00:01:09 ~ 00:02:02 会長(芝博一君)
それでは、ただいまから国民生活・経済に関する調査会を開会をいたします。委員の異動について御報告をいたします。昨日までに、高木かおり君及び足立敏之君が委員を辞任され、その補欠として片山大介君及び竹内功君が選任をされました。次に、理事の補欠選任についてお諮りをいたします。委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっております。その補欠選任を行いたいと存じます。理事の選任につきましては、先例により、会長の指名に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 Angry: 0.415 Disgust: 0.291 Fear: 0.484 Happy: 0.606 Sad: 0.481 Surprise: 0.545
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00:02:02 ~ 00:03:14 会長(芝博一君)
御異議ないと認めます。それでは、理事に片山大介君を指名いたします。次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。国民生活・経済に関する調査のため、今期国会中、必要に応じ参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。異議ないと認めます。なお、その日時及び人選等につきましては、これを会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。御異議ないと認め、さよう決定をいたします。次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。国民生活・経済に関する調査のため、今期国会中、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 Angry: 0.506 Disgust: 0.319 Fear: 0.425 Happy: 0.576 Sad: 0.508 Surprise: 0.453
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00:03:14 ~ 00:04:28 会長(芝博一君)
御異議ないと認め、さよう取り計らいます。それでは、国民生活・経済に関する調査を議題といたします。本日は、「誰もが安心できる社会の実現」のうち、「困難に寄り添う支援の構築」に関し、「子どもへの支援」について三名の参考人から御意見をお伺いした後、質疑を行います。御出席いただいております参考人は、まず早稲田大学人間科学学術院教授・社会的養育研究所所長上鹿渡和宏参考人、続いて特定非営利活動法人さいたまユースサポートネット代表理事青砥恭参考人、次に早稲田大学准教授松岡亮二参考人でございます。 Angry: 0.483 Disgust: 0.279 Fear: 0.476 Happy: 0.657 Sad: 0.349 Surprise: 0.565
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00:04:28 ~ 00:05:01 会長(芝博一君)
この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。本日は、大変御多忙のところ御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。皆様方から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の調査の参考にしたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。 Angry: 0.214 Disgust: 0.236 Fear: 0.432 Happy: 0.833 Sad: 0.489 Surprise: 0.560
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00:05:01 ~ 00:05:56 会長(芝博一君)
次に、議事の進め方について申し上げます。まず、上鹿渡参考人、そして青砥参考人、そして松岡参考人の順でお一人二十分程度御意見をお述べいただき、その後、午後四時頃までをめどに質疑を行いますので、御協力をよろしくお願いいたします。また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度会長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。なお、御発言は着席のままで結構でございます。それでは、まず上鹿渡参考人からお願いをいたします。上鹿渡参考人。 Angry: 0.342 Disgust: 0.280 Fear: 0.464 Happy: 0.724 Sad: 0.407 Surprise: 0.611
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00:06:02 ~ 00:07:16 参考人(上鹿渡和宏君)
この題で、この子供、特に児童虐待、児童養護、社会的養護の子供たちのところの問題を挙げさせていただけること、感謝しております。それでは、早速参ります。まず最初に、これは、社会的養護の子供たちだけではなくて、日本の子供たち全体の置かれている状況を示すユニセフが出したデータですね。パラドックスと書いてありますけれども、この精神的幸福度三十七位、身体的健康一位、これ先進国の中での順位として挙げられていますが、こんなに開いているんですね。体は健康なんですが、心の方の健康度がかなり低い状態です。もう一つ、スキルとありますけれども、これは、数学とか読解力の基礎的な習熟度は五位でいいんですけれども、友達をつくるとか、そういった辺りのところが三十九位ととても低いんですね。この開きが日本の特徴で、パラドックスというふうに言われているんですけれども、この状態ですね、私、児童精神科医として子供たちの臨床に以前携わっていたんですが、感じていたことなんですが、日本の大人が子供のために頑張ってきた結果は見えていると思うんですね、この順位の高いものについてです。 Angry: 0.335 Disgust: 0.214 Fear: 0.527 Happy: 0.625 Sad: 0.406 Surprise: 0.606
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00:07:16 ~ 00:08:04 参考人(上鹿渡和宏君)
ですが、一方で、子供と共にいることができなかった結果も見えているなというふうにも思うような結果です。これを改善していくためには、ここにも挙げました阿部先生がおっしゃっている、最も厳しい状況に置かれた子供たちへの支援をしていくということが大事ですということです。日本におけるこの社会的養護児童の位置付けというのを、オックスフォード大学のロジャー・グッドマン教授が社会的排除として位置付けました。これ社会福祉の中の話ではないんですけれども、そういった見方ができるということで提示をしてくださった、とても貴重な御意見だったんですけれども、ここに日本の子供が抱えている様々な問題が集約されていると思います。 Angry: 0.389 Disgust: 0.327 Fear: 0.457 Happy: 0.630 Sad: 0.516 Surprise: 0.432
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00:08:04 ~ 00:09:08 参考人(上鹿渡和宏君)
この問題を解決していくことが、この社会的養護の子供たちだけではなくて、この周囲の子供たち、家族を助けていくような、そんなシステムがつくれるというふうに思っております。今実際、そのように動き出しているところだと思います。私、先ほど申し上げたとおり、児童精神科医なんですけれども、以前、ある児童相談所の診療所で児童精神科医として診ていました。そのときに、やはり一番大変なのは、この社会的養護の下にある子供たち、当時は施設の子たちがほとんどでして、時々、一時保護所の子供も診たりということでした。ここにある言葉は、一時保護所に一時保護しなければならなくなった子に言ったときに返された言葉なんですね。通常の外来で診ている中で大きなけがをしてきて、これではもうちょっと家にこれ以上いると安全ではないので、それを、安全を確保するために一時保護と言ったところ、子供から、あそこに行くなら家でたたかれている方がましと言われてしまったわけですね。 Angry: 0.413 Disgust: 0.275 Fear: 0.546 Happy: 0.529 Sad: 0.464 Surprise: 0.553
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00:09:08 ~ 00:10:05 参考人(上鹿渡和宏君)
これは以前にも一時保護所に行ったことがある子の言葉です。当時、制度としては、家庭で危ない、それが疑われてという場合は一時保護所を使うしかなかったんですが、子供にとっては全然安全な場所ではないという話ですね。で、被措置児童等虐待と書いていますが、これは、措置された先、施設だけではなくて、一時保護所や里親家庭でも虐待、暴力があったりするわけです。二重犠牲者化とも言われていますけれども、そんなこともずっと起き続けています。ということで、この社会的養護の子供たちの置かれている状況というのは非常に厳しいものがあるということを当時から思っていましたが、その辺りのお話、あと、この状況が、二〇一六年の児童福祉法改正以降、システムとして大きな変化を今しているところです。その当時大事だと思ったのは、一緒に生きてくれる人が見付かる場所にしていくということですね。 Angry: 0.476 Disgust: 0.260 Fear: 0.546 Happy: 0.452 Sad: 0.431 Surprise: 0.557
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00:10:05 ~ 00:11:02 参考人(上鹿渡和宏君)
社会的養護の場をそのような場所にしていくということが大事だと思います。これは当事者の方の声です。施設でずっと暮らしていた方が、施設はこういう場所であってほしいということを言ったものです。ただ、これは施設だけじゃなくて家で暮らせなくなった子全ての言葉で、里親であってもこういう場所である必要がありますし、施設でもこういう場所である必要がある。もう一つは、これも社会的養護当事者の声です。これは里親にいた子ですね。里親家庭でとても良い状況で生活をしていた子ですが、そこの状況を更に良くするためにどんなことが必要かなというこども会議というのを開いていたんですね。その中で子供が、いやいや、里親を良くするのはもちろん今良くなりますからいいんですけど、こんなに助けてくれるんであれば、もっと前に自分の親を助けてほしかった、親を助けてくれていたら自分は離れずに仲よく暮らせていけた、いれたかもしれない。 Angry: 0.436 Disgust: 0.282 Fear: 0.427 Happy: 0.611 Sad: 0.521 Surprise: 0.530
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00:11:02 ~ 00:12:04 参考人(上鹿渡和宏君)
里親というのは今、施設から里親養育へ移行するということで、良い、代替養育の中ではより良いものとして取組進んでおりますけれども、子供にとってこれが最善な、全部が最善ではないということですね。そのままの場合がいいこともありますけど、子供によっては家に帰るということが更に良い状況ですので、ここを目指していかなければならない。子供の側に立ってシステムをつくっていくというのはそういうことかなというふうに思っています。これは子供虐待の対応を簡単に書いたものですが、よく出るのは、この真ん中の早期発見・介入ですね。これがうまくいかなかったせいで子供が死んでしまった、で、そこをどうするかという話がよく出ます。一般の理解も、ここが虐待対応の大事なところと思われていますが、この前と後があるということです。今日お話しする社会的養護は、この後の対応ですね。親子分離せざるを得ない子を、その後、どういう場所でケアしていくか。これがどういう場所かというと、一緒に生きてくれる人が見付かる場所にしようというのが一番大事なことです。 Angry: 0.531 Disgust: 0.303 Fear: 0.479 Happy: 0.534 Sad: 0.433 Surprise: 0.480
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00:12:04 ~ 00:13:06 参考人(上鹿渡和宏君)
ただ、この前もあるわけですね。早期発見・介入、幾らやっても虐待は減りません。これは、蛇口を閉めずにただだらだらと流していて、その後だけ対応しているような状況で、しっかり蛇口を閉めるというか、もっと上流を、予防的対応をしっかりしなければ減っていかないですね。子供が求めているのもこの親を助けてほしかったということですし、方法としてもこちらにしっかり力を入れていくということが大事です。ただ、現在の制度としては、この予防のところは市町村が主でやっていくところになっています。この社会的養護は県ですね、都道府県単位で、なかなかここの連結が良くなくてですね、うまくいっていない。予防大事だと言われつつ、置き去りにされてきたのがこれまでの現状だったかと思います。ただ、これも来年度の児童福祉法改正を踏まえた社会的養育専門委員会の中でかなりいい議論がされまして、案としてはかなりいいものが上がっていますので、今後期待できるところかなと思っています。 Angry: 0.463 Disgust: 0.307 Fear: 0.513 Happy: 0.474 Sad: 0.494 Surprise: 0.497
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00:13:06 ~ 00:14:05 参考人(上鹿渡和宏君)
この親を助けてほしかったという、その親がどんな状況に置かれているか、調査があります。この資料は、厚生労働省が今年度の社会的養育専門委員会の第一回の会議で国、厚労省の資料として出されたものです。実施した主体は厚労省じゃありませんけど、大事だということで提示されています。ここに、七割以上の母親は自身が育っていない町で子育てを行っている、そして六割の母親は子供を預かってくれる人はいない、そんな状況が一般家庭の状況であるということですね。まさに困って、助けてもらえていない方々がたくさんいる。そこに対して、国としては事業は打っているんですね、この形で。特に、このショートステイ、これは、今は施設がメーンで、施設の空いている場所を使って数日間、原則七日までの宿泊で預かることができるという制度で、切り札とも言われています、予防のですね。 Angry: 0.404 Disgust: 0.246 Fear: 0.543 Happy: 0.492 Sad: 0.485 Surprise: 0.598
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00:14:05 ~ 00:15:01 参考人(上鹿渡和宏君)
本当に疲れている方を休ませてあげることができるわけですね、措置とは違う形で。なんですけど、実際使われているのが、ここにあるとおり、未就園児一人当たりで〇・五日、年間ということで、ほぼないような、物すごい少ない。あれほど困っていそうな親がいるのに、実際使われているのはこれだけというのが現状になっております。これも厚労省が示した資料で、ですので、しっかりこの状況を把握しているということを委員会で提示されて、これをどう変えていくか、次の法改正でですね、ということが議論されて、案として上げられました。もう一方の社会的養護の方はどんな状況になっているかといいますと、これは二つ、日本の特徴があります。一つは、施設が主であるということですね。これはずっとそうだったんですけれども、二〇一〇年以降、年間一%ぐらいずつ里親委託増えてきまして、現在二〇%を超えているところです。 Angry: 0.410 Disgust: 0.325 Fear: 0.544 Happy: 0.499 Sad: 0.463 Surprise: 0.547
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00:15:01 ~ 00:16:05 参考人(上鹿渡和宏君)
これからもっとこれは増えていくという形で今進んでいますけど、ほかの国々から比べるとまだ随分少ない状況が続いています。もう一つは、そもそも社会的養護になっている子供の割合は非常に小さいということですね。欧米諸国、このほかに、国に比べますと、三分の一から六分の一ぐらいということです。これは、最近の子供の置かれている状況、ヤングケアラーの状況とか見ていきますと、やはり必要な子がしっかりとした支援を受けられていなかったということの表れかなというふうにも思われるような結果になっています。さらに、この最近増えてきている里親委託率ですが、こんなに自治体間格差があります。これも問題ですね。どこで生まれたかによって施設か里親か、これが決められてしまうということで、ここも、これは国としては全部がある一定レベルに達しなければならない。まあ、国としては目標値を掲げてくれていますけど、今それに向かってそれぞれが努力しているところです。 Angry: 0.339 Disgust: 0.312 Fear: 0.543 Happy: 0.540 Sad: 0.511 Surprise: 0.559
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00:16:05 ~ 00:17:03 参考人(上鹿渡和宏君)
社会的養護の下にある子供たちの状況ですね、どんな子供たちなのかといいますと、障害のある子たち、何らかの障害がある子たちがかなり多くなっています。特に、里親、ファミリーホームでもこんなに高い割合の子供たちが今委託されているんですね。ちょっとこの吹き出しで書いていますのは、逆に、障害児の入所施設に虐待経験ありという子の割合も高くなっています。その地域によってどちらが使われているかということがちょっともう交ざっているような状態になっていまして、これはちょっと一元的にといいますか、対応を考えていくべきことであろうというふうにも思われます。障害の分野でも家庭養育を進めていくということが必要かと思います。もう一つの子の特徴、社会的養護の子供の特徴は、虐待を受けている子の多さですね。ここにあるとおりで、かなり多くいます。里親でも四割近く、施設でもかなり多くの子たちが受けている。 Angry: 0.477 Disgust: 0.315 Fear: 0.500 Happy: 0.537 Sad: 0.451 Surprise: 0.523
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00:17:03 ~ 00:18:00 参考人(上鹿渡和宏君)
さらに、特徴はこちらになります。児童相談所への通告件数で一番多いのは心理的虐待と言われています。面前DV中心にしたものが増えていると。ただ、社会的養護、親子分離されるレベルのものでいうと、ネグレクトの子たちが本当に多いんですね。この影響を考えなければなりません。性的虐待とか心理的虐待、身体虐待は皆さんもその影響を考えると思います。ひどいことがあったので、その後大変かなということで。ただ、このネグレクトは、ほかの三つとは違いまして、当然あるべきことがされていないんですね。養育がされていなかったりケアがしっかりされていない、それがどの程度の影響を与えるのかということはなかなか思い付かないと思います。ただ、乳幼児にとってはこれはとても大きな影響がありまして、発達のその年齢の時期によってはこのことがとても大きな影響を及ぼします。 Angry: 0.478 Disgust: 0.336 Fear: 0.541 Happy: 0.419 Sad: 0.493 Surprise: 0.518
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00:18:00 ~ 00:19:04 参考人(上鹿渡和宏君)
ここに挙げたのは、ネグレクトによる影響をちょっと挙げていますけれども、そのネグレクトがあった場合の影響もあるんです。じゃ、どれをネグレクトがありと考えるかということなんですが、これもとても難しくて、子供のメンタルヘルスに影響を及ぼすネグレクトというのはどんなものかというと、子供がそう感じていたものは影響を及ぼしていたという調査結果もあるんですね。これも考えれば当たり前かなと思われるかもしれませんが、大事なのは子供がどう思っているかです。大人がこれはネグレクトだ、ネグレクトではないということで判断するんではなくて、やはり子供から見て子供がそう感じているんであればそこは対応しなければならないことであるということで、どうやってそれを見付け出すかですね。これは、子供の声を聞く、子供の視点でいろんな状況を判断するということにつながると思います。それで、この社会的養護の方向性としましては、日本は今まだ施設が多い状態ですが、ほかの国々も元々は施設が多いというか、施設から始まっています。ある時期に家庭養育へ移行して先ほどのような差が出てきたわけですね。 Angry: 0.331 Disgust: 0.324 Fear: 0.556 Happy: 0.593 Sad: 0.409 Surprise: 0.608
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00:19:04 ~ 00:20:00 参考人(上鹿渡和宏君)
日本は、二〇一一年からこんな動きがだんだん出てきていますけど、二〇一六年の法改正がこれをかなり明確に方向付けました。家庭養育優先原則といったものを明示して、その後、二〇二〇年には、これ全国の自治体でそれぞれが計画を立てて、もう実践が始まっている段階です。国としては、乳幼児は里親委託率七五%というところを目指しているということになります。その基にあるのは、これは世界的潮流なんですね。日本だけが何で今やっているかということではなくて、これは国連が出したガイドラインですが、そこに明確に書かれています。特に乳幼児については家庭養護を提供すべきであるということで、これはデータに基づいて言われていることですね。プラス、ちょっと四角で囲ったところは、障害のある子たちもこれに含めて考えましょうということがこのガイドラインでも言われているということですね。 Angry: 0.426 Disgust: 0.295 Fear: 0.526 Happy: 0.607 Sad: 0.325 Surprise: 0.661
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00:20:00 ~ 00:21:04 参考人(上鹿渡和宏君)
済みません、早口になってしまって。それで、これは何で家庭養護なのかということを、いろんな理由ありますけど、一つとても明瞭に分かるものを示します。これは、アメリカの研究チームが、ルーマニアにある孤児院の子供たちを里親に移したときに子供がどんな変化をするかというものを見たものです。脳波で脳の成熟度を見た結果になるんですけど、この左上のものがずっと施設にいた子の八歳になったときの脳の状態ですね。赤っぽいところが成熟している様子を表しています。右下はずっと家で育った子です。ですので、これ、いいんじゃなくて、普通の子です。普通というか、一般家庭で育つとこういう脳なんですね。右上は二十四か月より後に里親委託された子です。この里親委託は、とても養育の質を担保されたいい里親制度をつくりまして、そこに移した結果です。八歳になったときですが、こんな感じで余り変わらないんですよね。左下が二十四か月より前、二歳より前に里親委託できた子ですね。 Angry: 0.385 Disgust: 0.321 Fear: 0.511 Happy: 0.573 Sad: 0.479 Surprise: 0.579
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00:21:04 ~ 00:22:18 参考人(上鹿渡和宏君)
この子はかなり追い付いているというのが分かるかと思います。この辺りの結果を、ほかにもいろいろあるんですけれども、もってですね、二歳、できれば二歳よりもっと早い段階で里親委託に移行することで子供の発達がしっかり、持って生まれたものが出していけるということが言われています。大事なのは、これ施設か里親かというよりは子供がどんな経験しているかなんですね。安定した愛着を形成できる、そういう経験ができているか、それを里親家庭の方がしやすかったために里親家庭で良い結果が出ているわけですけれども、そういうことを言われています。この安定性がその後の人生における精神病理症状を防御していくと、予防していく因子にもなるということで、この乳児期のこういった良い状況を確保してあげることがその子の人生を支えていくことにもなるという結果です。二〇一六年の法改正、この辺りはさっと行きますが、とても大事なのは、子供の権利について一条、二条で言われたことですね、子供が権利の主体で、意見が尊重され、子供の声を聞くということと、最善の利益、程々の利益じゃありません、最善の利益を保障するということがしっかり書かれた。 Angry: 0.390 Disgust: 0.247 Fear: 0.471 Happy: 0.692 Sad: 0.403 Surprise: 0.574
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00:22:18 ~ 00:23:01 参考人(上鹿渡和宏君)
加えて、国及び地方公共団体が保護者と一緒に責任を、育成の責任を負うと。先ほどの子供が親を助けてほしかったということはまあ実はここにもう既に書かれてありまして、これをしっかりやっていく責任が大人側にもあるかなと思います。この三条の二が家庭養育優先原則と呼ばれているものですね。一番は子供が実の親の元で過ごし続けられるようにする。二つ目が家庭養護です。家庭的ではなくて家庭なんですね。子供にとっては大きく違います。三番目が家庭的です。これは施設が小規模化されたものですね。こういう順番で子供を委託措置するということが明確に書かれています。 Angry: 0.558 Disgust: 0.325 Fear: 0.462 Happy: 0.517 Sad: 0.431 Surprise: 0.550
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00:23:01 ~ 00:24:13 参考人(上鹿渡和宏君)
これはビジョン、その後具現化する、法律具現化するために作られたビジョンですけれども、特にこの里親委託をどう増やしていくのか、それに伴って施設がどうなっていくのか。これは多機能化、機能転換ということで、なくすのではなくて、形を変えて社会で役立つ、役割を持っていくということが言われています。ここにあるとおり、ビジョンの中に施設がどう変わっていくかということが書かれてあります。済みません、ちょっとここはまた後でお読みいただいてと思います。この方法、これイギリスの里親、家庭養護移行を少しモデルにしたような内容になっています。イギリスでも七〇年代頃にこんな家庭養護委託というのが進みまして、そのときの方法を少し取り入れるような内容が書かれてあるところです。このルーモスという団体は、世界中で施設から家庭養護、どんどん今進んでいるんですけど、それを国との間で手伝っているような大きなNGOなんですけど、そこの協力も得る形で私自身もいろいろ取り組んでまいりました。 Angry: 0.348 Disgust: 0.261 Fear: 0.498 Happy: 0.638 Sad: 0.464 Surprise: 0.590
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00:24:13 ~ 00:25:14 参考人(上鹿渡和宏君)
そこで研修もされていまして、二〇一六年に福岡市、大分県、これ今のとてもリードしている自治体なんですけれども、そこの方々もその研修を受けて、その後、それを生かすような活動をしてくださっています。大事なのは、今、社会的養護から始まって、その予防が大事ですって話をしていますけれども、実はこの社会的養護から予防を考えるというよりは、予防の方から、子供にとっても大事な親を助けるというところから考えて、それをしっかりやっていくためにどんな社会的養護が必要なのかということを考え直すような時期に来ているかなというふうにも思います。来年度の法改正以降はそういう動きが出てくるといいなと思います。欧米諸国から大分遅れて、本当数十年遅れての家庭養育移行なんですけど、別にこれが悪いということではなくて、実はこれをチャンスとして一気にできるんではないかなと思います。 Angry: 0.374 Disgust: 0.274 Fear: 0.460 Happy: 0.612 Sad: 0.546 Surprise: 0.439
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00:25:14 ~ 00:26:05 参考人(上鹿渡和宏君)
予防の部分を主として社会的養護を組み替えていくということを他国の例も見ながら進めていくという、そういうチャンスが今来ているんじゃないかなというふうに思って私自身も取り組んでいるところです。そのチャンスに当たっては、この障害のある子たちの家庭養育移行も是非一緒に進められたらなと思います。それで、福岡市、先ほど進んでいると言いましたが、既に国が目標値として掲げている乳幼児里親委託率、七六%で目標を達成しております。これは最初無理だとかいろいろ言われておりましたけれども、やりようがあるということを示しています。そこで見えてきているのが、その里親委託率だけではないということですね。これは今予防の観点、家族を大事にする、家族維持や親子関係構築というところをどうしていくかということが見えてきているところで、ここをしっかり取り組むことが大事だということですね。 Angry: 0.312 Disgust: 0.276 Fear: 0.400 Happy: 0.738 Sad: 0.476 Surprise: 0.537
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00:26:05 ~ 00:27:11 参考人(上鹿渡和宏君)
済みません、時間がもう過ぎてきましたので、まとめて言った後で質疑応答でもし必要があればお答えできればとも思いますが、その例として、これ、里親ショートステイというのがあるんですね。先ほどショートステイがめちゃめちゃ少ないという話をしました。本当は欲しいんです。だけど、施設でやっていたら、これ全然足りないんですね。それを、例えば学校区に一人里親さんがいて、その里親さんがショートステイ受けられたらとてもいいと。これは、制度としてはもうできることに今年度からなっていますし、厚労省もそういう制度を入れてくれまして、制度というか加算を付けてくださいまして、フォスタリング機関というのがこういうことに関われるようにしてくれました。それもやっぱり福岡で始まっています。来年度は福岡市全体でこれを取り組むということで今進んでおりまして、効果としても、こういう形で、子供にも、その親にも、ショートステイ里親にもとてもいいものとして経験がなされていますし、これを通して、代替養護の里親も増やしたり、質のいいものをつくっていくことが可能になってくると思います。 Angry: 0.364 Disgust: 0.288 Fear: 0.418 Happy: 0.637 Sad: 0.562 Surprise: 0.518
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00:27:11 ~ 00:28:04 参考人(上鹿渡和宏君)
こういった動きをしっかりサポートしていくために、私自身は社会的養育研究所というのを早稲田大学に立ち上げました。お手元に資料行っておりますが、こういったものをしっかりつくって、これ、ビジョンや法律、法改正でも言われていたことなんですね、やりっ放しにしないと。制度をつくっていただいて、民間しっかりやっていきます。必要なものを開発し、それをしっかりやった後、本当に子供にとっていいことが起きているかですね。いや、パーセントがいいからとかそういうのでは全然駄目で、子供にとってそれでいいことが起きていないと本当に意味がないです。今回のこの改革というのは、子供にいいことが起こる、起こっているというところまでをちゃんと確認するようなそういう改革にしていただきたいと思いますし、それを私ができるところは仲間と一緒にやっていきたいと思って今こんなことをしているところです。 Angry: 0.476 Disgust: 0.300 Fear: 0.442 Happy: 0.601 Sad: 0.453 Surprise: 0.510
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Angry: 0.139 Disgust: 0.225 Fear: 0.576 Happy: 0.549 Sad: 0.697 Surprise: 0.532
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00:28:11 ~ 00:28:30 会長(芝博一君)
上鹿渡参考人、大変ありがとうございました。それでは次に、青砥参考人から意見聴取をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。青砥参考人。 Angry: 0.318 Disgust: 0.268 Fear: 0.422 Happy: 0.736 Sad: 0.533 Surprise: 0.543
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00:28:25 ~ 00:29:03 参考人(青砥恭君)
ありがとうございます。よろしいでしょうか。私は、困難を抱える子供の居場所づくりというテーマでお話をさせていただきます。こういう機会を与えていただいてありがとうございます。私は、元々は学校の教員でございまして、それで、埼玉県で高校の教員を二十年ほどやって、その後は幾つかの大学で教育学を教えると、そういう活動をしてまいりました。では、始めたいと思います。 Angry: 0.235 Disgust: 0.236 Fear: 0.316 Happy: 0.849 Sad: 0.565 Surprise: 0.514
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00:29:03 ~ 00:30:14 参考人(青砥恭君)
それから、子供の貧困対策で生活困窮者自立支援法という法律がございますけれども、その法律に基づく学習支援をやっている全国の団体の代表もしております。私どもの団体は地域で活動しているということですので、その活動の中身を中心にお話をしたいと思います。私どものさいたまユースサポートネットという、これは二〇一一年につくりましたけれども、私が地元の大学で教えていたときに学生たちと一緒につくった、元々はボランティア団体です。それで、若い人たちと話合いをしながら、子供の貧困対策をやる、格差問題に焦点を当てていくというのはいいんですけれども、それを、違うのはやっぱり、地元との協働、地域との協働をどうやってつくっていくか。これは要するに、持続性、それから包括性と、後で申し上げますけれども、そういう活動にしないともうこれからは子供貧困対策ってなかなか難しいんではないかという、そういう視点から考えたものです。 Angry: 0.432 Disgust: 0.246 Fear: 0.403 Happy: 0.693 Sad: 0.404 Surprise: 0.545
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00:30:14 ~ 00:31:01 参考人(青砥恭君)
それで、五つの活動領域がございまして、一つは居場所対策です、それから学習支援、それから就労支援、地域づくりと、いろいろ多岐にわたりますけれども、今の子供の困窮、貧困という問題を考えると、そういう活動をやっていかざるを得ないだろうと、だんだん活動の領域が広がってきたということであります。今、さいたま市を中心にして三十か所の拠点をつくって活動しております。内容は、居場所から始まり、学び直し、それから就労、いろんな活動に及んでいます。 Angry: 0.365 Disgust: 0.182 Fear: 0.468 Happy: 0.707 Sad: 0.422 Surprise: 0.599
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00:31:01 ~ 00:32:12 参考人(青砥恭君)
それで、この活動の中身をちょっと紹介しますと、私どもの、二〇一一年から始めて、大体このさいたま市内と県内で一万人近い子供たちと関わってきたというふうに思っておりますけれども、さいたま市は人口が百三十万人の町ですので、その県内と市内と、これを十何年間か関わってきたということで、そのうちの四人の若者の、こういう若者たち、子供たちがいるという、ちょっと具体的な事例から入っていきたいと思います。まず、父親から虐待を受けてきたA君という子供ですけれども、現在は十六歳ですけれども、中学一年生までは障害児が通っている支援学級、中二からは普通学級に、中三からは、中三で不登校になりまして、中三の夏からは児童相談所の一時保護所に入所したり、それから今は定時制高校に行って独り暮らしをしております。 Angry: 0.367 Disgust: 0.166 Fear: 0.407 Happy: 0.782 Sad: 0.382 Surprise: 0.584
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00:32:12 ~ 00:33:01 参考人(青砥恭君)
母親は複数回の離婚、結婚、離婚の経験がある。最初の父親の子でもあると。義理の父親から虐待を受けてきて、自分は発達障害や精神的な疾患があると思っているんですけど、お母さんが、お母さんも精神疾患を持っているんですけれども、そのお母さんが理解者で、そのお母さんがいるから自分は生きてこれたと、こういうふうに語っている子供です。それから、B君は、無断外泊や深夜までの徘回が非常に続いています。父親は稼いだお金は全て酒とギャンブルに使って、生活費を入れないと、そういう。母親が複数の仕事をして子供を、家族を支えるということです。時々父親が暴れる。 Angry: 0.496 Disgust: 0.332 Fear: 0.533 Happy: 0.524 Sad: 0.414 Surprise: 0.559
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00:33:01 ~ 00:34:03 参考人(青砥恭君)
したがって、B君は余り家にいたくないという、家に帰らないと、こういう子供です。それから、Cさんは、両親がうつ病で生活保護を受給しています。飲食店のアルバイトをしていますけれども、働いていますので、定時制高校にいるんですけれども、なかなか学校の給食の時間に間に合わなくてちゃんと食べれないとか、睡眠時間が四、五時間とか、学校との両立と働くということがうまくできないということで悩んでいる子供です。中学の頃は、生活保護世帯を対象とした生活困窮者自立支援法に基づく学習支援教室、私どもの学習支援教室に通っていた子です。ですけれども、定時制高校に入りますとそれに通えなくなると。夜の教室ですので、来れなくなる。それで、支えてくれる大人や若者がいないということで悩んでいると、こういう子です。 Angry: 0.331 Disgust: 0.267 Fear: 0.529 Happy: 0.539 Sad: 0.594 Surprise: 0.513
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00:34:03 ~ 00:35:01 参考人(青砥恭君)
それから、D君は、十代初めに日本に来た外国人の子供です。中学生のときは先生がよく面倒を見てくれて楽しかったけれども、高校では毎朝独学で日本語を勉強しているんだけど、非常に日本の授業は難しいと。要するに、特に漢字ができないと。要するに、学習言語というふうに言いますけれども、日本の授業の抽象的な概念は非常に外国人の子供にとってはハードルが高い。そういうことで、高三になったんですけど、日本語ができない、何も分からないと。アルバイトも生活のために行っているんだけれども、同じ国の方々がたくさんいる職場で働いているんだけれども、これは将来の仕事にはまずつながらないと、ですから、安く働かされている気がすると、こういう若者であります。 Angry: 0.396 Disgust: 0.235 Fear: 0.571 Happy: 0.486 Sad: 0.447 Surprise: 0.626
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00:35:01 ~ 00:36:00 参考人(青砥恭君)
それで、そういう若者たちが、私どもの団体は年間非常に多くの若者たちがやってきます。それで、その若者たちをちょっと特徴を整理すると、まず外国人の子供たちが今非常に増えました。コロナの前と、今真っ最中ですので少し数は増え方は鈍化していますけれども、しかしながら、外国人の子供は多くは母語ができないと、母語が育たないと。つまり、日本語も元々持っていた母語もなかなかうまく使えないと。ですから、悩んだり深い思考をするということが言葉でやることが非常に難しいと。人間にとって非常にこれはつらいことです。それから、親子間で会話が成立しない。親は母語ですし、元々生まれ育った母語がありますし、子供は日本語。 Angry: 0.326 Disgust: 0.254 Fear: 0.532 Happy: 0.507 Sad: 0.517 Surprise: 0.630
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00:36:00 ~ 00:37:16 参考人(青砥恭君)
そうなると、家族で会話が成立しないと、そういう。それで、行政との話も子供が通訳をするということになります。そういう家族のアイデンティティーが成立しないという、これは非常に家族にとっては危機的な状況。それから、一人親の生徒からは、母親の苦労を見て育って、非常にストレスを抱えたまま生きている。それから、ヤングケアラーというの話題になっておりますけれども、これは非常に、以前からもう非常にたくさんおります。下のきょうだいの面倒を見るために学校に通えず、アルバイトもできず、金もないと。中には、その子供たちの中には、時折出会い系サイトを使ってそのお金を男性からもらっている利用者の若者も残念ですけどおります。不登校経験のある生徒は、学校行事の体験がないので社会性が育たないんですね。ですから、今我々のところに来ている子供たちは、もう一回思春期のやり直しをすると、だから、いろんな体験を、学校で本来多くの子供が経験してきたであろう体験をもう一度やり直すと、そういう子供たちがたくさんおります。 Angry: 0.348 Disgust: 0.306 Fear: 0.566 Happy: 0.488 Sad: 0.524 Surprise: 0.571
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00:37:16 ~ 00:38:04 参考人(青砥恭君)
それから、児童養護施設を経験した子は、幼児期に親と別れておりますので愛着障害を持っている、それから中には自殺願望が非常に強い子供たちもいる、そういうことであります。家族を失った生徒は、親が自殺して祖母と暮らしている子もいます。うつ症状が非常に強いと。それから、中には、今、振り込め詐欺に関わった若者たちとか、薬物事件に関わった女性たちとか、彼氏に薬物を売りに行かされたとか、その犯罪に関わらされた。それで刑事事件になって、僕たちが弁護士を紹介したり、一緒に警察署に行ったり、裁判所に行ってというケースも少なくないです。 Angry: 0.543 Disgust: 0.293 Fear: 0.636 Happy: 0.318 Sad: 0.398 Surprise: 0.562
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00:38:04 ~ 00:39:08 参考人(青砥恭君)
そういう活動をしております。この十代の後半から二十代の初めにかけての若者たちというのはまさしく制度のはざまというふうになっていて、その若者たちを支える制度というのが学校制度から外れてしまうとなかなか日本にはないということで、僕らはそこで居場所というものをつくろうということを決めて、二〇一一年から始めたわけです。ですから、不登校とか高校中退とか無職青年、それから離反少年、それから引きこもり、障害、貧困、そういうのが大体貧困で大きくくくれてしまいますけれども、大体いうと社会とのつながりが弱い、それから親のサポートが少ない、帰属できるコミュニティーがない、朝起きても行き場がない、安心できる、相談する、できる大人がいないと、こういうことになります。 Angry: 0.465 Disgust: 0.357 Fear: 0.436 Happy: 0.590 Sad: 0.571 Surprise: 0.370
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00:39:08 ~ 00:40:07 参考人(青砥恭君)
それで、ちょっと写真をお見せしますと、若者自立支援ルームという写真がここに出てきますけれども、これはさいたま市の事業です。居場所支援では、さいたま市は全国でも非常に先進市だろうと思います。それから、私は横浜市の貧困対策委員をしておりますけれども、横浜市でも人口はこれは三百六十万で、さいたま市の三倍近くありますけれども、ユースプラザというのが、東西南北にユースプラザがつくられております。それから、さいたま市は二か所、若者自立支援ルームを、これを独自の費用で、国の費用が全くゼロという中でつくっています。年間、若者自立支援ルームでは一万人近い若者が利用するという、これは二つとも私どもの団体が運営しておりますけれども、毎日数十名の若者がやってくる。 Angry: 0.439 Disgust: 0.258 Fear: 0.466 Happy: 0.690 Sad: 0.296 Surprise: 0.631
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00:40:07 ~ 00:41:04 参考人(青砥恭君)
みんなそれぞれ人間、人を求めて来るわけですね、人を求めて来るわけです。そういう、それは十代の後半から、不登校対策ではなくて、十代の後半から二十代、三十代、三十九歳までですので、そういう若者たちがもう連日やってくると。そこで、地域の自治会と協働してお祭りに参加させてもらう。これはさいたま市の氷川神社という大きな神社がございますけれども、そこのお祭りに地域の自治会の方々と協働で参加をさせていただく。運動会に参加をする、スポーツ大会に参加をする、そういうことをやっている。写真を顔はちょっと潰してありますけれども、この中には少年院から出てきたとか、そういう子もいますし、犯罪歴ある子もいますし、いろんな若者たちが中に交じって活動している。 Angry: 0.413 Disgust: 0.285 Fear: 0.383 Happy: 0.677 Sad: 0.471 Surprise: 0.557
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00:41:04 ~ 00:42:00 参考人(青砥恭君)
右側は、東京の劇団と協働して演劇活動をやっております。これもかなり水準の高い演劇活動ができていて、こういう活動を、一つ一つ体験を、もう一度生き直す、そういうことをやると。これは、もう一つの居場所が、我々が独自でボランティアで今やっている居場所があるんですけど、小学生のサッカー教室。これは、僕が大学で教えた若者たちがたまたまサッカー部だったので、そのサッカー部の若者たちと一緒にこの場所をつくりました。年間、毎週土曜日にここで、この小学校で、出かけて無料でやっています。お金が払える状態じゃない子供たちがやってきます。そこでお昼御飯も提供します。ですから、親たちの支援もやります。 Angry: 0.365 Disgust: 0.257 Fear: 0.452 Happy: 0.714 Sad: 0.419 Surprise: 0.615
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00:42:00 ~ 00:43:03 参考人(青砥恭君)
ですから、そういう活動を、定時制高校生の居場所、それからいろんな困難を抱えた若者たちのたまり場、それから農業で畑もやって野菜作りもすると。こういう、とにかくできることを一つ一つ積み重ねてつくってきたという十数年でありました。この子供や若者たちがなぜ居場所を求めるのかということなんですね。人間にとって、やっぱり人として承認を受ける、あなたもそこに生きていたのだということを承認を受ける場、これは私は人権という概念そのものだというふうに考えております。ですから、人間というのはまさに多様で、肌の色も違えば、言語も違えば、考えていることも違えば、趣味も違う。だから、その違いというのが、違いということを認めるということが人権そのものの考え方です。 Angry: 0.367 Disgust: 0.299 Fear: 0.532 Happy: 0.602 Sad: 0.375 Surprise: 0.638
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00:43:03 ~ 00:44:01 参考人(青砥恭君)
ですので、僕たちの居場所というのは、ただ避難とか安心、安全ということだけではなくて、多様性を認識したり、自己認識や多様な価値を受容する、それから協同の体験の場であるというようなことを、それを関係性を育てる場。要するに、以下は若者たちの言葉で表現しますと、一から七まで並んでおりますけれども、安全で安心である、これは当然、自分の居場所であると。同じ体験ができる場、生きる場を共有できる。生活リズムをここに来れば確立できる、毎日通って自分を立て直すことができる。人との関係性を育てる、けんかや衝突もあるけれども、それに慣れる、耐える、客観的に見る力を育てる。多様な年代の人と話せる、コミュニケーションの面白さを話せる喜び。 Angry: 0.338 Disgust: 0.309 Fear: 0.361 Happy: 0.809 Sad: 0.423 Surprise: 0.553
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00:44:01 ~ 00:45:00 参考人(青砥恭君)
人は多様な存在である、それを見付ける面白さがある、人間観察を通して社会認識を育てる、働いている人や働いていない人、いろんな人がいる、人は様々である、そう思うと孤立感がないと。こういう居場所をまず設定をして、全国にたくさんつくって、それから若者たちがいろんなコミュニティーをつくっていけばいい、これが僕の考え方であります。コミュニティーというのは、自分を守り、他者を守る、仲間を守るという機能を持ちます。そういうコミュニティーができればいいなと。日本は今、貧困と少子化が非常に進行しています。危機的な状況だと思います。先ほどお話もありましたけれども、社会的養護で暮らしている子供は四万五千人ですし、生活保護世帯の子供は二十五万人おります。 Angry: 0.395 Disgust: 0.316 Fear: 0.509 Happy: 0.626 Sad: 0.453 Surprise: 0.535
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00:45:00 ~ 00:46:04 参考人(青砥恭君)
ただ、いわゆる相対的貧困、この相対的貧困という概念は非常に難しい概念で、学問的にも非常な研究が進められている、一概にばっとこう説明できる、なかなか難しい概念です。ただ、厚生労働省の国民生活基礎調査を使えば、日本の大体、相対的貧困、十七歳以下の子供は三百万人弱と。それだけいるにもかかわらず、二十五万人の生活保護と社会的養護は四万五千人、これで大丈夫なんだろうか。非常にそれは不安を持ちます。そこで、我々は、この居場所というものが出てくると思います。それで、子供にとって家族の貧富で子供の人生に格差があってはならないというのは、これは近代の原則だと思います。我々はこの数百年掛かって、フランス革命以来、こういう原則をつくり上げてきた、人権という考え方ですけれども。 Angry: 0.376 Disgust: 0.253 Fear: 0.605 Happy: 0.475 Sad: 0.462 Surprise: 0.566
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00:46:04 ~ 00:47:07 参考人(青砥恭君)
ですけれども、公正な社会を維持するためには、僕たちは居場所だけでいいとは思っておりません。居場所というのは人間として承認される場。だけども、やはりその前に再配分が必要です。公正な社会をつくるためには再配分が必要だと。だけども、今の我々の問題意識は、やはり地域によって活動が、先ほどさいたま市と横浜市というお話を申し上げましたけれども、事業の精粗が大き過ぎる、つまり自治体間の格差が大き過ぎるということです。比較的大きな都市ではあったとしても、地方に行けばそういう活動が非常に弱くなる。結局は、お金がないという、財政面での支援が非常に弱いということになると思います。持続可能な活動に、これからちょっと問題点だけ申し上げますと、持続可能な活動にしていただくために御努力をお願いできないかということです。 Angry: 0.445 Disgust: 0.309 Fear: 0.540 Happy: 0.462 Sad: 0.555 Surprise: 0.508
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00:47:07 ~ 00:48:01 参考人(青砥恭君)
地域が支援の担い手になるように、我々は今、ローカルコモンズという概念も駆使しながら、地域で共生できる場を、場づくりをやろうというふうに考えております。自治体との連携協働が何より必要ですけれども、全国的に見たら非常にやっぱりそこは弱いというふうに言わざるを得ない。NPOなり、まだ有志の人々にお任せというふうになっている。地域のやっぱりこういう活動は、先ほども前と後という話がありましたけれども、そのとおりであると僕も思います。やはり、子供の貧困は家族の貧困、親を支援しないで子供の貧困は解決できません。したがって、地域の社会資源のネットワークや学校との連携、つまりデータベース化、情報のデータベース化なり共有というものが欠かせないと思います。 Angry: 0.512 Disgust: 0.323 Fear: 0.498 Happy: 0.502 Sad: 0.491 Surprise: 0.472
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00:48:01 ~ 00:49:00 参考人(青砥恭君)
一つだけ、これに今日書いてありませんけど付け加えますと、こういう貧困対策の事業が今、市場化しています。非常に、まあ私は民間企業さんが悪いとは思いませんけれども、民間企業が入ってきて市場化して、地域に、持続的なこういう活動をしている団体、小さな団体がたくさんあります。例えば、北海道大学の大学院の学生が数名で始めた事業とか、福岡県立大学の学生が何人かで集まった、学生とか、日本福祉大学の学生がやっている活動とかいろいろあるんですけど、そういう活動が、企業さんに競争すればあっという間に負けちゃう。そういうことがあるものですから、是非その辺も留意していただければと思います。ちょっと時間がもうなくなってきましたので。 Angry: 0.486 Disgust: 0.283 Fear: 0.516 Happy: 0.463 Sad: 0.454 Surprise: 0.517
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00:49:00 ~ 00:50:00 参考人(青砥恭君)
あと、僕らが、僕たちの団体がやっている事業は、こういう、さいたま市の見沼区で堀崎プロジェクトといって、市と区役所、地元の企業、学校、民間団体や地元の住民、これは自治会ですけど、そういう人たちで運営協議会をつくって、協働で我々の活動をやらないかということで今進めているところです。最後に、あと一、二分いただいて、学習支援のことだけを申し上げます。私は全国の学習支援団体の代表をしておりまして、この学習支援も学習・生活支援というふうに今なっております。これは、包括的な活動、つまり、親支援、家族支援も必要なんですよと、勉強だけ教える塾ではありません、それから持続的に、地域で持続的にやっていかなければいけない。 Angry: 0.450 Disgust: 0.273 Fear: 0.440 Happy: 0.624 Sad: 0.482 Surprise: 0.507
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00:50:00 ~ 00:50:28 参考人(青砥恭君)
そうしたら、点と線じゃなくて、面として、地域としてやっていかなくちゃいけない。いろんな行政との協働なりが必要になってくる。そういうことがあって、我々はこの活動についても是非予算の拡大を、拡充をお願いをしたいということを最後にお願いをして、僕の報告を終わりたいと思います。ありがとうございました。 Angry: 0.506 Disgust: 0.317 Fear: 0.348 Happy: 0.597 Sad: 0.601 Surprise: 0.420
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Angry: 0.291 Disgust: 0.262 Fear: 0.471 Happy: 0.695 Sad: 0.555 Surprise: 0.576
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00:50:38 ~ 00:51:01 参考人(松岡亮二君)
ありがとうございます。松岡です。今日は、教育格差の実態と対策と題しましてお話しいたします。よろしくお願いします。私の専門は、教育社会学と教育政策学です。教育格差の実態と、どのようにして教育格差が起こるのかというメカニズムの解明を主に研究してきました。こちらの書影は、ちくま新書として二〇一九年に刊行した「教育格差」という著書です。 Angry: 0.562 Disgust: 0.324 Fear: 0.399 Happy: 0.644 Sad: 0.418 Surprise: 0.483
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00:51:01 ~ 00:52:02 参考人(松岡亮二君)
このような研究知見を広く社会に周知し、還元するという活動として、内閣官房の教育政策実行会議初等中等教育ワーキング・グループでの委員も務めました。まず、定義の確認をします。教育格差とは、子供本人が選ぶことのできない初期条件である生まれによって学歴など教育の成果に差がある傾向を意味します。生まれを示す指標として国内外で広く使われているのは、保護者の学歴、収入、職業などを統合した概念である社会経済的地位です。英語ではソシオエコノミックステータス、略してSESとして知られています。この出身家庭のSESや出身地域や性別など、子供本人が変えることのできない初期条件によって教育の結果が違うことを教育格差と呼びます。この出身家庭のSES、出身地域、それに性別による結果の差、すなわち教育格差が存在することが様々なデータで繰り返し確認されてきました。日本は生まれによって人生の可能性が制限された社会と言えます。こちらのスライドには、拙著「教育格差」の各章の要点を一行ずつまとめたものです。 Angry: 0.590 Disgust: 0.378 Fear: 0.461 Happy: 0.537 Sad: 0.335 Surprise: 0.541
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00:52:02 ~ 00:53:00 参考人(松岡亮二君)
各章の知見のまとめについては資料の三十一ページ以降にあります。こちらについてもデータは全て「教育格差」を御参照願います。教育格差の一部である子供の貧困が話題になった二〇〇〇年代後半以降だけではなくて、出身家庭のSESによって最終学歴に差がある傾向は、戦後に育った全ての世代において確認されてきました。教育格差は未就学段階で存在し、九八%の児童が通う公立小学校においても、個人間だけではなく、学校間において格差が存在します。これは中学校でも同様です。SESによる学力格差がある状態で高校受験という選抜を行うので、結果的に進学校には高SES家庭出身者が大半を占め、いわゆる教育困難校は恵まれない家庭出身者が多くなります。制度的にSESによって違う学校に隔離、分離していることになります。また、近年の国際比較が可能なデータによれば、出身家庭のSESと学力や学歴の関連度合いはほかの先進諸国と比べて平均的にすぎません。日本は国際的に凡庸な教育格差社会です。 Angry: 0.542 Disgust: 0.337 Fear: 0.488 Happy: 0.519 Sad: 0.401 Surprise: 0.546
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00:53:00 ~ 00:54:08 参考人(松岡亮二君)
先ほども言及しましたように、出身家庭のSESに加えて、出身地域と性別も重要な生まれとなっています。端的に言えば、大学に進学するかどうかという学歴達成という観点では、親が高学歴、高収入、専門職といった高SES家庭出身、大都市部出身、男性であると有利で、低SES家庭出身、地方出身、女性だと不利な実態が日本にあります。では、生まれによって子供たちの可能性を制限しないために私たちには何ができるのでしょうか。私が提案する日本に必要な教育改革三つの柱は、データによる実態把握、効果のある教育政策と教育実践の模索、そして全教育関係者が教育格差を体系的に学ぶです。これら三つの柱と七つの具体策を遂行するために、政策と実践の改善サイクルを回すために必要な施策と二つの具体案があります。一つずつ説明いたします。病気の診断が適切でなければ治療法を選ぶことすらできないはずですが、日本の政治と教育行政は積極的に実態把握をしてきていません。教育は誰もが何らかの経験を持っているので持論を展開しやすいわけですが、日本全体に影響する政策を決めるためには、視界に入る一部のエピソードではなく、全国の実態を把握する必要があります。 Angry: 0.460 Disgust: 0.353 Fear: 0.464 Happy: 0.622 Sad: 0.381 Surprise: 0.539
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00:54:08 ~ 00:55:01 参考人(松岡亮二君)
日本社会は、個人で把握できるほど小さくありません。小学校で約二万、中学校で一万と少し、高校では五千校あります。同様の数の校長がいて、小学校から高校の年齢層に対する教師は、全て足し合わせれば約百万人います。都道府県と市町村といった自治体単位であっても、個人の視界には入り切りません。教育委員会の数だけでも千七百以上あります。この点を軽視した個人の視界に入るエピソードに基づく改革論が散見されます。不十分なデータに加え、過去の議論や研究も参照しないという随分と雑な実態理解のまま、すぐに解決法の話に飛び付くわけです。はやる気持ちは分かりますが、全く診断をせずに効果のある治療法を特定できるわけがありません。どれだけ最先端の医療であっても全てを癒やすことはできないですし、不要な投薬や手術によって、狙った効果が期待できないどころか、副作用の危険もあります。データで社会全体の現状把握を行うと、実態として存在する教育格差が視界に入ることになります。 Angry: 0.536 Disgust: 0.352 Fear: 0.549 Happy: 0.462 Sad: 0.417 Surprise: 0.532
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00:55:01 ~ 00:56:06 参考人(松岡亮二君)
格差がない前提の政策は、栄養不足の子供に対して十分な睡眠を推奨するようなものなので、的外れで、狙いどおりの成果が出なくても不思議ではありません。それにもかかわらず、日本の教育行政は義務教育の機会均等を建前とするばかりで、どこにどれだけの格差が存在するものなのか積極的な把握をしてきませんでした。教育格差の一部である貧困については二〇〇〇年代の後半に取り上げられるようになりましたが、十分とは言えませんし、貧困対策だけでは教育格差全体への対処をしていることにはなりません。データによる現状把握は、教育再生実行会議の第十二次提言、ポストコロナ期における新たな学びの在り方についてにも標記の文言が入りましたので、行動に移していただきたいと願います。具体案の一です。文部科学省は様々な調査を行っていますが、政策立案に役立つ分析が可能なデータは多くありません。例えば、毎年教職員の精神疾患による病気休職者数が発表されますが、これは都道府県や政令指定都市といった広域の教育委員会が集計した値をまとめているだけの調査に基づいています。よって、分かることは、令和二年度に日本全体で五千百八十人の休職者が出たこと、それに性別、年齢層、都道府県など大きな区分別の数値にとどまります。 Angry: 0.515 Disgust: 0.313 Fear: 0.508 Happy: 0.518 Sad: 0.413 Surprise: 0.547
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00:56:06 ~ 00:57:03 参考人(松岡亮二君)
この調査結果を踏まえて、直近三年度分の報告概要には、勤務時間管理の徹底の推進など、同じような規範的な対策が並んでいますが、どの対策にどの程度の効果があったのか検証されていないようですし、過去十年、病気休職者数は余り変わっていません。実際に病気休職者数を減らす施策を模索するためには、詳細な実態把握を可能とする調査設計が求められます。休職者数については人事権を持つ教育委員会が回答するにしても、各学校の休職者情報を学校コードでひも付け、ほか調査の学校単位のデータとともに分析すれば、どのような特徴を持つ学校だと教師が休職になりやすいのかといった分析が可能となります。そのためには、各教育委員会が集計値を報告する設計のほか調査も、分析がすぐに可能なように整理された学校単位のデータにするべきです。コロナ禍によってICTが普及したので、現場の負担を最小化した形で定期的な追加の学校調査を行うことも可能となっています。早急に、定期的に行っている全ての調査を学校単位に整理すべきです。 Angry: 0.476 Disgust: 0.379 Fear: 0.507 Happy: 0.465 Sad: 0.526 Surprise: 0.467
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00:57:03 ~ 00:58:00 参考人(松岡亮二君)
このように、意味のある設計の調査を継続的に行うためには安定した予算の確保が必要ですが、文部科学省の調査予算は足りません。教育調査の予算不足について一つ例を挙げますと、令和四年度要求、要望として教育データサイエンス推進事業がありますが、国保有データ等を利活用した分析、研究と関係機関の研究ネットワーク構築に関して、要望額の五分の一に減額されています。調査予算の増額が明らかに必要です。具体案三は、教育データの標準化、主要調査項目の共通化です。自治体が持つ電子データをほかの自治体とともに比較可能な形で整備するように国が促す必要があります。これは、デジタル庁の教育データ利活用ロードマップに記載されている取組の方向性という理解です。同時に、主要調査項目の共通化も重要です。データなら何でもつなげればいいというわけではありません。十分な研究に基づいた項目にしないと意味のあることは分かりません。研究者、行政、教育現場で対話して集約すべきです。 Angry: 0.540 Disgust: 0.351 Fear: 0.510 Happy: 0.543 Sad: 0.398 Surprise: 0.533
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00:58:00 ~ 00:59:06 参考人(松岡亮二君)
教育改革三つの柱その二は、効果のある教育政策と教育実践の模索です。詳しくは、こちらの書影の本、拙編著の中公新書ラクレの「教育論の新常識」を参照していただきたいのですが、日本の教育行政は基本的にやりっ放しです。全国を俯瞰するデータによる実態把握は弱い上、教育政策と教育実践の社会科学的な効果検証はほとんど行われてきていません。今までのように、文科省が規範や効果のありそうなモデルケースを教育委員会や学校に周知するという今までのやり方で明快な結果が出ることは期待できそうもありません。例えば、教師は長時間残業を減らすべきという規範を文科省が示したところで、教師の仕事量が減るわけではありません。また、学校の取組の好事例らしきものを提示したところで、様々な特徴が異なる他校でそのまま実施できるか疑わしいですし、それらはそもそも喧伝されている効果がない取組かもしれません。繰り返しますが、小学校約二万、中学校約一万、高校約五千校あるので、このような通知行政でもうまく機能したように見える事例を見付けることは難しくないでしょうが、このような今までのやり方の焼き直しで日本全体で明確に教師の残業時間が減るという結果が出るとは思えません。 Angry: 0.616 Disgust: 0.382 Fear: 0.495 Happy: 0.449 Sad: 0.365 Surprise: 0.506
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00:59:06 ~ 01:00:02 参考人(松岡亮二君)
データで効果のある教育政策と実践を模索するためには、教育再生実行会議の第十二次提言でも御覧のとおりの文言が入っていますので、行動に移していただきたいと願います。効果のある政策と実践の模索を強調する理由は、今までの教育行政のやり方で結果が出てきたとは言い難いからです。少しデータを紹介します。今まで何度も教育改革が叫ばれてきましたが、教育改革は、あっ、教育格差は戦後に育った全ての世代で確認されてきました。こちらは、拙著「教育格差」で示したデータの一つです。二〇一五年時点の全ての年齢層、すなわち戦後に生まれ育った全ての世代の男性で、父親の学歴によって本人が大卒となるかどうかに差があります。この部屋にいる全ての人が育つ過程で、社会全体としては教育格差がありました。同じことは女性についても言えます。学力向上といったスローガンを口にすることは簡単ですが、実際に結果を出すことは簡単ではありません。こちら、経年比較が可能な学力調査データを用いた埼玉の結果です。 Angry: 0.521 Disgust: 0.343 Fear: 0.438 Happy: 0.651 Sad: 0.376 Surprise: 0.550
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01:00:02 ~ 01:01:02 参考人(松岡亮二君)
左側は、異なる年度の小学校六年生の国語の学力を比べています。現場では様々な努力や工夫がされていると思いますが、平成二十七年から令和二年までの学力平均は変わっていません。これらは、個々の子供の学力が変わっていないという意味ではありません。右のグラフの方を御覧ください。右のグラフは、一つの学年の子供、小学校四年生から中学校三年生まで、算数、数学について毎年追跡したデータです。小学校四年生時点で学力が上に位置する児童は平均して毎年学力が高く、中学校三年まで学力が上がっています。同様に、小学校四年生時点で学力が低い子供たちも、中学校三年生にかけて学力は上がっています。全ての学力層の子供たちが一定程度は伸びているわけです。ただ、どの層の学力の伸びも余り変わらないので、小学校四年生時点の学力の差はそのまま中学校三年生まで残っています。これらは学力層別に見た場合ですが、教育格差の観点でも同じパターンが見れます。こちらのグラフ、左下のグラフは、出身家庭のSESを代理的に示す家庭の蔵書数によって三つのグループに分けて、同じ埼玉県のデータで学力の伸びを示したものです。 Angry: 0.332 Disgust: 0.256 Fear: 0.524 Happy: 0.665 Sad: 0.395 Surprise: 0.673
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01:01:02 ~ 01:02:01 参考人(松岡亮二君)
小学校六年生時点で、家庭の本の冊数によって学力格差があることが分かります。本の冊数が少ないグループも小学校六年から中一、中二、中三と学力が上がっていきますが、本の冊数がより多い二つのグループと学力の伸びが同程度ですので、SESによる学力格差は維持されたままです。生まれによる学力格差が埋まらないまま、高校受験で子供たちを別学校に隔離していることになります。国際学力調査の結果も御紹介します。これは、TIMSSとして知られる国際数学・理科教育動向調査の結果です。四年毎に行われてきた調査で、経年で学力を比較することができます。日本で主に使われている学力偏差値と同じ平均五十、標準偏差十に換算した数値で一九九五年と二〇一九年の結果を比べると、小学校四年の算数、理科、中学校二年生の数学、理科は多少の向上しか見られません。これらは二十四年間の成果と誇るべき結果でしょうか。もう一つ。こちらは経済協力開発機構、OECDのPISA調査の結果です。 Angry: 0.400 Disgust: 0.252 Fear: 0.532 Happy: 0.581 Sad: 0.419 Surprise: 0.632
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01:02:01 ~ 01:03:00 参考人(松岡亮二君)
日本では高校一年生の六、七月に実施するので、これは高校教育の成果ではなく義務教育の成果に対する一つの評価と解釈できます。読解力は、二〇〇〇年の高校一年生と二〇一八年の高校一年生を比べると下がっています。数学的リテラシーと科学的リテラシーをそれぞれ比較可能な二〇〇三年と二〇一八年、二〇〇六年と二〇一八年で比べると数値が下がっているように見えますが、これは統計的に有意ではないので、平均学力は変わっていないと言えます。読解力は下がり、数学と科学は変わっていないわけです。これらは不思議な結果ではありません。不利な生まれの層に何が効くのか十分に分かっていないだけではなく、学力の平均値を大きく上げる知見もないですし、学力上位層を更に伸ばす効果のある教育手法が実証されているわけでもありません。効果検証をしない今までのやり方であれば、科学的に効果が裏付けられていない健康法に依存しているのと変わりません。どのような教育政策、教育実践であればどの層に対してどの程度の効果があるのか、検証を繰り返し、知見の蓄積をするサイクルを確立する必要があります。 Angry: 0.499 Disgust: 0.265 Fear: 0.515 Happy: 0.527 Sad: 0.343 Surprise: 0.643
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01:03:00 ~ 01:04:05 参考人(松岡亮二君)
すべきことは多いですが、まず、今後効果検証を行う象徴として、低SES家庭出身、地方出身、女性といった不利な層を引き上げる方法を模索するために、大規模なランダム比較試験を行うことを提案したいと思います。学習だけではなく食事や運動など包括的な支援を行うことで、学力や進学だけではなく様々な観点で不利な層を短期だけではなく中長期的に望ましい方向に導くことになると考えられます。予算を組んで適切な介入をすれば実際に結果を出せるという経験を日本の政治と教育行政が持つ前向きな機会になるはずです。通知で現場に丸投げして、真っ当なデータで把握しないから結果が出たかどうかも分からないというこれまでの教育行政から、どんな現場支援ができるのか、データと研究に基づいて結果にこだわる教育行政に転換する。そのためには、データで教育格差を含む実態を把握し、効果を出せる方法を追求し、知見を積み上げ、政策と実践を微修正するサイクルを確立する。これこそが日本に必要な教育を根底から変える教育改革です。具体案の四に進みます。日本の教育政策の議論には、生まれによって学力や最終学歴に差がある教育格差のメカニズムに対する理解が欠けています。 Angry: 0.623 Disgust: 0.340 Fear: 0.452 Happy: 0.564 Sad: 0.341 Surprise: 0.481
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01:04:05 ~ 01:05:05 参考人(松岡亮二君)
一例を示します。昨年の十月、ある番組で、とある政党の幹事長が、国公立大学の授業料の半額化、給付型奨学金や返還免除の拡充、独り暮らしの大学生へ家賃補助などの衆議院選挙の公約を説明しました。これらは基本的に、やる気はあるけれどもお金がない子供への経済的な障壁を念頭に置いた支援策です。それに対して、お笑い芸人EXITの兼近大樹氏は、厳しい環境の中で育った御経験を踏まえて、勉強したいと思える人たちを救済するということだ、それ以前に、勉強したいとも思えない環境にいる、親もそのような環境で育っているので抜け出すのが難しい、それが格差社会の実情ではないかとコメントされています。炯眼です。この番組に出演していた政治家の政党だけの話ではありません。さきの衆議院選挙における各政党の政策提案の大半は、そうしたお金だけを格差の原因として問題視しているように見えます。しかし、拙著「教育格差」でデータを多く示したように、義務教育段階であっても出身家庭のSESによって子供が大学進学を望んでいるかどうかに既に差があります。 Angry: 0.692 Disgust: 0.361 Fear: 0.458 Happy: 0.466 Sad: 0.352 Surprise: 0.466
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01:05:05 ~ 01:06:00 参考人(松岡亮二君)
先ほどのデータの十五ページに中学生と親の大学進学期待割合をもう一度御覧ください。両親大卒の中学生と両親共に非大卒の中学生では大学進学期待を持つ割合が大きく異なります。もっとも、低SES家庭出身や地方出身という不利な生まれでも何らかの理由で進学を志す子供たちは割合は低いですが存在しますので、学費の無償化などの経済的障壁を下げる政策は重要です。しかし、意欲のある子供への経済的支援だけでは、不利な生まれを背景にして進学をそもそも選択肢に入れていない子供たちを助けることにはなりません。各政党の政策案だけでは、戦後ずっと続いてきた教育格差という大きな傾向が変わることは期待できそうもないのです。教育格差の是正を目指すのであれば、例えば、小中学生の段階で学習意欲を失う不利な生まれの子供たちに対する学習や生活支援などが政策として提案されるわけです。教育格差の実態とメカニズムを踏まえた政策案を参議院選挙の公約として期待しております。 Angry: 0.603 Disgust: 0.297 Fear: 0.444 Happy: 0.535 Sad: 0.422 Surprise: 0.446
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01:06:00 ~ 01:07:02 参考人(松岡亮二君)
先ほど、私は、低SES家庭出身、地方出身、女性といった不利な層を引き上げる方法を模索するために大規模なランダム化比較試験を行うことを提案しました。これは文科省が主体となって実施することが望ましいですが、都道府県や政令指定都市といった単位で複数行うのも一案です。そこで、具体案五を提言いたします。効果のある政策と実践の模索は長い道のりになります。教育においては、万能薬や魔法のつえはありません。多くの試行錯誤をデータで知見にすることが重要です。一つの研究で全てを明らかにすることはできません。多くのデータと研究によって少しずつ様々な観点で効果のある政策、実践を明らかにしていく、らせん階段を少しずつ上がっていくようなサイクルが必要です。そのためには、日本の各地でデータが収集され、新しい研究知見が発表される状態が重要です、必要です。今のところ、行政データを教育分析に活用し、研究者の協力を得て知見を発表してきた取組としては、兵庫県の尼崎市、大阪府の箕面市、東京都足立区があります。更に一般化できる知見を模索するためには、より大規模な単位での行政データの教育分析活用が求められます。 Angry: 0.434 Disgust: 0.342 Fear: 0.496 Happy: 0.629 Sad: 0.394 Surprise: 0.590
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01:07:02 ~ 01:08:01 参考人(松岡亮二君)
よって、国が行政データを教育分析に活用する都道府県、政令指定都市に対して予算を付けることを提案します。どこも限られた予算の中で教育行政を行っているので、国が予算を付けなければ現実的にこのような活動は難しいはずです。議員の皆様の御検討をお願い申し上げます。各都道府県、政令指定都市、それぞれの地域にある大学と連携し、日本各地で効果のある教育政策、教育実践を次々と明らかにしていき、新しく分かったことを国立教育政策研究所の教育データサイエンスセンターによる公教育データ・プラットフォームという新しくできるものや、民間の教育政策・実践のデータベースに登録し、知見を可視化、普及できる循環をつくることができればすばらしいと思います。この都道府県、政令指定都市に対する予算措置でデータ分析が盛り上がらないと、公教育データ・プラットフォームや民間データベースの中身がほとんどないことになるので、地方の教育行政や学校現場の先生方が使えるものにはなりません。海外研究の紹介などはあり得ますが、様々な条件が違うので、日本での研究が必要です。 Angry: 0.563 Disgust: 0.267 Fear: 0.483 Happy: 0.509 Sad: 0.394 Surprise: 0.556
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01:08:01 ~ 01:09:06 参考人(松岡亮二君)
具体案二の文部科学省の調査予算の増額と併せて、この具体案五、行政データを教育分析に活用する都道府県、政令指定都市に予算を付けるの実現に皆様のお力添えをお願い申し上げます。教育改革三つの柱その三は、全教育関係者が教育格差を体系的に学ぶです。この観点は、教育再生実行会議の第十二次提言にも、教育格差の問題への対応等が不可欠であることにも留意するという形で入っております。この柱の具体案は、教職課程における教育格差の必修科目化です。戦後ずっと教育格差社会であり、子供の貧困が政策課題として取り上げられるようになって十年以上たつにもかかわらず、拙著「教育格差」にデータを示したように、大半の教職課程で十分に教えられていない実態があります。平均的に高SES家庭出身で、大卒となり、学校に忌避感を覚えず教職を選ぶ層は、恵まれない家庭の子供と同じ経験を持たない傾向にあります。不利な生まれの子供たちがどのような経験を重ねて学習や進学に困難さを感じるようになるのかを知ることは、教師として子供たちに伴走する際の手助けになるはずです。 Angry: 0.602 Disgust: 0.276 Fear: 0.502 Happy: 0.502 Sad: 0.353 Surprise: 0.534
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01:09:06 ~ 01:10:04 参考人(松岡亮二君)
具体案七は、現職の教育関係者に教育格差研修の必修化です。教員免許更新も発展的解消されるということで、どのような研修を教員が受けていくべきか、現在模索されているところです。是非、教育格差について、現職の教員、校長などの管理職、国家公務員や地方公務員の教育行政官にも、キャリアのどこかの時点で一度は体系的に教育格差を学んでいただきたいと思います。必修科目、必修研修としての教育格差は、データと研究知見に基づいて教育の役割を再認識する機会にもなります。日本が教育格差社会であり、生まれによって子供たちの可能性が制限されている実態を学ぶ過程で、教職、学校管理職、教育行政職こそが子供たちが自身の可能性を追求する教育の条件を整備する役割を担っているということを理解できるはずです。では、実際に教職課程とか教員研修で何を扱うべきなのか。 Angry: 0.581 Disgust: 0.244 Fear: 0.480 Happy: 0.570 Sad: 0.323 Surprise: 0.553
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01:10:04 ~ 01:11:10 参考人(松岡亮二君)
この問いに具体的に回答するため、東京大学の中村高康教授と私が編者となり、構想五年を掛けて、「現場で使える教育社会学教職のための「教育格差」入門」をミネルヴァ書房より刊行しました。私を含めた十六人の教育社会学者がそれぞれの専門を生かして可能な限り分かりやすくまとめましたので、教職課程の学生、現職の教員、学校管理者、教育行政官、そして皆様にも是非御一読願います。教育改革三つの柱として、データによる実態把握、効果のある教育政策と教育実践の模索、全教育関係者が教育格差を体系的に学ぶ、それに七つの具体案を述べてまいりましたが、これらを持続的に推進するためには、政策と実践の改善サイクルを回すために必要な施策があります。ここでは二つの具体案を提示いたします。まず、具体案八、調査研究機能と研究者養成の強化です。まず、主要大学に教育調査研究センターを新設する必要があります。文科省が収集する全マクロ・マイクロデータへのアクセス権を持ち、文科省への学術的助言、調査協力、地方自治体が行う調査への学術的助言ができる研究センターです。 Angry: 0.496 Disgust: 0.310 Fear: 0.417 Happy: 0.718 Sad: 0.333 Surprise: 0.562
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01:11:10 ~ 01:12:05 参考人(松岡亮二君)
また、同じく主要大学にて教育政策・実践データ科学講座を新設することも重要です。長期的に調査を行うためには、教育社会学や教育経済学などの専門領域でデータ分析する研究者の数が足りません。提言五でも触れましたように、全都道府県と政令指定都市で常に新しい教育分析が行われて、頻繁に研究知見が共有される社会をつくるためには、各都道府県、政令指定都市にある大学に教育データ分析を専門とする研究者が勤めていることが必要です。早いところ、教育政策・実践データ科学講座と教育調査研究センターを主要大学に新設することで研究者を育て、その上で、教育データを分析する研究者の雇用を大学に義務付けたり、予算を付けたりといった政策によって日本全国に分析できる研究者がいる状態をつくるべきです。同時に、研究知見を現場で使うためには、データを分析できる行政技官や、行政官、行政技官や学校管理職の人や教員の育成も進める必要があります。 Angry: 0.541 Disgust: 0.279 Fear: 0.502 Happy: 0.606 Sad: 0.302 Surprise: 0.626
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01:12:05 ~ 01:13:04 参考人(松岡亮二君)
あと少しです。最後に、具体案九、教育行政官の増員です。例えば、若手官僚の離職と国家公務員総合職の採用倍率の低下の抑制は、スローガンではなく実効性のある政策を打たなければなりません。今のように人材と予算が不足したままであれば、調査設計を改善して学校単位のデータを整備し、研究者と連携して継続的に政策に生かす分析を出すことはできません。七ページ目の具体案一の文科省が行う調査設計の改善のところで、教職員の精神疾患による病気休職者数への対応として実際に効果があるか分からない対策を文科省が羅列していることを御紹介しましたが、現在の人材と予算ではそれ以上のことを求めるのは非現実的かと思います。地方自治体でも教育データの継続的な収集などには人が必要です。国家公務員にしろ地方公務員にしろ、公務員を増やすというのは政治的に訴えるのは難しいかもしれませんが、人と金が足りないままでは、やりっ放し教育行政を結果にこだわる教育行政に転換することはできそうもありません。 Angry: 0.668 Disgust: 0.391 Fear: 0.511 Happy: 0.421 Sad: 0.407 Surprise: 0.434
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01:13:04 ~ 01:13:49 参考人(松岡亮二君)
結果にこだわる教育行政にするためにはこういう予算が必要であると国民を説得できるのは、研究者や官僚ではなく政治家の皆様です。データに基づいた日本全体の実態把握と効果検証を繰り返すことで、実際に少しずつ改善したという成功体験を社会として積み重ね、教育政策議論の質を少しずつ高めていく。教職課程で教育格差を必修化し、次世代の教師と、あと現職の教育関係者が検証を通して社会の現実と教育の役割を認識する。これらの改革によって、子供たちの可能性が生まれで制限されない社会に向かう転換点が令和四年であったと歴史に記録されるようになるはずです。皆様の力で実現をお願いします。以上となります。ありがとうございます。 Angry: 0.567 Disgust: 0.376 Fear: 0.431 Happy: 0.584 Sad: 0.428 Surprise: 0.456
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Angry: 0.541 Disgust: 0.422 Fear: 0.355 Happy: 0.699 Sad: 0.425 Surprise: 0.436
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01:14:04 ~ 01:14:59 会長(芝博一君)
本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行います。まず、各会派一名ずつ指名させていただき、一巡後は、会派にかかわらず御発言をいただけるよう整理してまいりたいと存じます。発言は着席のままで結構でございます。また、質疑者には、その都度答弁者を明示していただくようお願いをいたします。なお、できるだけ多くの委員が発言の機会を得られますように、答弁を含めた時間が一巡目はお一人十五分以内となるように御協力をお願いをいたします。それでは、これより一巡目の質疑を行います。質疑のある方は挙手をお願いいたします。和田政宗委員。 Angry: 0.547 Disgust: 0.346 Fear: 0.461 Happy: 0.550 Sad: 0.427 Surprise: 0.507
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01:15:03 ~ 01:16:40 和田政宗君
今日、参考人のお三方、本当にありがとうございました。事前に資料なども目にしておりましたけれども、今日お話を聞いて、余りにやらなくてはならないことが多過ぎる、改善をしていかなくてはならないことが多過ぎる、根本的にやっていかなくてはならないことが多いということを改めて身にしみて感じました。本当にありがとうございました。もうこの子供の居場所でありますとか、子育て支援でありますとか、またこの格差、こういったものをしっかりと我々は改善をし、直していきたい、この思いであります。そういったところから、我々政府・与党として今政府の制度設計に様々提案をしておりますけれども、こども家庭庁の創設ということになりました。これは、私は、もう虐待であるとか子供の貧困というものをなくしていかなくてはならないという思いで、このこども家庭庁、こども庁創設に向けた動き、呼びかけ人の中心になった山田太郎委員もいますけれども、私も呼びかけ人の一人でありますけれども、根本的にやはり子供の問題に我々は取り組んでいかなくてはならない、また子育ての問題に取り組んでいかなくてはならない、そういった思いから意見交換をしたいところなんですけれども、今日、参考人として来ていただいているところですので、それぞれのお方に御質問をさせていただければというふうに思います。 Angry: 0.496 Disgust: 0.263 Fear: 0.316 Happy: 0.647 Sad: 0.599 Surprise: 0.367
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01:16:40 ~ 01:17:33 和田政宗君
まず、ちょっと各論の部分になってしまって申し訳ないんですが、まず上鹿渡参考人にお聞きをしたいというふうに思います。子育ての部分で、ショートステイ里親ですね、里親ショートステイ、この取組、私聞いて、これ非常にしっかりと取り組んでいかなくてはならないというふうに思っているんですけれども、これ、実際に里親になってくださる方を増やしていかなくてはならない、また、理解をしていただいて増えていかなくてはならないというふうに思っているんですけれども、その辺り、どういうふうに増やしていくのか、また、サポートについて図でも示されておりますけれども、そういった方のサポートをどういうふうにやっていけばいいのか、この点について御教授を願えればと思います。 Angry: 0.365 Disgust: 0.247 Fear: 0.457 Happy: 0.581 Sad: 0.598 Surprise: 0.435
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01:17:33 ~ 01:18:06 参考人(上鹿渡和宏君)
ありがとうございます。先ほど説明し切れなかった部分です。ショートステイ里親、里親というのは基本的に県の方、都道府県で登録している里親さんになるんですが、それを市町村の方で活用するというような形になるんですね。これまではそういった使い方がしっかりできていなかった。施設を通して里親さんに委託というのはやっているところがあったり、市の単独の事業として、施設がないので里親さんをそういった形で使うということはあった。 Angry: 0.358 Disgust: 0.286 Fear: 0.439 Happy: 0.581 Sad: 0.622 Surprise: 0.507
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01:18:06 ~ 01:19:22 参考人(上鹿渡和宏君)
ですから、これを正式にやるために制度をちょっと変えて、直接市町村が里親さんを使えるという形になりました。ただ、今おっしゃってくださったように、そのショートステイ里親さんであってもやっぱり支援が必要なんですよね。実際、ショートステイと言っていますけど、結構、一時保護という重ための状況の子供さんがショートステイかどっちにしようかというので使われていることもありますので、支援が必要です。ここが今、全国で、その都道府県ごとにフォスタリング機関という形で里親を支援する機関を児童相談所で整備する場合もあれば、民間に全部委託するという形でも結構出てきているんですが、始まっています。その際に、このフォスタリング機関が間に入ってこのショートステイ里親という形を広げていく、若しくは、先ほど示した例は、福岡市の場合はNPO、SOS子どもの村JAPANというところが、児童家庭支援センター、児家センと呼ばれますが、を基にして、そこで里親さんを登録していて、もうショートステイを専門でやる里親さんをどんどんつくっていっているということをしています。 Angry: 0.336 Disgust: 0.307 Fear: 0.406 Happy: 0.749 Sad: 0.472 Surprise: 0.530
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01:19:22 ~ 01:20:18 参考人(上鹿渡和宏君)
そのリクルート、募集に関しても、これ、一般的に里親さんというと、まあまあ長めのイメージを持たれたり、もう一旦委託されたらずっと見ていくというイメージだと思うんですが、ショートステイはもっと短いんですよね。原則七日になっています。福岡市の場合は、限界を設けずに何日というのもあります。でも、日の単位で使うものですので、それだったらできるかもしれないという里親さんを実は集めていく上でも、このショートステイ里親をまずはやってみて、それで機関も一緒に入ってそのチームとして子供を養育するということを携わってみて、更にできそうであればもっと長い里親を委託されるということもあるでしょうし、そういう意味では、里親さん側にも、それを支える機関としても、どちらにとっても良い形で進めていけるんじゃないかなというふうに思います。 Angry: 0.353 Disgust: 0.339 Fear: 0.471 Happy: 0.636 Sad: 0.514 Surprise: 0.559
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01:20:18 ~ 01:21:07 和田政宗君
ありがとうございます。次に、青砥参考人にお聞きをしたいというふうに思います。さいたまユースのこの堀崎モデルでありますけれども、こういった取組ができれば、本当に救われる子供たち、また親も含めているんだろうと、多く出てくるだろうというふうに思っておりますが、この枠組みをつくるというのがこれかなり大変だというふうにこの図からは思うわけでありますけれども、その辺り、ここに挙げていらっしゃいます自治会や民生委員、また地方議員、地元住民、こういった方々をどういうふうに巻き込んでいっているのか、詳しくもう少し御説明いただけると有り難く思います。 Angry: 0.366 Disgust: 0.256 Fear: 0.334 Happy: 0.703 Sad: 0.610 Surprise: 0.443
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Angry: 0.448 Disgust: 0.357 Fear: 0.513 Happy: 0.545 Sad: 0.502 Surprise: 0.566
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01:21:08 ~ 01:22:05 参考人(青砥恭君)
はい。はっきり申し上げて、大変難しい仕事だと思っています。ただ、僕たちが始めたときは、やはりもう既にサッカー教室やったり、それから学習支援をやったり、そういうことを始めておりましたし、それから日本財団と共同で第三の居場所という子供の支援活動も始めておりました。そこで、ただ、今度のこの堀崎モデルということは、やっぱり地域の人々自らが地域課題に向き合うということがやっぱりやらなければ、やっぱり行政思考でやるとかいうのがやっぱり限界があるという。 Angry: 0.279 Disgust: 0.304 Fear: 0.491 Happy: 0.614 Sad: 0.548 Surprise: 0.541
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01:22:05 ~ 01:23:03 参考人(青砥恭君)
もうこれだけ多くの若者たちが、さいたま市内でも困窮層の子供って一万人、一万三千人とか言われている数があるんですね。引きこもりだとか将来の貧困予備軍と言われている人たちはもっと非常に数は多い。その人たちをどうやってキャッチするのか、それから、その人たちとどういうふうに、キャッチをしてその人たちの居場所をつくっていくのかとなりますと、これはもう必然的に地域のいろんな社会資源と協働するしかないと。行政が把握している数じゃ到底足りませんし、個人情報の壁があったり、それからもう一つは、やはり行政の縦割りの壁があります。ですから、この二つの壁を乗り越えていくためには、やはり地域社会のもう全ての社会資源と言ってもいいと思うんですけど、小中学校、保育所、幼稚園から始まって、そういう人たちに依拠するしかない。 Angry: 0.513 Disgust: 0.293 Fear: 0.608 Happy: 0.360 Sad: 0.388 Surprise: 0.604
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01:23:03 ~ 01:24:06 参考人(青砥恭君)
で、その人々が、やはり地域にはこれだけの課題があって、これだけやっぱり社会から排除される、取り残される方々がふだんではなかなか見えないわけですけど、それをどうやって可視化していくかということが、やはり今、非常に難しい仕事ですけれどもやらざるを得ないということだと思うんですね。僕たちがやっているのは、最初に堀崎モデルの、堀崎プロジェクトの運営協議会というのを開こうと。それで、社会福祉協議会、それから民生委員の協議会、それから教育相談室、スクールソーシャルワーカー、各小中高校、そういうところを順番に毎日、地元の地方議員の方々にも協力をいただいて一人一人訪問をして、協議会はまずこういうことから始めるんですよと。私たちの団体のその施設は結構大きゅうございますので、そこでスポーツができたりカフェも用意をしてあります。 Angry: 0.503 Disgust: 0.280 Fear: 0.480 Happy: 0.542 Sad: 0.341 Surprise: 0.587
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01:24:06 ~ 01:25:02 参考人(青砥恭君)
これは日本財団から支援を受けました。そういうこともあって、いろんな方々が交流する、まず交流する場をつくりました。そこでいろんな方々がおいでになって、そこで課題をお互いが議論し合って、まだまだなんですね。まだ二回しか協議会が開かれていませんので、コロナで延期、延期になってしまいました。そういうこともあって、これから、やはり地域の課題がどういうところにあるか、どういう方々がおられるかというものをみんなに可視化し合おうじゃないか、見える化していこうじゃないかということから始めて、これからはその方が、地域の方々がどういう地域づくりをしていけばいいのかということを、次の段階では研究者を交えて、何人か研究者も入っておりますので、共同でこのプロジェクトをもう少し整理していきたいというふうに思っております。 Angry: 0.411 Disgust: 0.316 Fear: 0.518 Happy: 0.547 Sad: 0.442 Surprise: 0.583
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01:25:02 ~ 01:26:17 和田政宗君
ありがとうございます。松岡参考人にお聞きをしたいというふうに思います。この資料を拝見しておりまして様々、先生の御著書を始めとしてしっかりと読みたいというふうに思っております。もう、幼児教育から目に見えない、目に見えにくい格差が始まるというようなところを御指摘いただいて、これはある意味、我々ももう深刻に受け止めなくてはならないというふうに思っているんですが、いわゆるこの幼児教育期というのはそれぞれ、例えば幼稚園ではなく保育園を選択をされる方もいらっしゃるという中で、皆さんが、子供たちが一律で通うようになるというのは小学校であるわけでありますけれども、その小学校が格差縮小機能が不十分であるという御指摘でありますけれども、この格差を縮小させるためのいわゆるやり方というのは、もう総体的にやらないといけないと思うんですけれども、その中で、このポイントは絶対逃さないでほしいというところ、そこがございましたら御教授願えればというふうに思います。 Angry: 0.431 Disgust: 0.275 Fear: 0.371 Happy: 0.685 Sad: 0.496 Surprise: 0.468
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01:26:17 ~ 01:27:19 参考人(松岡亮二君)
済みません。逃してはいけないポイントだらけで、今何を話せばいいのかが分からないんですけど。一番は、日本各地で結構いろんないい、すばらしい実践をされていると思うんです。で、それが、ただこういう実践があったという話で終わってしまって、それをただ紹介して、モデルケースみたいにして紹介しても、結果が出そうにないというのが今回の話の趣旨なんですね。なので、一見いいと思う内容も、ちゃんとそのプログラムが始まる前と後で、まあ途中も含めてデータを取って、本当にどんな観点で望ましい方向に行ったのかという知見を固めていかないと、何かやっぱりエピソードになってしまうと思うんですね。どこでこういうすばらしいことをやられている、こういう取組がある、ここの幼稚園はこういうのがあってすばらしいとされるで終わってしまうと、多分いつまでたっても何となく聞きかじった民間療法で健康を対処しているみたいな話になってしまうと思うので、魔法のつえはないですし、教育に万能薬はないので、そこの部分ですね。 Angry: 0.391 Disgust: 0.269 Fear: 0.514 Happy: 0.535 Sad: 0.568 Surprise: 0.523
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01:27:19 ~ 01:28:02 参考人(松岡亮二君)
ただ、一般的に言えることは、早い段階で介入した方がいいというのは、まあ海外の研究が示す大きな方向性ですが、ただ、それすらも、物すごく社会は複雑なので、一見いいと思ってもなかなかいい結果が出なかったこともあるので、なかなか難しいです。これだっていうのをちょっとお伝えすることは逆に難しいです。少なくとも私が言えるのは、すばらしいと思えるケースも、ちょっとうまくいかなかったケースも、ちゃんとデータ化して、何でこうなってしまったのかという知識を、失敗にしろ成功にしろ、次の取組の参考になる状態に持っていかなきゃいけないんじゃないのかなと思います。 Angry: 0.237 Disgust: 0.212 Fear: 0.620 Happy: 0.491 Sad: 0.618 Surprise: 0.560
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01:28:02 ~ 01:28:35 和田政宗君
松岡参考人に更にお聞きをしたいのですけれども、今日、資料三としてお持ちいただいたコロナの状況における各家庭の様々な顕在化している格差、ここに分析結果まとめということでお書きいただいておりますけれども、このちょっと内容について、この分析結果のところ、ポイントを教えていただけますでしょうか。 Angry: 0.156 Disgust: 0.073 Fear: 0.374 Happy: 0.881 Sad: 0.441 Surprise: 0.739
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01:28:35 ~ 01:29:00 参考人(松岡亮二君)
ありがとうございます。こちらの資料は、先日の文科省の中央教育審議会で発表した、東京大学の中村高康先生、オックスフォード大学の苅谷剛彦先生と一緒に発表したものです。研究メンバー、二ページ目にあるように多くの人たちでやっているんですが。そうですね、一斉休校の間に何が起きていたのかということを文科省の委託調査として行いました。 Angry: 0.413 Disgust: 0.275 Fear: 0.429 Happy: 0.617 Sad: 0.478 Surprise: 0.557
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01:29:00 ~ 01:30:08 参考人(松岡亮二君)
ああ、そうです、文科省、何も調査していないわけではないです。こういういい調査もやっています、はい。ちょっと誤解がないようにしたいなと思ったんですが、非常に協力していただいております。その中で、例えば在宅のときに、済みません、余りに量が多いので、例えば一つを挙げますと、シングルマザーの家庭の人たちの方が生活が苦しくなったと言っているのが、例えば三ページ目のところにありますね。学歴・世帯構成別の、あっ、これは、済みません、世帯収入で、その次のページです。新型コロナウイルスの感染拡大の生活への影響といって、小学校五年生の保護者票で、明らかに生活がとても苦しくなったと言っている層はシングルマザーの非大卒層がすごく多くて、両親とも大卒層の場合は実に三八・八%と三九・三%、まあ約八割ぐらいの人が、余り苦しくなっていない、全く苦しくなっていないというふうに御回答をされています。なので、コロナとか地震とかの災害もそうですけど、すごく大きな被害があると、みんなが苦労したと思いがちなんですけど、被害を受けている人は、この場合だったら親の学歴によって大分差があるという実態があるという部分ですね。 Angry: 0.303 Disgust: 0.242 Fear: 0.563 Happy: 0.514 Sad: 0.567 Surprise: 0.552
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01:30:08 ~ 01:31:10 参考人(松岡亮二君)
全ての、そうです、みんながというのを、だから、取りあえず一回横に置いてほしいんですね。日本社会というのは物すごく多様で、いろんな状況の人がいて、同じ衝撃を受けたときに、それでも回復できる人もいたり、影響を受けていない人もいたりしますけど、中には相当苦しんでいる人がいて、それがこういうシングルマザーであるだとか非大卒層にすごく多いという傾向が見られるというのが一つです。あともう一点だけ御紹介いたしますと、一番最後の方ですね。九ページ目、休校期間中に親の在宅状況とオンライン学習の対応、小学校五年生のデータで、親の学歴だけじゃなくて、親が在宅していたかどうかによって、休校中オンラインで学習教材を使えるようにした家庭があったのかなかったのかという傾向に差が見られます。重要なのは、学歴以外の部分で、親が、一人以上親が在宅していたかどうかによって子供の学習環境が違ったというのも重要なんですけど、在宅できたかどうかも親の社会経済的状況なんですよね。 Angry: 0.216 Disgust: 0.197 Fear: 0.519 Happy: 0.578 Sad: 0.596 Surprise: 0.615
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01:31:10 ~ 01:32:30 参考人(松岡亮二君)
いわゆるリモートワークができたり、専業主婦ができるような家庭の場合は、一斉休校で学校がないときに子供の面倒を親が見ることができたんですけど、そうじゃない家庭もあったという、ここのパターンの問題です。なので、学歴が高い方が有利だし、学歴が高い方が在宅できたのでより有利だということですね。あと、済みません、もう一つだけ手短にまとめますと、その次のページ……。はい。じゃ、次のページの表を見ていきたいんですけど、何か日本は小学校、九八%の児童が公立小学校に行っているから、すごく平等主義的という見方もあるんですけど、この表を見ていただいたら分かると思うんですけど、小学校によって学校ごとに両親大卒家庭割合が全然違うんですね。となると、学校ごとに親一人以上在宅できていたかの児童の割合も違うわけです。なので、両親大卒層がすごく多い公立小学校で勤めている先生からしたら、休校期間中も子供たちはちゃんと宿題を親に見てもらってちゃんとできていたりするんですけど、そうじゃない学校、両親非大卒層が多いような公立小学校の場合は、先生の目線でいくと、宿題とか出していたものもちゃんと家で見てもらっていないからという状況があるので、要するに休校期間が終わった後、小学校の先生の目線で授業をやる大変さもこの社会経済的状況というのが下にあるという話です。 Angry: 0.320 Disgust: 0.259 Fear: 0.534 Happy: 0.584 Sad: 0.464 Surprise: 0.595
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Angry: 0.187 Disgust: 0.287 Fear: 0.431 Happy: 0.741 Sad: 0.631 Surprise: 0.573
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01:32:44 ~ 01:33:03 宮口治子君
立憲民主党の宮口治子と申します。本日は貴重なお話をお聞かせいただきまして、本当にありがとうございます。私も三人の子供を育てている母親の立場として、考えなければいけないなということがたくさんございました。それでは、まず、上鹿渡さんにお話を聞かせていただきたいと思います。 Angry: 0.353 Disgust: 0.267 Fear: 0.363 Happy: 0.736 Sad: 0.542 Surprise: 0.498
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01:33:03 ~ 01:34:01 宮口治子君
先ほど、和田議員が里親ショートステイについてお尋ねをされましたが、家庭養護について、諸外国と比較して最低水準にあるということをお示しいただきましたが、家庭養護を推進していくために、登録里親数や委託里親数が絶対的に少ないということや新たな養育里親の発掘が進まないなどの課題があると思います。そもそもの里親が増えていかないというのは、周知が余り進んでいないためでしょうか、それとも手当の問題でしょうか、あるいはほかの問題が何かあるのでしょうか。里親を増やしていく取組について有効だと思われる方策があれば教えていただきたいと思います。そして次に、社会的養護を必要とする子供の中で、障害、疾患、被虐待などの養育上の課題を抱えている子供が多くなっているとお示しいただきました。 Angry: 0.517 Disgust: 0.320 Fear: 0.438 Happy: 0.464 Sad: 0.554 Surprise: 0.410
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01:34:01 ~ 01:34:54 宮口治子君
こうした子供たちの里親としては、専門里親などの確保が必要だということが里親委託ガイドラインにはございます。その専門里親を増やしていく必要性というのを感じているのですが、これについても何か方策があれば教えていただけますでしょうか。三つ目なんですが、家庭養護については、家庭で個別的な関わりが期待できる一方で、提供される養育というのにはばらつきがあって、行われている養育が外からはちょっと見えにくく、最低水準のケアがなされていることを担保する仕組みというのが十分とは言えないように感じております。この点について、どうすれば最低水準が担保されるようになるとお考えでしょうか。この三つのことについてお聞かせください。 Angry: 0.458 Disgust: 0.310 Fear: 0.413 Happy: 0.589 Sad: 0.556 Surprise: 0.449
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01:34:54 ~ 01:35:05 参考人(上鹿渡和宏君)
ありがとうございます。まず、里親のリクルートという今言葉を使うようになってきているので、里親をどうやって増やしていくかというところですね。 Angry: 0.282 Disgust: 0.340 Fear: 0.317 Happy: 0.833 Sad: 0.575 Surprise: 0.461
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01:35:05 ~ 01:36:23 参考人(上鹿渡和宏君)
これ、先ほどのショートステイ里親も、実はそれの一環としていけるんじゃないかということなんです。県の資源なんですね、里親って。だけど、集める場所は市町村で、市町村の協力が本当不可欠なんですけど、そもそも市町村の方が里親というものを知らなかったり、自分のところにどこにいるのかということも余り分かっていなかったりということがありまして、まずはそこら辺からですね、もう本当に里親というのはどういうもので、この国としてしっかり増やしていこうとしているんだということを本当にもう知ってもらうということがまず第一になるかなとは思います。それを増やしていくときに、これは里親の養育を支援することとも関わってくるんですけれども、フォスタリング機関というものを新しくつくってやっていくと。これまでも里親支援というのはあったんですけど、リクルートからその里親さんを研修して登録して、子供が委託されて子供を一緒に育てて、その後委託が解除になった後もその里親さんと一緒にやっていくという、全部を包括的に見ていく機関というのをこれからしっかりつくっていくということも増えてきているんですが、そういうところが間に入って、そのリクルートの部分もしっかりやっていくと。 Angry: 0.423 Disgust: 0.293 Fear: 0.443 Happy: 0.587 Sad: 0.498 Surprise: 0.518
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01:36:23 ~ 01:37:01 参考人(上鹿渡和宏君)
そこに先ほど言った市町村の担当みたいなものを置いたらどうだというのが今年度厚労省から出ていた予算になってくるんですけど、そういうことをすると市町村の側も関心を持つわけですよね。これまで、里親というのはもう社会的養護なので関係ない、県の仕事だったものが、一番市町村でも欲しいと思っている予防の中でも一番切り札になるものを自分たちで持てるわけですね、里親さんがいることで。というところでは、市町村もしっかりやりたくなるような話にこれつながっていきますので、そうしてくるとちょっとまた状況が変わってくるかなということは思っています。 Angry: 0.406 Disgust: 0.322 Fear: 0.488 Happy: 0.632 Sad: 0.443 Surprise: 0.514
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01:37:01 ~ 01:38:05 参考人(上鹿渡和宏君)
リクルートはいろんなやり方があるかと思いますが、その辺りからも行けるかなということがまず一つですね。二つ目が、障害があったりニーズがたくさんある複雑な、絡んで両方あるような子もいるわけで、そのために専門里親、これ元からある里親さんなんですが、里親さんのそれぞれのそのスキルを高めたり専門性を高めるというのもこれまで以上にやっぱり必要なところですし、研修体制なんかも余りしっかりしていませんでした、これまで。特に、その委託後の研修というのがちゃんと規定されていなくて、里親さんの自由に任されているとか、里親さんが自分でお金掛けて受ける、施設の職員って大体施設でいろんな子供来た後の研修あるんですけど、里親さんは余りそこはなかった。そこは、それで僕の方でもフォスタリングチェンジプログラムというものを入れたりしてどんどんやって、そうすると、里親さん、いろんな子たちに対応できるようになって、もっと早くできたら、学べたらよかったなんということもあるんですが、それもやりつつ、やっぱりこれ一人じゃ育てられないんですよね。 Angry: 0.176 Disgust: 0.208 Fear: 0.558 Happy: 0.626 Sad: 0.650 Surprise: 0.584
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01:38:05 ~ 01:39:05 参考人(上鹿渡和宏君)
なので、フォスタリング機関のようなこの支援の体制をしっかりつくっていく。これ、また更に言うと、フォスタリング機関だけでもできないです。障害のあるお子さんを一般の家庭で育てているときに使っているほかのサービスや資源を里親でも一緒に使える、そういったコーディネートも含めてこのフォスタリング機関がやっていくと。これも実は厚労省の方でモデル事業ということでたしか今年度で二か所ほどもうそれを取り組んでいるところありますけど、一人そういったことをコーディネートする形を置いてやるということを始めています。そんな形でつくっていくと。なので、専門里親をどうするかというので、それを支えるところも余りなかったので、しっかりやる。あと、更に言われているのは里親の種類をどうするかということもずっと言われていたんですよね。それぞれのお子さん、いろんな子がいるので、それに対応できるような里親の種類自体もうちょっと増やそうかという、そういった議論もしっかり進めていく必要があるかなと思います。 Angry: 0.415 Disgust: 0.317 Fear: 0.426 Happy: 0.622 Sad: 0.480 Surprise: 0.554
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01:39:05 ~ 01:40:13 参考人(上鹿渡和宏君)
済みません。三つ目の、家庭養護が閉じたもので、一般の家庭で私的な空間で行われる本当、公的な養育という、かなり通常ない事態なので、その中でいろんなことが起こり得るわけですね。本当に、先ほど申し上げた被措置児童等虐待というのは施設だけではなくて、家庭養護の中でも起こっていることで、そういうのをしっかり見付けるためにもどうするか。これも、里親さんそれぞれの担当している児相がどうするというのもあるんですけど、やはりこれもフォスタリング機関とセットですね。もう何でもフォスタリング機関セットですが、そもそも里親養育って里親さんだけでやるものじゃないんですよね。この理解がこれまでの日本では余りなかったんですね。里親養育というのは、そもそもフォスタリング機関と里親さんセットでチームになったもの、児童相談所も関わりますけれども、それを里親養育というイメージを持っていただくと、その閉鎖性なんかもフォスタリング機関がしっかり関わることで、早めに、そういった虐待とか暴力になっちゃう手前のつらさだったり、うまくできていない感じというのを共有していくことでそこは分かっていきます。 Angry: 0.496 Disgust: 0.309 Fear: 0.516 Happy: 0.471 Sad: 0.490 Surprise: 0.509
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01:40:13 ~ 01:40:29 参考人(上鹿渡和宏君)
そういうことを言ってもらえるそのサポートの関係であったり、サポートの関係があるからこそ助言できるような関係というのをチームとしてしっかりつくっていくということでその辺りは担保できていくのかなというふうに思います。以上です。 Angry: 0.574 Disgust: 0.388 Fear: 0.345 Happy: 0.601 Sad: 0.603 Surprise: 0.354
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01:40:29 ~ 01:41:06 宮口治子君
ありがとうございます。次に、青砥さんにお話をお伺いしたいと思います。さいたまユースのようなローカルコモンズ、非常に良いモデルケースだなというふうに思いました。このような取組をしている子供たちは、必要としている子供たちというのは多いと思いますが、現実にはその存在を知らないといった子供たちがいらっしゃるんじゃないかなと思います。そういう活動をしているということを知らない子供さんたちですね。現在さいたまユースに来ている子供たちは、どのような情報源でその活動をされているというのを知ったんでしょうか。 Angry: 0.364 Disgust: 0.205 Fear: 0.369 Happy: 0.742 Sad: 0.484 Surprise: 0.553
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01:41:06 ~ 01:41:47 宮口治子君
また、周知に必要な公的サポートのアイデアなどがあれば何か教えていただきたいと思います。そして次に、今回紹介いただいた困難な事情を持つ子供たちをめぐるといった状況は、コロナ禍においても大きく変わってきているのではないかと感じています。リモート授業の普及や学校行事の中止など、子供たちのつながりの機会が極端に減ってしまっているような状況において、子供たちの居場所、そういった状況に変化はあるのでしょうか。また、コロナ禍で喫緊に対応するべきケースがあれば併せて教えていただけたらと思います。 Angry: 0.321 Disgust: 0.183 Fear: 0.429 Happy: 0.665 Sad: 0.603 Surprise: 0.536
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01:41:47 ~ 01:42:13 参考人(青砥恭君)
お答えいたします。周知の方法なんですけれども、私たちは、やはり、幸いにもボランティア活動も含めて十数年活動をしてきて、それで、一つの考え方としては、先ほども上鹿渡先生の方からもお話がありましたけど、私たちの団体だけで解決できることはそれほど多くはないと。 Angry: 0.281 Disgust: 0.319 Fear: 0.330 Happy: 0.830 Sad: 0.461 Surprise: 0.571
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01:42:13 ~ 01:43:20 参考人(青砥恭君)
ただ、私たちは居場所をつくってそこで子供たちの様々な発達を支援する、応援する、まあ助産婦のような役割は果たしますけれども、しかしながら、実際に社会につないだり、それから社会で働いたり、そういうためには様々な社会資源が必要になります。ですから、そこをつながなければいけないということを団体がつくった頃から、我々も社会資源の一つなのである、ただ、そこはちょっと意識が違うのは、我々はコーディネーターもやらなければ、中間支援をやらなければいけないという考え方です。ですので、それを十数年、しかも、もう一つ言うと、我々の団体は、全国に出かけていって、いろんな団体ありますけれども、やはりどんどん外に出ていく団体もたくさんありますけれども、私たちはさいたま市という一つの拠点をつくってその地域の中で要するに活動していこうと。 Angry: 0.355 Disgust: 0.234 Fear: 0.532 Happy: 0.624 Sad: 0.431 Surprise: 0.586
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01:43:20 ~ 01:44:07 参考人(青砥恭君)
さいたま市も百三十万人おりますからね。ですから、そこの中で、外には出ていくことはやめようということをやってきて、やはりだんだん、それが地域の学校であったりスクールソーシャルワーカーであったり行政であったり、多分子供、若者支援をやっている方で我々の団体を知らない方はおられないだろうと思います。ですので、居場所が欲しくなったらユースにつないでくださる、さいたまユースにつないでくださるという方はとても増えました。やっぱり十何年間の活動の成果だと思います。それから、コロナ禍で、リモートの中で、学校行事の減少や子供たちの変化なんですけど、これは極めて深刻だと思います。 Angry: 0.368 Disgust: 0.240 Fear: 0.475 Happy: 0.634 Sad: 0.534 Surprise: 0.557
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01:44:07 ~ 01:45:13 参考人(青砥恭君)
私は、以前、最近ですけれども、ある雑誌にもそういう論文を書きましたけれども、子供たちの発達というのは、子供たちの居場所、コミュニティー、関係性がもう欠かせません。ですので、リモートの中で家族だけというのは、子供というのは発達のためには家族以外の愛情が必要です、それから関わりが必要です、他者の関わりが必要です、その中から社会認識や他者認識が生まれます。ですので、コロナというのは、本当にこれはコロナ世代の子供たちが十年先、二十年先にどういう影響を与えられたのかという、やっぱりこれは確実に調査が必要だろうというふうに思うぐらいです。ですので、私は、私たちが思うのは、一つは、コロナ禍でもやはり社会とつなぎ続ける算段はしなければいけないと思います、ですから一応居場所はオープンにしておきました。ですから、だけれども人数を少なくしたり、それから少しリモートの環境を整えたり空気を入れたり、そういう非常にもう細かい工夫ですけれども、それはしてまいりました。 Angry: 0.374 Disgust: 0.272 Fear: 0.447 Happy: 0.678 Sad: 0.486 Surprise: 0.489
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01:45:13 ~ 01:46:04 参考人(青砥恭君)
それからもう一つは、やはりアウトリーチが必要だと思います。ですから、困窮層の子供、先ほど松岡先生の方からもお話がありましたけれども、シングルマザーのやはり家庭に非常に大きな打撃を与えているのは間違いないと思います。ですので、そういう家庭の子供たちがどう変わったか、それから、どういうふうに社会につなぐかというのをアウトリーチをする。それからもう一つは、オンラインもやはりスマホだけじゃなくて、ほとんどはスマホですから、スマホで勉強を教えるといったって、はっきり言って大学生でも難しい、これは。ですから、パソコン持っておりませんので、ですので、そういう家庭の子供たちにどういうふうに、この厳しい状況がもし続くとすると、教育機会を与えるかというのはもう一つやっぱり踏み込んだ検討が必要になってくると思います。 Angry: 0.392 Disgust: 0.261 Fear: 0.485 Happy: 0.688 Sad: 0.435 Surprise: 0.518
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01:46:04 ~ 01:46:17 参考人(青砥恭君)
ですので、居場所の変化というのは、そういうアウトリーチが必要、オンラインが必要、それからリアルなやはり子供たちの関係性をつくるというこの三本立てがどうしても必要になってくるということになるだろうと思います。 Angry: 0.205 Disgust: 0.210 Fear: 0.497 Happy: 0.744 Sad: 0.564 Surprise: 0.532
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01:46:17 ~ 01:47:02 宮口治子君
ありがとうございます。最後に松岡さんにお伺いいたします。最近、親ガチャというような言葉が話題になったように、教育格差というのは、家庭の状況とか親の教育の意識によっても発生するというふうに思っています。今回、コロナ禍において、IT機器の利用の度合いによって子供の学習の進みが異なっているのかなというふうに思います。文部科学省による令和三年七月末の時点の端末利活用状況等の実態調査によると、タブレット端末などのIT機器というのが今、小中学校で九七%以上行き渡っている。ただ、持ち帰りができるかについてはばらつきがあるのが現状です。私の地元広島なんですけれども、やっぱり学校ごとに対応が違っているという状況です。 Angry: 0.378 Disgust: 0.294 Fear: 0.450 Happy: 0.624 Sad: 0.561 Surprise: 0.495
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01:47:02 ~ 01:47:23 宮口治子君
コロナ禍でリモート授業にならざるを得ないような状況がありました。私は、タブレット普及というのであれば、家に持ち帰って活用してこそのその意味があるのではないかなと思っているのですが、松岡さんはどう思われますか。また、IT機器の利用、リモート授業を活用して教育格差を縮める方策などは何かあるとお考えでしょうか。 Angry: 0.560 Disgust: 0.240 Fear: 0.471 Happy: 0.579 Sad: 0.368 Surprise: 0.544
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Angry: 0.166 Disgust: 0.173 Fear: 0.592 Happy: 0.576 Sad: 0.629 Surprise: 0.603
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01:47:28 ~ 01:48:24 参考人(松岡亮二君)
はい。得意分野です。簡潔に、そうですね、タブレットを持って帰っていない学校等があるわけですよね。それでけしからぬという話になるんじゃなくて、私は研究者なので、どういう学校だとタブレットを持って帰らせないという意思決定をしているのかなというのが気になるんですね。例えば、それが学校単位でデータが全部蓄積されていれば、例えば学テの点数であるだとか社会経済的に恵まれている地域なのかそうじゃないのか、大都市なのかそうじゃないのか、コロナの感染しているのかどうかなのかということを全部統制した上で、どういう特徴を持っている学校がそういう判断をしているかということが分かるので、そこの条件がないままで、何か持って帰らすことを許容していない学校があるらしい、けしからぬだと、ちょっと何か建設的な会話にならないかなと思うんです。 Angry: 0.481 Disgust: 0.305 Fear: 0.492 Happy: 0.569 Sad: 0.434 Surprise: 0.520
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01:48:24 ~ 01:49:09 参考人(松岡亮二君)
各学校には独自の文脈があって、恐らく様々な配慮があってそういうことをしているので、何か一括で全部持って帰らせればいいというわけでは多分ないんじゃないのかなというふうに思います。もう一つは、ICTを使った活用で教育格差を縮小することということは可能性としてはもちろんあり得ると思います。例えば離島とかかなり地方ですと、大卒の大人がいないのでロールモデルが欠けているので、都市部の大人であるだとか海外とつないで世界が広いということを早い段階で感じてもらうみたいな取組があることは承知していますが、データで実際にそれで変わったかどうか等は私はちょっと知らないんですが、今後の研究でそういうことが明らかにできればなと思います。 Angry: 0.265 Disgust: 0.227 Fear: 0.507 Happy: 0.683 Sad: 0.468 Surprise: 0.589
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01:49:22 ~ 01:50:06 安江伸夫君
今日は、三人の参考人の先生方、お忙しいところ、本当に貴重な御意見を賜りましてありがとうございます。公明党の安江伸夫です。質問させていただきます。まず、三人の参考人の先生方にそれぞれお伺いをしたいと思いますが、先ほど和田委員からも冒頭発言ありましたが、今、国の方では、いわゆるこども家庭庁という省庁横断的な、子供の権利を第一に考える、またそのための機動的な政策を打っていくためのこのこども家庭庁の創設が進んでいるところでございます。それぞれのお立場、それぞれの参考人の先生方から、このこども家庭庁に対する御意見あるいは期待するところ、端的で結構でございますので、上鹿渡参考人から順次お答えをいただければと思います。 Angry: 0.405 Disgust: 0.285 Fear: 0.340 Happy: 0.766 Sad: 0.478 Surprise: 0.522
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01:50:12 ~ 01:51:14 参考人(上鹿渡和宏君)
ありがとうございます。とても大きなお話なんですけど、本当に期待をしています。子供を中心に置いて、子供にとって一番いい成果をしっかり出していこうとするということで進めていただけたらなと思っています。来年度のその法改正もあって、その制度の、新しい制度の下でいろんな新しい動きが出てくると思うんですね。ただ、その動きをしたいときに、それ実際どうやったらいいのか、どうやったらできるのか、予算のこともあるんですが、やり方の面でもなかなかすぐには決められたようにできないところがあると思うんですね。そういったところをどうサポートできるのかとか、それによって実践が積み重なっていくわけですが、それが本当に最初に思ったようなことができているのか、これもだから、評価というところも含めて、こども家庭庁で進めていくことがあれば、是非しっかりそこも考えながら進めていただきたいなというふうには思います。 Angry: 0.305 Disgust: 0.268 Fear: 0.329 Happy: 0.743 Sad: 0.555 Surprise: 0.523
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01:51:14 ~ 01:51:47 参考人(上鹿渡和宏君)
研究所とかそういうのでなくても、しっかりとそういった取組をセットにしてやっていただくということかなと。あと、子供基本法という話も出ているかと思うんですが、本当にそれをまずはしっかり作って、そこで作ることなのか分からないですが、でも、できればそこが中心になっていろんなことをしていくと思いますので、是非そこを、まずはしっかりしたものを作っていただいた上で、もうここから新しい子供たちへの対応をいっぱい作っていっていただきたいなというふうに思っています。 Angry: 0.371 Disgust: 0.263 Fear: 0.372 Happy: 0.762 Sad: 0.515 Surprise: 0.495
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01:52:04 ~ 01:53:00 参考人(青砥恭君)
それから、もちろん文科省にも、それから内閣府と、今まで三つやはり省庁がありまして、やはり皆さんすごく苦労しておられるというのは本当に日頃感じております。ですけれども、やはり、子供の貧困対策、それから若者たちの支援についても、やはり一つは、地方自治体に対してどういうコミュニティー政策を持たれるかということについても関わっていただきたい。そうしないと、せっかく、こどもじゃなくて、こども庁じゃなくてこども家庭庁で、子供たちというと、家庭がやはり、家庭の改善といいますか、再配分も含めて、そこにしっかり注視していかないとこの問題は解決しないんだというね。 Angry: 0.364 Disgust: 0.253 Fear: 0.521 Happy: 0.587 Sad: 0.551 Surprise: 0.474
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01:53:00 ~ 01:53:25 参考人(青砥恭君)
だから、我々は、居場所も欲しいけれども、それから学び直しも欲しいけれども、やはり家庭に対する再配分の支援をお願いをしたい、そういうコミュニティー政策も含めてやっていただきたいということと、それから、縦割りをやはり改善してほしい、一つグリップするところでやっていただきたいというのが要望であります。 Angry: 0.573 Disgust: 0.329 Fear: 0.286 Happy: 0.453 Sad: 0.767 Surprise: 0.275
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Angry: 0.507 Disgust: 0.330 Fear: 0.490 Happy: 0.550 Sad: 0.437 Surprise: 0.574
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01:53:27 ~ 01:54:04 参考人(松岡亮二君)
松岡です。松岡です。ありがとうございます。そうです、組織を改編して何かすぐ解決するかといったらそんなことはないと思うので、やはり予算をどれだけ実際に取ることができるのかと、縦割り行政を解消するという話であれば、現在デジタル庁で進められているような教育データが省庁の垣根を越えて一元化、一元化と言ったらいけないんでしたっけ、何か共通化をすることができたらいいなとは思います。 Angry: 0.446 Disgust: 0.305 Fear: 0.369 Happy: 0.715 Sad: 0.575 Surprise: 0.434
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01:54:04 ~ 01:55:17 参考人(松岡亮二君)
特に、今お二人の先生方がおっしゃっていたように、教育で特に学力とか全国学力テストみたいな話をするときに、何か学校のやったことがそのまんま反映されるってイメージをお持ちの方が多いんですけど、そうじゃなくて、学校の外での時間の方が長いですし、どういうようなふうに家庭で過ごしているのかとかが全部関係しているんですよね。なので、重要なのはプッシュ型の支援だと思います。世帯所得等々は分かるわけで、一定以下だったら本人が申請しないでもこちらから支援をするという形にして、実際そういうふうにしたときにどういうふうな結果が実際に出たのかということをデータで把握するということをやっていく必要があると思います。特に、先ほどの私たちのこのコロナ調査のデータでもあるように、学歴と年収は、皆さん御存じだと思いますけど相関関係にあるので、高学歴の方なんかが例えば職を失った場合というのは、いろんな知識があるし文書を読み込む力もあるので、役所に行っていろんな助けを求めることができるんですよね、そういう経験も知識もお持ちなので。 Angry: 0.391 Disgust: 0.312 Fear: 0.496 Happy: 0.667 Sad: 0.431 Surprise: 0.514
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01:55:17 ~ 01:55:48 参考人(松岡亮二君)
でも、困難な状況にある家庭の人たちというのは、なかなか本人の育ちも余りそういう機会に恵まれずに、そういうロールモデルもない中来ているので、こちらから声を掛けて、実際にその子供さんが望ましい方向に成長するというふうな介入をしていく以外に多分結果を出すことは多分できないと思うので、こども家庭庁の取組として、デジ庁と連携して、そのことは実際に結果を出してほしいなと思います。 Angry: 0.221 Disgust: 0.117 Fear: 0.391 Happy: 0.737 Sad: 0.728 Surprise: 0.468
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01:55:48 ~ 01:56:03 安江伸夫君
三人の参考人の先生方、本当に一つ一つが貴重な御意見でありました。本当にありがとうございます。特に、上鹿渡参考人が指摘していただいた基本法、これがいわゆる執行機関の前提となる理念として不可欠なものであるという認識を改めて強くいたしました。 Angry: 0.344 Disgust: 0.239 Fear: 0.329 Happy: 0.680 Sad: 0.625 Surprise: 0.497
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01:56:03 ~ 01:56:34 安江伸夫君
ありがとうございます。それでは、続けて上鹿渡参考人にお伺いをしたいというふうに存じます。先ほどの御説明いただいた資料の十九ページに、里親で育った場合と、あるいは施設で育った場合の脳の発達の具合が違うという図を御指摘いただきました。改めて、こうした発達の程度に結果として歴然と違いがあるのはどういった点に理由があるのか、これを確認させていただきたいと思います。 Angry: 0.237 Disgust: 0.274 Fear: 0.408 Happy: 0.796 Sad: 0.488 Surprise: 0.586
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01:56:34 ~ 01:57:20 参考人(上鹿渡和宏君)
ありがとうございます。ここは先ほど少しだけ説明したんですけれども、里親というその家庭に行けばこうなるというわけではないんですね。里親養育の質が担保されている状態のところです。何を、じゃ、もってして担保されているとか、いい養育というかというと、これもちょっと資料には入れましたけれども、安定した愛着関係を持てるかどうかというところですね。国連のガイドラインも、それを基にしながら、それが保てる家庭養護へという話にはなっているんですけれども、いろんな違いが施設養護と家庭養護でありますが、子供からして一番大事なところというのは、この愛着の安定性というところになるということなんですよね。 Angry: 0.392 Disgust: 0.305 Fear: 0.391 Happy: 0.709 Sad: 0.515 Surprise: 0.466
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01:57:20 ~ 01:58:02 参考人(上鹿渡和宏君)
それはやっぱりすごく大事なことで、これから里親の数は増えていくわけですけど、しかもこれまでと違うのは、短期間で親元に帰すという子供たちも増えてくることになります。今まではそういった子たちというのは施設で見ていたんですね。大体、日本の里親というのは、養子縁組のイメージもありまして、親と余り交流がない子供たちが里親の元に来ていたというのがありまして、余り、十八歳までずっといるとかそういう感じが多かったんですが、これからというのは、乳幼児で七五%も上げていきますと、もう半年後とか一年後、二歳までには帰るというような子たちが来ます。 Angry: 0.225 Disgust: 0.172 Fear: 0.489 Happy: 0.645 Sad: 0.517 Surprise: 0.709
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01:58:02 ~ 01:58:52 参考人(上鹿渡和宏君)
そうすると、その別れを想定しながらすごくかわいがるという、かなりこれは実は厳しい話だと思うんですよね。なので、そこをどういうふうに支援していくか。そこをちゃんと支援し切らないと、やっぱり最後悲しくなるのは嫌なので、少しそこを甘めにするというか、余りかわいがっちゃうとこの子にとってもかわいそうだし、私たちもみたいなところで、緩めてしまう可能性があるんですね。そこを、でも一番大事なのはこの愛着のところですということで考えてもらい、それを支援する、これが本当に必要で、フォスタリング機関の方もそれを第一に考えながら、その別れのところに向かっていくフォローもしながら、また、別れた後ですね、子供がいなくなった後のフォローもしながら続けていくということがとても大事かなと思います。 Angry: 0.315 Disgust: 0.285 Fear: 0.522 Happy: 0.464 Sad: 0.670 Surprise: 0.481
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01:58:52 ~ 01:59:11 安江伸夫君
ありがとうございました。それでは、青砥参考人に続いてお伺いしたいと思います。改めてこのさいたまユースの取組、本当に貴重なモデルケースになりますし、全国的にその理念も含めて国として責任を持って進めていかなければいけないなというふうに個人的には強く思った次第であります。 Angry: 0.450 Disgust: 0.302 Fear: 0.265 Happy: 0.697 Sad: 0.632 Surprise: 0.381
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01:59:11 ~ 01:59:36 安江伸夫君
その上で、先生の方からやはり学校と地域の連携が重要だということを改めて御指摘をいただきました。この学校との連携という点につきまして、青砥参考人の方で現時点でとりわけ足らざると思われる点があれば御教授をいただきたいというふうに思います。 Angry: 0.346 Disgust: 0.286 Fear: 0.425 Happy: 0.704 Sad: 0.468 Surprise: 0.578
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01:59:36 ~ 02:00:08 参考人(青砥恭君)
学校と地域の問題というのは、日本の学校制度が始まってから永遠の問題で実はありまして、それで戦後、山びこ学校とか地域の学校というのが、戦後、しんどい時代に子供たちを育てる、地域の人々が協働して子供を育てたという実践例は全国に本当にたくさんあるわけですね。ですけれども、今、学校と地域が戦後これほど乖離をしている時代はないのではないかという気がいたします。 Angry: 0.396 Disgust: 0.302 Fear: 0.546 Happy: 0.437 Sad: 0.523 Surprise: 0.537
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02:00:08 ~ 02:01:11 参考人(青砥恭君)
それで、個人情報の問題が一つあります。個人情報は個人の財産ですから、それを外に持ち出しちゃいけないと、これは当たり前の議論なんですけれども、それをやはり学校外の社会資源とつながる、そして、ましてや私たちは民間の団体ですので、ただ、民間の団体でも非常に多くの子供たちを支えるそういう力を持っている、そしてそういう状況をつくり出してきた、こういうところにでも、やはり学校と直接子供の話ができないという、学校側がまずハードルを要するに非常に高くするということがあります。これもやはり、子供の支援をする場合にはどうしてもやっぱり、これからやっぱりイギリスでも行われているようなデータベースをちゃんとつくっていく必要があると思います。そこを、地域の社会資源をどういうふうに共有化していくかという工夫をですね、これはそれぞれの取組を、札幌だとか幾つかのところでは実践例があるんです。 Angry: 0.467 Disgust: 0.250 Fear: 0.466 Happy: 0.650 Sad: 0.369 Surprise: 0.553
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02:01:11 ~ 02:02:10 参考人(青砥恭君)
ですけれども、そこをやっぱり全国で普遍化するといいますか、それをやっぱり学んでいきたいというふうには思いますけれども、一つは個人情報の問題、それからもう一つは学校側に余裕がない。学校の先生が今非常に不足しているという、昨日も大きなニュースになりました。ですけれども、これはもうとうの昔からもう明らかになっていることで、学校に地域とつながれるような、そういうソーシャルワークをできる方がいない。これ、松岡先生からも先ほど格差の問題でそういうことを教えるということを強調されておられましたけれども、私も大学ではそういう授業をさんざんやってきました。ですけれども、それが、なかなかそういう力を持った、そういう授業がないので、地域とつながれる先生たちが今、要するに団塊の世代がぐっと辞めていった後にそういう力を持った先生がいなくなっちゃいました、学校に。 Angry: 0.394 Disgust: 0.209 Fear: 0.524 Happy: 0.490 Sad: 0.529 Surprise: 0.575
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02:02:10 ~ 02:02:40 参考人(青砥恭君)
要するに、そこが、どうやってこれを、地域と学校はつながらなければ子供を支え切れないのだという、こういうやっぱりこれから困難な子供が見える化すればするほど重要になってくるにもかかわらず、そこをやはり、文科省はやはり教員養成のところでそこも力を入れなければいけないというふうに将来的には思います。こんなことでよろしいでしょうか。 Angry: 0.301 Disgust: 0.251 Fear: 0.500 Happy: 0.436 Sad: 0.689 Surprise: 0.511
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02:02:40 ~ 02:03:02 安江伸夫君
貴重な御意見ありがとうございます。それでは最後に、松岡参考人にお伺いをしたいと思います。改めて、先生がこの教育格差というものをこのSESという概念で整理されたことを本当に参考にすべきものだというふうに思いました。その上でいろいろお伺いしたいことあるんですが、もう時間もあれですので、一つだけ。今、公立の学校教育にあっても格差があると。 Angry: 0.455 Disgust: 0.266 Fear: 0.386 Happy: 0.631 Sad: 0.531 Surprise: 0.496
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02:03:02 ~ 02:03:34 安江伸夫君
つまり、大卒あるいは非大卒の親のこの偏在という問題点、非常に深刻な重要な課題であるというふうに受け止めさせていただいております。本来、義務教育をあまねく公平にやっていくところが、既にそこで構造的な格差があると。こうした問題点に対して、先ほどの話にも触れていただいていたかもしれませんが、改めて、こうした公立学校の教育格差を解消していくために重要な点、御教授いただければと思います。 Angry: 0.503 Disgust: 0.286 Fear: 0.444 Happy: 0.603 Sad: 0.412 Surprise: 0.520
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02:03:34 ~ 02:04:00 参考人(松岡亮二君)
ありがとうございます。日本は今まで基本的に機会均等という原則でやってきているんですけど、それで結果が出ていないので、やるべきことは、欧米諸国でも多くの事例が見られるように傾斜配分ですね。現在の予算に加えて、よりしんどい地域の児童や、そういう児童の割合が高い学校というのはデータで分かるので、そこに追加配分をする。 Angry: 0.303 Disgust: 0.359 Fear: 0.437 Happy: 0.651 Sad: 0.571 Surprise: 0.464
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02:04:00 ~ 02:05:11 参考人(松岡亮二君)
例えば、教員を増やすであるだとか、学習補助員を増やすであるだとか、スクールソーシャルワーカーを足す。で、ただ単に足すのでは多分これは今までのある種のやり方になってしまうので、足して実際どういうような効果があったのかデータで追いかける、もし効果がないのならば違うやり方を模索するという、この試行錯誤をやっぱりやっていく必要があるなと思います。なので、端的にお答えすると傾斜配分ですね。例えばアメリカですと、一定の貧困層が多い地域ですと追加で予算配分があるので、その予算を使って対応していくという。結果を出すためには、小学校一年生に入った時点でもう差があるので、その差を、データでさっきお見せしましたように、後ろの子は前の子の背中をただずっと追いかけて高校受験に行って、違うところに、違う学校にただ分かれていくというのが現在なんですね、平均的に見ると。もう結果は分かっているので、これ何回データを取ってもこうなんですよ。なので、これは下の方をより速いスピードで走らすために何ができるのかという試行錯誤してデータ化して知見化するということをやらないと、十年後も二十年後も三十年後も同じ結果になると思います。 Angry: 0.356 Disgust: 0.282 Fear: 0.520 Happy: 0.627 Sad: 0.417 Surprise: 0.601
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02:05:18 ~ 02:06:45 大塚耕平君
国民民主党の大塚耕平と申します。今日はどうもありがとうございました。大変参考になりましたとともに、深刻に受け止めなければならないことを多々御教示をいただきました。お三方にまとめて質問申し上げますので、残った時間を三等分ぐらいでお答えいただければと思いますので。まず最初に、上鹿渡参考人にお伺いしたいのは、先ほども出ましたけれども、資料の十九ページのそのお子さんたちの脳の、これは写真なのか概念図なのか分かりませんが、二歳までの影響が大きいということで、そうすると、お話の趣旨からすると、二歳までにもし何らかの養護が必要であったりサポートが必要なお子さんたちは極力里親的なサポートが必要だということになろうかと思うんですが、そうすると、日本でもその里親になってくれる、そういう人たちを増やしていかなくてはいけないと思うんですが、海外ではどういう形でその里親を引き受けていただくということをやっているのか。 Angry: 0.349 Disgust: 0.265 Fear: 0.398 Happy: 0.736 Sad: 0.444 Surprise: 0.506
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02:06:45 ~ 02:07:12 大塚耕平君
日本になくて海外で取り組まれている、何かそういう事例があれば是非御教示をいただきたいなと。先ほど、安江さんとのやり取りの中で質が担保されなければならないという御発言もありまして、質が担保された里親の引受手を増やすための方策について何か御教示をいただきたいと思います。 Angry: 0.405 Disgust: 0.239 Fear: 0.363 Happy: 0.718 Sad: 0.485 Surprise: 0.487
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02:07:12 ~ 02:08:21 大塚耕平君
二点目は、それとも関係をしてまいりますけれども、青砥さんにお伺いしたいのは、途中で、こういう課題に対する対策、貧困対策と言ってもいいと思うんですが、市場化してくると、そして市場化は好ましくないというような御発言だったと思うんですが、横で上鹿渡参考人がうなずいておられたのが大変印象的なんですけれども、そうすると、今のその里親の話でも、既に里親ビジネス的なものが発生しているのかどうか、そして、今でも青砥さんたちがお取り組みいただいているようなことを市場化された形でサービスを提供しているような事例があると思うんですが、具体的に、どういう弊害なり、もう既に起きている事象としてどんなことがあるのかということを御教示いただきたいと思います。 Angry: 0.468 Disgust: 0.238 Fear: 0.552 Happy: 0.409 Sad: 0.445 Surprise: 0.479
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02:08:21 ~ 02:09:18 大塚耕平君
最後に、松岡参考人にお伺いしたいのは、まず資料の十八ページなんですけれども、十八ページに、データで現状把握せずに政策を決めて効果の検証をしない、やりっ放しの教育行政と一刀両断にしていただいているわけでありますが、同じような印象を私も持つ部分もあるんですが、例えば、これも海外と比較して、特に教育水準や子供の問題に関して非常に良好な状態にある北欧なんかと比べて、北欧がどういう形でこの教育行政をデータに基づいた科学的対応をしているかということについて何か知見があれば教えていただきたいというのが一点と。 Angry: 0.609 Disgust: 0.192 Fear: 0.454 Happy: 0.476 Sad: 0.395 Surprise: 0.519
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02:09:18 ~ 02:10:03 大塚耕平君
それから、その三ページ後の二十一ページですが、教育関係者が教育格差の問題を、必ずやっぱり一定のそのこと自体の教育を受けるべきだという御提言があって、これは具体的にどういうことを教育関係者に教育すべきかということと。もう一点だけ、ちょっと大変恐縮なんですが、御自身が内閣官房教育再生実行会議の委員であられたんですが、委員で御活躍いただいて、そこでいろいろおっしゃったことは文科省はちゃんと受け入れる姿勢があったかどうか、率直な印象をお伺いしたいと思います。 Angry: 0.611 Disgust: 0.189 Fear: 0.461 Happy: 0.542 Sad: 0.342 Surprise: 0.522
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Angry: 0.342 Disgust: 0.273 Fear: 0.280 Happy: 0.895 Sad: 0.504 Surprise: 0.441
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02:10:10 ~ 02:11:11 参考人(上鹿渡和宏君)
ありがとうございます。十九ページのこの図ですけれども、二歳となっていますが、これルーマニアの状況でということと、あと、二歳というところで一番明らかな差が出たというだけで、実は、早ければ早いほどいいということが言われています。ほかのイギリスのチームなんかは、養子縁組した場合だと半年というところで、までが良かったとかですね、早い分にはもっといいというのは共通したところですね。いただいた御質問の海外と比較したときの乳幼児の里親、これ乳幼児の里親に限らず、里親というところで日本で今不足しているところというので考えますと、フォスタリング機関というものの、今つくろうとしているわけです、この財政的な安定性ですね、これが今のところないんですよね。これはずっと言われていて、施設というのは措置費という形でしっかりした安定した財政基盤の下に展開できるんですけど、今のところフォスタリング機関というのはそういうのがない。 Angry: 0.365 Disgust: 0.288 Fear: 0.452 Happy: 0.663 Sad: 0.463 Surprise: 0.531
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02:11:11 ~ 02:12:03 参考人(上鹿渡和宏君)
ただ、今度、来年度のその改正の案の中では、これからこれが主になっていきますので、きちんとこれを児童福祉施設という位置に位置付けて、第二種の方で位置付ける形でそこを安定しようという案が出されていますので、これを是非しっかりと通していただいて、まず安定させていただくと。その上で、あとはそこで関わるソーシャルワーカーですね、これも実は物すごく不足しています。今のところ、先ほどの施設の多機能化ということも絡めて、施設でケアを、子供のケアワークをしていた方々が短期間の研修を受ける形でそういったソーシャルワークをする、ケースワークをするという形を取ったり、NPOの方でやる場合はまた社会福祉士等を持っている方がそういった研修を受けてやるということで、何とかその場しのぎで今急遽つくっていっているという状態です。 Angry: 0.229 Disgust: 0.217 Fear: 0.488 Happy: 0.714 Sad: 0.474 Surprise: 0.596
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02:12:03 ~ 02:12:54 参考人(上鹿渡和宏君)
国も厚労省の方で民間に委託する形で三日ぐらいの研修をしていたり、あと、日本財団が立命館大学や日本福祉大と一緒になってそういうコースを半年ぐらいでつくったりして、何とか今取り組んでいるんですけど、これもっとしっかりしたものをつくっていかないとならないと思います。大学でなかなか養成もしてこれなかったもので、これはもう施設が主で来た日本の状況ですので、この里親の支援というのを実際どうするのかというのがなかなか教えられる方もたくさんはいないし、そういう場もないというところですので、これをしっかりしたものをつくっていく。国家資格の話なんかも出ているわけですけど、このフォスタリング機関の人材というところは本当に大事な問題で、ここを何とか解決するということをお考えいただけたらと思っています。ありがとうございます。 Angry: 0.475 Disgust: 0.312 Fear: 0.450 Happy: 0.551 Sad: 0.520 Surprise: 0.426
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02:12:58 ~ 02:13:23 参考人(青砥恭君)
ありがとうございます。市場化のことについて一つだけちょっとデータを示しますと、例えば生活困窮者自立支援法の学習支援事業なんですけど、これは、今年二〇二二年だから、二〇二〇年の段階で、五百五十三団体が七百四十七事業をやっております。 Angry: 0.415 Disgust: 0.268 Fear: 0.347 Happy: 0.767 Sad: 0.473 Surprise: 0.496
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02:13:23 ~ 02:14:06 参考人(青砥恭君)
全国でほとんどの団体が、一団体が一か所。ですから、まあ寺子屋風だと思っていただければいいんですけど、地方では大体そういう形で、子供たちを二十人、三十人集めて勉強を教えたり、そういうふうにやっている。これはNPOが非常に多いかというふうに思われるかもしれませんけれども、二〇一七年と二〇二〇年を比較しますと、NPOは、二〇一七年では百七十一事業、それから二〇二〇年は二百事業で、三十事業しか増えておりません。 Angry: 0.493 Disgust: 0.285 Fear: 0.513 Happy: 0.557 Sad: 0.323 Surprise: 0.648
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02:14:06 ~ 02:15:09 参考人(青砥恭君)
ところが、民間企業は、二〇一七年では百十四事業が、二百三十事業に二〇二〇年には増えております。この中身を見ていくと、ほとんどが一社であります。ある会社が、要するに全国どこでもだあっと出ていって取るわけですね。それで、中央がコントロールして、プロポーザルに資料を出して取っていくということなので、僕は、民間企業でも、地域の企業が、地域の塾や地域の会社が、例えば造船会社が地元の子供たちでやっているというところもあるんです。だから、それは別に、僕はとてもいいと思います。ですけれども、やはり、簡単に言うと、なくなったら何もなくなってしまう。地域に蓄積や、もう何にも残らない、文化も伝統も何も残らない。学習とか教育でありながら、地域に何も残らない形で消えていくということが、これはあってはならないという気がします。 Angry: 0.504 Disgust: 0.336 Fear: 0.523 Happy: 0.463 Sad: 0.465 Surprise: 0.518
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02:15:09 ~ 02:15:51 参考人(青砥恭君)
そういうことで、市場化というのはそういう意味です。お金の額だけで、入札のときにお金の額だけで取っていくというやり方は、これはもう日本の社会のためにとっても、地域を育てる、地域に人材を育てなくちゃいけません、持続するためには。我々の団体は、今まで二千人の学生たちが参加してきました、十年間で。それで、ほとんどはみんな地域の行政や学校で働いている学生たちです。そういうやっぱり若者たちを育てなければいけません、地域の、我々の社会のためには。そういうことができないんではないかという気がしております。 Angry: 0.548 Disgust: 0.353 Fear: 0.483 Happy: 0.458 Sad: 0.499 Surprise: 0.480
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02:15:54 ~ 02:16:10 参考人(松岡亮二君)
ありがとうございます。海外の事例ですけど、データを詳しく取っているところは、そうですね、アメリカとイギリスがやはり一番の先進事例にはなると思います。 Angry: 0.252 Disgust: 0.247 Fear: 0.387 Happy: 0.842 Sad: 0.524 Surprise: 0.508
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02:16:10 ~ 02:17:00 参考人(松岡亮二君)
各学校単位のデータをかなり詳しく取って公開もしたりしますし、先ほども述べましたように、厳しい状態にある学校には追加的に予算が下りるみたいなこともやっているので。ただ、じゃ、アメリカやイギリスの結果がすばらしいのかといったら、なかなか、経済的な格差等々、人種のお話等々、かなりいろんな社会的な課題があるところなので、なかなかあちら、それで、それをそのまま導入したらいいのかというのはちょっと微妙なところではあります。ただ、少なくとも言えるのは、アメリカやイギリスは日本よりも圧倒的に多い課題を抱えて教育をしているので、例えばアメリカとかイギリスとかの学校のやり方と日本の学校のやり方だけを比べて平均点の差だって議論することはできないんですよね。 Angry: 0.354 Disgust: 0.256 Fear: 0.598 Happy: 0.467 Sad: 0.521 Surprise: 0.568
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02:17:00 ~ 02:18:04 参考人(松岡亮二君)
社会全体として、犯罪、例えば安心して暮らせない社会だったりすると、それは学校の中にも入ってくるわけですよ。なので、学校だけの責任じゃないので。そういうことも全部データで腑分けして、ここの部分は学校の影響がある、ここはネイバーって、近隣の影響があるとかみたいなふうな分析を可能にするデータを集めているのは主にアメリカですね、アメリカ、イギリスです。教育格差で何を教えるべきかというのは、私の資料の二十四ページの方に、構想五年で書いた本なんですけど、章のチャプターを並べていまして、全部つらつらと説明しても時間ももったいないので。例えば、学校の先生になる方というのは基本的に安定した、平均してですよ、全員じゃなくて平均して、社会経済的に比較的恵まれたような家庭出身の子が大学に行って、そもそも学校を職場にしようとするわけで、学校が物すごく嫌いなわけじゃないんですよね、学校である程度うまくいってやってきた子たちなので。 Angry: 0.601 Disgust: 0.312 Fear: 0.496 Happy: 0.457 Sad: 0.382 Surprise: 0.490
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02:18:04 ~ 02:19:02 参考人(松岡亮二君)
かつ、良くないのが、教育実習で母校に行ってしまうケースも結構あるようで、これが何パー行っているかもちょっとデータがないんですけど、母校に行くと自分が育った地域の社会経済的な状況のところにもう一回戻るわけですよ。ただ、人事の採用というのは、公立の、例えば東京都とかそういう広域の単位なので、自分の母校のところと同じような社会経済的な状況にあるような学校とは限らないわけですよね。だから、最初に赴任したところがいわゆる大卒層がすごく少ないエリアで、親御さんもあんまり教育にそういう関心がなくて子供もそういう関心がなかったりしたときに、例えば、自分が子供のときは同級生みんなが宿題をやってくるのが当たり前だったような経験を持った子が、先生が、赴任して全然そうじゃない状況になったときに、すごく多分不幸な出会いにしかならないんですね。何でこの地域の子たちは宿題やってこないんだ、やる気がないんだというふうになってしまうので。 Angry: 0.408 Disgust: 0.201 Fear: 0.575 Happy: 0.376 Sad: 0.509 Surprise: 0.609
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02:19:02 ~ 02:20:08 参考人(松岡亮二君)
でも、それを、この教育格差のこういうデータとかを知っていると、ああ、なるほど、背景があるんだと、だからただ単に怒ってもしようがないんだというふうに、こうちょっと距離を取って、何で子供たちがそういう発言をするのか、保護者はこういう協力体制なのかということを理解して、じゃ解決するために何ができるんだろうということを理解できるようになります、この教科書を通して勉強すれば。ほかにも、例えばジェンダーの話であるだとか、先ほど出ましたけど外国籍の児童の話であるだとか、かなりいろんなトピックに関して網羅的に集めているので、体系的に学ぶというのはそういう意味です。かなりいろんな、広い、広範な教育社会学のトピックを学んでいただくことで、学校で教えることの意味付けであるだとか、俯瞰して見ることができる、自分のやっていることや学校を俯瞰して見ることができると思うので、是非学んでいただきたいなと思います。ちなみに、このような内容は米国の教職課程だったら普通に習う内容です。あと、最後ですけど、文科省が協力姿勢、受入れ姿勢があったのかという質問ですけど、多分これ聞いていると思うので、何て言ったらいいのか。 Angry: 0.482 Disgust: 0.300 Fear: 0.424 Happy: 0.565 Sad: 0.409 Surprise: 0.571
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02:20:08 ~ 02:21:05 参考人(松岡亮二君)
いや、普通に協力はかなりしていただいて、当たり前ですけどいろんな人がいますので、協力体制をいただいて、例えばこのコロナの調査もできましたし。この調査は二時点の調査なんですね。一年前の一斉休校の後のと、あと、今もう一回実施するんですけど、そうしたら、このときに厳しかった子が一年たってどうなったかというこの変化が分かるという、すごく調査をやる側としては負担が重い調査なんですけど、それにも協力いただいていますし、今、教員関係の人材課の方の委託調査も私協力してやっていまして、かなりたくさんの御協力をいただいています。ただ、一つ言えるのは、新しいことなんですね、なので、全部説明しなきゃいけないんです、今まで文科省がやってこなかったような調査をこちらは提案しているので。じゃ、何でこれが必要なんだと、こういうことを聞いてどうなるんだということを全部説明していかなきゃいけないので、なかなかその意味では大変だなと思って。 Angry: 0.278 Disgust: 0.226 Fear: 0.531 Happy: 0.549 Sad: 0.535 Surprise: 0.600
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02:21:05 ~ 02:22:09 参考人(松岡亮二君)
研究者を増やしてほしいというのはそれなんです。こういう新しい調査を国と協力してやろうとしたら、もう自分の生活をなげうってやらなきゃいけなくて、実際同じようなことができるような研究者がたくさんいればいいんですけど、そうでもないので、どうしてもいつも限られたメンバーで提案して、文科省の人に丁寧に説明しての繰り返しになるので、提案の中に入れましたけど、研究者を増やす、教育データを分析できる人間を増やしていただきたいのと、あと官僚の人数を増やしていただかないと、彼らもかなりたくさんの仕事を抱えながらやっているので、落ち着いて新しいことをやろうという余力は多分出てこないんですね。なので、さっきのタブレット持ち帰りをしていないけしからぬ学校があるんじゃないか的な話も一緒で、何でそうなのか。例えば、文科省が新しい調査に対して少し何か余り積極的じゃなかったとしたら、何でかって考えたら、やっぱり人や予算が足りないというのが基本にあるので、そこの話をせずに何か消極的な姿勢だなというのはちょっと建設的じゃないなと思うので、是非、皆さんじゃないとできないことなので、官僚を本当増やしてほしいです、この国のブレーンなので。 Angry: 0.574 Disgust: 0.307 Fear: 0.426 Happy: 0.352 Sad: 0.609 Surprise: 0.419
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02:22:20 ~ 02:23:07 片山大介君
日本維新の会の片山大介です。今日、三人の先生方、本当に大変勉強になるお話、ありがとうございました。私は順番に聞いていきたいと思います。まず、松岡先生にちょっとお伺いをしたいんですが、資料でいえば十九ページのところなんですけれども。維新は、私、日本維新の会なんですけど、教育の無償化を訴えているんですけれども、ここでテレビの出演者のコメントということなんですが、勉強したいと思える人たちを救済する以前に、勉強したいとも思えない環境にいる、ここを抜け出すのが難しいという話だったんですけど、せめて無償化にすることでその気持ちを変えてもらおうという意図もあるんですけど、無償化は、なかなかそれは難しいことなのか。 Angry: 0.435 Disgust: 0.250 Fear: 0.445 Happy: 0.553 Sad: 0.611 Surprise: 0.476
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02:23:07 ~ 02:23:36 片山大介君
そして、あと、十四ページでは、先ほどもちょっとグラフの話言われましたけど、やはり幼少の頃からやっぱり学力が遅れているというか、子は、ずっとその背中を、先を行っている子の背中を見なきゃいけないと言ってましたけれども、やはりその幼少の頃のやっぱり勉強の意欲というのは、なかなかその後、年を取っていくに当たっても変わっていかないということなのか、ちょっとそこら辺も含めてお話を伺いたいんですが。 Angry: 0.356 Disgust: 0.095 Fear: 0.506 Happy: 0.599 Sad: 0.582 Surprise: 0.565
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02:23:36 ~ 02:24:17 参考人(松岡亮二君)
ありがとうございます。無償化といった経済支援策が駄目なんではなくて、それだけでは恐らく変わらないというお話なんですよね。先ほど御指摘いただいたように、例えば大学に行くのにお金が掛からない社会ということが生まれたときからそうであれば、多分経済的障壁がもう無意識の中にない状態なんですよね。でも、現在の日本社会では、具体的に奨学金がどうのという話を多分知らないで、すごくお金が掛かるらしい、だから親にも言い出せないし、そもそも大学に行こうとも、思うという気持ち自体を多分潰してしまっていると思うので、やはり経済的な障壁はない方がいいなとは思います。 Angry: 0.358 Disgust: 0.378 Fear: 0.521 Happy: 0.438 Sad: 0.652 Surprise: 0.391
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02:24:17 ~ 02:25:20 参考人(松岡亮二君)
なので、すごく間接的にはもちろん関係すると思いますけど、現在例えば中学校三年生、現在の高校三年生とかに、無償化イコール、じゃ大学に行こうとか高等教育に進学しようとなるかというと、それもちょっとデータがないのではっきり言えませんけど、それこそその十五ページの表の四の四として示した中学生と親の大学進学期待割合見ていただいたら物すごくクリアなんですけど、両親大卒数ゼロというのは両親非大卒ですね、両親とも非大卒の場合、中学校三年生で三五%の子が大学進学をするつもりで、両親が大卒だとそれが七五%なんですね。それは中一の段階から始まっているし、小六で見ても小五で見ても小四で見てもそうなんですよ。親の学歴によって、本人が大学進学を望むかどうか、親が子供に大学進学を望むかに大きな差があるので、兼近さんがおっしゃったように、もうそういう意欲すら持たないような状態のままでもう進路を決めなきゃいけない、例えば中三とか高三みたいな、になったときに無償化だけでは厳しいだろうなと思います。 Angry: 0.366 Disgust: 0.245 Fear: 0.525 Happy: 0.548 Sad: 0.432 Surprise: 0.583
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02:25:20 ~ 02:26:16 参考人(松岡亮二君)
なので、長期的にはできる限り経済的障壁を下げることによってその意欲格差の問題はある程度は解消すると思いますけど、それだけでは難しいと思いますというのがお答えですね。あと、済みません、あともう一つ何でしたっけ。済みません、対策ということですか。済みません。データでも、本の中でもデータで示しましたけど、小学校一年生で入学している時点で親の学歴によって学力の差があるので、基礎学力の差ですね、それがあるので、とても当たり前な話ですけど、何か余りうまくできないものを好きになるのはとても難しいので、早い段階からできるようにしてあげることがすごく重要ですよね。 Angry: 0.376 Disgust: 0.319 Fear: 0.582 Happy: 0.483 Sad: 0.511 Surprise: 0.550
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02:26:16 ~ 02:26:42 参考人(松岡亮二君)
なので、早い段階で、できるようにしてあげない、だから結果を出さなきゃいけないんです。私、何回も言っているつもりなんですけど、結果を出す教育行政にしなきゃいけなくて、そのためには早いうちに介入して実際に伸ばしてあげる。そうしたら、多分、自然と自分の人生の可能性の一つとして、大学とか、より長い教育を受けるということが多分選択肢として入ってくると思います。 Angry: 0.472 Disgust: 0.322 Fear: 0.493 Happy: 0.546 Sad: 0.462 Surprise: 0.494
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02:26:42 ~ 02:27:10 片山大介君
分かりました。それで、あと、先生が言われた、その教育格差を体系的に学ぶとおっしゃった。これ、ちょっとこれもう少し、どういうことかなというか、大体、現場の人たちは、先生たちは、教員たちは、実際に子供たちに接しながらその教育格差というのを感じれるんだと思うんですけど、それを体系的にとなるとどういう学び方なのかちょっとよく分からなくて、もう一回教えていただけますか。 Angry: 0.395 Disgust: 0.283 Fear: 0.478 Happy: 0.623 Sad: 0.453 Surprise: 0.557
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02:27:10 ~ 02:28:10 参考人(松岡亮二君)
もちろん、現場の先生方は格差があることは普通に御存じだと思います、感じてはいると思います。ただ、どこに、どこの学校に行くかどうかにも多分よるので、個人の経験として、いわゆる、例えば高校の先生でしたら、いわゆる偏差値が高い高校だったら、社会経済的に恵まれたその地域のSESが高い家庭出身の子供ばっかりなので、大抵、先生自身はそういうところ出身なので、そういう経験しか持たないとかなりそういうことを知らない状態で、で、転校で違うところで働くことになって初めて全然違った種類の生徒を相手にすることになって、体系的に理解していないと、自分の中でこの子たちはやる気がないからだみたいなふうになってしまい得るわけですよ。体系的というのは、学問として、そもそも、済みません、全部話すと多くなるんですけど、すごく短くまとめると、何と言ったらいいんだろう、だから、全国の中で自分がどこにいるのかということを理解してほしいんです。 Angry: 0.356 Disgust: 0.237 Fear: 0.447 Happy: 0.614 Sad: 0.416 Surprise: 0.593
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02:28:10 ~ 02:29:00 参考人(松岡亮二君)
自分が教えている学校がどういう社会経済的な状況にあって、どういう状況にあるのかということを俯瞰で、突き放して見ることが必要で、何回も言いますけど、小学校二万校、中学校一万校で、高校五千校あるんですよ。だから、個人の経験だけで話すのは非常に危険なんです。自分の経験というのはあくまでその何分の一かにすぎなくてということを理解しないと、やや独善的に、先生が君らの年齢のときはこうやっていたのに、何で君らはやらないんだみたいな、すごく非建設的な多分対話になってしまうということです。なので、学問的と、あとデータですね、全国のデータでどういうふうにして、自分の経験がどうだったのかということをまず位置付けて、自分がどのようにして教師になったのかということを社会学的にデータとともに振り返ると、かなりいろんなものを突き放して考えることができるようになると思います。 Angry: 0.443 Disgust: 0.295 Fear: 0.662 Happy: 0.373 Sad: 0.411 Surprise: 0.544
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02:29:00 ~ 02:29:44 片山大介君
ありがとうございました。じゃ、続いては上鹿渡先生にお伺いをしたいんですが、資料でいうと七ページのところなんですけど、子供への虐待の対応で、その発見や介入の前にはやっぱり市町村がちょっといろいろ見て、それから実際に介入することによって家庭から離れたら、その県や施設や里親になっていくと。確かに、私もこれまでいろいろこういう話を聞いてきて、この連携が、市町村とこの県、施設、里親の連携が取れていない、こういう問題いっぱい聞いてきたというか見てきましたけど、ここの連携をもっと強化するにはどうしたらいいのかというお考えありますでしょうか。 Angry: 0.474 Disgust: 0.255 Fear: 0.363 Happy: 0.605 Sad: 0.541 Surprise: 0.443
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02:29:44 ~ 02:30:16 参考人(上鹿渡和宏君)
済みません、最後まで慣れなくて。ここは、これも来年度きちんと改善していこうという兆しは見えていまして、市町村の方にこういった権限を持たせる、しっかりやれるように、予防をしてくださいと言いつつ、権限もないしサービスもないような状況でそのままになっていたところが、そういったことをしようという方向になってきましたので、そこをしっかりまた制度としてつくっていただくというのがまず一つかと思います。 Angry: 0.404 Disgust: 0.331 Fear: 0.490 Happy: 0.518 Sad: 0.557 Surprise: 0.435
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02:30:16 ~ 02:31:07 参考人(上鹿渡和宏君)
具体的な動きとして、さっき、済みません、今日何度も出してもいただいているこの里親ショートステイというのが、今後、本当にこれつなぐものだなというふうに思っているんですよね。これ、県にとっても市町村にとってもつくりたいものをつくれるんですね。社会的養護の方で動きはかなり、何というんですかね、県としても計画をしっかり立てて、パーセントを追うことはあんまり良くないとも言われながらも、でもしっかりもう年限とパーセント決めていますので、それに向けて増やそうという気持ちがあるところで、市町村もそれを一緒に使えるということなんですよね。これを何とかうまく広げていくということで、この今まで谷間になっていたようなところ、まず一つ、ほかにもいろんなことしなきゃ駄目だとは思うんですけど、具体的なやっていけること、もう既に動いていることとしては、これをやるといいなと思います。 Angry: 0.246 Disgust: 0.220 Fear: 0.513 Happy: 0.654 Sad: 0.511 Surprise: 0.633
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02:31:07 ~ 02:32:06 参考人(上鹿渡和宏君)
ショートステイ里親というのは、先ほど説明し切れなかったんですけど、子供にとってやっぱりすごくいいと思うんですよね。ショートステイ里親の意味というところ、ちょっと書いていたと思うんですけれども、何ページでしたっけ、三十四ページですね、その上から四つ目の点のところに「子どもからすれば、」というところがあります。一番下に書いてあるポツが、今言った市町村と県、県というか、都道府県での連携みたいなところの話ですけど、これがもしできると、子供がまず、お母さんがちょっともう大変になってきている時期に、これは契約という形でそのショートステイを、自分のもし学校区にあれば使う。そうすると、子供、別に転校とか何かしないでそこを使いながら行けるんですよね。さらに、でも追い込まれていて大変なときに、一時保護委託という形で里親さんは受けることができますので、そういった形で同じ里親さんでいけるかもしれません。 Angry: 0.317 Disgust: 0.184 Fear: 0.451 Happy: 0.651 Sad: 0.555 Surprise: 0.523
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02:32:06 ~ 02:33:06 参考人(上鹿渡和宏君)
さらに、もうちょっと大変になってきて措置という形で委託になったとしても同じところだと。これ、結局、子供ずっと変わらずに使えるというものになると思います。ですので、子供が、社会的養護って、結局、家変わるだけじゃなくて学校が変わるんです、大体の場合。転校ということが施設の場合は多くの場合起こるんですけど、もう本当に何にも子供は悪いことしていないというか、なのに何かいろんなことが子供に負担が掛かるというような形がこれまであったんですけど、そういう意味でも、この里親ショートステイというのができるとこの子たちにもいいし、そこまで行かなくても本当にショートステイだけ使える家庭が増えるという意味でもとてもいい制度なので、この市町村と県の間を埋めていく、まずこれを、僕が里親増やすということにいっぱい関わっているのもあるんですが、これとても現実的で、みんなが求めていて、できたらみんなにとっていいものではないかなというふうに思っています。 Angry: 0.354 Disgust: 0.300 Fear: 0.557 Happy: 0.453 Sad: 0.553 Surprise: 0.527
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02:33:06 ~ 02:33:28 片山大介君
ありがとうございます。それで、あと、その早期発見と介入の前の、次のページにもあるんですけど、その子育ての母親の孤立というか、これやっぱりよくよく聞く話なんですよね。だけど、政府の子ども・子育て対策室とかも、あんまりここピンポイントでやろうとできていないというか、ここの対策というのはどのようにお考えですか。 Angry: 0.334 Disgust: 0.228 Fear: 0.429 Happy: 0.634 Sad: 0.579 Surprise: 0.548
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02:33:31 ~ 02:34:00 参考人(上鹿渡和宏君)
ありがとうございます。ここも、この家庭支援が必要だということで、いろいろなことを今議論もされ、来年度の改正案の中にも入っているところなんですけど、その特別な親が、要するに困っている特別な家族、親だけが、親が支援を受けるという発想自体が、もしかしたらもうそぐわないような状態かと思うんですね。 Angry: 0.249 Disgust: 0.267 Fear: 0.381 Happy: 0.728 Sad: 0.600 Surprise: 0.503
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02:34:00 ~ 02:35:05 参考人(上鹿渡和宏君)
これだけの困難な状況にあって、実際虐待もこれだけ増えていくという中で、基本みんな支援を受ける、その支援という言葉も正しいのかどうかも分からなくなりますけど、一緒に育てるという状況がそもそもあるということをつくっていかないと、サービスとかいろんなものをつくっていったとしても、そこに、何というんですか、つながってこないというか、いうこともあるかと思いますので、思っている以上に幅広いというか、本当に全ての人が基本的には受けるようなサービスというか支援としてつくっていくということが必要じゃないかなというふうに思いますし、あと、これまでその母子保健の分野と福祉の分野で拠点をつくっていこうという流れで今来ていたんですが、それを併せた形で一体化してこうやっていこうという話に今なってきていますので、それがそういった形でしっかりとした支援、サービスを提供できるような場になっていったらいいなというふうに強く思っています。 Angry: 0.336 Disgust: 0.281 Fear: 0.433 Happy: 0.576 Sad: 0.620 Surprise: 0.427
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02:35:05 ~ 02:35:33 片山大介君
済みません、あと残りの時間をちょっと青砥先生にお伺いしたいんですが、ちょっと幾つか聞きたかったんですが、ちょっともう絞ってなんですが、先生が何か貧困対策で、何か民間企業が最近入ってきているという、何か課題のような形で先ほど言われたんですけど、ちょっとこれ何で問題なのかがちょっとよく分からなかったので、もし教えていただければと思います。 Angry: 0.644 Disgust: 0.102 Fear: 0.484 Happy: 0.292 Sad: 0.461 Surprise: 0.475
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02:35:33 ~ 02:36:14 参考人(青砥恭君)
民間企業がいけないわけでは全然ないんです。ただ、市場化というのは、要するに入札の際に価格だけで決める、入札価格だけで決めてしまう、そういう状況も一部あります。それから、入札の際に価格が圧倒的影響を占める、評価の際に総合評価だけども、価格が大きな、で決めてしまえ、決めてしまうような状況が結構全国にあります。 Angry: 0.447 Disgust: 0.390 Fear: 0.597 Happy: 0.422 Sad: 0.430 Surprise: 0.555
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02:36:14 ~ 02:37:03 参考人(青砥恭君)
そこで、やはり質が問われない、要するに価格で決めるということは安くなりますから、競争で勝つ方は。そうしたら、職員の給与は下がります。そうしたら、下がれば当然、そこの専門的なスキルを持った人は行かなくなります。で、アルバイトになります。そうすると、子供支援や、それから本当に難しい家族を支えなければいけない、そういう方々が、いい人材が集まってこない。だから、ずっと家族を育て、子供を育てたりする給与がもらえなくなる、そういう現象が今出てきている。それで、だから、そういう専門職には、介護職も看護の看護師さんも同じですけれども、教員も同じです。 Angry: 0.366 Disgust: 0.327 Fear: 0.538 Happy: 0.546 Sad: 0.494 Surprise: 0.530
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02:37:03 ~ 02:37:30 参考人(青砥恭君)
ですから、やっぱり働く環境が悪くなれば人は集まらなくなります。そういう現象がやはり学校現場だとか、同じような状況が生まれてきているという、こういう弊害があります。地域に財産が、地域資源としての財産が残らなくなります、蓄積できなくなります。これは地域社会にとってはとっても不幸だと申し上げました。 Angry: 0.492 Disgust: 0.422 Fear: 0.620 Happy: 0.314 Sad: 0.558 Surprise: 0.421
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02:37:45 ~ 02:38:16 岩渕友君
日本共産党の岩渕友です。参考人の皆さんに本当に貴重な御意見をいただきました。ありがとうございました。まず、上鹿渡参考人にお伺いをするんですけれども、児童養護施設だとか里親の元で暮らす若者の支援ということで、昨日だったと思うんですけれども、新聞で、厚生労働省がその年齢制限を撤廃する方針を固めたというような報道がされているのを見ました。 Angry: 0.507 Disgust: 0.301 Fear: 0.316 Happy: 0.691 Sad: 0.523 Surprise: 0.448
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02:38:16 ~ 02:39:40 岩渕友君
いわゆる十八歳の壁というふうにも言われていますけれども、その年齢制限をなくしていくという議論が行われてきた背景ということで、その施設だとか里親の元を離れた若者たちのその後のというか、どういう実態があるのかということをまずは教えていただきたいというのが一つと。去年、厚生労働省が発表した調査の結果を見ると、その施設や里親の元を離れた若者たちに対して、困っていることや不安なことは何ですかというふうに聞いたときに、最も多かった答えが生活費や学費のことだという回答が一番多かったということで、高校を卒業をした後、今の全体としては大体八割ぐらいの若者が、例えば専門学校だとか大学進学だとか、そういうことをしていく一方で、施設を退所した子供たちの進学率というのは大体二割程度ぐらいじゃないかというふうに言われているということで、進路の選択に大きな影響があったり制約があるんだということをこうした調査が示しているのかなというふうに思うんですね。 Angry: 0.407 Disgust: 0.181 Fear: 0.545 Happy: 0.510 Sad: 0.384 Surprise: 0.620
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02:39:40 ~ 02:40:10 岩渕友君
進学を選択できない理由ということで、学費の問題だったり生活費の負担だったり、非常に大きいと思うんですけど、その理由というのはいろいろあるよねということが今日いろいろ議論もされてはいるんですけれども、その将来の進路について選択できるようにするために必要だというふうに参考人が考えることについて教えていただけますか。 Angry: 0.339 Disgust: 0.286 Fear: 0.536 Happy: 0.391 Sad: 0.602 Surprise: 0.521
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02:40:10 ~ 02:41:02 参考人(上鹿渡和宏君)
ありがとうございます。自立支援に関する年齢の撤廃というところ、年齢制限のですね、そこをまず制限置かないようにするというようなことかと思いますけれども、これも来年度のその法改正の中で一つとても大事な点で、これまでその年齢ですよね、が来たらそこで終わりでということだったんです。それをちゃんと、個人の置かれている状況とか、あと、その後、そこで終わったとしたら、じゃ、どこがそれを受けていくのか、そのつなぎの部分ですよね、その辺りもしっかりその地域やその個人においてしっかりと判断して、そちらが優先されるということですよね。そこがきちんとつながるところでこの自立支援のところが終了して別のものに移っていくというようなことだったかと思います。 Angry: 0.358 Disgust: 0.250 Fear: 0.473 Happy: 0.623 Sad: 0.532 Surprise: 0.475
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02:41:02 ~ 02:42:10 参考人(上鹿渡和宏君)
同時に、対象も広げているというのがあって、これまで社会的養護のその下にある子たちというところがメーンだったわけですけど、実は社会的養護にすらならなかった子たちですね。このアフターケアとかやっている中で現場の方々から出てくるのは、本当にその施設にも入れなかったという、一時保護されたんだけど、そのまま戻されて、そのまま家で過ごしたとか、一時保護さえもされなかったとか、施設から出た後そのままだったとか、そういう子たちも含めてのその自立ということで、年齢的にも対象の範囲としてもこれ広げたというところがとても大事な点かなと、まずは一つ目のところでは思います。あと、その進路の幅というか選択をどう増やしていくのかというところですけど、これも、奨学金の話とか、いろんな経済的な面では大分以前よりは良くなってきたり、各大学でも独自にそういった子たちへの奨学金を付けたり、早稲田大学でもそういった枠があったりしますけれども、そういうのをつくったから、じゃ、みんな本当に行けるのかと、先ほどから出ているお話のとおりだと思うんですよね。 Angry: 0.320 Disgust: 0.303 Fear: 0.539 Happy: 0.499 Sad: 0.592 Surprise: 0.496
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02:42:10 ~ 02:42:48 参考人(上鹿渡和宏君)
これは、やっぱりそのモデルになるというか、その施設や里親さんの元で育った子が実際どうなっていくのかなと。生活の中や日々の中でそんな話が出たりとか、そういうことがとても重要なところかなとも思います。ですので、その辺りを、お金だけのことではなくて選択肢の幅広げるためにどんなことが必要かというのは、これは本当におっしゃるとおりで、考えていかなければならないところだと思います。 Angry: 0.297 Disgust: 0.340 Fear: 0.424 Happy: 0.701 Sad: 0.583 Surprise: 0.504
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02:42:48 ~ 02:43:40 岩渕友君
ありがとうございます。次に、青砥参考人にお伺いするんですけれども、先ほど陳述の中で、居場所は人権だというお話があって、居場所の役割についてもお話があって、私もその居場所、非常に重要だなというふうにお話聞きながら思ったんですけど、先ほども少し出ていたんですけれども、コロナの下で子供たちの例えば自殺が増えるであるとか、その授業がオンラインになってなかなか友達と直接接する機会がなかったり、そういったことがずっと長期に続くことで友達をなかなかつくりにくかったりという、そういう機会が減っているということで、コロナ禍の影響が子供たちにどういうふうに出ているのかということが非常に懸念されるんですよね。 Angry: 0.234 Disgust: 0.229 Fear: 0.354 Happy: 0.753 Sad: 0.630 Surprise: 0.503
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02:43:40 ~ 02:44:05 岩渕友君
将来的に影響どういうふうに出ていくか見ていく必要があるということ、お話あったと思うんですけれども、今どういう影響出ているのかとか、あと将来的にもどんな影響が懸念されるのかということもちょっともう一度改めて教えていただきたいなということと、そうした下で、居場所づくりで、コロナ対策も含めて様々な御苦労もおありかと思うんです。 Angry: 0.301 Disgust: 0.218 Fear: 0.497 Happy: 0.481 Sad: 0.650 Surprise: 0.497
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02:44:05 ~ 02:44:56 岩渕友君
先ほど少しそういう苦労の一端についてもお話あったと思うんですけれども、そうした苦労も含めて、こういうコロナ禍という下で居場所づくりの取組がますます重要になっていると思うんですけれども、その重要性について教えていただきたいと。あともう一つなんですが、陳述の中で、この子供の居場所活動の課題と対策というところに、家族の貧富で子供の人生に格差があってはならないと、公正な社会を維持するために再配分と承認が必要ですと、承認というのは居場所のことだということだったんですけれども、この再配分というところをもう少し具体的に教えていただけますか。 Angry: 0.348 Disgust: 0.302 Fear: 0.411 Happy: 0.608 Sad: 0.601 Surprise: 0.468
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02:44:56 ~ 02:45:08 参考人(青砥恭君)
コロナ禍でどういう変化があったかというのは、これはもう少しきちんとしたエビデンスで調査等を大規模でやらなくちゃいけないので、先ほどお話があった、そういうところに譲った方がいいと思います。 Angry: 0.249 Disgust: 0.288 Fear: 0.564 Happy: 0.489 Sad: 0.557 Surprise: 0.623
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02:45:08 ~ 02:46:06 参考人(青砥恭君)
それで、僕らが持っているデータというのはやっぱり僅かですし、ただコロナ禍でやはり僕たちがやっている学習支援事業という、生活困窮者自立支援法に基づく学習支援ですので、これは全国で約六万人、先ほど申しましたけど、七百、八百弱の場所でやられているわけですね。全国で六五%ぐらいの自治体が、これは福祉事務所を持っている自治体ですから分母は九百五ということになりますけれども、そういうところで行われている。そこで行われている、全国の教育支援、学習支援をやっている団体のオンラインでの情報交換会や何かはかなりやられているんです、行われているんですけれども、やはりほぼ一人親なんですよ、対象者が。 Angry: 0.311 Disgust: 0.235 Fear: 0.599 Happy: 0.567 Sad: 0.422 Surprise: 0.627
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02:46:06 ~ 02:47:09 参考人(青砥恭君)
一人親の、しかも母子家庭が圧倒的。そういう家庭の子供たちを我々は、地域の小さな公民館であったり、それから寺子屋みたいなものですね、そういうところで勉強を教えたり居場所をつくったりしているわけですけれども、やはりまず来れなくなるというのが一つ。実施できなくなる。それから、ですからオンラインでやるということになると、オンラインができない、オンラインの要するにネット環境がない。タブレットはあるけれども、タブレットは、先ほど話がありましたように、学校外の目的で、教育外の目的で使ってはいけないということになっている自治体が結構ある。それで、親が持っているスマホでやるんだけども、スマホではとても勉強を教えるような状況にはならないと。ですから、元々ここでやっぱりパソコンを持ってネット環境を日常的に使っている、先ほどの大卒で要するに在宅勤務ができるという家庭と、それから我々がやっている子供たちは、まずそれはいないわけです。 Angry: 0.382 Disgust: 0.308 Fear: 0.625 Happy: 0.408 Sad: 0.494 Surprise: 0.575
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02:47:09 ~ 02:48:07 参考人(青砥恭君)
ほぼみんなエッセンシャルワーカーと言われるような、要するに非正規で、しかも半失業のような形の親たちが子育てを要するに孤立しながらしているというのが現実。ですから、そういう子供たちの場所だけを見ると、これはもう本当に深刻です。ですから、学校ともつながらない。学習支援教室の我々のスタッフが要するに近くまで行って、玄関の近くまで行って、対面ではあるけれどもちょっと距離空けて教材を渡したり、そういうことはやりますけれども、それまでは、やはりこういう小さな公民館だとかコミュニティーセンターに集まって、それを二時間ぐらい、毎週二回ぐらい、がちゃがちゃがちゃがちゃ、先生、今日はこうだった、ああだったと、こんなしんどいこともあったし楽しいこともあったという、学生スタッフですから、それもう、うわあっとやっているわけですね。 Angry: 0.384 Disgust: 0.315 Fear: 0.555 Happy: 0.462 Sad: 0.525 Surprise: 0.543
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02:48:07 ~ 02:49:06 参考人(青砥恭君)
それができなくなった。これはもう、データを出すというか、やっぱりそういう世帯に一番の負担が掛かっているということはもう間違いがないと思います。それから、再配分の問題。これはもっと専門的な方がお話しになった方がいいと思いますけれども、ただ、やっぱり富の再配分とか要するに資本の再配分という問題は、やはりきちんと、やはり居場所をつくるだけじゃ駄目で、生活を安定させなきゃいけない。これはさっきの、何というんでしょうかね、全てに言えることで、ただ、例えば働けない方々を、サポステを、地域若者サポートステーションありますけど、就労支援って場所をやる、要するに就業体験をやって働く場所を提供するというんだけど、その就業体験をやる間の生活も支えなければいけない。 Angry: 0.547 Disgust: 0.307 Fear: 0.532 Happy: 0.467 Sad: 0.509 Surprise: 0.479
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02:49:06 ~ 02:49:38 参考人(青砥恭君)
だから、生活を支えるということと、現金給付ということと、それからやはり場所を提供するということを常に両方セットでやらないと、やはりなかなか難しいということが、我々日常的にやっていて、働きたいけれども、働く資格を取りたいけれども、資格を取るためのお金とその間の生活費がないと取れないという悩みを持っている若者は非常に多いということはもう事実です。 Angry: 0.482 Disgust: 0.253 Fear: 0.600 Happy: 0.324 Sad: 0.491 Surprise: 0.486
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02:49:38 ~ 02:50:26 岩渕友君
ありがとうございます。最後に、松岡参考人にお伺いするんですけれども、先日大学生と話をしていたときに、その大学生、母子家庭だったんですけど、大学を進学するときに、自宅から通える大学じゃなきゃ駄目だとか、あと、奨学金は借りるときにもう本当に返済が多額になっちゃうので、それ返済が大変だから奨学金は借りない方向で進めるとか、あと、受験料も非常に高いので受けられる大学が限られるとか、あと、塾に本当は通いたかったんだけど塾になかなか通うことができなかったということで、非常に選択肢が限られたという話をしてくれたんですよね。 Angry: 0.382 Disgust: 0.261 Fear: 0.346 Happy: 0.570 Sad: 0.697 Surprise: 0.383
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02:50:26 ~ 02:51:04 岩渕友君
なので、それだけでは変わらないんだけど、経済的なというところも非常に重要だなというふうにも感じたんです。同時に、その話を聞いた学生さんが、こういう状況なのはしようがないと思っていたという話もしていて、一種諦めのようなことも感じていたと思うんですけれども、ちょっと、そう思わせないためにどんなことが必要かということで、参考人がどんなふうにお考えかということが一つと。あと、教育格差ができる条件の話の中で、女性であることという話があったと思うんですね。 Angry: 0.247 Disgust: 0.225 Fear: 0.458 Happy: 0.714 Sad: 0.522 Surprise: 0.601
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02:51:18 ~ 02:52:37 参考人(松岡亮二君)
ありがとうございます。そうですね、経済的な支援はもちろん重要です。ただ、それに関しては多くの方が支援が必要だという共通認識があるというふうに私は理解していまして、意欲すら持たなかった、社会経済的な地位だとか出身地域とかによってそういう意欲を持つことすらなかった子たちにもう少し目線を向けていただきたいなと思います。経済的支援の話になるとどうしても財源の話になるので、それは皆様の方で何とかしてください。支援は必要だと思いますよ、もちろん。女性に関してなんですけど、例えばこれはすごくよく言う話ですけど、そもそも短期大学というのは基本的に女性が行くところになっていて、そういうトラックが一つ女性だけ別にできているだとか、地方だとなかなか東京なり関西圏なりの大都市部に出ることも、男性だったら普通に独り暮らしが当たり前なのに女性だとそうしない方がいいんじゃないみたいな、はっきりと明文化はされないけれども、ある圧力みたいなものというか規範ですよね、社会的な規範みたいなものがあるので、どうしてもそこには大きな差があって、これは個人の、子供だけではなくて、教員とかの立場でもそうですよね。 Angry: 0.403 Disgust: 0.340 Fear: 0.387 Happy: 0.682 Sad: 0.546 Surprise: 0.410
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02:52:37 ~ 02:53:05 参考人(松岡亮二君)
例えば校長先生の割合とかは国際的に見て日本は非常に低いのが現状ですね。であるだとか、教科に関して、数学とか理科とか化学の先生は男性で、小学校低学年は女性だみたいな規範が物すごくあって、それがもう私たち当たり前のものとしてどうしても受け止めてしまっているので、それは女性というだけで可能性を制限されているということだと思うんですね。 Angry: 0.329 Disgust: 0.263 Fear: 0.664 Happy: 0.452 Sad: 0.369 Surprise: 0.669
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02:53:05 ~ 02:54:02 参考人(松岡亮二君)
もう一つは、女性だけで教育格差もあるんですけど、同時にSES、社会経済的に恵まれていなくて、女性だと更にみたいなところもあるので、かつ地方出身、要するに一番不利な人は、社会経済的に恵まれていない家庭出身で地方出身で女性というのがかなりきついですよね。そこから大学に進学しようとする意欲を持って実際に勉強、継続的に勉強をして大学に進学するというのは割合的には相当低いので、こういう事実を周知して、その子たちにも違う選択肢があったら違う人生だったかもしれないということを、多分それってすごくネガティブな話じゃないんですよね。こうあり得たかもしれない、この人の人生はこうだったかもしれないというある種の明るい話として社会全体で共有して、そういうしんどいような状況にある人たちに対して何か温かい社会になればなと個人的には思っています。 Angry: 0.302 Disgust: 0.346 Fear: 0.570 Happy: 0.491 Sad: 0.553 Surprise: 0.460
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02:54:02 ~ 02:54:43 参考人(松岡亮二君)
関連して一つだけ述べますと、私、政策科学の人間なので、さっきの、済みません、タブレットの話、何回も言いますけど、何かタブレットの話じゃないですけど、何か誰かの責任にしても多分しようがないんですよね。何でそういう行動を取ってしまうのかということの背景を見ないで個人化して、個人の行動だといってそれをただ責めたところで多分何の改善もしないんですよ。なので、その意味で自己責任論って多分何の意味もないんですよね。自己責任だぞと言って子供が勉強するのはすごい楽なんですけど、なかなかみんなやらないので、じゃ、どうやったら学びたくなるのか、どうやったら継続的に学びたいという意欲が持てるのかというふうに政策論ができればなというふうに思いますので、皆様にはそれを期待したいなと思います。 Angry: 0.622 Disgust: 0.359 Fear: 0.497 Happy: 0.387 Sad: 0.434 Surprise: 0.442
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02:55:00 ~ 02:56:02 浜田聡君
よろしくお願いいたします。委員の皆様には、少数会派にもかかわらず、大会派と同じ質問時間いただきまして大変感謝しております。あと、参考人の先生方、大変お忙しい中お越しいただき、貴重な御意見お聞かせいただき、ありがとうございました。私の方からは、是非皆様にお聞きしていきたいと思います。まず、上鹿渡参考人にお聞きしたいと思います。養子縁組を経ていない里親についてお聞きしたいんですね。少し各論になるかもしれません。養子縁組というのが、民法に基づいて法的な親子関係成立させる制度だと承知しております。ということは、養子縁組経ていない里親というのが実態として、まあ実態として親子関係はあるのかもしれないですけれど、法的には親子関係がないということになります。例として、連れ子さんのおられる再婚事例などでそういうことがあるのかなと思います。そこで、可能な範囲で教えていただきたいことがありまして、二点ですね。 Angry: 0.284 Disgust: 0.242 Fear: 0.423 Happy: 0.731 Sad: 0.525 Surprise: 0.549
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02:56:02 ~ 02:57:01 浜田聡君
一点目は、養子縁組経ていない里親が遭遇する何か不便なことがあれば教えていただきたくて、あともう一点としては、そういう養子縁組を経ていない里親に不便なことがあるとすれば、それに対する具体的な対策、こういう法令改正するべきだみたいなことがありましたら教えていただきたく思います。済みません、説明がちょっと私も不十分で申し訳ありませんでした。 Angry: 0.457 Disgust: 0.302 Fear: 0.577 Happy: 0.207 Sad: 0.705 Surprise: 0.433
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02:56:29 ~ 02:56:54 参考人(上鹿渡和宏君)
済みません、ちょっと今理解がちょっとできなかったんですが、養子縁組を経ていない里親というのはどういう、養子縁組と里親、そもそも別なもので、里親は、もちろん親子関係がない状態で養育者として親と一緒に育てていくというものなんですが。 Angry: 0.626 Disgust: 0.230 Fear: 0.407 Happy: 0.501 Sad: 0.576 Surprise: 0.345
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02:57:01 ~ 02:57:22 浜田聡君
そうですね、ちょっと私も説明がちょっとうまくできるか分からないんですけれど、法的に親子関係にあるかどうかというのが重要なんじゃないかと思いまして、もし法的にないとすれば、やはりそこで不便なところがあるんじゃないかと思うんですね。そこについてお聞きしたいと思います。 Angry: 0.365 Disgust: 0.307 Fear: 0.410 Happy: 0.674 Sad: 0.517 Surprise: 0.515
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02:57:22 ~ 02:58:08 参考人(上鹿渡和宏君)
分かりました。今いただいた、ちょっと、じゃ整理させていただいて、その養子縁組も特別養子縁組というところで考えた方がいいかと思います。そちらはもう法的に親子関係があるという状態で、里親養育は基本的に親子関係はないんですよね、親、里親って付いているので誤解されたりいろいろあるところなんですが、これはあくまで養育者ですね。英語だとケアラーということで、フォスターペアレントじゃなくてフォスターケアラーという言い方をするとより分かりやすいかと思うんですが、というところです。その違いですね、としては、やっぱり、パーマネンシーという言葉があるんですけど、ずっと、何かあってもずっと一緒にいる人であるのが特別養子縁組ですね。 Angry: 0.317 Disgust: 0.288 Fear: 0.391 Happy: 0.780 Sad: 0.476 Surprise: 0.526
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02:58:08 ~ 02:59:10 参考人(上鹿渡和宏君)
通常の家庭もそうですけど、その子が非行したり、何かいろんなことがあっても、もう嫌になってしまってもそこは切れないというのが親子関係。特別養子縁組も、そのなった方がいろいろ虐待的な行為があったり何だということで、全くないわけではないですが、ほぼない、切れるということはなくて、何かあっても子供は、親の都合でとか、もう嫌だからということで親子関係を切られないというところでは、非常に子供としては安定した関係が持てるというところがあります。里親の方はそこはないので、里親さんでの不調ということがこれは起こり得るわけです。それは懸念されていることですし、各国でも里親委託率が増えるとそこの問題は出てきます。ただ、そこは、これも今日ずっと言っているようなフォスタリング機関、一緒に見ていくと、そうなるのは里親さんだけのせいではなくて、チームとして子供と一緒にいられるようにできなかったということになってきますので、そこはそういう補う方法があるという中でやっていくということですね。 Angry: 0.488 Disgust: 0.369 Fear: 0.482 Happy: 0.496 Sad: 0.529 Surprise: 0.418
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02:59:10 ~ 03:00:03 浜田聡君
どうもありがとうございました。次に、青砥参考人にお聞きしたいと思います。義務教育の次の高校について、高校の学費無償化と高等学校就学支援金制度についての御意見をお聞きしたいと思います。現代社会いろいろと動いておりまして、どのように働いて生きていくかというのは様々な価値観、やり方があるとはいえ、一方で、高校卒業というのがある意味普通となっている時代ですと、高校中退というのが就職に大きな影響があるのではと推察をしております。先生の書かれた「ドキュメント高校中退」で、高校中退された方の様々な事例、大変印象的だと思います。中退の原因として家庭の貧困が、いわゆるお金が挙げられるとすれば、もう高校の学費無償化という政策、意義があるんじゃないかなと思います。 Angry: 0.413 Disgust: 0.305 Fear: 0.460 Happy: 0.637 Sad: 0.436 Surprise: 0.487
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03:00:03 ~ 03:00:29 浜田聡君
そういう背景から、現在、高等学校就学支援金制度があると承知しているんですけれど、それがあるにもかかわらず中退が起こるとすれば、この制度、何か改善点があるのではと思うわけなんですけれど、この制度について、あるいは高校無償化について何か御意見いただければと思います。 Angry: 0.408 Disgust: 0.298 Fear: 0.584 Happy: 0.440 Sad: 0.432 Surprise: 0.553
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03:00:29 ~ 03:01:06 参考人(青砥恭君)
僕の本、読んでいただいてありがとうございます。基本的には、やはり先ほどからお話が出ているように、決してお金の、学費の問題だけではなくて、今九百六十万円と大体最高限度が決まっていて、それ以下は無償だということになるんですけど。ただ、やっぱり高校というのは、これは中学も高校もそうですけど、学校外教育、要するに、つまり学校外費用、つまり授業料以外のお金がやっぱり相当数掛かるわけですね。 Angry: 0.324 Disgust: 0.238 Fear: 0.513 Happy: 0.560 Sad: 0.527 Surprise: 0.524
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03:01:06 ~ 03:02:14 参考人(青砥恭君)
修学旅行へ行くのだって七、八万円から十万円ぐらい掛かりますし、私立の学校なんかは何十万円掛けて修学旅行へ行っておりますし、部活動はお金掛かりますし、だから、授業料は無償にしても、やはりそれは相当数お金掛かりますよと。あとは、中学受験する場合だったら当然小学校の頃から塾に行くわけですから、そこで非常にお金も掛かる。だから、今、子供の頃から、要するに、意欲の問題が出てきましたが、親の収入や、親の文化資源といいますけれども、文化資本といいますけれども、そこの質、量によって子供たちの学習、学力の、学習意欲、それから修学意欲はすごく大きな差があると、これはもうはっきり言っていろんなデータがございます。僕もそういう調査はしたことございます。ですので、必ずしも授業料の多寡によって中退が増える、減るということはないと思いますけど、特に今は中途退学というのは分からなくなってきた。 Angry: 0.335 Disgust: 0.277 Fear: 0.548 Happy: 0.574 Sad: 0.492 Surprise: 0.557
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03:02:14 ~ 03:02:59 参考人(青砥恭君)
つまり、今までですと、全国で一番中退者が多いのは定時制が一番です。それですけれども、そのほかに、要するにいわゆる学力が低い子供たちが集中する高校があります。そこでは、中途退学する場合には退学届というのを出していたんですけど、今は授業料がほとんどありませんので授業料のところで引っかかることがなくて、もう要するにフェードアウトしていくというような現象がやっぱりあるんですね。ですので、結論的に言うと、授業料の問題でこの問題が解決するということはなかろうというのが今の僕の判断です。 Angry: 0.460 Disgust: 0.293 Fear: 0.494 Happy: 0.587 Sad: 0.405 Surprise: 0.525
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03:03:01 ~ 03:04:14 浜田聡君
今後の政策立案につなげていきたいと思います。最後に、松岡参考人にお聞きしたいと思います。数十年間代わり映えがないと思われる義務教育の内容について、御意見、御提言いただければと思います。先生の著書ですね、「教育格差」、アマゾン・キンドルで興味深く見させていただきました。しっかりと客観的なデータから教育格差に関する分析されておりまして、感心させていただくとともに、その際に、他の先進国の教育についても多くの知見御存じなのではないかなと思います。もしかすると、日本の常識では懸け離れているけれど興味深い教育方法などあるのかもしれないと推察をしております。他国と比べて、日本の義務教育の在り方についてお聞きしたいと思います。もちろん、私が考えて述べていることというのは、先生が御指摘する自分の経験に基づいての自説であることは認めた上でなんですけれど、社会が様々に変わっていく中、複雑化していく中、特に科学技術がすごく進歩している中で、日本の義務教育の内容というのが余り大きく代わり映えがないように感じられるわけでございます。 Angry: 0.446 Disgust: 0.258 Fear: 0.400 Happy: 0.677 Sad: 0.435 Surprise: 0.537
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03:04:28 ~ 03:05:05 参考人(松岡亮二君)
はい。ありがとうございます。義務教育の内容自体は、これはもう恐らく評価する人によっては結構変わって、まあ学習指導要領というものがありますので、変わってきてはいるんですけど、根本的な基礎学力に関するようなところは変わってきていないですね。それは、国際学力調査なんかで、ある種グローバリゼーションの圧力もありまして、こういうことをやりますよねということが、TIMSSとかPISAを通してカリキュラムが世界的に標準化してくるみたいな話があるんですね。 Angry: 0.344 Disgust: 0.335 Fear: 0.436 Happy: 0.691 Sad: 0.497 Surprise: 0.496
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03:05:05 ~ 03:06:00 参考人(松岡亮二君)
なので、変わっているといえば変わっていますけど、でも、基礎項目だから変わっていないという見方もあります。私は、個人的には、内容が何であれ、内容を変えても多分格差も変わらないんですね。要するに、こういうものが高学力だと定義されたら、それを得ればいわゆるいい大学、いわゆるいい高校に行けるというふうにみんなが理解するので、塾とかも対応しますし、学習塾とか予備校というのは世界的にはシャドーエデュケーションと言われていまして、影の教育というんですけど、それは陰にあるという意味ではなくて、教育システムが変わると学習塾も一緒に移動するということですね、影が付いてくるということです。なので、例えば、一つ事例を申し上げますと、学習塾とかは中国が今禁止しましたけど、上海で、何か高校受験で体育の成績の比率を上げたらしいんですね。 Angry: 0.269 Disgust: 0.197 Fear: 0.493 Happy: 0.699 Sad: 0.406 Surprise: 0.659
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03:06:00 ~ 03:06:37 参考人(松岡亮二君)
そうしたら、今体育塾みたいなのがはやっているみたいな感じなんです。なので、評価基準を変えるとそれについて付いてくるので、社会が変わるから教育内容を変えたら何かすごく新しくいろんなものが変わるように思えるんですけど、格差の観点では多分恐らく何も変わらないだろうなというふうに思います。基礎学力がずっと何年も変わってきていない、低学歴、低学力層が一定数いて、それが全然変わらないみたいなところに私としては皆さんに注目していただきたいかなと思います。 Angry: 0.262 Disgust: 0.218 Fear: 0.640 Happy: 0.397 Sad: 0.589 Surprise: 0.636
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03:06:39 ~ 03:07:05 会長(芝博一君)
以上をもって浜田聡委員の質疑を終了いたします。以上で各会派の一巡目の質疑は終了をいたしました。予定の時刻も参っておりますので、参考人に対する質疑はこの程度といたします。 Angry: 0.401 Disgust: 0.281 Fear: 0.404 Happy: 0.791 Sad: 0.365 Surprise: 0.559
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03:07:05 ~ 03:08:54 会長(芝博一君)
参考人の皆様方に一言御礼を申し上げます。本日は、皆様には大変長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただき、誠にありがとうございました。調査会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。それでは、本日はこれにて散会といたします。 Angry: 0.283 Disgust: 0.289 Fear: 0.372 Happy: 0.819 Sad: 0.517 Surprise: 0.508
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実施できなくなる。 |
どうもありがとうございました。 |
先ほどショートステイがめちゃめちゃ少ないという話をしました。 |
母親は複数回の離婚、結婚、離婚の経験がある。 |
ですから、親たちの支援もやります。 |
次に、理事の補欠選任についてお諮りをいたします。 |
そうしたら、点と線じゃなくて、面として、地域としてやっていかなくちゃいけない。 |
こちらの書影は、ちくま新書として二〇一九年に刊行した「教育格差」という著書です。 |
教育委員会の数だけでも千七百以上あります。 |
十分な研究に基づいた項目にしないと意味のあることは分かりません。 |
研究者、行政、教育現場で対話して集約すべきです。 |
ですから、これを正式にやるために制度をちょっと変えて、直接市町村が里親さんを使えるという形になりました。 |
松岡参考人にお聞きをしたいというふうに思います。 |
それからもう一つは、やはりアウトリーチが必要だと思います。 |
ですので、そういう家庭の子供たちがどう変わったか、それから、どういうふうに社会につなぐかというのをアウトリーチをする。 |
その上で、あとはそこで関わるソーシャルワーカーですね、これも実は物すごく不足しています。 |
そういうやっぱり若者たちを育てなければいけません、地域の、我々の社会のためには。 |
ありがとうございます。 |
済みません、最後まで慣れなくて。 |
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