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枝野幸男
衆議院 埼玉県第五区
立憲民主党・無所属
昭和三十九年五月栃木県宇都宮市に生る、東北大学法学部卒業、弁護士○行政刷新担当大臣、内閣官房長官兼沖縄北方対策担当大臣、経済産業大臣兼原子力経済被害担当大臣○日本新党候補者一般公募試験合格。新党さきがけ女性局長。旧民主党政策調査会長等。民主党政策調査会長等を経て幹事長。立憲民主党代表○衆議院憲法調査会幹事、予算委員会野党筆頭理事、憲法調査特別委員会理事を経て、決算行政監視委員長○著書『「小沢一郎日本改造計画」への挑戦状!』(共著)『それでも政治は変えられる―市民派若手議員奮戦記』『「事業仕分け」の力』『叩かれても言わねばならないこと。』『枝野ビジョン支え合う日本』等○当選十回(40 41 42 43 44 45 46 47 48 49)
枝野幸男
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第208回[衆] 国土交通委員会 2022/05/20 14号
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よろしくお願いします。
本題に入る前に、答えは要らないんですが、今、藤岡さんが指摘した努力義務の話なんですけれども、僕は、法制局が雑になっているなと、今回の件に限らずですね。
本来、法制局のところで、もうちょっと分かりやすく整理をした条文にしなさいとやるはずなので。
ということを委員会で枝野から指摘されたと担当の内閣法制局に伝えてください。
お願いします。
その上で、これも藤岡さんの話とちょうどうまくつながるんですが、既存建築ストックの問題を私は取り上げたいと思っております。
藤岡さんから、二十五万軒やるのも大変じゃないかという話が出た一方で、現在、住宅ストックが約五千万軒あるうちに、省エネ基準適合をしているのは一三%しかない、そして、二九%は、昭和五十五年基準にも達していない無断熱住宅だ、こういう実態があるわけでして、ここを省エネ水準を向上させない限りは、やはり効果は非常に小さい。
二十五万戸は困難なのも確かな一方で、二十五万戸進めたって大したスピードではないという現実だと思っておるのですが、やはりここを何とかしなきゃならないというのが私は大事だと思っているんですけれども、これは後の質問にもつながるので、国土交通大臣と経産省政務官から、短くで結構ですので、大事だよねという趣旨を共有しているかどうか、お答えください。
その上で、前回、一般質疑のときにも取り上げましたけれども、例えば、いわゆる既存の住宅に住んでいらっしゃる、古い住宅に住んでいらっしゃる方というのは、高齢の方である比率が高いし、比較的経済的にゆとりのない方の比率も高いというのは、統計などを見るまでもなくはっきりしているわけですので、そうした皆さんに、幾ら性能がよくなりますからと言ったって簡単にはできないというのは、これは間違いないと思うんですね。
かといって、実際に、今回、国土交通省、経産省、環境省、それぞれに、どういう支援をしているのという話をいろいろ聞いて、調べて出してもらったんですが、残念ながら、そういう皆さんが、分かった、これなら、うちはお金が苦しいけれども、高齢で、面倒くさいな、残り、あと俺の人生は何年だろうとか、そこで面倒くさい、今のままでいいじゃないかとかという人を動かすだけのインセンティブを与えられているかというと、僕は、残念ながら、そうにはなっていないと思うんですね。
ただ、その中でもできることがあって、公的賃貸住宅なんですよ。
公的賃貸住宅は別に持ち主の資産になるわけじゃないですから、ここに金をつけても。
そういう意味で、今、ここへの事業で、今後、年間五万戸の省エネ改修を公的賃貸住宅については進めるというのを国交省に事前のレクで報告をいただいたんですが、これでどれぐらい進むんですか。
もちろん、既存のものを壊しちゃって新しいものが建ってと、こういうことによって置き換えられていく部分もあると思うんですが、そうしたものを含めても含まなくてもいいですから、公的賃貸住宅は、例えば十年後には、さすがに公的なやつは全部この断熱基準を満たしていますというぐらいになるような目標じゃないといけないと思うんですが、いかがですか。
いや、だから、五万戸というのは分かっているので、これで何年ぐらいで全部建て替わるの、建て替えや改修が終了するのと聞いているんですよ。
全く答えていないです。
ちゃんと聞かれたことに答えてください。
そのストックというのは、要するに、公的、同種の賃貸住宅の中の二%余りですよね。
ということは、五十年かかるわけですよ、四十何年かかるわけですよ、今のペースでいったら。
それはちょっと違うんじゃないですか。
個人の住宅に税金をくっつけて改修しろというのがやりにくい、やりにくくとも僕はやるべきだと思いますが、やりにくいのは分かります。
でも、自治体とかURが持っているようなものについて、お金をつけてでもいいものにして、全体にとっての最大多数の幸福になるようなことなんだから、これは金をつけて全然おかしくないんですから、もっと高い目標を掲げて、金をつけるべきじゃないですか。
大臣、いかがですか。
是非これはお願いします。
特に、高齢者の住んでいらっしゃる方が多い古い公営住宅は、建て替えを一気にやろうとすると、そうした皆さんが一気に家賃が高くなって云々ということで、難しいいろいろな問題があるのもよく分かっています。
だとすれば、改修を進めることに、これでも家賃が上がる話を、本当は上げずにやって僕はいいと思うんですけれども、そういったところから、まず、特に省エネ効率ということと、住んでいらっしゃる方の健康にもいいわけですから、これは、やはり目標を決めてほしいと思いますね。
十年と言いたいんですが、十年とは言いませんが、せめて十五年ぐらいでは、公的な賃貸住宅は全部断熱水準を超えているというようなレベルぐらいを目標にして、高い目標かもしれません、予算獲得という上では。
でも、それぐらいの目標を掲げないと全く進まないんじゃないかと思います。
二%余りというのはさすがに低過ぎると思いますので、お願いします。
もう一つ、今度はちょっと逆方向なんですが、実は、改修で、大規模じゃなくても、とにかく今よりはよくなればいいんじゃないかと。
でかい金をかけてくれ、高齢の年金も少ない方に補助をつけるとかいったって、そうはいったって、何十万もかけてというのはなかなか難しい。
だから、できるだけ軽微なもの、いろいろ聞いてみたところ、私がこの質問に先立って経産省、国交省から聞いている話では、やはり住宅そのものの、建築物そのものの断熱性能を高めるものについては様々な施策がある。
それから、例えば、二重窓についてとか断熱ボードについてとか、建材についてはいろいろな制度があるというのが分かりましたが、しかし、そこまででも金がかかるとすれば、もっと安くてもいいから、できることをやってもらった方がエネルギー効率という観点からよくありませんか。
例えば、あえて言います、建物全体を断熱化することが望ましいと非常によく分かっています、本当に金をつけてやってくれるならそうしてもらいたいんですが、例えば、居室、昼間ずっといる、いわゆる昔でいう茶の間、居室とそれから寝室だけでも断熱性能を高めれば、それは恐らくエネルギー消費効率は物すごく高まると思うんですよ。
古い、しかも比較的広い家なんかもあるわけですよね、古い断熱されていない住宅、地方などに行くと。
でも、暮らしているのは、特に高齢者が、ほとんど茶の間と寝室と風呂とトイレだけ。
風呂とトイレまで含めればもっといいですが、居室を断熱化するだけでも大分違う、ですよね。
だって、ほかの部屋は、ふだんは人は出入りしていませんよ、年に、盆と正月に親戚が寄ってくるときだけですなんて部屋がたくさんあるところは、地方へ行けば山ほどあるわけですよね。
そこは断熱されていなくても、エネルギーの消費効率という意味では余り関係ないじゃないですか。
そうすると、建物の断熱をしなくてもエネルギーの効率が高まることはたくさんあるんですが、実は、そういうところについての支援とか、そこの性能を高めるとか、そういうのはありますか。
事前の話では、少なくともそういう話はなかったと私は認識しているんですが、それは、国土交通省と経産省、それぞれお答えいただけますか。
政府参考人で結構です。
今のように、建材で部分改修までは、一定、若干だけれども、ついた。
だけれども、実は、その先が欲しいなと思っているんですよ。
というのは、先ほどちらっと出ましたが、例えば、断熱性能を高めるペンキとか、それから窓に貼るシールとかですね。
つまり、実は、ここでずっと議論されているし、それから、いろいろな、それぞれの、二つ、場合によっては環境省を入れて三つの役所が進めているのは、非常に高性能の断熱性能を持っているものについて支援をします。
そうすると、相対的に高いわけですよ。
だけれども、例えば、窓にシールみたく貼ると断熱性能が高まる。
それは、窓を、後づけでも二重窓にしたりすることと比べれば、断熱性能は低いかもしれない。
それから、ペンキを塗るだけでは、断熱性能は、断熱ボードを張るよりは低いかもしれない。
でも、効果はゼロではない、一定の効果がある。
私自身が直接そういった話を聞いていたのは、自分が経産大臣のときとか、辞めた直後だったので、もう五、六年前の情報ですが、それでも結構な断熱効率があるという話は、その四、五年前のレベルでもありました。
もっと進むと思いますし、実は、ここは余り支援がされていないので、もっと支援をすればもっと進むんじゃないかと思うんですね。
繰り返しますが、私は、本当は、既存住宅の改修、いわゆる今一般的に言われている断熱の改修のために、相当な金をつけてでもそれを一気に進めるべきだと思いますが、予算的にもなかなか取れない、あるいは、個人の資産である住宅について資産価値を高めることになるわけだから、そこに金をつけるのは金をつけにくいというならば、窓にシールを貼って断熱効率を高めるとか、ペンキを塗って断熱効率を高めるとか、ほかにもあると思うんですよ、具体的ないろいろな手は。
私も、えっ、こんなことで、ペンキでできるのと、初めて見たときはびっくりしました。
そういったところで、軽微で低額で、ただし、断熱性能という意味では、二重窓とか断熱ボードみたいなものと比べたら、全然今の基準は満たさないですよ、今、支援の対象になっている。
こういうところをちょっと別枠ででも何らかの支援をしたり、普及促進をしたり、それこそ、住宅の資産価値そのものを高めるところにはならない、多分、ペンキみたいなものでも、シールみたいなものでも、何年かたったら性能はがたっと落ちるんだろうから。
それだけに、金をつけやすいと思うんですよね。
額も小さくて済むわけですよね。
それと、さっき言った、居室などに限定してそういうことをやるということだったらば、かなりの低額で、その代わり、今の既存住宅の三分の一ぐらいを一気に五年ぐらいでやりますみたいな目標を実現しようと思っても、金的には、金額的には僕は可能じゃないかと思うんですけれども、大臣、どう思いますか。
国土交通大臣から前向きな御答弁をいただいてありがたいと思いますが、これは、済みません、経済産業省にも、政務に来ていただいたし、省エネ部長にも来ていただいているのは、多分、経産省が頑張らないといけないと思うんですよ。
つまり、国土交通省の所管しているのは住宅、建築物ですから、建築物そのものの価値が変更されるような改築や、改築に至らないにしても、それなりの一定の改修であるけれども、さっき言ったとおり、二、三年で効果は途切れるかもしれない、弱まるかもしれないみたいな、そういったものは、実は、建築物や建材と言えるのかどうかというのは非常に境目みたいな話ですよね。
もしかすると、もっと簡便な方法で効果を上げるみたいな話の技術というのは、そこがビジネスになる、社会に貢献するとなれば、実は、いろいろな事業者がネタはあり得ると思うんですが、そこは、むしろ、いわゆる素材とかなんとか幅広い分野を担当している経済産業省、そしてエネルギー政策全体を見ている経済産業省がそういう技術を見つけ出して、そういう技術を後押しして、場合によったら国土交通省ともつないで、そこに支援をするみたいな話を経済産業省が相当大胆にやっていくということがあって初めて、なるほど、そういうことを使えば、改修にすら至らないかもしれないけれども、エネルギー効率は一定上がるよね、これなら金が安いから、既存の住宅のところでもかなりの件数をやれるよねみたいな話になっていくと私は思うんですけれども、いきなり政務官は気の毒なので、どうですか、省エネ部長、こういったことはもっともっと力を入れていただけませんか。
大変非常にいい答弁をしていただいたと思っていますが、これもお気づきだと思いますけれども、意外と小規模のメーカーが、一種の隙間産業みたいな感じで、自分の元々持っている技術、こういう応用ができるなみたいなことで、それで面白そうだなというようなネタをつくっているところは、私の知る限りではたくさんあるので、逆に、そこに、いわゆる改築のための建材の基準みたいなことを自力でやれと言われても、なかなかそこのハードルが越えられないので、実は、技術はあるんだけれども広がらないみたいな話が山ほどあると思います。
したがって、同じような水準を証明しますということをする力がないけれども技術を持っているという小規模事業者をどう支援をするのか。
これはまさに経産省が得意な分野なんですから、是非そういうところに力を注いで、繰り返しますが、本当は国が金をつけて、既存住宅もばっと改築すべきだと思いますが、それがいきなりできないのであれば、今みたいなことをやっていただきたいと思うので、今の省エネ部長の答弁を踏まえて、政務としてもしっかりやっていただけるということを御答弁いただければ。
お願いします。
是非、国土交通省そして経済産業省、連携も含めてしっかりやっていただくことをお願いして、質問を終わります。
ありがとうございます。
第208回[衆] 国土交通委員会 2022/04/20 10号
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よろしくお願いいたします。
大きく三つ、今日はお尋ねしたいと思っておりますが、まず一つ目には、脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律案、いわゆる建築物省エネ法等改正案についてお尋ねをしたいと思います。
これについては、国会召集時に国土交通省から御説明いただいた本国会提出法案の中で、検討中という御説明がありましたが、今もう四月の半ばでありますが、まだ提出されていない。
どうも、この一週間ほど報道を拝見いたしますと、ようやく取りまとめて、早期に法案を提出して、今国会中の成立を目指すという報道はなされておりますが、これについて、現状、検討状況、準備状況はどうなっているのか、まずは御説明ください。
大臣は環境大臣も御経験をされていますので、特に、建築物の省エネ化が二酸化炭素排出を抑制し、またエネルギー政策全体の構造上も大変重要である。
実は、発電量を増やさなくたって、蓄電と蓄熱で相当程度エネルギー消費は減らすことができるというふうに思っております。
今の政府のエネルギー基本計画でも、二〇五〇年にストック平均でZEH、ZEB標準の省エネ性能が確保されていることを目指すとなっていますし、そこに向けて、二〇二五年度までに小規模建築物の省エネ基準への適合を義務化するということになっています。
特に、小規模住宅に義務化するに当たっては、中小事業者の皆さんに十分な準備等をしていただかなければいけませんし、また、国土交通省としても、中小事業者がこれにきちっと対応できるような支援をしていただかなければいけない。
そうした意味では、一日も早くこういう法律の中身で進めるんですよということをお示しをいただき、また、国会等でも十分な議論をし、施行までに一定の準備期間を取るということが私は重要であるというふうに思っております。
この国会も延長は絶対したくなさそうな政府の姿勢が感じ取られますが、これはくぎを刺すまでもございませんが、国会で十分な審議時間を確保して、その上で、野党も含めて各党が納得できる手続の中で成立をさせるというのは、これは政府の責任でございます。
そうしたことを、トータル、もろもろ含めて、環境大臣経験者でもある斉藤大臣に、この法案の早期成立に向けた意欲、意思を明確にお示しをいただければとお願い申し上げます。
是非しっかりと進めていただきたいとお願いを申し上げますとともに、通告していませんのでお答えは場合によっては結構ですが、これは省エネということだけにとどまらず、結構大事なのは既存住宅だと思っているんですよ。
既存住宅の断熱は物すごく悪いですし、そこに住んでいらっしゃる方は高齢者の比率が高くて、高齢者の皆さんはヒートショックなどの健康上の不安もある。
高齢者が多いということになると、バリアフリー化のニーズもある。
そうすると、既存住宅を強制的に自分の金でやれというのはむちゃだというふうに思います。
私は、地場の中小の木工所、木工屋さんなどが潤う、地場の中小が潤う公共事業として、小規模な個人の老朽化した住宅の断熱化とバリアフリー化を一体にして、そこを例えば八割、九割国で面倒を見てもいいぐらいじゃないか、公共事業としてそういうことをやるべきではないか。
そうしたことによって、今示されている案では今回も既存建築物は一部入りますが、本当は、圧倒的に多い個人の、特に高齢者がお住まいの木造の古い住宅というところをしっかりと支援つきでどう進めていくのかというのが、エネルギー政策の観点からも、地場の中小の建築事業者に対する支援という観点からも、高齢化社会における高齢者の健康という観点からも、いろいろな意味で大事だというふうに思っています。
通告がないので御感想だけで結構ですので、大臣の見解をお聞かせください。
これは国土交通省だけでできる話じゃないと思いますが、政府全体として、いわゆる公共事業的な景気対策で、土木建築に金を同じ額を出すのだったら、こういうところに出した方がずっと多くの皆さんの福祉の向上につながるし、そして地場を支えていくことになるというふうに思いますので、是非前向きに政府を挙げた検討をお願いをしたいというふうに思います。
二つ目の大きなテーマとして、大宮バスタ構想についてお尋ねをさせていただきたいと思います。
国土交通省は、バスタプロジェクト推進検討会というのをつくって、令和二年九月に設置したそうですが、令和三年、去年の三月五日までに検討会を五回開催して、交通拠点の機能強化に関するガイドラインを取りまとめられました。
ここにいわゆるバスタプロジェクトが取り上げられているわけでありまして、これを受けて、国土交通省の関東地方整備局大宮国道事務所に、大宮駅西口交通結節点事業計画検討会というのがつくられました。
令和三年四月二十一日に第一回検討会を開催し、駅周辺の交通課題の確認を行った。
ここまで承知していますが、それから間もなく一年になりますが、少なくとも表面上は全く動きが見えておりません。
まずは、この国土交通省関東地方整備局大宮国道事務所における大宮駅西口交通結節点事業計画検討会の状況について、道路局長、御説明ください。
大宮駅は私の選挙区、地元の問題でもありますし、そうした観点からは、長距離バスの乗り場が分散しているというのは、これはこれで地元課題としては、それが改善されるということは歓迎すべきことなんですが、それ以上に、国全体というか、まさに国土交通省が検討している事業なわけで、国全体ということを考えても、大宮バスタというのは非常に合理性があると思っています。
御承知のとおり、北に向かう新幹線は、東京―大宮間は複線で走ってきますが、そこから複線で東北の方に、そして北陸、上越の方にということになります。
つまり、北から大宮に入ってくるのは複々線状態で入ってくるのが、大宮―東京間は複線になる、むしろ、量が多いところの方が線が少なくなるということになります。
実際に、私も実は経験したことがあるんですが、東京が大雪で新幹線ダイヤが首都圏が乱れたときなどは、大宮―東京間で新幹線が滞留をするみたいな話があります。
そして、地理的な動きから考えても、実は、例えば茨城県であるとか千葉県のかなりの部分のところは、東京まで行ってバスに乗り換えるよりも、大宮からバスに乗っていただいた方がずっと交通的には便利である。
場合によっては成田空港などについても言えるんじゃないか。
東北方面、あるいは上越、北陸方面から例えば千葉、茨城などに来られる方、場合によっては山梨も、最近、圏央道などの整備が進んでいますので、都内を通過せずに大宮でバスに乗っていただくというのが合理的ではないか。
逆も言えるわけで、そうした皆さんが東北や北陸、上越地方に向かうときには、大宮まではバスで来ていただいて、そこから新幹線に乗る。
そして、多分、これはJRの経営判断ですが、場合によっては、北から来た新幹線を大宮が終始発にしてしまうと、そこから先は、極端に言えば、例えば本数を半分に減らしても、そこから北の路線は倍つくれるわけですから、という意味では、資源の有効活用をすることによって、例えば都心を通過する人が減るということについて、それはいろいろな意味で都心に人がたくさん集まるということを減らすという効果もありますので、大宮のバスタというのは東日本全体の交通という観点からも私は非常に合理性がある話だというふうに思っております。
一方で、さいたま市は大宮グランドセントラルステーションプランというのをつくっておりまして、バスタ構想は国の事業ですけれども、バスタ構想以外の部分、大宮駅自体をもっと利便性をよくして北日本、東日本の玄関口としての機能を高めていこう、これはさいたま市が進めておりますが、西口に予定するバスタの計画も事実上は一体となって進めていくことがいろいろ工事その他も含めて合理的ではないかというふうに思っています。
先ほどの道路局長のお話を踏まえると、そうしたさいたま市で進めている大宮グランドセントラルステーション構想というものともしっかり連携しながら検討を進めているというふうに理解をいたしますが、だとしたら、国の方のバスタ構想がさいたま市の進めている大宮駅のセントラルステーションプランとしっかりと足並みがそろうような形で迅速に検討などを進めていただきたいというふうに思っているんですが、大臣には、私が申し上げた大宮にバスタというのは合理的ですよねということについての認識と、そして今後の検討についての大臣としての見解をお示しいただきたいと思います。
当事者なのでよく分かっているんですが、東京―大宮間の新幹線というのは、まさに六路線が分岐をする手前のところなわけなので、そこは複線でしかないわけなので、その複線でしかないところを、実は、大宮から東京に来るときに、上野東京ラインが通ったおかげで大変便利になって私も助かっているんですが、在来線の間隔と新幹線の間隔と、時間帯によってはほぼ変わらないというか、新幹線の方が間隔が短いぐらいではないかというぐらい、一種渋滞をしているという状況であります。
今はコロナ禍でありますが、コロナが落ち着いた状況では観光立国というのは我が国として考えていかなきゃならないときに、東北、上越、北陸方面には、あるいは長野方面にはたくさんの観光資源もあります。
そうすると、例えば、羽田に着いた外国人観光客は東京駅からそういったところに行っていただくニーズ、それから、場合によっては成田からは大宮から乗っていただくニーズ、ということをやれば、東京―大宮間の渋滞状況があっても本数を場合によっては増やせる、こういうことになるわけでありますので、是非、そうした意義がある、決して地元の課題だけではない、国全体としての戦略ということなんだということで、大臣もしっかりとウォッチをしていただきたいというふうにお願い申し上げます。
三つ目の課題、公共交通を中心に、コロナ禍における中長期的な支援の必要性ということについてお尋ねをしたいと思っています。
観光も含めて公共交通は、そもそも、人口減少などによって長期的に少なくとも国内需要は減っていくというのはもう避けられない状況の中、特に地方では過疎化が進むことで、元々経営状況が大変厳しい事業体が多かったわけであります。
そのことについても実はお尋ねをしたいのでありますが、まず、足下はCOVID―19の影響で大変深刻な打撃を二年以上にわたって受けております。
この間、交通事業者を対象とした支援、あるいは観光インバウンドの回復に備えた基盤支援、それから、業界横断的に、臨時交付金、雇用調整助成金の特例、資金繰り支援、様々な対策を取っておられることはもちろん十分承知をしています。
これについての使い勝手とか、あるいはもっと増やせとか、これもこれで意見はあるんですが、こういったことは多くの皆さんが指摘をされているので、今日は触れません。
これはいずれも短期なんですよね。
今の足下を何とか乗り切るというための施策です。
これはこれで、まず何といっても足下を乗り切らないといけないわけですから、一番最優先なのは分かりますが、もう二年たっています。
そして、今後の感染の状況は、それこそどういう変異が起こるか分かりませんけれども、何とかトンネルの先に少し明かりが見えるんじゃないかと多くの皆さんが期待している状況に入っています。
こうしたときに、先のことを考えざるを得ないし、考えるべき時期なんじゃないかというふうに思います。
この間、この二年余りの需要の落ち込みは、例えば一番極端なのは、僕は、航空産業の国際線。
ほとんどゼロに近い状況が二年続いているわけで、その間のマイナスというものは、二年分ほぼゼロに近かったというものが今すぐ回復したとしても、一年や二年ではとても取り返せませんよね。
国際線は、まだ一年とかそれ以上の時間がかかる。
下手をすると、本来の従来の水準までに五年ぐらいかかるんじゃないか。
そこからまた五年とか十年ぐらい長期にかけて取り戻していかないと、この間のマイナスはとてもじゃないけれども取り返せませんよね。
それが一番極端なのは国際線だと思いますけれども、元々体力のない地方のローカルな鉄道やバスの路線、あるいはタクシー事業者。
タクシーも、夜の遠距離の、飲んだ後みたいな話とかの、ある意味おいしい部分がすっぽりこの二年間抜け落ちているわけですね。
そうすると、実際にもう事業を続けられないというようなタクシー事業者が少なからず出ていますね。
何とか今もっているところも、少し需要が戻ってきたなということで、この間のマイナスを一年、二年で取り戻せるかというと、大臣、まずそのこと自体が無理じゃありませんか。
どう思いますか。
ありがとうございます。
だとしたら、そろそろ中長期的な見通しを事業者、関係者が一定感じられるような、そういう施策も示し始めなきゃいけないんじゃないかと思うんですね。
例えば、地方の中小の事業者の場合だと、この状況では、ずっと目の前のことを何とか切り抜けようと頑張ってきたけれども、とても元に戻せないから、じゃ、もう諦めるしかないかなというのが、逆に落ち着いてきたところで出かねないということを心配しています。
それから、先ほど申し上げた航空とかあるいはJRとかは大手ですから資本的には回るのかもしれませんが、実際には、先の見通しがなかなか立たないということで、特に安全に関わるような技術者の皆さんが退職していってしまったりとか、あるいは新規の採用がなかなか困難であるとか、こういう状態も現場から聞かせていただいています。
そうすると、大丈夫ですよ、国は、中長期的に見てこうした公共交通機関がちゃんと持続可能なようなことを考えて手を打ち始めているんだ。
全体像を完璧なものを示せとは言いません。
だって、感染状況だってこれからどうなるか分からないわけですから、それを示すことはできませんが、一定の中長期的な、つまり、五年、十年単位でしっかり支えていくんだということを示すそうした施策をそろそろ示し始めなきゃいけないんじゃないかと私は思っています。
例えば、資金繰り支援で政府系金融機関が危機対応融資をいろんなものをやっているのは承知しています。
これは、危機が解消したら順次返してもらうというところまでなんですよね。
でも、恐らく、あえて言えば、一定期間塩漬けしますよということを今の段階からお示しをしていただいて、この間これだけきつい状況なんだから、それは五年、十年は塩漬けしますよと。
どういうやり方がいいのか。
私は、議決権のない資本性の資金に転換する。
議決権を持たせちゃうと、民間の経営の独立性が失われるので。
というようなやり方があるかなと思うんですが、いずれにしても、もう返せる状況になったんだから、まだ経営的には厳しいのにちょっとずつでも返せと迫るよりも、何年間は塩漬けしますよ、こういうことを示していくべきじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
即答いただけないのはよく分かっているんですが、いろいろな業種で同じような問題が生じていると思うんですが、特に公共交通は、なくなったら困るという問題があるのと、観光の打撃が深刻だということ、日本のこれからの成長戦略を考えるときに、これも大事だということを考える。
そして、これは、多分、国土交通省限りではできない。
融資的なところは財務省等が最終決定権を持っているわけですから、今の段階から政府内できちっと議論をして相当進めておかないと、そういう状況になって慌てて政府内で検討を始めても、例えば、政府系金融機関を所管している省庁は、観光や交通だけそういうわけにはいかないよみたいな話が絶対出てきますので、そこは、大臣、しっかりとやっていただきたいというふうに思います。
今のと少し関連するんですけれども、観光なんですけれども、GoToの名前を変えるとか変えないとか、足下の話は結構です。
これはこれで大事なことだと思うんですが。
私自身の思いも含めて、恐らく多くの皆さんは、今、観光に行けるなら行きたい。
観光だけじゃない。
飲食もそうです。
飲み屋に行けるなら行きたい。
カラオケに行けるなら行きたい。
みんな行きたい。
だけれども、行って、感染のリスクはどれぐらいなんだ。
そこが障害になっているので、そこさえ外してあげれば、大丈夫ですよ、行っていいんですよということさえ言ってあげれば、実は、金なんかつけなくたって、行きたくてしようがない人は山ほどいるんですよ。
だから、今政府が発信すべき、特に観光という国土交通省の立場からすると、観光のためにはどういうメッセージが政府として出せるのか、行って大丈夫なんですということについてのどういうメッセージを出せるのかが一番大事で、今すぐは、実は金をつけなくたってたくさん行きますよ、そのメッセージがあれば。
むしろ大事なのは、金をつけてもらったから行きましたとか、あるいは行けるようになったから行きました、反動需要増ですね、これが一巡したときの反動減までちゃんと考えないと、観光産業も、コロナ禍は収まった、そこから一年間だけべらぼうに客が来て対応し切れません、だけれども、それが一巡したら今度は反動減でまた大変だという状況になったら、これこそ深刻じゃないですか。
貴重な財源ですから、どう使うかというのは、実は、足下のすぐのところは、余り金を使わなくたって、メッセージの発信なんですよ。
むしろ、需要が一巡したところをどう支えていくのか、こちらの方が大事だと思うんですけれども、いかがでしょうか。
是非、今日指摘した三点をしっかりとやっていただきたいと思います。
終わります。
ありがとうございました。
第208回[衆] 国土交通委員会 2022/03/30 5号
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立憲民主党の枝野でございます。
よろしくお願いいたします。
済みません、ちょっと通告外なんですが、大臣に、冒頭。
今日の会議のスタートのところで御発言がございました。
遺憾の意を示されましたが、今口頭で一回聞いただけなので、確認したいんですけれども、事が起こったのは斉藤大臣の下ですよね、事態が起こったのは。
しかも、国土交通省で、統計調査について一種の政治問題化をしている中での出来事ですよね。
前任大臣の下であるとか、それから、大臣のあずかり知らぬところで事務方が何か変なことをやりましたというのであるならば、遺憾を述べられるというのも分からないではないんですが、大臣の下で、しかも政治問題化していたテーマについてこうしたことが起こっているわけですから、ちょっと、遺憾という人ごと感のある御発言ではないんじゃないだろうかと。
斉藤大臣がいい方であることは長いおつき合いでよく知っているだけに、恐縮ではありますが、これはやはり大臣の個人の言葉としておわびをしていただく、そういう性格ではないでしょうか。
そういった御発言をいただいたことは多としたいと思いますが、是非、斉藤大臣がお優しい方だと一般的には我々見ておりますので、ここはやはり厳しく対応を省内においてしていただきたいというふうに思います。
一方で、これは聞きっ放しで結構ですが、福島中心に、広い意味では東日本大震災の余震と言っていいのかどうか、そこは技術的には疑問ですが、先ほども宮崎委員の質問にもありました。
あの十一年前の、私自身も官房長官としての経験からも、国土交通省、こうした災害のときの、特に地方出先の皆さんの御苦労と御奮闘と実力というものは私も高く評価をいたしております。
こちらの方は、是非、今回の地震に対する対応についても、大臣が特に現場の地方出先にしっかりとハッパをかけて、住民に寄り添った対応をしていただくように御指示をいただきたいと私からもお願いを申し上げます。
一応、御答弁いただきましょうか。
私の立場からも、是非よろしくお願いをしたいと思います。
では、今日の議題でありますが、所有者不明土地の利用の円滑化、これは私自身も責任の末端があると思っておりますが、遅ればせながら、平成三十年以降、ようやく動き出しました。
もう私自身が弁護士実務をやったのも三十年ほど前になってしまいますが、二年三か月しかやっていないんですが、その間に三、四件ぐらい、相続が三代、四代、登記がされていなくて、相続人を探すのに物すごい、私が苦労したというより、事務所の、事務局のスタッフで戸籍謄本、除籍謄本を追いかける優秀なメンバーがいてくれて、でもすごい大変な作業だったというのを記憶をしております。
そこから一世代、三十年過ぎているわけですから、当時の相続登記がされていないものが更にもう一代進んでいるわけでありますし、足下の空き家対策その他を考えたときには、これは遅ればせながらのスタートでありますから、どんどん迅速に進めていかなければならないというふうに思っております。
そうした中で、今回の改正案は、前向きな方向に進んでいく法案でありますので、基本的には歓迎をしたいというふうに思っておりますが、民法や不動産登記法を含めて、全体としてもっともっと進めていくべきではないかという観点から質疑をさせていただきたいというふうに思っております。
まず、今回の改正の中身に直接関わるところで、ちょっと細かいんですが、今回、朽廃建物等が存在しても、先ほど話があったとおり、まあまあ古くなってもうほとんど使い物にならない廃屋のような建物がある場合でも、特定所有者不明土地という対象になって、土地収用法の特例などが適用されて、地域福祉増進、利用のための一時使用権が設定できる。
このこと自体、一般論として大変結構なことだというふうに思いますし、一般的に見れば、朽ち果てて使い物にならない建物があっても、そこは、地域の福祉の増進に使えるんだったら、建物をぶっ壊して別の効果的な用途に使う、一時使用権を設定する、当然のことだというふうに思うんですが、問題は、その朽廃建物、古くて朽ちてしまった建物が存在して、それを取り壊すところの根拠が、残念ながら、ちょっと条文を読んでもよく分かりませんでした。
こういう聞き方をしたいと思います。
この場合の朽廃建物等を取り壊すのは、朽廃建物等の所有権そのものが、土地の一時使用権設定に伴って事業を行う者に移転をして、事業を行う者が建物を壊すのか。
それとも、一時的所有権、土地についての利用権が設定される時点でもう建物として滅失しているものなんだという認定をしているのか。
どっちなんでしょうか。
分かりました。
今、事前の説明という話をしていただきましたが、一番最初の説明では、建物の登記はどうなるんですかとお問合せをしたら、職権で廃止登記もあり得るというお答えだったんですが、それは間違いでいいんですね。
つまり、建物が登記をされている建物であるならば、事業者にその建物の所有権移転登記をして、その所有権を持った土地の利用者である事業者が建物を壊した段階で建物の滅失登記をする、これで間違いないですね。
事は所有権ですのでね。
一時使用権であるならば、知事の裁定で、福利の、福祉のために使うんだし、どうせ使われていないんだからということで若干アバウトなところが僕はあってもいいと思うんですが、所有権で、しかも壊しちゃうわけですので、ここは一定の厳格な手続がないと、壊してしまったら取り戻せないわけですから。
そこは丁寧な手続の整理を、もう一度きちっと法務省と詰めていただいて。
実際の現場の、実際に裁定するのは都道府県でありますし、混乱が起こらないように。
例えば、万が一にも土地の所有者、あるいは、ということは建物の所有者である相続人が百人ぐらいいて、そのうちの一人が、壊したのはけしからぬだなんという行政訴訟を起こされたらたまりませんから、そこのところは丁寧な手続を各自治体などにも徹底をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
よろしくお願いします。
さて、それで、今回の改正そのものと直接関わるわけじゃありませんが、やはり所有者不明で一番問題なのは、長期にわたって相続登記がされていないものだと思います。
もちろん、地籍調査が不十分であるとか、そういったことが理由になっているところもあります。
法務省も来ていただいていると思いますが、ここは、鋭意、できるだけ急いで進めていただいて、行政の方の事情で分かりにくい、調べるのが大変という事情は早く解消していただきたいと思います。
相続されて登記がされていないものというのは、先ほど言ったとおり、私が弁護士をやっていた時代から考えても三十年で、一世代分、もう一相続、百人いたとすればそれが四百人ぐらいになっている可能性があるわけですので、ここの解決を急がなければならないと思っています。
二代、三代と相続登記がなされていないために、今生きている人からすれば、おじいちゃんどころか、ひいおじいちゃん、ひいおばあちゃん、あるいはその上ぐらいの人の名義に登記簿上なっている、相続人が何人いるのかよう分からぬというような事情で、簡単に現在の共有所有者、相続人が追えないケースというのはどれぐらいあるんでしょうかね。
それが、例えば、先ほど所有者不明土地、全体像はなかなか分からないという話がありましたが、蓋然性という観点でもいいですから、どれぐらいの比率を占めているんでしょうかね。
なかなか全体像が分かりにくいんですが、逆のちょっと聞き方をさせていただけますか。
現行法の四十条で、不動産登記法の特例が規定されていますね。
事業主体からの求めに応じて登記官が法定相続人を探索し、その結果を登記しているというのは、私が事前に伺った限りでは、登記名義人の数で約八万人、筆数で約二十二万筆と聞いていますが、これでいいのかどうか。
そして、これでどれぐらい解決したことになるんでしょうかねというのが分かれば教えてください。
一定進んでいるけれども、全体が分からないのでどれくらいか分からないという、正直残念なお答えで、別に、これは現役の今の役所の皆さんが悪いわけじゃないので、仕方がないといえば仕方がないんですが。
というぐらい、多分、闇は深いというか、膨大な広がりを持っている可能性がある。
そして、何かというときに、先ほどありましたが、開発のときであったりとか、公共事業に使わなきゃならないとか、それこそ今日かな、今度審議に入る、例えば盛土、残土での災害を防がなきゃならないとか、いろいろな事情のところで慌てて調べても、簡単には調べられないわけですので、どうやって解決をしていくのかということが大事になっていくと思います。
その前提で、次のお尋ねをする前に、ちょっと確認させてください。
不動産登記法四十条の特例で登記官が法定相続人を探索するということは、登記官が戸籍謄本と除籍謄本にアクセスするということなんですが、これは、登記官は当たり前にできるということなんですか、それとも、どこか根拠法があるんでしょうか。
これでどんどん進めていただければいいなと思う一方で、事業者がこの法律を使えると、登記官があの面倒くさい相続人をたどっていく作業をやってくれる。
ところが、これに当てはまらないと、多分、当事者は戸籍謄本等を追えませんので、弁護士等に依頼をして、弁護士の職権に基づいて、戸籍謄本、除籍謄本を追いかける。
これは物すごい作業なので、三代、四代と未登記があると、自分のほかに誰が相続人だなと調べるのに膨大な金がかかるということになって、登記官がやってくれる場合と個人の負担のアンバランスがちょっとでかいかなという気がするんですけれども、これはどうでしょう。
法務副大臣、来て聞いていただいていますから、今後の検討として、突然、あなた、相続人ですよと言われて、実は持分は百分の一とかというような人は、その人の利益なのか。
つまり、追いかけられて、相続人だ、自分がこの土地の相続人の、しかも百分の一ぐらいの持分だと分かった人にとって、それはその人の利益なのかというと、実はそうではないケースの方が実態は大きいんですよね。
面倒くさいと。
判こを押して云々かんぬんと。
そうすると、一般的に、何代も相続されていない土地の相続登記をちゃんとするために、相続人を追いかけて登記をちゃんとしちまうということは、当事者、もちろん、その中の一部はそのことによって利益を得る人はいるかもしれないけれども、大部分の人にとっては面倒くさい手続に巻き込まれるという実感なので、そもそも公益なんじゃないか。
相続人を追っかけて、あなた、相続人なので、もう要らないよねというようなことを確認して処理しちゃうということ自体が僕は公益なんじゃないかと。
したがって、そのことについて、むしろ、登記官、法務局は、ノウハウを含めてちゃんとあるわけだし、権限もあるわけなんだから、どんどん進めていくということがあってもいいんじゃないかということは、ちょっと今後の検討をしていただきたいというふうに思っております。
さて、相続登記の義務化は令和六年度から、これは準備が要るので、スタートが遅れるのは仕方がないというふうに思っていますが、先ほど来の話で大体答えは想像つきますが、相続登記の義務化をしたからといって、所有不明土地、解消するんでしょうか。
どれぐらいの期間で、どれぐらい解消するという想定をしているんでしょうか。
そうなんですよね。
新たな相続が生じたところでの登記義務を課すということ、これは結構なんですが、例えば、そもそも三代、四代と相続登記されていない土地については、新たな相続が生じても、自分が所有者であるという認識自体がそもそも存在していないし、そのこと自体、法務局も分かっているわけじゃない。
戸籍謄本、除籍謄本をたどって初めて判明するわけだから、新たな、この人が死んだから、ここに相続が発生したということ自体が分からないわけなので、結局、過去に堆積している所有者不明土地については、先ほど来話をした四十条が適用される以外は、何も解決しないんじゃないですか。
もう一度、先ほど御説明された、この四十条以外に、どうやって過去の遡った分が解決の方向に向かうという手当てがなされているんですか。
お分かりになってお答えになっているので、苦しいんだろうなと思いますが、今でも、ここで誰か亡くなったから、この人の持っている土地について相続が発生したと本人も周辺も誰かが分かるならばいいわけですけれども、分からないわけですよね。
四代ぐらい前の、明治何年に亡くなられた人の名義になっている不動産、自分が相続人であるということを分からないし、自分が持ち主であるだなんて自覚がない。
生まれてこの方、そんなところの私は相続人で、地主だったんだという何の認識もない方が山ほどいるから、こういう問題が生じているわけなので。
残念ながら、今のお話だと、結局、登記義務を課しても、本人が、自分が相続人として、相続分、持分について相続を受けたんだという自覚がないわけだから、やりようがないわけだし、あえて言えば、ちゃんと登記しないならばペナルティーだって、やりたくたって、分からない、気づいていない人にペナルティーを科すわけにいかないわけですから、将来的にもそこには持っていけないわけなので、実は、何の遡っての解決にはならないということをどうしていくのか。
それが、今までと同じように、いざ事業、公共事業を含めて、事業が生じたときに初めて動き出したのでは時間がかかるわけですよね。
先ほど、不動産登記法、四十条の特例で、約八万人の登記名義人についてできましたと言っていますけれども、これ、どれぐらいの期間で判明しているか、分かりますか。
相当やはり、一週間や二週間で分かる世界じゃないですよね。
一年の内側か外側かって、一年といっても、二、三か月で分かるのと十一か月かかるのとでは、大分、事業の性質にもよると思いますよ、そもそも収用自体が困難な事業を進めるので、全体として何年単位でやるという事業もあるかもしれないけれども、例えば、この国土交通委員会でもこれまでのこの国会での審議で話に出ていました、通学路の安全のための、例えば交差点、拡幅するとか歩道を広げるとかみたいな事業は、それこそ何年計画で作ってもらっては困るわけで、本当に。
そうすると、それが十一か月かかります、十か月かかりますというと、もう年度が翌年に全部ずれていくという話になるわけなので。
そして、現実には、何代も重なっているところは、もうやはり一年かけても分からないのがあるということははっきりしているわけでありまして、なかなか、正直、簡単じゃないなというふうに思います。
聞きたいことはいろいろあるんですが、ここで政務にお伺いしたいと思います。
まず、国土交通省。
これはやはり、こういう所有者不明土地がたくさんあって、なかなか、今、民法、不動産登記法も、僕は努力していると思います、所有権絶対の原則の中で何とかそれを覆していこうと。
あるいは、過去に遡って、百年以上遡らなきゃならないようなことを処理していかなきゃならないって、物すごい困難、先輩世代からのある意味では負の宿題をしょっている中で頑張っているとは思いますが、しかし、やはりここを解決してくれないと、国土交通政策としてもなかなか物を進めにくいし、今回の法改正のような、国土交通政策としてやれることには限界がある。
やはり国土交通省として、もっと法務省に強くプッシュをして、両省一体となって、二代、三代と相続登記がされていない土地をどう早期に解消するかということに向けて努力をしていただきたいと思うんですが、国土交通省、お願いします。
そして、法務省、副大臣においでいただいていますが、これはなかなか法務省としても面倒くさくて後ろ向きの話だから、余りモチベーションが上がらないという感覚は分からないではないんだけれども、でも、実際に直面をしたときに、やはり現場は困るんですよね。
それは、公共事業の場合なんかはそうだし、民間の開発の場合でも、やはりそれで一年、二年と事業が遅れるというのは本当にばかばかしいことです。
是非とも、更に過去に遡ってどうやって解決するか。
簡単じゃないのはよく分かります。
簡単じゃないのはよく分かるし、やり始めたとしても、そこから多分十年、二十年単位でやっていかなきゃならないという世界だというふうに思いますので、だとすれば、できるだけ早く、更に遡って解決をしていくためのスタートを切っていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
前向きなのか、そうでないのか、よく分からない役所らしい御答弁をいただきましたが、御理解はいただいていると思うので、国土交通省の方としては、やはり法務省をせっついて頑張らせないと、なかなか国土交通政策的には、一つのとげだと思いますので、是非、国土交通省としても法務省をプッシュしてください。
そして、法務省は、まさに法務省が頑張るべきところで、ほかの役所はいろいろ関係があって何とかしてくれよと言うけれども、解決できるのは多分法務省しかないと思いますので、そこはやはり法務省として積極的に努力をしていただきたい。
やはり法の専門家の世界でないと、どう解決していくのかということができないし、やはり法務局、それから戸籍制度をちゃんと管理している、所管しているところじゃないといけないと思います。
単なる土地政策ということを超えて、国土の、土地の所有者をちゃんと把握できているのか。
その前に、住んでいる人、住民、国民を把握できているのか。
従来では戸籍制度のような制度とか、加えて、土地の権利関係をきちっと管理できている国は、これはもう二千年、三千年の世界の歴史を見ても、やはりちゃんと伸びている国はそういう国なんですよね。
やはり国が衰退していくときというのは、人の掌握もできなくなる、土地の掌握もできなくなる、これが国を衰退させていく原因になっている。
どっちが原因なのか分かりませんが、現象としては伴ってくるということですので、これは実は法務省の役割は非常にでかいということで、頑張っていただきたいというふうに思っています。
残りの時間で、今回の法改正での利用の対象ですが、再生可能エネルギーの発電設備が対象になるということは、エネルギー政策の観点から大変歓迎をいたします。
同時に、やはりこの種の設備については、周辺住民が強く反対するケースもあるのは間違いありません。
ここの折り合いをしっかり立てていきませんと、あえて言えば、太陽光発電などの再生可能エネルギーの普及にもマイナスになりかねないということになります。
現行法の十条五項ですかね、協議会の開催その他省令で定める方法により、住民の意見を反映させるために必要な措置を講ずることが努力義務とされています。
これ、努力義務だけでいいんでしょうか。
つまり、こういった努力をしないで、いきなりばあんと、公共性がありますといって、でっかい太陽光発電が町中にぼおんと造られ始めましたということでは困るんじゃないかなと思うんですけれども、いかがでしょうか。
では、その周辺住民って、現在のガイドラインでは、私がお聞きをした範囲では、例えばコンビニエンスストアのような小売商店を造る場合で半径五百メートルの範囲というガイドラインがあると聞きましたが、例えば発電設備なんかの場合はちょっと半径五百メートルじゃ狭いんじゃないのとか、これは地域差がありますわね。
都市部に造るのと山の方に造るのでは大分距離の感覚も違うんじゃないかなと思うので、こういうところのガイドラインを幅広に取るとか、こういったことが必要なんじゃないですか。
地理的限定しないというのは非常に、僕は、一種の合理性はあるんだけれども、逆に言えば、恣意的に狭くもできかねないというガイドラインの書き方になるわけです。
先ほど、その一つ前の御答弁で、反対運動がみたいなお話があったんですが、私は、要するに事前の根回し、段取りが大事なことだと思っているんですよ。
恐らくこの制度で大型風力発電は余り想定していないだろうと思うので、基本は太陽光になると思います。
太陽光の場合は、先ほど御質問あったとおり、使い古したパネルをどうするかという処理の問題、これは大きな課題ではありますが、いろいろな住民の方は意見はおありだったとしても、太陽光パネルをちゃんと設置するならば、住民の反対が生じる性格のものではないと私は思います。
理解をいただける性格のものであると。
ただ、問題は、知らないうちに何かいつの間にかでき始めているよと。
しかも、今度は、つまりこの法律によって、公共性のある福利性の高い事業として、一種、国と行政がお墨つきを与えて進める制度ですよと。
それを、何か知らないうちに始まって、本当に大丈夫なの、太陽光パネルってということになって、反対運動が生じることを心配しているんです。
ですので、きちっと早い段階で、かなりちょっと広目の皆さんに、今度こういうのをやりますけれども、太陽光パネルは、それは二十年前と違って使い終わった後の処理のことも大丈夫ですよとか、あるいは、これによる何か災害につながるようなことはしないでちゃんと安全に設置しますよとか、きちっと事前に広い人にお伝えをするということをちゃんとすることで、ネガを生じさせないということが僕は一番大事なことだと思っていますので。
多分、ここにも資源エネルギー庁をお呼びすればよかったかもしれませんが、よく資源エネルギー庁と相談をされて、早め早め、前倒しで広い住民の皆さんに御理解いただいて。
私は、空いている土地で、使われていない土地で、そこに太陽光パネルなどでいざというときに避難所などに対してそこからきちっと電気が供給されますよということになれば、災害対策という観点からも効果的だし、みんなの安心につながると思うし、私の立場からすれば、自然エネルギーの普及ということの観点からも大変大きな意義を持つと思っていますので、是非成功させていただきたいので、これは是非、経産省資源エネルギー庁とも十分協議をして、トラブルを起こさないような、事前のしっかりしたガイドラインを作っていただきたいんですが、最後にお答えください。
役所の方も是非しっかりお願いしたいし、副大臣の方もしっかりと監督をしていただきたいと思います。
是非成功させてください。
終わります。
ありがとうございました。
第205回[衆] 本会議 2021/10/11 3号
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立憲民主党代表の枝野幸男です。
岸田総理に就任のお祝いを申し上げるとともに、会派を代表して、私の所信の一端を申し述べながら、質問いたします。
冒頭、感染症で亡くなられた皆さん、御家族の皆さんにお悔やみを、闘病されている皆さんにお見舞いを申し上げます。
医療や介護の現場を始め、厳しい状況の中、御協力、御尽力いただいている全ての皆さんに御礼を申し上げます。
政治の最優先課題はコロナ対策です。
これ以上、リバウンドを許してはなりません。
私たちは、当初から、第一に、水際対策の徹底、第二に、PCR検査の抜本的な拡充、第三に、補償はセットということを繰り返し提案してきました。
自民党政権は、この二年近く、これを無視し、感染拡大が繰り返されました。
これまでの新型コロナウイルス感染症対策について、うまくいったとの認識ですか。
どこに反省すべき点があると考えますか。
具体的にお答えください。
多くの皆さんに無理をお願いして感染者数を減らしても、海外からより強力な変異株が入ってくれば、元のもくあみです。
政府は、九月に、最長十日間だった宿泊施設での待機期間を三日間又は六日間となるよう、対象国の指定を見直しました。
そもそもが、宿泊施設での待機を求められるのは特定の感染拡大地域からの入国者に限られており、これでは、また新たな変異株の流入を許しかねません。
私たちの政権では、宿泊や食事などの費用を国が負担して、全ての入国者を宿泊施設で十日間隔離します。
その間に三回のPCR検査を実施し、水際対策を徹底します。
昨年の初め、春節で多くの観光客が来日することに期待したのか、中国全土からの入国拒否に踏み切ったのは三月五日。
米国などが入国拒否を決めたのは二月上旬ですから、約一か月の遅れ。
完全に初動の失敗です。
このとき、総理は自民党の政策責任者でしたが、今、この判断をどう反省しているのか、お尋ねいたします。
コロナの感染は自覚症状のない方からも広がることがあるため、無症状に見える感染者の早期発見による隔離が不可欠です。
昨年三月に検査拡大のための法案を提出するなど、私たちは、PCR検査体制の抜本的な拡充と全ゲノム解析の推進を提案し続けてきました。
しかし、感染者が増えると濃厚接触者でさえ検査できないなど、検査体制はいまだ不十分です。
私たちは、新規感染者の周囲に幅広くかつ速やかに公費でPCR検査できる体制を整え、また、希望する人が短時間で安く検査を受けられる仕組みをつくります。
PCR検査の拡充について指示したことは、遅きに失したとはいえ歓迎しますが、所信も含め、具体策の言及はありません。
姿勢を変えた理由と、実施時期を含めた具体策の中身を御説明ください。
私たちの政権では、個人事業主やフリーランスなどを含む、収入が減って困っている事業者に、地域や業種を問うことなく、持続化給付金と家賃支援給付金を直ちに再給付します。
一度受給した事業者などへの再支給を含め、給付要件を緩和し、対象を拡大して、事業規模に応じた加算措置も行います。
住民税非課税の方や新型コロナの影響で収入が大幅に減収した方に、直ちに一人十万円を給付します。
加えて、低所得の子育て世帯に児童一人当たり五万円の給付金を再支給します。
総理が私たちの提案に近いことを言い出されたのは歓迎しますが、具体的な中身や実施時期は何も示されていません。
私たちが三月には法案まで提出して具体的に提案してきているのに、これを審議拒否してきたのは自由民主党です。
八月上旬には、予備費でいいから、総選挙前に補正予算を成立させ、支援を急ぐよう提起したのに、これにも応じませんでした。
選挙日程を考えると、今からでは補正予算の成立は早くても二か月近く先になり、間に合わない人たちが多々出てしまいます。
選挙後の補正予算を待つことなく、まずは残り二兆五千億程度の予備費について、急ぎこれを事業者、生活困窮者支援に充て、できるところからでも直ちに執行すべきですが、いかがでしょうか。
九月上旬には、自宅療養者が全国で十万人を超える状況となり、中等症でも入院できない方が多く出ました。
十分な治療を受けられないまま自宅などで亡くなる方まで出たことは、自民党政権の失敗と言わざるを得ません。
反省の思いはないのか、お尋ねいたします。
ワクチンは、七月以降、需要に供給量が追いつかなくなり、集団接種の中断や予約受付停止が相次いで、政府の想定の甘さと説明不足が大きな混乱をもたらしました。
このプロセスを、河野前担当大臣のように、百二十点だったと自画自賛されるのか、お答えください。
この間の対応は、根拠なき楽観論に立ち、司令塔不在で混乱しました。
私は、自らが官房長官として直面した東日本大震災と原発事故の経験と教訓から、危機管理においては、最悪の事態を想定すること、そして、情報を集約して整理し総合調整する司令塔機能が重要であることを繰り返し指摘してまいりました。
私は、総理直轄で、官房長官を実質的なトップとする強力な司令塔を、初閣議で直ちに設置いたします。
その下で、省庁を横断した事務レベルの連絡調整会議などを設け、迅速で一体的な危機管理体制を確立します。
所信で、最悪の事態を想定すると言い出しましたが、これまでの根拠なき楽観論を反省しているということでよいのですね。
司令塔機能強化についての言及もありましたが、具体策は示されていません。
これまでのどこに反省点があり、いつまでに何をどう改めようとしているのか、具体的に御説明ください。
特に違和感を覚えてきたのは、専門家による分科会が開かれる前に、政府としての方針が伝えられてきたことであります。
政治判断ありきで、専門家に忖度を強いることになりかねない手順は、科学性や客観性を軽視するものです。
私は、専門家による科学的な見解を踏まえて政治が最終判断を下すという本来の姿を取り戻し、科学的、客観的なコロナ対策を進めてまいります。
長引くコロナ禍は、日本の経済に様々なひずみをもたらしています。
外需を中心に好調な業種がある一方で、人の移動や対面サービスなど内需関連の多くの分野では苦しい状況が続き、極端な二極化が進んでいます。
国内消費を回復させるため、既に述べた緊急支援に加えて、住民税非課税世帯を始めとする低所得者の皆さんに年額十二万円の現金給付を行います。
個人の年収一千万円程度まで実質免除となる、一年間の時限的所得税減税を行います。
税引き後所得に逆転現象が生じることがないよう、免除額に傾斜をつけます。
外食や観光、文化、イベントなど、特に売上げが大幅に減った分野で、当たり前の日常に近い消費行動が可能になる時点を見据え、税率五%への時限的な消費税減税を目指します。
約九年近く続いた安倍、菅政権の経済政策、いわゆるアベノミクスは、株価こそ上げましたが、経済全体の半分以上を占める個人消費は冷え込んだまま。
潜在成長率も低下し、期待された効果は生じていません。
総理の言う新しい資本主義も、アベノミクスとどう違うのか、抽象的で具体性に乏しいことを残念に思います。
総理は、アベノミクスをどう評価していますか。
アベノミクスの何を引き継ぎ、何を修正するのですか。
端的にお答えください。
バブル崩壊から三十年近く。
経済成長を妨げてきた主な要因は、国内消費の低迷です。
将来不安が大きいために、財布のひもが固く締められていること、そして、格差と貧困の拡大、固定化で、お金がなくて消費できない人を増やしてしまったことが原因です。
総理の言う成長と分配の好循環というのは、たしか安倍総理のときもおっしゃっておりましたし、そもそも一般論にすぎず、今の日本には当てはまりません。
適正な分配が機能せず、将来不安が広がっていることと相まって成長を阻害していることが最大の問題なのに、成長の果実を分配するのでは、いつになっても好循環は進みません。
好循環の出発点は適正な分配にあると考えますが、いかがでしょうか。
私たちの政権では、分配なくして成長なし。
公的な支え合いの強化によって将来の不安を小さくし、格差を縮小して貧困を減らすことで、消費の拡大による経済成長を実現して、一億総中流社会を復活させます。
私たちは、最大の経済対策として、命と暮らしを守る上で欠かせない基礎的なサービス、いわゆるベーシックサービスを、全ての皆さんに保障できるよう充実させます。
良質なサービスを十分に提供するため、介護職員や保育士、看護師を始め、コロナ禍で不足が明らかになった保健所や、長く人手不足が指摘されてきた児童相談所や労働基準監督署など、大胆に増員増強します。
予算を重点配分して、原則として正規雇用とし、例えば保育士については当面月額五万円の増額を目指すなど、賃金を引き上げます。
必要なときに必要なサービスを誰もがためらうことなく受けられるよう、窓口負担を適正化します。
雇用の安定と賃金の底上げを、全ての働く皆さんへと広げていきます。
中小・小規模事業者を中心に公的助成をしながら、時給千五百円を目標に、最低賃金を段階的に引き上げます。
派遣法などを見直して、希望すれば正規雇用で働ける社会を取り戻します。
雇用類似の形態で働く皆さんの命と健康を守るため、必要な労働関係法などを適用できるようにいたします。
環境・エネルギー分野や、医療・介護分野、農業・観光分野などで、地産地消を進め、地域のニーズに応じた新たな地場産業をつくり出します。
地方国公立大学の機能を強化します。
基礎研究を重視し、ポスドクや大学院生の処遇改善、女性研究者比率の引上げなどに配慮しながら、公的助成を拡充し、中長期的な視点に立った研究開発力を強化いたします。
国立大学への運営費交付金を増額し、大学財政を健全化します。
所得税の超過累進税率は、上限が四五%で頭打ち。
実際の税負担率を見ると、所得が一億円を超えると、高所得者ほど負担率が低くなっています。
これは、株式譲渡所得を始めとする金融所得が原則二〇%の定率分離課税となっているためです。
私たちは、勤労意欲の減退や人材の海外流出などの懸念にも十分配慮しながら、段階的に所得税の累進性を強化します。
まずは、最高税率を五〇%に引き上げます。
金融所得についても、国際標準である三〇%を視野に、まずは遅くとも令和五年度までに原則二五%まで引き上げ、将来的には総合課税化します。
金融所得課税の強化について、総裁選挙では一億円の壁を打破するために見直しが必要であると言っておられましたが、所信での言及がなく、テレビでは事実上否定してしまいました。
見直しの必要だけなら、これまでの自民党政権でも六年前から言ってきていることです。
いつまでにどうするのか、総理としての方針を具体的にお答えください。
企業の利益を増やして賃金を上昇させようと、法人税の実効税率が約五%引き下げられ、租税特別措置が大幅に拡充されてきました。
しかし、実質賃金は下落傾向にあり、失敗は明らかです。
資金が少ない中小・小規模企業にとって恩恵の少ない措置がほとんどで、法人税の負担率を資本金階級別に見ると、資本金百億円を超える巨大企業や連結法人ほど実際の負担率が低くなってしまっています。
安倍、菅政権下での法人税改革は、減税によって大企業の利益と内部留保を増やした一方で、中小企業や働く人々にとっては恩恵のない、公平性を欠くものであったと言わざるを得ませんが、どう認識しておられますか。
私たちは、必要な政策減税は残した上で、法人税に累進税率を導入します。
総理も必要性を認めておられる適正な分配のためには、超大企業に応分の負担を求めていくことが不可欠です。
その意思があるのかどうか、お答えください。
震災から十年半が経過しましたが、ソフト面を含む真の復興はこれからです。
原子力災害の被災地域では、帰還困難区域全域の避難指示解除や廃炉にはまだまだ長い年月を要します。
私たちは、なりわいとコミュニティーの再生を重視し、被災者と被災地に寄り添いながら、東日本大震災と原発事故からの復興を加速いたします。
私は、官房長官として原発事故対応の先頭に立った者の責任として、福島の皆さんが味わった御苦労と悲しみを二度と繰り返してはならないと固く決意をいたしております。
あわせて、深刻化する気候危機に歯止めをかけ、限りある地球を次世代に引き継いでいくことは、全ての大人の責任です。
原子力発電のない社会と、原子力エネルギーに依存しないカーボンニュートラルを速やかに実現します。
二〇三〇年までに、温室効果ガスの排出を二〇一三年比で五五%以上削減します。
原子力発電所の新増設は認めず、原子力発電所のない社会に向けて、具体的で不可逆的な方針を速やかに確立し、国の監督と責任の下で廃炉を着実に進めてまいります。
総理は、これからも原子力発電を続けるのですか。
原子力発電所の新増設を認めるのですか。
明確にお答えください。
自然エネルギーの多くは地域にこそ大きな潜在力があり、その活用は地域の活性化にもつながります。
私たちの政権では、自然エネルギー立国の実現に向けて、自治体や地域の事業者を支援し、二〇三〇年に自然エネルギー発電五〇%、二〇五〇年までに一〇〇%を目指します。
自然エネルギーによる電力を最大限活用できるよう、送電網の整備を国の直接かつ独自の事業として推進いたします。
脱炭素社会に向けて、省エネ機器の普及や熱の有効利用など、エネルギー活用効率の最大化を進めます。
特に、新築住宅の断熱化を義務づけ、既存建築物を断熱化するための大胆な補助制度を創設するとともに、公営住宅の早急かつ計画的な断熱化を実現します。
農林水産業と農山漁村は、生活に不可欠な食料や木材などを安定的に供給しているのに加えて、洪水や土砂崩れを防ぎ、水質を浄化し、多様な生物を育み、美しい風景を形作り、伝統文化を維持し、気候変動に歯止めをかけ、地球環境を守っています。
安倍、菅政権では、競争力強化に偏重し、産業政策を過度に重視して、地域政策を軽視してきたため、こうした多面的機能への視点を欠き、農山漁村の維持が危うくなっています。
このような農林漁業政策をこれからも続けるのかどうか、お答えください。
私たちは、これまでの政策から転換し、多種多様な従事者が共生する多様な農林水産業を支援して、持続可能な豊かな農林漁村社会をつくってまいります。
多面的機能の十分な発揮のため、直接支払制度を強化することを基本として、農業者戸別所得制度を復活させ、米の生産調整を政府主導に戻します。
作業路網の整備などにより、森林環境の保護と林業振興とを一体的に推進し、木材の安定供給と国産材の利活用促進を図ります。
漁業収入安定策を充実強化し、現場の漁業者の声を反映させて、資源管理の実効性を高めます。
令和三年産米について、生産者概算金の目安額が大幅に下落し、生産現場に動揺が広がっています。
私たちは、緊急かつ限定的な対応として、民間に保管されている令和二年産米の過剰在庫について、政府備蓄米の枠を拡充して受け入れ、市場から隔離いたします。
総裁選挙では似たようなことをおっしゃっていましたが、所信での言及はありませんでした。
最近の米価をめぐる状況をどう認識し、どう対処しようとしているのか、具体的にお答えください。
我が国の家族関係政府支出は、先進国の中でも最低水準であり、欧州諸国に比べると半分程度です。
私たちの政権では、子ども・子育て予算を倍増します。
出産育児一時金を引き上げ、出産に関する費用を無償化します。
児童手当の所得制限を撤廃し、対象を高校卒業年次にまで拡大します。
義務教育の学校給食を無償化します。
高校授業料無償化の所得制限を撤廃します。
中学校の三十五人以下学級を実現し、将来的には、小学校から高校まで、三十人以下学級を目指します。
行政の在り方を検討することよりも前に、まずは大幅な予算拡充を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。
私たちは、意欲ある若者が学ぶ機会を確保することができるよう、国公立大学の授業料を半額にまで引き下げます。
私立大学生や専門学校生に対する給付型奨学金を大幅に拡大します。
独り暮らし学生への家賃補助制度を創設します。
ヤングケアラーを早期に発見し支援するための体制を構築します。
格差、貧困の広がりにコロナ禍が追い打ちをかけ、住むところを確保できない方が少なくありません。
持家偏重の住宅政策を改め、借りて住むというライフスタイルも同様に重視し、低所得世帯を対象に家賃を補助する、公的な住宅手当を創設します。
空き家を国の支援の下で自治体などが借り上げる、みなし公営住宅を整備します。
持家政策に偏重してきた住宅政策を転換するおつもりはないか、総理にお尋ねをいたします。
危機管理において司令塔機能が重要なのは、コロナ対策にとどまりません。
感染状況が落ち着いた段階で、コロナ対策の司令塔体制を、内閣府の防災部局などとともに、総理直轄で官房長官を実質的なトップとする危機管理・防災局へと発展させます。
首都直下型地震なども視野に入れ、全省庁を横断して、減災、防災から緊急対応、そして復興まで、一貫した対応を進める司令塔とします。
パンデミックや自然災害に加えて、大規模テロやブラックアウトなど、あらゆる危機に対応する組織とし、備えを強化いたします。
中国公船による尖閣諸島周辺への領海侵入が相次ぎ、接続水域においては、ほぼ常態的に航行しています。
このような、一方的な主張に基づく違法な活動は、断じて容認できません。
私たちの政権では、領域警備と海上保安庁体制を強化する法整備を進めます。
海上保安庁の体制強化に向けて、長期的な視野で財源配分していく計画を策定し、海上保安庁と自衛隊が、適切な役割分担の下で連携協力を強化して、グレーゾーンにおいて適切な対応を行えるよう基本方針を定めます。
私は、二〇一五年のいわゆる安保法制が議論されたときから、こうした法整備の必要性を指摘し、法案も国会提出しました。
政府においてもようやくその必要性を認識し始めたと伝えられていますが、具体策の言及がないことを残念に思います。
こうした法整備の遅れと具体策について見解を伺います。
私たちの政権は、健全な日米同盟を外交・安全保障政策の基軸といたします。
現状の日米地位協定を見る限り、対等で健全であるとは言い難い状態です。
ドイツやイタリアと米国との間の同種の協定は交渉の上改定されてきているのに、日本だけが、一度も改定されず今日に至っています。
米軍基地内であっても、安全基準や環境基準など日本の国内法が原則遵守され、事故や事件、環境汚染などが発生した場合に日本の当局の立入りを原則許可することや、訓練に関する事前通報を徹底することなど、地位協定の改定を米国側に粘り強く提起してまいります。
日米地位協定改定の必要性について見解を伺います。
私も、自由で開かれたインド太平洋地域の平和と繁栄が日本の国益のためにも重要だと考えます。
中でも台湾は、地理的に近接しているだけでなく、経済的な結びつきも強い上に、シーレーンの確保という意味でも戦略的に重要です。
何よりも、自由と民主主義、法の支配など、基本的価値観を共有する重要なパートナーです。
私は、台湾海峡の平和と安定を重視し、力による現状変更を認めることなく、両岸問題の平和的解決に向けて更に努力いたします。
台湾と両岸関係に関する認識をお尋ねします。
辺野古の移設工事は、沖縄の民意に反するだけでなく、軟弱地盤が見つかり、工事費が膨張して、政府の試算でも九千三百億円。
前例のない工事は、最短でも十二年かかるとされています。
本当に使用に耐え得る工事が完成するのか、それはいつになるのか、幾らの費用がかかるのか、明確な答弁を求めます。
辺野古への移設が合意されたのは二十年以上も前です。
アジアの安全保障環境も激変し、米国も世界の軍事体制を見直している最中です。
私たちの政権では、新基地建設を一旦中止した上で、米国に対し、沖縄における基地の在り方を見直すための交渉を呼びかけ、粘り強く取り組んでまいります。
今年、核兵器禁止条約が発効し、間もなく第一回締結国会合が開かれます。
私たちは、まずは締結国会合へのオブザーバー参加を目指します。
総理は、被爆地を含む広島一区の選出です。
広島、長崎の皆さん、特に被爆者の皆さんは、核廃絶に向けた総理のリーダーシップに期待されています。
少なくとも締結国会合へのオブザーバー参加を決断すべきですが、いかがでしょうか。
選択的夫婦別姓制度の導入を法制審議会が初めて答申したのは一九九六年。
私は、初当選以来二十八年間もその実現を訴え、何度も議員立法を提案してきました。
もはや議論は十分です。
決断と実行のときであります。
私たちは、選択的夫婦別姓制度を早期に実現します。
大部分が女性である婚姻の一方当事者に改姓を強いるという差別的な制度を、急いで改める必要を感じませんか。
明確にお答えください。
性的指向や性自認を理由とした差別を禁止するLGBT平等法の制定と、同性カップルによる婚姻を可能にする法制度の実現を目指します。
担当の大臣も設けます。
これらについての総理の見解をお聞きいたします。
私たちの政権では、初閣議において、日本学術会議人事で任命拒否された六名を任命いたします。
いわゆる赤木ファイルと関連文書を開示いたします。
森友、加計、桜を見る会問題の真相解明チームを設置いたします。
内閣人事局による幹部職員人事制度を見直し、官邸による強過ぎる人事介入を抜本的に改めます。
隠蔽、改ざんを根絶するため、公文書管理制度と情報公開制度を抜本的に強化し、公文書記録管理院の設置を目指します。
生まれ変わった自民党とおっしゃるなら、これらに取り組むべきではありませんか。
どの提案に同意し、どの提案に同意しないのか。
特に、森友問題に関する公文書の改ざんについて再調査を行うのか否か。
その理由を含めて、明確に御答弁ください。
コロナ禍で、私たちの日常生活が一変して、間もなく二年。
競争ばかりをあおり、自己責任を強調し過ぎたこれまでの政治。
その結果、適切な治療を受けられないまま命を失った皆さん、十分な補償がなく廃業に追い込まれた事業者の皆さん、住むところにも明日の食べ物にも困り果てた皆さん、今も多くの皆さんから当たり前の日常を奪い続けています。
今こそ、当たり前の日常を取り戻す。
誰も取り残さない社会をつくる。
そのためには、今だけ、金だけ、自分だけ、改ざん、隠蔽、説明しないという、時代遅れになった政治を変えなければなりません。
これまでの政治を否定することなく、その反省もなく、表紙を替えただけでは何も変わりません。
うそとごまかしのない、真っ当な政治へ。
命と暮らしを最優先する政治へ。
いざというときに頼りになる政治へ。
そして、支え合い、分かち合う社会へ。
当たり前を当たり前に。
国民の皆さん、共に変えよう、変えようではありませんか。
真っ当な政治を取り戻すべく、立憲民主党が先頭に立ちます。
そして、変えるためには、あなたの力が必要です。
ありがとうございました。
第204回[衆] [閉] 厚生労働委員会 2021/07/07 29号
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まず、私からも、熱海での土砂災害、お亡くなりになられた方に哀悼の意を表したいと思います。
また、各地で一連の水害で被害を受けていらっしゃる方にお見舞いを申し上げたいと思います。
政府を挙げて人命救助、そして、まだ今後も災害のリスクが非常に高い状況でございますので、対応には万全を期していただきたいと思いますし、特に厚労委員会でございますので、避難所、熱海はホテルの確保ということでございますが、今、島根でも避難の指示等出ております。
避難所での感染拡大防止を含めた万全を期していただきたいと、まず冒頭、お願い申し上げます。
私は、ワクチン接種についてお尋ねをしたいと思います。
政府は、総理が自ら、ワクチンは切り札、全てを懸けてやろうと大号令をかけられました。
高齢者向けの接種を七月中に完了させると突然言い出されましたし、職域接種も始められました。
昨年のマスクの配付とか十万円の配付は大混乱を来しましたが、さすがに総理がこれだけ大号令をかけたので、私も一瞬、順調にいっているのかなと期待をいたしましたが、職域接種の新規申請は、六月二十五日、モデルナ製ワクチンの供給が追いつかないとして突然に停止をされました。
申請準備を進め、会場や医療従事者の確保に努力をしていた企業などがたくさんあります。
はしごを外された形です。
ファイザー製ワクチンも、五月、六月は希望量の八割、九割が供給されていましたが、七月は一転して約五割にとどまることとなりました。
ワクチンの確保に見通しが立たないために、予約の受付中止に踏み切る自治体も相次いでいます。
既に予約をした人に対して延期やキャンセルをお願いしなければならないところも出ていますし、一回目を打った人の二回目分、これすら確保できないという声まで聞こえております。
この間、総理の大号令の下で、体制をつくれ、打ち手が足りないとせかされ、予定していた接種計画の前倒しに各自治体は追われました。
それなのに、今度はワクチン量が足りないという大混乱。
政府目標を達成するために苦労して体制を整えた自治体や、接種に協力する医療機関などからは、体制を整えたのにワクチンがなければ話にならないと強い不満の声が出ております。
まず、事実関係を確認したいと思います。
ファイザー製について、七月から九月分の輸入量が四月から六月分と比べて減ることはいつから分かっていたんですか。
前から分かっていたんじゃないですか。
いや、七月から九月の輸入量が分からないのに、百万件と言ったりとか、もっと急げ急げとハッパをかけていたわけですか。
そういうことですね。
その話はおかしいじゃないですか。
九月までの確保量は分かっている、四月から六月までの確保量は分かっていた、そうしたら、残りの七月から九月分、減ることは分かっていたんじゃないですか。
じゃなければ、総量確保しているという話自体がうそか、どっちかでしょう。
今、輸入量を聞いているんですよ、確保量を。
九月までに確保していたと繰り返されます。
四月から六月は分かっていたわけです。
今、七月から九月が減った、ファイザーの輸入量が減った。
そのことで混乱を来しているんです。
おかしいじゃないですか。
九月までの分が確保は分かっていて、四月―六月が分かっているんだから、七月―九月が減ることは分かっていたということでしょう。
全体の日本の人口は分かっているわけですから、全体で何回接種しなきゃいけないかは分かっているわけですよね。
そのほかにモデルナで職域とか、いろんな話が加わってくる。
これはおいておいても、各自治体ごとも、そこで接種する対象の人数は分かっているわけですよね。
そして、そのことを想定して、トータルではいつまでに配る。
各自治体は、早いところ、遅いところ、もちろん出てくるのは当然ですけれども、だけれども、六月までは一億回、次の三か月は、同じ三か月でも七千万回と分かっていたなら、なぜ、人口によるけれども、各人口比で考えたら、その次の三か月は供給量が三割程度減りますという想定をきちっと自治体に伝えていなかったのか。
少なくとも自治体はそのことを認識していなかったから、今大混乱が起こっている。
全体計画を示さずに、その都度その都度、急げ急げとだけやってきて、結局足りないじゃないですかという話を言われてから、ああ、全体計画では数は足りているはずですと言われても、自治体や医療関係者は困る。
各自治体はどんなに急いでいてもらうのは結構だけれども、行くのはこの量ですということを、なぜ、数が分かっていたというのであれば、数が分かっていたのなら、三割減りますと。
三割減るつもりで計画を立ててください、六月いっぱいは急いでもらってもいいけれども、あるいは、六月中に供給される分は、そこまで急いでもらっていいけれども、次はペースを落とさないと、全体として行かないわけですよね、自治体ごとの凸凹はあるにしても。
それが各自治体の方に伝わっていなかったから、各自治体から今不満の声が上がっているんじゃないですか。
モデルナの方も聞きたいと思います。
職場や大学から大量の、予想を超える申込みが殺到し、これが自治体の大規模接種にも、一種影響を受けているわけです。
既に自治体に割り当てているファイザー製ワクチンを融通して対応するようにという話もあるようですが、接種数の圧倒的な部分を担っている市町村の供給量が削られるのであれば、本末転倒であるというふうに思います。
これについて、昨日、河野大臣は、六月末までの当初計画が六千万回分だったのが、一千三百七十万回分だった、六割減っていたと明らかにされました。
しかも、大型連休前には分かっていたとおっしゃいました。
だとしたら、枠に限りがあるんですから、これぐらいの総枠です、この総枠に対して、もちろん準備はある時期までに整えてもらわなきゃいけないけれども、単純な早い者勝ちですと、こんな競争をさせたら、それは、元々、例えば大企業であるとか有利なところと、あるいは、商工会議所その他で苦労して準備して出遅れたところと、差がついて、小さいところほど足りなくなるのは目に見えているんじゃないですか。
そもそも、この六月までのモデルナの確保、六千万回分が、一千三百七十万回分、約六割、当初の見込みより少なかったと、正式にはいつ分かっていたんですか。
聞かれたことに答えてください。
千三百七十万回分へ六割減っていたと知ったのはいつですか。
その話を政府内では共有していたんですか。
厚労大臣、知っていましたか。
政府ですら共有できていないんですから、それは、集団接種、職域接種をやろうとしている皆さんには当然伝わっていない話で、六千万回と言われれば三千万人分ですから、人口比考えても……六千万回分を当初確保されているとされていたのが、それなら三千万人分でしょう。
というのが、一千三百七十万回分ですと六百万人余りですね。
これだったら、職域でどんどん始めていったらすぐに満杯になるだなんという話は見通しが立っているじゃないですか。
その見通しも示さずに、早い者勝ちでどんどんやれと言って、準備途中までしかかったところをブレーキかけたというのは、これは、少なくとも、総枠について数が分かっていたなら、そのことを前提にして、トータル、モデルナで、職域接種で、ある時期までにできるのはこの数しかありません、だから、この枠になるところまでは職域接種等でやれますから、急いでできるところは手を挙げてください、数に限りがあるんだから、ある時期までに申し込んだところで一定の優先順位をつけてやります、これが真っ当なやり方じゃないですか。
全くそういったことなしに、どんどん、幾らでも申し込めばモデルナはあるという期待をさせて、申込みの準備だけさせて、間に合わなかったところをたくさん出させたというのは、明らかに失態だと思いますが、いかがですか。
後で長妻さんが、その申し込んだところでも必ずしも受けられていないという話はお尋ねをすることになると思いますし、それから、当初モデルナをどれぐらい確保していたかという話は、六千万回を政府は認めていないのは知っています。
記者会見で、河野大臣、六千万回という確保を問われたのに対して、一種、否定も肯定もしなかった。
でも、一千万回余りしか取れていないんだったら、それよりは大幅に少ないですと。
メディアで報道されて、六千万回という話は巷間言われていたわけですから、それより大幅に少ないのであれば、大幅に少ないということを含めてきちっと、枠を確保した、五千万とか六千万とか、報道は両方ありました。
それを記者会見で河野大臣は尋ねられて、それに対して肯定も否定もしていないんです。
それは、モデルナとの契約関係があるかもしれませんが、世の中がそういう数を前提に期待をしていたということは知っているわけですから、それより大幅に少ない、そうすると、国民の期待に反する結果になることはその時点で当然想定できるわけで、そんなに多くありませんぐらいのことは言わなきゃいけなかったし、期待値の方が大きいということを前提に制度を組まないとこういう混乱が生じるのは当然のことじゃないかということを申し上げておきたいというふうに思います。
オリンピックについて。
オリンピックに伴う国民の健康、生命の確保についてお尋ねをしたいと思います。
先日の東京都議会議員選挙で、開催の中止又は延期を訴えた勢力が議会の約三分の一、無観客を訴えた勢力を加えると約三分の二を占めました。
開催地東京の民意は、中止又は延期、それが難しいならせめて無観客というものだと思います。
先日の党首討論で総理は、国民の命が脅かされる事態になれば、オリンピックはやめると明言されました。
やめると言いました。
今後、東京の病床がどれぐらい逼迫したら、総理の言う国民の命が脅かされる事態ですか。
具体的な基準を示してください。
全く具体的な基準じゃないじゃないですか。
ある意味では急激な変化、リスク、生じているんじゃないですか。
これは感染症ですから、新たな感染抑止策を取らなければ、過去の例に準じて感染者が増えていくというのは、これは素人でも分かる話ですよ。
東京のこの間の感染者の増加、大体、一・二ぐらいで増えていっているんですから、一週間で。
間違いなく医療は逼迫しますよ、オリンピック開会中に。
ということは、総理の言う国民の命が脅かされる事態にもう入っているんじゃないですか。
違いますか。
既に、オリンピックは始まっていないし、幸い今のところ、海外から来た選手から日本人への感染は伝えられていませんが、それでも、東京は、この状況が続けば、もう二週間後、三週間後の感染者の数は、それは、尾身先生おいでいただいていますが、専門家に聞かなくたって、この一年半で、素人だって、みんな相当の人たちが、大体想定できますよ、医療逼迫になるじゃないですか。
それを想定していない、医療逼迫にならないと思っている。
それは余りにも甘い、楽観的過ぎると言わざるを得ませんし、そもそもが、安全、安心の対応策自体、つまり、バブル方式で一般の日本人とは接触しないという話自体が完全に崩壊しているという話を、順次、同僚議員とともに分担してお尋ねしていきたいと思いますが。
外国のオリンピック選手や関係者で選手村や五輪関連宿泊施設に直接入る予定の方々が空港で陽性と判定された場合、これは当然ありますよね、既に。
事前合宿地に入られている方、何人も出ているわけですから、どこに滞在するんですか。
まさか選手村や五輪宿泊施設には入らないということでよろしいですね。
ついでに言うと、例えば、症状がある場合は医療機関、軽症者なら宿泊療養施設、誰が手配の責任を持つんですか。
まさか東京都とか千葉県じゃないですよね。
事前合宿の話を入れると複雑になるから、直接選手村に入ることが想定されている人ということで聞いたんですが、症状がある人は大会指定の医療機関、分かりました。
選手村には入らない。
症状がない人、選手村にまさか入れませんよね。
どこに入れるんですか。
誰が確保しているの。
既に確保しているんですか、その宿泊施設は。
だから、それは確保しているんですね。
どこがその責任で確保しているんですか。
東京都ですか、組織委員会ですか。
どこですか。
確保していることを日本政府としては確認していますね。
ここで公表しろとは言いません。
どこのどういう施設なのか、確保数が幾つぐらいあるのか、当然政府は把握していますよね。
じゃなきゃ、安全、安心なんて言えませんよね。
分かっていますね。
どこの場所で何部屋なのか分かっているのかと聞いているんです。
すぐに出て答えてくださいよ。
だって、国民の生命、健康を守る責任は日本国政府にあるんですよ。
組織委員会じゃないんですよ。
ですから、日本政府として、協議を東京都と組織委員会がするのは結構ですが、その情報はほぼ同時にちゃんと政府として把握しなきゃいけなくて、十分に確保していなかったら、それはちゃんと指導しなきゃいけない責任があるんですから、それはもう即答していただかないと困る。
まさにこれからあり得る話ですから、もしかすると大量に、たくさんの方が出る可能性がある話。
間違っても、受入先がないといって、従来日本に住んでいらっしゃる方の療養施設が逼迫するとかそんなことになったら困るわけですから、それは政府の責任でしっかりと、数を含めて確保していただかなきゃなりません。
私どもは、まだ中止、延期は可能だと思っておりますが、仮に無観客という判断をする場合、五輪関係者も含めての無観客ですよね、これは当然のことながら。
まさか、一般の観客は入れないけれども、いわゆるオリンピックファミリーとかスポンサー企業関係者だけは開会式を見ますとか競技を見ますだなんて、こんなばかなことはあり得ないですよね。
いかがですか。
五者協議って、日本政府は入っているんですよね。
日本政府として毅然と、無観客ですね、この状況ではと申し上げるのが、例えば都議会議員選挙で示された最低限の民意だと思いますし、そのときに、もちろん実際にお仕事されるスタッフは、それはどの競技会場にも必要でしょう。
だけれども、お仕事しないで単に見るだけというオリンピックファミリーだけは例外にしますと言ったら、逆に今度は、チケットを持っていて楽しみにしていらっしゃっている国民の皆さんもいるわけですよ。
その皆さんには、感染拡大防止、国民の命と健康を守るために我慢をしていただく、だけれども、スポンサーとかそういう人たちだけは会場で楽しめるというのは、これはさすがに国民の理解を得られないと思いますので、日本政府としては、そういう姿勢で臨んでいただけませんか。
よろしいですか。
だから、国民の理解を得られますかと言っているわけです。
私も、感染症がなければオリンピックをやりたいです、やってほしいです。
見たいです。
今、例えば開会式のチケットを持っていらっしゃる方、競技のチケットを持っていらっしゃる方、できれば見たいなと思っていらっしゃいますよ、ほとんどの方は。
だけれども、この感染状況で本当に観客を入れていいのかということで、せめて無観客じゃないですかと言っているんですよ。
そのときに、いや、僕は、バッハ会長だってモニターで挨拶すればいいと思いますよ、リモートで。
日本に来る必要はない。
百歩譲っても、そういう方は実際に開会式でスピーチされるんでしょうから、その方とその随行に二、三人とか、それは分かりますよ。
スポンサーなんか要らないじゃないですか。
その人たちは優遇されて、楽しみにしている国民には我慢を強いると、明らかに国民の理解は得られない。
無観客ならば、本当に大会運営上必要不可欠な人以外、つまり、見る人はいない、そういう状況にしなきゃ理解は得られないと思います。
こういう方針でやってください。
僕は、五者協議による結論を聞いているんじゃないんです。
日本政府としてどういう姿勢で臨むのかということを聞いているんですから、お答えいただいていません。
お答えください。
日本政府としてどういう姿勢で臨むんですか。
無観客、やむを得ない場合には、運営上必要最小限の方以外が、一種の観客的に見るという方は、スポンサーとかそういう方についてもない、こういう姿勢で日本政府としては五者協議に臨んでいただきたい。
いかがですか。
日本政府は、国民の命と健康を守ることと、更に言えば、今の論点でいえば、国民の皆さんの納得感を得るということについて責任を持っているのは日本政府です。
IOCではありません。
そんな人ごとみたいな姿勢は、私は無責任だと言わざるを得ないというふうに思っていますし、絞り込みの問題ではありません。
確かに、運営上必要不可欠な方はいらっしゃるでしょうが、観客的にただ見るだけということで参加するという方は、もし無観客にする場合、しかも、残念ながら、この状況で開会式までに東京の蔓延防止等重点措置が解除されるとは誰も想定していないですよ。
その状況では、今のような姿勢で日本政府が臨まないと、私は、国民の理解が、納得が得られない、残念なオリンピックにますますなってしまうというふうに強く指摘をしておきたいというふうに思います。
大会関係者は、いわゆるバブルで、一般の皆さんとは別の動線でという話も壊れています。
我が党の斉木議員が、プレーブックを詳細に調べて、オリンピック関係者が来日十四日以内であっても、レストランの個室やコンビニ等、例外的な利用が認められているということを明らかにしました。
レストランの個室であっても、レストランへの出入りの際、トイレ、あるいは、そのレストランの従業員の皆さん、一般の方と接触する可能性はあるじゃないですか。
コンビニでは間違いなく一般の人と接触するでしょう、借り上げるわけじゃないでしょうから。
バブルの中で外部と接触しないというその原則は完全に穴が空いている。
違いますか。
ですから、その例外を認めちゃっているので、一般の国民の皆さんとは接触しない、バブルの中に入れて、バブルの外とは接触しないということが壊れている、そのことは率直にお認めになるしかないと思いますよ。
だって、例外があるんですから。
それで、その監督者って誰ですか。
何人確保しているんですか。
だから、その必要な人数を何人と見込んで確保しているんですかということをお尋ねしているんです。
まさにバブルの例外なんですから、日本政府としてもあれだけ、総理がおっしゃったんですよ、日本の国民と動線などを分けて接触しません、だから安全、安心ですと。
それに対しての例外なんですから、日本政府としてしっかりと、どういう方、だって、相当IOCなんかの偉い人なんかも含まれるんでしょう、スポンサーなんかの偉い人が含まれるんでしょう。
その人に対して止める力がないと、そういう立場の人じゃないと止められませんよ。
若いスタッフ、二十代のスタッフか何かがついていて、それは駄目ですと言ったって、言うことを聞いてくれるかどうか分からないじゃないですか。
どういう人で、何人確保するんですか。
それをちゃんと知らなきゃ駄目じゃないですか。
守らなかったときには厳しいペナルティーなんていったって、チェックできていなければ、守っているかどうか分からないじゃないですか。
ちゃんと二十四時間監視するんですか、誰かが。
そんなことできないでしょう、たくさんの方がいらっしゃるのに。
ホテルの入口、全部見張っているんですか、誰かが。
できませんでしょう。
それで、まさにその例外として物すごく重要なことについて、組織委員会任せ、政府としては把握していない、把握はしていないけれども、ちゃんと守ってくれるだろうからバブルは維持されている、だから安全、安心だと。
全く論理的じゃないんですよ。
これでは、そもそもが本当に、外国からの選手あるいは関係者の皆さんから日本に対する感染の拡大、あるいは逆に、日本の方から、来日された関係者に対する感染、止められないですよ、穴がたくさん空いているんですから。
あれだけ厳しい入国規制をやっている台湾とかニュージーランドとかでも、やはり数か月に一遍ぐらいどうしても漏れが出るんですよ、あそこまで徹底していても。
そんな甘いざるみたいなことをやっていたら、大量にそういう感染が生じると思わざるを得ない。
これではとてもじゃないけれども安全、安心とは言えない、政府として責任を持って国民の命と健康を守れるとは言えないと残念ながら言わざるを得ない。
更にこの点については同僚議員からもお尋ねしますが、尾身先生においでいただいています。
尾身先生にお尋ねするのが一番適切なのかどうか分かりませんが、一番この中で専門家と思いますので。
今、海外から入ってくるオリンピック関係者を含めて、入国時の検疫で行われている検査は抗原定量検査です。
PCR検査と抗原定量検査で陽性者を見逃す確率は一緒なんでしょうか。
抗原定量検査は、済みません、素人なりにいろいろ勉強していますが、ワクチンの量といいますか、それの量が多ければそれなりに反応する。
そういった意味ではPCRとそこでは一緒だ。
ただし、量が少ないと、PCRでは反応するけれども抗原検査には出ないケースがある。
ウイルスですね、こういうことでいいですよね。
確かに使い勝手の問題はあるんですが、そういった意味では、例えば感染初期であるとかいう方については、PCR検査をやった方がより万全であるのは間違いない。
だとしたら、PCR検査をやりませんか。
これは厚労大臣ですかね、検疫ですから。
PCR検査を全ての入国者について、抗原検査は確かに便利です、この方が。
早いです。
だけれども、今やPCR検査は大量にできます。
そして、速い機械をせめて空港その他にだけでも設置をすれば、相当な短時間でできますよ。
これだけ海外からの変異株、新たな変異株の入国を阻止しなきゃならない。
ましてやオリンピックでたくさんの方が海外からいっときに来られる。
こういう状況を考えたときには、私は、PCR検査にせめて空港検疫などについては切り替える、そのための機器というか、そういったことを、お金をどんと予備費をつけてもやるべきだと思いますが、厚労大臣、いかがですか。
抗原検査で陽性が判定されて、その上でPCR検査をされた、最初のウガンダの選手の方についてそういうプロセスを取った、それはそれで分からないではないんですが、だけれども、PCR検査の方が、初めからやっておけば、それは精度は相対的に高いのは尾身先生も否定されなかったわけだし、これは、政府は繰り返し安全と安心と言っていますよね。
科学的に安全かどうかということについてここで尾身先生と私が論争をしても仕方がない、それはもう専門家にお任せしますが、国民の安心感からすれば、PCR検査を全部やってもらっているのと抗原検査止まりであるというのは、安心感が違うと思いますよ。
これだけオリンピックで海外からの大量の入国者、まして海外でどんどん変異株が出ている。
国民の安心という観点からも、手間がかかっても、入国のところで、国によって平時でも入国で物すごい時間のかかる国とそうでない国があるのは大臣も御承知のとおりです。
相当手間がかかったとしても、時間がかかったとしても、PCR検査をやるべきではないか。
せめて両方やって、抗原検査クリアならば、取りあえず次のプロセスに進んでもいいけれども、PCRも同時に検体を取って、結果が出たら追っかけで隔離をさせていただく、こういったことが国民の安心につながるんじゃないかと思うんですが、いかがですか。
私、申し上げておりますが、専門家の方とその面での論争を私はする立場でもないし、できる力もないです。
国民の安心というのは、ちょっと専門家の科学的な話とはまた別次元じゃないかということで申し上げているということを御理解いただいて、是非検討いただきたい。
全体像について最後にお尋ねしたいと思いますが、東京の実効再生産数は、厚労省に提出されている資料でも六月十三日の段階で一・〇六、つまり増加傾向になっていました。
今は既に、明確に一・二ぐらいになっているんでしょうか。
明らかに六月二十日の緊急事態宣言解除は時期尚早であった、間違ったメッセージであったという反省はございませんか。
確かに国民の皆さんも、いわゆる自粛疲れというのもあるのは間違いありませんが、やはり、人流が増えてきた、緊急事態宣言の下でも増えてきたということの一つの背景には、ああ、政府はこの局面でオリンピックをやるんだ、やれるんだという状況の中で、オリンピックをやるぐらいなんだからちょっとぐらい俺は緩めてもいいよねと、やはり国民の中にそういう意識が出るのは当然ですよ。
私たちもそのことを指摘をしてきましたし、実際にそうなっていると思います。
更に申し上げれば、やはり、飲食店を始め影響を受けていらっしゃる皆さんに、ほとんど、飲食店に僅かばかり支援金、協力金が出ているだけで、全然補償がない中で、東京ではもう半年ですよ。
これでは長く続けられない。
ちゃんと補償して徹底的に感染を封じ込める。
そして、国民の皆さんが、仕方がないね、我慢しなきゃしようがないよねと納得いただけるような、オリンピックに対する対応も含めて政府はやらないといけないし、ハンマー・アンド・ダンスという話も、どこまでハンマーでたたくのか。
いつも申し上げているとおり、台湾やニュージーランドやオーストラリアは、ほぼゼロというところまでハンマーでたたいているから、その後、ダンスの時間を相当長く取れるし、少し感染が出てきたところでまたハンマーでたたけばすぐに従来の生活に戻れる。
ハンマー・アンド・ダンスをする水準が、もっとゼロに限りなく近いところでやるという、我々が提起しているゼロコロナ戦略を取るしかないということを申し上げて、同僚議員に質問を、時間を譲りたいと思います。
ありがとうございました。
第204回[衆] 本会議 2021/06/15 34号
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私は、立憲民主党・無所属、日本共産党及び国民民主党・無所属クラブを代表し、菅内閣不信任決議案について、提案の趣旨を説明いたします。
まず、決議の案文を朗読します。
本院は、菅内閣を信任せず。
右決議する。
約一年半にわたるCOVID―19による戦後最大の危機の中、亡くなられた皆さんに心から哀悼の意を表しますとともに、大切な人を亡くされた皆さんに謹んでお悔やみを申し上げます。
闘病されている皆さん、後遺症に苦しんでいる皆さんに、お見舞いを申し上げます。
リスクを抱えながら、医療現場などで感染症と戦い、あるいは介護や保育を始めとするエッセンシャルワークに携わっていただいている皆さんに、敬意と感謝の意を表します。
そして、生活に困窮されている皆さん、事業を断念せざるを得なかった皆さん、事業継続に困難を来している皆さん、御苦労をおかけしている国民全ての皆さんに、今日まで政府の対応を改めさせることができていないことをおわび申し上げます。
一日も早く新しい政権をつくり、感染症対策を抜本的に転換して、命と暮らしを守る政治を実現することをお約束し、新しい政権の所信を示しながら、不信任の理由を申し述べます。
感染症危機の中で、適切な支援を迅速に届けるために必要な補正予算や、感染状況やワクチン接種などの実態に即した法的措置の検討、そして、国民の不安に応えるための開かれた議論、国会が果たさなければならない案件は山積しています。
菅内閣が不信任に値する理由はあまたありますが、戦後最大の危機の下で、野党が強く求めた会期延長を拒否し、明日国会を閉じようとしていることは、到底容認することができません。
現実に目を背け、論戦から逃げ、国権の最高機関の機能を長期にわたって停止しようとしていることは、この一点だけでも有事のリーダーとして失格であります。
総理御自身が十年前の東日本大震災の折に野党の中堅議員として申入れをした言葉、「いつ何時、不測の事態が起こらないとも限らない不透明な状況の中で、国会を閉会していたのでは無責任のそしりを免れない。」これをそっくりお返しいたします。
ちなみに、十年前、私が官房長官を務めていた菅内閣は、こうした声に応えて、通常国会を七十日間延長しております。
国会を閉じて、巷間言われているような九月まで、三か月にもわたる長期の政治空白をつくることは、無責任の極みであり、即刻その地位を去るよう強く求めます。
感染症による歴史的な危機において、安倍政権も、そして菅政権も、ほどほどに感染防止し、ほどほどに経済支援という中途半端な対策に終始して、まさに二兎を追う者は一兎をも得ずという結果を招いています。
国家的危機から国民の命と暮らしを守ることができず、その意思や責任感、危機感と緊張感すらうかがえないことが、菅内閣を信任できない最大の理由であります。
感染拡大防止策の最大の失敗は、検査体制の遅れです。
私たちは、昨年初めの初動段階から、PCRなどの検査体制を充実させるよう、繰り返し訴えてきました。
初めのうち、政府は、検査の拡大そのものに消極的と言わざるを得ない対応でした。
夏以降は、検査の拡大と言い出しましたが、当時の安倍総理自身が目詰まりと認めざるを得ない状況が続きました。
検査能力の拡大は、こうした政府の無策を横目に、自治体や民間の努力によって進んできたものであります。
感染症対策は、まず、感染者を早期発見し、隔離することから始まります。
政府自身も、新たな感染者から感染ルートを解明するという積極的疫学調査が重要だと言っていましたが、十分な検査がなされなければ、感染ルートを解明できるはずがありません。
今頃になって、政府は、東京オリンピック・パラリンピックに参加する選手などに対して繰り返しの検査を実施するとして、大会を安全、安心に開催できることの根拠としています。
それならば、なぜ、野党から繰り返し強く求められてきたにもかかわらず、検査の拡大に本腰にならなかったのでしょうか。
PCR検査だけでなく、感染ルートを速やかに解明するため、幅広く全ての感染者に直ちに実施できる全ゲノム解析も必要です。
検査を実施し、結果を集約する保健所などの体制も強化しなければなりません。
これらの体制整備を一年半にわたって怠ったことは、それだけでも不信任に値します。
新しい政権では、官邸に設ける強力な司令塔の下で、厚生労働省と国立感染症研究所というラインにとらわれることなく、民間も含めた幅広い能力を結集させ、必要なときに誰でもすぐに受けられるPCR検査、全ての感染者とその周辺に幅広く実施できる全ゲノム解析という体制を確立いたします。
感染拡大防止策の二つ目の失敗は、水際対策です。
昨年の初め、中国での感染が拡大している状況で、政府は、春節による観光客の大量来日に期待したのか、それとも習近平国家主席の来日に忖度したのか、米国などから一か月遅れた三月五日まで、中国本土からの入国禁止措置を取りませんでした。
初動における決定的な失敗です。
政府は、その後も同じように後手に回り続け、著しく大甘な水際対策で、新たな変異株が日本で広がることを食い止めることができていません。
菅政権は、水際対策だけは極端な性善説に立ち、隔離期間が不十分なだけでなく、自分で手配した交通手段で移動し、自宅や自分の責任で手配したホテルなどで待機するよう求めることを、水際対策であると称してきました。
これでは徹底できないのも当然です。
本腰を入れない中途半端な水際対策で、変異株が日本に入ってくることを止められなかったことが、多くの命を失わせました。
新政権では、これまで提案してきたとおり、入国者に対して、少なくとも十日間以上、ホテルなどでの隔離を求めることとし、水際対策を抜本的に強化いたします。
感染拡大防止策の第三の問題は、医療や介護を始めとするエッセンシャルワークへの支援を怠り、医療崩壊を招くとともに、高齢者施設などでのクラスター発生などを繰り返したことであります。
保健所を含めた医療提供体制や介護サービスなどの現場は、これまでも、徹底した効率化を求められ、余力のないぎりぎりの状態でした。
特に、そこで働く多くの皆さんが、重労働、長時間労働であるのに、非正規で低賃金という状況に置かれてきました。
こうした皆さんは、自らが感染するかもしれないという不安と戦いながら、ふだん以上の長時間労働、重労働となり、肉体的にも精神的にも限界を超えています。
クラスターが発生した高齢者施設などでは、入院もできず、十分な医療を提供できない中で、次々と人が亡くなっていく現実を目の当たりにして、心が折れそうだという声が上がっています。
総理には、こうした皆さんの叫びが届いていないのですか。
政治の大きな責任を感じませんか。
日本の医療や介護などのエッセンシャルサービスは、こうした現場の皆さんの使命感だけに支えられ、システムとしては崩壊していると言っても過言ではありません。
政治にできるのは、現場の声に寄り添い、現場の皆さんの負担が少しでも小さくなるよう、人員の増強を含めた予算的な裏づけを取ること、そして、お金で代えられるものではありませんが、せめて感謝の気持ちを慰労金のような形で示すことです。
現場の御苦労に寄り添う意思を全く示そうとせず、医療提供の不足などを解消できずに医療崩壊や介護崩壊を招いてきた菅政権は、到底信任できません。
新政権では、これまで繰り返し提案してきたとおり、医療や介護などに対する使い勝手のよい広範で包括的な支援金や、従事する皆さんに対する慰労金を急ぐとともに、医療などを削減してきた方向を百八十度転換し、命と暮らしを支えるための仕事に携わる皆さんの賃金や労働条件を改善して、危機にも対応できる、支え合う社会をつくってまいります。
第四の、そして全体を通じた深刻な問題は、事態を根拠なく楽観し、繰り返し対応が後手に回る一方で、その解除だけは拙速になってきたことです。
GoToトラベルの中止が遅れたこと、一月の二度目の緊急事態宣言が遅れたこと、三月の解除が早過ぎて、あっという間のリバウンドを招いたこと。
いずれも、私は、それに先立ち、国会の場で、一日も早い中止を、緊急事態の宣言を、そして解除せずに延長をと求めましたが、菅総理は、私だけでなく多くの皆さんから出ていた警告を無視して、感染を広げました。
総理は、何かというと、専門家の意見を聞いたと強調しますが、専門家と政治的リーダーの役割分担を理解しておられません。
専門家は、リーダーの判断を正当化するための道具ではありません。
政治が正しい判断ができるように、判断材料を提供するのが専門家です。
そもそもが、あまたいる専門家から誰に助言を求めるのかという選択自体がリーダーの責任と判断です。
専門家の間でも全てのテーマについて意見が一致しているわけではありませんから、どの意見を科学的であるとして採用するのかもリーダーの責任です。
遅れた判断も、早過ぎる解除も、国民と社会に多大な影響を及ぼす、まさに政治そのものです。
その判断を専門家に丸投げするかのような発言を繰り返し、専門家を自己正当化の道具に使っている菅総理は、政治を担うという基本的な責任を放棄していると言わざるを得ません。
一日も早く、担い切れない政治からお引き取りください。
新政権では、政治が判断するのに先立って専門家から意見を伺い、公開された専門家の意見を踏まえながら、最終的には自らの責任と判断で結論を出すという、本来の政治を取り戻してまいります。
私は、国民の命と暮らしを守るため、今年の二月、それまで繰り返し提案してきた内容を整理し、ゼロコロナ戦略として取りまとめ、提案しました。
ゼロコロナ戦略は、感染者の数を一定水準以下に減らし、新たな感染者が出ても、感染ルートを速やかに把握し、感染拡大を防ぐことができる状態にしておくことをいいます。
この状態を保つことができれば、感染拡大の繰り返しを防ぎ、経済社会活動を順調に回復させることができます。
現に、台湾、オーストラリア、ニュージーランドが、同様の戦略で感染の封じ込めに成功し、経済もいち早く順調に回復しています。
総理は、党首討論で、ロックダウンを行った国々でも感染爆発を繰り返しているなどと発言されました。
しかし、封じ込めに成功した国から何を学ぶかこそが重要であって、封じ込めできなかった国の話を延々とすることに一体何の意味があるのでしょうか。
そもそも、ロックダウンという強力な措置で感染を減らすのか、日本のような自粛などの協力を求める方法を取るのかは、リバウンドとは直接関係ありません。
問題は、解除のタイミングです。
ロックダウン措置を取った多くの国々と日本との間で、感染者が減っていくスピードにおいて、実は本質的な違いはありません。
日本では、強い措置を取らなくても、国民の皆さんの協力で一定の成果を上げてきたのです。
その国民の皆さんの努力を早過ぎるリバウンドで無にしてきたのが菅政権なのであります。
ワクチン接種が総理の言うようなペースで順調に進んだとしても、集団免疫の効果が生じるのは秋以降になります。
より強い感染力を持つとされるデルタ株の広がりも心配され、今のような状況をあと三か月も四か月も続けることはできません。
感染者が減少傾向にある今こそ、ゼロコロナ戦略を推進するチャンスです。
新しい政権では、例えば東京なら、一日当たりの新規感染者数が安定的に百人を下回り、五十人程度になるまで、もう少しだけ我慢します。
その分、事業者や生活困窮者の皆さんに追加の支援金を速やかに支給します。
今回こそ、ゼロコロナ戦略に基づき感染を封じ込め、通常に近い社会経済活動を早期に取り戻し、国民生活と経済を再生させます。
この間、政府・与党の中から、憲法に緊急事態条項がないから強力な私権制限ができないという妄言が聞こえてきます。
加藤官房長官に至っては、COVID―19による危機を、憲法改正に向けた絶好の契機とまでおっしゃいました。
憲法に対する無知蒙昧ぶりを示すのみならず、多くの方が命を落とし、苦しんでいる中で、不謹慎の極みであります。
日本国憲法は、公共の福祉に反しない限度で人権を保障しています。
一人一人の人権がぶつかり合う場面での調整が不可避である以上、より重要な人権を守るために必要な範囲で他方の人権が制約されるのは、人権そのものに内在した当然の法理です。
感染症危機においては、命という全ての人権の前提となる最重要の人権が危機にさらされているのでありますから、合理的な範囲で経済的自由権が制約されるのは当然ですし、より重い移動の自由であっても、必要不可欠な範囲で制約されます。
現行の感染症法や災害対策基本法、原子力災害対策特別措置法などにおいても、経済的自由権を制約したり、必要不可欠な範囲で移動、居住の権利を制約したりできる規定が存在しています。
私自身、多くの皆さんに御苦労と御迷惑をおかけしましたが、東京電力福島第一原子力発電所事故に際して、原子力災害対策特別措置法に基づく立ち退きや立入禁止の措置に関与しました。
その措置の一部は、残念であり、また申し訳ないことでありますが、現在も続いています。
そもそも、政府・与党は、現行の新型インフルエンザ特措法などに基づく私権制限などの措置を全面的には使っておらず、また、より強力な私権制限が必要があるとして法律案などが提案されたことも、いや、そうしたことの打診すらされたことはありません。
今できることをやりもしないで、必要のない憲法の話をするのは、こうした法学部の一年生レベルの憲法の基本認識が欠けているほど憲法や法制度に対して無知なのですか。
それなら、そもそも、憲法に基づいて行政権を担うに値するものではありません。
それとも、憲法典を変えたいから、わざと今できることに目を向けていないのですか。
それなら、国家的な危機まで、自分たちの政治目的のために犠牲にしようとする姿勢であり、到底信任に値しません。
この間、COVID―19は多くの皆さんの事業と暮らしに大きな打撃を与えています。
政府による事業支援策は、対象の限定されたものが継ぎはぎされたパッチワークのような状態で、手続に大変な手間と時間がかかり、継ぎはぎの隙間から必要な支援がこぼれ落ち、届いていない方がたくさんいます。
例えば、飲食店への支援は、全体の規模が不十分であるとともに、ばらつきによる不公平感も大きくなっています。
酒類の提供が止まっていることで、納入業者や酒造メーカー、酒蔵などはもとより、米作り農家や容器包装業者、中小の運送業者など、多くの皆さんに多大な影響が出ていますが、その大部分の皆さんに支援が届いていません。
緊急事態宣言などが出ていない地域も含め、観光やイベント関連など様々な分野に深刻な影響が出ていますが、こうした皆さんへの支援も継ぎはぎの隙間からこぼれ落ちています。
こうした分野は、非正規雇用やフリーランスの方も多く、事業継続が困難になると同時に生活困窮に直結している方が少なくありません。
感染症拡大による厳しい経営環境の中で、昨年支給された持続化給付金は事業者の支えとなりました。
しかし、今年二月、第三波が続く中で、政府は持続化給付金の申請を締め切ってしまいました。
新政権では、これまで議員立法で法案も提出して繰り返し求めてきたように、給付要件を緩和し対象を拡大すること、事業規模に応じた加算を検討すること、不正受給の防止の対策を施すなどのバージョンアップを加えた上で、持続化給付金を再給付します。
家賃支援給付金を含め、八兆円規模の予算を充て、速やかに包括的な事業者支援を講じます。
私たちがこうした具体的な提案を繰り返しているにもかかわらず、事業者の困窮に目を向けず、必要な対応を取らない菅内閣は、到底信任できるものではありません。
生活支援も、その対象が著しく限定され、収入が大幅に減少していても、中間層を始めとして大部分の方には、十万円の特別定額給付金が一回ぽっきり支給されただけです。
私は、昨年、この本会議場から、パッチワークからこぼれ落ちて支援が届いていない大学生からの、政治に私たちは見えていますかという声を紹介しました。
このときにも感じましたが、COVID―19による影響が広範囲に及んでおり、私自身も気づいていない多くの場所で深刻な事態が生じています。
だからこそ、できるだけ広範で包括的な支援策が必要であり、また、常に、支援が届いていない場がないか、真摯に受け止めようとする姿勢と努力が必要です。
実際に、女性を中心として、自死する方の増加、生活保護を受ける方の増加など、支援の届いていない現実を示す数字は幾つも出ています。
総理は、こうした現実に、真摯に向き合おうとしていません。
先日の党首討論でも、支援が届いていない方について問うたにもかかわらず、総理は、マクロの数字を挙げるだけで、正面から答えようとしませんでした。
こんな姿勢では、国民の命と、暮らすことなどできません。
一刻も早く身を引くことを強く求めます。
政府は、COVID―19の影響で納税が困難な方に対する税の納付猶予特例制度について、当初の予定どおり本年二月一日で打ち切ってしまいました。
当初の利用見込み件数を大幅に下回ったことが打切りの理由だそうですが、全体で六十万件、額にして一・九兆円という、決して少なくない利用がありました。
厚生年金保険料などの徴収も、国税の例によるとされているため、担保、延納金なしの納付猶予特例制度が打ち切られています。
経済状況が好転しない中では、猶予されても納付できる体力自体がなかなか戻ってきません。
新しい政権では、納付猶予特例制度の延長に加えて、減免措置を創設します。
今施行されている令和三年度予算は、昨年十二月に編成されたものです。
年末年始の第三波や、その後の第四波を踏まえたものではありません。
COVID―19対応の予算は、予備費五兆円を除くと、ほとんどありません。
総理は、令和二年度からの繰越予算が約三十兆円残っているので大丈夫だと説明しています。
しかし、現行の支援策は、困難に直面する方々の隅々にまで行き届く内容になっていません。
これを真に機能する支援策へとつくり変えるためには、財源的な裏打ちが必要であり、今すぐCOVID―19対応のための補正予算を編成することが不可欠であります。
この夏に、感染力の強いデルタ株を含め、再び感染拡大が生じる可能性もあることを考えると、今補正予算を組んでおかなければならないことは誰の目にも明らかです。
このままでは、新しい補正予算を組むことができるタイミングは、早くても秋になってしまいます。
執行されるのは年末でしょう。
国民の命と健康、暮らしを守るためには、到底待っていられません。
この期に及んでも補正予算編成を先送りする菅内閣の姿勢は、国民の命と暮らしをないがしろにする許し難いものであります。
私たちは、これらのことを、国会や政府・与野党連絡協議会の場などを通じて、政府に対し繰り返し提案してきました。
COVID―19対策の不十分な部分を補うために、多くの議員立法も提出しました。
昨年秋の臨時国会から現在の通常国会だけでも、立憲民主党がCOVID―19関連で提出した議員立法は十九本にもなります。
与党は、ほとんどの法案をまともな審査も行わないままたなざらしにしています。
新政権では、事業支援、生活支援、さらには医療支援について、網羅的、包括的な支援となるよう、パッチワークを抜本的かつ速やかに組み替え、簡易な手続で迅速に届けられるよう強化します。
ここまで述べてきた持続化給付金の再交付などに加えて、特に、中間層を含めて疲弊している国民生活を支えるために、一つには、年収一千万円程度の方までは実質免除となる、大胆な規模で、時限的な所得税減税を断行します。
二つ目に、こうした効果が十分に及ばない低所得の皆さんには、消費税五%の負担に相当する額以上を現金給付します。
その上で、三つ目に、COVID―19による売上減少の影響を最も大きく受けている飲食や観光などの事業に最大の効果が出るよう、当たり前の日常を取り戻すことのできるタイミングを見据えて、国会と国民の理解を得ながら、税率五%への時限的な消費税減税を目指します。
総理が力を入れているワクチン接種は、OECD、経済協力開発機構加盟三十七か国の中でも大きく後れを取っています。
遅れを取り戻そうと、突如として、七月末までに高齢者接種を完了させると言い出し、一日百万回という目標を打ち出しましたが、接種完了の根拠や具体的な見通しは示されていません。
厚生労働省の説明に基づくと、稼働日を週五日とした場合、七月末までに高齢者接種を完了するには、一日当たりでは約百五十七万回。
土日を含めて接種するとしても、平均百十四万回接種できる体制が必要です。
総理の言う百万回が実現できても、七月末の完了は無理です。
六月七日の参議院決算委員会で、総理は、総接種回数が毎日八十万回前後増えている旨を発言し、私との九日の党首討論では、八日は百万回を超えてきたと述べられました。
しかし、これらは、接種数ではなくて公表数であり、複数の接種回数がまとめて報告されたものが含まれた数字で、世論を惑わすミスリードと言わざるを得ません。
今最も力を入れている政策に関してすら正確な情報発信できない総理は、到底総理としてふさわしいとは思えません。
ワクチン接種については、歯科医師の皆さんに御協力をいただいています。
こうした皆さんに敬意と感謝を申し上げたいと思います。
もっとも、政府は、接種の法的根拠について、歯科医師によるワクチン接種が形式的に医師法違反に該当する、つまり、構成要件に該当することを否定できずに、条文の直接の根拠なしに実質的違法性阻却を認めるという、一種の超法規的措置の位置づけをしています。
政府のここまでの対応は、広い意味での緊急避難としてやむを得ないものであると理解しますが、緊急事態対応とはいえ、大規模かつ組織的に実施する以上、特例法などを制定するのが筋であるのも間違いありません。
将来、接種に当たっていただいている歯科医師の方などに不測の御迷惑をかけることがないように、単なる行政通知を根拠とするのではなく、必要な立法措置を取るべきであります。
東京オリンピック・パラリンピックの開催について、総理は、最大のリスクである、開催による国内での感染拡大の可能性を直視していません。
人の流れが多くなり、夜遅くまでテレビでオリンピック・パラリンピックが生中継されることになれば、そのさなかに、不要不急の外出や県境を越えた移動などについて自粛を呼びかけ、飲食店などに営業停止や営業時間短縮を求めても、全く説得力はありません。
特に、深刻な影響を受け続けている飲食店や観光関連の皆さんには、到底受け入れられるものではありません。
テレワークの要請についても疑問の声が上がっています。
第三波も第四波も、感染者が急増し医療崩壊に至るまで僅か一か月程度でした。
ただでさえ、いずれ緊急事態宣言などが解除されれば、この間の自粛の反動が出ます。
そして、オリンピックには夏休みが重なります。
いわゆる、緩む事態となり、オリンピック・パラリンピック前後の約二か月の間に感染者が急増するおそれが相当高いと言わざるを得ません。
先日の党首討論において、このことを総理にお尋ねしたところ、五十七年前の東京オリンピックの思い出をとうとうと語られました。
私も、世界の頂点に立つために努力を重ねてきた選手の皆さんなどを思うと、その舞台を提供したい気持ちはやまやまです。
それは、開催に反対している皆さんも含めて、多くの国民の皆さんも同じ気持ちではないでしょうか。
しかし、国民の命には代えられません。
オリンピック開催による感染拡大リスクについて、納得できる説明どころか、説明そのものが党首討論において一切ありませんでした。
G7サミットで開催への賛同を受けたと言いたいのでしょうが、各国首脳は、参加する自国選手などの安全には責任を持っているかもしれませんが、日本の国内における日本国民の命と暮らしには責任を負っていません。
総理は、その責任の違いを理解できないのでしょうか。
今ならぎりぎり間に合います。
IOCなどとの間で、開催の一年延期や、やむを得ない場合は中止を含めて、真摯に交渉すべきです。
党首討論で、国民の期待する安全、安心の根拠を語ることなく、自己満足の昔話にうつつを抜かしたことを含め、国民の命と暮らしを守るという最大の責任を自覚せず、人ごとのような姿勢で、オリンピック・パラリンピック開催による命と暮らしの危機に向き合おうとしない姿勢は、不信任に値すると言わざるを得ません。
オリンピックに関連しては、学校連携観戦プログラムの扱いがはっきりしません。
最大八十一万人の子供たちが動員されると言われていますが、感染症さえなければ、子供たちが広くオリンピックに関わる機会を設ける上で大変意義のある事業だったと思います。
しかし、残念ながら、現在は状況が全く異なります。
観戦そのものに加えて、移動中を含めた感染のリスクなどを考えると、参加したくないという子供や参加させたくないという保護者がいるのも当然です。
私の地元さいたま市を始め、取りやめの判断が広がっているのもやむを得ないことです。
しかし、いまだに全体の方向性は示されていません。
私も、中学生の双子の親です。
周囲には、もし強行されて、参加しなかった場合、欠席扱いになったり、内申書に影響するのではないかと心配している保護者が少なくありません。
もし、このプログラムが実施される場合でも、参加を望まない子供や保護者の意思が尊重されること、そして、参加しない場合に、欠席扱いなどの一切の不利益を与えないことだけは明確にすべきです。
先ほど、そんなことないよというやじが飛びましたが、教育の現場、御存じないんじゃないですか。
残念ながら、上からのプレッシャーを受けて、生徒を従わせなければならないので、実は、紙で残すとまた後でいろいろ言われるから、口頭でプレッシャーをかけている、その現実、現に存在しているその声、直接、私はたくさん聞いています。
現実を見ないで、つまらぬやじは言わないでください。
昨年、現場に何の前触れもなく一斉休校を迫ったのは政府ですから、教育委員会の判断などと逃げることは許されません。
感染症対策で間違い続けている背景には、菅総理が、一貫して、正常性バイアスに陥り、根拠なき楽観論に立ち続けていることがあります。
危機においては、誰でも、現実を受け止めることができずに、正常と変わりないのだと思い込む傾向があり、正常性バイアスと呼ばれます。
しかし、国家の危機において、リーダーが正常性バイアスに陥ることは許されません。
より悪い事態を想定して先手を打つことでこそ、国民の命と暮らしを守ることができます。
私は、東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故の経験に基づき、このことを繰り返し指摘してきました。
あのとき、私は、正常性バイアスに陥らないようにと強く意識して対応に当たりましたが、それでも、事態の悪化するスピードが速く、大変苦慮し、多くの皆さん、特に福島の皆さんに大変な御苦労をおかけしました。
早過ぎたGoToキャンペーンや緊急事態宣言の遅れと拙速な解除など、根拠なき楽観論に基づく判断がことごとく間違いであったことは、結果が示しています。
その背景にある正常性バイアスを含めて、一年以上にわたって指摘し続けてきたにもかかわらず、今また、根拠なき楽観論に基づいて東京オリンピック・パラリンピック開催を強行しようとする姿を前にして、もはや、改善を求めても、聞き入れる能力自体が足りないのだと断じざるを得ません。
安倍、菅政権を通じた感染症対策全体の決定的な間違いは、司令塔が不在であるために、政府としての一貫的な戦略、戦術が存在せず、それらしきものが示されても徹底していないことにあります。
ワクチンを含めた感染症対策の本体を担うのは厚生労働省ですが、現場を担う地方自治体との連絡調整は、基本的に総務省の担当です。
大学や研究所などは文部科学省。
影響を受ける様々な事業の所管は、幅広い役所にまたがります。
ただでさえ、各省間の調整や自治体との調整には、多大な時間とエネルギーが必要です。
平時なら事務レベルから時間をかけて進められますが、危機においては、その時間的余裕がありません。
それなのに、インフルエンザ特措法の改正を担当した経済財政担当大臣が、その後も、一見すると全体を統括しているかのような立場で存在し続け、ワクチン接種に規制改革担当が登場して、医療関係だけでも更に複雑化し、権限と責任の所在が分からなくなっています。
逆に、全体を総括的に把握して調整すべき官房長官の存在感は、安倍内閣の菅長官の時代から一貫して希薄であります。
GoToトラベルは、所管する観光庁、国土交通省として観光関連産業を守るための政策としては当然に考え得るものですが、感染拡大を防ぐという見地に基づく十分な調整がないまま進められた結果、感染拡大で関係事業者にもかえって大きな損害を与えました。
一斉休校は、厚生労働省が所管する放課後児童クラブや保育所など、子育て支援の現場と関係者に大きな影響を与えるにもかかわらず、全くの調整なく、いきなり打ち出されたために、関係者に大混乱を招きました。
事業者などに対する支援策や生活支援策が、使い勝手の悪い、継ぎはぎだらけのパッチワーク状態となり、多くの方に支援が届いていないのも、省庁ごとに考えられた政策が、総合調整されずに進められてきたからです。
第二次安倍政権以降、官邸主導という言葉が躍り、菅官房長官が取り仕切ってきた官邸に対しては、むしろ強過ぎることの問題が指摘されてきました。
ところが、COVID―19に関しては、一貫して、全くと言っていいほど、存在感がなく、機能していません。
時々、思い出したかのように思いつきのようなトップダウンの方針が示されますが、それも本来なされるべき内閣官房による事前調整が存在しないため、混乱を招くばかりでありました。
一年半たっても司令塔機能を確立できず、総合的な、戦略的な調整のできない菅内閣では、適切なCOVID―19対策など、到底期待できません。
十年前、震災直後の週末、週明けの月曜日、三月十四日から首都圏で計画停電を行うという報告が、当時官房長官であった私の下に届きました。
電力不足という現実から、計画停電はやむを得ないものの、停電となり、鉄道が止まれば国土交通省、銀行業務が止まれば大混乱が生じる金融庁、関係行政機関等との調整に追われました。
特に、不意の停電によって人工呼吸器が突然停止するなど、命の危機にさらされる方が出る可能性があったため、関係者に対する連絡など、厚生労働省に対応を急いでもらいました。
準備のために停電の開始はできるだけ遅らせたいと、計画停電がなくても電力消費量が限界を超えないよう、大口需要者に対する個別の節電要請を経済産業省や東京電力に強く指示するなど、計画停電初日となる十四日月曜日の朝まで、ほぼ徹夜での調整を続けました。
経済産業省が横並びの各省と短時間で調整できる状況ではなく、官房長官と内閣官房の権限と能力をフル稼働させました。
震災を含めた被災者の生活支援についても、当時の仙谷官房副長官の下に各省からの幹部を含めたチームをつくり、隙間からこぼれ落ちる課題を出さないように、また、縦割りの壁が障害をもたらさないように、総合調整を進めてもらいました。
その仕組みは、その後の政権にも引き継がれていますが、自然災害ではないというその理由で、COVID対策としての生活支援には生かされていません。
私は、こうした経験と教訓を生かし、政権をお預かりしたならば、直ちに、継ぎはぎだらけの体制と権限を、総理直轄で官房長官が担当する司令塔へと再編、集約し、各省から事務方の幹部を集めた強力なチームを編成して、迅速な総合調整を進め、戦略的で効果的な対策を実現いたします。
菅政権は、COVID―19の感染拡大で生じた国民生活の危機を考慮することなく、医療や国民生活を脅かす政策を強行しました。
この点でも、現状認識と危機感が欠如しており、到底信任に値しません。
一つに、感染症による受診抑制が問題になっている中で、健康保険法等を改正し、単身世帯で年収二百万円以上の後期高齢者の医療費窓口負担割合を一割から二割に引き上げました。
必要な医療が受けられないかもしれないという不安が国民の間に広がっている中で、受診抑制を引き起こしかねない窓口負担割合の引上げを議論すること自体が、タイミングとして不適切であります。
後期高齢者医療保険制度を持続可能なものとしていくために、現役世代の負担軽減策は必要です。
そのため、立憲民主党は、病気の方が受診する際の窓口負担を増やすのではなく、保険料賦課限度額の引上げによる応能負担の強化と一部国費の充当によって、政府試算と同程度に現役世代の負担を軽減する対案も提出しています。
こうした指摘を踏まえた十分な議論をせず、政府案を強行採決した菅内閣は、到底信任できるものではありません。
二つ目に、少しでも病床を確保しなければならない感染症危機の中、医療法等の改悪を強行し、病床の削減などを行った医療機関に財政支援する仕組みを設けました。
感染症危機の今、なぜ大きな予算をかけて病床の削減などを促進するのか。
逆じゃありませんか。
全く理解できません。
加えて、児童手当法も改悪され、約六十一万人の子供たちが支給対象から外されることになりました。
対象となる世帯は、高校授業料の無償化など他の子育て支援策についてもほとんど恩恵を受けていない世帯であり、唯一とも言える児童手当が削減されることになります。
また、この所得制限で浮いた予算を待機児童対策に充てるとしていますが、そもそも、我が国の家族関係社会支出は、先進国の中で最も低い水準にあり、欧州各国と比べると半分程度しかありません。
同じ子ども・子育て予算の中から振り分けるのではなく、全体を大胆に予算拡充すべきです。
政府・与党は、子ども・子育て政策を一元的に担う省庁設置の議論をスタートさせるそうですが、新たな行政組織の箱をつくるだけでは問題解決にはつながりません。
日本にとって最も本質的な課題である子育て支援について、こうした上辺だけの対策に終始し、本質的には逆行することを進めているようでは、菅内閣を信任することは到底できません。
新政権では、全ての子供たちの育ちを全ての国民で支えるという普遍主義の理念に基づき、児童手当の所得制限を撤廃し、その対象に高校生を加えることを目指してまいります。
菅内閣を信任できない理由は、COVID―19対策だけではありません。
代表的なものを六点申し上げます。
その第一は、人権問題に対する感度の決定的な鈍さです。
いわゆるLGBT法案は、超党派の議員連盟で了承され、立憲民主党でも、不十分ながら一定の前進が見られるとして、党内了解しました。
野党のほか、公明党でも党内手続が終わっており、あとは自民党さえ了承すれば今国会で成立が望めるという状況です。
差別を許さないという法案の基本理念は、時代や国境を超えた普遍の理念であり、五輪憲章にも明示されている内容です。
五年以上にわたって超党派で議論されてきたものであり、その成立はLGBTなど性的マイノリティー当事者の皆さんの悲願です。
あと一歩というところで、なぜ成立のためにできることをしないのでしょうか。
世界経済フォーラムの公表している日本のジェンダーギャップ指数は、百五十六か国中百二十位と、極めて立ち遅れています。
その象徴が、夫婦で同じ氏を名のることが強制され、別姓が選択できないことです。
このことによる不利益は、多くの場合、女性に押しつけられています。
国連の女性差別撤廃条約委員会は、日本に対し、繰り返し、選択的夫婦別姓の導入を求めています。
日本政府は、この求めに応じようとせず、その合理的な理由すら示していません。
二〇一八年に提出された国連の文書に至っては、日本語訳もされず、担当省庁へも送られないまま、数年間放置されていました。
このような政府の姿勢は、日本に対する国際的な信頼を低下させるとともに、ジェンダーギャップによる当事者の不利益や日本社会の後進性を放置するものです。
しかも、菅総理は、今年二月、選択的夫婦別姓の導入について明確な反対意思を示している丸川珠代議員を、よりによって男女共同参画担当大臣に任命しました。
これではジェンダーギャップ解消など望むべくもありません。
そもそも、やる気がないんです。
収容を開始した昨年八月にはお元気であったスリランカ人女性、ウィシュマ・サンダマリさんが、僅か半年余りでなぜ三十三年の生涯を閉じることになったのか、原因究明と対策が不可欠です。
真相究明に向けて、最も客観的で中立的な資料である名古屋入管のビデオ記録、監視カメラ映像の開示を求めてきましたが、政府は拒否を続けています。
見られては困る映像が映っているのではないかと、出入国在留管理庁に対する不信が更に強まっています。
出入国在留管理庁の存在意義そのものが問われています。
こうした事態を放置している菅内閣を到底信任することはできません。
特定商取引法と預託法については、ジャパンライフなど巨額の消費者被害を生み出した販売預託商法を原則禁止にするなど、消費者団体や弁護士団体が切に願ってきた法改正が予定されていました。
しかし、消費者委員会での議論もないまま、契約書面などの電子化を可能とする内容が突如として入り込んできました。
過去、業界団体や規制改革推進会議などから導入の可否について照会があった際に、消費者庁が一貫して不可としてきたものです。
それが、なぜか、消費者庁の内部や消費者委員会で議論しないまま、突然に方向転換させられました。
消費者庁が本来の役割を果たせずにいることを放置し、消費者保護に逆行する法改正を強行したことは、内閣の責任放棄にほかなりません。
LGBTの皆さんへの差別を禁止することも、選択的夫婦別姓の実現も、そして消費者保護の推進すら、自民党政権には期待することができません。
私は、二十八年前、一九九三年、平成五年の総選挙に初出馬して初当選したとき、三つの公約を掲げました。
一つは、当時最重要の争点であった政治改革の断行、二つ目は、消費者保護のための製造物責任法いわゆるPL法の制定、三つ目が、選択的夫婦別姓の実現でした。
選択的夫婦別姓の実現と消費者保護は、私の政治活動の原点であり、ライフワークであります。
自民党政権での前進に期待できないことが明らかになった以上、共通する価値観に基づき、LGBT平等法の制定とともに、新しい政権で選択的夫婦別姓を実現させ、消費者保護法制の更なる整備を進めてまいります。
二つ目に、環境やエネルギー問題についても、菅政権は時代に逆行しており、不信任に値します。
四月十三日に決定したALPS処理水の海洋放出については、COVID―19の影響もあり、地元福島県民を始め国民への説明の場や広く意見を聞く機会が十分に設けられませんでした。
国民の理解も進んでおらず、風評被害対策についての具体策も示されていません。
当面は陸上保管を継続しつつ、福島のみに負担を強いることのない処分方法の検討や新たな技術開発などについても十分に追求しないままの拙速な決定であります。
福島のみならず日本の水産業全体に深刻な打撃を与えることが必至で、本格操業に向けて必死に積み上げてきた漁業者の努力が水泡に帰してしまいかねません。
関係者からすれば築城十年落城一日の思いであり、福島県民を始め被災地に寄り添っていない菅内閣の象徴であります。
将来世代のため、そして地球の未来のために、野心的な削減目標を掲げて、石炭火力に依存し続ける社会から早急に脱却しなければなりません。
同時に、気候変動対策を名目に、原子力政策を時代に逆行させることは許されません。
地球と人類の未来のために、温暖化対策を抜本的に強化するとともに、今を生きる国民が二度と東京電力福島第一原子力発電所事故のような危険にさらされることがないよう、原子力発電をやめることは、苦しくても同時進行で進めなければならない課題です。
原子力発電には、何億年も先の人類に使用済核燃料を残すということにもなります。
温暖化対策のためだからといって、目をつぶることはできません。
菅内閣は、原発事故を受けて、自民党ですら認めてこざるを得なかった原発をやめていくという方向性を、温暖化対策という大義名分の下、喉元過ぎればと放棄しようとしており、到底信任できるものではありません。
新しい政権では、原子力発電のない社会に向けて、不可逆的で明確な第一歩を踏み出し、原発に依存しない温室効果ガスの削減を強力に推進してまいります。
第三に、外交や安全保障問題でも、菅内閣の姿勢では、我が国の国益を守り、国民生活を守ることができません。
菅総理は、二〇一八年十月から拉致問題担当大臣を務めました。
しかし、在任中の国会質疑はたった一度きり。
その後、野党の強い求めに基づき、先週十一日にようやく委員会質疑が行われるまで、政府・与党は二年にわたって拉致問題特別委員会での質疑を避けていました。
被害者家族の皆様や支援者の方々の、残された時間は長くないという悲痛なお気持ちを、菅総理が本当に理解しているとは到底思えません。
さらに、我が国は、国際社会において、どの国よりも先頭に立ち、北朝鮮の拉致問題、人権侵害について強く非難すべき立場です。
これまで、北朝鮮の人権侵害を非難する決議案を国連総会にEU、欧州連合と共同提出してきました。
ところが、菅担当大臣、菅総理の下、二〇一九年、二〇二〇年の決議については、共同提出国にならず、決議を支持する共同提案国にとどめるなど、理解に苦しむ対応をしました。
このような、まるでやる気の感じられない政権には即刻退陣していただかない限り、拉致問題は永久に解決しません。
中国海警局の船舶が、一方的な主張に基づき、明白に我が国固有の領土である尖閣周辺領海に対して執拗な侵入を繰り返していることは、国際法違反であり、断じて容認できません。
中国海警局の挑発活動は長期化しており、船舶も大型化され、装備も強化されています。
今後も海上保安庁が優勢を保つため、また、不測の事態に備えるためにも、警備方針や体制整備について、これまで以上に現実的な検討が必要です。
立憲民主党は、領域警備・海上保安体制強化法案を提出しています。
この法案では、海上保安庁体制を強化するための計画策定を義務づけ、予算を確実に確保するために、計画を閣議決定することとしています。
本来であれば、政府が率先して対応すべきことです。
しかし、政府は、平成二十八年度に策定した海上保安庁の強化方針に基づいて着実に進めていますと言うばかりで、思考停止に陥っています。
新政権では、既に提出している領域警備・海上保安体制強化法案をベースに、中国政府の意を酌んだと思われる民間船が大挙するなどの不測の事態に備えた法整備を進め、海上保安庁の体制も一層強化してまいります。
他方で、菅内閣は、ピント外れの土地利用規制法案を提出し、短い審議時間で、衆議院では何と強行採決しました。
この法案では、重要施設の周り一キロ以内の土地について、調査を可能とするだけで、悪意ある利用が明らかになったからといっても、国による土地の買入れの申入れしかできず、そもそも実効性が全くありません。
重要施設や生活関連施設などの定義や調査対象区域の範囲も明確でなく、むしろ運用によって悪用が容易なでき損ないの法案です。
自由な経済活動や不動産の価値などにも大きな影響が出かねないと言われており、立法事実についてすら、政府の答弁が二転三転し、最後まで明らかになっていません。
地方自治体から検討が求められてきた水源地や農地の保全などについても、本法案では全く対象となっていません。
ポーズだけで、我が国を守るための政策を真剣に検討していないことの表れがこうしたでき損ないの法案であり、撤回して再検討し、真に必要な範囲で、効果的な法案として出し直すべきであります。
政府は、イージス・アショアについても大失態を繰り返し、時間とコストを無駄にして、防衛力整備に大きな不安を抱かせました。
さらに、我が国の主力戦闘機F15について、二〇一九年の中期防衛計画で、南西諸島の防衛力を高める重要な柱と位置づけ、二七年度までに二十機の改修を順次終える計画でした。
ところが、アメリカ側が当初計画の三倍となる二千四百億円を要求してきたため、予算の執行が見送られ、米国と再交渉していると伝えられています。
想定の甘さが目に余ります。
こんな政権に防衛力の整備を任せていたら、湯水のごとく税金を使いながら、ちぐはぐで中途半端な装備しかできず、日本の防衛力は落ちていきます。
即刻退陣いただかなければ、我が国の平和と安全が確保できません。
第四に、いわゆる政治と金の問題などの不祥事についても、深刻な事件が次々と明るみになっているにもかかわらず、その改善に向けた菅総理の姿勢は全く後ろ向きで、到底信任に値しません。
夫婦そろっての前代未聞の選挙買収事件が、よりによって法務大臣だった河井氏によって引き起こされました。
二人とも議員辞職をしたのは当然ですが、遅きに失し、多額の歳費をいわば持ち逃げしたような状況です。
更に問題なのは、自民党がこの選挙に一億五千万円という巨額な資金を投入したこと、そして、会計責任者によれば、その資金が買収の原資になっていたということです。
幹事長も選対委員長も、一億五千万円の支出に関与していないと言い放ちました。
じゃ、誰なんですかね。
当時の安倍総裁なんでしょうか。
カニにメロンに現金にと、よくもこれだけばらまいたものだとあきれ返る醜態をさらした菅原元経済産業大臣は、事件の発覚で大臣を辞任しましたが、自民党は、ほとぼりが冷めたと思ったのか、何と厚生労働委員会の与党筆頭理事という要職に就け、挙げ句の果てに、最後は議員辞職に追い込まれました。
吉川元農林水産大臣によるアキタフーズ事件は、直接の利害関係者として鶏卵業界が農林水産省に食い込み、事もあろうに大臣室で現金の授受が行われていたという、これもあきれるほかない事件です。
吉川氏の議員辞職も当然ですが、農林水産省による第三者調査と称するものも、吉川氏本人や西川元農水大臣、アキタフーズ元代表から聞き取りをしておらず、極めて不十分なものです。
いずれも、形式的なミスなどとは全く異なる、極めて悪質で大規模な買収、汚職事件です。
しかも、直近まで大臣を務めていた自民党議員が別々の案件で三人も議員辞職に追い込まれました。
政治と金の問題は、きれいになったどころではありません。
限りなく深刻化しています。
菅総理の総務大臣時代の秘書官でもあった長男が勤める東北新社に加えてNTTグループからも総務省幹部らが多額な接待を繰り返し受けていたことが判明しました。
総理は、息子は民間人、私人だと主張し、プライバシーを盾に答弁を事実上拒否してきましたが、安倍昭恵氏を私人認定して追及から逃げた安倍前総理と全く一緒です。
長男を通じて衛星放送などの事業拡大を狙った東北新社と、忖度して接待に応じれば出世の道も開けると計算したのか、逆に、断ったらそれが塞がれると思ったのか、官僚たちの双方の思惑が癒着につながったと言われても仕方ありません。
武田大臣とNTTとの会食も報じられ、ようやく認めたと思ったら、誠実さのかけらもない同じ答弁を何度も何度も繰り返し、関係業者と会食で一緒になっても、国民の疑念を招いていないと開き直る始末です。
国民のために働くといいながら、総理の肝煎りである通信や放送分野で癒着が相次ぎ、国民のためではなく、身内のために働いていることがはっきりしました。
森友問題では、安倍前総理の国会答弁に端を発し、公文書の改ざんを命じられた財務省近畿財務局職員の赤木さんが自ら命を絶っています。
御遺族も含め、どんなに無念だったか、政治に関わる者全てが真摯に受け止めなければなりません。
安倍政権以来の隠蔽、捏造、改ざん体質は許し難いものですが、せめて赤木さんの残されたファイルを公開し、真相を明らかにすることが、国家としての最低限の責任です。
官房長官当時、加計学園の愛媛県文書を怪文書だと言ってのけた菅総理です。
数々の疑惑に正面から対応しようとしない菅政権の体質は、前政権から引き継がれた本質であると断ぜざるを得ません。
菅政権を終わらせ、この隠蔽、捏造、改ざん体質と決別することが、政治への信頼を回復させるための最低限の前提であります。
新しい政権では、内閣官房に総理直轄の真相究明チームをつくり、森友、加計問題や桜を見る会問題などについて、必要な情報を全て開示して真相を究明します。
隠蔽、改ざんなどができないよう、公文書管理制度と情報公開制度を抜本的に強化し、公文書記録管理院の設置を目指してまいります。
菅総理肝煎りのカジノ導入も、当初の懸念どおり、様々な利権が絡み合う泥沼と化しています。
IR担当の内閣府副大臣であったあきもと氏は、業者とずぶずぶの関係であることが明らかになり、事もあろうに保釈後に証人を買収しようとする悪辣ぶりです。
政府は観光立国や経済成長の目玉と位置づけていますが、市民から金を巻き上げ、外国に送金するシステムと化すことは明らかです。
カジノには、ギャンブル依存症の飛躍的な増大など、数々の弊害が指摘されています。
政府は、パチンコを始めとする依存症対策にも十分対処できていないばかりか、こうした負の社会的コストについてしっかりとした試算をしていません。
この意味でも、菅内閣は信任できるものではなく、新しい政権は、カジノ解禁の方針を撤回いたします。
第五に、菅総理の非民主的で強権的な姿勢は、官僚システムなど、周囲にも大きな悪影響を及ぼし、取り返しのつかない深刻な事態を招いています。
この点でも信任することはできません。
今年三月下旬の時点で、十三府省庁二十三本の政府提出法案に条文や参考資料の誤りが見つかりました。
さらには、RCEP附属書の誤り、貿易保険法では不適切事案が見つかって法案提出自体が見送られています。
前代未聞の出来事であり、事態は極めて深刻です。
ただ単に役所の皆さんの責任として矮小化することはできません。
無理な日程での法案作成の指示など、菅総理周辺による間違った官邸主導政治の弊害がなかったか、懸念を抱かざるを得ません。
安倍政権以来、当時の菅官房長官を中心とした官邸首脳に対し、多くの役所の公務員は忖度を余儀なくされてきました。
違法行為を強要され、自ら命を絶つところまで追い込まれた赤木さんだけでなく、官邸に、特に菅官房長官、そして今は菅総理ににらまれると左遷されるという恐怖が霞が関を覆っています。
その結果、日本最高のシンクタンクと言われていた官僚機構の政策能力が大幅に落ちていることを危惧せざるを得ません。
相次ぐ条文ミスは、その氷山の一角です。
私たちもかつて政治主導を唱えました。
官僚の皆さんの意見と政治の判断が異なったとき、民主政治である以上、政治が判断し責任を負うのが基本です。
しかし、逆らったから左遷するという私的感情に基づく対応は許されるものではなく、そうした印象を与えるだけでも、官僚のモチベーションが下がり、必要な指摘や提言が出てこなくなります。
COVID―19対策が十分に機能しないことの背景には、各役所と官僚の皆さんの多くが、余計なことを言って、官邸に、菅官房長官に、菅総理ににらまれることを避けているためだと言われています。
このような状態が長く続けば、意欲と能力のある若者が官僚を目指さなくなり、日本の行政能力が低下します。
いや、既にその兆候は表れています。
新政権では、内閣人事局による中央省庁の幹部職員人事制度を見直し、官邸による強過ぎる人事介入を抜本的に改め、官僚の皆さんが忖度なく意見具申でき、政治はそれを踏まえながら判断に責任を持つという、本来の適切な政官関係を取り戻してまいります。
総理は、科学者の代表機関である日本学術会議が推薦した新会員について、百五人の推薦者のうち六人の任命を拒否するという暴挙に出ました。
昨年九月十六日の就任早々、九月二十八日の決裁でした。
内閣総理大臣が勝手に判断することはできない旨を規定した日本学術会議法に明らかに違反しています。
一体誰が、どんな権限や基準に基づいて判断し、決裁したのか、任命拒否の理由が全く明らかになっていないにもかかわらず、政府・与党は、日本学術会議の体質に問題があるかのような、論点のすり替えさえ行っている始末です。
独断で決める、反対者は許さない、説明責任なしという菅総理の政治体質が馬脚を現した象徴的な出来事です。
菅内閣はスタートから信任に値しないものであったと言わざるを得ません。
新しい政権は、発足後直ちに、任命を拒否されてきた六人の方について追加で新会員に任命いたします。
安倍内閣から菅内閣へと続いてきた経済政策は、供給サイドを重視した従来型の対策に、より強いアクセルを踏み込んだものです。
供給サイドの効率性を高めるために、競争を加速することが絶対的な正義とされ、規制を取り払い、低賃金で都合よく働いてくれる労働者が増やされてきました。
当面のカンフル剤としての大胆な公共投資や金融緩和も繰り返されました。
しかし、幾ら虚勢を張っても、安倍政権の八年間、COVID―19による影響が出る前の二〇一九年までを見ても、国内消費は伸びず、長期的な低迷傾向から抜け出すことができなかったのは客観的な事実です。
この間の政策が、期待された効果をもたらさなかったのは、需要が不足しているのが根本的な原因であるのに、その需要を生み出し、掘り起こすための政策が決定的に欠けているからです。
私は、安倍政権の時代から、繰り返し、こうした客観的な事実を指摘して、国内消費を喚起することを中心に据えた経済政策への転換を呼びかけてきました。
しかし、菅総理は、こうした指摘に耳を傾けることなく、いたずらに時代遅れの安倍政権の路線を継承し、むしろ加速させようという姿勢さえうかがえます。
これでは、いずれCOVID―19による影響が小さくなっても、反動増を超えた本格的で安定的な経済の回復は期待できません。
第六に、経済運営の姿勢、こうした点でも菅内閣を信任することはできません。
そもそも、人類は、産業革命以来の大きな転換点に立っています。
日本も、産業構造が大きく変化し、明治維新以来の、大量生産で量的な生産性を向上させれば人々の暮らしをよくできるという近代化路線そのものが限界に達しています。
二十世紀末頃から、世界はグローバル化が急激に進み、途上国から安い労働力が飛躍的な量とスピードで世界経済に参入しました。
大量生産を可能にするということは、多くの場合、誰にでも生産できる体制に近づけることを意味します。
新製品や新技術の研究や開発の段階では先進国に優位性があっても、量産体制に入れば、人件費の安い新興国に優位性が出てきます。
最近は、近代化とグローバル化のスピードが速く、コンピューター技術など自動化の生産技術そのものも大幅に向上し、大量生産に限れば、新興国が先進国に追いつくまでのタイムラグが著しく小さくなっています。
その結果、こうした分野では、供給過剰に陥りやすく、供給過剰は当然に価格の低下をもたらしますから、グローバル化によって、世界経済はデフレに陥りやすい状況が常態化しています。
日本を含む先進国が、新興国とのコスト引下げ競争に勝ち、大量生産で稼ぐことが構造的に困難になっているのです。
従来の路線を無理に進めるなら、この間、安倍、菅政権の下で続いてきたように、国内の労働単価を大幅に引き下げざるを得ず、国民生活の水準は間違いなく悪化していきます。
感染症危機で明らかになった日本の経済、社会、行政の脆弱さの要因は、そして、この三十年近く、経済が低迷を続け、従来型の経済政策が思うような効果を上げていない根本的な原因は、こうした近代化の限界そのものです。
限界に直面しながらも、それをごまかしてやり過ごそうと無理を重ねた結果が、感染症という現実の前で一気に露呈しています。
今、求められているのは、従来の延長線上で過去の成功体験にすがるのではなく、より大きな視野で、私たちが直面している変化の本質と向き合い、限界を認めた上で、それを乗り越えるための模索と努力です。
競争だけをあおり、自己責任や自助を強調して、役所や公的なサービスは小さいほどよいとしてきた改革と称するものは、昭和や平成のある時期までなら一定の意味を持っていました。
私も、そうした傾向に流された時期があり、今深く反省をしています。
しかし、こうした古い改革は、グローバル化による産業構造の変化によって、とっくの昔に時代遅れになっています。
令和という新しい時代を迎えてはや二年、間もなく初めての政権選択選挙が行われます。
今こそ、小さな政府論に代表される、時代遅れになった昭和や平成の古い改革という衣を脱ぎ捨て、令和という新しい時代にふさわしい支え合う社会をつくる。
支え合う役割を果たし得る、機能する政治、行政へ転換する。
その大きな第一歩を踏み出すべきときであります。
世界的な産業構造の変化を踏まえれば、日本を含めた先進国では、規格大量生産を中心に置いた従来型の経済政策から、ディマンドサイドを重視した政策、消費を増やすことを柱とした政策へと大胆に転換しなければなりません。
日本の経済議論では、なぜか消費性向という経済分析の基本が無視されてきました。
消費性向は、一般に、所得が少ないほど高く、所得が増えるほど下がっていきます。
低所得者の所得が底上げされれば、すぐに消費に回り、通貨の流通スピードが上がって、経済成長につながります。
逆に、富裕層を更に豊かにしても消費にはつながりにくく、相対的に経済成長に与える効果は小さくなります。
格差が拡大して中間層が減少し、貧困に陥る人が増えれば、消費は減少するのです。
そこで、新しい政権では、COVID―19による経済危機を乗り越えつつ、次の段階を見据え、まずは、新しい時代に向けた経済改革の第一の柱として、所得税や法人税の抜本改革を中心に、政府による所得再分配機能を高め、分厚い中間層を取り戻します。
必要な政策減税は残した上で、法人税に累進税率を導入します。
所得税の最高税率を引き上げ、超過累進税率を導入します。
金融所得の分離課税は、国際標準まで強化します。
さらには、社会保険料についての月額上限を見直し、富裕層に相応の負担をお願いします。
これらを支え合いの社会をつくる財源に充てるとともに、いわゆる給付つき税額控除、消費税相当額を事前に給付する制度を導入して、消費税の逆進性を抜本的に解消します。
トリクルダウンは生じないとして所得再分配を重視する方向は、米国でもバイデン政権によって明確に示され、国際的な法人税率の下限が設けられるなど、既に世界の潮流となっています。
日本だけが取り残されることは許されません。
経済を活性化するために次に重要なのは、格差の拡大を防ぎ、その是正を図ることのできる経済構造の構築であり、賃金引下げ競争に終止符を打つことです。
もっとも、国際競争にさらされている企業は、競争に勝つために、人件費を含むコストの引下げに走らざるを得ません。
内需関連産業でも、購買力を高めるには賃金の引上げが必要である一方で、賃金引上げには売上げの増加、つまり消費者の購買力が高まることが前提となり、仮に強引に人件費を引き上げても、それに見合うだけの売上げがすぐに伸びるわけではありません。
無理に進めれば、倒産や廃業を余儀なくされる企業が出てきます。
そこで、新政権では、新しい時代に向けた経済政策の第二の柱として、公的なベーシックサービスに従事する比較的低賃金の皆さんの雇用を安定化し、十分な財政的な裏づけで賃金を引き上げます。
介護や、放課後児童クラブを含めた保育、医療の多くの部分など、少子高齢社会の中で必要性が高く、COVID―19による危機の中でその脆弱さが明らかになった分野の多くは、低賃金と不安定雇用、慢性的な人手不足という状況にあります。
非正規が圧倒的に多いハローワークの職員や消費生活相談員、図書館司書などまで含め、必要な公的サービスの現場を担う皆さんの賃金を底上げし、正規雇用を原則とします。
最近は、自治体職員や教員まで無理に非正規化していますが、恒常的業務に就いているなら、原則として正規化します。
これらの分野は、給与等の財源の大部分が公的支出に依拠しており、政治が資源配分を変えることで、分厚い中間層の復活を直接的に実現していくことができます。
その上、老後や子育て、疾病などに対する将来不安を小さくするなど公的サービスの質を高めることができますから、そのことも消費意欲を高めていくことにつなげることができます。
その上で、純粋な民間分野については、最低賃金制度など労働法制の整備、労働運動への間接的な支援、経済全体のハンドリングの中で、間接的に誘導します。
大企業を先行させたり、中小企業、小規模事業者には補助をつけたりして、慎重かつ段階的に進めていきますが、労働法制を強化して正規雇用が原則という社会を再構築し、中長期的な経済の安定と発展を図ってまいります。
新しい時代に向けた経済改革の第三の柱は、医療や介護、子育てなどの将来不安を小さくすることです。
比較的豊かで資産のある高齢者の皆さんが積極的に消費しなければ、国内消費を伸ばして、経済の本格的な回復を図ることが不可能です。
しかし、高齢者の多くは、相当豊かな方であっても、老後のために蓄えた預貯金を老後になっても使いません。
その最大の原因は、介護や医療など将来の不安が大きいことにあります。
老後の問題も、まずは自助だ、自己責任だとする風潮がありますし、老後の問題を家族の問題に引き戻し、介護は家庭内で何とかせよという自己責任論も聞こえます。
しかし、自分が何歳まで生きるかを明確に予測することは誰にも不可能です。
何年分の資金を用意し、何年で取り崩せばよいのか、誰も計算できません。
自己責任を強調すればするほど、みんなができるだけ大きな貯蓄を持とうと消費を抑えます。
高齢者どころか、老後が視野に入ってきた中年以上の世代まで含めて、ますます消費が冷え込みます。
子供を持とうとするかどうかは、あくまでも個人の判断であり、加えて、経済のために子供が生まれてくるわけではないということは、幾ら強調しても強調し過ぎることはない大前提です。
同時に、子供を持ちたい人がその希望をかなえることができて、子供の数が増えることは、結果的に、短期的にも中期的にも消費の拡大につながり、経済にプラスの効果をもたらすのも間違いありません。
子育てや生殖補助医療を自助や自己責任として突き放すのではなく、社会全体で支え合い、その負担や不安を小さくすることは、子供を持つことを希望する個人にとってだけでなく、経済や社会全体に恩恵をもたらします。
新しい政権では、必要なときに誰もが必要な医療や介護、さらには子育て支援などのサービスが受けられるよう、その供給量と質を確保します。
こうした分野を支えるベーシックサービスの正規化と賃金引上げで、その質を高めつつ必要なサービス量を確保するとともに、無償化など誰もが必要なときに必要なサービスを受けられる体制をできるだけ早く整えることで、将来の不安を小さくし、安定的な消費の拡大と経済の成長へとつなげていきます。
このように、私は、新しい政権で、自助や自己責任を強調する社会を転換し、支え合う社会をつくります。
この支え合う社会は、時代の変化を踏まえ、経済の安定的な成長を実現するなど、社会全体に恩恵をもたらすもので、いわゆる弱者保護を強調する社会とは全く異なります。
大多数の国民が一定の豊かさの拡大を享受できていた時代は去り、今は逆に、大部分の国民が、これまでの豊かさを維持できないかもしれないという不安、老後や子育てなどの将来の不安を抱いています。
病気になったり、介護が必要になったり、子育てのサポートが必要になったりすることは、特別な弱者でなくても、誰の人生にも起こり得ることです。
そうしたときに誰でも普通に暮らしていける社会にしなければなりません。
だから、私は、弱者保護を強調する政治ではなく、お互いさまに支え合う政治を目指します。
収入や資産の要件を問うことで弱者に限定した政策は、これからも必要でしょう。
しかし、その対象となる弱者ができるだけ小さくなるように、弱者だからでなく、必要だからサポートするための政策を充実させてまいります。
日本には、情けは人のためならずということわざがあります。
人に親切にすると、巡り巡って自分にも恩恵があるのだから、親切にしよう。
その実感を持てる社会が、私の目指す社会です。
例えば、年金や介護などの制度で恩恵を受けるのは、高齢者だけではありません。
親や祖父母に対する扶養や介護などの負担を軽減される現役世代にこそ、大きな恩恵があります。
老後の不安を小さくするための政策を、高齢者のための政策と矮小化するべきでなく、ましてや、高齢者が気の毒だから充実させるものではありません。
社会は、分かち合いと支え合う中で成り立っています。
誰も一人では生きていけないし、一生を通じて自己責任だけで生きていける人など誰もいません。
自己責任を強調する社会では、いざ自分が困ったときに支えを受けられず、痛い目に遭うことを、私たちはCOVID―19によって嫌というほど突きつけられました。
私は、新しい政権の下で、お互いさまに支え合う仕組みを強化し、それによって、誰もが安心できる社会を再構築して、情けは人のためならずということわざの正しい意味を実感できる、そんな社会を実現してまいります。
不信任の理由は尽きませんが、以上、その主なポイントを指摘し、それに代わる新しい政権の所信の一端を申し述べました。
今、百年に一度という感染症危機を乗り越え、国民の命と暮らしを守るという政府の背負っている使命は、内閣制度の歴史全体を通じて見ても、日米、日中戦争を終わらせるという使命を背負い、これを成し遂げた鈴木貫太郎内閣に次ぐ、困難かつ重大なものと言っても過言ではありません。
加えて、現在は、百五十年ぶりの社会構造の転換にも対応しなければなりません。
総理がその使命を明確に認識し、危機感と責任感を持って立ち向かわなければ、被害を受けるのは国民の命と暮らしです。
政治を志し、ましてやトップリーダーとして立った以上は、どんなに重い課題であっても、国民の命と暮らしを守るために、逃げたりごまかしたりすることは許されません。
残念ながら、先日の党首討論でも、総理には、政治的なテクニックを駆使して、ごまかそう、逃げようという意思はあっても、国民の命と暮らしを守ることへの危機感と責任感、そして歴史的な使命感は全く示されませんでした。
国民の命と暮らしを守るために、そして総理御自身のためにも、背負い切れない重過ぎる使命は一日も早く返上ください。
私は、東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故に官房長官として直面し、危機におけるリーダーの重責は誰よりも分かっているつもりです。
だからこそ、軽々なつもりで申し上げるつもりはありません。
この危機と正面から向き合い、命と暮らしを守るための覚悟と準備はできています。
人口が減少し、規格大量生産型の産業構造が通用しなくなった時代に適応していくための、新しい時代のビジョンを持っています。
七条解散は総理の専権事項ですから、ひとえに総理の判断によりますが、いつ総選挙になろうと受けて立ちます。
そして、一日も早く政権を担い、この危機を乗り越え、命と暮らしを守ることのできる、機能する政府をつくるために、あなたのための政治を実現するために、全力を尽くしてまいります。
お聞きいただいている国民の皆さん、命と暮らしを守る、あなたのための政治を、真っ当な政治を、私とともにつくっていきましょう。
そのことを通じて、新しい時代に、誰も取り残すことのない、支え合う社会をつくっていきましょう。
私は、その重い責任を背負い、先頭に立つ覚悟であります。
だから、そのために、今こそあなたの力が必要です。
ありがとうございました。
第204回[両] 国家基本政策委員会合同審査会 2021/06/09 1号
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総理、お疲れさまでございます。
今年は、一月二十日に東京で緊急事態宣言が発令され、三月二十一日まで約二か月半続きました。
僅か三週間でまん延防止等重点措置となり、さらに、二週間で三度目の緊急事態を出さざるを得なくなってしまいました。
六月二十日まで数えると約二か月です。
今年に入って、法令に基づく自粛などの要請が出されていなかったのは僅か三週間、二十一日間。
やはり三月に解除が早過ぎたのではないかと私は思わざるを得ません。
もし次、四度目のリバウンド、五度目の第五波ということになれば、もう本当に、事業者の皆さん中心に耐えられない方がますます出てきてしまうと思います。
私は、リバウンドを防ぐためには十分なセットが、補償がセットでなければなりませんけれども、東京で一日当たりの新規感染者が五十人程度になるまでは苦しくても我慢しなければならないと、リバウンドをしてまた一か月ほどで緊急事態などということを考えれば、それが適切な判断ではないかというふうに思います。
総理、第五波は絶対に防がなければなりません。
是非同じ失敗を繰り返さないために、三月の解除が早過ぎたということの反省を明確にした上で、同じ間違いをしないために、私たちのような厳しい基準を明確にすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
ワクチン接種は大変重要ですし、政府を挙げて頑張っておられることについては是非更に進めていただきたいというふうに思います。
ただ、世界中全てこの感染対応うまくいかなかったわけではありません。
予算委員会などでも何度か申し上げてきましたが、ニュージーランド、オーストラリア、そして台湾。
台湾は、最近になって一度、外から来られた方が、たった一人ルール違反があったということで百人規模の感染を生じさせましたが、一月ほどでしっかりと抑え込んでいます。
こうした成功している国もあります。
そして、今政府が進めておられるワクチン対策がもし想定どおり進んでいったとしても、いわゆる集団免疫ができる状況というのはやはり秋になっていかざるを得ぬ。
そうすると、例えば今出ている緊急事態宣言、どこかで解除をする。
この後申し上げる、もしオリンピックを強行するということであれば、やはり第五波というものに備えなければならない、それを防がなければならない。
第五波で命を落とす人、あるいはそれによって緊急事態宣言などが出されて、御商売が成り立たなくなる方、生活が成り立たなくなる方、そうしたことをしっかりと考えながらどう手を打っていくのかということが求められていると思っています。
一度、東京で五十人レベルぐらいまで落とせば、一年前と比べれば保健所などの感染ルートを追いかけるPCR検査などの能力も非常に高まっていますので、ニュージーランドやオーストラリアのように感染ルートをすぐに把握をして、非常に狭いエリアで短期間の封じ込めで感染を抑え込むということは十分に可能だというふうに私は思っています。
それでは、オリンピックに関連してお尋ねしたいと思います。
総理は月曜日の参議院決算委員会で、国民の命と健康を守るのは自分の責任で、それがオリンピック開催の前提条件であると、その前提が崩れたら行わないとおっしゃられました。
大変勇気ある、しかし当然の御発言だというふうに思います。
国民の命と健康という観点から、私は、最大のリスクは開催を契機として国内で感染拡大を招くということだと思っています。
総理の言う国民の命と健康を守るとおっしゃるのは、大会参加者などによる直接的な感染拡大だけではなくて、当然のことながら、開催を契機として国内で感染が広がる、それが国民の命と健康を脅かすような事態は招かないと、こういうことも含むという意味でよろしいですね、確認させてください。
二年ぶりの党首討論ということで、多くの国民の皆さんが、特に感染症から、そしてオリンピック開催して命と暮らしを守れるのかどうか注目されています。
総理の後段のお話は、ここにはふさわしくないお話だったのではないかと言わざるを得ません。
私たちは、例えば検査の対象は、私は場合によっては政令でも拡大できる話だと思いますし、じゃ、一〇〇%しないとニュージーランドやオーストラリアのようなことができないのかというと、必ずしもそうではありません。
徹底して一人の感染者の周辺を検査するということ自体、アプローチしてこなかったというのは間違いありません。
それから、よく私権制限の話をされるんですが、私たちは別に私権制限に否定的ではありません。
ただ、きちっとした補償がなければ、それは私権制限されて首をつらなければならない、そんな状況に国民を追い込んではいけない、だから補償とセットでなければならない、私たちはずっと言い続けています。
もう一点だけ申し上げます。
確かに、ロックダウンをしたそういう国、ロックダウンの効果あったけれども、でもリバウンドしている。
リバウンドしている国とニュージーランドやオーストラリア、台湾との違いは、どこまで我慢したかなんです。
やっぱり早く解除したら、どんなに強い抑制をしてもリバウンドは生じている。
そして、日本は、他国のような強い強制措置を持っていなくても、例えば緊急事態宣言などを出したことによって感染がどれぐらいのスピードで減っていっているのかというのは、この一年他国と比べてみても、強いロックダウン措置をとった国と比べて決して見劣りしないスピードで落ちてきています。
つまり、それだけ国民の皆さんは協力をしてくださっているんです。
そうした国民の皆さんの努力を、リバウンドによって、すぐにまた緊急事態宣言を出すということによって無にしてはいけないということを私は申し上げているんです。
そして、私のお尋ねにはなかなか正面から答えていただけませんでしたが、私はオリンピックに関連して、何とか選手やコーチの皆さんについては頑張られるんだと思います。
ただ、例えば、これオリンピックがもし開催されて、世界中から東京に人が集まる、日本中から人が集まる、そして夜遅くまでテレビで生中継されている、そういう状況のときに、例えば感染が広がって、不要不急の外出を抑えてください、夜は飲食店やめてください、あるいは営業はもう休業してください、こうしたことをお願いできますか。
そして、お願いしたとしても説得力ありますか。
残念ながら、もしリバウンドの兆候が見えても、強い措置をとっても、なかなか国民の皆さん、理解が得られないという状況が、これ前後合わせると二か月続くんです。
夏休みとも重なります。
東京で約半年にわたって事実上ずっとみんな我慢をしてきた、どこかで解除したら緩みは必ず出ます。
それによって、急激な第五波でまた医療逼迫、それがオリンピックや、あるいは特に後半にあるパラリンピックに重なったらどうなるんだと。
そういうことを考えたら、私は、前回の東京オリンピックは私の生まれた年です。
だから、私は見た経験はありません。
でも、生まれたときから、子供の頃から、オリンピックの年の生まれだね、言われてきたし、言ってもきたし、それなりに思い入れがあるつもりですし、選手の努力を考えたら、私も是非開催したいと思います。
でも、今日の総理のお答えを聞いたのでは、今のようなリスクを含めて本当に命と暮らしを守れるのか。
命失われたら取り返しが付かないんです。
失われた命には政治は責任取れないんです。
そのことについての御認識が十分ではないのではないかと残念ながら言わざるを得ません。
補正予算についてお尋ねしたいと思います。
現在の予算は十二月に編成されて、この半年間の状況は想定されていません。
政府の現在の事業支援や生活支援は、対象の限定された支援策が継ぎはぎされたパッチワークのようになっています。
それぞれの支援策に様々複雑な条件が付され、手続に大変な手間と時間が掛かっています。
この継ぎはぎの隙間から必要な支援がこぼれ落ち、届いていない方がたくさんいらっしゃいます。
私は、本来であれば事業支援、生活支援、そして医療支援、それぞれごとにもっと包括的な網羅的な支援策の枠組みをつくって、パッチワークではなくて抜本的な組替えをして、簡易な手続で困窮されている方のところに支援が届くような、そういったものに強化をしなければならないと思っています。
ただ、そういった抜本的な措置をするには時間が掛かります。
まずは、私たちは繰り返し、持続化給付金の再給付、約八兆円掛かります、雇用調整助成金の特例延長、生活困窮者に対する特別給付金、医療機関や医療従事者に対する追加支援、こうしたことを具体的に提案をしてきています。
政府・与党は補正を組まず、また、秋まで国会を閉じると伝えられています。
これでは、どんなに早くても、補正を組んでそれが困っている方に届くのは年末になります。
残りの予備費だけで事業の継続や国民の生活、特にパッチワークからこぼれ落ちていらっしゃる皆さんたちを支えることは到底私は不可能だと思います。
三十兆円規模の補正予算を速やかに編成させるべきだというふうに考えます。
総理、お尋ねは、今支援の手からこぼれ落ちている、その継ぎはぎの隙間から落ちて支援が届かない皆さんに対するメッセージをこの場で届けてください。
今総理がおっしゃられたような支援策が現実に届いていない方からの悲鳴が総理のところには届いていないんですか。
もうこの一年、そうした声が本当にいろんなところから届いていますよ。
我々も気付いていない声がたくさんあって、我々もまだまだ現場を知らないと反省する日々です。
残念ながら、そうした皆さんに対するメッセージになっていませんでした。
補正予算を国会でちゃんと議論していくことを加えて、今後、感染症対策のため、新たな立法が緊急に必要になる場合も想定されます。
一月の特別措置法改正のときのように、我々は必要があれば全面的に協力する用意があります。
でも、国会が閉じていたら協力のしようがありません。
今日も明確なお答えいただけなかった緊急事態宣言の解除、オリンピック、パラリンピックの対応、さらにはワクチン接種、さらに、本当に計画どおりいくのかどうかなど、日々変化していく事態に、国会における国民に開かれた議論の必要性は高まっています。
加えて、与野党間で内容的には合意されているいわゆるLGBT法案もあります。
オリンピック憲章にかなうためにも、今国会中の成立が求められています。
多くの皆さんが期待されています。
国会の閉会を言い訳に先送りするべきではないと私は強く思います。
総理、まさに国会を閉じるというのは政治空白ですよ。
国会を大幅延長して、その国会の機能を十分に発揮させ、国会を挙げて新型コロナウイルス感染症という国家の危機に立ち向かいましょうよ。
私たちは協力できるところ協力してきているつもりですし、これからますますいたします。
これは国家と、国会としての使命だと思います。
国会延長を決断できるのは最大与党の党首である総理だけです。
延長して、国会として国民の期待に応えようじゃありませんか。
いかがですか。
私は、東日本大震災と原発事故のあった二〇一一年の通常国会、菅総理の下で七十日間という長期延長をして、野党自民党の意見も伺いながら対応に当たりました。
大変貴重な御意見を様々いただきながら進めることができました。
仮に解散・総選挙をしても、一か月半ほどで国会は開きます。
でも、今、国会を閉じて、巷間言われているようにパラリンピック後まで国会を開かないということは、その二倍以上の政治空白をつくることなんだということを申し上げておきたいというふうに思っています。
最後に申し上げたいと思います。
私は、昨年三月四日の与野党党首会談の際に、当時の安倍総理に提案して以来、国会論戦などを通じて繰り返し行政の司令塔を明確にするよう要請してきました。
残念ながら、今なお、厚労大臣と西村担当大臣、さらにはワクチン担当大臣まで加わって、官房長官を含めて司令塔がますますはっきりしない状況です。
生活支援や事業支援も各省ばらばらで、リーダーシップや総合調整機能が発揮されない。
その結果として、GoToキャンペーンのように、趣旨は分かりますが、感染状況とずれた対応策が取られたり、先ほど申したとおり、継ぎはぎだらけで隙間からこぼれ落ちてしまっている人たちがたくさんいる、不十分で使い勝手の悪い支援策、様々な弊害をもたらしている。
感染症対策を迷走させてきた原因は、その一つはここにあると思っています。
私は、東日本大震災と原発事故の教訓も踏まえ、総理大臣、官房長官、厚生労働大臣、このラインを明確にすること、省庁にまたがる問題は、官房長官と内閣官房こそが本来その調整の権限も能力も持っているんです。
ここが責任を持って迅速に総合調整できる強力な司令塔を構築します。
各省や自治体が最大限の力を発揮できるよう、ミッションを明確にするとともに、政府からの主要な発信を総理と官房長官に集約して、あっちの大臣とこっちの大臣で同じように違うことを言っていて、何なんだと、何度も我々そういうことを経験しました。
そういうことを最小限に抑えます。
より多様な声が反映されるように専門家会議を整理再編して、その役割、権限を明確にします。
何よりも、まず専門家会議の結論、議論を伺った上で方針を立てる。
基本的な方針が固まってから専門家会議に御意見伺うというのは順序が逆だと私は思います。
そこを転換します。
このように、私には、危機を乗り切るために、そして命と暮らしを守るために機能する行政を取り戻す、そのためのビジョンと準備があります。
今、日本は戦後最大の危機にあります。
今日の討論でも、残念ながら、総理に、私や恐らくテレビを見ている多くの皆さん方、ああ、これなら安心だと、オリンピックも大丈夫だろう、これなら秋以降安心して暮らせる、次のリバウンドはない、そうしたメッセージにはなっていなかったと受け止めざるを得ません。
そもそも危機感や責任感を感じられなかったのは大変残念であります。
命と暮らしを守り、危機を乗り切るために機能する政府を取り戻すためには政権を替えるしかないと改めて確信をいたしました。
その準備を更に整えて、一日も早く命と暮らしを守る、機能する政府を取り戻すことができるよう更に努力する決意であることを申し上げ、討論を終わります。
ありがとうございました。
第204回[衆] 予算委員会 2021/05/10 20号
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残念ながら、緊急事態宣言は三度目、しかも、それもまたしても延長がされました。
政府の後手後手、二転三転。
先行きが見えないし、示されない。
こうした状況が一年以上繰り返されていることを大変残念に思います。
少なくない国民の皆さんがこうした状況にあきれ果て、また疲れ切っているという状況です。
二度目の緊急事態宣言解除の際、三月、私は総理に、この状況で解除すれば感染者が急増する可能性が高い、解除は時期尚早であり、反対せざるを得ないと申し上げました。
総理は、再び宣言に至らないよう全力を尽くすとおっしゃいましたが、残念ながら、一か月ほどで宣言を再び出すことになりました。
このことを我が党の山井議員が四月二十三日の厚生労働委員会で尋ねましたところ、大阪、兵庫の変異株というのは解除当時は出ていなかったと総理は答弁されました。
私は唖然としました。
三月の解除のときの議院運営委員会でも、私も総理に変異株の拡大について指摘をして、解除は時期尚早と申し上げました。
大阪では三月十二日の時点までで計百三人が変異株に感染していたことが確認されたと報道されています。
更に言うと、一月の二十六日の予算委員会、辻元筆頭理事は変異株の拡大に警鐘を鳴らしました。
総理はそれに対して、「強い危機感を持っておりまして、」と答弁されています。
この強い危機感とは何だったんでしょうか。
言葉に中身が伴っていないと言わざるを得ません。
強い危機感を持っていながら、三月の時点で大阪、兵庫の変異株についてスルーしたんですか。
総理、いかがですか。
その解除の基準そのものを政府が作ったんですよ。
私、この国会の冒頭、一月二十日の代表質問でもう既に申し上げています。
政府の言ってきている解除基準、つまり、ステージ3、新規感染者数五百人程度まで下がれば解除。
感染がということに対してですね。
これでは、この基準で解除したら、感染が拡大に向かって、経済により深刻な打撃を与えかねないから見直すべきだと国会で私は総理に指摘をしています。
緩過ぎる基準を決めて、それを維持してきているのも政府自身ですから、その責任は政府にあります。
基準に沿っているというのは何の言い訳にもなりません。
あわせて、専門家といつも繰り返されます。
しかし、専門家の間にも様々な意見があります。
誰の、どのような意見を採用するか自体が政治の責任です。
そもそもが、医学的な専門家の方がいらっしゃいます、また医学の様々な分野ごとに分かれていらっしゃいます。
現場の臨床を知っていらっしゃる方もいらっしゃいます。
経済分析の知見をお持ちの方もいらっしゃいます。
でも、専門家はそれぞれの分野ごとの専門家です。
緊急事態宣言をどういう基準で出すのか、解除するのか。
そうした基準を作っていく全体的な知見を持っている専門家というのは誰かいるんですか。
残念ながら、いないんですよ。
専門家の科学的な知見に基づいて判断しなきゃいけない、それは前提ではありますけれども、そうした専門家の知見を踏まえて総合的に判断する責任は政治にある。
それがこういう危機のときの総理大臣の仕事じゃありませんか、総理。
専門家に失礼なのは総理じゃないですか。
専門家はそれぞれの専門分野について科学的な知見をおっしゃっている、専門家の間でも意見が分かれている、これも客観的な事実ですよ。
その中で総合的に判断できるのは政治しかないから、民主的なプロセスを踏んで、今、菅さん、あなたが総理大臣という全体の総合的な判断をするその立場に立っておられるんだと私は思います。
既に一万人以上の方が日本で亡くなられています。
この亡くなられた方の累積のグラフを作ったんですが、九月十六日に菅内閣が発足をし、十二月以降、残念ながら急増をしています。
この一万という数は、単なる数字ではありません。
お一人お一人に人生があり、家族や友人との営みがありました。
九月以降、何があったか。
GoToキャンペーンを強行し、早くやめろと我々が指摘をしてもやめませんでした。
そして、遅過ぎた二度目の緊急事態宣言と早過ぎる解除。
根拠なき楽観論に立って対応が遅れて、同じ失敗を繰り返してきたこと。
この中には、もちろん感染症ですから救えなかった命もあるかもしれないけれども、適切な対応をしていたら救えた命も少なからずあったと思います。
総理、このことについての反省はありますか。
そして、なぜ総理は根拠なき楽観論に立てるのですか。
私に対してじゃないです、国民の皆さんに向かって、特に大切な方を亡くされた方に向かって説明してください。
何でも専門家に責任を転嫁するのは本当におやめになった方がいいと思います。
専門家の中でもいろいろな意見があるというのは何度も申し上げていますし、専門家の意見を聞いていない部分もたくさんあるじゃないですか。
既に尾身先生は、ステージ2まで下げてからじゃないと駄目だと明言されていますよ。
従うんですね。
今回の延長も、よく分かりません。
当初から、こんな短い期間で効果が見えるのかということは、私たちだけじゃなくて、一般の市民の間でもたくさん広がっていました。
しかし、それでも、イベントを中止したり、大型商業施設は突然言われて、感染対策をしっかりやってきてクラスターが出ていなかったところも、みんな協力してくださいました。
そして、多くの国民の皆さんも御協力いただきました。
でも、やはり、この短い期間では案の定大きな効果は見られず、延長ということになりました。
ところが、一方で、急に、無理をして、突然やめてくださいと言われて、一番の書き入れどきに中止した大規模イベントやデパートなどへの規制は今回緩和をする。
緩和だけでは甘いと思ったのか、知事に丸投げして、規制を続けてもいいですよとおっしゃる。
ブレーキとアクセルを同時に踏んでいるんじゃないかと、困惑の声が聞こえます。
どっちなんですか。
そもそも、この延長前の期間で人流が減ったというのは、総理、何度かもうおっしゃっています。
人流が減った結果、感染拡大は抑制されたのですか。
緩和できるほど大きな効果があったのですか。
この国民の素朴な疑問にお答えください。
人流を減らしたというのは、全く効果じゃないんですよ。
手段でしかないんですから。
人流を減らすことによってどれぐらい多くの人たちが迷惑しているのか、犠牲を払っているのか。
人流を減らせば感染が抑制できる、そして緊急事態宣言は二週間余り、ああ、これで解除される段階まで効果が出るんだろうなと期待して、みんな我慢したんです。
でも、人流は減ったけれども、多くの犠牲を払ったけれども、効果は出ていないじゃないですか。
つまり、判断を間違えたんですよ。
その間違えたということに対する謙虚な姿勢がないから何度も同じ失敗を繰り返しているんだと言わざるを得ません。
少し具体的なところを聞いていきましょう。
神戸市の高齢者施設でクラスターが発生し、二十五人が亡くなられた。
その中で二十三人は、入院治療を受けずに施設内で亡くなりました。
門真市の施設では、十三人が亡くなられ、うち八人が入院治療を受けることができずに施設内で亡くなられました。
こうした高齢者施設だけではありません。
自宅で、ホテルで、重症に近い、重症と判断されて当然の状況なのに入院できずに亡くなられた方、たくさんの状況が、声が上がっています。
特に高齢者施設は、感染防止の徹底が困難な場所です。
クラスター発生のリスクが高い場所です。
定期的なPCR検査を一年前から私たちは提案してきました。
ようやく最近になってそれを急ぐんだと言い出しましたが、結果的に間に合っていないというのがこの結果です。
総理、私にじゃないです、入院もできずに亡くなられた方々に対する言葉、無念の思いでそうした皆さんを送らざるを得なかった介護施設の皆さん、そうした皆さんに語りかけてください。
それだけですか。
いや、これは政治家でも、万能じゃありませんから、間違えるときはありますよ。
でも、政治が例えば一年前からPCR検査を広範にやっていれば、医療体制を強化していれば亡くならなかった、いや、少なくとも、十分な治療を受けて、それでも助からなかった、残念だったねと、それでも納得できないかもしれませんけれども、全然状況は違ったんですよ。
そうした皆さんに、それだけですか。
甚だ残念です。
病床について伺います。
特に大阪はひどい状況です。
二回目の緊急事態宣言のとき、大阪は府知事がいち早く解除を求めました。
そうしたら、さっさと第四波です。
そして医療崩壊です。
病床が不足して自宅やホテルにおられる方がほとんどで、入院できている方は感染者の一割と言われています。
重症病棟が足りないために、中症病棟で重症者の方が治療を受けている。
手遅れになった方が相次いでいます。
私は、もっと驚いたのは、大阪府は、二回目の緊急事態宣言が解除された三月一日、それまでの重症病床の確保数が二百十五床だったのを三割減らして百五十床まで縮小するという通知を病院に出しているんですよ。
三月一日ですよ。
病床不足に輪をかけたんですよ。
この早過ぎる解除を求めたこと、そして重症病床を減らすという通知を出したこと、明らかな大阪府の判断ミス、これに対して政府はどう認識しているんですか。
これを知っていて止めなかったんですか。
いかがですか。
病床、しかも重症病床を確保するというのは、もう田村大臣はよく御存じだと思いますけれども、政治が指示したら簡単にできる話じゃないわけですよね。
人繰りも大変ですし、ほかの診療科に大きな影響を与えますし。
それを、朝令暮改そのものなんですよ、この大阪府は。
一番悪いのは大阪府知事ですよ。
だけれども、やはり、国として、こうしたことを自治体任せで後手に回って結局通知を出されたということじゃなくて、やはり先手先手でやっていかないと、国として責任を持てないし、こういう無責任な知事も残念ながらいるんですから、政府としてしっかりと対応してください。
いかがですか。
少しマクロに見てみたいんですが、少なくとも、変異株が広がるまで、この変異株はまた状況が違うんじゃないかという指摘もありますが、明らかに欧米とアジア太平洋地域とでは感染の広がりに違いがありました。
これがどういう原因によるのかというのは、今後、専門家の皆さんが多分分析をしていただけるんだと思いますが、ですから、比較は欧米としても余り意味がないんですよね、感染者の数、亡くなられた方の数。
全体として欧米と比べて少ないけれども、でも、アジア太平洋地域の中でどうなっているのかというのが重要なんです。
このパネルが、アジア太平洋地域の先進国に絞った感染の状況です。
日本は、人口当たりの亡くなられた方が八・二六人、人口当たりの感染者の数が四百八十五人、どちらも十万人当たりでありますが、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、台湾、圧倒的に、どちらも日本が倍なんですよね、二番目のところと比べても。
これは変異株では、アジアの方が感染の広がりが小さいのではないかという状況が変わっているんじゃないかという指摘もあります。
アジアの中でこれだけ成績が悪い状況で、これでアジア太平洋地域でもヨーロッパ並みの、あるいはそれ以上の感染力があるということになったら、本当に今以上にとんでもないことになります。
このアジア太平洋地域における死者数や感染者数の比較について、総理、どう受け止められますか。
総理、総理です。
受け止めですから、総理、総理お答えください。
ちょっとまたびっくりしたんですけれども、あえて先進国と比較をすると申し上げました。
世界の中のいろいろな状況で、医療や公衆衛生、残念ながらまだまだ大変厳しい状況の国、特にアジア太平洋地域、多いです。
日本は幸いなことに、先輩たちが頑張っていただいたおかげで、医療や公衆衛生、世界の中では間違いなく先進国です。
だからアジアの先進国と比べたら、そうしたらそうでない国を出してこられた。
そして、欧米と比較をするのが正しいんだとおっしゃるけれども、恐らくその地域にたくさん住んでおられる方の遺伝的な特徴というものが背景にあったと疑われますけれども、予想されますけれども、明らかにヨーロッパとアジアとでは感染の広がりが違うという状況の中で、アジア太平洋地域の先進国と比べてこれだけ悪い。
そして、変異株はそうした特徴はないかもしれない。
アジアでも従来のヨーロッパ並みに、あるいはそれ以上に感染力はあるかもしれないと疑われているんだから、これを謙虚に反省をした上で進んでいかなければ、私は、もっとひどいことになるというふうに思っています。
一月の二十日の代表質問以来、私はゼロコロナ戦略を提案しています。
これはニュージーランドが一番のモデルですが、ニュージーランド、オーストラリア、先ほどの表でも圧倒的に感染者を少なく抑えています。
あるいは、台湾も類似した考え方、コロナを徹底的に抑え込む、そのことによって早期に通常に近い社会経済活動を取り戻す、こういう戦略を取って、実際成功をしています。
経済が順調に今申し上げたような国々では回復しています。
ニュージーランドは、実は、ワクチンの接種率が日本に次いで低い水準です。
ところが、マスクなしのイベントを再開して、何と五万人規模の大イベントが報道されています。
国内での新規感染者は月に数例です。
そして、その例が出ると、直ちに感染ルートを短時間で把握をして集中的な対策を取りますので、大規模で長期的な行動抑制なしでずっと何か月も続いている。
だから、生活も経済活動も回復できる。
こういう成功例があるんです。
先ほど欧米のことを、ヨーロッパのことを総理おっしゃいましたが、強いロックダウンをしたにもかかわらず欧米諸国、そして、日本はロックダウンをしなかったけれども感染を一度は下げることができた。
でも、感染拡大の繰り返しに苦しんでいるのはなぜかといえば、こうしたニュージーランドやオーストラリア、台湾と違って、十分に感染者を減らさないうちに対応を緩めたから、そして、水際対策が徹底していなかったからと言わざるを得ません。
幸い成功しているのは台湾、ニュージーランド、オーストラリア、オーストラリアは大陸だと御指摘いただいたんですが、陸の国境を持っていないという意味では、いわゆる島国だというふうに思います。
日本も同様で、水際対策を取りやすいんです。
まず、水際対策を徹底的に強化をする。
その上で、徹底した検査と感染者の保護、隔離、特に、症状のない感染者の保護、隔離。
そして、新しい感染者が出たときに、すぐに感染ルートを把握できる体制、これをつくることが大変重要なのに、日本は今できていない。
今は、とにかく足下では感染者が多過ぎて、感染ルートを調べるどころじゃありません。
保健所は、残念ながら多くのところで、濃厚接触者などの把握、そこの検査、とても対応できていないですよね、大都市部では。
これではどうにもなりません。
まずは、徹底して今の緊急事態宣言などを使って感染者を抑えていく、その上で、そうした状況から更に減らしていけるような封じ込め、リバウンドの起こらないようなことをやっていかなければならない。
これが我々の考え方です。
先の見通しの立たない感染拡大の繰り返しではなくて、ゼロコロナ戦略を取って、ゴールデンウィークにも多くの皆さんに我慢していただきました、去年に続けてです。
昨年の秋以来、なぜかこの感染拡大は、年度替わりからゴールデンウィーク、夏休み、お盆休み、そして案の定、年末年始。
次、またゴールデンウィークですかといったらそうなりました。
この夏休みは去年とは違う夏休みにするためには、十分な補償がセットですけれども、今の緊急事態宣言をリバウンドのリスクが相当低くなるまで継続すべきだと考えます。
これは、七日の議院運営委員会で泉政調会長が提示しようとしたらなぜか理事会で止められたパネルを、今日、代わりに私が提示させていただきます。
これは、東京大学の経済学研究科の先生方がシミュレーションしていただいた、東京の新規感染者を何人に減らした段階で解除する、そうするとリバウンドがいつ頃起きて、経済的な損失はどうなるか。
五百人まで下がったところで解除をすれば、五月に解除できるかもしれないけれども、七月に再発令になって、経済的な損失額は三・八兆円。
七月まで我慢して百人を下回るところまでいけば、再発令にはいかないだろう、そうすれば経済的な損失は二・六兆円。
つまり、我慢をした方が経済的な損失は小さくて済むというのは、専門家はそれこそ明確なシミュレーションを出しているんです。
一・二兆の差があります。
一・二兆ぐらいぼんとここで、事実上でいいですから補償のためにきちっと出して、これぐらいまで下げるべきではないでしょうか。
私たちは、東京でいえば一日百人が最低線、できれば五十人以下、大阪では三十人、できれば十五人以下、こうすれば、保健所が新たな感染者に対して相当きちっとした周辺に対する感染ルートの把握、チェック、こうしたことができる、こうすれば、リバウンドではなくて、そこからゼロへとつなげていくことができると考えています。
こうした明確な目標を立てるべきじゃないですか。
総理、いかがですか。
総理でしょう、全体の目標ですから。
総理、総理。
専門家の話は聞く、当然なんです。
いろいろなこういった専門家の知見を前提にして科学的に判断しなきゃいけないんです。
でも、その専門家の様々な意見をどう生かすのか、使うのかというのは政治の責任なんですよ、最初の話に戻りますが。
だから、そもそもその基準自体が間違っていると。
そして、間違えたんですから、二回目の解除で、そして今に至っているんですから、その基準を含めて政治の責任で見直しましょうと私は今具体的な提案もしています。
東京で百人以下、できれば五十人以下まで下げましょう、大阪で三十人以下、できれば十五人以下まで下げましょう。
そこまでいけば、リバウンドなしに、じわじわとニュージーランドや台湾の状況に近づけていける。
これが私たちが、野党ですから政府ほど専門家の直接的な御助言をいただけませんが、様々な専門家の御意見を伺った私の提案だということを申し上げておきたいと思います。
水際対策、何よりもこれが大前提です。
変異株、何か最近の感染拡大、変異株のせいにしがちですけれども、そもそも、変異株が出てきた昨年の秋以降、我々は繰り返し、水際対策強化を言ってきました。
いや、一年前のこの予算委員会から、ダイヤモンド・プリンセス号のときから、水際対策が甘い、もっと厳しくやろうよと我々は言ってきました。
にもかかわらず、それをすり抜けて、今、国内で変異株がどんどん広がって、変異株に置き換わっているわけです。
この変異株は、感染力も、あるいは亡くなられる方、重症化をするリスクも高いと言われています。
更に新しいものが入ってくるかもしれません。
びっくりしたんですが、インドなどを変異株の流行地域に指定したのは先月の二十八日です。
またしても遅きに失している。
しかも、強化したといいますが、インドとネパールから入国する方に限って、宿泊施設での待機がそれまでの三日から六日に延びただけです。
変異株は既に各国に広がっています。
もうこれから、先ほど言ったとおり、更に新しい変異、次々と起こっているわけですから、更に強いものがどこから出てくるか分かりません。
日本の国内で起こることもあり得るわけです。
でも、外で生じたものは止めることができるんですよ。
私は、全ての入国者について、十日間、宿泊施設でしっかり隔離する、そして、一日目と十日目と間と、三回PCR検査を行う、これぐらいの水際対策を徹底しなきゃいけない。
例外はつくっていいです。
ニュージーランド、オーストラリア、台湾、ここからの入国者を除いて全ての国に対してこれぐらいのことをやらないと、どんどんどんどん海外から変異株が入ってきて、それが日本で広がって大変なことという、昨年の秋以来何度も繰り返していることをまたやらなきゃならないです。
総理、なぜ水際対策の抜本強化をやらないんですか。
オリンピックのためですか。
総理、総理、基本的な認識です。
具体的なことは聞いていません。
認識です。
まず、日本人の方が帰国をする場合については若干あるかもしれませんが、それ以外の入国規制については、憲法なんか何も関係ないですよ。
憲法は関係ない。
そして、ホテルなどを確保できないなら、確保できる数だけ入国させる、それ以上は入国させない。
国民の命を守るためにはそういうことをやるべきじゃないですか。
私たちはそれも計算しましたよ。
大体一日千人、これが上限だろうと提案していますよ。
一日千人だったらホテルを確保できるだろうと。
そこで止めたらいいじゃないですか、外国から来る方は。
何の私権の制限でもないですよ。
国民の命の方が大事だということを私は申し上げているんです。
医療機関に重症病棟をやっていただくとか、それからコロナ患者を受け入れていただくとか、いろいろあります。
時間がなくなってきたので細かいことは言いません。
結局、前提となる環境整備をしなければ、やりたくたってできない。
コロナ患者を受け入れたら、重症病床をつくったら、病院が赤字になってしまって倒産する。
働いていただいて、重労働の医療従事者に給料を払えない。
これでは、受けたくたって受けられないんですよね。
ところが、診療報酬の引上げはされました、あるいは緊急包括医療支援金などをやりましたが、使い勝手が悪くて、現場に届いていないのがたくさんあるし、これでは使い勝手が悪過ぎてできないという声がたくさんあって、だから、今も医療機関から悲鳴が上がっているじゃないですか。
ましてや、医療従事者、重労働なのに給料は下がったという悲鳴が、これ以上は使命感だけではやっていられないという悲鳴がたくさん上がっています。
今みたいな細かい話はいいですから、総理、答えてください。
医療を、病床を増やすためには、一つには、医療機関への包括的な支援。
ちゃんと、減収分あるいはコストがかかる分、それを全部見ますといって包括払いする、こういう支援が不可欠、これなら安心してできます。
そして、医療従事者に追加の協力金を払いましょうよ。
それで、みんなもう限界を超えてやっていただいているんです。
限界を超えて更にやっていただかないとできないんです。
だから、何とか、俺たちができることは金しか出せないんです、直接医療はできないんです、僕たちには。
せめて金だけ出しましょう。
総理、いかがですか。
最後の部分を制度的にしっかりと担保して、安心していただくのが政治の責任なんです。
赤字にならないようにしますといったって、その裏づけがなければ、医療機関の経営をされている方だって、みんな従業員を抱えている、医療従事者を抱えているんです。
潰れたら地域の医療が長期にわたってできなくなるんです。
だから、その担保をちゃんと制度的に裏づけをするのが、それが政治の役割じゃないですか。
もう一点。
既に一年以上、多くの事業者が売上げの大幅な減少に苦慮しています。
休業や時短を要請されている分野に限りません。
あるいは、その間接的な影響を受けている方だけじゃありません。
文化芸術、イベント関連の事業、本当に成り立たない。
本当にこうした例はもういろいろなところに存在して、例を挙げ切れません。
対象を絞った協力金などでは、いろいろなところで事業継続が困難になってきます。
協力金そのものだって微々たるものじゃないですか。
事業が潰れることへの香典のつもりかという厳しい声まで出ているじゃないですか。
業種を問わず減収分の一部を補填する、この持続化給付金の考え方、これをもう一回やるしかありません。
前回は、前年比で五割以上の売上げ減という厳し過ぎる基準でした。
でも、もう一年続いているんですから、毎月二割減でも、一年続いていたらとんでもないことになっていますよ。
より条件を緩和して、幅広い皆さんに状況に応じた持続化給付金を我々は提案しています。
総理、いかがですか。
踏み切りませんか、総理。
今のような、非常に、何というんでしょう、細切れで部分的なやり方とか、あるいは自治体に一種丸投げをしたやり方では、網羅的、包括的なものにならずに、網の目が大き過ぎていろいろなところが落ちているんですよ。
文化芸術、イベント関係は、ほとんど金は行っていませんよ。
もうこれじゃもたないと言っていますよ。
是非、基本的な考え方、もう長期化して、更に長期化せざるを得ない今状況なんですから、思い切って持続化給付金の緩和の上での再交付、私は強く求めたいと思います。
オリンピックとパラリンピックについてお尋ねをしたいと思います。
まず、残念なことに、開催の是非について、アスリートの方が矢面に立たされているみたいなことが、ごく一部だと思いますが、生じています。
私は、アスリートの皆さん始めオリンピックに向けて努力をされてきた皆さんが、何とか開催したい、してほしいと思うしおっしゃるのは、僕は当然のことだというふうに思います。
いや、私だって、一観客として、私は前回の東京オリンピックの年の生まれです、生きているうちに日本でオリンピックを見れるんだと楽しみですよ。
できるならやりたいと思います。
アスリートを責めたり、あるいはアスリートを盾にしたりということは、どちらも許されないということをまず申し上げておきたいと思います。
どうするのかという判断の責任は、政府と東京都、あるいは組織委員会にあるというのは当然のことであります。
ただ、ちょっと私びっくりしましたが、総理、先月二十三日の会見で、IOCは開催することを決定していますと繰り返し、開催はIOCが権限を持っていますと説明しました。
確かに、形式的な権限はIOCが持っているでしょう。
それなら、国内のイベント、この間中止をしてきた国内のイベント、みんなそうですよ。
高校野球は高野連が主催でしょう。
プロスポーツだって、それぞれの団体があって、そこが主催でしょう。
学生が楽しみにしている、私の学生時代だって、合唱コンクールはNHKの主催ですよ。
中止するか実施するか、全部主催団体が判断して主催団体が決めているので、そうした意味では確かにIOCが判断をするんです。
だけれども、政府がどういう対応を取るかによって、結局、高野連だってNHKだって、様々なプロスポーツの、あるいはイベントの主催団体だって、やりたいけれども諦めたということを繰り返してきて、特に子供たちは、中学三年生、高校三年生、一生に一度の機会を逃してきているんです。
今、入国規制であるとか、国内でどういう行動の規制をかけるのか、これは我が国の国家主権そのものだと思います。
IOCの判断とか意見に左右されることなく、命と暮らしを守るという観点から政府が独立して判断するものだと考えますが、よろしいですね、総理。
総理ですよ、国家主権の在り方ですから。
聞かれたことにお答えください。
全力を尽くすのは当然だと思います。
それは私も開催した方がいいと思います、できるならば。
ただし、国民の命と暮らしを守るという観点から、国家主権を適正に発動した結果できなくなる、それもやむを得ない、そのことを含めてしっかりと判断していただかなきゃならない、そのことを聞いているんです。
繰り返しますが、私もオリンピックを見たいです。
そして、アスリートの皆さんを始めとして、この間努力されてきたことを考えれば、奇跡的にここから感染が抑制できて、開催できることになることを期待しています。
しかし、開催のために感染症対策が不十分になって、外国からやってくる方から感染が更に広がる、新たな変異株が日本に持ち込まれるとか、あるいは逆に、来日された皆さんの中にクラスターが発生するみたいなこと、こんなことが起きては許されませんし、また、感染拡大の影響で、廃業や倒産、失業が更に増える、その結果、自ら命を、自死される、こうしたことが出てくることは許されません。
既に逼迫している医療、それに、ワクチン接種、国内の高齢者だって本当に七月末までに全部打ち終えるのかと疑問の声がたくさん上がっています。
こうした国内の医療を犠牲にすることも許されないというふうに思います。
オリンピックとパラリンピックを合わせると、選手だけで一万五千人入国されると聞いています。
そして、ワクチンの優先接種を受けるのは選手、コーチだけではありません。
報道では、全体で、このオリンピック・パラリンピックで九万人、海外から来られる。
つまり、無観客、海外からの観客を除いてですよ。
大幅に抑制しても六万人、こういう報道がありますが、政府にも聞いてみましたが、組織委員会も含めて、入国者全体の規模、現在でも見通しを示していないんですよ。
何人来るか分からない、答えてくれないという状況なんですよ。
本当にその全て、六万人なら六万人の方全てについて、本当に感染していない状況だということを確認して入国を認める、あるいは、こうした皆さんが感染をした、あるいは、こうした皆さんに対応するための医療で、逼迫をさせずに対応することができるのか。
選手の皆さんは選手村などに囲い込むことは可能かもしれませんが、報道関係を含めて、本当にその行動を日本の国内の皆さんと接触なくできるのか。
いや、そういったことができたとしても、ボランティアの皆さんを始めとして、たくさんの皆さんが会場周辺へ集まってくるわけですよね、無観客だとしても。
本当にそれが感染を広げることにつながらないのか。
間違っても、オリンピックのせいで感染が更に拡大したなんということがあっては許されないんじゃないですか。
結果として予定どおり開催できなくなれば、これは本当にアスリートの皆さんなどに申し訳ないことですよ。
しかし、今の日本の感染状況と、ここから二、三か月、三、四か月に想定される、そこに必要とされる想定、その中で、国民の皆さん、来日される皆さんの命と健康を守る、国民の命、暮らしを守る、これとオリンピック・パラリンピックの開催を両立させることは不可能と言ってもいいんじゃないかと残念ながら言わざるを得ません。
もう残り期間を考えると判断の先送りはできないタイミングだと思います。
どうしても強行するというのなら、せめて具体的に、じゃ、何人入国するんですか、その人たちにどういう水際対策を徹底できるんですか、今みたいな緩いのじゃなくて。
そして、そうした皆さん、国内でいろいろなところに出歩いたりしないように本当に抑制できるんですか、報道機関を含めて。
こうしたことを具体的に示してくださいよ。
ただ安全で安心のオリンピックのために徹底しますと。
徹底しますということを繰り返して一年間今の日本の国内の感染状況なんですから、何の説得力もありません。
しっかりと、どうしてもやるというのだったら、せめて今ぐらいのことを示してください。
いかがですか。
選手とコーチは、それは、何か今、優先のワクチン接種をするとおっしゃっている。
でも、本当に、日本ですらワクチン接種、国民への、いや、医療従事者や救急隊員すらまだ打ち切れていないんですよ。
本当に、日本の国内でも、ワクチンはあっても打ち切れるのか。
まして、世界中のなかなか医療体制とか公衆衛生状況のよくない国々、みんなワクチンを打って来るということが、ワクチンがあっても本当に可能なのかという問題がありますよ。
しかも、その資格剥奪とかそんなことは、選手、コーチに限ってはできるかもしれません。
報道機関とか入れないでやるんですかね。
報道機関は、日本の報道機関と違って忖度してくれませんからね。
本当に大丈夫なんですかね。
何人かというめども示さずに、安全です、安心です、大丈夫ですという、今までこの一年間、この感染対策について繰り返されてきたことをただおっしゃるだけだから、残念なことに多くの皆さんが、今世論調査すると、もう諦めざるを得ないんじゃないかな、これが多数になってしまっているんですよ。
やるというんだったら、せめて、こういう具体的なことをやるんだということをもっときちっと示していただかなければならない。
それができないのならば、決断は早い方がいいということを申し上げておきたいというふうに思っています。
感染症対策以外に一点だけ。
ワクチンについては、この後、山井議員から聞いていただこうと思っています。
入管難民法を今日、追加で通告させていただきました。
これは、前向きの部分もあるんですが、帰国困難な外国の方を強制的に帰国され得る、その条項が拡大をしている、それも、入管のかなり自由な裁量的な判断でできるのではないかということで、国際基準に反するとして、重大な問題だという指摘がなされています。
加えて、入管で収容中だったスリランカの方が亡くなられる、しかも、適切な治療もされずに放置をされた中で亡くなったという事案が指摘されています。
入管における死亡事案というのは、実は十年に一遍ぐらい、いや、五年に一遍ぐらい出てきて、その都度、闇の中なんですよ。
人権感覚に欠けたこうした事案、入管の事案は本当に繰り返されています。
私たちは、まずこの真相究明をしないと、入管にそんな強い権限を持たせたら危なくて仕方がない、とても認められないと言っているんですが、残念ながら、法務省から真相究明に向けた資料提供や調査などの報告はされていませんが、にもかかわらず、与党は先週、採決を強行しようとしました。
この死亡案件の真相究明とそれを踏まえた十分な審議が不可欠だと思いますが、総理、いかがですか。
国会の審議については国会でというのがいつもの答弁だから、それは、受け入れるわけじゃないけれども、分かりますが、法務省がきちんと真相究明に努力をしていないから、我々は、法務委員会の審議を進められないし、こんなものでは採決は応じられないと申し上げているんです。
これは何度も繰り返されているんです。
刑務所よりも実は入管の方が入っている人たちの人権はひどい状況に置かれているともうずっと言われているんですよ。
せめて、こうして不幸にも、日本に日本が好きで来ていただいた、そして、日本で日本人に英語を教えたい、たしかそういった目的で来ていただいた方がいろいろな事情の中で入国資格がなくなった、そうした方が大した治療も受けられずに亡くなったというのは、これは国際問題としても放置しては駄目ですよ。
その真相究明をちゃんとやるのは、国会の仕事でもありますが、まず法務省として、ちゃんと真相究明、その調査をして国会に報告しろと言っているんです。
そこは政府の問題です。
そうでしょう、総理。
今日は法務大臣まで呼ぶ時間がありませんでしたのでこれ以上は言いませんが、法務大臣に対して、厳しく、ちゃんとやれと国会で言われたと伝えていただきたいというふうに思います。
今我々が直面しているCOVID―19による危機は、第二次世界大戦、日中、日米戦争が終わってから七十五年余り、我が国が直面している危機としては、十年前の東日本大震災と東京電力福島第一原発事故、これと並ぶ戦後最大の危機だというふうに私は思います。
危機が大きいほど、時のリーダーが問われます。
リーダーが、つまり総理御自身が、この危機を乗り越えるんだというその先頭に立ち、自らの言葉でこの危機を乗り切るんだという強い意思を示していただく。
そして、そのための道筋を示す。
これが、私は、危機を乗り切るための前提条件だというふうに思います。
そうした総理の意思や言葉が、残念ながら伝わっていません。
今日の質疑でも、総理じゃないと答えられませんでしょうと何度も繰り返しましたが、それでも関係閣僚が出てくるというケースも見られました。
そして、答弁されても、正面から答えていただけず、いわゆる官僚答弁、それこそ各省大臣に答えていただければいいような答弁の繰り返しで、リーダーとしての意思と道筋を示していただくことはできなかった。
大変残念に思っています。
これでは、医療従事者を始めとして、本当に限界を超えて頑張っていただいている、御苦労されている皆さん、そして多くの国民の皆さん、更に言えば各役所の皆さんだって、危機だからもっといろんなことをやらなきゃならない。
でも、ほっておいたら、役所の縦割りでほかの役所の権限のところには手を出せないとか、いろんな状況の中で、でも自分の部局だけは頑張ってやりましょうということで、多くの役所の皆さん、頑張っていただいていると思うんですが、総理が強いリーダーシップと道筋を示すからこそ、平時とは違うという強いモチベーションで官僚の皆さんは動いていただけるんだと、僕は十年前の経験から強く思います。
総理に危機感が感じられない中では、例えば外出しないでくださいとか、いろんなことをお願いをしてお訴えをしても、国民の皆さんに総理の危機感が伝わらなければ、それに応じていただけないのは当たり前じゃないですか。
総理がそうした危機感、そして覚悟、意思を示されなかったことを大変残念に思います。
私たちには十分な覚悟と準備ができています。
私には経験と教訓があります。
総理がその覚悟と気概をお示しになれないんだったら、潔く身を引かれるべきだということを申し上げて、同僚議員に時間を譲りたいと思います。
ありがとうございました。
第204回[衆] 議院運営委員会 2021/03/18 18号
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時間の制約がございますので、三点をまとめてお尋ねさせていただきます。
東京や埼玉では、既にリバウンドが始まっていると言わざるを得ない状況であります。
変異株の拡大も考えると、この状態で解除をすれば感染者が急増する可能性が高いと心配をしています。
この間、ぎりぎりの状態で頑張ってきた医療従事者の皆さん、そして、特に感染リスクの高い高齢者や障害者、その御家族、こうした皆さんの介護などに当たっている皆さん、そして、この二か月余り御苦労いただいてきた事業者、国民の多くの皆さんも、第四波にはとても耐えられません。
解除は時期尚早であり、反対せざるを得ません。
むしろ、感染者が急増したりリバウンドの兆候が見られたりする地域の追加こそ検討すべきであります。
未知の感染症に緊急の対応が求められていた一年前とは、状況が異なります。
この一年余り、様々な対応や環境整備が可能でした。
総理は、一月七日の緊急事態宣言に当たって、一か月後には必ず事態を改善させるとおっしゃり、二月二日には、その責任は全て私が負うとまでおっしゃいました。
しかし、三月五日の再延長に際して総理御自身が言われたとおり、今なお新規感染者数が下がり切っていないのが実態です。
十分に感染が収まらないまま解除を強行して第四波を生じたら、内閣総辞職では済まない大きな政治責任が生じます。
総理に、まずその覚悟と、私が負うとおっしゃった責任の意味についてお尋ねをします。
飲食店などへの時短要請は僅かながら緩和されるようでありますが、国民の皆さんへの自粛要請を継続すれば、従来のような営業の再開や客足が戻ることはなかなか期待できません。
解除を最も期待してきた事業者の皆さんにとって、何のための解除か分かりません。
一方で、宣言は解除されたから自粛から解放されると受け止める方が一定程度出ることは避けられませんから、リバウンドのリスクを高めるだけです。
今必要なのは、飲食店やあるいは宣言対象地域に限ることなく、経営が成り立たなくなっている事業者の皆さんに対して、事業規模や影響の度合いに応じた、実態に合ったきめ細かい支援を行うことだと考えます。
私たちは、持続化給付金を手直しして再給付することを提案します。
また、私たちの度重なる強い要求で、遅ればせながら子育て世帯への支援は実現に向かうようですが、更に幅広く、生活困窮者全体への支援、さらには、中間層まで含めた支援を行うことも必要であります。
さて、例えば、いわゆるお一人様による外食や同居している家族での外食など、新たな感染拡大につながるリスクが低い飲食を制約する、自粛をお願いする必要があるのでしょうか。
換気やアクリルボードなど、感染拡大防止策を徹底すれば、相当程度リスクを下げることが可能なのではないでしょうか。
部分的にゼロコロナが達成されている地域においては、他地域からの来訪者やその接触者を含む会食は当面自粛いただくとしても、地域内の方々に限った会食はリスクが低いのではないでしょうか。
時短要請の若干の緩和だけでなく、このような、感染リスクを抑えながらも営業が少しでも可能になり、客足が戻る方向での自粛要請などの緩和をきめ細かく進めていくべきだと考えます。
総理、いかがでしょうか。
閣僚の一人が、宣言の効果が薄れていると述べたとか、助言組織の専門家が、もう打つ手がないと述べたなどと伝えられています。
効果が十分でない原因は、政府の中途半端な姿勢にあります。
もう打つ手がないどころか、打つべき手が打たれていないことこそが問題です。
私たちは、ゼロコロナ戦略として、徹底的な封じ込めでリバウンドのリスクを最小化することを具体的に提案しています。
一つに、感染ルートを追う積極的疫学調査が、最近はむしろ徹底されなくなっています。
濃厚接触者に限定しない、幅広い検査で、症状の出ていない感染者を把握すべきです。
二つ目に、医療従事者や介護従事者に対する公費による定期的な検査はまだまだ不十分です。
学校や保育所、学童保育など、濃厚接触が避けられない場に幅広く拡大すべきです。
三つ目に、全ての感染者について変異株の検査を行い、遺伝情報を追いかけるためのゲノム解析も拡大すべきです。
対処方針では、変異株検査の当面の目標が四割とされていますが、余りにも少な過ぎます。
四つ目に、入国者に宿泊施設を提供し、事実上全員に入っていただくなど、十分な隔離と検査を徹底すべきです。
今日示された政府の方針でも、こうした提案の方向性についてはある程度採用いただいていますが、これまでも、対処方針で示された対策が遅々として進んでこなかったのが実態です。
それは、国立感染症研究所、地方衛生研究所、そして保健所という厚生労働省の縦割り構造に対するこだわりが壁になっているからだと考えます。
私が提案してきたように、縦割りの壁を乗り越え、民間の最新鋭機器や民間検査の活用などを受け身でなく能動的に進めること、特に、ゲノム解析については、大学などの持つ能力を最大限に活用するために、より主体的な協力をお願いすること、オール・ジャパンの体制に急ぎ転換することを求めます。
第三に、こうした検査体制を強化するための枠組みについて反省と方針転換を強く求め、総理の見解を伺います。
一番お尋ねをしたかった総理の覚悟をお答えいただけなかったのは大変残念であります。
終わります。
第204回[衆] 予算委員会 2021/03/01 17号
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立憲民主党代表の枝野でございます。
今朝ほど、内閣広報官の山田さんが辞職をされたということであります。
従来予定をしていた質問の前に、この点について聞かざるを得ません。
御病気ということと伺っております。
そのことについてはお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い御快癒をお祈り申し上げたいというふうに思います。
ただ、そもそもこれは、総理が先週の段階で辞めてくださいとお願いをするべきだったんじゃないでしょうか。
一回七万円という、国民の常識を超えた接待を受けていた。
しかも、それは、総理の御子息であると同時に、総務大臣としての菅さんの秘書官でもあったという意味では、公的な元の立場をお持ちだった方でもあります。
それだけに、そのことをきっかけに辞めていただくというのは、総理から、自分の息子、元秘書官のことで申し訳ないけれどもということを言わなければ、辞めるに辞められない。
今回の御病気が今回のストレスによるものかどうかは分かりませんけれども、そうであれば先週の金曜日、堂々と、緊急事態宣言の解除に当たっても、記者会見を普通どおりやれたんじゃないでしょうか。
遅きに失したと思いませんか、総理。
今回の直接の理由が御病気でありますが、そもそもが、早い段階で手を打っていれば、もしかすると御病気が悪化することもなかったかもしれないという意味では、僕は山田さんにも気の毒な状況ではないかというふうに思っておりますし、何よりも、国民の常識を超えたような接待というものが曖昧、うやむやになってしまうという、総理の責任は大きいと思っております。
これについては、同僚議員から必要に応じてこの後も聞かせていただきたいと思います。
当初予定してきた案件に戻りたいと思います。
あと十日で、ちょうど東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故から十年となります。
改めて、亡くなられた皆さんに哀悼の意を表しますとともに、大切な方を亡くした方々にお悔やみを申し上げます。
この十年、復旧復興に尽力されてきた被災者の皆さん、そして御支援をされてきた皆さんに、敬意と感謝を申し上げます。
十年たちましたが、原発事故の影響で今なおふるさとに戻れない方、そして様々な形で今なおこの被災の影響を受けて御苦労されている方がたくさんおられます。
御期待に応え切れていない政治の状況について、私からもおわびを申し上げます。
大事なことは、一つには、福島の復興は始まったばかりだと私は思っています。
そして、津波被災地についても、ハードは充実してまいりましたが、失われたなりわいや地域コミュニティーなど、ソフトの復興は到底十分ではない状況だと思っています。
今、この十年ということに当たって、総理、一つには、この十年という節目が風化を加速させるその節目になってはいけないという、政治の明確なメッセージを出していただきたいというふうに思っています。
二つ目には、福島の復興、そしてなりわいや地域コミュニティーの再建。
このなりわいや地域コミュニティーの再建というのは、なかなか実は政治行政が得意なことではありませんし、具体的なことは地域に密着した自治体にお願いすることですが、これは国が財政的にしっかりと支えていかなければならない。
その決意を示していただきたいというふうに思っています。
三つ目は、福島第一原発の事故、現在も原子力緊急事態です。
この後、COVID―19の緊急事態宣言についてお話ししますが、原子力発電所事故の緊急事態宣言は今も発令中である、現在進行形であるという強い認識を持っていただきたいというふうに思っています。
これらの点、総理の決意をお聞かせください。
先日の二月の余震についてグループ補助金の特例ということは結構なことなんですが、もっと幅広く、これは余震と言われているぐらいですから、あの十年前にやった様々な広範な支援措置を、きちっと一体として、今回、せっかく復旧復興、ある程度まで来たと思いながら、大きな被害を受けられた皆さん、そうした皆さんのためにしっかりとやっていただきたい。
これは、今後、参議院の予算審議も含めて、同僚議員から細かく詰めさせていただきたいと思います。
総理、総理も東北秋田の御出身、秋田は比較的被害は小さかったですけれども、東北全体を襲った地震です。
私も東北大学、仙台で青春を過ごさせていただいた第二のふるさとです。
残念ながら、直接被災された地域以外では、十年たってやはり風化を感じざるを得ないというのに大変私は心配をしています。
是非強いリーダーシップを、今のお話、従来の総理のこの震災に対する発言と必ずしも大きな違いはなかったというふうに思っています。
風化をさせないという強い決意で更にメッセージを発信していただきたいと思っています。
その上で、COVID―19についてお伺いをします。
感染者が一定減少してきていること、首都圏を除き緊急事態を解除されたこと、その限りでは結構なことだと思っています。
ただ、忘れてはならないのは、これは政治や行政がやった成果では全くありません。
一番は、例えば時短に協力をしていただいた飲食店の皆さん、そして、協力金すら全くないのに、事実上営業ができないという状況の中、歯を食いしばっていただいている、例えば小劇場とかミニシアターとか各種イベント関連事業者の皆さん、そして観光、運送業者、関連する、波及する多くの多くの皆さん、民間の皆さんが耐えていただいたから、こういう状況をようやくつくれていますし、仕事を失い困窮しておられるそうした皆さん、幅広く言えば、やりたいことを我慢していただいている多くの国民の皆さん、現場で御苦労いただいている医療や介護などのエッセンシャルワーカーの皆さんがこういう状況を何とかつくってくださっていると私は思っています。
私の立場としては、こうした皆さんに対して十分な補償や支援、そうしたものが出せていない、そういう状況の中で御協力をいただいていることに政府に代わってまずはおわびを申し上げたいというふうに思っています。
感染者は一定程度減りました。
緊急事態宣言の解除も一定程度来ていますが、今一番大事なことは何か。
総理、何だと思いますか。
本当に一番大事なことは、リバウンドはもう許されないということです。
今回の二度目の緊急事態宣言だけでも、えっ、またか、あのとき一生懸命耐えて何とか踏ん張ってきたのにもうこれ以上は無理だということで、廃業、倒産を決められた方が少なからず出ています。
今回頑張っていただいている皆さんも、まさかまた感染が広がってということはないよねと。
こういうことが何よりもの一番の、私は政治がやらなければならないことだと思っていますが、残念ながら、今回、先週の金曜日、緊急事態宣言の解除を決めた、その中、専門家の意見の中では、本当に大丈夫かという声があったというふうに伝えられています。
まさにこれは、政府の中の有識者の皆さんの意見はともかく、在野の皆さんを含めたら、専門家の中でも本当に大丈夫かというのが間違いなく多数ある中で、総理が総理の政治責任としてお決めになったことだということは強く申し上げておきたいと思っています。
その上で、そもそもこの段取り自体が私は合理的じゃないと思うんですよね。
実は、関西など、緊急事態宣言は解除しても、営業時間の短縮要請など、今一番収入が途絶えて大幅に減って困っていらっしゃる方に対する要請はほとんど継続するんですね。
若干時間が延長になるとかということはあっても、実は緊急事態宣言が出ていた状況と、これじゃ収入がほとんどないよという状況、変わらないんですよ。
一方で、緊急事態宣言は解除されたとなると、多くの国民の皆さんは、ああ、よかったと。
やはり、この間我慢をしていただいている、御協力いただいているからこそ、ああ、よかったということで、じゃ、感染拡大防止策、努力してきたことを少し緩めていいのかなという気分になりがちなのはこれは避けられないと思うんですね。
逆じゃないですか。
緊急事態宣言で、みんな緊張感を持って引き続きやってくださいね、その中で営業時間の短縮その他で本当に御苦労されている皆さんに対して、リバウンドが絶対起きないようにちょっとずつちょっとずつ着実に広げていく、こちらの方が筋だと思うんですけれども、総理、いかがですか。
次の東京、首都圏はこういう方向で検討しませんか。
これは総理の政治的なリーダーシップの話を聞いているので、余計な手を挙げないでください。
総理、お願いします。
私がお尋ねしたのは、総理、総理があるいは政府が出す様々な施策とか発信というのは、それ自体がいわゆるアナウンス効果を持つんですよ。
それは、総理は、今おっしゃったとおり、解除しても緊張感を持ってとおっしゃるかもしれませんが、残念ながら、この予算委員会をテレビ、ラジオで御覧いただいている方ばかりじゃない、新聞の見出しで緊急事態宣言の解除という見出しだけ御覧になる方もたくさんいらっしゃるんですよ。
そういう皆さんにどういうメッセージになっているのかというと、ああ、厳しい状況のところは越えたんだな、少し我慢してきたことをやってもいいのかなというメッセージになっているのはこれは避けられない。
こういうことが、実は、民主主義の国のリーダーにとっては、国民に対してどういうメッセージを出すのか、そのことによって国民の皆さんがどう受け止めてどういう行動をされるのか、特にこうした危機のときには、リーダーとして私はもしかすると一番大きな、一番大事な仕事ではないかというふうに思っています。
そういう観点が今の御答弁には欠けていると残念ながら思わざるを得ません。
あえて申し上げれば、いや、本当に緊急事態宣言は解除だけれども、まだまだ緊張感を持ってやっていただかなければならないんだというのであれば、何で、先週の金曜日、きちっとした記者会見でそれを強くアピールしなかったのかという最初の話に戻ってしまうんですよ。
残念ながら、総理、この間、総理が何を発信するか、何に一生懸命力を入れているのかということで、国民の皆さんをミスリードしてきたんじゃないかと指摘せざるを得ません。
就任以来一生懸命されたとして国民が少なくとも受け止めているのは、GoToキャンペーンですよ。
どんどん旅行に行ってください、どんどん会食に行ってくださいと菅さんは国民の皆さんに勧めてきたんですよ。
そして、このCOVID―19の国家的危機の中で、デジタル化、これは必要なことだし大事なことです、でも、デジタル化とか判この廃止とかということに一生懸命力を入れてきたんです。
じゃ、大分よくなってきたんだな、それなら我慢してきたことをちょっとはやってもいいんだなと、それが、十一月、十二月、今の状況をつくってしまったのではないですか。
さらに、様々な対応について後手後手に回ってきたのはこれはやはり否定できません。
山田内閣広報官の辞職についてもやはり二、三日遅かったと言わざるを得ないし、森オリンピック組織委員会の会長の話も後手に回りました。
何といっても、この間、感染拡大防止。
変異株は国内でもう二桁発見されているわけですよ。
我が国は島国ですから、水際で阻止し、あるいは水際でしっかりと把握をして広がらないようにということは他の国々よりもやりやすい状況なのに、この水際対策を強化することも遅れた。
そして、同僚議員がこの間もやってきたし、引き続きやっていきますが、世界的なワクチンの獲得競争は明らかに遅れた。
残念ながら、リーダーとして、一つには優先順位を間違えている、二つ目には、国民の皆さんに対して優先的に何を発信するか、このことを、発信することを間違ってきたのではないかというふうに言わざるを得ません。
早いな、総理のやっていることは早いなと思ったのは、GoToキャンペーンの再開であるとか、今回の関西地域の緊急事態宣言の解除であるとか、こちらの方向ばかりである。
あとは常に後手後手に回ってきている。
物事を楽観的に見過ぎているのではないかというふうにも思います。
総理、いかがですか。
ヨーロッパ、アメリカなどでやっているようなロックダウンをやらなくても感染者を減らすことができているのは、それは国民の皆さんのおかげなんですよ。
政府の成果じゃないですよ。
国民の皆さんが、やはり自分や周り、社会に御迷惑かけちゃいけないんだと思って御協力いただいているから、そこはちゃんと理解をしていただかないと。
後ろの方から変なやじで、政府がお願いしているからだと。
政府がお願いしているからじゃないですよ。
国民の皆さんがそういう思いで協力しているからだということを、特に我々は強く思わないといけない。
それから、デジタルが要らないなんて私も言っていません。
でも、この感染症危機のところでデジタルを急ぐんだったら、じゃ、何でいまだに感染情報の把握をすることがコンピューターシステムで短時間でできないのか。
一年前から言われている話ができていないんですよ。
同じデジタル化を進めるのだって、やはり今の危機を乗り越えるためにという優先順位はあるんですよ。
確かに、GoToトラベルは一定の成果を上げましたが、結果的には、年末年始の書き入れどき、こういう事態になって、トータルではかえって大きな損害を受けている方の方が圧倒的に多いんじゃないですか。
そういったことについて、優先順位のつけ方が間違っているのではないかということを申し上げた。
私たちは、明確にもう一つの選択肢を示しています。
ゼロコロナ戦略。
これまで、ウィズコロナ、コロナ感染症が一定程度の感染の状況がある中でも、それと一緒に社会経済活動を両立させていこう。
でき得るならば、それが望ましいというふうに思います。
でも、やはり、この感染症は、ワクチンが一定の効果を上げるまでは、人が人との接触を増やせば感染は広がるという客観的なそういう特徴があるんですから、それは、できるだけ感染を抑え込んだ中ででないと、経済社会活動は普通どおりには戻せない。
我々も、感染者がゼロになるとかウイルスがゼロになるとかいうことを申し上げているんじゃありません。
ゼロになる状況を目指して徹底的に封じ込める。
徹底的に封じ込める中では、部分的に感染者は発見されることがある。
感染者は発見されることがあっても、そこで、その感染ルート含めたその周辺の発症していない感染者含めて、きちっと早期に発見して隔離をすれば、そこから大きく広がっていくことはないんですよ。
実際に、ニュージーランドやオーストラリアや台湾ではこういう戦略を取って、確かに、海外から新しく感染者が来たなどといって、時々、新規の感染は出ます。
だから、完全なゼロじゃありません。
しかしながら、それについては、その周辺だけは少し強い御協力をお願いをすることできちっと封じ込めているから、この三か国は圧倒的に世界の中でも経済の状況もいい。
そのことを私は強く指摘をさせていただきたいと思っています。
私たちは、この全体の戦略の中で、医療現場は、大分改善をしてきたとはいいながら、まだまだ深刻な状況です。
医療現場を支援をしていくことがまず第一です。
そして、三番目。
感染を封じ込めるまで、一度封じ込めたら、かなり普通に近い状況で旅行に行ける、あるいは会食ができる、そういう状況を早くつくるから、そこまでは、いわゆる補償で、協力金で何とかやっていける、ここを充実させましょう。
これは、いずれも具体的なことは提案をしてきているし、この後、恐らく、予算の組替えという形で、改めて具体的に提起をさせていただくことになると思います。
問題は、二番目です。
早期把握と治療で感染者を封じ込めることです。
何といっても、検査を大幅に拡大して、早期発見と封じ込めをしなければなりません。
一年前からこの予算委員会で私は同じことを申し上げてきました。
ようやく、ようやくですよ、一月二十二日になって、医療従事者や介護職員等に対する検査、ちゃんとやっているかどうか報告してくださいねと厚生労働省は言いました。
昨年の九月に最初に、医療従事者や介護職員などは一定程度やってね、こういう文書要請をしていますが、実はそれだけでは進んでいなかったのが客観的な事実。
ようやく一月二十二日に、そのことについて、文書で報告しろということで、ああ、やらなきゃいけないんだなというような状況になってきた。
一年遅いと言わざるを得ません。
大事なことは、実は、感染者の周辺のPCR検査が非常に絞られているということです。
今新たな感染者が出ても、いわゆる濃厚接触者じゃなければ、保健所による検査の対象になっていません。
濃厚接触者という定義をされると、その方自身も一定程度、自宅待機してくださいなど、職場に行かないでくださいなどという制約をお願いすることになりますから、濃厚接触者そのものを増やせとは言いません。
でも、濃厚接触に当たっていないけれども、マスクはしていたけれども、実は、長時間同じ場所にいていろいろ会話をしていましたみたいな話は、全部対象に今なっていないんですよ。
本当にそこで感染が広がっていないのかどうか。
今、一年前と違って、検査の余力はあるんですから、能力はあるんですから、物理的な。
それは、私は、広範に幅広く、近くに感染者が出た方については、ただでその方について検査をするという状況をつくらなければならないというふうに思っています。
時間がなくなっているので、このことについては強く引き続き求めるということで、大事なのは入国管理の徹底なんですよ。
やはり変異株、入ってきてしまいました、残念ながら。
現状は、出国前七十二時間以内の検査証明又は検疫所が確保した宿泊施設等での待機、それで、誓約書を提出して、十四日間は公共交通機関を使わないでください、自宅等で待機してください、アプリの位置情報を保存してくださいみたいなことをお願いしているんですが、あえて厳しい言葉で言えば、野放しと私は言わざるを得ないと思っています。
それは、そういう状況で自力で自宅に帰ってください、どこかに行ってホテルに泊まっていてくださいと言ったって、普通の、市中に出て、それで守ってくださいと言われても、現に守れていないケースが出ているじゃないですか。
先ほどのニュージーランド、台湾あるいはオーストラリア、幸い、同じように島国です。
やはり水際は相当徹底してやっています。
おかしいのは、七十二時間前の検査証明書があればいいじゃないかと。
ずっとこの間、PCR検査には漏れがある、陽性だけれども陰性と出てしまうケースがある。
それはありますよ。
だって、感染した直後だったら検査で出ないんですから。
だから、私たちは、十日間ぐらいかけて、複数回、三回検査すべきじゃないですかと。
日本に帰ってこられる方、日本に入国される方については、十日間ぐらいかけて三回ぐらいPCR検査をやって、万が一にも感染していた方が検査から漏れることがないようにするべきじゃないですかと。
そして、その間は、法律的な強制よりも大事なことは、一か所に集まっていていただくことですよ。
成田空港周辺のホテル、空いていますでしょう。
国で借り上げて、そして、そこにずっといてくださいというようなお願いをしたら、そこで、強制力はないけれども、食事のこととか、場合によっては医療のこととか検査のこととか、全部お世話をする方がついていただければ、そこから逃げ出すというケース、そうそうないんじゃないですか。
これをしておけば、変異株の日本への入ってくることは止められたんじゃないかと思います。
今からでも遅くありません。
変異株は世界中で次々と生じる、そういうリスクがあります。
こういう対策をすべきだと思っているんですが、厚労大臣がうなずいていただいているのは分かります。
具体的なことは、後で同僚議員から厚労大臣などに聞きます。
総理、こういう思い切ったことを、絶対に水際で止めるんだというもっと厳しい措置をやるべきじゃないですか。
総理、いかがですか。
人員等は相当増やさないといけません。
それから、入国した方で、お金持ちの方だったら、ホテルでできるだけ高い、おいしいものを食べてください、ルームサービスで食べてくださいでいいかもしれないけれども、そういう方ばかりじゃないから、そういったことのお金もつけるべきじゃないかと思います。
しかし、変異株が国内で大流行して、また緊急事態宣言だなんということになることを考えたら安いものじゃないですか。
これが危機管理なんですよ。
早いうちにやらなきゃならない。
確かに、私権制限は小さいほどいいですよ。
だけれども、海外から日本に入ってくるという特殊な状況のところでは、それは相当強い、いや、しかも、これも任意ですよ。
別に、私、刑罰つきでやれだなんて全然言っていませんよ。
今と同じように、守っていただけなければ氏名公表でもいいですよ。
でも、氏名公表だって、今だって機能していないじゃないですか。
自宅待機している、どこかで感染が出て、たどっていったら、帰国した方、入国した方が実は約束を守っていなくて、二週間以内にどこか外で会合してしまった。
事後的じゃないですか。
でも、ホテルに待機してくださいというお願いをすれば、それを守っていただけない方、初めから分かるじゃないですか。
全然水際としての効果、違いますよ。
残念ながら、今のようなところ、どうしてこういうところは後ろ向きなのか、私は全く理解できないし、残念ながら、危機管理の対応としては小さ過ぎて、そして遅過ぎるということを言わざるを得ない。
これでは本当にリバウンドが心配です。
もう一度リバウンドしたら、本当にこの国の社会も経済も成り立たない。
私は強い危機感を持っているからこうやって総理に直接、総理がリーダーシップを取らなきゃいけません。
それは、入管とか厚労省とか各省各部局からは、従来の延長線上で物事を考えようとするのは、これは当然なんです、役所の特性として。
十年前もそうでした。
だから、政治が強いリーダーシップで、ここは厳しくやるんだ、めり張りをつけてやるんだと言っていただかなければならないということを強く総理に申し上げたいと思います。
最後に、二分あります、言わざるを得ません。
山田広報官の話を始めとして、菅総理の御長男。
私は、御長男ということと同時に、元秘書官ですよ。
役所からの秘書官ではない、政治任用の秘書官ですよ。
だから、菅総理の政治行動と無関係ではないんですよ、全然。
全然政治活動と関係ないところで活動していた御親族の話ではないんですよ。
そこに絡む話で、官僚の皆さんがたくさん処分されています。
そして、これは総務省だけの話かと思ったら、農林水産省に至っては元大臣も巻き込んだ汚職事件になり、それに関わって、やはりトップ官僚が接待を受けていたという深刻な問題になっています。
私が若手議員の頃に、某役所のしゃぶしゃぶ事件というのがありました。
さすがにそれ以来はこうした綱紀は粛正されていると言っていたのが、いつの間にか緩んできてしまっている。
それは、残念ながら、忖度をさせる政治、そして、こうしたことにけじめをつけない政治、そうしたことが官僚の皆さんのところに行ってしまっているのではないかと思わざるを得ません。
これは、官僚の皆さんのモラルが低下をしたら、やはりこの国は成り立たないんですよ。
いろいろあっても、御苦労かけても、やはり官僚の皆さんは優秀だし、真面目だし。
その皆さんのモラルを低下させるようなことをやっている。
私は、この政治責任、このことの政治責任は大きいと思うんですが、総理、いかがですか。
更に深くは同僚議員に譲りたいと思いますが、もう一度だけ申し上げますが、単なる御親族の話じゃありませんから。
総理の政治活動と全然関係ないことを別にやっていた方の問題であるが、それは、またいろいろな見方があるかもしれませんが、総理が、御自身が大臣のときの秘書官にした、政治活動を一緒にされてきた方であるということが一つです。
そして、二つ目は、官僚の皆さんのモラル。
この低下は本当に真剣に考えてください。
総理の御子息が勧誘したんです。
それはもう否定できない。
そうした状況の中で、官僚の皆さんだけが処分をされる、トカゲの尻尾を切られる、政治の側は何にもなしかいと。
本当にこれで官僚の皆さんが強いモチベーションでこの国のためにやっていただけるのか、私は心配で仕方がない。
そのことを申し上げて、私の質問を終わります。
ありがとうございました。
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