減しても較差が比較的大きくならないところを削るというやり方をやってきたわけですが、そのような較差是正の仕方がもう限界に来たということが一点。 Angry: 0.555 Disgust: 0.473 Fear: 0.603 Happy: 0.280 Sad: 0.440 Surprise: 0.440
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01:19:08 ~ 01:19:47 法制局長(川崎政司君)
もう一つは、投票価値の平等の要請に関して最高裁が非常に重視するような姿勢を示すようになり、従来のような対応の仕方は難しいという中で、何らかの形で較差を大きく縮小するという方法として様々なものが議論されましたが、最終的には合区というものが選択されたと。ただ、その合区について選択する際にも、対案としては二十県十合区という案も出されておりまして、その中で平成二十七年のような四県二合区を含む十増十減の改正案が成立したと、そういう経緯であるというふうに理解しております。 Angry: 0.505 Disgust: 0.332 Fear: 0.503 Happy: 0.587 Sad: 0.359 Surprise: 0.497
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01:19:47 ~ 01:20:17 打越さく良君
その後、平成二十九年、令和二年判決では、較差の厳格化の傾向にブレーキが掛かったとも見られています。しかしながら、この今の人口変動において更に人口較差は拡大しつつあって、このままで一票の較差拡大に対応できない状態にもなり得るのではないかということになった場合に、このまま較差是正を行わない場合は最高裁の判断はどのようになると考えられるかと。 Angry: 0.398 Disgust: 0.231 Fear: 0.601 Happy: 0.509 Sad: 0.399 Surprise: 0.617
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01:20:28 ~ 01:21:02 憲法審査会事務局長(岡崎慎吾君)
大変難しいお答えになろうかと思いますけれども、例えば資料十ページに引用させていただきました令和二年判決、この最後の五行があるかと思うんですが、こういった最高裁の認識を踏まえて、国会における今後のお取組の状況がどのようなものかということにも関わってくるのではないかと考えております。ちょっと僣越ながらお答えさせていただきました。 Angry: 0.391 Disgust: 0.257 Fear: 0.495 Happy: 0.571 Sad: 0.483 Surprise: 0.494
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01:21:02 ~ 01:21:42 法制局長(川崎政司君)
お答えいたします。最高裁判決との関係についてでございますけれども、最高裁は抽象的な判断枠組みを示すのみで較差の判断基準を示さないなどの、そういう立場を取っております。そして、憲法規範に照らして判断するのではなくて、最高裁判決を踏まえて国会がどのような対応、努力をしたかによって判断するようになっており、その論理は分かりにくいところがございます。とりわけ、近年は、従来の判断枠組みを基本的に維持するとしつつも、実質的にその論理や判断枠組みを変化させており、それらをどのように捉えるかについては慎重な読み解きが必要となるのではないかと思います。そのような意味では、にわかには最高裁がどう判断するか、お答えすることは難しいということではないかと思います。 Angry: 0.473 Disgust: 0.348 Fear: 0.395 Happy: 0.742 Sad: 0.391 Surprise: 0.473
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01:21:54 ~ 01:22:14 古川俊治君
投票価値の不平等に関する私の意見を述べます。最高裁は、投票価値の平等は憲法上の要請であるとしていますが、その判断枠組みは、投票価値の不平等状態が国会の裁量権の限界を超えているか、合理的期間、相当期間の間にこれを是正する措置を講じないことが立法裁量の限界を超えるか否かという二段階であります。 Angry: 0.774 Disgust: 0.444 Fear: 0.409 Happy: 0.339 Sad: 0.372 Surprise: 0.371
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01:22:14 ~ 01:23:06 古川俊治君
仮に最高裁が投票価値の平等を人権論として論じているのであれば、定数不均衡による法の下の平等の侵害が国会の裁量権の限界を超えれば、直ちに人権を救済しなければならないはずであり、合理的期間の徒過や議論の方向性などを考慮することは人権論の救済としては妥当ではありません。すなわち、最高裁が論じているのは、人権論というよりは立法不作為の違憲性の議論に近い、制度の議論であるということが言えます。制度としての選挙制度を考える場合には、投票価値の不平等の問題を最大較差で議論する最高裁の議論は選挙制度全体としての良しあしを考える上では適切な指標ではないと思います。なぜなら、投票価値の不平等は、一番上と一番下の都道府県の間のみに存在するわけではなく、上から二番目以降と下から二番目以降の都道府県の間にも存在するからです。 Angry: 0.853 Disgust: 0.449 Fear: 0.324 Happy: 0.484 Sad: 0.296 Surprise: 0.329
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01:23:06 ~ 01:24:16 古川俊治君
この点では、令和二年の判決の補足意見で草野耕一裁判官は、ジニ係数を算出すべきだと指摘されております。憲法審査会事務局の四十三ページにあります。ジニ係数を用いれば、選挙制度全体としての不均衡が明確な数字として表されるからであります。実はジニ係数を用いると、人口が少ない、一票の価値が大きい島根、鳥取などの選挙区ですが、そこの議員定数を減らすことは投票価値の平等を実現するには非効率であるということが分かります。例えば、平成二十七年当時提案された最も合区を進める方向の案、二十県十合区案でありますが、これを行うと確かに最大較差は二・〇二倍まで低下するものの、ジニ係数は現行制度の一四・二二から一二・三一%にしか改善せず、全体としての一票の較差の是正は僅かしかないということが分かります。すなわち、ジニ係数を小さく、すなわち投票価値の平等を実現するには、人口が多くて一票の価値が低い選挙区の議員数を増やすのが効率的ですけれども、現行の政治の下では、議員定数を増やすのは国民負担を増やすため、難点があります。 Angry: 0.643 Disgust: 0.290 Fear: 0.494 Happy: 0.463 Sad: 0.295 Surprise: 0.542
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01:24:16 ~ 01:25:12 古川俊治君
例えば、一票の価値の低い東京の有権者の多くは、東京選挙区の議員定数を増やして自分の一票の価値を上げることよりも、議員が、議員定数が一人増えることによる負担を嫌うと考えられます。最も不利益等を受けているはずの人が、その不利益の解消を強くは望んでいないという現実があります。素直に考えると、投票価値の平等の議論は、専ら裁判所と一部の法律家の間で行うマニアの議論になっていて、一般国民の意識から乖離してしまっているのが現状だと思います。草野裁判官は、違憲判断には、投票価値の不均衡が存在することによって一定の人々が不利益を受けているという具体的かつ重大な疑念の立証が必要であるというふうに論じております。投票価値の不平等の問題は、人権論というよりも制度論である以上、憲法四十七条が国会に広い裁量を付与していることからも、より緩和された違憲性判断基準が妥当するものと考えられます。 Angry: 0.735 Disgust: 0.350 Fear: 0.484 Happy: 0.367 Sad: 0.354 Surprise: 0.420
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01:25:12 ~ 01:26:02 古川俊治君
合区は、国政と地方自治の関係、特にこの両者を前提として機能している政党政治の在り方に重大な変更をもたらすものです。また、合区には、対象選挙区の有権者の政治意識に関する悪影響、悪影響を及ぼす、対象選挙区の間に人口差がある場合、人口の少ない選挙区の選挙民に被差別感が生じるなどの弊害が生じると指摘されています。投票価値の不均衡が存在することによって、一定の人々が本当に合区の弊害を超えるような具体的に不利益を受けているのかどうか、現在に至るまでその立証はありません。参議院選挙において、合区の弊害をもってしてまで投票価値の平等を実現しようというのは、投票価値の低い都道府県の有権者を救うという実体のない正義の理念に振り回されているとの疑念が強く、是正すべきものと考えます。以上です。 Angry: 0.768 Disgust: 0.397 Fear: 0.459 Happy: 0.387 Sad: 0.368 Surprise: 0.416
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01:26:05 ~ 01:27:24 高瀬弘美君
公明党の高瀬弘美です。合区問題について、有権者の意識という点で質問させていただきたいと思います。合区が導入された四つの県のその後の選挙結果と合区以前の選挙結果を投票率で比較をいたしますと、島根県においては、投票率は合区導入前は全国一位でありましたけれども、合区導入後の二〇一六年は三位、二〇一九年は六位と、いずれも投票率を下げております。また、鳥取県の投票率は、合区導入前は全国三位でありましたけれども、合区導入後、二〇一六年は二十位、二〇一九年は十九位と大幅に順位を落としております。高知県の投票率も二〇一六年の参議院選挙では全国最下位、徳島県の投票率も二〇一九年の参院選では全国最下位となっております。このように、四県における合区導入の影響というのは非常に大きく、有権者の投票行動に影響を与えたと一定程度言えると考えますけれども、このことは、国民の代表たる国会議員ではあるけれども、その前に、選出された地域の代表であるという有権者の意識が、ある意味この投票率によって示されていると考えることもできるのではないかと思います。 Angry: 0.445 Disgust: 0.225 Fear: 0.422 Happy: 0.699 Sad: 0.386 Surprise: 0.589
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01:27:24 ~ 01:28:08 高瀬弘美君
そこで、川崎局長と岡崎事務局長にお伺いをしたいんですけれども、今日御紹介いただきました様々な判決の中で、この有権者の意識、有権者が参議院に対して持っている意識、この意識の有無についての言及ですとか、あるいは有権者が、この参議院というのは地域のあるいは自分の県の代表なんだということを、どうやってこちら側がそういう意識を持たれているということを判断するのか、こういうことについての考え方について、これまでの裁判あるいは有識者の見解等でこういう御意見あったかについて教えていただきたいと思います。 Angry: 0.778 Disgust: 0.207 Fear: 0.342 Happy: 0.479 Sad: 0.312 Surprise: 0.434
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01:28:08 ~ 01:29:07 法制局長(川崎政司君)
お答えいたします。まず、令和二年の最高裁判決で、今先生が御指摘になられたような有権者への影響については指摘されているところでございます。問題は、その参議院の選挙の関係で、地域の代表であるというようなことの関係で何か言及があるかということでございますが、基本的にはやはり、憲法四十三条一項の全国民の代表の建前がございますので、やはりそちらの方の関係で、どのような選出方法によるにかかわらず、その全国民の代表として行動すべしということがありますので、その地域代表ということについて直接に何かいろいろと言及したということはございませんが、ただ、選挙区の在り方の関係で、従来においては選挙区のまとまり具合といったような地域の一体性みたいなことは言っていまして、そういう意味でいいますと、やはり選ぶ側のその意識というのが全く考慮されていないわけではないというところはあろうかと存じます。 Angry: 0.487 Disgust: 0.396 Fear: 0.442 Happy: 0.646 Sad: 0.356 Surprise: 0.505
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01:29:13 ~ 01:30:11 憲法審査会事務局長(岡崎慎吾君)
今、川崎法制局長から申し上げたことに付け加えることはないんですが、歴代の裁判官の個別意見の中で、たとえ同じ都道府県の中であっても、大都市とそれから過疎地域では全くそういった意識が、いろんな問題についての意識が異なるので、そういったことについて果たして一つの選挙区として捉えられるのかと、もう少しそういった、より細かい選挙民の意識について、それを踏まえた選挙制度というのも必要なんじゃないかということは、今すぐここでどの意見ということは申し上げられないんですが、何度かそういった個別意見は見受けられると存じます。 Angry: 0.471 Disgust: 0.278 Fear: 0.628 Happy: 0.474 Sad: 0.268 Surprise: 0.576
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01:30:11 ~ 01:30:42 高瀬弘美君
ありがとうございます。有権者の方々がどのように捉えていらっしゃるかという観点も一つ大事な点ではないかなというふうに思います。これまでもこの憲法審査会の中で様々この点について御議論はあったと思いますけれども、この地域代表制を具体化しようと余りに固執をしますと、様々弊害といいますか、参議院の機能の大きな変更につながりかねない部分がありますので、詳細な議論が必要ではないかと考えます。終わります。 Angry: 0.469 Disgust: 0.318 Fear: 0.382 Happy: 0.633 Sad: 0.524 Surprise: 0.460
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01:30:45 ~ 01:31:08 舞立昇治君
私が配付したイメージ案について、引き続き質問させていただきます。参議院議員の全部又は一部の選挙については、別途、広域の地方公共団体のそれぞれの区域を選挙区とする場合には、改選ごとに各選挙区において少なくとも一人を選挙すべきものとすることができると規定している箇所について、三点ほど法制局に確認します。 Angry: 0.562 Disgust: 0.276 Fear: 0.422 Happy: 0.626 Sad: 0.266 Surprise: 0.600
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01:31:08 ~ 01:32:16 舞立昇治君
まず、広域の地方公共団体との文言について、全国町村会が大反対している道州制は取りあえずおいておいて、現在の地方自治関係の諸制度の下では都道府県のことを明確に示すものと考えますが、これに対する見解が一点目。次に、少なくとも一人を選挙すべきものとすることができるの箇所について、あくまでできる規定として、都道府県単位を固定化するものではなく、国会の裁量に委ねているため問題ないと思いますが、念のため確認ですが、昭和五十八年の最高裁判決の解釈で触れられたように、憲法四十三条一項の全国民の代表との関係において矛盾するものではなく、参議院の地位を低下させるものでも、そして衆参の役割の見直しにつながるものでもないと考えますが、これに対する見解が二点目。最後、三点目、仮に国会の裁量で少なくとも一人を選挙すべきものとした場合、憲法十四条の法の下の平等、つまり投票価値の平等の例外として、アメリカの上院のように大きな較差があっても許容されると考えますが、これに対する見解を伺います。 Angry: 0.623 Disgust: 0.208 Fear: 0.480 Happy: 0.545 Sad: 0.253 Surprise: 0.641
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01:32:16 ~ 01:33:04 法制局長(川崎政司君)
お答えいたします。まず、第一点目の広域の地方公共団体でございますが、現行の憲法九十二条では単に地方公共団体としてその組織及び運営に関する事項を法律事項としておりますが、それを受けて地方自治法では、都道府県は市町村を包括する広域の地方公共団体と規定しているところでございます。また、憲法上の地方公共団体について判示した最高裁の昭和三十八年判決を踏まえるならば、憲法上の地方公共団体に該当するのは地方自治法上の市町村と都道府県と解されており、また、お配りをいただきました条文イメージの九十二条を拝見しますと、地方公共団体は、基礎的な地方公共団体及びこれを包括する広域の地方公共団体を基本とするとしております。 Angry: 0.485 Disgust: 0.298 Fear: 0.426 Happy: 0.646 Sad: 0.335 Surprise: 0.554
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01:33:04 ~ 01:34:22 法制局長(川崎政司君)
現行の地方自治制度を前提とすれば、広域の地方公共団体とは都道府県を指すと解されることになるものと思われます。二つ目の点でございます。全国民の代表との影響、あるいは権限の影響との関係でございます。最高裁も述べているとおり、憲法四十三条一項の全国民の代表については、その選出方法にかかわらず、一部の国民を代表するものではなく全国民を代表するものであること、選挙人の指図に拘束されることなく、独立して全国民のために行動すべきことを意味するものであり、実際上、都道府県代表的な要素が加わったからといって、全国民の代表という性格と矛盾するものではないと解されているところでございます。条文イメージの四十七条後段を拝見しますと、参議院議員の選挙の全部又は一部について、広域の地方公共団体の区域を選挙区とする場合には、改選ごとに少なくとも一人を選挙すべきとすることができるとしているにとどまり、議論はあり得ると思いますが、少なくとも一人の部分は人口比例の例外になるということだろうと思いますが、それが直ちに地域代表に結び付くわけではなく、全国民の代表であることに変わりはないという考え方も成り立ち得るように思われます。 Angry: 0.510 Disgust: 0.360 Fear: 0.546 Happy: 0.521 Sad: 0.346 Surprise: 0.581
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01:34:22 ~ 01:35:02 法制局長(川崎政司君)
そして、憲法政策の問題となりますが、そのようなものにとどまるのであれば、参議院の在り方や権能の見直しが直ちに必要になるものではないとの判断も成り立ち得るのではないかというふうに思っているところでございます。最後の御質問でございます。条文イメージ四十七条第一項後段では、広域の地方公共団体である各選挙区において改選ごとに少なくとも一人を選挙すべきものとする場合には、一律に一人を配分する部分については憲法上の例外として投票価値の平等の要請が及ばなくなるとの解釈が可能というのは先ほども述べたとおりです。その限度において投票価値の平等の要請が緩和されることになると見ることもできるように思われます。 Angry: 0.521 Disgust: 0.358 Fear: 0.459 Happy: 0.581 Sad: 0.413 Surprise: 0.513
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01:35:05 ~ 01:35:45 舞立昇治君
私の地元、先ほどもございましたが、七六%合区反対となっているほか、全国知事会始め地方六団体、そして全国三分の二以上の県議会において合区反対の決議なり都道府県代表を要望している。こんなに多く要望が出されることに対し、もしも本当に国会議員の皆さんが全国民の代表の意識を持っているのであれば、なぜこの問題に誠実に向き合ってくれないんだというのが地元有権者の思いです。是非とも、既に深刻な実害が生じていて最も緊急性が高い合区解消を是非憲法改正の最初のテーマの一つとして御議論いただくようお願い申し上げまして、私の意見を終わります。 Angry: 0.649 Disgust: 0.282 Fear: 0.405 Happy: 0.479 Sad: 0.445 Surprise: 0.469
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01:35:50 ~ 01:36:08 浅田均君
日本維新の会、浅田均でございます。合区問題に関する会派の見解は、先ほど高木委員から発言がありましたように、舞立先生には大変申し訳ございませんが、合区解消の必要性はないというものでございます。 Angry: 0.252 Disgust: 0.287 Fear: 0.579 Happy: 0.537 Sad: 0.574 Surprise: 0.586
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01:36:08 ~ 01:37:06 浅田均君
この結論に至る背景には、我が会派が国の形をどのように変えていくことが必要であると考えているか御説明することにより、よく御理解いただけるものと考えます。日本維新の会が憲法改正項目として掲げているのが、教育無償化、憲法裁判所の設置、地方分権改革、道州制の導入の三点でございます。私たちは、将来的には首相公選制、道州制、一院制を含む統治機構の改革をセットで実現させることを公約に掲げております。道州制については、内政に関わることで、住民に身近な行政はできる限り身近な団体が担う近接性の原則、また基礎自治体でできないことは広域自治体である道州が担う補完性の原則を適用します。 Angry: 0.559 Disgust: 0.321 Fear: 0.476 Happy: 0.536 Sad: 0.348 Surprise: 0.564
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01:37:06 ~ 01:38:13 浅田均君
そうして国の役割を国家としての存立に関わる事務その他の国が本来果たすべき分野、すなわち外交、防衛、マクロ経済政策等に絞り込むことにより、国の役割が強化されると考えております。国の役割が絞り込まれることにより中央政府の規模は小さくなり、したがって立法府も一院で事足りるのではないかと考えます。一院制に至る過程、一院制に至るまでの経過措置として、合区の考え方は積極的に取り入れられるべきと考えます。人口の偏在や減少が進む中で、一票の較差是正と都道府県を選挙区の単位とすることは両立しないからです。参議院の合区に関し先ほど事務局の方から御説明がありましたけれども、議論の前提になるのが憲法四十三条と第四十七条であると考えております。 Angry: 0.696 Disgust: 0.327 Fear: 0.513 Happy: 0.442 Sad: 0.304 Surprise: 0.499
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01:38:13 ~ 01:39:23 浅田均君
すなわち、憲法四十三条、両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを構成する、そして憲法四十七条、選挙区、投票の方法その他両議院の議員の選挙に関する事項は、法律でこれを定めるとあります。このうち、憲法四十三条については、高木委員からも言及がありましたが、二〇一四年、平成二十四年十月十七日最高裁大法廷判決では、都道府県を参議院議員の選挙区の単位としなければならないという憲法上の要請はなく、むしろ、都道府県を選挙区の単位として固定する結果、その間の人口較差に起因して投票価値の大きな不平等状態が長期にわたって継続していると認められる状況の下では、都道府県を選挙区の単位として各選挙区の定数を定める仕組み自体を見直すことが必要になるものだと言わねばならないという言及がございます。 Angry: 0.837 Disgust: 0.187 Fear: 0.426 Happy: 0.530 Sad: 0.153 Surprise: 0.530
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01:39:23 ~ 01:40:09 浅田均君
憲法四十七条を根拠として申し上げるならば、合区、合区解消という選挙制度の仕組みの問題であって、実際この問題は参議院改革協議会でも議論されておりますが、憲法審査会で取り上げられるべき問題かは疑問です。憲法審査会で議論すべきは、選挙制度の問題ではなく参議院の理念です。フランス革命時にアビ・シェイエスは、第二院が第一院と一致するときは無用であり、第一院に反対するならば、それは有害であると述べていますが、なぜ二院制なのか。 Angry: 0.784 Disgust: 0.237 Fear: 0.478 Happy: 0.430 Sad: 0.217 Surprise: 0.518
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01:40:09 ~ 01:40:42 浅田均君
あえて二院制とするならば、第二院である参議院の存在理由は何か、参議院にどのような形でどのような民意を反映させ、その民意にどのような権限を行使させるのかといった内容こそが議論されるべきだと考えます。これからの議論の、憲法審査会における議論のシーズとして皆さん頭に残していただければ幸いでございます。終わります。 Angry: 0.767 Disgust: 0.416 Fear: 0.403 Happy: 0.418 Sad: 0.383 Surprise: 0.385
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01:40:46 ~ 01:41:07 伊藤孝江君
公明党の伊藤孝江です。本日は発言の機会をいただき、ありがとうございます。現在、参議院選挙の選挙制度において合区制度が導入されているところ、合区は長期間にわたり投票価値の大きな較差が継続する要因となっていた都道府県を選挙区の単位として、各選挙区の単位をめぐる仕組み自体を見直すべく較差の是正を図ったものであります。 Angry: 0.504 Disgust: 0.302 Fear: 0.387 Happy: 0.706 Sad: 0.383 Surprise: 0.519
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01:41:07 ~ 01:42:04 伊藤孝江君
参議院議員の選挙制度を考えるに当たって、投票価値の平等は憲法十四条一項等に基づいて要請される基本的で重要な原則です。平成二十四年の最高裁判決において、参議院は衆議院とともに国権の最高機関として適切に民意を国政に反映する責務を負っていることは明らかであり、参議院議員の選挙であること自体から、直ちに投票価値の平等の要請が後退してよいと解すべき理由は見出し難いとされているとおりです。最高裁判決において、平成二十二年及び平成二十五年の通常選挙の議員定数配分規定が違憲状態とされたことも踏まえて、平成二十八年通常選挙で合区制度の導入もあり、一票の較差が三・〇八倍まで是正をされました。一票の較差の是正を行う方法については国会が幅広い裁量を有しており、国会が自ら適切な是正の措置を講じていかなければなりません。 Angry: 0.732 Disgust: 0.313 Fear: 0.422 Happy: 0.511 Sad: 0.242 Surprise: 0.524
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01:42:04 ~ 01:43:06 伊藤孝江君
合区制度は、選挙制度に関する議論において様々な議論が噴出して各政党が合意ができない状態の中で、投票価値の平等を確保できなくてもよいとするか、合区を認めるか、憲法を改正するかなど様々な選択肢の中から各党の合意が得られ導入されたものであり、私は、選挙制度としてベストではないけれども、現時点で取り得るものとしてはベターな制度であるというふうに考えております。合区を導入することで都道府県単位での選挙区とならない地域ができました。これについては、都道府県を参議院議員の選挙区の単位としなければならないという憲法上の要請はないこと、また、現行制度における都道府県選出議員も全国民の代表であることにより憲法上及び法律上の権限が維持されていることからして許容されると考えています。都道府県選出議員は、あくまでも地域代表的性格であり、厳密に都道府県代表ではないということも理解していく必要があります。 Angry: 0.662 Disgust: 0.335 Fear: 0.475 Happy: 0.489 Sad: 0.314 Surprise: 0.446
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01:43:06 ~ 01:44:20 伊藤孝江君
ただ、確かに合区の対象となった地域の方から不満や懸念が示され、合区の解消を強く望む意見があることは理解できますし、事実としてしっかりと受け止める必要があります。しかし、それらも投票価値の平等の要請との調和が保たれる限りにおいて認められるものです。仮に、合区をなくして都道府県単位の選挙区を維持し、一番人口の少ない県の人口に合わせた一議席を単位として一票の較差が生じないように定数配分を考えるとした場合、例えば選挙区の定数全体を増やして是正することは理論上可能ではありますが、全体として大幅な定数増になることも考えられ、また、東京一極集中という形になってしまうことが想定されることから、到底国民に受け入れられる方法ではないように思います。この合区による様々な不満や懸念などを解消すること及び最高裁から投票価値が不平等だという判断を受けない恒久的な制度を構築することという要請を両立させるには、都道府県を基準とした選挙区と全国比例という今の選出方法を前提とした選挙制度の維持は困難であり、ブロック制による大選挙区制が最も適していると考えます。 Angry: 0.557 Disgust: 0.311 Fear: 0.515 Happy: 0.472 Sad: 0.412 Surprise: 0.477
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01:44:20 ~ 01:44:51 伊藤孝江君
公明党は、以前より、十一ブロックの大選挙区制が望ましいと主張をしております。社会的、経済的変化の激しい時代にあって、今後も不断に人口変動が生ずることが見込まれる中で、一票の較差の更なる是正を図っていくことが求められます。参議院として一票の較差の是正を指向する姿勢を失うことなく、今後もあるべき選挙制度について真摯に議論を重ね、改革を進めていくべきであると申し上げ、私の発言とさせていただきます。 Angry: 0.584 Disgust: 0.317 Fear: 0.500 Happy: 0.538 Sad: 0.310 Surprise: 0.519
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01:44:54 ~ 01:45:07 上月良祐君
自民党の上月良祐です。発言の機会をありがとうございます。人権は憲法の心臓部、最も重要で、投票価値の平等を含め、極めて繊細に扱われるべきだと重々認識をいたしております。 Angry: 0.608 Disgust: 0.374 Fear: 0.369 Happy: 0.578 Sad: 0.466 Surprise: 0.396
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01:45:07 ~ 01:46:13 上月良祐君
しかし、ロシアによるウクライナ侵略といった現実を目の当たりにさせられ、改めて言うまでもなく、国あっての社会、社会あっての個人であり、人権と国益や公共、公益とのバランスを常に考え続けなければならないと思います。人権どころか命すらじゅうりんされるような状況になってしまっては、高邁な理念も地に落とされてしまう、多くの国民がそう感じているのではないでしょうか。いまだ経験したことのない人口減少時代を迎え、平等原則を偏重して、地方の代表を減らしていっていいとは思いません。人口が大きく減少する地域は相対的に条件が厳しい地域が多く、代表が減ることで更に人口減が加速すれば、結果的に衆議院側でも同様の状況となり、相乗的に悪化していきます。人口比例に、より忠実な衆議院との組合せとして、参議院側が増減を加速する形は一定程度に収めるべきだと思います。私の場合、選挙区との関係は当然大きく、議員として全国民の代表だと心得て活動はいたしておりますが、例えば国境離島や過疎地の問題に対応していくにも、どうしても時間は限られてしまいます。 Angry: 0.624 Disgust: 0.329 Fear: 0.509 Happy: 0.354 Sad: 0.493 Surprise: 0.440
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01:46:13 ~ 01:47:04 上月良祐君
そのような地域の代表を減らし、都会の代表を増やしていくことで、例えば国境離島の安全保障への関心や対応を強める方向にはならないと思います。都心に住む方々が、日々の生活の中で、国境離島の現実、過疎地の生活基盤の現実を十分認識できるかは、良しあしの問題ではなく、現実にはなかなか困難だと思います。であるがゆえに、有権者をお支えする議員の活動におのずと限界が生じることは、政治というか人間活動の実際であり、理論とは別次元の現実だと思います。様々な県での勤務や限界集落対策といった仕事の経験等を通じ、都道府県という大きさ、固まりが歴史的にも文化的にも定着しているだけではなく、行政の効率性や隅々まで目を行き届かせるという意味でも一定の合理性があると考えております。 Angry: 0.527 Disgust: 0.360 Fear: 0.518 Happy: 0.448 Sad: 0.464 Surprise: 0.451
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01:47:04 ~ 01:48:06 上月良祐君
憲法より歴史の長い都道府県の各選挙区に最低一人、半数改選のため計二人の代表者を選べるようにすることは、参議院の選挙として国民の意識に沿ったものだと思います。大区画による選挙で各県を代表する者を持てないリスクは、条件不利な県ほど高いはずで、長期的なデメリットを軽く見てはいけないと思います。首都圏、関西圏等の一部は別かもしれませんが、基本的に隣接県同士はライバルであり、合区による選挙はそもそも厳しい面があります。投票率の低下も生じており、また現実の社会経済が都道府県をベースに意思の集約、決定、表明等が行われている以上、利害が対立するケースも想定され、もちろん教科書的にはそういったことは乗り越えていくべきとなりますが、なかなか難しい面があることも事実です。衆議院の小選挙区が市町村域とずれていたり、東京ではかなり細分化もされています。参議院の選挙が都道府県という行政の枠組みから全く離れてしまっていいのかという点には配慮が必要です。 Angry: 0.538 Disgust: 0.271 Fear: 0.553 Happy: 0.417 Sad: 0.421 Surprise: 0.516
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01:48:06 ~ 01:49:00 上月良祐君
また、都道府県をベースとした選挙区で選ばれた議員が全国民を代表することにならないと、直結することにはならないと考えております。憲法の改正規定は、憲法自身が時代の変遷などを踏まえた改正を織り込んでいくことを予定しているのだということにほかなりません。経済、社会、自然環境を含め、国際的に地球規模で劇的に変化していく中、七十年以上にわたり全く改正が行われていないことは極めて不自然を通り越していると私は思います。変化を予測し、先んじて的確に対応していくためにも、結論ありきでなく議論を重ね、論点を明確にしていくことが必要です。前回も申し上げましたが、何年か後、なぜあのときに議論を深めておかなかったのかと議事録を後世読んだ方々を失望させないよう、今議員を務める私たちが責任を果たすべきだと思います。 Angry: 0.589 Disgust: 0.253 Fear: 0.515 Happy: 0.436 Sad: 0.410 Surprise: 0.513
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01:49:00 ~ 01:49:15 上月良祐君
結局、各国の置かれている状況はそれぞれです。大きな人口減の中、国際社会の中で生き抜いていくこの国の形を我々自身が真剣に考え、議論を進めるべきと考えます。以上です。ありがとうございました。 Angry: 0.641 Disgust: 0.404 Fear: 0.399 Happy: 0.550 Sad: 0.479 Surprise: 0.396
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01:49:17 ~ 01:50:05 福島みずほ君
立憲・社民共同会派の福島みずほです。議員定数不均衡、これは是正しなければならず、議員定数の均衡を維持することは、制度論である以上にまさに人権論です。民主主義の中で投票権というのは最大のものであり、民主主義を樹立する上で投票価値の平等という形で裁判が争われ、投票価値は平等であるべきだ、法の下の平等に照らしてということで判例が蓄積されてきたことは当然のことだというふうに思っております。そして、選挙制度がどうあるべきかは憲法に書くべきことではなく、公職選挙法などに書くべきテーマであり、議論すべきことだというふうに考えております。 Angry: 0.799 Disgust: 0.360 Fear: 0.432 Happy: 0.445 Sad: 0.301 Surprise: 0.419
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01:50:05 ~ 01:51:13 福島みずほ君
合区をなぜ導入するのか、なかなかみんなのコンセンサスが得られない中で、自民党は二〇一五年、合区を導入をしました。反対がある中で合区をある意味強行したわけです。で、二〇一六年、それで参議院選挙が行われました。まだ二回しか参議院選挙は行われておりません。そして、もう二〇一八年、三年もたたないうちに合区解消のための憲法改正という議論が自民党の中から出てくることは全く理解できません。この三年間の間にころりと百八十度変わるのであれば、そのようなものを憲法に書いていいんでしょうか。まさしく、選挙制度がどうあるべきかは本当にみんなで熟議し、たくさんの利害、たくさんの意見があり、その中で、参議院の改革協もありますし、私も参加をしてきましたけれども、まさにどういうふうに選挙制度があるべきかの議論の中でやるべきであり、憲法の問題ではない、憲法改正でやるべき問題ではない、ましてや憲法審査会で議論すべき問題ではないというふうに思います。 Angry: 0.669 Disgust: 0.292 Fear: 0.471 Happy: 0.412 Sad: 0.371 Surprise: 0.515
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01:51:13 ~ 01:52:02 福島みずほ君
本日も、自民党以外の政党からは、大選挙区がいいのではないか、あるいは都道府県単位だと地域代表制になって、それは良くないんじゃないか、様々な意見が出ました。選挙制度に関しては、例えば女性やマイノリティーが国会に出てきやすいように比例区中心にしたらどうかとか、様々な意見があります。まさに、時代につれどういう選挙制度がいいかがまさに人々の間で議論され、それが私たちにも跳ね返ってきているわけです。ところが、この二〇一八年の自民党の憲法改正草案に関して言えば、四十七条の案ですが、両議院となっています。参議院の特殊性もへったくれもなく、衆議院もこれは対象にしているわけです。 Angry: 0.662 Disgust: 0.321 Fear: 0.464 Happy: 0.530 Sad: 0.293 Surprise: 0.504
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01:52:02 ~ 01:53:02 福島みずほ君
それから、四十七条は、人口を基本としとしております。これは、議員定数不均衡の考え方に真っ向から反し、単に人口でやるんじゃなくて、投票価値の平等でやるんだということとこれは本当に矛盾しないでしょうか。それから、本日の議論でもありますが、全国民の代表ということと、都道府県で選ぶと書くことでこれがどうなるのか。これ、私は、やはりアメリカは合衆国ですが、日本はそのような合衆国制度ではありません。この点については、私たちはここにいる全員が全国民の代表であり、そのことを実現するべく、どういう選挙制度があるべきか、これは憲法の議論ではなく、まさに公職選挙法の中でしっかり議論をすべきことだというふうに考えております。議員定数は平等であるべきだ、投票価値は平等であるべきだ、確かに最高裁は幾らかの含みをもちろん持たせております。 Angry: 0.547 Disgust: 0.279 Fear: 0.492 Happy: 0.541 Sad: 0.341 Surprise: 0.558
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01:53:02 ~ 01:54:04 福島みずほ君
しかし、投票価値は平等であるべきだということに反するような憲法の規定を絶対に設けてはならないと思います。繰り返しますが、二〇一五年に自民党は、合区解消というので突き進んで、そして、もう三年後には憲法改正、合区解消のための憲法改正という、もう三年たって猫の目のように変わったわけですよね。それもまた、本当は実は理解が全くできません。ということを申し上げ、そのようにすぐ変わるようなことを憲法に書いてはいけない、それは公職選挙法の問題でしょうと。三年も持たなかったんですよ。もっともっと持たなかったかもしれません。だから、それは憲法に書くべきではないと思います。一極集中や過疎化、地域の本当に疲弊の問題は理解できます。私も地方の出身です。でも、一極集中のこれは新自由主義がもたらしたものじゃないですか。 Angry: 0.540 Disgust: 0.314 Fear: 0.483 Happy: 0.478 Sad: 0.472 Surprise: 0.491
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01:54:04 ~ 01:54:28 福島みずほ君
そして、地方の声を本当に国会聞いていますか。沖縄の辺野古の基地の建設反対、県民投票の声聞いていますか。それやっていなくて、で、一極集中もう変えましょうよ。地域がもっと元気になることも変えましょうよ。でも、それはこの憲法に書けばいいという話では全くないということを強く申し上げます。 Angry: 0.439 Disgust: 0.319 Fear: 0.426 Happy: 0.521 Sad: 0.604 Surprise: 0.504
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01:54:29 ~ 01:55:03 小西洋之君
重ねての発言をありがとうございます。私は、実は端的に、今の合区制度というのはある意味今限界に直面しているのではないかと思うところでございます。事務局の十六ページの資料で較差がありますけれども、もし今後、更に合区をするとすると、福井と山梨、これは隣接県ではございません。つまり、飛び地の合区をすることになります。じゃ、隣接県で福井に一番その較差が近いところを求めると、石川県になります。福井と石川。そして、さらに、山梨が福井の次なんですが、山梨を求めると長野県になります。 Angry: 0.396 Disgust: 0.323 Fear: 0.479 Happy: 0.665 Sad: 0.418 Surprise: 0.586
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01:55:03 ~ 01:56:09 小西洋之君
こういうことをやり始めると、そもそも都道府県選出の議員、あるいは都道府県選出の選挙制度って一体何なんだというところまで行き着いて、かえって国民との関係で非常に大きな混乱を起こすことではないかと思うわけでございます。先ほど申し上げた歴代最高裁の判決の考え方なんですが、ちょっとこれ御紹介させていただきたいんですけど、違憲状態と判示された平成二十四年判決で違憲状態という多数意見を書いた、賛成した竹内先生という判事の方が、補足意見の中で、実は今申し上げたようなことをおっしゃっております。国政と地域を結ぶ機能、意味を有する選挙区単位として、都道府県と同等あるいはそれ以上の意義のある選挙区単位を見出すことは容易でないと御自身がおっしゃっていて、更に言っていることですが、憲法が二院制を採用した趣旨を含め、これを正当化する他の政策的目的ないし理由として国会は何を考慮しているのか、投票価値の平等の要請と他の理念や政策的目的の調和点をどの辺りに求めるかといった基本的な諸点についていまだに国民の議論や理解が進んでいるとは言えない、つまり国会が議論をしていない。 Angry: 0.708 Disgust: 0.337 Fear: 0.552 Happy: 0.398 Sad: 0.209 Surprise: 0.543
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01:56:09 ~ 01:57:02 小西洋之君
よって、二院制の下における衆議院とは異なった参議院の在り方にふさわしい選挙制度の仕組みの基本となる理念や政策的目的などを国民に対して速やかに提示をし、具体的な検討を行うことが強く望まれると。まさに、我々国会に、参議院は二院制の下で何の役割を果たすのか、それによってどういう選挙制度を我々が求めるのか、そのことが実は最高裁の判決、これは都道府県選挙区を改めるなどという判決を書いた判事自らが実はこうしたことを言っているところでございます。先ほどから舞立先生の意見、私も共感を持って聞かさせて、実は私、徳島出身でございまして、合区になっている県でございます。ただ、申し上げたいことは、最高裁判決が求めているのは、都道府県の国会議員が一人として何か役に立つとか、そういうことじゃ足りないんです。 Angry: 0.611 Disgust: 0.270 Fear: 0.395 Happy: 0.535 Sad: 0.358 Surprise: 0.510
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01:57:02 ~ 01:58:09 小西洋之君
都道府県の選出議員が集う我が参議院が、二院制の中で国会の機能としてどういう役割を、衆議院と違う役割を国民のために果たしているかということが求められていますので、すると、おのずから、その国会としての機能を発現するための組織、国会法を改正して何らかの地方問題などを議論する、あるいは舞立先生の御地元鳥取も、大きな地震あるいは洪水の災害に近年襲われております。私の千葉県も台風十五号というものに襲われまして、我々、衆議院の先生方を見ていると、小選挙区だと自分の選挙区以外の自治体の首長さんと話したことがない方も実は結構いらっしゃる、普通にいらっしゃると。ただ、都道府県選出の我々参議院議員というのは千葉の大先輩の石井準一先生がいらっしゃいますけれども、我々は常にその各自治体、県内の自治体のことを見て、いざ災害が起きたといったらもう全県にわたって飛び回って、国の支援、あるいは足りない都道府県、自治体の取組というのを補佐するというようなことをやっているわけでございます。 Angry: 0.548 Disgust: 0.264 Fear: 0.652 Happy: 0.340 Sad: 0.347 Surprise: 0.517
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01:58:09 ~ 01:59:32 小西洋之君
先ほど、人口減、高齢化のことを申し上げましたけど、地方問題のことを申し上げましたけど、こういう災害対応というふうなことからも、実は県選出の議員の役割、それによって果たされる二院制の下の災害対応の参議院の役割というふうなことを是非次回、自民党の先生方から御議論をいただければと。我々、申し訳ございませんが、そういう国会としての役割、果たす役割がないままの一票の較差を残したこの合区廃止の改憲は、それは絶対反対せざるを得ませんので。結局、それをやらない限り、仮に憲法改正しても、国民から、何で都道府県選出の議員が必要なんだと、それで参議院って何の役に立っているんだということを永久に言われるだけでございますので、そこのまさに事実を議論する。なお、中川会長の下の平成二十六年に、我が参議院の憲法審査会で与野党賛成し成立している附帯決議があるんですが、立法措置によって可能とすることができるかどうかについて徹底的に審議を尽くすということ、つまり法律でできるかどうかについて徹底的に審議を尽くすのが我が参議院の憲法審査会の定めでございますので、つまり改憲の立法事実があるかどうかということでございますけれども、そうしたことについて、また次回開かれるときには、今日、会長の下で四十五名の同僚、先輩の先生方がいらっしゃいますから、御指導をいただいて、議論をさせていただければというふうに思うところでございます。 Angry: 0.818 Disgust: 0.294 Fear: 0.434 Happy: 0.351 Sad: 0.340 Surprise: 0.397
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Angry: 0.519 Disgust: 0.451 Fear: 0.348 Happy: 0.688 Sad: 0.534 Surprise: 0.411
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Angry: 0.226 Disgust: 0.256 Fear: 0.324 Happy: 0.762 Sad: 0.641 Surprise: 0.538
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00:00:00 | 平成,参議院,合区,選挙区,最高裁 |
00:10:00 | 平成,最高裁,参議院,昭和,選挙制度,選挙区 |
00:20:00 | 最高裁,選挙制度,合区,人口減少,憲法上,衆議院 |
00:30:00 | 参議院,合区,最高裁,衆議院,選挙制度 |
00:40:00 | 選挙区,最高裁,選挙制度,合区,参議院,平成 |
00:50:00 | 合区,選挙制度,選挙区,自民党,道州制 |
01:00:00 | 参議院,合区,最高裁,憲法改正,委員会 |
01:10:00 | 合区,最高裁,平成,選挙区,違憲状態 |
01:20:00 | 合区,最高裁,選挙区,投票率,ジニ係数 |
01:30:00 | 地方公共団体,選挙区,合区,参議院,最高裁,道州制,憲法上 |
01:40:00 | 合区,選挙区,参議院,選挙制度,衆議院,平成 |
01:50:00 | 合区,参議院,選挙制度,自民党,憲法改正,二院制 |
この要約は、この会議の議事録全体から自動的に生成されたものです。
これに加えて、現在までに三十五の県議会が合区解消の意見書を採択しています。 |
それは直近の令和二年合憲判決でも同様です。 |
資料三ページから四ページを御覧ください。 |
平成二十九年の最高裁判決において、平成二十八年の参議院通常選挙は合憲とされました。 |
現行制度も合憲と判決されました。 |
当時の発議者は、合区を踏まえて拘束式の四増をお願いしたいと発言されました。 |
発言の機会をいただき、ありがとうございます。 |
第一の理由は、合区解消、すなわち都道府県単位の選挙区に戻すことは、再び一票の較差を拡大させてしまうことにつながります。 |
更に一言付け加えますと、現在の国際情勢を鑑みたとき、緊急事態への対処をまずは優先して議論すべきと考えます。 |
較差解消のために人口比例原則を重視すると、地方の声が国政に反映されにくくなるといいます。 |
地元の代理人でもない、業界の代理人でもない。 |
議論が進むことを願います。 |
まあなかなか予想は難しいかもしれないんですが、お考えになられるところを教えてください。 |
すなわち、最高裁が論じているのは、人権論というよりは立法不作為の違憲性の議論に近い、制度の議論であるということが言えます。 |
高瀬弘美君。 |
フランス革命時にアビ・シェイエスは、第二院が第一院と一致するときは無用であり、第一院に反対するならば、それは有害であると述べていますが、なぜ二院制なのか。 |
どうかよろしくお願いいたします。 |
参議院の選挙が都道府県という行政の枠組みから全く離れてしまっていいのかという点には配慮が必要です。 |
先ほど申し上げた歴代最高裁の判決の考え方なんですが、ちょっとこれ御紹介させていただきたいんですけど、違憲状態と判示された平成二十四年判決で違憲状態という多数意見を書いた、賛成した竹内先生という判事の方が、補足意見の中で、実は今申し上げたようなことをおっしゃっております。 |
岡崎憲法審査会事務局長。 |
そして、十ページです。 |
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