00:01:09 ~ 00:02:00 会長(宮沢洋一君)
ただいまから資源エネルギーに関する調査会を開会いたします。委員の異動について御報告いたします。昨日までに、藤木眞也君が委員を辞任され、その補欠として本田顕子君が選任されました。理事の辞任についてお諮りいたします。梅村聡君から、文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。御異議ないと認め、さよう決定いたします。この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。理事の選任につきましては、先例により、会長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 Angry: 0.456 Disgust: 0.328 Fear: 0.451 Happy: 0.569 Sad: 0.527 Surprise: 0.487
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00:02:00 ~ 00:03:00 会長(宮沢洋一君)
御異議ないと認めます。それでは、理事に音喜多駿君を指名いたします。参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。原子力等エネルギー・資源に関する調査のため、今期国会中、必要に応じ参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。御異議ないと認めます。なお、その日時及び人選等につきましては、これを会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。御異議ないと認め、さよう決定いたします。政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。原子力等エネルギー・資源に関する調査のため、今期国会中、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 Angry: 0.488 Disgust: 0.324 Fear: 0.428 Happy: 0.568 Sad: 0.527 Surprise: 0.449
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00:03:00 ~ 00:04:02 会長(宮沢洋一君)
御異議ないと認め、さよう取り計らいます。原子力等エネルギー・資源に関する調査を議題といたします。本日は、「資源エネルギーの安定供給」のうち、「資源エネルギーの持続可能性」に関し、「資源エネルギー分野のイノベーション」について三名の参考人から御意見をお伺いした後、質疑を行います。御出席いただいております参考人は、国立研究開発法人産業技術総合研究所ゼロエミッション国際共同研究センター長吉野彰君、早稲田大学理工学術院教授関根泰君及び特定非営利活動法人気候ネットワーク理事長・弁護士浅岡美恵君でございます。この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。本日は、御多忙のところ御出席をいただき、誠にありがとうございました。 Angry: 0.393 Disgust: 0.276 Fear: 0.418 Happy: 0.741 Sad: 0.352 Surprise: 0.613
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00:04:02 ~ 00:04:57 会長(宮沢洋一君)
皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。次に、議事の進め方について申し上げます。まず、吉野参考人、関根参考人、浅岡参考人の順にお一人二十分程度で御意見をお述べいただき、その後、午後四時頃までを目途に質疑を行いますので、御協力をよろしくお願いいたします。また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度会長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。なお、御発言は着席のままで結構でございます。それでは、吉野参考人からお願いをいたします。吉野参考人。 Angry: 0.350 Disgust: 0.289 Fear: 0.419 Happy: 0.754 Sad: 0.424 Surprise: 0.562
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Angry: 0.406 Disgust: 0.332 Fear: 0.381 Happy: 0.759 Sad: 0.445 Surprise: 0.508
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00:05:02 ~ 00:06:17 参考人(吉野彰君)
本日は、イノベーションによるカーボンニュートラルの実現と、こういう表題でお話をさせていただきたいと思っております。今日お話しいたします内容でございます。まず最初に、カーボンニュートラルに向けた世界の動向と日本の状況と、これを簡単に御紹介させていただきたいと思います。今日、カーボンニュートラルに向けてということで、具体的なテーマは三つに絞ってございます。一つは、二ポツにございます、カーボンニュートラルに向けた再エネ電力と、これを最大限に導入するにはどうすればいいかというお話でございます。それから、三ポツ、カーボンニュートラルに向けた再エネキャリアと。再エネキャリアという言葉、簡単に説明いたしますと、再エネ電力で生み出した電力を使って、それをほかの化学物質に変換して、それをエネルギー源として使うという、そういう意味合いでございます。 Angry: 0.256 Disgust: 0.290 Fear: 0.426 Happy: 0.769 Sad: 0.494 Surprise: 0.581
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00:06:17 ~ 00:07:20 参考人(吉野彰君)
具体的には、水素ですとか、あるいはアンモニアですとかEフューエルと、こういったものがその候補として議論されております。そういうことで、この再エネキャリアの現状と考え方、その辺のお話をさせていただきたいと思います。それからその次に、四ポツといたしまして、カーボンニュートラルに向けたネガティブエミッション技術というお話をさせていただきたいと思います。これ後ほど説明いたしますけれども、ネガティブエミッションというのは排出したCO2を逆にマイナスにしてくれるような技術です。これも今後非常に重要な技術になってまいりますので、じゃ、具体的にどんな考え方があるのか、現状どうなのか、その辺のお話をさせていただいて、最後にまとめとして、現状認識と提言と、こういう順番でお話をさせていただきたいと思っております。 Angry: 0.299 Disgust: 0.257 Fear: 0.430 Happy: 0.755 Sad: 0.471 Surprise: 0.559
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00:07:20 ~ 00:08:15 参考人(吉野彰君)
まず最初に、これはもう簡単に、世界の動向と日本の研究開発ということで、これは簡単にさらっと流させていただきます。今御覧いただいておりますのは、カーボンニュートラルに向けた世界の動きということでございます。これは既に皆さん御存じかと思います。各国ともこのカーボンニュートラルに向けて一斉に動き出しておりますよという資料でございます。当然その中で日本のカーボンニュートラルに向けた動きということで、これも皆さん御存じのスライドかと思います。日本の政府として世界に対してこういうような宣言をいたしましたよということで、具体的には、二〇三〇年には四六%削減いたしますと、それから二〇五〇年には実質ゼロと。 Angry: 0.394 Disgust: 0.326 Fear: 0.387 Happy: 0.752 Sad: 0.328 Surprise: 0.588
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00:08:15 ~ 00:09:03 参考人(吉野彰君)
実質ゼロというのは、先ほど申しましたゼロエミッションの技術も含めてのお話でございます。これが一つの、二〇三〇年という一つのマイルストーンがあって、二〇五〇年というゴールに向けて動いていきますよと、これが日本が世界に対して投げかけた宣言でございます。その後の具体的な動きといたしまして、これも皆さん御存じかと思います、グリーンイノベーション基金という事業が現在進行中でございます。現在十八のテーマがプログラミングされて、それを各プログラム実行の段階に移っておりますよという表でございます。 Angry: 0.316 Disgust: 0.400 Fear: 0.463 Happy: 0.771 Sad: 0.329 Surprise: 0.588
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00:09:03 ~ 00:10:06 参考人(吉野彰君)
個々のテーマはちょっと説明省略させていただきますが、網掛けのグリーンの部分とイエロー、黄色の部分をちょっと見ていただきたいかと思います。五つのステップで検討を進めて、この第五段階を終了しますと具体的に動き出していきますよというプログラミングでございまして、緑の網掛けが既に八テーマ、これはもう既に動き出しております。それから、この黄色のマーカーの入っている五段階、これはもう近々プログラムがスタートしていくと。そういったことで、具体的な動きがもう既に出てきております。かなり非常に積極的なプログラミングが進行しているように私は思っております。こういったカーボンニュートラルに向けて、当然開発部隊が必要でございます。 Angry: 0.364 Disgust: 0.324 Fear: 0.488 Happy: 0.640 Sad: 0.419 Surprise: 0.624
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00:10:06 ~ 00:11:13 参考人(吉野彰君)
私の所属しておりますゼロエミッション国際共同研究センター、これは通称GZRと称しております。これの開発経緯をそこに示してございます。簡単に申しますと、二〇一九年の十月、当時のG20で当時の安倍総理がこういうゼロエミッション国際共同研究拠点設立を表明されて、それを受けて設立されております。具体的な開発部隊は茨城県のつくばにございます。そういうことで、次の本論の方に入ってまいりたいと思います。まず、カーボンニュートラルに向けた再エネ電力、要するに太陽光発電ですとか風力発電、そういった再エネ電力、これを普及させていくにはどうしたらいいかというお話でございます。 Angry: 0.405 Disgust: 0.445 Fear: 0.450 Happy: 0.684 Sad: 0.390 Surprise: 0.498
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00:11:13 ~ 00:12:16 参考人(吉野彰君)
これはエネ庁の資料になってございます。日本の電源構成と再エネ主力化に向けた動きということでございまして、左の方のグラフをちょっと見ていただきますと、これは現状でございます。二〇一九年での電源構成でございます。ほぼ七割方が化石燃料に依存しておりますねというのがお分かりいただけるかと思います。これを、先ほど申しました一つのマイルストーンであります二〇三〇年に向けて、一つは、再エネ電力を普及させていこうというのが一つの動きになっているかと思います。その辺の、二〇三〇年時点でそれが何%まで行っているかというのは、いろいろ議論はありますが、一応、三五%から四〇%近くは再エネ電力で賄うという方向性が示されております。 Angry: 0.373 Disgust: 0.471 Fear: 0.506 Happy: 0.660 Sad: 0.345 Surprise: 0.560
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00:12:16 ~ 00:13:08 参考人(吉野彰君)
そういうことで、では、こういった再エネ電力を普及させていくにはどうしたらいいかというのが当然問題になってまいります。この右のグラフを見ていただきたいと思います。これは一つのモデルとして、一日の電力の需要と供給とのバランスということでございまして、これは既に現在そうなっていますし、これから更に太陽光発電とか風力発電が増えてまいりますと、昼間の電力が余ってまいります。これはそのグラフ、右のグラフはそれを示してございます。当然、そこで需要と供給のバランスがずれてまいります。 Angry: 0.395 Disgust: 0.303 Fear: 0.446 Happy: 0.653 Sad: 0.488 Surprise: 0.531
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00:13:08 ~ 00:14:08 参考人(吉野彰君)
当然、供給過剰、発電し過ぎと、それをいかにして平準化していくというのが、一つこの再エネ電力の主力化に向けた大きな課題となっております。そういうことで、一つは、こういう再エネ電力を賄うキーデバイス、また太陽電池、それから風力発電、その他いろいろございますが、その中で、産総研、GZRとしては今こういうアプローチをしていますよというのを御紹介していきたいと思います。新しい次世代型の太陽電池の研究開発を進めております、ペロブスカイト型の太陽電池という。このペロブスカイトというのは結晶型の名称でございますので、こういう、俗にこれをペロブスカイト型の太陽電池と称しております。 Angry: 0.344 Disgust: 0.295 Fear: 0.508 Happy: 0.666 Sad: 0.420 Surprise: 0.554
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00:14:08 ~ 00:15:00 参考人(吉野彰君)
ポイントだけ御説明いたしますと、一つは、このペロブスカイト型の太陽電池というのは真空技術で作るものではございません。磁気テープあるいは粘着テープのような、ああいう塗工法で連続して太陽電池を作っていくという新しい技術でございます。当然、そういう塗工法で作ってまいりますので大面積化が非常に容易という大きなメリットがございます。これまでは基礎研究の段階であったんですが、ここ数年で非常に技術が進歩しておりまして、一つの評価パラメーターでございます変換効率、これは二四%まで来ております。 Angry: 0.320 Disgust: 0.322 Fear: 0.534 Happy: 0.685 Sad: 0.384 Surprise: 0.585
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00:15:00 ~ 00:16:02 参考人(吉野彰君)
この二四%というのはいわゆる小さな太陽電池での評価でございまして、この二四%というのは、大体現在広く使われておりますシリコン系の太陽電池とほぼ同じレベルとお考えいただければ結構かと思います。そういうことで、問題の変換効率がかなり上がってきましたねと、大面積化も容易ですねと。ただ、残念ながら一つ大きなまだ課題が残っておりまして、それは耐久性です。太陽電池は当然屋外暴露で使いますので、非常に長期の耐久性が要求されるわけなんですけど、残念ながら今まだそこが達成されておりません。そういうことで、大きなそういった課題をクリアして、低コストで、しかも大面積の容易にできる太陽電池の開発を進めておるというのが一つのこの再エネ電力。 Angry: 0.421 Disgust: 0.356 Fear: 0.565 Happy: 0.419 Sad: 0.488 Surprise: 0.509
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00:16:02 ~ 00:17:04 参考人(吉野彰君)
もう一点、先ほどちょっと触れました、今度は平準化ということになります。特に、これは後ほどまたお話ししますが、日本というのは残念ながら非常に狭い島国でございます。北海道、本州、四国、九州と島があって、こういった狭い国で電力のネットワークというのは当然限界がございます。こういった再エネ電力を普及させるためには、蓄電システムがこれは必須になってまいります。EUですか、USの場合はネットワークが非常に広うございますので、少々変動しても全体としてある程度バランスが取るのは容易なんですけど、残念ながら日本の場合はそうはまいりません。かといって、じゃ、新たに蓄電システムをつくっていくというのは、これはコスト的に非常にしんどい話になります。今御覧いただいております資料、これはリチウムイオン電池の用途別の市場予測でございます。 Angry: 0.351 Disgust: 0.255 Fear: 0.559 Happy: 0.503 Sad: 0.473 Surprise: 0.608
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00:17:04 ~ 00:18:17 参考人(吉野彰君)
市場実績と市場の予測でございます。この中で、下の水色のバー、これがリチウムイオン電池のモバイルアイテム向けのマーケットです。この赤い棒グラフ、これが電気自動車です。そういうことで、二〇三〇年には大体、これはワールドワイドなんですが、電気自動車がこれぐらい普及しておりますよと。で、御覧いただきたいのは縦軸でございます。二〇三〇年時点で千四百ギガワットアワーです。これはとんでもない蓄電システムが自動的に電気自動車の普及という形で構築されますよと、これを使わない手は絶対ありませんねと。これはワールドワイドでございますので、そのうちこれが日本の、このうちの一〇%あるいは一五%の普及率になっておれば、十分、こういった再エネ電力の導入で大きな壁になっております蓄電の平準化の問題、コストを掛けずにできますよと。 Angry: 0.474 Disgust: 0.368 Fear: 0.511 Happy: 0.594 Sad: 0.363 Surprise: 0.569
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00:18:17 ~ 00:19:03 参考人(吉野彰君)
これは、そういった社会システムをつくっていただければ、これは間違いなく実行できるかと思います。そういったことで、この再エネ電力をどうやって導入していくかという一つのお話でございます。続きまして、今度は再エネキャリアという言葉をちょっと使わさせていただいております。これは、再エネ電力で何がしかのエネルギー、二次エネルギーに変換しますよという、そういうお話でございまして、これが今後、化石燃料の代わりに使っていけばいいですねということでございます。その候補として、水素、アンモニア、Eフューエルというのが検討されております。 Angry: 0.298 Disgust: 0.317 Fear: 0.469 Happy: 0.701 Sad: 0.460 Surprise: 0.578
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00:19:03 ~ 00:20:09 参考人(吉野彰君)
これは、先ほど御紹介したGI基金の中でもこの三つのテーマは取り上げられております。じゃ、これが、将来どれが本命になってこのカーボンニュートラルにどれだけ貢献できるのかというのが今一番のポイントとなってございます。そういうことで、じゃ、この再エネキャリアに関しまして産総研のGZRで今こういう開発を進めていっていますよというのを順に、水素、アンモニア、Eフューエルと、この順番でちょっと御紹介していきたいと思います。まず、水素につきましては、水素の製造、それと水素の貯蔵、その利用技術ということで、水の電気分解を含めまして研究開発を進めております。それから、二つ目のアンモニア、これにつきましても、まずは水の電気分解で水素を作って、それをアンモニアに変換しますよと。 Angry: 0.293 Disgust: 0.220 Fear: 0.439 Happy: 0.800 Sad: 0.368 Surprise: 0.637
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00:20:09 ~ 00:21:01 参考人(吉野彰君)
これはもう百年前の技術ですが、実際これを大規模になおかつ低コストでやっていくためには当然技術革新が必要になります。で、肝になるのは触媒です。そういったことで、触媒の問題、それからアンモニアの燃焼ガスの問題、こういったものを検討を進めております。最後に、Eフューエルということで、これは合成燃料、簡単に申しますと、再エネ電力で生み出した水素と炭酸ガスを反応させて、天然ガスでございますメタンですとかあるいはメタノール、そういった新しい燃料を、グリーンな燃料を生み出していきますよという技術でございます。これも、この反応そのものはもう百年前のケミストリーです。 Angry: 0.423 Disgust: 0.371 Fear: 0.477 Happy: 0.656 Sad: 0.375 Surprise: 0.555
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00:21:01 ~ 00:22:01 参考人(吉野彰君)
ですが、先ほど申しましたように、現時点でそれを見直したときに、やはりいろんな技術革新が必要であろうと。特に、ポイントはやはりこの場合も触媒ということになります。そういった新しい触媒の開発を含めて現在研究を進めております。最後に、ネガティブエミッションの技術を簡単に御紹介しておきたいと思います。ネガティブエミッションというのは、その名のとおりでございまして、排出したCO2をマイナスにしてくれますよという技術です。これはちょっと漫画チックな資料になってございます。そもそも地球が誕生いたしましたのが四十六億年前です。その時点でCO2濃度は数十%の組成になってございました。それが現在に至っているわけでございます。 Angry: 0.394 Disgust: 0.384 Fear: 0.494 Happy: 0.679 Sad: 0.397 Surprise: 0.558
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00:22:01 ~ 00:23:02 参考人(吉野彰君)
それが約四〇〇ppmと。じゃ、なぜ地球の歴史の中で急激にそのCO2が減ってきたかといいますと、理由が二つあります。一つは、このグラフに書いてございます鉱物固定、鉱物固定というのはいわゆる天然の鉱物です。天然の鉱物が大気中のCO2を吸収しましたよという、簡単に言いますと中和反応です。炭酸ガスというのは酸性でございますので、アルカリ性の天然鉱物がたくさん存在する地点ではそういったものがCO2を吸収しましたよと。これが大きな大きな要因の一つだと言われております。それからもう一つは、当然、いわゆる光合成生物の登場です。これは約三十億年前なんですけれども、シアノバクテリアという光合成生物が生まれて、それがCO2を吸収して酸素を吐き出しましたねと。結果として、この二つの要因によって現在の地球の大気組成になっていますよと。 Angry: 0.437 Disgust: 0.368 Fear: 0.483 Happy: 0.602 Sad: 0.309 Surprise: 0.606
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00:23:02 ~ 00:24:01 参考人(吉野彰君)
悲しいことに、残念ながらそのせっかく減ってきたCO2が今増えてきております。これは人類の活動によって増えてきておるわけなんですが、もう一度、こういう地球の歴史を振り返って、この技術をうまくもう一度活用していこうというのがネガティブエミッションの技術の中身になります。具体的には、一つはやはり当然、光合成の高効率化というのがあります。現在、光合成、一般の光合成の効率というのは約一%です。太陽電池と同じ効率で比較いたしますと一%です。これは、今後数%あるいは一〇%ぐらいまで上がってまいりますと、がらっと様相が変わってまいります。それには当然新しい技術が必要になります。そういうことで、産総研の中でもこういった新しい光合成機能を持つような植物群を開発を進めております。 Angry: 0.310 Disgust: 0.352 Fear: 0.500 Happy: 0.649 Sad: 0.437 Surprise: 0.600
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00:24:01 ~ 00:25:11 参考人(吉野彰君)
それからもう一つは、先ほども言いました天然鉱物でございまして、簡単に言いますと、具体的に申しますと玄武岩です。よく地球上には玄武岩と安山岩と花崗岩があります。これは地球の岩石の大半を占めております。一番多いのがやはり玄武岩です。この玄武岩という天然鉱物というのは、先ほど申しました炭酸ガスを吸収する力があります。でも、残念ながら地球の表面上の玄武岩というのは既に反応が終わっておりますので、とはいえまだまだ未反応な玄武岩というのは眠っております。そういったものをうまく活用していくと大気中のCO2濃度を減らすことが可能になりますね。これがネガティブエミッションの技術になります。もちろん、その使い方によっては、ネガティブエミッションではないんですけれども、CO2の固定化と、プラントから排出したCO2をこの玄武岩で捕まえますよと。 Angry: 0.349 Disgust: 0.289 Fear: 0.460 Happy: 0.705 Sad: 0.403 Surprise: 0.597
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00:25:11 ~ 00:26:05 参考人(吉野彰君)
これはネガティブエミッションにはならないんですけれども、CCSにはなります。こういったいろんな活用の方法がありますねということでございます。最後に、現状認識と提言ということでまとめさせていただいております。簡単にサマリーをお話しさせていただきます。国内の再エネ電力の最大限導入にはコストの掛からない蓄電システムの構築が必須になります。これは、わざわざ蓄電のための蓄電システムをつくろうとしますと非常に無理が発生いたします。一方、電気自動車の普及というのは現在世界で普及していっております。その電気自動車に搭載されている電池をうまく活用すれば新たな投資をなしにちゃんと蓄電システムが構築されますよと、結果としてそれが再エネ電力の普及に大きな貢献をしますよと。 Angry: 0.511 Disgust: 0.322 Fear: 0.445 Happy: 0.534 Sad: 0.419 Surprise: 0.537
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00:26:05 ~ 00:27:12 参考人(吉野彰君)
当然車のグリーン化、バッテリーEVの普及と再エネ電力の普及、これがうまくリンクするようなシナリオが必要であろうと思います。それから、二つ目の再エネキャリアにつきましては、先ほどお話ししたとおりでございます。当然これは低コストで作らないといけませんので、再エネ電源の最適地、サンベルト諸国等いろんな国が取り沙汰されております。そういったところが多分生産拠点になろうかと思います。そういったところで当然日本の技術を生かさないといけないわけで、日本の技術がそこに最大限生かせるような、そういった進め方が必要であろうというわけです。それから、三番目のポイントは、先ほど言いました、それと並行してゼロエミッションの技術、二〇五〇年トータルゼロエミッションというのはまさにそのとおりでございまして、どうにもこうにもCO2を出さざるを得ない部分が多分残るかと思います。 Angry: 0.420 Disgust: 0.426 Fear: 0.490 Happy: 0.628 Sad: 0.429 Surprise: 0.474
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00:27:12 ~ 00:28:10 参考人(吉野彰君)
それが、その部分を帳消しにしてくれるような技術がこのゼロエミッションの技術ですよということでございます。最後にちょっと、イノベーション創出に向けた研究開発でも、当然のことながら、これはもうグローバルな問題でございますので、国際協調が必要だと思います。そのときに、当然日本がリーダーシップを取れるような形にならないといけないわけでございます。そういったことで、このGZRではG20という国際会議を踏まえていろんな国際活動を進めておりますので、そういったものを是非活用していただきたいと思っております。それから、当然こういったイノベーションによって日本が豊かにならぬといかぬということでございます。これはもう当然のことでございまして、言い方を変えますと、今回のこのカーボンニュートラルというのは新しい産業を生み出す絶好のチャンスですよと、それは日本から生まれるかどうかが一番大事ですよと。 Angry: 0.356 Disgust: 0.332 Fear: 0.431 Happy: 0.716 Sad: 0.441 Surprise: 0.524
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00:28:10 ~ 00:29:10 参考人(吉野彰君)
もちろん一〇〇%日本でという必要はありません。少なくとも一五%、二〇%を、日本がこれだけ貢献したんですよと、そういう形を二〇五〇年にはつくり上げないといけないなと思っております。最後に、一つだけちょっと余計なことを書いてございます。今後、この特にカーボンニュートラルに向けましては、いろんな国際規格あるいは国際的な約束事を決めていかなければなりません。その場合には、もう各国の国益が真正面からぶつかります。そういったときに、少なくとも日本が損をしないような形にしないと、せっかくいい技術ができたんだけども、ルール上それが除外されますと、これはもうアウトです。そういうことで、こういった国際ルール、規格化に関しましては、海外では専門の人を育てています。 Angry: 0.533 Disgust: 0.409 Fear: 0.431 Happy: 0.583 Sad: 0.469 Surprise: 0.437
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00:29:10 ~ 00:30:01 参考人(吉野彰君)
プロフェッショナルネゴシエーター、日本語で申しますと職業交渉人という言葉が使われております。彼らが全責任を負って、日本の国益に沿うような方向に標準化なりルールを決めますよと。当然、出来高払です。成功払いです。失敗したら一切お金入りませんよと。こういった、残念ながら日本ではまだこれができておりません。相当これまで損してきております。リチウム電池のルール化、規格化でもかなり損してきております。是非、この点を踏まえまして、少なくとも、こういう国際ルールで各国の国同士の国益がぶつかったときにちゃんとそれをうまくまとめ上げるような人を育てておいていただきたいというのが最後の締めくくりでございます。 Angry: 0.519 Disgust: 0.354 Fear: 0.509 Happy: 0.449 Sad: 0.514 Surprise: 0.478
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00:30:17 ~ 00:31:05 参考人(関根泰君)
本日、このような、閉鎖系の地球における適材適所のエネルギーと物質というタイトルでお話をさせていただきます。一部、吉野参考人のお話とかぶるところございますので、そこは割愛させていただきながら、私のお話を進めてまいります。まず、宇宙から見ると、御存じのとおり、地球というのは閉鎖系であります。宇宙空間には、一立方メートルにせいぜい数個しか分子がない。ところが、地球空間、今私たちが吸っている空気一立方メートルに二・五掛ける十の二十五乗個もの、空気の中の酸素、窒素、アルゴン、CO2、水蒸気、こういった分子が飛んでおります。 Angry: 0.325 Disgust: 0.268 Fear: 0.589 Happy: 0.632 Sad: 0.383 Surprise: 0.644
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00:31:05 ~ 00:32:09 参考人(関根泰君)
言わば、宇宙から見ると、宇宙空間にはほぼ何もなくて、地球上には密に物質がある、そしてそのやり取りはほとんどないということになります。そのような閉じた宇宙船地球号という中に、私たちは、四十数億年の歴史の中で三億年ぐらいの生物の歴史の営みの遺産である化石資源、これにこれまで頼ってきました。この三億年の化石資源は、当然ながら有限です。植物性のプランクトンが育ち、海の底なりそういったところに沈み、そして、長い時間を掛けて、ケロジェンと呼ばれる石油根源岩を経由して、最終最後、背斜構造と呼ばれるような地質の構造を作り、そして、それを我々が油田やガス田、炭田という形で見付けて使っている。 Angry: 0.322 Disgust: 0.238 Fear: 0.604 Happy: 0.592 Sad: 0.389 Surprise: 0.677
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00:32:09 ~ 00:33:07 参考人(関根泰君)
これが現在の化石資源の利用ということになります。当然ながら、永続性という点では、穴を掘って燃料を取り出し、火を付けてエネルギーとして使い、最後はCO2と水になりということになりますから、閉じた地球の空間の中でこれをやり続けるというのは、温暖化を引き起こし、物質としてのサステナビリティーを担保できないということになります。じゃ、どうしたらいいだろう。本当は、私たちは、閉じた空間に対して外部から入ってくる太陽のエネルギーというのを使うことができます。しかしながら、現在これをきちんと使っているとは到底言えない。この現状は後で御説明申し上げます。地球を眺めたときの問題点として、プラネタリーバウンダリーズという考え方が広く知られています。 Angry: 0.418 Disgust: 0.299 Fear: 0.568 Happy: 0.521 Sad: 0.432 Surprise: 0.599
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00:33:07 ~ 00:34:01 参考人(関根泰君)
この中でも、近年、気候の変動、それから窒素の循環、それから生物の多様性、この三つは特にクリティカルだということが今から十二年前に言われて、この図はオリジナルのものでありますが、どんどんとアップデートされながら、この考え方は広く広まってきています。また、IPCCは、回を重ね、どんどんと世界の科学者のユニークボイスをまとめ上げ、一トンずつのCO2排出がまさに今温暖化を進めているんだというメッセージを発しています。また、三千九百四十九ページにわたるAR6の中で、私は全ページに目を通しましたが、繰り返し出てくる図の中にこの図がございます。 Angry: 0.254 Disgust: 0.169 Fear: 0.582 Happy: 0.705 Sad: 0.352 Surprise: 0.738
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00:34:01 ~ 00:35:14 参考人(関根泰君)
この図の一番上を御覧ください。濃い青、薄い青、これは窒素酸化物と硫黄酸化物が今年一年間出した量に対して、十年後に地球が毎年何度暖まるかというインパクトを示した図です。真ん中より左側は冷える側、真ん中より右側は暖まる側、黄色がCO2の寄与、暖まる側です。その隣にオレンジが大きくあるのが御覧いただけます。これはメタンです。更にその右にN2Oということで、十年後の地球を考えると、今日出してしまったCO2も大変ですが、ほぼそれと同じぐらいメタンも大変、N2Oも量は少ないながら寄与が大きいということが分かります。こういった点から、これからの閉鎖系において、CO2を出す問題プラス、メタンとN2Oというのも同時に排出規制を考える必要があるということは、IPCCのこのレポートから明確に示されています。 Angry: 0.453 Disgust: 0.310 Fear: 0.524 Happy: 0.619 Sad: 0.344 Surprise: 0.599
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00:35:14 ~ 00:36:13 参考人(関根泰君)
一方で、メタンはきちんと使って燃やしてしまえば害はないので、そういう点では、例えば合成燃料としてのメタン、これはもちろん、悪者ということではありません。自然界に放出される、あるいは化石資源掘削、こういった場から出るメタンというのが良くないということになってきます。こういった地球上での物質の循環を考えるときに、私たちは二つの系を考えてみる必要があります。一つは、人工物の循環。鉄や鉱物、それから紙、プラスチック、こういったものは、自然界と交わり合うことが余りありません。ここに一本のペットボトルがありますが、これを我々が、仮に悪い人が自然界に廃棄をしたとすると、ほぼ姿形を変えず、数年、数十年、このまま自然界に残ってしまいます。 Angry: 0.471 Disgust: 0.279 Fear: 0.520 Happy: 0.585 Sad: 0.379 Surprise: 0.572
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00:36:13 ~ 00:37:00 参考人(関根泰君)
プラスチックがうまくリサイクル機能しないというのは、実はシステムの問題、社会の問題でありまして、例えばこのペットボトルのキャップはポリプロピレンという材料でできています。この外のぺらぺらのフィルムはポリエチレンという材料でできています。中のこの水の入っているボトル自体はポリエチレンテレフタラートという材質でできています。分解する温度も違い、それぞれの持つ特徴も全く違います。ただ、どれか一つにするというのは便益の上ではできない。こういった分離とか社会のシステムとしてこういうものはしっかり考えなくてはいけない。科学技術の問題ではないということになります。 Angry: 0.553 Disgust: 0.405 Fear: 0.540 Happy: 0.507 Sad: 0.402 Surprise: 0.495
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00:37:00 ~ 00:38:00 参考人(関根泰君)
一方で、右側の方、これはCとHとNとOが複雑に入り交じる、自然と人間が織り成す循環の世界。例えば、大気中の窒素を集め、石油化学から作られた水素と反応させて肥料を作ります。年間一億九千万トンのアンモニアを介して肥料を作り、これを大量に施肥をして私たちは農作物を得て、そして農業から上がってきた食料を手にして、それを最後、下水、自然界に排出、排せつとして出すというサイクルがあります。このように、自然と人間、工業と天然のものが複雑に入り交じる世界、これが炭素、酸素、窒素、水素の循環の世界ということになります。この世界においては、私たちは今までキープレーヤーとして化石資源に頼ってきました。 Angry: 0.347 Disgust: 0.224 Fear: 0.531 Happy: 0.667 Sad: 0.402 Surprise: 0.643
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00:38:00 ~ 00:39:12 参考人(関根泰君)
しかしながら、これからは、先ほど閉鎖系の地球における永続性を担保するには化石資源からの利用の脱却を考えないといけないと申し上げました。よく脱炭素とおっしゃる方が多いです。概念としてはよく分かります。ただ、私が今着けているマスク、この隣にあるパーティション、今のペットボトル、全部炭素の構造から作られています。プラスチックスは炭素の集まりです。炭素が駄目なのではなく、CO2を化石資源から出すという作業が良くないんです。それは三億年の遺産を火を付けて外に出すという作業であるからです。すなわち、止めるべきは、化石資源の消費を減らし、地上資源の利用を進める。これが、CO2を集め太陽の光で再度燃料に戻しまた使う、あるいは植物をうまく使い倒す、育てて、エネルギー、物質として使う、こういうサイクル。 Angry: 0.545 Disgust: 0.392 Fear: 0.491 Happy: 0.540 Sad: 0.420 Surprise: 0.502
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00:39:12 ~ 00:40:14 参考人(関根泰君)
穴を掘らずに地表のものだけでうまく回していくということが大事です。じゃ、地表のものは何があるか。この緑の枠の中にあるものが私たちが未来永劫、普遍的に手に入れることができる地表のものということになります。ただ、残念ながらそのままエネルギーや物質になるようなものはほとんどありません。水であったり二酸化炭素であったりバイオマス、植物ですね、廃棄物、こういったものはどこにでもあるわけですが、これらはほとんどそのままでは工業には使うことができません。そこで、閉じた系に唯一入ってくる太陽のエネルギー、これは電力であり熱であり、こういったものをうまく使いながら、これら使い勝手が悪い地表の地上資源を今まで私たちの便益としてさんざん使ってきたこの左側のようなものに転換していくということがこれからの喫緊の課題ではないかと考えます。 Angry: 0.425 Disgust: 0.342 Fear: 0.475 Happy: 0.597 Sad: 0.425 Surprise: 0.559
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00:40:14 ~ 00:41:08 参考人(関根泰君)
そこには、移動体の燃料であったり化学産業の原料であったり、こういったものを供給する、これがサステナビリティー、カーボンニュートラルを実現するためのキーとなることであると考えております。こちらが、我が国のエネルギーの統計を基にした一年間の一次エネルギーから利用形態までを、縦の厚みはエネルギーの量です。単位はエクサジュールという単位です。ジュールというのは熱の単位でして、これのエクサというのは、キロ、メガ、ギガ、テラ、ペタの上ですから、十の十八乗、ゼロが十八個、こういう単位で日本はエネルギーを取り込んで、一億二千数百万の方が毎日使っている。 Angry: 0.409 Disgust: 0.365 Fear: 0.535 Happy: 0.690 Sad: 0.335 Surprise: 0.609
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00:41:08 ~ 00:42:11 参考人(関根泰君)
大体、一次エネルギーとして半分弱が石油です。四分の一が天然ガス、四分の一が石炭、その残りの緑色のところが再エネということで、トータルで二十エクサジュール弱のエネルギーを一年間に私たちは手に入れています。国民全体で、民生、産業全部含めてです。その四割を燃料に持ち込み、四割を発電に持ち込み、一割、一割を化学産業と鉄鋼産業に持ち込み、最終最後、電力セクターに入ったのの約四割弱が電気になり、そして右側の運輸、家庭あるいは業務、それから産業、こういうところにエネルギーとして使われ、最後は熱になって捨てられていくということです。これだけの膨大なエネルギー、二十兆円を超えるエネルギー、これを今はほとんど化石資源に頼っていることがこの図からお分かりいただけると思います。 Angry: 0.431 Disgust: 0.331 Fear: 0.495 Happy: 0.588 Sad: 0.435 Surprise: 0.554
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00:42:11 ~ 00:43:00 参考人(関根泰君)
電力のセクターの中の再エネだけに注目すると、意外とパーセントは分母、分子でいうと大きくない、見えます。ただ、燃料のセクターは、今現在再エネはゼロです。鉄鋼、化学、ここもゼロです。そういう点で、全産業、全人口のベースで見ると、私たちはまだ再エネにはほとんど頼れていないという悲しい現状があります。ここを、先ほどのように、地上資源を使いながら再エネを使い倒して、化石資源から脱却し、この青とえんじ色と黒を全部緑に変えていくという作業が、これからの数十年、二〇五〇年カーボンニュートラルまでの必要なこととなります。 Angry: 0.427 Disgust: 0.412 Fear: 0.515 Happy: 0.508 Sad: 0.474 Surprise: 0.502
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00:43:00 ~ 00:44:00 参考人(関根泰君)
現在、このカーボンニュートラルに向けて、電力と非電力の世界それぞれ、グリーンイノベーション、私も座長として関わっておりますが、そちらでこういう議論がされておりますが、その中には、炭素、酸素、窒素、水素、この四つの元素の循環というのが一つ重要な役割も持っております。グリーン成長戦略、この中でも、十四の重点分野というのが示されているとおりであります。さて、ここから残った時間で、エネルギーの世界、物質の世界における適材適所という話を少々御紹介したく思います。今申し上げたように、地上資源だけで、太陽の光で私たちが暮らしていくすべを考えましょう。その際には、いろいろな物質がある。もちろん、電気にしてそのまま使う、これが一番よろしゅうございます。 Angry: 0.296 Disgust: 0.267 Fear: 0.474 Happy: 0.767 Sad: 0.377 Surprise: 0.640
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00:44:00 ~ 00:45:06 参考人(関根泰君)
これからの再エネの時代、一次エネルギーは、ゼロ次エネルギーが太陽としますと、一次エネルギーは電力ということになってまいります。今までは化石資源が一次エネルギーでした。今度は、再エネの時代は、電力が一次エネルギー、そして、そこから作る水素や合成燃料やアンモニアのようなもの、これは二次エネルギーということになってきます。かつ、昼に安くて夜に高い電力という今までと全く違うパラダイムシフトが起こってくることでしょう。そんな中で、電力をそのまま使うことができれば一番ハッピーです。ただし、電力は、風力や太陽光を考えると、例えば太陽光の場合は昼しか使えない、風力の場合は、島国日本では風況のいいところが余りなく、夕なぎ、朝なぎの時間は沿岸部での海洋、陸地の間での風は起こらない。常に吹く偏西風のようなところであればいいんですが、沿岸とかですと朝夕は風車が回らないということが起こります。 Angry: 0.402 Disgust: 0.323 Fear: 0.533 Happy: 0.609 Sad: 0.369 Surprise: 0.633
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00:45:06 ~ 00:46:02 参考人(関根泰君)
そういった中で、私たちは、じゃ、どうしたらいいだろうか。時間、空間をシフトしながら電力を蓄えたり、それを違う形で使おうということを考えると、例えば水素にする、例えば合成燃料にする、電池にためる、そういったオプションがいろいろあります。決め手は何か。密度です。すぐ使うのでしたら、水素が一つのオプションでしょう。それから、時定数が短い、ぱっとためてぱっと使う、こういったケースというのは電池が一番いいと思います。一方で、備蓄とかカントリーリスクのヘッジ、長距離輸入、こういうものにはこの二つは余り適していない。そういう点では、合成燃料、アンモニアや有機ハイドライド、あるいはEフューエル、SAF、こういうものに変えて持ってくるということが重要となるでしょう。 Angry: 0.471 Disgust: 0.321 Fear: 0.523 Happy: 0.570 Sad: 0.435 Surprise: 0.556
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00:46:02 ~ 00:47:15 参考人(関根泰君)
また、電化しやすいものとしにくいものと、あるいは水素化しやすいものとしにくいものというのがあります。これも適材適所。路線バスは、同じところを同じ決まったダイヤで回りますから、いつ水素が空になり、いつ電池が空になり、そしていつ充電するかをプログラムすることができます。一方で、観光バスは、どこに行くか分からない、そういった点では、日々いろんなところを動きながら充電できるか、あるいは水素入れられるか分からない運用の中で、なかなか電化や水素化というのは難しいでしょう。という点で、路線バスや例えばタクシーのようなもの、そういうものは電化や水素化がしやすいでしょうし、観光バスや大型トラック、こういうものは電化や水素化が難しい。ましてや航空機の大型のものというのは、電化をすると、密度の観点から、やはり空を飛ぶということは重量や体積に非常にシビアになりますから、液体の炭化水素燃料、すなわちSAFのようなものが非常に重要になってきます。 Angry: 0.403 Disgust: 0.286 Fear: 0.537 Happy: 0.609 Sad: 0.385 Surprise: 0.610
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00:47:15 ~ 00:48:09 参考人(関根泰君)
ここからは、先ほど水素の話ございました、エネルギーキャリアの話も吉野参考人からございました、この中で一つだけ付け加えますと、先ほども申し上げたように、カントリーリスクをヘッジするために、いろいろなエネルギーをいろいろな国から買ってこないと、日本の中には再エネの余力というのはそう大きくありません。かつ、そのリスクをヘッジするためには備蓄をすることも重要でしょう。現在の苫東や例えば福井や、いろいろな、沖縄から全国津々浦々、石油が大量に備蓄、原油が大量に備蓄されています。これが水素の時代、合成燃料の時代、電気の時代になったときに私たちはどうやってそのリスクをヘッジするか、どうやってためておくか。 Angry: 0.407 Disgust: 0.315 Fear: 0.531 Happy: 0.642 Sad: 0.373 Surprise: 0.620
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00:48:09 ~ 00:49:08 参考人(関根泰君)
数十日分の一億数千万人分のエネルギーをためておく必要があると、こういったときに、例えばふだんは使い勝手が余り良くないような有機ハイドライドのようなものは備蓄には非常に向いていると思います。そういう点で、いろいろな技術を複線的なシナリオで考えながら適材適所で使っていくということが非常に重要なのではないかというふうに考えます。この図は、オレンジの左側が現在のエネルギー、右側が未来のエネルギーですが、水素で代替が利くところ、電化をすれば済む、これは是非そこでそういう形で使えばいい。一方で、水素、電化が利かない場所もあるということは申し上げたとおりです。こういうところは合成燃料のようなものを、左に対応して右の合成燃料を作っていくということになります。 Angry: 0.369 Disgust: 0.291 Fear: 0.471 Happy: 0.745 Sad: 0.295 Surprise: 0.666
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00:49:08 ~ 00:50:03 参考人(関根泰君)
このように、地域やスケールでも使い分けが重要でしょう。ノートパソコンやスマホは電池で動く以外のオプションは絶対にないです。大型トラックや飛行機は合成燃料で動かすのが一番いいでしょう。そうすると、軽自動車ぐらいまでは多分電化した方がよくて、大きくなっていくと合成燃料がいいとか、あるいは水素がいいと、いろいろな使い分けがあると思います。最後に、CO2の再利用ということで、二つケースを分けてお話をしたいと思います。二酸化炭素を再資源化しよう、エネルギーの観点からはばかばかしいことです。しかし、地上資源に頼って便益として合成燃料を動かしていこうとなると、やはり回収しないといけません。大きく分けて二通り。昨日まで出しちゃったものを集める、これは大変です。 Angry: 0.413 Disgust: 0.290 Fear: 0.466 Happy: 0.609 Sad: 0.449 Surprise: 0.584
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00:50:03 ~ 00:51:09 参考人(関根泰君)
あした以降出す予定のものを集める、これはインセンティブの問題だけです。お金が掛かるからやりたくないというところにうまくカーボンプライシングのようなことを考えながらアシストしていけば、ここは可能であるというふうに考えます。そこからの技術は、既に百年の触媒化学のような技術ということで、十分に対応できる技術ばかりということになります。時間参りました。最後にまとめたいと思います。私たちは、閉じた地球という空間の中で三億年の遺産の化石資源を日々使っています。行く行くは、太陽光に頼る、そして地上資源に頼る時代をつくっていかないといけません。そのためには、電気、水素、合成燃料、これをうまく適材適所で使いながら、かつ、備蓄やカントリーリスクといったものも視野に入れて、複線化したシナリオで適材適所で使っていくことが期待されるというふうに思います。 Angry: 0.432 Disgust: 0.361 Fear: 0.438 Happy: 0.652 Sad: 0.487 Surprise: 0.503
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00:51:22 ~ 00:52:21 参考人(浅岡美恵君)
本日は、お招きいただきまして、ありがとうございます。それでは、申し上げます。昨年のCOP26におきまして、一・五度の目標に向かってこれを保持するということを確認いたしまして、二〇三〇年までに排出量をほぼ半減させると、そして、すなわち、これからの十年のその削減の取組が決定的に重要であると、そのためにアンアベーテッド、排出削減対策が取られていない石炭火力の段階的削減が必要であると、こうしたことが確認をされました。 Angry: 0.368 Disgust: 0.373 Fear: 0.408 Happy: 0.692 Sad: 0.491 Surprise: 0.431
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00:52:21 ~ 00:53:30 参考人(浅岡美恵君)
私たちはこうした国際交渉をフォローしてまいりましたので、その観点から今日はお話しさせていただきたいと思うのですが、残念ながらこのような今回のCOP26の大きな論点が政府のCOP26の報告の中には反映されていないという現状がございます。この一・五度の目標に向かってこの十年ということが何度も強調されておりますように、非常に時間の制約があると。このことを踏まえながら、いろいろお話しいただきました技術が大変重要ではありますけれども、先ほどもお話ございましたように、様々な場所の適材適所を使うと、そういう観点からのイノベーションこそが、それに向けました時間枠を考えながら選択される、そして、それを実現するために社会経済のシステムのイノベーション、これこそが今大事だということを今日申し上げたいと思います。 Angry: 0.374 Disgust: 0.197 Fear: 0.459 Happy: 0.577 Sad: 0.558 Surprise: 0.475
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00:53:30 ~ 00:54:18 参考人(浅岡美恵君)
時間も限られますので、特に石炭のところにつきまして後半で申し上げたいと思っております。グラスゴーのCOP26に私も現地で参加をいたしましたが、大変熱気にあふれた会議でございました。そこでパリ協定と一体となる極めて重要なCOPの決定、これをグラスゴー気候合意と呼ばれておりますけれども、それが採択されたわけでございます。御案内のように、現在、地球の平均気温は約一・一度上昇して、大変な気候災害を既にもたらし、気候危機と言われているわけでありますが、今後そうした災害は頻発しますし激甚化する、これはもう確実なこととされております。 Angry: 0.349 Disgust: 0.342 Fear: 0.569 Happy: 0.559 Sad: 0.416 Surprise: 0.569
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00:54:18 ~ 00:55:15 参考人(浅岡美恵君)
二度の気温上昇がその影響は大変甚大であるということから、一・五度を目指すと、抑えるということの決意を示したわけでありましたけれども、こうしたグラスゴーの合意の中で大変一貫していることは、科学の重要性、そして対策の切迫性であると、この点を特に申し上げておきたいというふうに思います。すなわち、もう既に気候変動問題は不確実なこととかねて言われていたようなことではなくて、確実性を持って全ての国が対応しなければならない問題なのだと、そういうことであります。この表はそうしたグラスゴー合意をまとめたものでございますので、ちょっと割愛させていただきまして、このCOP26の決定に至ります背景につきまして少し申し上げたいと思います。 Angry: 0.357 Disgust: 0.273 Fear: 0.521 Happy: 0.570 Sad: 0.446 Surprise: 0.548
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00:55:15 ~ 00:56:25 参考人(浅岡美恵君)
国連環境計画、UNEPは、毎年こうした温度目標に沿いました各国の目標との対応をギャップレポートという形で出してまいりまして、COP26の前には二・四度までしか届いていないということを示されておりました。そこで、カーボンニュートラルを早めていく、そして二〇三〇年の目標を各国が引き上げていく、こうした大きな課題があったわけであります。特に重視されましたのが、残余のカーボンバジェットということでございました。二酸化炭素の累積的な排出量と世界の平均気温の上昇がほぼ比例しているということは既に明らかにされておりますけれども、このことはすなわち、温度の目標を決めるということ、温度目標が定まりますと今後排出できる残余のカーボンバジェット量が決まる、炭素予算とも呼ばれておりますけれども、こうしますと、実質的にゼロにしなければいけない時期というものもおのずと定まってくると、そんな世界に今いるわけであります。 Angry: 0.381 Disgust: 0.344 Fear: 0.526 Happy: 0.540 Sad: 0.413 Surprise: 0.569
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00:56:25 ~ 00:57:04 参考人(浅岡美恵君)
ここの表にありますように、最新のAR6の数字をここに、併せてここに入っておりますけれども、六七%の確率で一・五度に抑えるというための世界の残余のカーボンバジェットは四百ギガトン、四千億トンでございまして、現在、三百三十五億トンぐらい世界で排出されておりますので、もう大変少ない。このAR5からの八年の間にももう大変急速に削減したんだと、減っているのだということを特にこのグラスゴーの合意の中で確認をしているわけであります。 Angry: 0.234 Disgust: 0.245 Fear: 0.635 Happy: 0.431 Sad: 0.548 Surprise: 0.681
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00:57:04 ~ 00:58:00 参考人(浅岡美恵君)
日本の対策をどうするかということを考えますときに、世界のカーボンバジェットは日本では幾らになるのかと、これを考える必要がございます。多く見積もっても、人口比で考えるということではないかと考えられますが、日本の人口は一・六%ほどでございますので六十四億トンか五億トン程度。すなわち、日本で現在、年に十億二千九百万トン以上CO2が出ているわけでありますから、もう六年分もないと。そういう切迫性の中で日本の対策が考えられなければならないということを申し上げたいと思います。そして、これが、そうしたIPCCの報告をまとめて日本のバジェットの量を示したものでございます。 Angry: 0.386 Disgust: 0.348 Fear: 0.556 Happy: 0.608 Sad: 0.363 Surprise: 0.605
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00:58:00 ~ 00:59:15 参考人(浅岡美恵君)
こうした考え方は、科学に基づきまして、今世界の裁判所で、科学に基づくこの気候変動の影響は人権の問題だというふうに捉えられていることをお伝えしておきたいと思います。詳しく申し上げる時間はございませんが、二〇一九年十二月、オランダの最高裁判所が、二〇二〇年の目標について国に二五%削減に引き上げるよう命じをいたしました。それは、温暖化による危険な気候変動は国民の生命、健康への切迫した脅威であると、この切迫性というのは時間的な先を言うのではなくて将来生じることが確実であるというものを含むのだと、それを、こうした危険から国民を守るのは国の責務だとしたものでございます。政治の課題であるとともに人権問題であるから、裁判所もこうして関与しているのだということであります。この判決の後、アイルランドの最高裁判所も、翌年、削減計画がパリ協定に整合して、ものになっていないということで差戻しをいたしましたし、昨年はフランスでも同様の判決が出されているところであります。 Angry: 0.617 Disgust: 0.304 Fear: 0.434 Happy: 0.500 Sad: 0.366 Surprise: 0.480
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00:59:15 ~ 01:00:12 参考人(浅岡美恵君)
ドイツの憲法裁判所が、昨年ですけれども、こうしたカーボンバジェットを踏まえた判決をしております。ドイツでは、気候変動法という法定の削減目標を定めた法律が、ヨーロッパの国の中では遅かったのですけれども、制定されましたが、二〇三〇年まで五五%というところと二〇五〇年カーボンゼロというところが、ネットゼロということが入っていただけでありましたが、これは、十代の原告らの世代間の公平を欠いているということを訴えたものに応えたものでございます。ドイツの残余のカーボンバジェットに照らせばこうした世代間の公平を欠いているということで、二〇二二年末までに三〇年以降の削減目標をちゃんとしなさいということを議会に命じたわけでございます。 Angry: 0.708 Disgust: 0.430 Fear: 0.401 Happy: 0.488 Sad: 0.318 Surprise: 0.412
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01:00:12 ~ 01:01:10 参考人(浅岡美恵君)
その直後にドイツの政権は極めて迅速に対応いたしまして、御案内のように、二〇三〇年目標を六五%に引き上げ、四〇年には八八%とし、ネットゼロの時期も二〇四五年に前倒しをしたのであります。さらに、企業も、そうした同じような考え方が裁判所で企業に対しましても示されております。昨年六月には、ハーグの裁判所が世界の石油メーカー、事業者でありますシェルのグループに対しまして、二〇三〇年までに四五%、二〇一九年比ですが、それが最も多かったからですが、削減するように命じました。これが世界のコンセンサスのある水準であると、今日の企業が守るべきデューティー・オブ・ケア、日本の法律的な言葉で言えば善管注意義務に当たると。 Angry: 0.559 Disgust: 0.352 Fear: 0.507 Happy: 0.554 Sad: 0.300 Surprise: 0.528
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01:01:10 ~ 01:02:00 参考人(浅岡美恵君)
さらに、下の方に、左下にちょっと図示をしておきましたけれども、シェルの直接の排出だけではなくて、上流及び下流でのスコープ3と呼ばれるものにつきましても同じように削減の努力をせよということになったものでございます。こうした、裁判所で認められるようになっているような現状におきましてグラスゴー合意がなされた中で、一・五度の目標に向けて動き出したときに、先駆的なビジネスの世界はより明確な方向性を持って動き出しております。世界の産業界、マーケットの動きというものは確たるものになってまいったと思います。 Angry: 0.442 Disgust: 0.270 Fear: 0.447 Happy: 0.704 Sad: 0.336 Surprise: 0.565
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01:02:00 ~ 01:03:17 参考人(浅岡美恵君)
そして、こうしたサプライチェーンの中に日本の企業もございますので、既に日本の企業も再エネ一〇〇の要請に応えるために大変御苦労されているということが、朝日新聞の最近の記事では、京都に本社があります村田製作所、日本電産、島津製作所などの御苦労が紹介されているところであります。本当に、先ほどから御案内ございましたように、再エネを拡大していくための方策、これは待ったなしになっているというふうに思います。さらに、COP26で大変顕著でありましたのは、こうした発電以外のセクターの中でも脱炭素の動きは大変顕在化しておりました。メタンについての宣言もございましたし、石油やガスの生産廃止の同盟が立ち上がりましたし、一〇〇%ゼロエミッション自動車、バンなどの移行の宣言とか、二〇五〇年までにゼロエミッションの海運、船ですね、についての宣言とか、電化が困難だと、先ほどのお話にありました電化の困難な領域でも大変うねりとなっているということが見えます。 Angry: 0.311 Disgust: 0.305 Fear: 0.527 Happy: 0.612 Sad: 0.446 Surprise: 0.532
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01:03:17 ~ 01:04:09 参考人(浅岡美恵君)
これを更に後押ししているのが、世界的にも機関投資家や金融機関の動きであることは御案内のとおりでございます。これまでも石炭火力を早く止めるようにということがございました。これから少し石炭についてお話ししたいと思いますけれども、この十一月四日、会期中でありますけれども、四十六か国が参加した、石炭からのクリーンな電力への移行声明というものが発表されましたが、そこには、アジアの国でもベトナム、インドネシア、フィリピン、シンガポール、韓国、またポーランドなども含まれております。アジアでもこの動きは座視することはできないという空気があることを見て取らなければいけないと思います。 Angry: 0.330 Disgust: 0.287 Fear: 0.441 Happy: 0.727 Sad: 0.426 Surprise: 0.582
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01:04:09 ~ 01:05:20 参考人(浅岡美恵君)
この図は、二〇二一年五月に公表されたIEAの二〇五〇年のネットゼロに向けたセクター別ロードマップでございます。これは大変役に立つものだと思います。この削減の、申し上げたような切迫性の時間枠、そして技術のイノベーション等を統合し、セクター別にいつどうしていくのかということを大変細かくまとめておりまして、二〇二一年にはもう石炭火力を新設廃止、三〇年には先進国はCCUSのない石炭火力が廃止、二〇三五年には先進国は全て電気を脱炭素化、二〇四〇年には世界の電気を脱炭素化する、このようなロードマップが示されているわけであります。そうしたことの、これまでのような話も受けまして、世界の先進国が、大半、ほとんどが石炭火力発電所を廃止していくと、その流れが確定をしてきているというところに、日本が石炭火力が一九%、二〇三〇年に今予定をされております。 Angry: 0.600 Disgust: 0.388 Fear: 0.563 Happy: 0.431 Sad: 0.294 Surprise: 0.520
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01:05:20 ~ 01:06:11 参考人(浅岡美恵君)
現在の政策ではこれはもっと増えかねないという懸念がございます。と申しますのも、現在日本は既に四千八百万キロワットもの石炭火力があり、今でも建設中でございまして、このほんの最近の数年の間に建設、稼働を始め、又は今建設工事中のものが、USC、超超臨界という高効率であると呼ばれているものだけでも一千万キロワットも新たに加わります。小規模の亜臨界のものも、十八基、百四十万キロワットもできたところでございまして、古い発電所はフェードアウトするということが言われたのですけれども、なかなか具体化しておりません。 Angry: 0.324 Disgust: 0.364 Fear: 0.586 Happy: 0.595 Sad: 0.353 Surprise: 0.626
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01:06:11 ~ 01:07:32 参考人(浅岡美恵君)
それがこれからどうなっていくのか。これまでどう積み上がったのか、これからどのように積み上がるのか、この赤い部分というのは大変懸念されるもとになっているわけでございます。こうしたことがございまして、第六次エネルギー基本計画では、アンモニアの混焼、専焼を火力の脱エミッション化というふうに申しまして、電力の政策の中枢に、中核に据えられているというのが現状ですが、これは投資回収のための延命策だというふうに海外から見られても仕方がないというものだろうと思います。そしてさらに、今年に入りまして、経済産業大臣はこの計画を前倒しをするということを表明されておりますが、二〇三〇年までにCCS導入を取り組む、二〇三〇年までにアンモニアの専焼の技術の実現に向けて目指すと大変前倒しになっていて、グリーンイノベーション基金もここに投じられているわけでありますが、しかし、こうした石炭火力に対するアンモニアの混焼、専焼というのは大変多くの問題があります。 Angry: 0.331 Disgust: 0.330 Fear: 0.657 Happy: 0.484 Sad: 0.414 Surprise: 0.584
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01:07:32 ~ 01:08:14 参考人(浅岡美恵君)
技術自体も、二〇三〇年までにこれから、二〇%混焼に向けてこれから数年掛けて実証実験を始めるというふうなものでございますし、そして、そもそもアンモニアのもとになります水素は、石炭火力、天然ガス火力の火力から作るというグレー水素と呼ばれるものであります。それはCCS等で対応しなければなりませんし、さらに、アンモニアを作るというところで大変なエネルギーを必要といたしまして、削減効果は大変僅かだということに算定されております。 Angry: 0.277 Disgust: 0.255 Fear: 0.631 Happy: 0.582 Sad: 0.331 Surprise: 0.627
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01:08:14 ~ 01:09:04 参考人(浅岡美恵君)
このまま、現在石炭火力から排出されているCO2量は二億六千万トンありますが、このまま十年間いきますと二十六億トンも出ることになります、もう三十億トン。ということは、日本の残余のカーボンバジェットの過半がここに費やされてしまうと、そのようなことであります。さらに、コストも高いものでありますし、CCSには適地がない、コストが高いという問題を抱えております。さらに、こうした事情を見ますと、このような政策は、二〇三〇年までに排出量を半減させなければならないという世界の一・五度を目指すというものと全く整合しないという点を御理解いただき、本当にここにマーケットがあるというものではもうないのだという御理解をいただく必要があろうかと思います。 Angry: 0.323 Disgust: 0.284 Fear: 0.584 Happy: 0.495 Sad: 0.541 Surprise: 0.543
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01:09:04 ~ 01:10:06 参考人(浅岡美恵君)
コストも大変高いものだということであります。実際、これはIEAの試算の中でも示されておりまして、IEAの石炭火力の削減のこの具体的な性能別のロードマップで見ましても、アンモニア混焼というのは〇・五%しか勘定されておりませんし、それも二〇三〇年までのことではございません。これはコスト的にもタイミング的にも間に合わないと言われているものでございます。もう一つの問題は、このようなアンモニア混焼、専焼というものは、国際合意の中で登場いたします排出削減対策が取られている石炭火力発電所とはみなされていないということでございます。このように解釈しているのは本当に日本ぐらい、このようなことを考えてやろうとしているのは日本ぐらいと、こういうことを御理解いただきたいと思います。 Angry: 0.472 Disgust: 0.321 Fear: 0.531 Happy: 0.399 Sad: 0.510 Surprise: 0.515
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01:10:06 ~ 01:11:01 参考人(浅岡美恵君)
で、間もなく公表されるということのようですが、トランジション・ゼロという研究団体の方が日本のこの電力における石炭問題につきまして詳細な研究をまとめておられるんですが、ここでも、本当に削減効果がなく、そして大変コストも高いと、政府の中でも高いことが承認されております。ちょっと補足は割愛させていただきます。そして、先ほども資料の中にございましたけど、このグリーンイノベーションの中で技術大変重要で、取捨選択されるというんですが、どちらかといえば、やっぱりこのような、アンモニアが登場するように、技術に偏り過ぎているのではないだろうかという目で私たちは考えるところでございます。 Angry: 0.416 Disgust: 0.304 Fear: 0.625 Happy: 0.411 Sad: 0.429 Surprise: 0.606
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01:11:01 ~ 01:12:09 参考人(浅岡美恵君)
やはり、先ほどのお二人の先生方のお話にもありましたように、やっぱり現在もう既に歴史的な経過のある商用化された技術というものは十分うまく活用できる、そのための社会経済システムのイノベーション、これが大変重要なのだと。それを実現していくためには、国においても自治体においても、一・五度を目指すという世界の流れをちゃんと認め、そして二〇三〇年に向けた削減目標、再エネの目標ももう一度見直し、そしてその目指すところを国民によく伝えると、共有、社会的に共有していくということでございます。そして、その排出量取引制度とか炭素税とか炭素の価格付け政策というのも、炭素国境税なども出てきそうなところでございますから、もう避けては通れないところに来ているかと思います。再エネをどのように増やしていくのかという点につきまして多く御説明もいただきましたところ、加えますと、デマンドレスポンスとかEVとの組合せというのは大変重要だと思います。 Angry: 0.320 Disgust: 0.258 Fear: 0.545 Happy: 0.635 Sad: 0.427 Surprise: 0.577
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01:12:09 ~ 01:13:24 参考人(浅岡美恵君)
そうしたセクター化というのを進めていくとか、それから、再エネへのいろいろな問題はゾーニングの欠落でありますし、地元、再エネを産出する地元を優先し、地元の人々の人材を育成していくと、地域を活性化させていくと、そういう住民、国民に対する知識、経験等のアドバイスの体制も取っていくと、このようなことが本当に急がれていると思います。また、日本は特に住宅建築物の省エネ対策の強化が大変遅れております。今回、不十分ながらですが法案が提出が予定されていたと聞いておりましたけれども、先送りになるらしいとお聞きいたしましたが、高排出構造がビルトインされないように、これも急がれるところでございます。さらに、このような大きな産業構造の転換にとりまして、労働者の人たち、あるいはそれに依拠してきた地域社会が大きく転換をしていく、そのための公正な移行と呼ばれることについて正面から取り上げ、そしてそれをサポートしていくと、これも大きな国や先生方のお役目として期待されるところでございます。 Angry: 0.292 Disgust: 0.241 Fear: 0.576 Happy: 0.517 Sad: 0.495 Surprise: 0.606
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01:13:24 ~ 01:13:48 参考人(浅岡美恵君)
このように、技術だけではなくて多くのイノベーションが期待されているところでありますし、時間枠を考慮しながら、本当に優先順位を見極め、それぞれのイノベーションに御尽力いただきたいと考えております。以上でございます。 Angry: 0.453 Disgust: 0.415 Fear: 0.427 Happy: 0.590 Sad: 0.572 Surprise: 0.432
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01:13:48 ~ 01:14:00 会長(宮沢洋一君)
ありがとうございました。以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。これより参考人に対する質疑を行います。本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行います。 Angry: 0.675 Disgust: 0.486 Fear: 0.385 Happy: 0.576 Sad: 0.405 Surprise: 0.378
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01:14:00 ~ 01:14:38 会長(宮沢洋一君)
まず、各会派一名ずつ指名させていただき、その後は、会派にかかわらず御発言いただけるよう整理してまいりたいと存じます。なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。また、質疑者には参考人が答弁しやすいように質疑の冒頭に答弁者を明示していただくとともに、できるだけ多くの委員が発言の機会を得られますように、答弁を含めた時間がお一人十分以内となるように御協力お願いいたします。それでは、質疑のある方は挙手をお願いいたします。自見はなこ君。 Angry: 0.493 Disgust: 0.316 Fear: 0.456 Happy: 0.616 Sad: 0.428 Surprise: 0.525
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01:14:38 ~ 01:15:32 自見はなこ君
こんにちは。大変お世話になります。参議院議員の自民党の自見はなこでございます。本日は、資源エネルギー調査会の参考人に、吉野先生、関根先生、浅岡先生のお話を聞かせていただきまして、本当にありがとうございました。まず、吉野先生に御質問させていただきたいと存じます。カーボンニュートラルに向けた世界の動きから始まりまして、また、その後、再エネについて、私も大変勉強になりましたが、発電の量が非常に不安定であるため、今まで長年の研究によって安定的に蓄電するという技術を開発ということで、この分野に非常に全世界的にも第一人者として御尽力を賜ったということでありますが、私が大変興味がございますのは、こういったところで更にCO2が今後も、とはいっても一定排出される中で、技術的イノベーションも不可欠であるということをおっしゃっておられました。 Angry: 0.344 Disgust: 0.289 Fear: 0.417 Happy: 0.653 Sad: 0.482 Surprise: 0.539
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01:15:32 ~ 01:16:03 自見はなこ君
その中で、やはりそれを行うのは当然ながら人、人材であると思いますが、吉野先生の場合は、大学での研究を経て、一般企業での研究者ということで実績を積み重ねられてこられました。現在の日本、我が国の研究者が置かれている課題感、あるいはボトルネックがどこかにあるのかということについて、これからの科学技術政策を進める上で是非とも参考にさせていただきたいと思いますので、御意見伺えたらと思います。 Angry: 0.207 Disgust: 0.156 Fear: 0.456 Happy: 0.815 Sad: 0.444 Surprise: 0.659
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01:16:07 ~ 01:17:02 参考人(吉野彰君)
御質問ありがとうございます。こういったイノベーションに向けて、特にカーボンニュートラル、当然、人材の問題というのも当然出てくるかと思います。ある意味、この人材の問題に関しましては、特に若い人材の方にとって活躍の絶好のチャンスだと私自身は思っております。なぜならば、カーボンニュートラルというのは、もう世界中がそれを求めております。でも、残念ながらそれに対して答えを誰も出せていないわけですよね。そういった中で、誰かが非常に合理的な技術あるいはイノベーションを世界に対してちゃんと提言できれば、これはもう世界の人たちから見て間違いなく尊敬されますよね。 Angry: 0.425 Disgust: 0.303 Fear: 0.405 Happy: 0.612 Sad: 0.555 Surprise: 0.465
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01:17:02 ~ 01:18:04 参考人(吉野彰君)
そういうことで、一つの側面は、特に今の若い人にとって今とにかく絶好のチャンスですよと、あなたたちが活躍する場がもう待っているんですよということをまず一つ申し上げたいと思います。二点目は、じゃ、それにちゃんと応えれるように、その若い人たちが動けるような状況になっているかどうかだと思うんですよね。これにつきましては、いろんなアカデミアの世界、それから民間の企業でもそうなんですが、当然限られた研究資金の中でいろいろやっていかないといけないわけで、結構そういう人材という面で見たときにはちょっと余りハッピーな状況ではないかと思います。ただ、先ほど申しましたように、こういう世界中が一つの目標に向かって動いてきておりますので、そこで活躍の場がいっぱい出てきますねと。 Angry: 0.228 Disgust: 0.266 Fear: 0.458 Happy: 0.783 Sad: 0.433 Surprise: 0.577
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01:18:04 ~ 01:18:36 参考人(吉野彰君)
問題は、そのときちゃんと知恵を出せるかどうかなんですよね。やっぱり独創的なものでないと世界は当然認めませんのでね。だから、そういうことで申し上げたいのは、一つはその人材という面で見たとき今絶好のチャンスですよということと、それから、それを少々のそういう制約を打ち破ってでもちゃんと動けるようにしなさいよというのが私の答えかと思います。 Angry: 0.547 Disgust: 0.353 Fear: 0.418 Happy: 0.618 Sad: 0.442 Surprise: 0.446
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01:18:36 ~ 01:19:01 自見はなこ君
ありがとうございました。活躍のチャンスがあると、ある意味でいえばすごくエンカレッジしていただく言葉も頂戴したと思いますが、同時に、後半の部分で再エネの、引き続き吉野先生なんですけれども、再エネのキャリアの生産拠点は海外であるということから海外投資も必要だということですとか、あと国際的なルールメーカーになるべきだというお話もしていただきました。 Angry: 0.281 Disgust: 0.301 Fear: 0.336 Happy: 0.848 Sad: 0.484 Surprise: 0.517
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01:19:01 ~ 01:19:25 自見はなこ君
こういったルールメーカーになるには、技術者の方というよりは、恐らくは制度設計に詳しい役所の経験のある方ですとか、結構社会的な側面が非常に強い、科学というよりも社会、制度ということだと思うんですが、我が国、日本政府にそこのルールメーカーについてもう一歩こうしてほしいという御要望があれば是非ともお伺いしたいと思います。 Angry: 0.557 Disgust: 0.149 Fear: 0.432 Happy: 0.360 Sad: 0.496 Surprise: 0.465
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01:19:25 ~ 01:20:03 参考人(吉野彰君)
お答えいたします。まず、二つ目の御質問の方から答えさせていただきたいと思います。私の申し上げたプロフェッショナルネゴシエーターというのは、よくサスペンスドラマで、閉じこもり事件が発生しましたと、そうするとネゴシエーターなる者が呼ばれますよね。ああいうイメージです。相手さんの言うこと、言い分をよく聞いた上で、ちょっとした隙をついてこっちの言い分をさっと通す、そういうような本当の意味のプロフェッショナル的な人かと思います。 Angry: 0.451 Disgust: 0.345 Fear: 0.445 Happy: 0.661 Sad: 0.398 Surprise: 0.545
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01:20:03 ~ 01:21:09 参考人(吉野彰君)
これは決して、例えばそういったルール作りの、産業界、例えば工業会のどなたかが行くとか、多分今はそういうシステムになっているかと思います。ただ、それはあくまでも当然素人です。負けます、絶対。相手はプロが出てきますのでね。ですから、そういうような職業的なプロフェッショナル、これを是非育てていただきたいと。場合によっては海外から雇ってもいいんです。別に日本人である必要もありませんのでね。そういうことで、ちょっとその辺非常に危惧しております。よく、技術で勝ってビジネスで負けていますね日本はという話が出てくるかと思うんですが、その理由の相当部分もやっぱりこの国際ルール作りで負けているんですよね。非常に悲しいですというのが私の提言です。それから、一つ目の海外拠点になりますよと。これはやはり、特に再生可能電源というのは気象条件、気候条件によって非常に左右されます。 Angry: 0.447 Disgust: 0.362 Fear: 0.485 Happy: 0.524 Sad: 0.519 Surprise: 0.489
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01:21:09 ~ 01:22:00 参考人(吉野彰君)
それによってコストは当然二分の一、三分の一になっちゃいます。したがって、そういうような最適地でやると、より再エネの電力というのは、ただとは言いませんけど、相当安いコストで電気はつくれますね。ただ、残念ながら電気では運べませんので、何がしかの形に変換して、それを日本に運んでくるという多分そんなシナリオになっていくかと思います。そのためには、当然単に海外でつくった二次エネルギーを日本に輸入しますよという話じゃ国益に沿いませんので、当然そこには日本の技術があって初めてそういうことができるんですよと。そういうことを踏まえて、海外投資も踏まえてですね、是非そういうような方向性を御検討いただきたいと。 Angry: 0.338 Disgust: 0.300 Fear: 0.416 Happy: 0.626 Sad: 0.482 Surprise: 0.557
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01:22:08 ~ 01:23:03 自見はなこ君
ありがとうございます。まさにエネルギー政策が国のファンダメンタルなものであるがゆえに今後国益がぶつかるという御発言もございましたので、国家戦略としてもしっかりと我々も受け止めて取り組んでいきたいと思いました。ありがとうございます。続きまして、関根先生に御質問させていただきます。済みません、時間の関係上で、浅岡先生への質問を用意していたんですが、多分たどり着かないかと思います。お許しください。関根先生に質問でありますけれども、今回の御発表の中でもございましたけれども、やはりCO2の回収を今後どうやって進めていくのかというところで、一つのキーワードとしてやはり触媒化学、メタン化ということがあったんであろうかと思っております。その触媒化学でいかに産業の環境負荷を今後下げていけるのかというところについて、脱炭素のイノベーションの今後の展望についてのお考えをお聞かせいただければと思います。 Angry: 0.386 Disgust: 0.328 Fear: 0.375 Happy: 0.718 Sad: 0.493 Surprise: 0.479
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01:23:03 ~ 01:24:05 参考人(関根泰君)
御質問ありがとうございます。触媒というのは、御存じのように、触れて仲立ちをするということでありまして、自身は変わらず、そして周りの反応をどんどんと促進するというものでございます。皆様が余り日頃目にすることはございません。化学産業並びに環境、いろいろな分野における縁の下の力持ちという存在でございまして、姿形は大体無機質な粉のようなものでございます。この分野におけるイノベーションというのは、端的に申し上げると、これまでの化学産業あるいはこれまでの燃料や環境、全ての分野、今のところ今ある触媒で何も困っていないと言って過言ではありません。それは、京浜工業地帯、中京工業地帯、阪神、北九、あるいはそれ以外の大規模な工業地帯やコンビナートで効率よく大規模に大きく動かしている、それも化石資源を使って動かしている。 Angry: 0.315 Disgust: 0.273 Fear: 0.448 Happy: 0.695 Sad: 0.485 Surprise: 0.587
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01:24:05 ~ 01:25:00 参考人(関根泰君)
この範囲においては、ほぼもうでき上がったすばらしい技術が百年以上の歴史の中で積み上がってきています。一方で、これからの時代見据えると、エネルギー源が再エネになる、原料が地上資源になる、こういう厳しい制約の中で、じゃ、これを転換できる触媒はあるかというと、ほぼ皆無ということになります。そういった点では、低い温度で欲しいときに欲しいだけ化学反応を制御する技術、あるいはその辺に普遍的に存在する価値の低い物質を転換する技術、こういったところがこれからの触媒化学において肝となると思います。その結果として、我々が使いやすい合成燃料、メタン、こういったものを作ることができれば一番の喜びかと思います。 Angry: 0.293 Disgust: 0.256 Fear: 0.534 Happy: 0.702 Sad: 0.407 Surprise: 0.600
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01:25:09 ~ 01:25:58 森屋隆君
立憲・社民の森屋隆でございます。各先生方におかれましては、本日、大変お忙しい中、ありがとうございます。最初に、関根泰先生に二点お伺いしたいと思います。アメリカでは海水から液体炭化水素の製造ができると、こういうふうにお聞きしているんですけれども、そういったものが今日本で化石資源を使わないで製造ができるのかどうなのか、状況を教えていただきたいのが一点でございます。もう一点は、航空機のバイオマス燃料、SAF、これ純国産化で輸入に頼らないで必要量の供給が可能なのかどうか、今後ですね。二点お願いしたいと思います。 Angry: 0.343 Disgust: 0.251 Fear: 0.406 Happy: 0.647 Sad: 0.606 Surprise: 0.517
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01:25:58 ~ 01:26:19 参考人(関根泰君)
御質問ありがとうございます。まず一点目の、海水からということになりますと、これは海水は電解をしやすいという物性を持っているので、一旦ある程度の純度を上げた上で電気分解をすることによって、例えば水素、こういったものを作ることは簡単に既存の技術で可能です。 Angry: 0.231 Disgust: 0.252 Fear: 0.325 Happy: 0.859 Sad: 0.523 Surprise: 0.541
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01:26:19 ~ 01:27:08 参考人(関根泰君)
また、海水中にはかなりの濃度でCO2が物理溶解あるいは化学的な溶解、炭酸水のような形ですね、こういった形で溶け込んでおります。そういう点では、このCO2と水の中の水素、これを使うことによって原理的には太陽の力を使って炭化水素を作るということは可能です。ただし、これは夢物語としてはあるのかもしれませんが、水の量に比べてCO2の量のバランスというのが非常に少ないということになりますので、炭化水素を作る上では、炭素と水素がほぼ一対二の比率で我々は手に入れなくてはいけない。 Angry: 0.258 Disgust: 0.286 Fear: 0.529 Happy: 0.677 Sad: 0.345 Surprise: 0.644
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01:27:08 ~ 01:28:09 参考人(関根泰君)
ということは、水が例えば十八グラムあったらCO2は四十四グラムないと炭化水素を作ることはできません。これが高校の理科の式で書くような化学になるわけですね。一方で、水十八に対してCO2が四十四も溶けているかというと、決してそんなに溶けることはありませんので、圧倒的に二酸化炭素が足りないということになるかと思います。そういう意味では、小規模に、ショーケースとして、あるいはクレジット獲得、オフセットの対象のような形でこういう技術をつくって外に見せるということはもちろん可能と思いますが、実際の私たちの年間九エクサジュールに近いこの石油資源の日本国での利用を置き換えるようなポテンシャルは全くと言って期待できないのではないかと思います。 Angry: 0.403 Disgust: 0.275 Fear: 0.562 Happy: 0.571 Sad: 0.385 Surprise: 0.634
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01:28:09 ~ 01:29:00 参考人(関根泰君)
二点目の、SAFについては、現在、SAFではAnnexというものが定義されていて、一番から、まあ七番、八番というところが今議論されているわけですが、これにはいろいろな種類がございます。完全に二酸化炭素を回収してきて作ろう、一回アルコールを介して作ろう、これがAnnexの五番。廃食油のようなものから水素を余り使わずに作ろう、これがAnnexの二番。そして、完全に、現在カタールで動いているような合成燃料を作る技術で作ろう、これがAnnexの一番。ほかにも、バイオから作ろう、いろんな考え方が今動いています。バイオというキーワードでのSAFはAnnexの二番に該当します。あるいは、六番、七番に該当します。 Angry: 0.301 Disgust: 0.238 Fear: 0.474 Happy: 0.748 Sad: 0.368 Surprise: 0.680
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01:29:00 ~ 01:30:39 参考人(関根泰君)
これらは、二番はコストが安いことがメリットです。外部水素を余り必要としません。ただし、賦存量が少ないです。そんなに天ぷら油がその辺にあるわけではございませんので、一方で日本国、例えばICAO、IATAのこれからの予見を基にしますと、国内だけでも二千万キロリットルを超えるSAFが必要というふうに言われています。このような大量の油をバイオの廃油から作るということは論理的に不可能なので、そうなると、バイオではない一番や五番、こういったものも当然ながら導入していかないといけないというふうに思います。また、私の資料の中で申し上げたとおり、航空機は、百人を超えるような中型、大型の飛行機になりますと、離陸時の重量の半分近くが燃料、すなわち三十トンから百トンを超える燃料を毎回羽の中と胴体の下に積んでおりますので、こういった一機の飛行機が一回に百トンの燃料を使うというスケールでの燃料をほかのものに置き換えるということはほぼ論理的に不可能ですから、SAFのような代替燃料をずうっと供給していかなくてはいけない、かつ、外航の飛行機が世界からやってきて、そこでも我々はSAFを提供しないといけないということからも、何かの形でバイオのみならずいろいろな方法でSAFを大量に作り続けることが必要であるということは間違いない事実と思います。 Angry: 0.433 Disgust: 0.311 Fear: 0.542 Happy: 0.521 Sad: 0.446 Surprise: 0.581
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01:30:43 ~ 01:31:12 森屋隆君
ありがとうございます。続いて、吉野彰先生に一点お伺いしたいと思います。レアメタルの需要の拡大、あるいはコロナによるサプライチェーンの崩壊等々で、蓄電池やEV車の製造や普及が私は大変遅れてくるのかなと、こんなふうに思っていますし、あるいはその価格が相当上がってくるのかなとも思っています。 Angry: 0.266 Disgust: 0.229 Fear: 0.363 Happy: 0.698 Sad: 0.682 Surprise: 0.467
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01:31:18 ~ 01:32:06 参考人(吉野彰君)
お答えいたします。特にリチウムイオン電池の場合は、いわゆるレア、レアかどうかは別といたしまして、金属材料、非常にたくさん使います。これの資源の問題、価格の問題、いろんな議論があります。これにつきましてはもうリサイクルしかないと思います。現に、ニッケル、マンガン、コバルトというのは比較的回収が非常に容易なんですね、技術的には。ただ、残念ながらこれをどうやって集めるかなんです。これまでも、スマートフォンあるいはコンピューターの電池を集めましょうというのは工業会も一生懸命やっているんですが、なかなかこれは思うように集まりません。 Angry: 0.305 Disgust: 0.293 Fear: 0.501 Happy: 0.626 Sad: 0.487 Surprise: 0.591
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01:32:06 ~ 01:33:04 参考人(吉野彰君)
ハッピーなことに、車に関しましては、これは法律で廃車手続というのは決まっておりますので、必ずどこかに集まります。そういった意味合いからしたら、これから量がうんと増えてくるような電気自動車向けというのはリサイクルが非常にやりやすい形になってくるかと思います。一方、車にしても電池にしても、恐らくこれからはそういったリサイクルの技術がある程度でき上がったものでないと売れませんねという世界に多分なってくるかと思います。そういったことも踏まえて、電池の場合はもうリサイクルが大前提とお考えいただきたいと思います。それによって、当然その資源の問題から、そのリサイクルの技術ができそうだねとなると価格がどおんと下がります、これはリチウム電池も物すごい変動するんですけれども。 Angry: 0.357 Disgust: 0.272 Fear: 0.520 Happy: 0.514 Sad: 0.509 Surprise: 0.542
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01:33:04 ~ 01:33:34 参考人(吉野彰君)
そういったことも踏まえて、これは切り札はもうリサイクルしかないと思います。車に関しましてはリサイクルが非常に容易ですよと。先ほどちょっと私の講演で御紹介したグリーンイノベーションの十八のテーマのうちの一つにそれは大々的に取り上げられておりますので、資源の問題、それから価格の変動問題、これに関してはもうリサイクルを前面に押し出すしか手はないと思います。 Angry: 0.489 Disgust: 0.338 Fear: 0.570 Happy: 0.552 Sad: 0.344 Surprise: 0.544
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01:33:34 ~ 01:33:59 森屋隆君
ありがとうございます。最後、浅岡美恵先生に二点伺いたいと思います。第六次エネルギー基本計画のエネルギーミックスについての評価、もう一点は生活環境を大きく変えないでできるエネルギー政策、このお考えについて、あればお伺いしたいと思います。二点お願いします。 Angry: 0.345 Disgust: 0.311 Fear: 0.303 Happy: 0.707 Sad: 0.673 Surprise: 0.430
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01:34:01 ~ 01:35:04 参考人(浅岡美恵君)
第六次エネルギー基本計画のエネルギーミックスにおきましては、大変、石炭を一九%にするということも難しいと申し上げましたけれども、そもそも原子力を二〇から二二%見ていると、この実現可能性は誰もが疑っております。じゃ、それをどこで補うのかといいましたときに、もっとも、再生可能エネルギーは、よほど今からしっかりと送電網の整備、その他もろもろの制度改革をして支えていかないと二〇三〇年までに間に合わないことが多々あります。市場の問題もやり直さないといけない問題抱えております。しかし、石炭は、先ほど申しましたように、大変たくさんのキャパがというか、既に発電所の設備がありまして、これを温存させていくというところでどうしてもそれを使ってしまうということになりかねないと、それを大変懸念をしているところであります。 Angry: 0.290 Disgust: 0.351 Fear: 0.648 Happy: 0.472 Sad: 0.510 Surprise: 0.532
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01:35:04 ~ 01:36:02 参考人(浅岡美恵君)
一番、最初の御質問はそうしたことでございます。生活環境を、生活水準を変えないでと、こういう話は、なぜヨーロッパの国々で大変その温暖化対策がこの十年、二十年前から進んでいるのかということについては、温暖化対策を取ることによって、国民の一人一人の生活、あるいは事業者も新しいチャンスが生まれ、あるいは生活の質が良くなるんだというふうに政府も説明をしますし、皆さんも実感をするところがございます。その代表的な例は、例えば住宅政策など、本当にランニングのエネルギーコストの少ない家を建てていくということ、そこに投資をするということで、生活の仕方は変わらず、むしろ快適な温熱環境の下で暮らすことができると。長期的にどこに投資するか。 Angry: 0.420 Disgust: 0.371 Fear: 0.449 Happy: 0.629 Sad: 0.399 Surprise: 0.548
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01:36:02 ~ 01:37:01 参考人(浅岡美恵君)
いろいろな機械製品等を購入するにいたしましても、最初の初期費用は少し高くてもランニングの費用の安くなるものというものが今技術開発でできているわけでございますので、それを選んでいけば利用する側の便益は変わらないと、だけど排出削減にはつながっていくと、そういうことができるんだということをしっかり広報いただいているということがあると思います。事業者の中でも省エネをもっともっと進めるということは本当に経済的にも合理性があることだと。その投資が若干必要ですが、そこには資金等の援助もされていかれて、全体として排出削減につながり、かつ事業者の対応も進んでいくと。そんなことが多々今見られていることでありまして、それが海外で、特に国民生活の中でも温暖化対策が進んでいる大きな要素だと思っております。 Angry: 0.412 Disgust: 0.372 Fear: 0.515 Happy: 0.569 Sad: 0.405 Surprise: 0.578
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01:37:12 ~ 01:38:01 河野義博君
公明党の河野義博です。今日は、三人の参考人の先生方、本当にありがとうございました。二〇五〇年カーボンニュートラル、私は、持続可能な形で達成に向けて努力をしていくということ、それからまた国益に資するようなカーボンニュートラルにしていかなきゃいけない、もう本当にその思いを強く持って活動を取り組んでおりますけれども、まず、吉野参考人に伺いたいと思っています。ルールメーキングのところにやっぱり戦略的に取り組んでいくというのは非常に大切だと思います。日本は残念ながらそれが不得手であります。ヨーロッパはカーボンニュートラルという誰しも反対しないラッピングを付けて、その中で各国はやりたいことをやろうとしている。戦略的にそれは取り組んでいるんだろうと思いますし、アメリカも同様だろうと思います。 Angry: 0.461 Disgust: 0.301 Fear: 0.387 Happy: 0.615 Sad: 0.534 Surprise: 0.476
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01:38:01 ~ 01:39:07 河野義博君
日本もカーボンニュートラルの取組、これはもう不可避でありますし、しっかり取り組んでいかなければなりませんが、みんなが作ったルールに乗っかって、それをいたずらに実現していって、最後に国破れて山河ありでは全く取り組む価値がなかろうと私は思いますので、戦略的にしっかりと取り組んでいかなければならないんだろうというふうに思っています。そこで、今まで御議論もありましたが、あえてちょっとお伺いをしておきたいと思いますが、先生から、やっぱり国際ルール、国際規格を日本の国益に沿う形で実施していく戦略が必要であろうと、その人材を育てていかなければいけないと、まさに私、そのとおりだと思います。私、前職は商社に勤務しておりまして、民間の発電事業者として、どの国に投資をすれば、どの国のルールを使うのが一番利益が最大化されるかということに主眼を置いて、国や地域を選ばず活動をしてきましたが、やはり日本というのは後追いばかりで、そういうルールを作るのが余り上手じゃないなという印象を持っておりました。 Angry: 0.374 Disgust: 0.222 Fear: 0.442 Happy: 0.694 Sad: 0.445 Surprise: 0.554
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01:39:07 ~ 01:39:23 河野義博君
そういうことをしっかり立法府としても後押しをしていかなければいけないと思いますが、どこの機関でどういうふうに人を育てていくのか、それを立法府がどうやって応援していくのかという点に関してアドバイスをいただけたらと思います。 Angry: 0.439 Disgust: 0.287 Fear: 0.366 Happy: 0.551 Sad: 0.648 Surprise: 0.381
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01:39:23 ~ 01:40:09 参考人(吉野彰君)
お答えさせていただきます。先ほど申しましたように、いわゆる国際ルール決めるに当たっていろんな国際委員会が設置されます。そこに当然日本の代表として委員が出ていくわけですね。その場で何が起こるかといいますと、いわゆる腹芸的な交渉なんですよね。日本語でも難しい腹芸を英語でやらぬといけないわけですよね。なおかつ専門知識が絶対必要です、その当該分野に関しましてね。そういった意味合いからして、どの機関でどういう人材を育てるかというよりも、どちらかというと個人事業主のような、そんなイメージを私は持っています。 Angry: 0.513 Disgust: 0.333 Fear: 0.476 Happy: 0.560 Sad: 0.367 Surprise: 0.575
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01:40:09 ~ 01:41:09 参考人(吉野彰君)
ある分野にたけた人がそういう一個人事業者として、今回こういう国際委員会を設置されましたと、それを委員を募集しますというときに手を挙げれる人を育てればいいと思います。また、ある国の機関でそういうような専門のそういう人材を育てるというよりも、むしろ個人事業主として責任を持たせて、彼らは一〇〇%責任を持って成し遂げていくと、多分そんなイメージだと思うんです。むしろそれは成功報酬型のビジネスになりますので、日本の国益に沿うような形の成果を上げれば、これは当然莫大な収入を得られますよね。そういう一つのその未来型のビジネスとして捉えた方が普及していくと思います。 Angry: 0.538 Disgust: 0.352 Fear: 0.362 Happy: 0.768 Sad: 0.329 Surprise: 0.475
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01:41:09 ~ 01:41:55 参考人(吉野彰君)
決して、無理やり、おまえ、この交渉んやれというような、そういうような押し付けじゃなくて、現に海外では大体そういうような人だそうです。ある委員会にある国の代表として出て、次の委員会ではまた別の国の代表として出てくるんですよね。そういうふうに私は聞いております。もう全く個人事業主です。成果を上げた人というのは当然声がいっぱい掛かってまいりますので、当然そういったビジネスも潤いますよと、何か私はそんなイメージだと思うんです。そういう声掛ければ、日本人でも手挙げる人、多分出てくるかと思います。 Angry: 0.548 Disgust: 0.402 Fear: 0.428 Happy: 0.593 Sad: 0.402 Surprise: 0.466
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01:42:01 ~ 01:43:07 河野義博君
二〇五〇年カーボンニュートラル取り組むに当たって、私は国の形を変えるいいチャンスだと思っています。毎年、約二十兆円の化石燃料を海外から輸入しています。二十兆円といいますと、消費税一〇%分です。毎年毎年、その国富が輸入のために輸出をされ、そして、買う、貨幣価値以外にも膨大な外交コストを払って輸入を行っていますので、やっぱりこの二十兆円を前向きな投資にしていくんだということで、この国の形を変えていくべきだ、百年以上化石燃料を輸入に頼ってエネルギー自給率は二〇%に満たない、食料自給率も四割に満たない、そんな国の形をやっぱり変えるいいチャンスにしていかなければならないんだろうなと思っています。先生がお示しいただいた九ページ目に、一次エネルギー、二次エネルギー、そしてエネルギーの利用、分かりやすく示していただいていますけれども、まさにカーボンニュートラルで何するかというと、この一次エネルギー、一番左のこの一次エネルギーを脱炭素化していくというところだと思います。 Angry: 0.575 Disgust: 0.366 Fear: 0.463 Happy: 0.584 Sad: 0.308 Surprise: 0.515
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01:43:07 ~ 01:44:30 河野義博君
その脱炭素化は、やっぱり輸入に頼るのではなくて、国産の一次エネルギー、再生可能エネルギー由来のものを増やしていくこと、これをしっかり進めていかなければならないというふうに思っています。急にはできませんので、やっぱり時間を掛けて戦略的にやっていく必要があろうと思います。先生の御説明の中にも、やっぱりいろんなものをたくさんの国から安定的に輸入していく必要性というのは、これは論をまちませんし、過渡的な手段として非常に大事だろうと思っています。現に今、化石燃料を始め様々な資源の高騰もあり、世界各国での化石燃料の資源獲得競争にも今起きているわけで、安定的に、二〇五〇年に向けては、しっかり輸入も使いながら、しかしながらゴールはやっぱり国産にシフトしていくべきだろうというふうに思っています。政府は、水素、アンモニア、輸入輸入と言うわけでありますが、やっぱり私は、国産にしっかり力を入れて、そもそも需要も国内でまだおぼつかない状況でありますので、需給しっかり両輪として取り組んでいくべきだろうというふうに思いますが、将来的にこの一次エネルギーを自給できるようにしていきたい、私そう考えますけれども、参考人の御意見もお聞かせいただけたらというふうに思います。 Angry: 0.408 Disgust: 0.264 Fear: 0.418 Happy: 0.672 Sad: 0.505 Surprise: 0.496
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01:44:30 ~ 01:45:06 参考人(関根泰君)
ありがとうございます。おっしゃるとおり、なるべくエネルギー自給率を高く取りたいというのは国民の総意としてはよく分かるところであります。一方で、この二十エクサジュールという中に、当然二十兆円のエネルギーの輸入、八兆円程度の例えば食料の輸入ということがあるわけですが、一方で、七十兆円規模の自動車産業とか、数十兆円の機械の産業、これが外貨を稼ぐツールとなっているということも日本の国富を考える上では重要な位置を占めています。 Angry: 0.507 Disgust: 0.345 Fear: 0.369 Happy: 0.716 Sad: 0.391 Surprise: 0.489
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01:45:06 ~ 01:46:14 参考人(関根泰君)
すなわち、資源を買ってきて加工をして付加価値を高めて海外に売ることによって私たち日本は国富を得ている、そういう点から考えると、江戸に戻って閉じた環境の中で地域だけでエネルギーを自給自足すればいいという現代の世の中ではなく、産業としての加工をして貿易をして国富を得るというところも、やはりこれから残していく必要があるやに思います。そういう点で、イギリスは加工を捨てて金融で生き残るということを選びましたが、日本は果たして金融だけで、イギリスの後追いをして同じ立場をできるかというと、私はノーだと思っております。その点で、地産地消のエネルギーの利用、これは地域循環の環境共生圏のような形で、地域で出たものを地域で使い切り、エネルギー、物質をきっちり回す、これは非常に重要ですが、一方で、それだけではこの一億二千数百万プラス産業のこの規模というのを必ずしも維持できない。 Angry: 0.366 Disgust: 0.323 Fear: 0.585 Happy: 0.532 Sad: 0.378 Surprise: 0.595
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01:46:14 ~ 01:46:56 参考人(関根泰君)
そういうところには、外からデンスな効率の良い合成燃料のようなものが入ってくる必要というのも同時にあるのではないか。もっと言うと、都市やコンビナートのようなところは自給自足にはなかなか向かないということもありますので、これは外からの大規模なエネルギー。一方で、DIDの連接していないような地域、人口密度が一千人、五百人パー平方キロを切るようなエリアにおいては、これは十分に自給自足ができると。こういう二つのディメンションで物を考えていくこともあるのではないかと感じます。以上です。 Angry: 0.498 Disgust: 0.401 Fear: 0.543 Happy: 0.503 Sad: 0.369 Surprise: 0.586
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01:46:56 ~ 01:47:13 河野義博君
ありがとうございます。イギリスは、先生おっしゃるとおり、北海油田が枯渇してエネルギーの輸入国になる、そういった転換期にいち早く洋上風力を国策として取り組んできて、そのフロントランナーとして今世界をリードしています。 Angry: 0.277 Disgust: 0.262 Fear: 0.315 Happy: 0.840 Sad: 0.576 Surprise: 0.449
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01:47:13 ~ 01:47:30 河野義博君
そういう立場に日本も様々な産業育成の観点からもなっていかなければならないというふうに考えています。貴重な御意見ありがとうございました。浅岡先生、ちょっと時間の都合で今日質問できませんでしたが、また別の機会に御意見賜れたらと思います。今日はありがとうございました。 Angry: 0.379 Disgust: 0.308 Fear: 0.353 Happy: 0.740 Sad: 0.556 Surprise: 0.421
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01:47:30 ~ 01:47:48 会長(宮沢洋一君)
この際、委員の異動について御報告いたします。本日、自見はなこ君が委員を辞任され、その補欠として清水真人君が選任されました。他に御発言はありませんか。舟山康江君。 Angry: 0.552 Disgust: 0.338 Fear: 0.487 Happy: 0.525 Sad: 0.434 Surprise: 0.522
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01:47:48 ~ 01:48:14 舟山康江君
国民民主党の舟山康江でございます。今日は、三人の先生方、本当にありがとうございました。カーボンニュートラルというのは非常に大事な視点だと思いますけれども、その前提として、関根参考人の資料の四ページにございますとおり、プラネタリーバウンダリー、地球環境への負荷をどのように下げつつ実現していくのかという視点が大変大事なのかなと思っています。 Angry: 0.526 Disgust: 0.304 Fear: 0.400 Happy: 0.593 Sad: 0.467 Surprise: 0.448
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01:48:14 ~ 01:49:06 舟山康江君
その中で、ちょっと質問なんですけれども、窒素循環も非常に今限界を超えているというような御発言もございました。窒素は空気中にも存在しておりますし、先ほど来、吉野先生、関根先生からあるとおり、アンモニアとしての利用も非常に有用だと。一方で、窒素酸化物なんかは非常に環境に悪いというところなんですけれども、まず一つ、限界を超えているという意味がどういうことなのかということ。そして、環境に悪いと言われている窒素酸化物を有用な形で変えていく技術、多分アンモニアとかですね、そういったことは、今現状、技術的に可能なのかどうなのか。 Angry: 0.458 Disgust: 0.311 Fear: 0.575 Happy: 0.471 Sad: 0.324 Surprise: 0.618
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01:49:16 ~ 01:50:08 参考人(関根泰君)
御質問ありがとうございます。まず、限界を超えているの定義に関して簡単に御説明申し上げます。この百十年間の間、私たちは、大気の窒素と石油やガスから作られた水素、これを使ってハーバー・ボッシュ法という方法によってアンモニアを作る、これは大体、高温高圧、非常に過酷な条件で反応させるということで、その業績でボッシュはノーベル賞を受けているわけなんですが、こういった方法で大量にアンモニアを作っています。これが一億九千万トンと言われています、世界中、年間です。そのほとんどが実は肥料になり、そして世界中に施肥をされ、生命体のたんぱく質に取り込まれています。 Angry: 0.409 Disgust: 0.331 Fear: 0.516 Happy: 0.549 Sad: 0.447 Surprise: 0.549
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01:50:08 ~ 01:51:05 参考人(関根泰君)
結果として、この机の木も、私たちの体も、今日のお昼の食事、外に生えている木、全ての生きとし生けるものの中のたんぱくというか、生命体の中の窒素分のおよそ六割がハーバー・ボッシュ由来、すなわち、大気と石油やそういう化石資源から作られた窒素の固定化によるものであり、自然界を経ないものでありということが知られています。ここが問題のきっかけであります。固定している、取り込まれているだけなら問題にならないのではないかと感じるかもしれませんが、一方で、その窒素を人為的に分解しているというのが実は余りございませんで、下水処理場における硝化脱窒というプロセス、これは数少ない、人間がちゃんと後始末をしている窒素の処理であります。 Angry: 0.586 Disgust: 0.391 Fear: 0.578 Happy: 0.419 Sad: 0.318 Surprise: 0.561
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01:51:05 ~ 01:52:00 参考人(関根泰君)
それ以外のところでは、自動車の排気ガスにおけるNOxの浄化、発電所におけるNOxの浄化、これも人為的にコントロールしてきれいに窒素に戻しています。一方、それ以外の大半を占める農業、自然界における窒素というのは、窒素の特性、すなわち価数が八も変わって動くという類いまれな元素の特性をベースに自然の中で暴れまくって、最終最後、環境に負荷を与えるということになっていると思います。また、それを、じゃ、アンモニアに変えて有用に使おうというのは、もちろん可能性としてはあるのですが、何せ水中、土中、大気に出てしまう、そういった自然界から出てくるものを捉まえて転換をするというのは技術的には非常に難しいというふうに考えられていると思います。 Angry: 0.357 Disgust: 0.184 Fear: 0.516 Happy: 0.710 Sad: 0.347 Surprise: 0.628
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01:52:00 ~ 01:52:14 参考人(関根泰君)
アンモニアの利用あるいは窒素酸化物の転換等々については産総研でもいろいろ研究がなされていると思いますので、この後の吉野参考人の御発言に譲りたいと思います。 Angry: 0.490 Disgust: 0.227 Fear: 0.343 Happy: 0.714 Sad: 0.419 Surprise: 0.537
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01:52:18 ~ 01:53:01 参考人(吉野彰君)
お答えいたします。まず、アンモニアと窒素酸化物の関係なんですけれども、基本的には、当然アンモニアでなくても、通常、空気中の窒素と一緒に燃やしますので、窒素酸化物は出てまいります。それの特効薬は実はアンモニアなんですね、窒素酸化物を分解させる。よく、最近です、韓国で尿素水がなくなりましたというお話あったかと思いますが、ディーゼル車に尿素を溶かした水を積んでいるんですよね。そこで発生したアンモニアでその窒素酸化物を浄化しています。 Angry: 0.401 Disgust: 0.396 Fear: 0.544 Happy: 0.582 Sad: 0.380 Surprise: 0.586
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01:53:01 ~ 01:54:13 参考人(吉野彰君)
ですから、そういうアンモニアを燃やしたら窒素酸化物が出てきますよというのは確かにそのとおりかもしれませんけど、それを直すのは実はアンモニアなんですよと、アンモニア通すといとも簡単に分解してくれますよと。現在は、大半の窒素、発電所も含めて、そういった技術で窒素酸化物の排出はうんとレベルを落とされていると思います。問題は、先ほど先生がおっしゃったような、いわゆる農産物から出てくるN2Oですよね。これにつきましては、当然一種の自然現象のようなものでございますので、肥料ではなくて、むしろそういう、先ほど申しましたような、アンモニアさえ与えてやればすぐ分解してくれるんですよね。とはいえ、畑にアンモニアまくわけにいきませんので、何かその辺をうまくこう、アンモニアの前駆物質が尿素でございますので、尿素を肥料として使うだけじゃなくて、出てくる窒素酸化物を分解するような役目も持っていますよと、そういったような技術も今後出てくるんではないんでしょうか。 Angry: 0.350 Disgust: 0.282 Fear: 0.511 Happy: 0.717 Sad: 0.336 Surprise: 0.576
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01:54:13 ~ 01:54:38 参考人(吉野彰君)
私もよく聞きます、農業から出てくるN2Oというのは結構多いんですよという話をよく聞いております。それをクリアできるのは、一つはそういう基礎的な化学反応でございますので、そんなに反応そのものは難しくないんですよね。ですから、そういった意味で、何か新しい技術がそこから生まれてくるのではないかと期待はしております。 Angry: 0.178 Disgust: 0.256 Fear: 0.493 Happy: 0.788 Sad: 0.379 Surprise: 0.656
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01:54:38 ~ 01:55:01 舟山康江君
ありがとうございました。確かに今の農業はかなり化学肥料に頼っていて、窒素過多、硝酸態窒素なんかが土中に非常に蓄積していて、これが土壌汚染の問題になっているということもありますので、そこはそういった農業の在り方の面からも見直す必要があるのかなということを改めて認識をさせていただきました。 Angry: 0.327 Disgust: 0.335 Fear: 0.432 Happy: 0.703 Sad: 0.464 Surprise: 0.514
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01:55:01 ~ 01:55:31 舟山康江君
ありがとうございます。浅岡参考人にお聞きしたいんですけれども、私は、アンモニアは、水素と窒素を合成してアンモニアをいろんな利用をするというのは一つ有用なのかなと思うんですけれども、先ほどのお話の中では極めて懐疑的な見解を示されていたかと思うんですけれども、その辺りもう少し、何が問題なのか、ちょっとお聞かせいただければと思います。 Angry: 0.382 Disgust: 0.226 Fear: 0.238 Happy: 0.847 Sad: 0.561 Surprise: 0.425
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01:55:31 ~ 01:56:00 参考人(浅岡美恵君)
私の方で申し上げましたのは、現在政府の方で考えておられますのは、化石燃料から作りましたブルー、グレー水素によりまして、更にハーバー・ボッシ法という、先ほど、ボッシュですかね、大変エネルギーを使う方法によってアンモニアを作る、そういう意味で削減効果がないんですと。グリーン水素から作るといいますと、もうとてもとても高くて、もう勘定に合いません。 Angry: 0.280 Disgust: 0.345 Fear: 0.607 Happy: 0.409 Sad: 0.649 Surprise: 0.511
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01:56:00 ~ 01:57:19 参考人(浅岡美恵君)
今のグレー水素であっても、CCS付き、そういうことを加えますと全然コストが合いませんと、こういうものであります。さらに、それを二〇三〇年までの大きな削減、石炭火力で物すごい排出があるわけですね。これを対応するということはもう技術開発的にも間に合わないことなんです。ここにそんな執着されるのではなく、ただ、アンモニア自身は全く用途がないかと申しますと、私どもいろいろ見ますと、船舶の方では大変有望視されているとか、でも、それは二〇三〇年以降、四〇年とかその頃にそういうことがあるのではないかという期待があるらしいと。だから、こうしたことで石炭火力を使い続ける理由としてこれを挙げられることは、まさに国益にも合わないと。そして、ルールメーキングのところにも関連して申し上げますと、今政府は、こういうアンモニアを混焼、専焼していくものを排出削減対策が取られた石炭火力発電所と解釈させる新たなルールを作らせようと、これはもう日本だけが異端なので、これをルールメーキングの交渉事で直させようとか入れさせようというふうなことをされるというのは、本当に世界からかえって非難を受ける。 Angry: 0.431 Disgust: 0.317 Fear: 0.521 Happy: 0.476 Sad: 0.480 Surprise: 0.540
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01:57:19 ~ 01:57:59 参考人(浅岡美恵君)
だから、ルールメーキングというのは、基本的にパリ協定に即し、大きな流れに沿って、あるべき技術の開発、あるいはあるべき導入のための制度づくりの流れに沿った形で、本当に日本にとっても対応すべきものをちゃんと入れられるように、それが抜けているのであればしっかりルールメーキング交渉はしないといけないと思うんですけれど、余りそれに反対の逆行したことを日本がごり押しでさせようとしている今、このアベーテッドな解釈についてはまさに世界からそのように見られているということは注意していただきたいと思います。以上です。 Angry: 0.642 Disgust: 0.382 Fear: 0.447 Happy: 0.516 Sad: 0.454 Surprise: 0.413
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Angry: 0.361 Disgust: 0.383 Fear: 0.485 Happy: 0.503 Sad: 0.661 Surprise: 0.481
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01:58:07 ~ 01:59:16 梅村聡君
日本維新の会の梅村聡です。今日は、お三方の先生方、貴重なお話をありがとうございました。それでは、まず吉野参考人への質問になりますけれども、先ほども研究者の話題、質問がありました。これはもう御存じのように、基礎研究から始まって、ある程度の量産体制、そしてマーケットに出していくという、それにそれぞれの関門があるという、これはもう恐らく全てのサイエンスの中では課題になっているかと思うんですが、まずその基礎研究の日本のレベルですね、再生可能エネルギーの日本のレベル、それから、やっぱり若い研究者の方がその道に進んでいただける状況ですね、やっぱりはやり廃りというのは当然あるかと思うんですが、この再生可能エネルギーの分野について、今現状がどのようになっているのか、少し教えていただきたいと思います。 Angry: 0.270 Disgust: 0.270 Fear: 0.423 Happy: 0.789 Sad: 0.452 Surprise: 0.585
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01:59:16 ~ 02:00:00 参考人(吉野彰君)
先ほどおっしゃったように、イノベーションを起こすためには、基礎研究の成果と、それから、それを量産に持っていくときのブレークスルーと、それからもう一つは、それはちゃんとマーケットが回っていますかというこの三つが必須条件ですね。一番やはり難関は、その三番目のマーケットが本当にあるんですかという部分。これは誰も保証してくれません。それが一番つらいところなんですね。今回のカーボンニュートラルを目で見たときに、まず、最難関のマーケットはむしろ回っておるんですよね。ただ、誰もそれをよう実現できていないだけの話であって、これ間違いなくマーケットはあります。 Angry: 0.332 Disgust: 0.333 Fear: 0.587 Happy: 0.493 Sad: 0.516 Surprise: 0.591
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02:00:00 ~ 02:01:01 参考人(吉野彰君)
それから、先ほどおっしゃった、じゃ、基礎研究レベルでのとんでもない発明なりが必要かというと、多分私はカーボンニュートラルにつきましては必要ないと思います。過去の古典的なサイエンス、特にケミストリーですよね、これをもう一度自分なりに見直して、それを現代版にどうアレンジし直すか、それがもうまさに今問われていると思うんですよね。例えば、よく、今日も話に出てきた、水を電気分解して水素作ります、こんなもの、百年前のケミストリーですよ。十年前です、これをテーマに取り上げましょうと言ったら、もう笑われましたですよ。だけど、今は違いますよね。アンモニアの合成にしても全てそうです。いかにしてその現代版に置き換えるかなんですよね。そういったことで、それは何を言っているかというと、要するに、マーケットはある、基礎技術もある、だけど量産技術がありません、ここだけなんですよね。 Angry: 0.354 Disgust: 0.312 Fear: 0.530 Happy: 0.640 Sad: 0.428 Surprise: 0.570
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02:01:01 ~ 02:01:46 参考人(吉野彰君)
これをやり遂げれる人材が今一番必要だと思います。とはいえ、やっぱりそういうような量産でブレークスルーを起こそうとしますと、やっぱり基礎の分かっているやつでないとやっぱりできないんですよね。ですから、その基礎も分かりながら、世の中の仕組みも理解できて、なおかつ自分なりの独創的な発想を出せる人、こういう人を育てていかないといけないと思っております。それは、アカデミアの中あるいは民間企業の中でも、そういう目標意識がちゃんとすれば自然に生まれてくると思いますと私は期待しております。 Angry: 0.370 Disgust: 0.333 Fear: 0.485 Happy: 0.595 Sad: 0.500 Surprise: 0.518
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02:01:46 ~ 02:02:09 梅村聡君
ありがとうございます。今、人材に焦点を当てて御質問したんですが、もう一問したいと思うんですが、今度はお金の問題ですよね。そうすると、マーケットがあるというのはある意味強いことだと思っていまして、もう何かよう分からぬけど、お金、心意気で出してくれではなくて、ゴールはある程度見えているんだと思うんですけれども。 Angry: 0.361 Disgust: 0.270 Fear: 0.408 Happy: 0.671 Sad: 0.556 Surprise: 0.457
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02:02:09 ~ 02:02:33 梅村聡君
そうすると、そういう場合は、いわゆる資金的な問題ですね、どういう形でこれ更にサポートしていくということが今喫緊として必要になっているのか。先生、海外の御経験もあるかと思うので、その辺りもちょっと御見識をお聞かせいただきたいと思います。 Angry: 0.471 Disgust: 0.248 Fear: 0.419 Happy: 0.648 Sad: 0.387 Surprise: 0.555
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02:02:33 ~ 02:03:11 参考人(吉野彰君)
一つは、そういう人材を考えるに当たりまして、やっぱり非常にそういう経験が必要かと思います。先ほど申しましたように、資金、どういう資金助成をしていけばいいかということなんですが、事カーボンニュートラルに関しましては、いい知恵出す人さえあれば自動的にかなりの資金が回ってくるようなシステムにはなっていると思います。 Angry: 0.359 Disgust: 0.278 Fear: 0.449 Happy: 0.756 Sad: 0.407 Surprise: 0.537
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02:03:11 ~ 02:03:58 参考人(吉野彰君)
ただし、当然のことながら、それが全て成功するわけではありません。幾つかの、並列的に同時進行で研究開発を進めていって、どこかで当然絞り込まないといけないんですよね。例えば十のテーマで同時並行で進んで最後は一つにする、それを誰がジャッジするかなんですよね。やっぱり自分のやっているやつは続けたいというのが当然ありますしね。だけど、もう答えは一つしかないわけですよね。そうすると、それを誰が、目利きのある人がちゃんと判断して、そこに研究資金を集中させる、そういう責任を持ってジャッジできる人が必要だと思います。 Angry: 0.543 Disgust: 0.414 Fear: 0.424 Happy: 0.591 Sad: 0.474 Surprise: 0.441
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02:03:58 ~ 02:04:15 梅村聡君
ありがとうございます。これ、最後のゴールが見えている分だけに、我々としてもしっかりそこを、目利きも含めてですね、サポートさせていただきたいなというふうに思っております。 Angry: 0.237 Disgust: 0.273 Fear: 0.330 Happy: 0.766 Sad: 0.701 Surprise: 0.420
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02:04:15 ~ 02:05:00 参考人(吉野彰君)
今回、GI、グリーンイノベーション基金での一つのこれまでと違う大きな点は、あくまであれは産業界が中心で開発を進めていきますよと。言い方がちょっと難しいんですけど、もし開発に失敗したらペナルティー与えますよという立て付けなんですよね。これは非常に有効だと思います。開発に成功しないとお金返さぬといかぬのですよということになりますと、当然やっている本人たちも必死でやると思います。先ほど申しましたように、全てが成功する必要はないので、その絞り込みも、可能性のあるやつにどんどんどんどん自動的に絞り込まれていくと思います。 Angry: 0.380 Disgust: 0.280 Fear: 0.501 Happy: 0.629 Sad: 0.398 Surprise: 0.586
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02:05:00 ~ 02:05:45 梅村聡君
ありがとうございます。それでは、引き続きまして、関根参考人にお伺いをしたいと思いますが、もう何十年かぶりにこの酸化還元反応の式を私も見まして、いよいよ、特にこの二十四ページ、いただいた資料のですね、CO2の変換技術ということで、というか知識はもうこれ既に確立したものですけれども、ちょっと幾つか、この中で実際に商業ベース化までの距離をちょっと先生なりに見ていただいて、幾つか特に有望といいますか有力なもの、ちょっとそれを御紹介いただければと思うんですが、いかがでしょうか。 Angry: 0.198 Disgust: 0.208 Fear: 0.310 Happy: 0.881 Sad: 0.603 Surprise: 0.528
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02:05:45 ~ 02:06:04 参考人(関根泰君)
御質問ありがとうございます。おっしゃるとおり、この表、上から、フィージビリティーの高いもの、余り高くないもの、難しいものという順番で並んでおりまして、一番上の方の三つ、例えば二酸化炭素があって、水素があって、そこから合成燃料を作る。 Angry: 0.249 Disgust: 0.212 Fear: 0.426 Happy: 0.761 Sad: 0.525 Surprise: 0.573
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02:06:04 ~ 02:07:01 参考人(関根泰君)
これは、先ほど吉野参考人も御指摘のとおり、百年前の化学、すなわちサバティエ反応とかそういったよく知られている、化学で実行可能な反応であります。その場合に必要なのは、CO2を効率よく集めてなるべくコストを掛けずに集める方法、それからグリーン水素を安く大量にうまく作る方法というのが前提になります。これが上の、二酸化炭素と水素から合成ガス、メタノール、メタンを作る、ここについてはそういうフェーズでございます。なので、社会環境の醸成がうまく整えば、技術としてはある程度仕上がりつつあるというところ。一方で、そのすぐ下、CO2と水から直接反応させる。これはまだまだ実験室の段階ということになり、ここはまだまだ難しい技術です。 Angry: 0.346 Disgust: 0.347 Fear: 0.504 Happy: 0.653 Sad: 0.403 Surprise: 0.611
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02:07:01 ~ 02:08:07 参考人(関根泰君)
この二つの違いは何かと申し上げますと、先ほど来御紹介のあった、水素を作るというのは、一般には水を電気分解する、エネルギーを与えて坂を上る反応を行います。そこから合成燃料を作るという反応は、一般に二酸化炭素と水素を反応させて坂を下る反応をするんですね。で、もったいないじゃないかと。せっかく上がっておいて下りるのはもったいないから、上がらずにトンネルを掘ろう。これが、水と二酸化炭素を直接、電気化学的に反応させるという考え方になります。当然仕上がったときには、CO2と水素を作っておいて反応させる上がって下がる方法、それに比べると、CO2と水からトンネルを掘って直接作る方法がエネルギー的には圧倒的に効率が良くなります。ただし、今のところその技術はまだまだよちよち、黎明期ということで、TRLでいうと1、すなわちまだまだ世には出せるレベルではないかというふうに思います。 Angry: 0.448 Disgust: 0.304 Fear: 0.487 Happy: 0.626 Sad: 0.337 Surprise: 0.610
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02:08:12 ~ 02:08:46 梅村聡君
ありがとうございます。この上からの順番で商業化に向けての距離感も見渡せるということ、そういう認識でさせていただきたいと思います。ありがとうございます。済みません、時間が来ましたので浅岡参考人には質問ができなかったんですけど、やっぱり国民とのその理解と、政府からも含めて説明が非常に大事だということ、これ、ヨーロッパの例も挙げていただきましたので、また我々もしっかり参考にさせていただきたいと思います。それでは終わります。 Angry: 0.388 Disgust: 0.310 Fear: 0.335 Happy: 0.707 Sad: 0.606 Surprise: 0.421
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02:08:49 ~ 02:09:04 山添拓君
日本共産党の山添拓です。参考人の皆さん、今日は大変ありがとうございました。浅岡参考人に伺います。COP26、グラスゴー気候合意の一・五度目標について強調して御説明いただきました。 Angry: 0.359 Disgust: 0.292 Fear: 0.448 Happy: 0.739 Sad: 0.438 Surprise: 0.562
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02:09:04 ~ 02:09:36 山添拓君
一・五度という目標、温度目標を定めると、世界が排出できるCO2の総量、残余のカーボンバジェットが決まる、そのために脱炭素に移行するタイムスケジュールが求められるという御説明でした。これ私は日本政府に決定的に欠けている視点でもあると思います。なぜ日本政府はそのような立場に立てずにいるのかということについて、お考えを伺えますか。 Angry: 0.542 Disgust: 0.258 Fear: 0.544 Happy: 0.423 Sad: 0.416 Surprise: 0.529
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02:09:36 ~ 02:10:01 参考人(浅岡美恵君)
残念ながら私どもは、どんなに精査いたしましても、日本の温暖化対策あるいはエネルギーの基本方針といたしまして、二度目標であっても、一・五度目標はなおさら、これを目指すということを公的に書いたものを見付けることはできません。それを受け入れてはいらっしゃらないと思われるわけです。 Angry: 0.430 Disgust: 0.407 Fear: 0.508 Happy: 0.541 Sad: 0.593 Surprise: 0.384
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02:10:01 ~ 02:11:05 参考人(浅岡美恵君)
パリ協定と整合したエネルギー政策、温暖化対策をするのだと、これもなかなか見付けることはできません。それはなぜかといいますと、その話をいたしますと、もう残余のカーボンバジェットは世界中でこれだけというのは、もう既にこれまで排出しましたと、あとプラスこれだけ足せば一・五度になります、更にこれだけ足せば二度、三度、四度となります、もうこれは二〇一三年以来IPCCで示されていることでありまして、もう算数のレベルの計算になるわけであります。それで私は、その話に踏み込んでくださらない。また、日本にどれだけそれは割り当てられる、あるいは分担があるのかと、使えるものがあるのかと。この議論も、ドイツではちゃんと、そうした裁判所でもそういう議論があり、国のレベルでもあり、そして今回のCOPの会議の交渉の中でも、このカーボンバジェットの話が交渉官の中からしょっちゅう出てくるのです。 Angry: 0.541 Disgust: 0.367 Fear: 0.554 Happy: 0.405 Sad: 0.394 Surprise: 0.557
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02:11:05 ~ 02:11:57 参考人(浅岡美恵君)
しかし、日本の中では、一・五度を目指すということを決意を持って努力するとなったんですよということすら広報記事にはございません。やっぱり、それはとても大きな肝となっている対策の原点だからであり、本当に脱炭素に向かって、あるいはパリ協定が定めるそうした温度目標の実現のために国が日本として応分の国際的対応をする、そのことが日本の企業の競争力を今後維持していくために不可欠だということの御理解が私はまだ足りないのではないかと思います。でも、本当にそれは企業にとってもう不可欠のものになっているとひしひしと、COPの中、交渉の現場にいますと感じるわけでございます。 Angry: 0.559 Disgust: 0.333 Fear: 0.589 Happy: 0.277 Sad: 0.438 Surprise: 0.516
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02:12:07 ~ 02:12:34 山添拓君
脱石炭連盟が主催する会議ですとか、あるいは石炭だけでなく石油や天然ガスも含めたあらゆる化石燃料からの脱却を目指す動きなど、より踏み込んだ動きがあったと伺います。アジアの国々を含めて、そうした動きに踏み出す各国の動機というのはどういうところにあるのでしょうか。 Angry: 0.570 Disgust: 0.367 Fear: 0.497 Happy: 0.585 Sad: 0.297 Surprise: 0.516
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02:12:34 ~ 02:13:13 参考人(浅岡美恵君)
一つは、本当に気候変動、気候危機のもたらすものは、国民の命、健康だけではなくて産業基盤も失われると、もう全ての国にとってそれは死活問題であるという認識が非常にあります。もう企業活動もできなくなるという認識があります。そういう大きな前提で、一・五度あるいはもう二度を十分下回るというそういうところに何とか努力しようといたしますと、本当に時間が限られている、排出できる量が決まっているわけです。 Angry: 0.404 Disgust: 0.396 Fear: 0.614 Happy: 0.256 Sad: 0.582 Surprise: 0.491
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02:13:13 ~ 02:14:02 参考人(浅岡美恵君)
大気中からまた回収するなんということは、本当に遠い先、できるかもしれないことであります。ということになりますと、そういうことが今の企業間の競争、国の競争の基本にあるということです、これは科学の要請であるとともに、という計算から。ですから、それを踏まえないでその国の経済政策を立てていくと、結局は敗者になると。本当に今、勝者になれるのか敗者になるのかと、レース・ツー・ゼロという言葉がもう行き渡っているように、それくらい辛辣なところに今もう来ているというのが国際社会の流れではないかと私は感じております。 Angry: 0.432 Disgust: 0.396 Fear: 0.588 Happy: 0.342 Sad: 0.542 Surprise: 0.479
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02:14:02 ~ 02:14:42 山添拓君
ありがとうございます。もう一点、浅岡参考人に伺います。アンモニア混焼の石炭火力では削減できるCO2は僅かで、技術的にも経済的にもあり得ないという御指摘だったかと思います。国内ではもちろんですけれども、これをアジアの諸国などに輸出するということになりますと、先ほど御説明あったように、アジアの諸国も含めて脱炭素に向けて努力を開始している中で、世界全体の実質ゼロへの取組をこれむしろ妨害するようなことになるのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。 Angry: 0.414 Disgust: 0.242 Fear: 0.355 Happy: 0.756 Sad: 0.480 Surprise: 0.478
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02:14:42 ~ 02:15:01 参考人(浅岡美恵君)
ありがとうございます。COP26で岸田総理大臣の演説に対しまして化石賞が贈られたと報道もされたと思いますけれども、その一番大きな理由は今御指摘いただいた点であります。 Angry: 0.522 Disgust: 0.219 Fear: 0.257 Happy: 0.763 Sad: 0.490 Surprise: 0.416
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02:15:01 ~ 02:16:15 参考人(浅岡美恵君)
途上国が、これまでの先進国が歩んだような道筋で生活水準も上げ経済力も高めていくということを繰り返すような時間がないわけです、この脱炭素、一・五度目標、本当に気候変動の被害を防止するためには。寄り道をしないでより早くその国の脱炭素経済をつくっていくということが求められていると。そこにわざわざ寄り道をするような方法を提案していくというものとして捉えられている。ある意味で昔の公害輸出がこんなところに形を変えて現れていると、そういう捉え方すら私はされているように感じた次第でありました。やっぱり途上国が本当によりショートコースで、本当により早くその国も脱炭素の国になっていけるように直接援助できると、無駄なことを回り道させないようにしていただくというのを最大限大きな目標にして輸出事業も行っていただきたいと思います。 Angry: 0.568 Disgust: 0.392 Fear: 0.522 Happy: 0.389 Sad: 0.448 Surprise: 0.479
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02:16:15 ~ 02:17:03 山添拓君
ありがとうございます。吉野参考人と関根参考人に伺います。吉野参考人を含めて歴代のノーベル賞受賞者の方は、必ずと言っていいほど基礎研究の重要さを指摘をされます。大体、総理大臣から電話が掛かってきたときにもそのように言われることが多いかと思います。しかし、先ほど吉野参考人の御回答の中でも、今若い研究者にとって必ずしもハッピーな状況ではないということもお話しになりました。なるべくそのハッピーでない状況をハッピーにするのが政治の役割でもあると思いますので、この場で是非御意見伺いたいと思うのですが、吉野参考人は、基礎研究十個に一個実現すれば十分だというお話もされています。 Angry: 0.307 Disgust: 0.231 Fear: 0.407 Happy: 0.774 Sad: 0.448 Surprise: 0.579
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02:17:03 ~ 02:17:25 山添拓君
関根参考人も、基礎研究というのはやっぱり時間が掛かるものだという御指摘をされてきました。時間を要する以上はやはり長期的な視点で支援することが不可欠だと思いますけれども、カーボンニュートラルに関わる技術に限らず、基礎研究に対する国の支援の在り方についてお二人の御意見を伺えますでしょうか。 Angry: 0.472 Disgust: 0.263 Fear: 0.512 Happy: 0.526 Sad: 0.498 Surprise: 0.464
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02:17:29 ~ 02:18:15 参考人(吉野彰君)
お答えさせていただきます。基礎研究の在り方につきましては、いわゆる民間企業における基礎研究とアカデミアの基礎研究、ちょっと分けて議論した方がよろしいかと思います。まず、今の民間企業での基礎研究の比率というのは、そう昔と大きく変わっていることはないと思います。今おっしゃいましたように、基礎研究といったものは十に一つ当たればいいぐらい確率の低いものでございます。通常、これは昔も今もそうだと思います、企業の場合、一つの研究所があれば、大体九十名ぐらいは目的研究、何かプロジェクトがあって、それを商品化に向けて動いていくと、そういう研究に携わっております。 Angry: 0.442 Disgust: 0.309 Fear: 0.476 Happy: 0.699 Sad: 0.331 Surprise: 0.571
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02:18:15 ~ 02:19:13 参考人(吉野彰君)
残り一〇%が大体基礎研究なんですね。その図式は今も昔も変わっておりません。たかだか一〇%ですので、実は基礎研究にはそんなに金が掛からないんですよね、たった一〇%ですので。したがって、それをうまく運用して、十人おれば一人当たればいいぐらいのつもりでちゃんとそれを運営できているかどうかが今ちょっと問題になっているかと思います。一方、アカデミアの基礎研究につきましては、これは私の前からの考え方なんですが、基本的には、全く目的とか何の役に立つかも一切無視して、もうまさに先生の好奇心に基づくような基礎研究を是非やっていただきたいというのが一つ。 Angry: 0.410 Disgust: 0.329 Fear: 0.517 Happy: 0.618 Sad: 0.375 Surprise: 0.602
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02:19:13 ~ 02:20:05 参考人(吉野彰君)
それからもう一つは、他方、当然アカデミアでも目的研究というのはあります。それはもう当然目標を達成しないといけないので、それに携わる先生方は逆にそれに徹底していただきたいと。非常にちょっと私危惧しておりますのは、今のアカデミアの先生方、多分その真ん中辺りでうろうろされていると思います。徹底的に基礎研究をやるわけでもなく、かといって徹底的に目標を達成するために動くのでもなく、非常に迷っておられると思います。ですから、国としてのそういう予算も含めたいろんな方向性を示すのであれば、もうまずはっきり分けてくださいと。あなたのミッションは役に立たぬ研究やってくださいと、極端に言いますとね。でも、あなた方はもう絶対一〇〇%の確率で成功してもらわぬといかぬのですよと。 Angry: 0.487 Disgust: 0.397 Fear: 0.457 Happy: 0.612 Sad: 0.433 Surprise: 0.450
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02:20:05 ~ 02:20:44 参考人(吉野彰君)
そういうような両輪で動くのが多分理想的だと思います。無駄な研究というのは、例えば百に一つ当たれば全部ペイしますよ、百倍以上のリターン返ってきますのでね。ということは、九十九駄目なんです。ですから、その九九%を駄目だから予算切りましょうといったら、全て、百もゼロになっちゃいます。したがって、そういうようなアカデミアに対してはできるだけもうきれいに分けてあげた方が先生方が非常に動きやすいと思います。 Angry: 0.407 Disgust: 0.311 Fear: 0.421 Happy: 0.598 Sad: 0.510 Surprise: 0.518
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02:20:44 ~ 02:21:01 参考人(関根泰君)
ありがとうございます。若手の育成という点と研究費という点に関してちょっとリンクさせてお話をさせていただきますが、まず若い人が研究の世界で夢を見ることができる、これが非常に重要だと感じます。 Angry: 0.305 Disgust: 0.325 Fear: 0.387 Happy: 0.768 Sad: 0.516 Surprise: 0.503
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02:21:01 ~ 02:22:00 参考人(関根泰君)
一方で、今の日本の状況はどうかというと、必ずしもそうはなっておりません。高校から大学に進学して大学院に進学してという過程で、学費が非常に重い、重くのしかかる。一方で、例えば理系に行くと、しんどい割に給料が余り上がらないというキャリアパスの問題。そういったことが見えてくる中で、なかなか工学とかそういう方に優秀な学生さんが志望しないのではないかということが危惧されるところです。一方で、その後のところを考えますと、今、吉野参考人おっしゃるとおり、大学教員の多くは研究のための研究にいそしんでいる状況があり、そのためにいろいろな省庁から大きな予算が流れ込んで、選択と集中という名の下に研究のための研究が数多くされている現状があり、そこに学生は余り関与できておりません。 Angry: 0.375 Disgust: 0.300 Fear: 0.635 Happy: 0.401 Sad: 0.550 Surprise: 0.545
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02:22:00 ~ 02:22:44 参考人(関根泰君)
本当はVCやギャップファンドのようなものが、学生が起業して、理工系の学生が新しいベンチャーをつくることにもっとプロモートしてあげてもいいというふうには思います。それによって、技術でカーボンニュートラルを実現することで、自らの仕事を得て、自らがそれで富を得るという夢を描くことができれば、若い人はその道に喜んで入ってくるんじゃないかというふうに思います。現時点では、理工系の大学院生、特に修士、博士の学生さんにはそういう夢を描けないシナリオしか残っていないように思います。以上です。 Angry: 0.424 Disgust: 0.319 Fear: 0.461 Happy: 0.656 Sad: 0.422 Surprise: 0.561
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02:23:02 ~ 02:24:04 宮島喜文君
私からは、吉野参考人にまず最初お話をお聞きしたいんですが、このカーボンニュートラル実現のために、国はいろんな政策で、研究をしていただくようにということで一応取り組んでいるわけでございます。いろんな分野が今日もお話の中に出てまいりましたけれども、そういう中で、どの分野でも重要なことは確かだと私は思うんですが、この現状の、今の中で、やはり産業の部門、又は運輸だとか、こういういろんな領域が、電力の問題もありますが、領域があるわけですが、このイノベーションということで考えた場合、どの分野に最も今現在取り組むべき課題があるかということをお聞きまずしたいと思います。 Angry: 0.295 Disgust: 0.242 Fear: 0.471 Happy: 0.738 Sad: 0.402 Surprise: 0.602
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02:24:04 ~ 02:25:08 参考人(吉野彰君)
お答えさせていただきます。まず、先ほど来議論になっております電力構成ですよね。ですから、まず多分ここが一番やりやすいと思います、再エネ電源の導入も含めまして。それから、車、運輸関係ですよね。電力がグリーンになれば、電動化というのは非常に進んでいくと思います。ですから、まずは電力のグリーン化が多分最優先だと思います。で、その電気を使ったいろんな電動化の産業分野がそれにつながっていけばいいと思います。そういうことをよく考えていきますと、ちょっとこれからむしろ難しいなと思うのは、今度は素材産業の原料を何に求めていくかという部分ですよね。 Angry: 0.429 Disgust: 0.348 Fear: 0.453 Happy: 0.690 Sad: 0.392 Surprise: 0.532
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02:25:08 ~ 02:26:08 参考人(吉野彰君)
現在はナフサが素原料になっております、いろんな化学産業にしましてもですね。その部分をどういうふうにしていくのか。今日ちょっとお話が、合成燃料のような形でつないでいくのか、あるいは全く違う新しい素材のもとに求めていくのか、その辺が非常にちょっと悩ましいなという感じはしております。それから、先ほど申しましたように、船は比較的楽だと思いますね、同じ船舶関係はですね。あと、意外と結構難しそうだなと思うのが都市ガスですね。要するに、合成メタンが日本でちゃんと手に入るようになるといいとは思うんですけれども、なかなか、先ほど言いましたように、日本でそういう合成燃料を作るというのは結構難しいです、コスト的にですね。 Angry: 0.281 Disgust: 0.281 Fear: 0.509 Happy: 0.661 Sad: 0.443 Surprise: 0.595
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02:26:21 ~ 02:27:14 宮島喜文君
ありがとうございました。電力ということが非常に重要だということも改めて思うわけでございます。イノベーションということで考えますと、ここ数年でどうか、できるかとかいうこともなかなかない問題だろうと私は思うわけですね。そうなりますと、二〇五〇年という一応目標設定がこのカーボンニュートラルではあるわけでございます。そうなると、逆に言えば、時間はある程度限られているというふうにも思うわけでございます。そういう中で、これ加速していかなきゃいけないだろうと、このイノベーションをどんどん加速することが国の進む仕事として大きなものだと考えているわけなんですが、今までの本当に国の支援策というのがどういうふうに御評価されているかどうか。 Angry: 0.407 Disgust: 0.356 Fear: 0.482 Happy: 0.593 Sad: 0.448 Surprise: 0.545
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02:27:33 ~ 02:28:01 参考人(吉野彰君)
産業界の立場でお話しさせていただきますと、結局、最後イノベーションに持っていけるのはやっぱり産業界なんですよね。新しい技術が生まれて、それが実際世の中に普及していって、それがイノベーションになりましたねと。したがって、産業界がその気にいかにさせるかというのが一番大事だと思います。 Angry: 0.372 Disgust: 0.264 Fear: 0.414 Happy: 0.707 Sad: 0.441 Surprise: 0.566
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02:28:01 ~ 02:29:15 参考人(吉野彰君)
そこに至るまでの過程で、一つは当然研究開発ですよね。こういう研究開発するに当たって当然リスクがありますので、そこに政府の資金援助、助成があるというのは非常に有り難い話かと思います。それから、それで次は、それがうまく実ったとして、成果が出たとして、今度は事業化ということになっていくわけですよね。その場合には、カーボンニュートラルに関しましてはとにかくスケールがでかいものですから、何をやるにしても投資額が恐らくもう巨大になるかと思います、従来型の新規事業に比べましてね。そのときに困るのは、産業界単独でそこまでリスクが負えるかどうかという議論が間違いなく出てくるかと思います。そのときに、いわゆるスタートアップのためのやっぱり助成というんでしょうか、これはもう税制優遇でも結構かと思いますし、やっぱりスタートアップというのは一番しんどいときなんですよね、数年間、当然赤字を覚悟で動いていくわけですので。 Angry: 0.462 Disgust: 0.375 Fear: 0.470 Happy: 0.655 Sad: 0.397 Surprise: 0.468
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02:29:15 ~ 02:30:08 参考人(吉野彰君)
そこにうまくテークオフできるような呼び水的な助成が必要かと思います。日本の産業界が非常に、どの分野でもそうなんですが、国によってはそこに立ち上げのための相当な助成がされます。そうしますと、相手国の産業はコスト的に非常に有利になっちゃうわけなんですね。例えば、工場建設の費用はコストに入れなくてもいいですよという、そういう構図になってまいりますのでね。その辺のところをうまく日本の産業界が世界の中で動きやすいような助成をしていただくのは重要かなと思っております。 Angry: 0.341 Disgust: 0.325 Fear: 0.450 Happy: 0.722 Sad: 0.415 Surprise: 0.573
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02:30:08 ~ 02:31:18 宮島喜文君
ありがとうございました。やはりいかに支援して、国の方では支援してそこへ持っていくかということがこれから大きな課題であろうと思いますし、その巨額な投資を支えるようなまた財政の支援ということも当然そうだと私も今改めて認識いたしました。ありがとうございました。では、次に、関根参考人にちょっとお話をお聞きしたいと思います。先ほど梅村先生からもお話ございましたけれども、このCO2のですね、これをどうしていくかというか、回収し貯蔵しそして利用をしていくと、利用していくにしても、コスト面でやはりそれが補えないとなかなか実用化は難しいというお話だったと思うんですが、そういう中で、この見通しというのがちょっと先ほどのお話の中ではっきりしなかったんですが、いつ頃こういうのが可能になるのかなというのをどうお考えか、お教えいただきたいと思います。 Angry: 0.313 Disgust: 0.291 Fear: 0.330 Happy: 0.768 Sad: 0.622 Surprise: 0.434
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02:31:18 ~ 02:32:00 参考人(関根泰君)
御質問ありがとうございます。まず、CO2を回収するには大きく二通りと申し上げました。あした以降出す予定のCO2を集める技術、昨日まで出しちゃったCO2を集める技術、これは時間軸でいうと全く異なります。昨日まで出しちゃったのを集める、これはダイレクト・エア・キャプチャーと言われまして、東京ドーム、大阪ドーム一杯分の空気をうわっと集めると中から二酸化炭素が軽トラ一台分集まるという非常に難しい技術です。これは、恐らく三十年ぐらい後になって実用化ができるかどうかクエスチョンというレベルかと思います。 Angry: 0.251 Disgust: 0.319 Fear: 0.544 Happy: 0.625 Sad: 0.514 Surprise: 0.592
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02:32:00 ~ 02:33:00 参考人(関根泰君)
一方で、あした以降出す予定というところに、ちょっと待ってください、ここにCO2を集める機械を付けましょう、これは技術的にはもうでき上がっております。問題はコスト、効率というところでありまして、インセンティブがないところにわざわざ後ろにCO2を集める機械を喜んで付けようという人はいない。コストだけが高くなるということになります。そこにはカーボンプライシング、すなわち、私の資料の中でも二十六ページにいろいろなカーボンプライシングの考え方を記載してございますが、出すことは恥だ、出してはいけないんだということが社会の中で共有されてくると、CO2に対しての価格というものが付いてまいります。現時点で、二酸化炭素を集める、あした以降出す二酸化炭素を集める技術は、化学的な方法と物理的な方法の大きく分けて二通りあります。 Angry: 0.429 Disgust: 0.311 Fear: 0.522 Happy: 0.594 Sad: 0.394 Surprise: 0.587
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02:33:00 ~ 02:33:39 参考人(関根泰君)
これは、それぞれ一トン集めるのに大体三千円から五千円ぐらいで集められるということが知られています。ですので、この三千円、五千円を誰かが社会的に客観的に担保してあげることによって、この三千円から五千円掛けてCO2を集めようという技術はすぐにでも実装可能になります。という点で、フェーズによって技術の難しさが違い、あした以降出すものはむしろコストの問題、インセンティブの問題であり、そこが解決すれば逆にすぐに実装されていくであろうという気がいたします。以上です。 Angry: 0.406 Disgust: 0.373 Fear: 0.491 Happy: 0.614 Sad: 0.490 Surprise: 0.505
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02:33:47 ~ 02:34:07 岸真紀子君
立憲民主・社民の岸真紀子です。三人の先生、どうもありがとうございました。私は、最初に浅岡参考人に御質問したいと思います。製造業にとって火力発電は必要というようなお話もよく耳にします。 Angry: 0.479 Disgust: 0.359 Fear: 0.378 Happy: 0.695 Sad: 0.403 Surprise: 0.501
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02:34:07 ~ 02:34:59 岸真紀子君
再生可能エネルギーを使った電力では周波数の安定に不安があるとか、さらには熱量を要する高度での製鉄においては不可欠であるということなどなどを産業界からよくお話を聞きます。でも一方で、浅岡参考人のお話にもあったように、この地球温暖化の問題というのすごく深刻だと感じています。昨日も高校生とオンラインで話したら、やっぱり環境問題が一番気にされておりました。アメリカもグリーンリカバリーを掲げています。EUなどは脱炭素製品でなければ購入しない、いわゆる不買運動みたいなものも起きているというのはもう聞いているんですが、この分野についてやっぱり変えていかなきゃいけないんじゃないかと考えているんですが、浅岡参考人の御意見をお聞かせいただきたいです。 Angry: 0.417 Disgust: 0.288 Fear: 0.489 Happy: 0.574 Sad: 0.507 Surprise: 0.486
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02:35:28 ~ 02:36:10 参考人(浅岡美恵君)
鉄鋼とか製鉄事業とか非常に素材系の高温の熱を利用する産業、これは電力の問題ではないと思います。その部分についてはいろいろな技術開発も更に必要だという先ほどからのお話もあったかと思います。電力で賄っているのは、家庭生活や、このオフィスもそうですが、産業、工場の中でも低温の産業の中ではそういう部分も多いかもしれないと、工場を回すだけの話あるかと思います。 Angry: 0.451 Disgust: 0.283 Fear: 0.528 Happy: 0.611 Sad: 0.353 Surprise: 0.588
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02:36:10 ~ 02:37:03 参考人(浅岡美恵君)
電力そのものについては、火力に頼らなくても再生可能エネルギーという方法があると。国によっては、もうこの二十年以上にわたってそうした努力が積み重ねられ、イギリスなども二千何年頃は五、六%ぐらいしかなかったんですが、もう今や四〇%ぐらいまでなっていてというふうに、そしてさらに、スコットランド沖の洋上風力とか浮体式とか、大変今元気のいいことをおっしゃっておる。そういう再生可能エネの方法があるということです。だから、それをやっぱりちゃんと追求する、最大限それを活用するということがはっきりした方針になって、国の方針になって、それを実現するために諸般の制度を必要とします。 Angry: 0.334 Disgust: 0.324 Fear: 0.501 Happy: 0.594 Sad: 0.499 Surprise: 0.535
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02:37:03 ~ 02:38:22 参考人(浅岡美恵君)
確かに、風力は風がないときは吹かないとか、要は太陽光は夜はお日さんがないではないかとか、それはそのとおりでありますけど、どの国もそれは同じことでありまして、それらをちゃんと制御し、予測をし、回していくということがもう十年、二十年、それも一つの技術です、このうまく使うということ。そういう技術について、日本は本当は最も制御技術として得意のはずだと思うのですけれど、再生可能エネルギーを導入するということがしっかり目標にならないので、その技術開発やイノベーションが今置き去りにされて、そういう周辺のことを進める仕組みが伴っていないと、そういうことだと思います。それから、不買運動等というのは、最近は本当にヨーロッパの国々はますます進んでいると思うんですけれど、選挙にもダイレクトに影響するぐらい国民的な意識が違ってくるんだと思いますし、今回COP26で非常に私感じましたのは、食料について、食品についても大変大きな関心が集まっていました、いろんな展示のところでも。 Angry: 0.248 Disgust: 0.158 Fear: 0.489 Happy: 0.704 Sad: 0.462 Surprise: 0.637
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02:38:22 ~ 02:39:23 参考人(浅岡美恵君)
ということは、本当に牛肉であるとかそうしたものから、それは大変エネルギー消費を伴うんだと、だからこれはやめて植物性たんぱく質の方に製品も替えていくんだと、そういうこともある意味消費行動の変化として起こってきています。そして、火力中心の電力による製品等については、今その不買運動的というか、選択しているのは、機関投資家とか融資をなさっているところは、もうそこには追加融資はしないだけではなくて、もう融資も引き揚げていきますよという、ある意味で使用者側からの行動も現れており、それが国民的な、市民的なところからいいますと、銀行も、使う銀行を選択しますと、どこに投資して、融資していますかというリストでします。 Angry: 0.578 Disgust: 0.343 Fear: 0.562 Happy: 0.517 Sad: 0.216 Surprise: 0.562
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02:39:33 ~ 02:40:14 岸真紀子君
ありがとうございました。次に、ちょっと視点がずれてしまうかもしれませんが、関根参考人にお伺いいたします。石油精製業というんですかね、プラスチックのためにはやっぱりこれからも資源としての石油が必要なんではないかというような……違う、違う感じですかね、そういうふうにも資源の確保が必要というふうに捉えていいのか、それともリチウムイオン電池のようにリサイクルで回していける資源を確保できるのか、またイノベーション技術とかでこういった分野についても革新ができるのか、その辺についてお伺いをさせていただきます。 Angry: 0.236 Disgust: 0.222 Fear: 0.473 Happy: 0.732 Sad: 0.561 Surprise: 0.551
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02:40:14 ~ 02:41:08 参考人(関根泰君)
御質問ありがとうございます。私の配付資料二十一ページにもございますが、このように炭化水素というのは合成品で替えが利くんですね。現在、プラスチックスの原料となっているもの、主にこの二十五ページにも記載ございますが、炭素が二個くっついたエチレン、これが一番の骨格の肝であります。三個くっついたプロピレン、これが次に大事なものであります。さらには、四個のブタジエン、これはタイヤを作るのに必要です。六個のベンゼン、これは医薬品を作ったりするのに必要です。八個のキシレン、これは亀の甲に二個炭素がくっついたものです。この辺りがCO2やバイオマスから直接作ることができれば、もはや石油は用なしになります。 Angry: 0.395 Disgust: 0.298 Fear: 0.480 Happy: 0.654 Sad: 0.423 Surprise: 0.600
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02:41:08 ~ 02:41:48 参考人(関根泰君)
ただし、それにはコストと技術がまだまだ未成熟な部分がありますので、トランジションという考え方の中で、私たちは、やはり遷移をしながら、おっしゃるように、今あるものを、例えば今あるプラスチックを分解してもう一回使おうというのも一つ、それから、なるべく原油を掘らないで済むようなことも考えよう、最終最後は植物やCO2でこういうものを作ろう、そういう時間軸に沿っていろいろな技術が入ってくるとカーボンニュートラルが実現できるように思います。 Angry: 0.167 Disgust: 0.168 Fear: 0.330 Happy: 0.870 Sad: 0.554 Surprise: 0.567
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02:41:48 ~ 02:42:01 岸真紀子君
ありがとうございます。理解が少し深まりました。それでは、最後に吉野参考人にお伺いいたします。今のように、技術革新というのが様々な分野ですごく重要だというのは分かりました。 Angry: 0.264 Disgust: 0.263 Fear: 0.372 Happy: 0.798 Sad: 0.559 Surprise: 0.526
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02:42:01 ~ 02:42:24 岸真紀子君
それで、国際競争力にも勝っていくにも、ここがすごく大事だと捉えています。吉野参考人は、ほかのところでも、出遅れるとこのビジネスチャンスを逃すというようなこともおっしゃっていますが、それを生かすために国に求めるものは何か、お伺いいたします。 Angry: 0.282 Disgust: 0.182 Fear: 0.446 Happy: 0.708 Sad: 0.596 Surprise: 0.483
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02:42:24 ~ 02:43:09 参考人(吉野彰君)
私の基本的なカーボンニュートラルに関しての考え方は、これはもう日本にとって絶好のチャンスですよと、ある意味ではですね、新しい産業がそこから生まれてきますよと。もう一つの見方は、じゃ、一体そのカーボンニュートラルに向けて本当の意味のスタートはいつかということなんですよね。今は、当然いろいろ言われておりますけれども、私はまだ準備期間だと思っています、日本も含めて各国ともですね。いろんなケーススタディーをして、どういう技術に絞り込みながら、あるとき本当の意味のスタートを切りますよと。 Angry: 0.360 Disgust: 0.209 Fear: 0.415 Happy: 0.718 Sad: 0.407 Surprise: 0.620
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02:43:09 ~ 02:44:07 参考人(吉野彰君)
私は二〇二五年だと思います。これは根拠をくどくど言うとあれなんですが、いろんなその要素技術の開発のロードマップ見ますと、例えば人工知能、AIの技術開発にしましても、大体皆さん二〇二五年辺りにターゲット絞っているんですよね。ということは、二〇二五年辺りにいろんな新しい技術がそこにプラットフォームとして生まれますと。恐らくそれとカーボンニュートラルの目標とリンクしてくると思います。確かに今までの常識だったら絶対無理だねと思われていたやつが、意外とやっていくには簡単だねというような世界になっていくかと思います。それが多分二〇二五年、これはスタートの年ですね。日本のカーボンニュートラルのマイルストーン二〇三〇年というのは、そういった意味合いでは、二〇二五年からスタートして大体五年目に当たります。 Angry: 0.399 Disgust: 0.349 Fear: 0.438 Happy: 0.709 Sad: 0.341 Surprise: 0.570
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02:44:07 ~ 02:45:03 参考人(吉野彰君)
もちろん、そこで全てが解決しているわけではありません。一部が実際社会実装化されて、実際やってみるとこうだねと、これを次にこう展開していけば二〇五〇年というのは多分こんな世界になっていくねというのが、多分二〇三〇年には見えてくるかと思うんですよね。そういった意味合いで、本当の勝負どころは二〇二五年だと思います。そのときに、政府としまして、今は議論でいいんです、いろんな、石炭どうするああするというような議論はいいんです。ただ、二〇二五年にはそれ決めないといけないと思います。いろいろ議論した本命筋はどうもこれだよと、日本としてはですね。そこに向けて資源を買い、研究資源も投入し、絞り込んで投入していきましょうよというような方向に持っていくべきだと思います。 Angry: 0.524 Disgust: 0.399 Fear: 0.422 Happy: 0.655 Sad: 0.367 Surprise: 0.482
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02:45:12 ~ 02:46:04 杉久武君
公明党の杉久武と申します。本日は、三人の参考人の先生方、貴重な御意見をいただきまして大変にありがとうございました。勉強になりました。時間も限られておりますので、手短に質問をさせていただきたいというふうに思います。私の方からは、三人の参考人の先生方に、今日は電力に焦点を当てた御質問をさせていただきたいというふうに思います。先ほど、電力構成のグリーン化というお言葉も出てまいりました。やはり安定した電力供給というものを確保していくことは、国民生活や産業にとって非常に重要なポイントだというように思います。やはり電力の安定供給のためには、やはり電力の需要と供給のバランスをどう図っていくのかということが大事だというふうに思っております。 Angry: 0.362 Disgust: 0.265 Fear: 0.452 Happy: 0.661 Sad: 0.492 Surprise: 0.549
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02:46:04 ~ 02:46:28 杉久武君
そういった中で、まず吉野参考人にお伺いしたいのが、電力システム全体における蓄電技術の可能性ですね。やはりこの需給のバランスを取っていくという中で、蓄電技術、年々これは進化していると思うんですけれども、今後の可能性について御教示いただければと思います。 Angry: 0.347 Disgust: 0.225 Fear: 0.554 Happy: 0.528 Sad: 0.415 Surprise: 0.626
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02:46:28 ~ 02:47:09 参考人(吉野彰君)
私の講演でもちょっと触れましたように、日本の場合は北海道と本州がまともなケーブルでつながっていませんねと。それから、これは明治維新の名残なんですけれども、東日本五十、西日本六十、同じ本州の中でね。で、三・一一のとき大問題になりましたよね。そういったことも踏まえて、非常にローカル的な蓄電のシステムが特に日本の場合は必須だと思っております。ただし、風力にしても太陽光発電にしても、それ自身でやっとこさ商用電力のコストに辛うじて合格するぐらいのところだと思うんですよね。 Angry: 0.322 Disgust: 0.214 Fear: 0.545 Happy: 0.566 Sad: 0.463 Surprise: 0.638
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02:47:09 ~ 02:48:10 参考人(吉野彰君)
そこに新たな蓄電システムが要りますよとなったら、もうコスト的に絶対無理です。ということで、御提案させていただいたように、まずは電気自動車を普及させて、その電池をうまく活用してくださいと。一般の車というのは九〇%止まっていますので、その止まっている間に充電したり放電したり、それでバランスを取れば何の問題もないわけで、特に電気が余って捨てますよというような時間帯もあります、現実に。そういったときの電力でどんどん充電してくださいと、それで、そのときの料金はここまで、ただに近い料金で結構ですよと。逆に、今度は電力が不足したので放電してくださいとなって、電気を売ってくださいと、で、そのときはこれぐらいの高い値段で買い上げますよという、そういうシステムさえつくっていただければ、電気自動車を持っている人はそれだけで、少なくとも自分のガソリン代じゃないですけど、電気代はもう当然ペイします。 Angry: 0.399 Disgust: 0.380 Fear: 0.545 Happy: 0.532 Sad: 0.398 Surprise: 0.549
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02:48:10 ~ 02:48:35 参考人(吉野彰君)
場合によってはお釣りが来るかもしれませんよね。そういったことを考えていくと、電力会社にとっても非常にハッピーな話ですし、一般の我々も非常にハッピーになりますので、是非そういうただに近い蓄電システムをつくってあげないと、再エネ電力の普及は難しいと思います。 Angry: 0.271 Disgust: 0.246 Fear: 0.386 Happy: 0.778 Sad: 0.514 Surprise: 0.553
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02:48:35 ~ 02:49:00 杉久武君
大変に貴重な御意見ありがとうございました。電力に関連して、関根参考人、浅岡参考人に同じ質問をさせていただきたいと思います。電気のこの安定供給のための需給のバランスを取るためには、出力調整ができる回転軸を持った発電技能というものがこれ必須になると思います。 Angry: 0.352 Disgust: 0.277 Fear: 0.457 Happy: 0.633 Sad: 0.468 Surprise: 0.562
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02:49:00 ~ 02:49:13 杉久武君
そういった中で、今、火力発電がどうあるべきかというところについてはやはりいろんな御意見が出てくるところなんじゃないかなというふうに思っておりまして、その点についてお二人の参考人の御意見をいただければと思います。 Angry: 0.412 Disgust: 0.329 Fear: 0.492 Happy: 0.616 Sad: 0.383 Surprise: 0.573
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02:49:16 ~ 02:50:00 参考人(関根泰君)
御質問ありがとうございます。まず、おっしゃるとおり、日本のエネルギーの今現在、発電の大宗を占めている火力発電、特にUSC、これは六百度、二百五十気圧、六百三十度ぐらいまで再熱で二百五十気圧というようなところまで水を超高温、超臨界圧で温めて、ボイラーで沸かしたその蒸気を三段のタービンで回すという非常に効率のいい方法ですね。それから、もう一つはガスタービン、これは千六百五十、千七百度という高温でガスを燃やすタイプの発電。前者は、大型で非常に効率はいいんですが、小回りが利かない。 Angry: 0.471 Disgust: 0.314 Fear: 0.473 Happy: 0.657 Sad: 0.367 Surprise: 0.577
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02:50:00 ~ 02:51:20 参考人(関根泰君)
後者は、ジェットエンジンのようなものですから、動かしたいときに動かして、変動に対応して動かすことができる。前者は石炭の微粉炭あるいはアンモニア、後者は天然ガスあるいは水素が燃料という形になってきまして、これをどううまくこれから使っていくか、燃料を替えるだけでは必ずしも全てクリアできるかどうかということもあります。一方で、おっしゃるように、そのデマンドレスポンスのようなものを社会に組み入れていくことも非常に重要ですし、吉野参考人おっしゃったような、電池を、車の電池をうまく使い倒す、これも非常に有効だと思います。再エネの時代を考えると、一次エネルギーが電気で二次エネルギーが何か、かつ昼が電気が安くなるという可能性がある。そういうことを複合的に考えると、私は、高品位な系統の電力と、デマンドレスポンスなどとリンクした、比較的フラクチュエーションがあって、周波数、電圧の変動のある、安い、かつ再エネ由来の電力の系統というのをある程度分けていくというのも一つの考え方としてあるのではないかということをよく政府の会議などで申し上げています。 Angry: 0.388 Disgust: 0.275 Fear: 0.505 Happy: 0.687 Sad: 0.313 Surprise: 0.635
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02:51:20 ~ 02:52:19 参考人(関根泰君)
すなわち、五十万ボルトの非常に周波数変動の低い産業向けの高品位な電力、これはずっとベースロードで動かすことができ、需要も、産業側からの需要というのはある程度読むことができます。こういったものをきっちりと産業用の電力として供給するグリッドがあり、一方で、晴れた日はよく電気が出て雨の日は余り電気が出ません、周波数もふらふらします、でも再エネで安いですよ、そして、六万なり六千六百という、比較的光路長は長く、低圧の回路のところだけで構成されているような低圧側の再エネ民生向けグリッド、こういうものが社会の中でそれぞれ併存し、必要に応じて高圧から低圧に潮流することはあっても、基本的には品位が違うので、ここは別建て。 Angry: 0.337 Disgust: 0.307 Fear: 0.541 Happy: 0.646 Sad: 0.396 Surprise: 0.526
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02:52:19 ~ 02:52:47 参考人(関根泰君)
二十四時間高品位にずっと走る、それも、例えばUSCのようなものや原子力のようなものでずっと安定に走るような産業向けの電力、それから、ガスタービンでうまく補いながらデマンドレスポンスで最大限カバーするような低品位な電力というのが両方併存してもいいのかなと感じております。長くなりました。以上です。 Angry: 0.483 Disgust: 0.390 Fear: 0.503 Happy: 0.550 Sad: 0.520 Surprise: 0.494
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02:52:47 ~ 02:53:09 参考人(浅岡美恵君)
ありがとうございます。安定供給を断片的に見るのではなくて、私が一番大事と思いますのは、二〇五〇年カーボンニュートラル、それは二〇三〇年に十分な削減があることが前提で、パリ協定に整合するわけです。 Angry: 0.510 Disgust: 0.416 Fear: 0.295 Happy: 0.701 Sad: 0.554 Surprise: 0.325
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02:53:09 ~ 02:54:09 参考人(浅岡美恵君)
それに見合った火力から再生可能エネルギーへの移行のプロセスが、何といいましょうか、移行計画がちゃんと事業者にも国民にもやっぱり示されていくと。今すぐ火力の八〇%が再エネになれ、そういうことを誰も考えてはいないわけですね。拡大していく、今はまだ二〇%もあるかないかというところです、例えば四〇、五〇、六〇と、二〇三〇年ぐらいまでに五〇以上にはしましょうねという声が高まっていると思いますけど、そういうプロセスをたどっていく中で求められる安定供給に向けた調整というものは、まずはどうしても必要なのは、先ほどありましたように、北本線のようなものはもう絶対早くやる計画を見せて、そして北海道で十分再エネ事業がやっていけますよと見せていくと。 Angry: 0.660 Disgust: 0.423 Fear: 0.515 Happy: 0.378 Sad: 0.403 Surprise: 0.425
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02:54:09 ~ 02:55:01 参考人(浅岡美恵君)
少し動いているかと思いますけど、そういう需要をちゃんと示せるような計画を早く出されていきますと、そうすると、そこは大変拡大していって、この十年ぐらいで相当めども立っていく、見通しが立つでしょうと。そういうことを、そのほか地域でも、まだまだ日本の再エネのポテンシャル自身が現在の電力需要を賄うには十分あるんだということは関係者は何度も何度も言っているわけで、うまく活用する方法で足していきますと。それらと必要な電力供給の需給バランスを取っていくための技術というのは、もう今まで世界中でやっている様々なことの経験から、日本でそのまま使えるものばかりではないかと思います、デマンドレスポンスも含めて。 Angry: 0.510 Disgust: 0.280 Fear: 0.437 Happy: 0.622 Sad: 0.371 Surprise: 0.537
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02:55:01 ~ 02:56:15 参考人(浅岡美恵君)
それらは、ちゃんとそのマネジメントする人を入れて、そういうビジネスも入れてやっていくと。ヨーロッパで本当に私感心しましたのは、そういう再エネをうまく活用させるための対ビジネスの人たちが新規に物すごく雨後のタケノコのように現れて、皆さん本当にやっていると。そういう機運をつくっていくようになさって、ちゃんとつなげられますという仕組みをつくる、そうすることで相当な部分は調整できます。それを合わせて、先ほどお話あるような電気自動車がそれに替わりますとか、それから、在庫が余る時期あればそれで水素に変えてまたそれを確保する方法をしますとか、そんなことも含めてやっていけるところがあると思います。それから、三〇年、四〇年、五〇年とつなげていく、要するに移行計画というものが今各事業者にも求められています。各事業者もいかに化石燃料依存からそれを再エネに変えていくのかという移行プロセスを株主に示さないといけないということが、あるいは投資家に示さないといけないということが今現実問題となっているんですが、国としても同じようなことをちゃんと示していく。 Angry: 0.425 Disgust: 0.392 Fear: 0.472 Happy: 0.591 Sad: 0.519 Surprise: 0.464
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02:56:15 ~ 02:57:34 参考人(浅岡美恵君)
そのときに、いや、絶対石炭火力こうして使うんですみたいな話を、アンモニア混焼しながら二〇三〇年、四〇年、五〇年使うんですみたいなことが入ってきますと、全くそれがもうどっち向いているのか分からないと。無駄なお金と時間を使ってしまうことになると、結局は世界の市場も本当に微々たるニッチ産業にしかならないと、そんなことが見えてくるのではないかと思います。ただ、日本で本当に今抱えている大きな問題は、もう何しろ新規の石炭火力を、もう一千三百万とか四百万キロワットとか、全く、これから動かすようなものを造ってしまったと、これは私は政策の誤りだと思いますけれど、これを守るがために、それを何とか利用するがためにすごく無理な、アンモニアを混焼しますみたいな、そして、さっき言われましたように、非常に使いにくい石炭火力として残しますみたいなことをすることはやっぱり大局的に日本の経済にはならないと、本当にどこかで見切らないといけないというふうに国民も理解する必要がありますが、先生方の方でもそういうことを十分検討していっていただきたいものだと願っております。 Angry: 0.494 Disgust: 0.349 Fear: 0.482 Happy: 0.427 Sad: 0.540 Surprise: 0.406
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02:57:46 ~ 02:58:06 市田忠義君
日本共産党の市田忠義です。浅岡参考人にお伺いをいたします。気候危機の打開というのは、それ自身が人類の生存や地球環境の現在と未来に関わる一刻の猶予もならない緊急課題だというふうに思います。 Angry: 0.498 Disgust: 0.335 Fear: 0.488 Happy: 0.530 Sad: 0.423 Surprise: 0.494
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02:58:06 ~ 02:59:12 市田忠義君
決して経済成長のためのものであってはならないと。ただ、脱炭素社会、再エネ、省エネをやれば、結果として地域経済の活性化につながるし、新たな技術の開発など、持続可能な成長が図られて雇用も生まれると。権威ある研究グループの試算によると、再エネ、省エネで年間二百五十四万人の雇用が生まれて、GDPは累積で二百五兆円押し上げるという試算もあります。しかし、世間には、脱炭素社会というところを、我慢しなければならないとか、経済が衰退するんじゃないかという心配もあることも事実だと思うんです。石炭火力や原発から再エネへの転換というのは大きな産業構造の変化を伴うわけで、雇用や地域社会での不安があるのはこれ私事実だろうと思うんです。 Angry: 0.380 Disgust: 0.305 Fear: 0.604 Happy: 0.475 Sad: 0.458 Surprise: 0.555
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02:59:12 ~ 02:59:42 市田忠義君
そういう点で、この脱炭素社会、再エネ、省エネとまともな経済の発展というのをどう見ればいいかですね。それから、それと関連して、構造転換を進めるためにはやっぱり政治的な決断が必要だろうし、社会的な支援が必要になると思うんですけれども、その関係について御所見があれば伺いたいと思います。 Angry: 0.447 Disgust: 0.260 Fear: 0.429 Happy: 0.674 Sad: 0.469 Surprise: 0.460
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02:59:42 ~ 03:00:08 参考人(浅岡美恵君)
ありがとうございます。私、経済自身はよく専門として研究するようなものでもございませんが、こうした議論を、COP2ぐらいからほとんど出ておりますので、そうした何を議論されているのかを見てまいりましたけれども、産業構造の転換がもうやむを得ないわけであります、ある意味で。 Angry: 0.494 Disgust: 0.294 Fear: 0.325 Happy: 0.706 Sad: 0.469 Surprise: 0.442
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03:00:08 ~ 03:01:10 参考人(浅岡美恵君)
それはいつの時代もあるわけです。今、脱炭素という時代で現れている形がもう既に、ほか、世界的に見ますと、もう十分、十年、二十年、姿が見えてきていると思います。それを、日本だけそれはしないということにはならないということはもうどなたも御理解だと思います。今問題は、それを早く進めようと、より早く進めようとするか。なぜ早く進めようとするかといいますと、それがソフトランディングに不可欠だとやっぱり考える政治的な判断があるからだと思います。遅れれば遅れるほどそれは困難を伴うと。そして、そこに大きな、雇用が変わる、会社の形も変わるから従業員に求められる能力も変わる、雇用自身も変わっていく、地域の姿も変わっていく。 Angry: 0.537 Disgust: 0.332 Fear: 0.543 Happy: 0.445 Sad: 0.421 Surprise: 0.529
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03:01:10 ~ 03:02:14 参考人(浅岡美恵君)
それは大変地域によって形がいろいろでありまして、一つの解決策は多分ないと思います。その地域の実情を踏まえ、その企業の特性も踏まえ、企業の生き残りも懸け、でも従業員たちの職を失わないために、あるいはその新しい雇用につなげていくために、本当にここ、その議論が大変盛んになりましたのはポーランドでありましたCOP24でしたか、その頃から本当に公正な移行というものが大きな議論になっていました、世界中で。こういう成功例がある、こういう経験があるというものをCOPの中でも本当に共有をしてきているわけであります。そこで感じるのは、大きな国の方針としてそれを踏まえることとともに、大変地域の特性に係る、それに目配りをしたきめ細やかな対策、支援が国として求められる。 Angry: 0.432 Disgust: 0.329 Fear: 0.547 Happy: 0.417 Sad: 0.454 Surprise: 0.526
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03:02:14 ~ 03:02:29 参考人(浅岡美恵君)
またそして、労働者の職業訓練や、さらに新しい雇用を生み出すための新規産業を育成していくと、そういう視点も求められるというふうに感じております。以上です。 Angry: 0.536 Disgust: 0.511 Fear: 0.501 Happy: 0.526 Sad: 0.464 Surprise: 0.464
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03:02:29 ~ 03:03:09 市田忠義君
引き続き浅岡参考人にもう一問だけお聞きしたいんですが、一問前と少し重なるかもしれませんが、結局、日本政府がそこまで石炭火力や原発にしがみつくのは、もうかりさえすれば後は野となれ山となれという、何というか、資本主義の本質と言ってしまえばそれまでですけれども、同じ資本主義でありながら、ヨーロッパなど他の国の政府や財界はこの気候危機への向き合い方が日本とはちょっと全然違う感じがするんですけれども。 Angry: 0.811 Disgust: 0.230 Fear: 0.467 Happy: 0.335 Sad: 0.211 Surprise: 0.478
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03:03:09 ~ 03:03:58 市田忠義君
それは、これまでもお話しになりましたけど、なぜ日本がそこまで原発や石炭火力に固執するのかと。もう本当に世界の趨勢から立ち遅れてでもそうしがみつこうとするのは、ヨーロッパの場合は、財界や必ずしもいわゆる左翼政権でないような政権でも気候危機への向き合い方が全然違うと思うんです。それは危機の捉え方の認識の弱さなのか、日本の資本主義はちょっとやっぱりゆがんでいるのか、その辺りはどんなふうに浅岡さんはお考えでしょうか。 Angry: 0.654 Disgust: 0.283 Fear: 0.555 Happy: 0.330 Sad: 0.317 Surprise: 0.501
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03:03:58 ~ 03:04:39 参考人(浅岡美恵君)
政治的な立場による見方もあるかもしれませんが、私がずっと感じてきているところでは、気候変動の問題は科学がベースにある問題で、将来が予測される、危機の将来がもう予測、見えるところにもう九〇年代からあるわけでありまして、それを踏まえてその国の経済をどうするかというのは、余り保守かそうではないのかということによって政策が大きく変わるということではない。 Angry: 0.602 Disgust: 0.300 Fear: 0.657 Happy: 0.327 Sad: 0.234 Surprise: 0.581
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03:04:39 ~ 03:05:01 参考人(浅岡美恵君)
少々早い遅いはありましても、それが今ヨーロッパの特徴。アメリカも、ある場面ではちょっと極端なときもありますが、基本的にアメリカのビジネスも、そういう将来を見ていけば、結局はどれくらい早いかぐらいの違いであります。 Angry: 0.313 Disgust: 0.242 Fear: 0.488 Happy: 0.674 Sad: 0.449 Surprise: 0.622
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03:05:01 ~ 03:06:20 参考人(浅岡美恵君)
その早さを、ヨーロッパの方は、いろんなやっぱり歴史的な経験なのか、より見る視点が早いのではないかと、長期を展望する視点が身に付いておられるのではないかというふうに思います。それに対して、日本がわざわざ悪いことをしようと思っているとは思いませんが、日本の場合は、それを変えることに大変ちゅうちょが多く、遅れれば遅れるほど問題が大きくなりまして変えることが難しくなると、悪い循環をたどってきたというのがこの二十年ではないかと思います。二〇〇〇年の初めから世界がそれなりに動き出したときに、日本は今までの電力の形を守ろうとする力が強過ぎたがために、改革の機会をある意味で見過ごし、失い、そしてその結果にまた縛られて身動き取れなく自分でしてきてしまったと。 Angry: 0.411 Disgust: 0.286 Fear: 0.598 Happy: 0.435 Sad: 0.414 Surprise: 0.579
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03:06:20 ~ 03:07:05 参考人(浅岡美恵君)
この反省は、やっぱりなぜこうなったのかの反省をしっかり評価をされて、その上に更に何かびほう策を続けるのか、いや、ここはやはり立ち止まって、本当に根本的からボタンを掛け直しするのが必要なのかと。その判断時期は、私は、もう遅いかもしれないと、二〇一八年のエネルギー基本計画のときが本当にそれが必要なときであったと、返す返すも見ていて残念に思うわけでありますが、そう言っていましても、座しているわけにもいきませんので、早くそういう目を持っていただきたいと思っております。 Angry: 0.430 Disgust: 0.221 Fear: 0.507 Happy: 0.273 Sad: 0.712 Surprise: 0.463
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03:07:12 ~ 03:08:34 会長(宮沢洋一君)
質疑も尽きないようでございますが、予定の時刻も参りましたので、以上で参考人に対する質疑を終了いたします。参考人の皆様に一言御礼を申し上げます。皆様には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただき、誠にありがとうございました。調査会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。本日はこれにて散会いたします。 Angry: 0.297 Disgust: 0.275 Fear: 0.331 Happy: 0.793 Sad: 0.547 Surprise: 0.493
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で、肝になるのは触媒です。 |
一つは、このグラフに書いてございます鉱物固定、鉱物固定というのはいわゆる天然の鉱物です。 |
それから、当然こういったイノベーションによって日本が豊かにならぬといかぬということでございます。 |
関根参考人。 |
すなわち、日本で現在、年に十億二千九百万トン以上CO2が出ているわけでありますから、もう六年分もないと。 |
こうした考え方は、科学に基づきまして、今世界の裁判所で、科学に基づくこの気候変動の影響は人権の問題だというふうに捉えられていることをお伝えしておきたいと思います。 |
この判決の後、アイルランドの最高裁判所も、翌年、削減計画がパリ協定に整合して、ものになっていないということで差戻しをいたしましたし、昨年はフランスでも同様の判決が出されているところであります。 |
一つは、二ポツにございます、カーボンニュートラルに向けた再エネ電力と、これを最大限に導入するにはどうすればいいかというお話でございます。 |
そういうことで、ちょっとその辺非常に危惧しております。 |
当然その中で日本のカーボンニュートラルに向けた動きということで、これも皆さん御存じのスライドかと思います。 |
最後、浅岡美恵先生に二点伺いたいと思います。 |
さらに、それを二〇三〇年までの大きな削減、石炭火力で物すごい排出があるわけですね。 |
それから、先ほどおっしゃった、じゃ、基礎研究レベルでのとんでもない発明なりが必要かというと、多分私はカーボンニュートラルにつきましては必要ないと思います。 |
それはもう当然目標を達成しないといけないので、それに携わる先生方は逆にそれに徹底していただきたいと。 |
ありがとうございました。 |
問題はコスト、効率というところでありまして、インセンティブがないところにわざわざ後ろにCO2を集める機械を喜んで付けようという人はいない。 |
製造業にとって火力発電は必要というようなお話もよく耳にします。 |
次に、ちょっと視点がずれてしまうかもしれませんが、関根参考人にお伺いいたします。 |
私の基本的なカーボンニュートラルに関しての考え方は、これはもう日本にとって絶好のチャンスですよと、ある意味ではですね、新しい産業がそこから生まれてきますよと。 |
他に御発言はありませんか。 |
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