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伊波洋一
参議院 沖縄
沖縄の風
1952年1月4日沖縄県宜野湾市生まれ。琉球政府立普天間高等学校を経て、1974年3月琉球大学理工学部卒業。同年宜野湾市役所入職。宜野湾市職労委員長、中部地区労事務局長を経て、1996年沖縄県議会議員に当選(2期)。2003年宜野湾市長に当選(2期)。県議会では県立子ども病院問題や平和祈念資料館問題などで手腕を発揮。宜野湾市長時代の2004年に米軍大型ヘリが市内大学本館ビルに墜落炎上。普天間基地の危険性を明らかにして3度の訪米要請行動を取り組む。行政IT化の実現、教育・福祉・医療の充実に取り組む。宜野湾市西海岸地域へ大型店舗・ホテル等を誘致。海浜公園へ「琉球海炎祭」誘致。外交防衛委員会、行政監視委員会、沖縄及び北方問題に関する特別委員会、国際経済・外交調査会に所属。これまでに北朝鮮・拉致特、政治倫理・選挙特、皇室典範特例法案特に所属
伊波洋一
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沖縄及び北方問題に関する特別委員会
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第208回[参] 外交防衛委員会 2022/06/07 15号
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ハイサイ、沖縄の風の伊波洋一です。
三条約については、特段異論ありません。
五月三十日の予算委員会で有田議員も取り上げた沖縄におけるPFAS汚染水の問題について伺います。
PFASは自然環境に存在しない有機フッ素化合物であり、発がん性など人体の健康への毒性が指摘されています。
国際的には残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約において、PFOSは二〇〇九年、PFOAは二〇一九年に製造、使用、輸出入が原則禁止され、PFHxSについても議論されています。
国内でも、二〇二〇年に環境省、厚労省が一リットル当たり五十ナノグラムをPFASの暫定指針値と定め、規制を強化しています。
配付資料一の五月二十六日の琉球新報のスクープでは、二〇一六年の米軍が普天間飛行場の基地内で実施した調査で、暫定指針値の五百七十六倍に上る二万八千八百ナノグラムのPFASが検出されていたことが判明しました。
これまで指摘されているように、沖縄のPFAS汚染は基本的にPFAS入り泡消火剤によるものであるとされています。
普天間や嘉手納では毎週のように墜落火災訓練が行われ、その都度、この泡消火剤が使われております。
もう五十年も前から使われている、これが原因であろうと思います。
六月三日、沖縄県環境保全課は、米軍基地周辺で実施したPFASの二〇二〇年の冬季調査結果を公表しました。
嘉手納基地周辺の井戸など七地点では、PFOSとPFOAの合計値が最大値で環境省の暫定指針値の三十八倍に当たる千九百ナノグラムに上りました。
二〇一九年四月の普天間基地周辺の住民に対する血液検査では、全国平均の四倍もの血中PFAS濃度が検出されました。
比謝川や嘉手納井戸群など、嘉手納飛行場周辺から取水している北谷浄水場の水を利用している中南部四十五万人の沖縄県民、特に子育て世代は、有害物質の混入が指摘される水道水を子供に飲ませるか、ペットボトルの水を購入するかの選択を迫られ、日々不安に苦しんでいます。
予算委員会で岸田総理は、検出状況の把握、毒性の評価など、最新の科学的知見を確認した上で、政府として県とともに何ができるのか考えたいと答弁しています。
検出状況の把握ですが、令和元年度と二年度調査で、嘉手納と普天間の周辺で暫定指針値を超える値が検出されたのは何か所ですか。
総理は毒性評価など最新の科学的知見をお知りになりたいようですが、令和二年度防衛白書には、「分解されにくく、人体や環境に蓄積して悪影響を及ぼすおそれがある」と記述されています。
毒性評価など最新の科学的知見について防衛省はどのように認識していますか。
米国では、国防総省が二〇一九年七月にPFASタスクフォースを設立して、全ての米軍基地に共通する、解決を要する国家的な課題としてPFAS汚染の問題に取り組んでいます。
国防総省のPFASタスクフォースの進捗、PFAS対処の状況について防衛省は把握していますか。
米国防総省のホームページによれば、研究によりPFASが健康に影響を与える可能性が指摘されており、PFASの健康影響について懸念がある者は医師への相談を推奨されています。
また、国防総省は、連邦クリーンアップ法にのっとり、PFAS調査とリスク評価によって順位付けを行った上でクリーンアップを行うということを明確にしています。
沖縄の米軍施設で米国防総省によってどのような調査がいつ行われましたか。
調査結果について情報提供を受けていますか。
米国が、国家的解決を要する、国家的な課題としてタスクフォースを行い、そして調査をして、七百近く調査しているのに、まあ沖縄、日本にはいっぱい米軍基地があるんですね、それをただ傍らで見ていてはいけないでしょう。
やはり、そういう意味では、国としても、当然その調査をさせて、そしてしっかり報告を受けるという形でなきゃいけないと思いますが、いかがですか。
ただいまの報告では、米国防総省のPFAS調査の概要とかあるいは状況について明確にされませんでした。
是非、委員長には、国防総省のPFAS調査の概要、汚染状況、クリーンアップの優先順位等、それらについて防衛省から理事会に報告することを求めていただきたいと思います。
沖縄県には、名護浄水場、久志浄水場、石川浄水場、西原浄水場、北谷浄水場がありますが、北部ダム水を使用している北谷以外の四浄水場ではPFASは検出されていません。
嘉手納基地の地下井戸群や、あるいは周辺の比謝川など中部河川水から取水している北谷浄水場の水道水から検知、検出されるPFASが米軍由来であることは明らかです。
岸田総理は、政府として県とともに何ができるかを考えたいと答弁されていますが、そんな悠長な話で済ませてはなりません。
何ができるか、やるべきことは明らかです。
まず、国の責任で比謝川や嘉手納井戸群などの取水を停止し、北部の国管理ダムからの取水に切り替えて安全な水を供給することです。
その上で、米国でも実施されている、懸念のある住民に対しては健康調査、具体的な血液検査で血中のPFAS濃度を測定すること、適切な医療を保障すること、最後に、真相究明を行い、米軍、日本政府の責任で湧水汚染の原因である土壌のクリーンアップ、原状回復を行うことです。
北部国ダムの取水への切替え、水の融通については、二〇二〇年三月の沖縄北方特別委員会で当時の衛藤沖縄担当大臣から、国も積極的に県と協議することを約束していただきました。
しかし、現在のところ増量はいまだされていません。
そもそも、県の水利権は日量四十三万トンですが、県が実際に使用しているのは三十七万トンです。
残りの日量六万トンの水について、国は環境行政や厚生行政の立場からも、県に対して北部ダム水を優先的に提供すべきです。
改めて、沖縄県に対し北部ダム水を優先的に提供できるということを確認していただきたい。
これは国としても積極的にやらなきゃいけないです。
昨年、今ちょうど福地ダム水からの導水路の工事が十一月から一月まで毎年行われています、東水系。
西水系の方の導水路ができるから水は来ているんですが、そこで心配しているわけです、半分の道しか使えないから。
それで、昨年十二月から漢那ダム、金武ダムからの増量を求め、そしてそれは即時に実現させました。
しかし、肝腎の福地ダムからの増量できていません。
それをしっかりさせていくこと、そしてその工事期間中も十分に水が取れるようにする。
つまり、県ダムや、あるいはさっき言った金武ダム、漢那ダムから水を取れるように、そこをためておけばできますので、是非改めてこの皆様方の対応をお願いしておきたいと思います。
さて、沖縄県のPFAS汚染から市民の命を守る連絡会は、今後、宜野湾市と金武町の住民に血液検査を実施し、結果を県と共有して問題解決につなげたいと言っております。
住民が実施する血液検査を国として支援し、結果を共有して問題解決を図るべきではありませんか。
資料の三の方に新聞記事がありますが、今言いましたように、現在、中部河川からは取っておりません。
ですから、そういう意味では、東水系の水の工事がまた十一月から始まります。
その際に再度取るかもしれないと書いてあるんですけれども、取らなくても済むように、つまり、汚染水を原水にしなくても済むようにやはり国としてもしっかり応援をしていただきたいということを申し上げて、終わりたいと思います。
よろしくお願いします。
第208回[参] 外交防衛委員会 2022/05/19 13号
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ハイサイ、沖縄の風の伊波洋一です。
条約案については、特に異論はありません。
日本政府が一九二三年に締結したワシントン海軍軍縮条約には、要塞化禁止条項が入っていました。
また、二〇〇四年に締結したジュネーブ諸条約追加議定書の第五十九条には無防備地区、六十条には非武装地帯の規定があり、外務省は前回、現在も有効だと答弁しています。
一般論として、当事国間で合意すれば、現在でも、ワシントン海軍軍縮条約のような島嶼の要塞化禁止や、ジュネーブ追加議定書の無防備地区や非武装地帯などの合意は可能ですね。
かつて我が国がそういう条約を持っていたということ自体をやはり理解していただきたいと思います。
林大臣は昨日、中国の王毅国務委員兼外相とテレビ会談を実施されました。
こういった機会を通じて中国への外交的働きかけを行うことは非常に大事だと思います。
この間の日本の安全保障政策は、外交努力が後退し、圧倒的に抑止力一辺倒に偏っています。
特に、二〇一三年に当時の米国オバマ大統領が米国はもはや世界の警察官ではないと宣言し、二〇一六年にトランプ大統領が在日米軍を撤退させると発言してから、何とか米国に見捨てられまい、米国が対中抑止に取り組んでほしいという思いから、安倍政権は日本版NSC、特定秘密保護法、安保法制、共謀罪法、菅政権は土地規制法など、様々な有事法制を強行制定してきました。
自衛隊による米軍防護、給油の拡大や集団的自衛権、自衛隊の基地の共同使用や民間空港、港湾などの米軍の使用など、米国に日本周辺での自由な軍事活動を認める様々な環境整備を行ってきました。
日本政府の米軍への貢献によって最大の被害を被ってきたのが沖縄です。
沖縄では、辺野古新基地建設の強行や自衛隊基地の建設など南西シフトが進められ、米軍機の夜間・低空飛行などの訓練は日常化し、環境汚染は放置され、米軍人等による犯罪や事故への対応も緩和され、新型コロナ禍ではノーチェック、検疫なしでの入国が放置されています。
日本政府は、県民の犠牲の下に、米軍にとって世界で最も都合の良い駐留、訓練場所としての沖縄を提供しています。
こうした米軍の対中国戦争の訓練活動による負担は、沖縄県だけでなく、今では九州、四国などの西日本にも及んでおり、やがてはミサイル配備なども含めて全国に広がっていくでしょう。
その頃には、安倍、菅元総理や岸田総理並びに林大臣を含め、我々も国政に関わっていないかもしれません。
しかし、今ここにいる私たちは、未来の子供たちに米軍最優先の演習場としての日本を残すことが本当に良いことなのかどうか、軍事ではなく外交によって緊張を緩和していくという他の選択肢を追求しなくてよいのかどうか、立ち止まって考えるべきです。
現在、日本は、失われた三十年という経済の低迷にあえいでいます。
中国との関係を軽視し米国との関係のみを重視するということは、経済的にも国益にかなうものではなくなっています。
財務省にお聞きします。
最新の貿易統計では、対米貿易、対中貿易、対アジア貿易はどのようになっていますか。
輸出入を合計すると、米国との貿易が一四%。
一方、中国は二三%、日本の全貿易総額の四分の一を占める最大の貿易相手国です。
本年の一月一日には、地域的な包括的経済連携協定、RCEPが発効しました。
RCEPについて今後どのような効果を見込んでいますか。
RCEPは、中国、韓国との初めての経済連携協定であり、今後、日本の貿易に大きなインパクトがあると同時に、東アジアにおける交流がより一層進展していくことが予想されます。
また、日中の経済関係は、日本にとって中国は最大の貿易相手国であり、中国にとっては日本は米国に次ぐ第二の貿易相手国です。
また、中国に進出している日系企業は三万三千拠点。
ジェトロの調査では、今後一、二年の事業展開を拡大と回答した企業は四〇・九%、第三国への移転、撤退を回答した企業は三・八%にすぎません。
日本政府は、日中の様々な懸案について、軍事力、抑止力のみで対抗しようとしています。
台湾有事への日本の自衛隊による軍事的関与は、日本の最大の貿易相手国である中国との交流を途絶えさせ、日本の国民生活、日本経済を困難なものにすることは明らかです。
また、沖縄や西日本の国民の生命は戦争によって危機にさらされるでしょう。
これらが果たして本当に国益にかなったものかどうか、真剣に考えるべきです。
日本と中国の間には、「すべての紛争を平和的手段により解決し及び武力又は武力による威嚇に訴えない」とする、一九七八年日中平和友好条約があります。
日中平和友好条約第一条第二項の規定について、外務省はどう評価していますか。
これは確かに国連憲章第二条第四項の文言をなぞっただけということかもしれませんが、五十年前の日中共同声明、そしてそれから六年を掛けて作った中で様々な議論がされています。
いわゆる侵略された、日本に対して果たしてそういう平和条約を作るべきかどうかというのは、中国の中できちんと議論されています。
そういう意味では、単なる国連憲章のコピーではない、国境を接し様々な問題を抱える周辺諸国との間にこうした約束があることは非常に重要だと考えます。
日中の間で武力による威嚇、武力の行使をしないということは、二国間条約で再確認した意義は決して小さくないと考えます。
日中平和友好条約について、外務大臣の評価はいかがでしょうか。
林大臣、今の答弁のようなことを具体的に実践をしていただきたいと思います。
現在のロシアによるウクライナ侵略は国際法に違反するもので、特に市街地への攻撃、非戦闘員である文民への攻撃は、国際人道法、ジュネーブ諸条約違反です。
ブチャやマリウポリを始め、ロシア軍による住民虐殺や強制連行は絶対に見過ごすことはできません。
国際的な調査による徹底的な真相解明と責任追及は必要不可欠です。
そのための支援に日本政府としても取り組むべきです。
中国は、現在、ウクライナ戦争をどのように対応していますか。
ウクライナ戦争に対して、中国には、国際社会向けの、建前かもしれませんが、公式見解を守ってもらって、国内向けの、ロシアに同調的な非公式見解に基づいた行動を取りづらくしていく、そして抑制していく、こういうことが重要ではないでしょうか。
ウクライナ戦争は、今後数か月、長ければ年単位で続くのではないかとも懸念されています。
日本と中国の間に様々な課題があることは承知していますが、もし仮に今後ロシアとその他の国々で世界が二つのブロックに分断されるようなことになっても、なるべく中国をロシア側に追いやらないこと、中国をロシア側に立たせないようにする努力が国際社会に求められ、日本外交としても一つの大きな目標ではないでしょうか。
ロシアと中国の二正面で日本が安全保障を取り組まなければならなくなるような愚かな外交政策を取るべきではありません。
林大臣、そのための中国に対する外交によるアプローチを求めたいと思いますが、いかがですか。
いずれにせよ、今、アメリカに引きずられて中国と戦争をするような日本にはならないよう、是非気を付けていただくことをお願いしたいと思います。
第208回[参] 外交防衛委員会 2022/05/17 12号
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ハイサイ、沖縄の風の伊波洋一です。
五月十五日、沖縄が一九七二年に日本復帰してから五十年を迎えました。
沖縄県は、現在、全国最下位に低迷する一人当たり県民所得の問題や、全国平均の二倍の子供の相対的貧困率の問題などを抱えています。
基地は県経済最大の阻害要因との認識が県民の間でも広く共有されており、基地の存在そのものが問題の一つの要因であることは間違いありません。
一九四五年の米軍による占領、一九五二年の施政権の分離により、沖縄県は二十七年間、米軍の施政権下に置かれ、特にサンフランシスコ条約による一九五二年の施政権分離後に沖縄各地で土地強制接収の嵐が吹き荒れ、住民を追い出して米軍基地が建設され、本土から海兵隊を中心に米軍部隊が沖縄に移転してきて、今日まで残る広大な基地が形成され、結果として、現在、国土面積の〇・六%にすぎない沖縄に米軍基地の七〇・三%が集中しています。
このことは、参議院ODA・沖北特別委の四月二十七日の委員会決議にも盛り込まれました。
この沖縄の基地負担の解消は、全国民並びに政府の大きな責任であることを指摘します。
今日でも、辺野古新基地建設の強行や、国益の名の下に住民合意のないまま推し進められてきた自衛隊の南西諸島への配備など、地方自治がじゅうりんされ、軍の論理が最優先にされる構図は復帰前と変わりません。
沖縄の問題解決、振興策は対症療法や利益誘導に終始しており、県民所得や子供の貧困などの問題の根本的な解決には至っておりません。
復帰五十周年について多くの県民の間で、素直に祝うことができない、日本は帰るべき祖国だったのか、という声があることを、政府は深刻に受け止めるべきです。
米軍基地や自衛隊基地は、平時の軍用機の騒音、米軍犯罪、環境汚染など、県民の暮らしに犠牲を強いて、県経済の阻害要因になっているだけではありません。
有事には軍事目標としての攻撃対象となります。
最近では、台湾有事は日本有事であると言われ、台湾有事に自衛隊が米軍とともに軍事介入し、南西諸島が戦場になることがあたかも日本の国益であるかのように語られるようになりました。
去る五月十一日、陸上自衛隊水陸機動団団長梨木信吾陸将補は、配付資料の長崎新聞のインタビューの中で、「「住民混在の中での戦い」は常に頭の中に入れておかねばならない。
」と語っています。
これは、離島防衛を任務とする自衛隊水陸機動団の内部で、住民避難が不可能であることを前提に、ジュネーブ諸条約の軍民区分の原則に反する戦闘が想定されているということです。
ジュネーブ諸条約では防御側にも軍民区分の原則が求められていることが理解されていないのではないでしょうか。
水陸機動団では、住民混在の戦闘、つまり住民を巻き込んだ戦闘を想定しているのですか。
沖縄戦では、本土防衛の時間稼ぎのための捨て石作戦として、日本軍の軍民一体方針の下、県民の四人に一人が犠牲になりました。
ジュネーブ諸条約、特に軍民区分の原則が自衛隊の中でも認識されているのか大いに疑問です。
防衛省は、台湾有事の軍事介入や南西諸島での戦争が多数の沖縄県民に被害を及ぼした沖縄戦の再現になるということにためらいを感じていないのでしょうか。
住民混在の戦いという発言が堂々とまかり通るのは、自衛隊の内部でジュネーブ諸条約の内容や意義が軽視されているか、理解されていないからではないでしょうか。
この梨木陸将補も防衛大学卒ですが、去る四月五日の本委員会での私の防大カリキュラムにジュネーブ諸条約が入っているかとの質問に対して、防衛省は、ジュネーブ諸条約などの国際法を遵守することは当然、防大でも文民の保護を含む国際人道法の教育は行っている、と答弁しています。
大臣、自衛隊内部で改めてジュネーブ諸条約を教育し直すべきではありませんか。
私は、この間、委員会で、特に南西諸島において、国民保護措置、とりわけ住民避難が有効に機能しないことを明らかにしてきました。
この水陸機動団団長の発言も、日本政府が本音では住民避難はできないと考えていることを認めたものです。
自衛隊は武力攻撃の排除に支障のない範囲で国民保護措置を取り組むというのが今の制度です。
国民保護措置の発動の前倒し、避難住民の輸送手段の確保など、現在の国民保護法制を抜本的に改正し、国民保護措置の実効を高めると同時に、やはり外交努力によって安全保障環境の改善、周辺諸国との緊張の緩和を図ることは必要不可欠です。
元衆議院議長で元自民党総裁、官房長官の河野洋平氏は、中国とどう向き合うかを特集した二二年四月の雑誌「世界」に、「外交の知恵を尽くせ国交正常化五〇年の節目を前に」と題してインタビューを公表しています。この中で、河野氏は、「新たな軍事拠点の整備に膨大なコストを費消していくのではなく、むしろ緊張緩和のため、日本側から積極的に、南西諸島を非武装地域としていく提案を行なってはどうか。当然、中国など関係諸国もこの地域での軍事的行動や挑発を一切行なわないことを約束する。そのことにより、この地域での軍事的衝突を永久に防ぐ」と提案されています。
こうした提案について、レクチャーに訪れた防衛省の職員は、南西諸島について、安全保障上必要だから自衛隊を置かせてもらっている、非武装地帯なんてあり得ない話だと、鼻で笑うような態度でした。
しかし、日常的に過重な基地負担を強いられ、有事には住民混在の戦場化とされるのではないかという強い危機感と隣り合わせの沖縄では、河野提案は真剣に受け止められています。
このことは日本政府としても強く認識していただきたいと思います。
一九二三年には日本政府はワシントン海軍軍縮条約を締結しました。
歴史の教科書などでは、主力艦の保有制限、十年間の建造禁止が内容と説明されていますが、同条約には島嶼の要塞化禁止条項が入っています。
要塞化禁止条項はどのようなものでしょうか。
政府が当時これを締結したいと、どのようなものだったでしょうか。
現時点で調べ切れないということですので、委員長、理事会に報告するよう求めていただきたいと思います。
このワシントン会議の加藤友三郎全権委員は、外交手段により戦争を避くることが目下の時勢において国防の本義なりと信ず、と記しています。
このように島嶼を非武装地帯にするという条約が歴史的な事実として存在していたことは、我々政治家を始め国民として共有すべきだと思います。
我が国が二〇〇四年に締結したジュネーブ追加議定書の第五十九条は無防備地区、六十条は非武装地帯の規定があります。
これらの規定はどのような条項でしょうか。
また、現在もこの条項は有効でしょうか。
はい。
河野洋平氏の南西諸島を非武装化していくという提案についても、日本政府として、外務大臣、真剣に検討すべきではありませんか。
第208回[参] 外交防衛委員会 2022/04/28 11号
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ハイサイ、沖縄の風の伊波洋一です。
昨年十月、沖縄県那覇市内において面識のない女性に性的暴行を加えようとしてけがを負わせたとして、那覇地検は十二月に米海兵隊の上等兵を強制性交等致傷罪で起訴しました。
女性の人権を踏みにじり、地域住民に恐怖を与える米軍人によるこうした事件に強い憤りを覚えます。
警察庁によれば、国内でこの十年間に認知された米軍人等による凶悪犯罪は、殺人一件、二〇一九年、強制性交等は十九件、一二年に二件、一三年一件、一四年二件、一五年四件、一六年三件、一七年三件、一八年一件、二一年三件でした。
沖縄県内でも、昨年来、米軍人等による性犯罪が相次いでいます。
戦後七十七年、復帰後五十年を経過してもなお、このような事件が米軍基地の集中により日常的に繰り返されています。
強く抗議します。
地元の沖縄県警のまとめで、一九七二年から二〇二〇年の四十八年間で米軍関係者の検挙件数は六千六十八件もあり、うち強姦や殺人、強盗、放火、強制性交罪、旧強姦罪の凶悪事件は五百八十二件発生しています。
一九九五年の九月の三米兵による少女暴行事件の発生後、身柄引渡しが大きな問題になり、日米合同委員会合意として、「合衆国は、殺人又は強姦という凶悪な犯罪の特定の場合」は、「起訴前の拘禁の移転について」、「いかなる要請に対しても好意的な考慮を払う。」とされました。
今回、当該米兵の身柄は起訴後に日本側に引き渡されました。
九六年に合意された起訴前の拘禁の移転は行われなかったわけです。
日米地位協定第十七条5項の(c)によれば、日本側が裁判権を行使すべき米軍人等について、被疑者の身柄を米側が確保した場合には、日本側が被疑者を起訴するときまで米側が引き続き被疑者を拘禁するとされています。
すなわち、十七条5の(c)が復活しているわけです。
この点、本件に関し、なぜ外務省は合同委員会合意に基づく起訴前の身柄引渡しの要請を行わなかったのですか。
外務省によれば、一九九五年の日米合同委員会合意に基づいて、これまで平成八年から平成二十年三月までの六件の事件について起訴前の身柄引渡しの要請が行われ、そのうち一件は米側に拒否されましたが、五件は起訴前の身柄引渡しが実施されています。
しかし、平成二十年、二〇〇八年の神奈川での強盗殺人事件を最後に、その後の起訴前の身柄引渡しは行われていません。
〇八年以降、外務省は合同委員会合意に基づく起訴前の身柄引渡しの要請を行っていないのですか。
冒頭お話ししましたように、この十年間で殺人事件一件、強制性交等が十九件、凶悪事件が発生をしております。
今回の事件については、事件の発生も公表されず、昨年十二月に起訴された際も公表されることなく、身柄が引き渡されたことも報じられていません。
この事件、一体いつ起訴され、引き渡されたのでしょうか。
米側との協議というのは、それは捜査の段階でしょう。
起訴したのは検察庁でしょう。
身柄を移管したのは皆さんでしょう。
なぜそのことを明らかにしないのですか。
起訴自体がプライバシーですか、あるいはその米兵の身柄の移管がプライバシーですか。
どうしてそういうことを理由にするんですか。
唯一、日米地位協定上の項目について好意的配慮を行う、あの九五年の少女事件のことによって合意された起訴前の拘禁の移転ですよ。
そのこと自体も何も話さない。
つまり、皆さんは、先ほど申し上げたように、既にこの拘禁の移転そのものも諦めているんですか。
日米地位協定の支障云々じゃないですよ。
起訴されたこと、事件が起こったこと、そして拘禁の移転が行われたこと、そのことをただ聞いているんですよ。
今のようなことすら答え切れないんだったら、米軍犯罪、どう起こっても何もかも分からなくなります。
これは、そもそもこの報道自体は、政府が報道した、明らかにしたわけじゃないんです。
これは、このとき事件起こったのに、民家の通報で警察が来て、容疑者も特定しながらという調査をやった、そんなことにすら話をできないということではおかしいですよね。
既に、そして十二月には、そもそも防衛省、防衛大臣や外務大臣は米側に強く抗議しているでしょう。
さらに、2プラス2協議でもそのことを外務大臣は申し入れているでしょう。
そういう意味で、私は思うのは、これは積極的にですね、この十年間十九件あったんですよ、積極的に合同委員会合意を日本政府が空文化、死文化させているような現状じゃないですか。
外務省の姿勢、問題ではありませんか。
私は事実を明らかにしなさいと言っているんですよ。
国の正当性がまた問われます。
さらに、女性の人権がこれほど踏みにじられたにもかかわらず、国としてやるべきことをやったとすら言えない、こういうことで本当に。
じゃ、日本政府は沖縄県民の人権、どう思っているんですか。
沖縄県民の人権より米軍を守っていく、米軍の日米合同委員会の話は何か守っていく、そんなことなんですか。
大臣、どのように考えていらっしゃいますか。
韓米地位協定では、二〇〇一年に身柄引渡しというものを判決後から起訴前、起訴後に変えました。
さらに、二〇一二年には、起訴前の身柄引渡しの障害となっていた二十四時間以内の起訴というものを、条件をなくして、早めに変えています。
政府として、二〇一二年五月の韓米地位協定の運用を把握していますか。
また、実際の事件において、この運用改善に基づき起訴前の身柄引渡しが行われた事例について把握していますか。
まとめますけど、今日の議論を通して分かったのは、一九九五年のあの少女事件で合意されたまさに拘禁の移転というものが、現実的には元に戻ってしまっていると。
それ以上に後退しているのは、事件の存在すら明らかにしない、そういう状況に我が国が今なっているということですよ。
そのことは重大な責任があると思いますよ、現の政府に。
だから、この間のこの米軍重視というものが沖縄は被害になっているわけです、とても。
そのことを深く、やはり外務省、防衛省、そしてまた内閣として、首相としても、岸田首相も考えてもらわなきゃいけない。
他国はちゃんと前進しているんですよ。
我が国は後退している。
そのことを指摘して、終わりたいと思います。
第208回[参] 政府開発援助等及び沖縄・北方問題に関する特別委員会 2022/04/27 8号
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ハイサイ、沖縄の風の伊波洋一です。
子供の貧困緊急対策事業について伺います。
沖縄県では、翁長雄志前知事のイニシアチブで都道府県レベルでは初の県独自の子供の貧困率調査が行われ、二〇一六年一月、沖縄県の子供の貧困率は全国平均一六・三%の二倍に上る二九・九%であることが公表されました。
こうした深刻な実態も背景に、国でも平成二十八年度から内閣府沖縄子供の貧困緊急対策事業をスタートさせました。
どのような事業でしょうか。
このような子供の貧困緊急対策事業によって子供の貧困の問題に光が当たり、支援員の配置や居場所の設置、専門的支援も広がって、貧困の中で孤立する子供が社会とのつながりを回復していることは評価したいと思います。
この事業によって子供やその親御さんにどのようなサポートが実現していますか、改善の事例を御紹介ください。
今年度で七年目に入るわけですけど、ただ、なかなか沖縄県全体で子供を取り巻く環境が改善されているようには見えません。
令和四年度予算でも、子供の貧困緊急対策事業が一億円増やされて十五億六千万円となっております。
そして、子供の居場所も設置の増加を図る予定です。
この事業によって、子供の貧困率の低下などの具体的な効果は検証されていますか。
この緊急対策事業は、主に、全国平均の二倍を超える子供貧困率が示すように、今支援を取り組まなければならないような状況に対して県並びに各市町村が取り組めるようにするものであり、子供の貧困率を下げるような、県全体の子供の貧困を解消するようなものではないということでしょうか。
現実に厳しい状況があるわけです。
それに対して、今、国の貧困支援事業で取り組まれておりますが、やはり子供の貧困の解消のためには、親の貧困の解消が不可欠です。
現在、沖縄県では、一人当たり県民所得や法定最低賃金も全国最低水準にあるなど、県全体の賃金の引上げ、稼ぐ力の向上が緊急の課題だと考えています。
大臣、親の貧困対策、県民所得の向上に向けてどうすればよいと考えていますか。
この子供の貧困緊急対策事業を取り組んでいる貧困対策支援員も、実際には非正規の会計年度任用職員で、低賃金、不安定雇用に苦しんでいると言われています。
親世代である支援員の皆さん方などにも適切な賃金水準と安定した雇用も提供していただきたいとも思います。
復帰後五十年たっても、一人当たり県民所得や子供の貧困が問題になっています。
沖縄では、基地は県経済の最大の阻害要因とする認識が広く県民に共有されています。
これまで沖縄振興政策に問題があったというよりも、基地被害や基地による都市の寸断による都市計画の困難など、米軍基地の重圧が振興を阻害していると言わざるを得ません。
日本政府も、基地は県経済最大の阻害要因という認識に立って、沖縄振興に向けた更なる取組をお願いしたいと思います。
さて、西銘大臣は、昨年十月五日の就任時の会見で、辺野古新基地の埋立工事に防衛省が本島南部からの土砂の使用を計画していることについて、所管外とお断りになった上で、あれだけの激戦地で、まさか、よもや、防衛省は今、あの南部の土砂を使うということはないというふうに聞いて承知しておりますが、それを考えても、遺骨が入ったものを埋立てに使うということは、一般論として、常識としてどうなのかなという思いはありますとお答えになっています。
私は、沖縄県出身の大臣としての極めて率直な御発言であったと評価しています。
所管外であることも十分承知しておりますが、防衛省が本島南部からの戦没者の御遺骨が交じる可能性のある土砂の使用を計画していることについて、改めて西銘大臣の所見を伺います。
今もそうですが、当時、現場を見れば、その場所が魂魄之塔のすぐ隣で、さらには北海道の塔やあるいは十都道府県の塔の囲んでいるその真ん中であるということを考えれば、常識的にあんなところから、穴を掘って、十メートルも二十メートルも三十メートルも深く穴を掘って鉱山にするようなことはあり得ないんですね。
私は率直な御意見だったと思います。
防衛省の辺野古埋立て工事の設計変更申請については、昨年十一月、沖縄県が不承認としたことで、防衛省は行政不服審査請求を行い、四月八日に国交相は県の……。
不承認を取り消しました。
現在に至るまで、防衛省は南部土砂を使用しないとは言っていません。
このような状況を、やはり私たちは県民の思いをしっかり受け止められる施政、国であってほしいと、このことを申し上げて今日の質疑は終わりたいと思います。
ありがとうございました。
第208回[参] 行政監視委員会国と地方の行政の役割分担に関する小委員会 2022/04/25 2号
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ハイサイ、沖縄の風の伊波洋一です。
国と地方の役割分担に関して、前回に引き続き、非常勤職員の官製ワーキングプアを解消し、任用と処遇の適正化を図るために、令和二年度、二〇二〇年度から導入された会計年度任用職員制度について伺います。
今日の地方行政は、六十二万を超える会計年度任用職員なしには成り立ちません。
前回、制度導入に当たって、令和二年度予算で実際の積算に基づいて千七百三十八億円、翌年度に六百六十四億円という交付税措置がなされたにもかかわらず、会計年度任用職員の四割が収入が変わらない、ないしは減ったと回答しており、勤務時間数を減らしてフルをパートタイムに置き換えたり、月例給を下げて手当を支給し人件費総額を維持したりするなど、不適切な事案が横行していることを指摘しました。
二千億円を超えるような多額な税金が会計年度職員の処遇改善のために交付税措置されたにもかかわらず、本来の目的に使われていないとすれば、とんでもないことです。
国の内閣人事局は、平成二十八年九月の国家公務員の非常勤職員に関する実態調査において六万人近い非常勤の期間業務職員一人一人に調査を行い、結果として、手当の支給率を一〇〇%近くまで引き上げました。
総務省も、内閣人事局が行ったような処遇改善につながるような調査を実施すべきです。
総務省が自治体の会計年度職員一人一人に直接フォローアップ調査をするか、あるいは内閣人事局が非常勤国家公務員一人一人に調査を行い、処遇を改善した事実をきちんと自治体に伝えて、あるいは調査票などを明記して、回答に先立って団体が必ず個々の会計年度職員の方から雇用実態を聴取することを求めるなど、処遇改善に結び付くような効果的なフォローアップ調査を実施すべきではないでしょうか。
二千四百億円もの財政措置がなされているにもかかわらずそういう結果、つまり、なされていると思わないでいただきたい。
きちんと調査をして、そうでないものは正していくと、そのことを是非求めていきたいと思います。
さらに、今年度、二〇二二年度は、会計年度任用職員制度が始まって三年目に当たる年です。
年度末にかけて、多くの現職の雇い止めと新たな公募が発生するおそれがあります。
現に存在する職を公募することは、多くの職員に不安を与えるとともに、会計年度職員に対するハラスメントの温床となっています。
公務非正規女性全国ネットワーク、はむねっとの調査によれば、三割を超える人が身体面での不調を、四割を超える人がメンタル面での不調を訴えています。
調査の個別回答には、職員からのパワハラがあっても更新に影響するため耐えるしかないとか、あるいは試験を受ける年度が近づくと不安でたまらないなどという悲痛な声が寄せられています。
不安定、低賃金雇用の官製ワーキングプアをなくすために任用と処遇の適正化を図る目的で導入した会計年度任用職員制度が、逆に自治体に雇い止めと低賃金の口実を与えてしまっています。
地方行政の担い手の四割近くを占める六十二万を超える労働者の尊厳を踏みにじるような扱いを国が放置することは許されません。
同一人物について、三回目以降の再任用は機械的に公募しなければならないということではなく、三回目以降の公募によらない採用も地方自治体の事務として認めるべきではありませんか。
問題なく継続的に働いてきたこれまでのいわゆる会計年度任用職員に、今皆さんの指導は、一律に公募に掛けるべきであるかのような指導をしております。
そうしますと、六十二万余の地方自治体の会計年度職員が本当に混乱しますよね。
ですから、自治体の現場では、公募で事務作業が増加して職員が疲弊したり、新たな別の職に置き換わることで知見の蓄積が妨げられ、公共サービスの質の低下を招いたりするような本末転倒な状況が生じています。
基本的には公募という総務省のスタンスが現場での混乱を招いています。
人事院は、非常勤国家公務員の任用に関する人事院規則第四十六条第二項第二号と平成二十二年八月の人材局長通知で、公募によらない採用は、同一の者について連続二回を限度とするよう努めるよう通知しています。
総務省のマニュアルの公募によらず再度の任用を行うことができるのは原則二回までとの記述とはニュアンスも異なるわけです。
もしどうしても公募によらなければならないとしても、せめてその職員の前の任期における勤務実績を評価して再度の任用に努めるべきではありませんか。
是非、この答弁の趣旨をしっかりとして、総務省の通知なりあるいは総務省の職員にもしっかり理解させていただきたい。
私たちは、単に法律に書いてあるとおりの通知をしていくだけでは解決しないと思うんですね。
私も宜野湾の市長をしておりましたので、当時嘱託とか、当然今はいろんな職種が本当に必要なんです、自治体には。
ほとんどがそれが今会計年度任用職員になっています。
継続しなければ、自治体行政なんかできないですよね。
やはり、今のような在り方で、本来処遇改善のために設けられた現状の会計年度任用職員制度が、このままもし六十二万人が一斉に公募に入るということになれば、もう自治体は本当に混乱しますし、それだけじゃなくて、その雇用比率が七六%は女性なんです。
その女性の生活困窮をもたらすことは確実です。
総務省としての意思をしっかり自治体に伝え、制度の適切な運用により官製ワーキングプアを解消することを是非約束していただきたいと、このように思いますので、いかがですか、副大臣は。
ありがとうございました。
是非そうしてください。
第208回[参] 政府開発援助等及び沖縄・北方問題に関する特別委員会 2022/04/22 7号
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ハイサイ、沖縄の風の伊波洋一といいます。
本日の加藤参考人、池上参考人、ありがとうございました。
私の方からは、まず加藤参考人にお伺いしたいんですが、いわゆるJICAも割と草の根的な民生やあるいはその地域の住民に密着した取組も、多くの日本のJICA派遣のメンバーたちを含めていろんな活動されていて、一つは、やはりそこで仕組みをつくっていく、その行政の仕組みやあるいは衛生の仕組みと。
私、沖縄におりますので、浦添市にはJICAの出先もございますし、行政の場には、いわゆる公衆衛生の研修とか、あるいはそういう意味でそこに来られる方々がまた視察をするということもございます。
今日、TICADということになると、割とその閣僚クラスが来たりして大きな話になっているようでありますが、現実に今のODAが、日本のODAが縮小していく中で、今我が国も価値観外交みたいなことをやっているような面もあるので、従来の、いわゆる一般の人々のため、地域のためという従来からやってきたJICAの様々な事業と、こういう、今先ほども議論ありましたプロジェクトとしてのものの間に何かあつれきはないか。
つまり、今後のそういうODAがJICAから見たらどういうふうに動いていくのかというふうに思っていらっしゃるか、お聞かせください。
先ほどのお話の中で、アフリカは二〇五〇年には、世界の人口なのか、一市場なのか、およそ四分の一を占めるということでお話をされました。
いま一度、その細かいことの話をしていただけませんか。
今度は、池上参考人にお伺いしたいと思います。
今お話ありましたように、二〇五〇年には二十五億人。
今のアフリカの、西部アフリカや中部アフリカの出生率は四・九人というふうに言われておりまして、本当に大きな、日本と比べたらすごく増えていくわけですけれども、私たちがアフリカを見ると、アフリカのイメージというのは、まあ昔の、ライオンもいるようなそういうサバンナやそういうところと違って、また、今、時々出る、本当に大都市は全く変わらない大都市があり、それから、そうでないところがある。
その、要は公衆衛生の面から見て、やはりその人口の増加とそれからその開発のアンバランスの中で、どういう、今取り組まれておられるプラン・インターナショナルなどの取組や、あるいはアジア開発協会としては、どんな視点でもってやっておられるのか、教えていただきたいと思います。
ありがとうございました。
再び加藤参考人にお伺いしたいと思いますが、アフリカは資源がいっぱいある国ですよね、地域ですよね。
それをめぐって、中国にしてもほかの国にしてもかなり進出をしている、日本も同様なことをやっていると思いますが。
今、TICADのこの資料、サマリー、二二年の主な要素の話を見ておりましても、どうしてもその日本の価値観といいますかね、つまり、そういう中でその主要国との交流をしていくという流れがきちんと書かれているんですが、もうちょっと、この開かれた経済の中で、日本の経済にとってアフリカの持つ意味あるいはその可能性、政治的というのは別にしてもですね、そして対等に経済で投資をしていく価値というのがどのように見ておられるのか、教えてください。
アフリカのことが十分分かっていないような感じで、情報が十分に来ないので、今日を機会にまたいろいろ学んでいきたいと思います。
ありがとうございました。
第208回[参] 外交防衛委員会 2022/04/19 10号
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ハイサイ、沖縄の風の伊波洋一です。
旅券法については、特に異論はありません。
今日も続いているウクライナでの戦争は最新兵器での戦闘がもたらす惨状を示しています。
配付資料①のように、政府が進める南西シフトは南西諸島での戦争を想定するものです。
そこで、沖縄県や南西諸島における国民保護について伺います。
本年一月、高知県で実施された令和三年度高知県・山口県・愛媛県国民保護共同実動・図上訓練の成果について、前回委員会で内閣官房から、高知県民六十九万人を県外避難させる想定で、現行の輸送力では二か月と見込まれていたところ、国の支援もあって、バス、航空機、船舶などによる輸送力を確保し、所要一か月まで短縮したという答弁がありました。
この訓練では、高知県が某国の攻撃目標であるとの想定でした。
高知県での訓練では、港湾や空港は自衛隊や米軍が展開に利用しない想定だったのでしょうか。
配付資料④、⑤に示してあります石垣島への武力侵攻を想定した防衛省による二〇一二年三月の機動展開構想概案では、「三週間経過した時点で、自衛隊法第百三条第一項の「自衛隊の行動に係る地域」(いわゆる一項地域)として先島諸島が対象地域として指定され、沖縄から先島諸島の間において民間定期航路の運航が停止されると仮定」すると書かれています。
これは、資料⑥の特定公共施設利用法の発動が想定されているのではないかと考えられますが、特定公共施設利用法とはどのようなもので、法律の効果として港湾や空港にどのような措置がなされると想定していますか。
機動展開構想の石垣島での自衛隊の訓練では、特定公共施設利用法の発動によって住民避難の想定を排除しています。
特定公共施設利用法を除外して、自衛隊等による港湾や空港の利用、施設利用の競合を考慮しないで国民保護法の住民避難訓練を実施するというのは、楽観的で非現実なシナリオであり、訓練としては不適切ではありませんか。
高知の例では、六十九万人の高知県民を避難させるのに二か月を一か月に短縮したということです。
沖縄県民の島外、県外避難については、県単独で実施する場合あるいはまた国が総合調整する場合のそれぞれでどのぐらいの時間が必要でしょうか。
試算はありますか。
沖縄県では、これまで実施されてきた国民保護訓練は全て大規模テロなどの緊急対処事態を想定したものであり、令和八年、二〇二六年に予定されているのも緊急対処事態を想定した訓練です。
沖縄県で二〇二六年に予定される訓練では、県民全体を島外、県外に避難させるという訓練や試算は行われるのでしょうか。
高知県では、過去三回の緊急対処事態を想定した訓練では県民全員を避難させることは想定されておらず、今回、武力攻撃事態等を想定した訓練を実施して初めて住民避難の課題が浮き彫りになり、それが貴重な教訓となったわけです。
沖縄県でも県民全体の避難を伴う武力攻撃事態等を想定した国重点訓練をより早期に実施する必要があるのではないでしょうか。
陸路での避難が可能な高知の例を人口比だけで単純に当てはめても、沖縄県単独では四か月、国が総合調整しても二か月掛かることになります。
沖縄県の場合、最低でも二か月程度の避難日数が必要です。
仮に武力攻撃が想定されるのであれば、事態の烈度、成熟度とは別に切り離して、住民の避難日数を考慮して最低でも二か月以上前倒しで武力攻撃予測事態を認定する必要があると考えますが、いかがでしょうか。
武力攻撃事態等の認定が国民保護措置の住民避難の日数などを考慮せずに判断されるのであれば、住民避難ができませんので国民保護は成立しません。
一方で、武力攻撃事態等が認定されれば先ほどの特定公共施設利用法が発動され、自衛隊や米軍が港湾や空港を利用することになり、港湾や空港が避難のボトルネックとなる沖縄県においては有効な住民避難ができなくなります。
事態認定とは切り離して国民保護措置としての住民避難を可能にするような国民保護法の抜本的な改正が必要なのではありませんか。
今の国民保護法のままでは沖縄県民、南西諸島の住民の命は守れません。
結局、事態認定と住民避難がリンクしていることが一つの大きな問題です。
また、基本指針で求められた宿題にも日本政府は一切取り組んでいません。
国民保護措置の実施に当たっては国全体で万全を期すと繰り返しながら、台湾有事で戦場となると政府が想定するような沖縄県、南西諸島では、住民避難、特に深刻な輸送機関の確保は沖縄県任せです。
しかも、武力攻撃予測事態等を想定した訓練を実施する予定もありません。
特定公共施設利用法の発動によって住民避難で港湾や空港の利用は自衛隊等と競合して大幅に制限されるなど、大混乱することが予想されます。
これでは沖縄県民の命は守れないのではないですか。
国全体で国民の保護を万全に期すと言うのなら国民保護法の抜本的な改正が必要です。
防衛大臣、政府内での国民保護法の抜本的な改正を提起すべきではありませんか。
住民を避難させるということは、ジュネーブ諸条約に求められるまでもなく、国民の命を守る、生命を守るという政府の責任です。
日本政府は、沖縄県民を避難させるという国家としての当然の責務を、責任を放棄しています。
国民保護法の抜本的改正ができないのであれば、住民が避難せざるを得ないにもかかわらず避難できないことがあらかじめ分かっているような離島地域、南西諸島、沖縄県に米軍基地や自衛隊の基地を集中的に整備し、新たな部隊を次々と配備する現状の南西シフト、南西諸島における軍備拡張の路線を見直すべきです。
大臣、沖縄県民の国民保護、住民避難が不可能であるという事実を踏まえて、南西シフトを見直すべきではありませんか。
はい。
今、着々と行われている南西シフトは戦争の準備です。
百五十万の住民をまた戦場に陥れる、そういうものになります。
国民保護が成り立たない世界で戦争はしないでいただきたい。
幾ら危機といっても、戦争やるなら場所を選んでください。
そのことを指摘して、終わりたいと思います。
第208回[参] 外交防衛委員会 2022/04/14 9号
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ハイサイ、沖縄の風の伊波洋一です。
前回に引き続いて、沖縄県や南西諸島における国民保護の体制について伺います。
基本指針の沖縄県の住民避難についての項目に明記された県外での避難住民の受入れについては、前回は明確な答弁がいただけませんでした。
日本政府に計画が存在するのであれば、南西諸島を攻撃する側も、別に殊更、県民を狙って攻撃してくるわけではない以上、県民がどこに避難できるのか事前に明らかにできない理由にはならないと思います。
本当は計画が存在していないのではないですか。
県外での避難住民の受入れの体制について、現時点で計画はあるのかないのか、明確にお答えください。
自衛隊施設、米軍施設等の周辺地域における住民の避難という項目では、「国及び地方公共団体は、避難施設、避難経路及び運送手段の確保に当たって、平素から密接な連携を図る」と書かれています。
しかし、日米共同作戦計画では、台湾有事における重要影響事態認定を受けて、南西諸島などの四十か所に米軍が展開すると言われています。
この米軍が展開する四十か所には、自衛隊の施設のほか、民間の空港や港湾も想定されます。
地方公共団体の国民保護計画では、離島の住民は空港や港湾から島外へ避難するという計画が立てられています。
例えば、宮古島市がホームページで公表している、平成三十一年三月作成、宮古島市国民保護計画では、住民は一旦待機場所に集合して、宮古島空港、下地島空港や平良港から避難をするという計画です。
南西諸島の各地方公共団体あるいは全国でもそのような避難実施要領のパターンが作られていると考えられます。
自衛隊施設の周辺地域における住民の避難の避難経路として、米軍や場合によっては自衛隊も展開することが予想されるような空港や港を住民避難に利用できるのでしょうか。
防衛施設周辺での住民避難についての国と地方公共団体の平素からの密接な連携はなされていないのではありませんか。
実際に平素からの連携が取れているのであれば、わざわざ武力攻撃の対象となり得る軍事目標である空港や港湾を避難経路として計画するでしょうか。
少なくとも米軍が展開する可能性があることが地方公共団体や住民に知らされ、住民避難の計画に反映されるべきです。
「避難に当たって配慮すべき地域特性」として列挙された離島、沖縄、防衛施設の周辺地域、いずれの住民の避難についても国は基本指針で求められた宿題をやっていません。
国民保護法は全く絵に描いた餅で、このままでは島々の住民の命は守れません。
先日の委員会では内閣官房から、これまでの国民保護共同訓練の実施に加えて、令和三年度より、新たに地域ブロック別に国民保護に関する検討会形式の訓練を開催するとの答弁がありました。
令和三年度より新たに地域ブロック別の国民保護に関する検討会形式の訓練を開催すること、このことはいつ決まったのでしょうか。
また、理由、背景はどのようなものでしょうか。
南西諸島の米軍新基地や、あるいは自衛隊配備の理由とされてきた安全保障環境の深刻化などとは余り関係なく、訓練の平準化や偏りをなくす目的でブロックの輪番制になっているということです。
同じく国民保護訓練について、令和八年度の国の重点計画を沖縄県で実施することを予定しているという答弁もありました。
これまで沖縄県では実動訓練は行われてきたのでしょうか。
今回の予定が初めてでしょうか。
令和八年度に沖縄県で実施するのはどのような訓練でしょうか。
令和八年度に予定されている訓練も、緊急対処事態を想定したものだと聞いて驚いています。
沖縄県でこれまで四回行われてきた訓練も、想定は緊急対処事態です。
内閣官房国民保護ポータルサイトでも、緊急対処事態とは武力攻撃事態に準ずるテロ等の事態と説明されています。
日本政府は、この間、県民投票で七割が反対をする米海兵隊の辺野古新基地建設計画や、地元合意のない離島への自衛隊のミサイル部隊配備などを強行してきました。
政府が県民の意思を無視して南西諸島の軍事的緊張を高め、台湾有事では南西諸島が戦場になるという中で、私は、では武力攻撃事態等に備えた住民避難の備えがあるのかとただしてきましたが、政府の本気度が疑われます。
沖縄県での実動訓練の想定が、武力攻撃事態ないし武力攻撃予測事態ではなく緊急事態であるというのは問題ではありませんか。
令和八年度の国の重点訓練を沖縄県で実施することを予定したというのは、いつ決定したのでしょうか。
それは九州ブロックで決めたことであって、国が決めたことではなかったということでも言えるわけですね。
米デビッドソン前インド太平洋軍司令官が、二〇二七年の第二十一回共産党大会までに中国が台湾に侵攻するおそれがあると証言して以来、政府・与党の皆さんは二〇二七年までに台湾有事が起きると盛んに繰り返しています。
しかし、そうであれば、沖縄県での訓練を二〇二六年度などと言わず、もっと早い時期に実施すべきではありませんか。
台湾有事を日本有事にしてはならないというのが私の意見ですが、二〇二六年度に緊急対処事態を想定しての訓練では、日本政府のアリバイづくりにしかならないのではありませんか。
本年一月十四日、高知県で、令和三年度高知県・山口県・愛媛県国民保護共同実動・図上訓練が行われました。
これについては、高知県が他国から武力攻撃されるおそれが生じたため、全県民を一か月掛けて県外に避難させるという想定が、リアリティーを欠き、いたずらに不安をあおるとして大きく報道されました。
この訓練が設定された背景、内容、また得られた教訓などはどのようなものでしたか。
一月の高知県での訓練は、高知県民約六十九万人を県外に避難させるために県単独で約二か月の時間を要するところ、国が総合調整して一か月に短縮することができたと聞いています。
沖縄県は、百四十五万を超える人口です。
これについて、引き続き次回以降、どのような形で避難をさせるのかただしてまいりたいと思います。
ありがとうございました。
第208回[参] 外交防衛委員会 2022/04/12 8号
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ハイサイ、沖縄の風の伊波洋一です。
辺野古新基地建設について、国土交通相が県の設計変更不承認を取り消したことに断固抗議します。
国土交通相は、四月八日、沖縄防衛局の審査請求を受け、県の辺野古新基地建設に伴う軟弱地盤改良工事の設計変更不承認を裁決で取り消し、承認を勧告しました。
沖縄防衛局による国交相への審査請求は、私人の権利救済を目的とする行政不服審査制度の濫用であり、内閣の一員同士による手続で県の行政処分を取り消す決定を乱発していることも、我が国の法の支配や地方自治、沖縄の自己決定権を不当に踏みにじるもので、絶対に容認できません。
そもそも、大浦湾の水深九十メートルに及ぶ軟弱地盤の埋立地盤改良工事は技術的に不可能です。
国交相の裁決は、技術的に確実性がないとも言えないと結論していますが、根拠は鑑定人の鑑定書一通しかありません。
二〇一九年、二〇年の委員会でも明らかにしましたが、大浦湾には水深九十メートルにも堆積する軟弱地盤が広がっています。
一般的に、埋立てでは地盤が沈下し、大浦湾埋立てでも十年で三メートルが沈下します。
羽田空港や関空と違い、埋立地の一部はシュワブの陸地であり、海底地形は起伏が多く、不均等な不同沈下が生じます。
ケーソンを設置しても、震度二、三の地震があれば崩壊する危険性も指摘されています。
見通しの不確実な工事を、動態観測ということで、沈下状況も経過観察しながら工事手法を工夫して何とか乗り切ろうとしています。
しかし、六千トンもの重量のあるケーソンが軟弱地盤による不同沈下を修正できるとは思えません。
このように、問題だらけの承認ありきの裁決を出した岸田政権には、改めて強く抗議します。
今回の不承認では、配付資料一の本田博利元愛媛大教授も指摘しているように、国が不承認を取り消しても、大浦湾側の工事に防衛省は着手できません。
是正の措置をめぐる裁判や国による代執行訴訟に進むしかありません。
長期に及ぶ訴訟になることは確実です。
今の時点で危険で困難な辺野古埋立てを断念すべきであるということを主張いたします。
国民保護法に関する二〇一五年十二月十九日付け、離島の住民の避難に係る輸送事業者の航空機や船舶の使用等についての基本的な考えについてでは、国土交通省は、輸送事業者である指定公共機関の輸送力を把握しておくと明記されています。
沖縄県が住民避難できる輸送力についての前回委員会での質問に対し、国交省は、指定公共機関のうち、沖縄と県外を結ぶ旅客の定期航路、海運については一社一便、定期便については航空業者七社で百十一便と沖縄県に情報提供していると答弁しました。
これは平時の船便、旅客便の輸送力ではないですか。
国民保護措置がとられるような有事の旅客便、船便の輸送力は把握していないということでしょうか。
前回の回答は、新聞を見れば、いや、ホームページを見れば各航空会社の航空便を見ればすぐ分かることですよね。
国交省は、有事に平時と同じ輸送力が期待できると考えているのでしょうか。
国民保護についての基本的な考え方ですから、当然、平時ではなく有事の輸送力を把握しなければなりません。
平時の情報では意味がありません。
改めて確認ですが、沖縄県における有事の住民避難に利用可能な輸送力について、国交省は把握していないのですか。
前回も言いましたけれども、把握をして、そして提供するというのが国の役割だと、このように思っております。
基本指針が全く生かされていないのではないでしょうか。
避難に当たって配慮すべき地域特性等には、離島の住民の避難に続いて、沖縄県の住民の避難についての項目が設けられています。
沖縄県の住民の避難については、次のように書かれています。
資料の六ですけれども、「沖縄県の住民の避難については、沖縄本島や本土から遠距離にある離島における避難の適切な実施のための体制づくりなど、国が特段の配慮をすることが必要である。このため、国は、九州各県をはじめとする地方公共団体との広域的な連携体制を整え、沖縄県及び沖縄県下の市町村と協力しつつ、次のような配慮を行うことが必要となるものである。」としています。
沖縄本島や本土から遠距離にある離島における避難の適切な実施のための体制づくりなど、「国が特段の配慮をする」ことが求められています。
これは、これまでの具体的にどのような特段の配慮を、誰に対し、いつ行ったのでしょうか。
先ほどの指針において、住民の避難について、「国は、九州各県をはじめとする地方公共団体との広域的な連携体制を整え」と明記されています。
国は、沖縄県民の避難についてどのような連携体制を整えたのでしょうか。
今は、沖縄県民の避難、つまり沖縄から安全な地域への住民の輸送、特に輸送手段の確保が困難であることを問題にしています。
二〇〇五年十月に締結されたこの九州・山口九県武力攻撃災害時相互応援協定は、大分県がホームページで公開しています。
配付資料七のように、あくまでも災害救援をモデルにした武力攻撃災害時の際の相互応援協定です。
この協定に基づいて他の九州各県が、指定公共機関や、指定地方公共機関である船会社や航空会社から船や飛行機などの輸送手段を確保して沖縄県に提供するということが予定されているのですか。
これらは、基本指針が求める「沖縄本島や本土から遠距離にある離島における避難の適切な実施のための体制づくり」という要請に応えていないのではないでしょうか。
避難の適切な実施のための体制づくりがなされていないのではありませんか。
国は、配慮の中に住民避難の受入れのことも指摘しています。
国はどこに何人の沖縄県民の受入れが可能なのか、あるいは百四十万人を超える沖縄県民の受入れ体制をつくっていますか。
具体的な避難先の受入れ計画はあるのでしょうか。
これまでも話をしてきておりますが、要するに、避難の指示は国がやるんですね。
避難の先も国がやるんですね。
その準備がなくて、いつ有事が起こるか分からないのに、そういうことで済むんですか。
つまり、ちゃんと、もうこれ何年も前の指針ですから、どうしてできていない、それで済ませるのかということを指摘して、終わりたいと思います。
ありがとうございます。
沖縄の風の伊波洋一です。
防衛省設置法等の一部を改正する法律案に反対の立場から討論いたします。
本法案は、宇宙、サイバー部隊の編成のために自衛隊定数を変更するとともに、在外邦人等の輸送対象者を拡大するなど、設置法等の改正を行うものです。
自衛隊の活動として、在外邦人等の輸送を行うこと自体に強い異論を挟むものではありません。
しかし、在外邦人の救出については様々な検討が行われ取り組まれてきましたが、国内での住民避難については自治体任せで、政府の視点から、視野からは全く抜け落ちています。
現在の防衛政策は、台湾有事に自衛隊が軍事介入することを想定した上で、与那国、石垣、宮古、沖縄島、奄美、馬毛島等の南西諸島に自衛隊を配備するとともに、米軍の臨時的な軍事拠点を受け入れることなどを内容とする日米共同作戦計画を中心とするものです。
自衛隊と米軍は、南西諸島の島々に低空飛行で進入し、ミサイル部隊を下ろして中国軍を攻撃し、短期間のうちに飛び去るという遠征前方基地作戦の共同訓練を繰り返しています。
政府は、米国の要求に応えて離島住民の反対を押し切って自衛隊基地の建設を行うとともに、沖縄県民多数の反対のある中で米海兵隊辺野古新基地建設を強行していますが、米国が日本を代理戦争に引き込むだけ引き込んで、自らが主体としては台湾有事に戦わないことは、現在のロシアにおけるウクライナ侵略への米国の対応を見ても明らかです。
南西諸島を戦場にするような日米共同作戦計画が着々と準備される一方で、南西諸島の住民の命をいかに守るか、具体的に紛争の影響が及ぶ前に島外や安全な地域に避難させるかという住民避難については自治体任せで、政府としての取組が見られません。
島内に避難先のない、確保できない狭小な離島において軍事力を強化しても、島外への避難以外に住民の命を守ることはできません。
現在の南西シフトでは、結局本土防衛のための捨て石作戦として島々の住民を巻き添えにした第二次大戦における沖縄戦の悲劇を繰り返すことになります。
不都合な真実ですが、アベノミクスによる経済的、社会的な破壊がとどめを刺した失われた三十年により、かつて経済力で中国を凌駕していた我が国は、経済的には中国に圧倒され、日中の国際的立場は逆転されています。
五十年前の日中国交回復以来、日中は問題解決に武力を用いないことを繰り返して確認しています。
日中外交の遺産を現代に生かし、外交によって日中の緊張関係をマネジメントする安全保障への政策転換が必要です。
離島住民の避難に政府として取り組むこと、さらには本法案をその一部とする、現在進められている軍事力による抑止力一辺倒の安全保障政策ではなく、外交中心の安全保障への政策転換を求めて、本法案への反対の討論といたします。
ありがとうございました。
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