00:19:25 ~ 00:20:16 浜田委員長
これより会議を開きます。内閣提出、我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律案及び国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律案の両案を一括して議題といたします。本日は、両案審査のため、参考人として、東京外国語大学大学院教授伊勢崎賢治君、静岡県立大学特任教授小川和久君、第三代統合幕僚長折木良一君、ジャーナリスト鳥越俊太郎君、国際地政学研究所理事長柳澤協二君、以上五名の方々に御出席をいただいております。 Angry: 0.539 Disgust: 0.237 Fear: 0.418 Happy: 0.650 Sad: 0.334 Surprise: 0.596
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00:20:16 ~ 00:21:01 浜田委員長
この際、参考人各位に一言御挨拶申し上げます。本日は、御多用のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。参考人各位には、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただき、審査の参考にいたしたいと存じます。それでは、議事の順序について御説明申し上げます。まず最初に、参考人各位からお一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。委員の質疑時間は限られておりますので、お答えはできるだけ簡潔明瞭にお願いいたします。なお、念のため申し上げますが、御発言の際はその都度委員長の許可を受けることとなっております。 Angry: 0.404 Disgust: 0.314 Fear: 0.396 Happy: 0.692 Sad: 0.483 Surprise: 0.510
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00:21:01 ~ 00:21:20 浜田委員長
また、参考人は委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、あらかじめ御承知おき願いたいと存じます。それでは、まず伊勢崎参考人にお願いをいたします。 Angry: 0.285 Disgust: 0.255 Fear: 0.467 Happy: 0.672 Sad: 0.571 Surprise: 0.527
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00:21:20 ~ 00:22:05 伊勢崎参考人
本日は、お招きいただいてありがとうございます。大変光栄に思っております。よろしくお願いいたします。私の本日の意見陳述は、国連平和維持活動、いわゆるPKOについてだけ陳述したいと思います。PKOとは、国連安全保障理事会が承認し、国連が統合指揮をとるものであります。そもそもPKOというのは、武力介入という強制措置でありながら紛争当事者全ての合意がある、つまり国連憲章において第六章と第七章の中間にあるということで、六章半というふうに言われてきました。 Angry: 0.447 Disgust: 0.331 Fear: 0.409 Happy: 0.643 Sad: 0.457 Surprise: 0.509
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00:22:05 ~ 00:23:01 伊勢崎参考人
多くの場合、ある紛争国の政府と反政府勢力、これを日本流に言いますと国家と国家に準ずる組織、国準との間に内戦が起こって、やがて停戦となる、その双方が、中立な存在としてのPKOが割って入る、これを認めている状態であります。ですから、この時代のPKOの主要任務というのは、停戦監視が筆頭任務でありました。PKOの軍事部門である国連平和維持軍、PKFは、自動小銃などの軽武装、そしてできるだけ大世帯で行く、これで現場を確保して、停戦が破られないように抑止力として機能する、こういう考え方が一般的でありました。我が国のPKO参加五原則というのは、当時のこういう背景を前提に生まれたものだと承知しております。 Angry: 0.545 Disgust: 0.274 Fear: 0.519 Happy: 0.554 Sad: 0.286 Surprise: 0.579
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00:23:01 ~ 00:24:02 伊勢崎参考人
PKFを軽武装で大規模にするというのは、国連というのはあくまで中立性を保ちたい、もしくは、戦時国際法、国際人道法における紛争の当事者に国連はなりたくないという国連の意思のあらわれであります。国際人道法というのは、人道的な戦争を行うための流儀を示したものであります。つまり、攻撃していいものといけないものを区別する。もちろん、攻撃していけないものは一般住民であります。こういう戦争の人道面に関する立法化を人類は試行錯誤してまいりました。その大もととなるのが、皆さん御存じの、一九四九年のジュネーブ諸条約であります。このときでも、想定する戦争というのは、国家対国家というものでありました。その後、内戦の時代を迎えます。国際人道法が想定する戦争の定義が拡大いたします。 Angry: 0.531 Disgust: 0.396 Fear: 0.479 Happy: 0.531 Sad: 0.446 Surprise: 0.487
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00:24:02 ~ 00:25:07 伊勢崎参考人
内戦とは、ある一国の中だけで完結しないのであります。例えば、アフリカのそれのように、植民地時代に引かれた人工的な国境を反政府勢力がまたいで活動する、こういうことが一般的であります。つまり、周辺国同士の政治が複雑に絡んだ構造、これが内戦であります。ですから、こういう内戦というのは、今日では極めて国際化したものになっています。ですから、国際人道法が想定するいわゆるベリジェレント、交戦主体というのは、国家よりももっと小規模のもの、ある程度指揮命令系統があり、ある程度の地域を支配する武装勢力、日本で言う広域暴力団みたいなものですね、こういうものまで含むようになりました。これは、一九七七年のジュネーブ諸条約追加議定書によって決められております。さて、PKOに話を戻します。停戦の監視を任務としてPKOが送られたとして、もし、その目の前でその停戦が破られて戦闘が始まってしまったらどうするか。 Angry: 0.571 Disgust: 0.389 Fear: 0.499 Happy: 0.498 Sad: 0.381 Surprise: 0.517
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00:25:07 ~ 00:26:02 伊勢崎参考人
つまり、住民がPKFの目の前で殺される、殺され始めたらどうするか、その場合PKFはどうするのかということであります。この問題は、国連の法務局と国際法の研究者たちの中でずっと議論されてきました。まず、PKOの要員を、PKFの兵隊も含めて攻撃することは、国際法では違法化されております。これをPKO要員の保護特権と申します。でも、もしPKF自身が、武力行使されるのではなく武力行使をしたら、そのPKFの保護特権はどうなるのか、この議論であります。国際人道法は、御存じのように、相対する交戦主体同士が、お互いを合法的な攻撃目標とし、人道的な戦争をする流儀を定めたものであります。 Angry: 0.599 Disgust: 0.367 Fear: 0.512 Happy: 0.549 Sad: 0.312 Surprise: 0.497
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00:26:02 ~ 00:27:05 伊勢崎参考人
ですから、その一方だけが保護特権を持つということは概念上許されません。よって、PKFがみずから武力行使をしたら、その保護特権は失われる、そして交戦相手と同等になるという考え方が定着しております。でも、現実はどうでしょうか。PKOというのは、しょせん、基本的に、全く利害の関係のない国のもめごとに首を突っ込むことであります。どの国の部隊にとっても、国防以上のやる気は出ません、残念ながら。つまり、だらだらやるわけであります。しかし、一九九四年、後にPKOの行動指針を根底から激変させる事件が起こります。これが、アフリカのルワンダであります。ルワンダでは、人口の多数を占めるフツ族の政権と少数派のツチ族の反政府勢力の間で内戦がずっと行われていまして、そして国連の仲介で停戦が実現します。 Angry: 0.632 Disgust: 0.368 Fear: 0.494 Happy: 0.412 Sad: 0.410 Surprise: 0.482
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00:27:05 ~ 00:28:01 伊勢崎参考人
そして、PKOが発動され、PKFが派遣されます。このとき、この殺りくを首謀したのはフツ族側であります。つまり、政権側です。つまり、政権側の民兵組織、日本流に言いますと国家側の国家に準ずる組織であります。このとき、現場のPKF司令官は、僕の友達なんですけれども、住民を保護するための武力行使を進言いたします。しかし、安保理はこれを却下します。同時に、PKFに兵力を提供した国々も、一つ一つ離れていってしまう、帰っていってしまうわけです。そして、結果として、百日間で百万人です、百万人の住民が殺されてしまう。これが、ルワンダの大虐殺であります。このルワンダの大虐殺を契機として、保護する責任という概念が誕生します。 Angry: 0.589 Disgust: 0.388 Fear: 0.513 Happy: 0.448 Sad: 0.411 Surprise: 0.480
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00:28:01 ~ 00:29:02 伊勢崎参考人
保護する責任とは、ある国で重大な人権侵害が起こります、その住民を守るのは本来その政府の義務でありますが何もしない、もしくはそれに加担していたりする、そういう事態には、国連を主体とする国際社会は、その政府を差しおいてまで住民を保護する責任があるというものです。その際には、武力の行使もいとわないといいます。これは、保護する責任という考え方です。これはもちろん、内政不干渉の原則とバッティングをいたします。一方で、一九九九年、コフィ・アナンが国連事務総長だったときでありますが、国連事務総長官報として、ガゼットですね、あるおふれが出ます。全てのPKFに対してです。それは、PKFは国際人道法を遵守せよというおふれであります。つまり、これはどういうことかというと、PKFは国際人道法の紛争の当事者になる、そういう自覚を持てということです。 Angry: 0.654 Disgust: 0.371 Fear: 0.432 Happy: 0.520 Sad: 0.358 Surprise: 0.471
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00:29:02 ~ 00:30:06 伊勢崎参考人
覚悟を持てということであります。つまり、交戦主体として、敵対する交戦相手から見ればPKF自身が合法的な攻撃目標になる自覚を持て、こういう宣言になります。これが一九九九年に出されます。こうして、徐々に、住民の保護がPKFの主要任務になり始めます。南スーダン、コンゴ民主共和国、中央アフリカ共和国、こういう互いに隣接する三カ国で活動するPKOは、現在の話ですけれども、全て住民の保護が最重要任務になっております。つまり、今は、停戦の監視よりも住民の保護が優先される時代なんです。つまり、これはどういうことかというと、停戦が破れ戦闘状態になっても、PKOは撤退しません。住民の保護のために武力行使をします。ということは、停戦が破れたら活動停止そして撤退という我が国のPKO五原則は、ここで本当でしたら根本的に見直さなければなりません。 Angry: 0.551 Disgust: 0.360 Fear: 0.531 Happy: 0.449 Sad: 0.423 Surprise: 0.526
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00:30:06 ~ 00:31:04 伊勢崎参考人
こういうPKFの任務の激変に伴い、それに兵力を提供する国連加盟国のインセンティブも劇的に変化しております。昔でも消極的であったいわゆる先進国からの派兵は、現在さらに激減しております。今は旧宗主国でも出しません。これは本当です。それにかわって台頭しているのが、周辺国であります。昔であれば周辺国の参加はPKFの中立性を損なうという考え方でしたが、現在は、住民の保護のため、より既得利権感を持って真剣に戦ってくれる国の部隊の方が有効というふうに、前提が変わってきております。つまり、集団安全保障の典型である国連のPKOが極めて集団的自衛権の動機に支えられている、これが今の状況であります。こういう状況で、日本のような先進国はどうするか、先進国に何が期待されているのか。 Angry: 0.579 Disgust: 0.352 Fear: 0.440 Happy: 0.535 Sad: 0.414 Surprise: 0.497
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00:31:04 ~ 00:32:02 伊勢崎参考人
まず、資金です。周辺国の部隊は、基本的に装備が不十分です。これを補完するということです。でも、ただ金を出すばかりではありません。このようにPKF自身が好戦的になっていますので、PKF自身が国際人道法違反をしないように管制すべく司令部の主要ポストを狙います。または、国連軍事監視団、これは安保理の目と呼ばれていまして、PKFでさえその監視の対象になります。このように、PKOの中立性が失われる中で、国連で最後に残された中立の最後のとりでがこの軍事監視団であります。これは、非武装の軍人がやることが原則であります。そして、敵対勢力の中に非武装で懐に入り、PKFとの交戦を未然に防ぐための信頼醸成をします。そして、武装解除の説得などもいたします。 Angry: 0.607 Disgust: 0.392 Fear: 0.474 Happy: 0.523 Sad: 0.402 Surprise: 0.477
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00:32:02 ~ 00:33:10 伊勢崎参考人
以上、激動するPKOを取り巻く環境を説明いたしました。では、この中で日本の自衛隊はどうするのかということに進みたいと思います。繰り返しますが、昔と違って、停戦合意が破られたからといって撤退することはできません。そんなんだったら、最初から来るなということです。例えば、陸上自衛隊の施設部隊が兵たん活動の一環で道路建設をしている現場を考えてください。そこに武装グループに追われた住民が助けを求めて駆け込んでくる、これは当たり前です。そしてそのとき、住民に銃口が向けられているというふうに目撃したら、たとえその銃口が自衛隊員に向けられていなくても、自衛隊員はこれに対して応戦しなければいけません。自衛隊の駐屯地に住民が助けを求めて駆け込んでくる場合も同じであります。でもしかし、保護して中に入れた住民の中に武装グループが紛れていたらどうしますかということであります。そもそも、こういう武装グループというのは、住民の中の民族や宗教における敵対感情をあおって暴徒をつくって、その中に紛れて行動することが大変多いです。 Angry: 0.606 Disgust: 0.357 Fear: 0.467 Happy: 0.432 Sad: 0.493 Surprise: 0.447
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00:33:10 ~ 00:34:02 伊勢崎参考人
つまり、住民と戦闘員の区別はつきません。その結果、非戦闘員の住民を誤射してしまう場合があります。これは、PKOの現実としてしっかり想定すべきことであります。一方、日本では、そういう武装グループは国家もしくは国家に準ずる組織、いわゆる国準ではないのだから、そういう連中への武器の使用は国際法上の武力の行使には当たらないという議論があります。この日本独自のロジックは、現代の国際人道法の運用には全くありません。というか、国家もしくは国準でなければ、こういうふうに日本が勝手に想定して、国家もしくは国準でなければということで、国際人道法に関係なく殺せるというふうにこれはとれますので、もしこれを英語に訳して発信したら大変なことになります。 Angry: 0.600 Disgust: 0.335 Fear: 0.541 Happy: 0.431 Sad: 0.404 Surprise: 0.507
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00:34:02 ~ 00:35:02 伊勢崎参考人
ぜひしないでいただきたいと思います。自衛隊員が任務遂行の中で誤って現地の人々を傷つけてしまったら、これは過失です。非戦闘員、つまり住民を多く殺傷すれば、国際社会はそれを国際人道法違反とみなします。PKOでは、国連が一括して地位協定を現地政府と結ぶことで、現地法からの訴追免除の特権を国連PKF部隊全体に付託いたします。PKF部隊が過失を起こした場合、国連には軍事法廷はありません。各国の軍法で裁くことになります。つまり、PKF部隊が過失を起こした場合、現地社会の怒りをなだめる、当然ですが怒ります、これをなだめるには、ごめんなさいね、でも、あなたたちの法律よりももっと厳しいうちの軍法で裁くから許してねと言うしかないんです。日本はこの言いわけができません、軍法がありませんので。 Angry: 0.764 Disgust: 0.326 Fear: 0.457 Happy: 0.339 Sad: 0.444 Surprise: 0.374
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00:35:02 ~ 00:36:01 伊勢崎参考人
この言いわけができないとどうなるか。当然、現地社会の怒りは沸騰します。そして、国際人道法違反として、これは非常に重大な外交問題に発展します。そもそも、PKOの現場というのは、人心掌握が作戦の成功を左右する非対称戦であります。ということで、自衛隊はこういう作戦上の致命的な弱点を抱えていることになります。この問題を、自衛隊員の側から考えます。軍法がないなら、ありませんので、自衛隊による海外での過失がもし起こってしまったら、その過失はどう裁かれるか。これは、日本の刑法しかありません。すると、日本の刑法には国外犯規定というのがありまして、日本人が海外で犯す過失は裁けません。そうすると、自衛隊の過失は犯罪として裁くしかありません。 Angry: 0.710 Disgust: 0.383 Fear: 0.542 Happy: 0.331 Sad: 0.381 Surprise: 0.429
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00:36:01 ~ 00:37:03 伊勢崎参考人
そもそも、自衛隊の活動のような軍事行動は、個人の意思が極度に制限される国家の命令行動であります。しかし、その中で過失が起こった場合、日本の場合は、自衛隊員個人が犯罪として責任を負うのです。これは重大な矛盾であります。私は、防衛省の統合幕僚幹部学校で、もう五年以上教えております。僣越ではございますが、自衛隊の皆さんの立場に立って物を言える立場に私は少しはあると思います。自衛隊の皆さんは、国防に命をかけるのはやぶさかではないと思っているはずです。しかし、国防以外のことに命をかけるのは、それ相応の大義が必要です。国際平和に資する、こういう大義名分は簡単に言えます。しかし、そこで何が起こっても最終的に国家が全責任をとるという法の整備をして、我々は自衛隊を海外に送り出しているでしょうか。 Angry: 0.594 Disgust: 0.308 Fear: 0.482 Happy: 0.508 Sad: 0.357 Surprise: 0.528
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00:37:03 ~ 00:37:48 伊勢崎参考人
僕は、していないと思います。これなしに、命をかけられる大義は生まれません。これは、今回の安保法制だけの問題ではありません。一九九二年のカンボジアPKO派遣以来、これまでずっと現場に送られてきた自衛隊員だけが抱え込んできた矛盾であります。御列席の与野党の先生方におかれましては、ぜひ、安保法制以前のそもそも論をやっていただきたく、次の言葉で私の意見陳述を締めさせていただきます。自衛隊の根本的な法的地位を国民に問うことなしに、自衛隊を海外に送ってはなりません。ありがとうございました。 Angry: 0.638 Disgust: 0.380 Fear: 0.413 Happy: 0.506 Sad: 0.460 Surprise: 0.430
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Angry: 0.404 Disgust: 0.327 Fear: 0.294 Happy: 0.834 Sad: 0.534 Surprise: 0.432
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00:38:05 ~ 00:39:05 小川参考人
御紹介いただきました小川でございます。お招きいただきましてありがとうございます。私は、昨年七月の閣議決定を支持する立場からお話をいたします。まず、日本の安全保障あるいは平和主義に関する議論というものは、日本国憲法と国連憲章と日米安保条約を同時にあわせ読み、その整合性のもとに進められなければいけない。単に憲法の枝葉について議論していても、これは日本国憲法前文の精神に背反する問題であるということは申し上げざるを得ない。その視点からいいますと、昨年七月一日の閣議決定も、現在行われている議論も、憲法に反する部分はございません。なぜかといえば、日本国憲法は、国連憲章のいずれの条文も否定しておりません。また、日本国憲法は、日米安保条約のいずれの条文も否定しておりません。 Angry: 0.643 Disgust: 0.329 Fear: 0.389 Happy: 0.521 Sad: 0.394 Surprise: 0.469
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00:39:05 ~ 00:40:01 小川参考人
条約を結ぶということは、日本国憲法に反していればこれを結べないわけであります。その中で、我々は、この集団的自衛権の議論というものを整理しなきゃいけない立場でございます。よく解釈改憲などという言い方がありますけれども、昨年七月の閣議決定というものは、その解釈改憲というような考え方から見ても、ほとんど抵触しないようなレベルのものでございます。過去において憲法解釈がドラスチックに変えられたというのは、昭和二十九年十二月、保安隊が自衛隊になるときです。これは、それまでの吉田首相の見解とは全く異なる、そういうところで解釈が変えられました。これについても、国民の過半数は許容範囲内にあるという受けとめ方をして、これを認めたわけであります。 Angry: 0.718 Disgust: 0.364 Fear: 0.494 Happy: 0.399 Sad: 0.322 Surprise: 0.498
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00:40:01 ~ 00:41:08 小川参考人
そこから見れば、昨年七月一日の閣議決定、この憲法解釈の変更というものは、やはりそこには該当しないという考え方でございます。そういう中で、私が二番目に申し上げたいのは、安倍政権は、これまでの日本的な議論を整理し、日本国の安全を確立しようとしている、その点において高く評価をするという話なんです。これは、自民党がいい、共産党がいいという話でもないし、安倍さんがいい、安倍さんが悪いという話でもないんです。安倍さんがやっていること、そのことを国家国民の立場で考えたとき、必要なことを粛々と進めている、粛々とと言うと上から目線だという御指摘もありましたけれども、とにかく淡々と進めている、そういうお話でございます。とにかく、日本的な議論は、枝葉から始まって枝葉で終わる傾向がある、日本でしか通用しない議論を日本国民に向けて言いわけのように繰り返している。 Angry: 0.772 Disgust: 0.357 Fear: 0.428 Happy: 0.395 Sad: 0.315 Surprise: 0.419
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00:41:08 ~ 00:42:01 小川参考人
そこから生じる問題について議論が行われるということは余りございません。そういう中で、戦後、我が国は、アメリカに安全保障面でもたれかかる格好で来ました。これはアメリカに守ってもらっているのとは違うんですが、やはりもたれかかる格好で来た。ひたすら経済的な発展を追求してきた。それはそれでいいんですけれども、アメリカとの同盟関係を前提とする場合にも、やはり国家としての安全保障に関する枠組みというものはそれなりに構築してこなければいけなかった。ところが、その部分も放置してきた。だから安倍さんは、これからお話しいたしますように、同盟関係を結ぶ以上、やはり集団的自衛権の行使というものについてはきちんと向き合わなければいけないということで、限定的でありますが、行使を容認したわけであります。 Angry: 0.544 Disgust: 0.412 Fear: 0.542 Happy: 0.398 Sad: 0.501 Surprise: 0.447
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00:42:01 ~ 00:43:01 小川参考人
これは、私どもの立場でいいますと、本当に戦略の基本を言っているんです。古代中国の戦略の書、孫子というのがあります。孫子のさまざまな言葉の中で有名なものの一つ、巧遅は拙速にしかずというのがあります。つまり、どんなに時間をかけて丁寧に仕上げたものでも、タイミングを逸してしまったら何の価値もない。孫子はもともと戦争の教科書です。だが、今はビジネスの教科書にも使えるようなものです。最も優先しなければいけない目標を迅速に達成する、当然、雑な部分は残ります。しかし、一番大事なのは、国家国民にとっては安全ですから、安全を確保するための枠組みを素早くつくる。その安全な枠組みの中で、時間をかけてやり残した部分を丁寧に仕上げていく、これが法律制度の議論であります。 Angry: 0.513 Disgust: 0.314 Fear: 0.481 Happy: 0.627 Sad: 0.373 Surprise: 0.549
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00:43:01 ~ 00:44:04 小川参考人
だから、今、国会で行われている議論というのは時間をたっぷりかけてやっている。その意味では、賛成、反対を超えて高く評価を申し上げたいと思っています。ですから、やはり世界に通用するレベルの議論にその辺を持っていっていただきたい、そう思うわけであります。とにかく、この集団的自衛権についても、日本的な議論を整理しようというのが私の立場なんです。よく、マスコミの皆さんには失礼な言い方をして嫌われているんですが、小川さんは集団的自衛権に賛成ですねと、そこから来るんですね。賛成ですか、反対ですかと来る。何のために賛成するか、反対するかという前提がないんです、どこに行っても。国家国民の安全を図るための選択肢は、例えば防衛力整備一つとっても、選択肢は、現実的なものは二つしかない。片っ方を選べば集団的自衛権の行使というのは前提条件になる、片っ方を選べば集団的自衛権なんて言葉を使わなくて済むようになる。 Angry: 0.680 Disgust: 0.381 Fear: 0.447 Happy: 0.452 Sad: 0.361 Surprise: 0.459
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00:44:04 ~ 00:45:01 小川参考人
どっちなのですかという話なんです。だから、集団的自衛権の言葉なんか使いたくなければ、同盟関係を解消すればいい。そして、独自に防衛力を整備すればいい。ただ、実務家の立場で申し上げますと、今のレベルの安全を独力で実現しようとすれば、やはり大変な負担に耐える覚悟が必要だ。防衛大学校の二人の教授が三年前に試算をしたものが本に出ております。これは、今のレベルの安全を日米同盟抜きにやろうとした場合、年間の防衛費は大体二十三兆円ぐらいかかるとなっている。これにいろいろな問題が加わってくるわけでありますが、それは一年で済むわけではないんです。十年、二十年とやり続ける中で、防衛費を圧縮できるかどうかの段階に差しかかる。その間の負担に耐える覚悟が日本国民にあるのか。 Angry: 0.474 Disgust: 0.321 Fear: 0.550 Happy: 0.479 Sad: 0.399 Surprise: 0.598
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00:45:01 ~ 00:46:00 小川参考人
ありません。とにかく、そのぐらいの負担を腹をくくって受け入れるような国民性であれば、昭和三十年ぐらいまでにやっているんじゃないですか。日本人は頭がいいから、とにかく経済的な発展を追求するために日米同盟を使おうとしてきた。そうであれば、もう一つの選択肢、日米同盟を活用するというのがいいし、これが現実的だということを申し上げたい。日米同盟は五兆円未満の防衛費のほぼ枠内で維持されている、アメリカという国は世界最高の能力を持っている国である、その国との同盟関係はやはり世界最高レベルの安全をもたらしてくれている、費用対効果にすぐれているという話なんです。そういう中で、アメリカの属国みたいだと。これは日本人が悪いんです。これから申し上げますように、アメリカから見て最も対等に近い唯一の同盟国は日本なんです。 Angry: 0.499 Disgust: 0.378 Fear: 0.491 Happy: 0.501 Sad: 0.498 Surprise: 0.504
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00:46:00 ~ 00:47:07 小川参考人
ところが、日本の議論が、学界もマスコミも国会も含めて、一般論で終始している結果、アメリカに負い目を感じるような格好になっている。これが問題なんです。だから、とにかく、属国のように見られないで、アメリカからも一目も二目も置かれるような格好で日本の安全を確保し、平和主義を追求していくという上でも、日米同盟というのは極めてよい選択肢だと思います。ただ、その場合、同盟関係を選ぶというのは、相互防衛が前提であります。相互防衛というのは、集団的自衛権の行使というのが前提条件になるということなんです。ただ、個別的自衛権は、自分の国の安全を自分の国の軍隊で守る権利。集団的自衛権は、自分の国の安全を同盟国などの軍事力で守る権利。いずれも、自分の国の安全が先なんですよ。他衛がとか、ほかの国の戦争だとかいうことを言っていますが、自分の国の安全なくしてほかの国の戦争に手をかすなんてことはあり得ない。 Angry: 0.650 Disgust: 0.416 Fear: 0.496 Happy: 0.465 Sad: 0.352 Surprise: 0.482
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00:47:07 ~ 00:48:07 小川参考人
もう一個、日本の議論が一般論で終始しているのは、とにかく、同じような姿形の軍事力を日本があたかも持っているかのような錯覚のもとに、アメリカを助けに行けないのは肩身が狭いなんて言う。しかし、納税者の立場で考えてください。とにかく、日本の軍事力というのは、ドイツと同じで、戦後、再軍備の過程で連合国に規制をされてきている、だから自立できない構造なんです。だから、国家的な戦力投射能力は逆立ちしても出てこないんですよ。外国を軍事力で席巻しようとしてもできないんです。だから、日本が同盟関係の中でアメリカに当てにしてもらっていいよと言うことができるのは、日本列島という戦略的根拠地を提供し、日本周辺が戦争状態でない場合には自衛隊で守っているという役割分担なんです。 Angry: 0.688 Disgust: 0.311 Fear: 0.469 Happy: 0.325 Sad: 0.494 Surprise: 0.439
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00:48:07 ~ 00:49:03 小川参考人
日本列島に何カ所、米軍基地がありますか。公表されていますよ。八十四カ所。あと、自衛隊が使っていいとされている日米共同使用施設の(b)が五十カ所。百三十四カ所が日本列島に乗っており、アフリカ南端の喜望峰までの範囲で行動する米軍を支えている。これは会社に例えると、本社機能が置かれているんです。アメリカは、ほかの同盟国は支店か営業所のレベルなんです。日本のかわりをできる国がない。だから、アメリカは一貫して、日本でナショナリズムが頭をもたげて、日米同盟を解消することに対してずっと懸念をしてきている。これは、機密扱いを解除された外交文書を見れば一目瞭然じゃないですか。だから、その辺は、アメリカから見ても最も対等に近い同盟国であるということが、非対称的であるけれども、明らかなんです。 Angry: 0.523 Disgust: 0.323 Fear: 0.515 Happy: 0.527 Sad: 0.394 Surprise: 0.595
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00:49:03 ~ 00:50:08 小川参考人
アメリカ側と話をしていても、それを否定したり反論を受けたことはありません。それは、我々が税金の使い道について、きちんと見ているかどうかの話なんです。それをわからずに、国会の質問で、どこが何をされたかわかりませんが、耳で聞こえてきたのを見て、私はあれっと思った。アメリカを攻撃している国が日本を攻撃していない、日本を攻撃しないと言っている、そのときでも集団的自衛権を行使するのかという質問が聞こえてきました。これは、一般論ではそういうことを言えるんです。でも、税金の使い道について国会議員として責任を持っていれば、アメリカの戦略的根拠地、本社機能が置かれている日本列島を攻撃しないでアメリカを攻撃するということはないんです。だから、そういう議論はやはり一回整理していただく。時間をかけて議論する中でやっていただきたいと思っております。そういう中で、例えば日米同盟というのは、世界最高レベルの安全を日本に提供しているということでいえば、抑止力としてこれにまさるものはない。 Angry: 0.679 Disgust: 0.341 Fear: 0.465 Happy: 0.451 Sad: 0.375 Surprise: 0.487
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00:50:08 ~ 00:51:09 小川参考人
そういう中で、例えば東シナ海についても、中国は極めて抑制的に動いている。南シナ海とは戦略的に差別化しているんです。これは、中国の将軍たちが私に言うぐらいです。気を使っているんですから、わかってくださいと。だから、尖閣諸島で領海侵犯をしている中国の公船、白い船も、一隻の例外もなく、固定武装なし、武装していないんです。すっぽんぽんなんですよ。だから、その辺はきちっとわかった方がいい。そういう中で、抑止力というと、沖縄の海兵隊は抑止力じゃないとかいろいろ言うけれども、沖縄の海兵隊地上部隊は、尖閣諸島あるいは台湾海峡有事において、中国が行使し得る現実的なオプション、斬首戦というのがあります。首を切り落とす。断頭攻撃、デキャピテーションというのですが、弾道ミサイルなどで台湾の政治、経済、軍事の中枢をたたいておいて、混乱の中でかいらい政権を樹立する。 Angry: 0.648 Disgust: 0.361 Fear: 0.496 Happy: 0.452 Sad: 0.342 Surprise: 0.532
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00:51:09 ~ 00:52:02 小川参考人
それを半日か一日でやってのける。そして、そこに国連は、常任理事国中国の拒否権発動もあって介入できない。国際社会が介入できない中で台湾国内で内戦状態が生まれ、既成事実化していく。それに対する唯一の抑止力は沖縄海兵隊なんです。一千人の地上部隊しか一時に投入できませんけれども、これは、早い場合には二時間で中国軍とぶつかります。この千人とぶつかることはアメリカ合衆国との全面戦争を意味するから、中国はためらわざるを得ない。ためらわせるから抑止力なんですよ。だから、これは、今の議論をきちっと進めていく中で、日本の抑止力というのは格段に向上すると申し上げていいと思います。 Angry: 0.675 Disgust: 0.380 Fear: 0.481 Happy: 0.360 Sad: 0.451 Surprise: 0.459
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00:52:02 ~ 00:53:00 小川参考人
そういう中で、歯どめの問題が常に気にされますが、法律で歯どめをかけるというのは、当然国家としてあっていいんです。ただ、私はもうちょっと大枠の話をします。歯どめと言えるのは、国連憲章であり、集団的自衛権であり、自衛隊の戦力投射能力なき軍事力である。これは全部歯どめなんです。国連憲章は、とにかく国連憲章の精神とそごを来すような行動を米軍がとるときには、やはりそれを抑制させるというような機能があります。それを使う国があるかどうかという話なんです。集団的自衛権もそうです。例えば、ドイツは、西ドイツの時代、再軍備するときに、集団的自衛権が行使されている中でしか個別的自衛権の行使をしてはならないと封じられた。一貫してその状態。つまり、ある国が単独で個別的自衛権を行使することに対する歯どめになっているんです。 Angry: 0.626 Disgust: 0.395 Fear: 0.499 Happy: 0.437 Sad: 0.429 Surprise: 0.467
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00:53:00 ~ 00:54:03 小川参考人
これは、アメリカも例外ではありません。湾岸危機のとき、アメリカのベーカー国務長官は同盟国などを説得して回った。同盟国は全部ノーですよ。値切るんです。とにかく、半値ぐらいまで値切って協力をする。だから、アメリカは単独行動に近い格好で軍事力を行使したかったけれども、それの半分以下の軍事力行使しかできていないと言えるぐらいであります。この歯どめ。それから、先ほど来申し上げましたように、海を渡って外国を軍事力で席巻することのできない構造の自衛隊、これも歯どめであります。だから、後方支援ということがいろいろ議論になりますけれども、できること、できないことがあって、できないことの方が圧倒的に多いんです、軍事組織としては。それも歯どめの一つであるということを御認識いただきたい。最後に申し上げておきたいのは、日本でしか通用しない議論から生まれてくる法律や制度で自衛隊、海上保安庁、警察の手足を縛らないでほしい。 Angry: 0.589 Disgust: 0.338 Fear: 0.526 Happy: 0.392 Sad: 0.491 Surprise: 0.501
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00:54:03 ~ 00:54:28 小川参考人
彼らが向き合わなきゃいけない相手はフリーハンドなんです。だから、グレーゾーン事態で海上保安庁と警察の特殊部隊を全部かき集めて投入しても、十人から二十人の向こうの特殊部隊に向き合った場合、一時間ぐらいで全員死にます。その辺をちゃんとわかった上で議論を進めていただきたい。ありがとうございました。 Angry: 0.559 Disgust: 0.412 Fear: 0.429 Happy: 0.487 Sad: 0.534 Surprise: 0.401
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Angry: 0.394 Disgust: 0.332 Fear: 0.332 Happy: 0.786 Sad: 0.561 Surprise: 0.411
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00:54:34 ~ 00:55:04 折木参考人
おはようございます。折木でございます。きょうは、この場を与えていただきまして、ありがとうございます。現役を退官いたしまして三年半たちましたけれども、この間、日本や自衛隊を取り巻く環境というのは非常に大きく変化をして、国内外でも何が起こるかわからない時代になってまいりました。 Angry: 0.311 Disgust: 0.266 Fear: 0.403 Happy: 0.777 Sad: 0.427 Surprise: 0.556
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00:55:04 ~ 00:56:06 折木参考人
私も、四十年間、自衛官として勤務させていただいたんですけれども、私の自衛官人生の半分、二十年ですけれども、これは昭和と冷戦の時代でありまして、後半二十年がちょうど平成と冷戦後の時代に勤務させていただきました。その中で、前半と後半では自衛隊の役割も大きく変わってまいりましたし、平成元年には、地中海のマルタで米ソの首脳会談が行われて、冷戦が終結したわけです。しかしながら、その翌年には、国連憲章と戦後秩序の根本をなします、武力で国境を変更しないという国際社会のコンセンサスが破られてしまいます。イラクのクウェート侵攻であります。これを受けて、国連安保理が決議案を採択し、翌年の一月には湾岸戦争が始まるわけです。 Angry: 0.504 Disgust: 0.330 Fear: 0.540 Happy: 0.543 Sad: 0.385 Surprise: 0.550
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00:56:06 ~ 00:57:11 折木参考人
資源小国の日本にとって命綱であります石油が存在する中東で戦乱が起こったわけですけれども、日本は、資金提供のほかに物資の輸送支援等を要請されましたが、もともと、いずれの態様にしても自衛隊を派遣するという法律的な枠組みもありませんでしたので、皆さん御案内のとおり、かわりに百三十五億ドルの資金拠出を行いました。翌年には、戦闘が終了したということで、自衛隊の機雷掃海は可能であるということで、ペルシャ湾に海上自衛隊の掃海部隊が派遣されたわけですけれども、これで、一カ月かけて現場に進出をして、アメリカそれからイギリス等から派遣をされました九カ国、約四十隻の掃海艇と共同しながら、四カ月半かけて、イラクで敷設をされた千二百個の機雷を処分しました。 Angry: 0.723 Disgust: 0.352 Fear: 0.478 Happy: 0.482 Sad: 0.232 Surprise: 0.466
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00:57:11 ~ 00:58:00 折木参考人
航行の安全回復ということに関して大きく貢献をしたわけです。そして、参加をして行動するということによって、日本の国際的な名誉の回復に貢献したというふうに思っています。その次の年にPKO法が成立をしまして、この法律に基づきまして、カンボジアに関西の部隊、隊員を、自衛隊史上初めてですけれども、派遣することになりました。当時、私は大阪で隊員の募集をしておりまして、国内で多くの反対もありましたし、この派遣の説明のために父兄の会合に行きますと、どうしてうちの息子たちがカンボジアに行かなきゃいけないんだと問い詰められたこともたびたびありました。 Angry: 0.557 Disgust: 0.369 Fear: 0.377 Happy: 0.615 Sad: 0.414 Surprise: 0.468
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00:58:00 ~ 00:59:12 折木参考人
その十年後、私は、中部方面総監として兵庫県の伊丹の司令部に赴任しました。ちょうど、当時、イラク・サマーワに派遣していた部隊が伊丹に帰ってまいりまして、そのときに、伊丹の商店街には何と、お帰りなさい、御苦労さまの横断幕が張られておりました。この変化に、涙が出るぐらいうれしかったことを覚えております。この時代は、当時の冷戦の時代からポスト冷戦の時代への大きな安全保障環境の変化を受けて、日本の役割、そして自衛隊の役割が変わる転機の時期でありました。大きな政治決断、それから転機の時期であったわけです。振り返りますと、その時代の国際情勢に強く要請されながら、おくればせながら法整備が進み、現場が成果を残していくというパターンが続いてきたように思えます。しかしながら、今回の法整備は、日本の憲法の範囲内で、主体的に、前もって活動する範囲とか権限を法制化するという極めて意義のあるものだというふうに思っています。 Angry: 0.388 Disgust: 0.283 Fear: 0.511 Happy: 0.538 Sad: 0.480 Surprise: 0.545
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00:59:12 ~ 01:00:07 折木参考人
しかも、いずれの場合も国会の判断と承認を必要としますし、国際法上正当な場合しか参加できないことになっています。事前の幅広い法整備というのは、部隊、隊員にとって最も大事な、日ごろから十分な訓練ができて、これは共同訓練も含みますけれども、準備を行い、あるいは必要な防衛力整備ができるということです。そして、活動あるいは派遣される場合、国家としての大義、目的を明確に与えられるというふうに私は理解をしています。これは、第一線で活動する隊員、そしてそれらを身近で支える家族にとっても、最も重要なことだというふうに思っています。そういうふうに変わってきているわけですけれども、特に、日本を取り巻く安全保障環境の変化、変化というよりも悪化だというふうに思いますが、それに触れさせていただきたいというふうに思います。 Angry: 0.339 Disgust: 0.274 Fear: 0.541 Happy: 0.598 Sad: 0.467 Surprise: 0.579
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01:00:07 ~ 01:01:05 折木参考人
まず、国家間のパワーバランスの変化です。そして、地域的にそれが緊張の高まりを招いています。少々具体的に見てみますと、まず、北朝鮮ですけれども、二〇一二年に世襲の三代目として金正恩が政権をとり、体制移行したわけです。核開発、弾道ミサイルの能力増強とか挑発行為は繰り返されておりますし、緊張感が一層増大させられております。去年の三月には、朝鮮半島の東海岸ではなくて平壌の北方から初めて、移動式の車載装置に搭載をしたノドンと見られる中距離の弾道ミサイルを発射しました。これは、車載化により位置の特定などがより困難になって、脅威がさらに高まったということを意味しているというふうに思います。 Angry: 0.483 Disgust: 0.418 Fear: 0.596 Happy: 0.477 Sad: 0.343 Surprise: 0.518
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01:01:05 ~ 01:02:23 折木参考人
そしてまた、ことし五月には新型潜水艦から弾道ミサイルの発射実験が行われ、初期の段階ですけれども、成功したのではないかという報道があります。要するに、脅威も質的に深刻化しております。さらに、北朝鮮の場合は、特に保有する核の管理というものについて、東アジア全体の安全保障における最大の課題だというふうに思いますし、いずれにしても、北朝鮮は、東アジアで最も不透明、不安定な国であるということは間違いないと思います。次に、中国ですが、日本周辺における中国の海空軍の動きというのが活発化をしています。太平洋で行われる訓練も年々増加しており、常態化しているわけですけれども、二〇一三年には、東シナ海に防空識別圏を設定しました。こういう中国の軍事動向は、その不透明性とも相まって、周辺国にとって大きな懸念材料、不安定要因となっているところですけれども、それを裏づける中国の二〇一五年度予算の国防費は、日本円で約十六兆九千億円、日本の防衛費の約三・四倍であります。 Angry: 0.424 Disgust: 0.265 Fear: 0.559 Happy: 0.581 Sad: 0.365 Surprise: 0.576
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01:02:23 ~ 01:03:04 折木参考人
五月には二年ぶりに国防白書を発表して、軍事戦略をテーマにしたものですけれども、それによると、局地戦争の脅威、それから核戦力、宇宙とサイバー空間等について述べるとともに、海軍については、近海防御から、近海防御と遠海防御の結合型に転換するということを明らかにしました。これは、海洋進出の拡大を宣言しているところです。これからも積極的な活動が継続するというふうに思います。東シナ海でも、皆さん御案内のとおりですけれども、昨年は、一年間で延べ八十八隻の中国公船が領海侵入しました。 Angry: 0.397 Disgust: 0.284 Fear: 0.454 Happy: 0.732 Sad: 0.389 Surprise: 0.566
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01:03:04 ~ 01:04:03 折木参考人
また、最近では、大きく取り上げられております、南シナ海における、強引とも思えるスピードでパラセル、スプラトリー諸島での埋立工事を進め、実効支配を進めております。五月には、アメリカのケリー国務長官が中国の外相や習近平国家主席と会談をし、またシャングリラでカーター国防長官も演説され、懸念を表明しましたが、中国側は、主権の問題として、一向に向き合っていません。習近平主席に至っては、南シナ海問題について、もう既に何度も言ってきたことだけれども、広大な太平洋には中米二つの大国を受け入れる十分な空間があると述べたとの報道があります。これは、既に中国が自信を持って南シナ海政策を進めているというふうに思えるところです。 Angry: 0.521 Disgust: 0.216 Fear: 0.489 Happy: 0.623 Sad: 0.339 Surprise: 0.618
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01:04:03 ~ 01:05:03 折木参考人
もちろん、日本も中谷防衛大臣初め、関係国も同様の懸念を表明しましたけれども、これらに対して、軍の関係者であります、シャングリラに参加をしていた孫建国副総参謀長は、中国の主権の範囲内であるということを主張しましたけれども、軍事目的でもあるということを認めたわけです。中東の混乱もおさまりません。ISILの活動も活発化が続いています。アメリカのデンプシー統合参謀本部議長は、ISIL掃討作戦には三、四年かかるというふうに発言していますが、中東地域全体を見れば、混乱はいろいろな要素があって、もっと長期的に続くと判断した方が妥当ではないかというふうに思います。これがヨルダン、サウジアラビアの混乱に展開するようであれば、最悪の状態だというふうに思います。 Angry: 0.476 Disgust: 0.271 Fear: 0.566 Happy: 0.490 Sad: 0.384 Surprise: 0.611
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01:05:03 ~ 01:06:05 折木参考人
いずれにしても、安全保障環境は大きく変動し、不透明、不安定でありますけれども、亡くなられた京都大学の高坂教授が述べておられました、国際関係を律する力と利益と価値の体系が複雑に絡み合って、各国が相互に深く影響し合っています。日本の安全保障にとっても機微に影響してきているというふうに思いますし、特に東アジアではその不安定さが強いというふうに認識をしています。そういう変化の中で、今回の安全保障法制の評価と言いますとちょっとあれですけれども、発言させていただきますと、この閣議決定をされて、自衛隊がさまざまな脅威に対して切れ目なく活動するということを狙いとして、基盤となる制度を整える、そういうことによって、最終的には抑止力の向上が図られるものだというふうに思っています。 Angry: 0.524 Disgust: 0.326 Fear: 0.487 Happy: 0.508 Sad: 0.489 Surprise: 0.394
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01:06:05 ~ 01:07:04 折木参考人
安倍総理の発言の中で、もはや一国のみでどの国も自国の安全を守ることのできない時代という情勢認識、時代認識に対して、私は全く同感するものであります。安全保障環境を概観しましたが、今や、迫りくるさまざまな脅威に対して、日本が一国で行えることは極めて限定をされています。それは、他国の立場もそうだというふうに思います。日本も、世界の平和と安定のために積極的に役割を果たすことが期待をされています。今の時代は、紛争対応ということだけではなく、国際的な平和維持活動、災害対応、海賊対処、そして途上国の能力構築支援等、幅広い分野で多国間の取り組みが求められています。それぞれの国が、その能力と特性を生かして活動しております。 Angry: 0.592 Disgust: 0.341 Fear: 0.451 Happy: 0.532 Sad: 0.422 Surprise: 0.463
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01:07:04 ~ 01:08:01 折木参考人
そういう中で、四月には十八年ぶりに日米防衛協力のための指針が合意をされました。同盟調整メカニズムを設置する等、いろいろな方向性が示されたわけですけれども、これらの実効性の向上のためにも、今回の安全保障法制の早期の成立が望まれると思っております。米国とは、戦後数十年にわたり、自衛隊も共同訓練や海外での活動等の場を通じて連携を深めてまいりました。東日本大震災においても、トモダチ作戦のもと、約一万六千人が発災と同時に駆けつけてくれました。今回の法整備で、さらに緊密な連携ができる基盤が整うというふうに思っております。そして、これが対外的にも大きな抑止力になるというふうに思っています。 Angry: 0.419 Disgust: 0.281 Fear: 0.504 Happy: 0.562 Sad: 0.432 Surprise: 0.599
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01:08:01 ~ 01:09:05 折木参考人
日本の国際平和協力活動等の観点から見ますと、今まで、約三十カ国にわたり、延べ約五・三万人の自衛隊員を海外に派遣してまいりました。現場に派遣されている他国の軍人は、最初は自衛隊のことを当然ながら自分たちと同じ軍隊とみなしています。ところが、他国軍といろいろな任務上の調整を進めていると、自衛隊は、いや、我々はそれはできない、自衛のための武器使用しかできない、だから自分からは撃てない、治安活動は無理だといった話が必ず出てきます。もちろん、各国それぞれにいろいろな事情や制約はあります。自衛隊についても他国の軍隊は一応理解はしてくれますけれども、正直なところ、内心でどう思われているかはわかりません。約十七年間派遣をされたゴラン高原のPKOの例を挙げれば、他国と同じキャンプに宿営しているにもかかわらず、もし万が一他国がゲリラに襲われたときには日本は支援できません。 Angry: 0.496 Disgust: 0.360 Fear: 0.446 Happy: 0.556 Sad: 0.513 Surprise: 0.437
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01:09:05 ~ 01:10:04 折木参考人
もちろん、逆の立場の場合は他国が日本を支援してくれるという、何とも言えない状況が生じる可能性がありました。これは、国際常識であり、派遣された部隊同士の信頼に基づく人道上、道義上の問題が不可能だったということです。日本の威信失墜と国際問題に発展しかねないことでした。今回の法整備で、現地邦人の救出と同様に、実行するには条件はありますが、可能になることは国際的にも大きな前進だというふうに思います。最後に、今後の検討と課題でございますけれども、重要な課題が残っているというふうに思います。それは、一つは、部隊行動基準の抜本的な見直しと、部隊、隊員が自信を持って活動できる、徹底した訓練のための時間です。防衛省には部隊行動基準があります。 Angry: 0.355 Disgust: 0.297 Fear: 0.475 Happy: 0.601 Sad: 0.521 Surprise: 0.518
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01:10:04 ~ 01:11:13 折木参考人
国際的な標準では交戦規定、ROEといいます。この内容については詳細に申し上げられませんけれども、一般的なROEとして、行動できる地理的な範囲とか、使用できる武器とか、この武器の使用方法とか、そういうことを定めるのが通例ですけれども、この場合は絶対に武器を使用してはならないというネガティブリストの基準とする必要があるというふうに思っていますし、海外の軍隊もそうです。生死がかかわるかもしれない厳しい状況の中で、即断即決、柔軟性が求められる第一線の部隊、指揮官にとってはネガティブリストが望ましいというふうに思っていますし、それを徹底する時間が必要だというふうに思います。もう一点は、武力攻撃に至らない侵害への対処であります。今回の法整備におきましては、シームレスな警戒監視とか対処体制の強化、共同訓練の推進等々によって連携強化に取り組むことになりました。 Angry: 0.540 Disgust: 0.387 Fear: 0.550 Happy: 0.470 Sad: 0.396 Surprise: 0.459
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01:11:13 ~ 01:12:24 折木参考人
新しく法律はつくりませんが、運用手続とか実施要領を細部まで詰めていくという考え方ですけれども、それに伴って、五月には、総理のもとで電話等により必要により閣議決定できるように決まりました。これは一つの大きな改善だというふうに思っています。一方、平和安全法制を特徴づけるキーワードの一つが切れ目のない対応ですけれども、例えば尖閣諸島などでの島嶼防衛は、まず、法的執行機関である海上保安庁そして警察が警察力で対応し、その能力で対応できない場合、自衛隊が治安出動や海上警備行動として出動します。そして、それでも対応できない事態になって初めて防衛出動となるわけですけれども、法律の枠組みとしてはそれで連続性や整合性がとれるのですが、いざ運用するとなると、事態認定を踏まえ、いつ海上保安庁や警察から自衛隊に移行するのか、特に防衛出動の発令になると、ハードルが高く、厳しい高度の政治判断が求められます。 Angry: 0.618 Disgust: 0.228 Fear: 0.535 Happy: 0.392 Sad: 0.328 Surprise: 0.551
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01:12:24 ~ 01:13:02 折木参考人
一方、相手側から日本側の対応を見ると、自衛隊の艦艇が現場付近に進出してきた場合には、治安出動か海上警備行動か、あるいは防衛出動か判断できないでしょうし、判断しようとすら思わない場合もあると思います。海上保安庁という機関の補完ではなくて、日本の海上自衛隊、軍隊が出動してきたと考えるのが当然だというふうに思います。そこで偶発的な武力衝突が発生するリスク、あるいはエスカレーションを考えなければなりません。 Angry: 0.459 Disgust: 0.424 Fear: 0.573 Happy: 0.490 Sad: 0.414 Surprise: 0.514
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01:13:02 ~ 01:14:03 折木参考人
平時と有事の間にグレーゾーンがあるだけではなく、警察権と自衛権という運用上のグレーゾーンがあるということも強く意識する必要があります。政治の決断は大きいと思います。いずれの権限で派遣するにしても、自衛隊を派遣するにはハードルが高いということです。したがって、広い地域の責任を持つ海上保安庁の巡視体制とか権限をふだんから一層強化しておく必要があるというふうに思っています。また、自衛隊が治安出動や海上警備行動に出ないというわけではありません。現在の検討に加えて、グレーゾーン対処の切れ目をできるだけつくらず、運用のリスクを減らすためにも、具体的なシミュレーションによる検討がぜひ必要です。こうした検討に基づいて、連携を強化し、連携要領の改善を行う必要があります。将来的には、その結果として法整備が必要かもしれません。 Angry: 0.554 Disgust: 0.341 Fear: 0.514 Happy: 0.482 Sad: 0.374 Surprise: 0.556
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01:14:03 ~ 01:14:30 折木参考人
これまで自衛隊は、自衛隊でなければできない任務を、国民の支持を得ながら誇りを持って行ってまいりました。これからも、自衛隊の諸官が厳しい任務により一層謙虚、誠実に任務に取り組み、国民の期待に応えてもらうためにも、今回の安全保障法制が整備をされ、また隊員の名誉や処遇も改善されていくことを願っております。どうもありがとうございました。 Angry: 0.567 Disgust: 0.325 Fear: 0.379 Happy: 0.623 Sad: 0.396 Surprise: 0.400
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Angry: 0.394 Disgust: 0.331 Fear: 0.262 Happy: 0.862 Sad: 0.528 Surprise: 0.423
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01:14:42 ~ 01:15:03 鳥越参考人
皆さん、おはようございます。予定された時間から十分既に超えておりまして、皆さんそれぞれ言いたいことが多いのでちょっとずつ押しておりまして、今、十分。 Angry: 0.260 Disgust: 0.288 Fear: 0.436 Happy: 0.725 Sad: 0.455 Surprise: 0.581
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01:15:03 ~ 01:16:09 鳥越参考人
私、四十五分から始めるところを、もう五十五分になっております。したがって、私は十五分でおさめるつもりでございますけれども、若干押すかもしれませんと事前に御了解を得て。私は、二つの点についてきょうは申し述べたいと思って参りました。一つは、先日、自民党本部で行われましたいわゆる若手勉強会。若手といっても、大西さんは六十八歳ですから若手と言っていいのかどうかわかりませんけれども、当選二回もしくは三回ぐらいの若手の皆さんの文化芸術懇話会での、マスコミを懲らしめるためには広告収入を減らせとか、沖縄の二紙を潰せとかいう大変乱暴な議論があったことについて申し述べたいことが一つです。これを最初に話をするはずでしたけれども、ちょっと順番をかえまして、後に述べるつもりであった集団的自衛権の問題点について先に申し述べさせていただきます。 Angry: 0.507 Disgust: 0.260 Fear: 0.480 Happy: 0.593 Sad: 0.347 Surprise: 0.567
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01:16:09 ~ 01:17:50 鳥越参考人
それはなぜかと申しますと、昨日、新幹線で焼身自殺の事故がありました。大変な大騒ぎになったことは皆さん御存じのとおりでございます。非常に日本は平和な国ですから、こういうことは日本ではなかなか起きないので皆びっくりされたわけですけれども、私の頭の中で、集団的自衛権の問題が議論されている間、どこからも、誰からも、ある視点からの問題指摘がないのに非常に不安を覚えております。これは新幹線にかかわることですので、ぜひ聞いていただきたいと思います。世界は今、どういうふうに動いているかといいますと、中国の大変な膨張ぶり、北朝鮮の核武装等、問題はもちろん日本の近辺にあるわけですけれども、実は、世界を覆っている対立構造といいますか、戦争といったり紛争が起きているのは、アメリカを中心とする一部の国と、基本的にはアメリカと言っていいでしょうけれども、アメリカとイスラム教過激派、我々メディアそれから皆さん方もいわゆるテロリストとお呼びになっているイスラム教過激派のグループ、この勢力との対立構造で世界は今せめぎ合っているわけです。 Angry: 0.442 Disgust: 0.214 Fear: 0.518 Happy: 0.564 Sad: 0.332 Surprise: 0.609
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01:17:50 ~ 01:18:07 鳥越参考人
二〇〇一年にアメリカ・ニューヨーク貿易センタービルが攻撃されました。九・一一、いわゆるセプテンバーイレブン、あれは実はイスラム教過激派からの宣戦布告であったというふうに僕は捉えております。 Angry: 0.541 Disgust: 0.366 Fear: 0.603 Happy: 0.472 Sad: 0.326 Surprise: 0.571
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01:18:07 ~ 01:19:20 鳥越参考人
なぜ私がこういうことを申し上げるかというと、私は、テヘランのイラン特派員で一年半おりまして、イラン・イラク戦争を取材しております。それから、二〇〇四年にはイラク戦争の戦場に行って取材をしておりまして、イスラムということについてそれなりに私は理解をしております。特に、イスラム教の中でジハード、聖戦というもの。ジハードに参加して命を失って、自爆テロなどを行えば天国に行ける。一見これは日本の特攻隊に似ているように見えますけれども、全く違うんですね。特攻隊の場合は必ずしも喜んで行ったわけではない、仕方なくお国のために行ったわけですけれども、聖戦、ジハードの戦士たちは本当に、僕は子供からお母さんから一般の兵士も含めて全部取材をしましたけれども、彼らは心から、ジハードつまり聖戦で命をささげた場合は天国に行けるというふうに思っているんですね。 Angry: 0.484 Disgust: 0.283 Fear: 0.469 Happy: 0.600 Sad: 0.370 Surprise: 0.562
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01:19:20 ~ 01:20:27 鳥越参考人
だから、ああいう自爆テロを平気で起こす。だって、ニューヨークで飛行機で突っ込んだイスラム教過激派の連中はみんな高学歴ですよ。その辺のならず者がやったわけじゃないんです。ハンブルクの工科大学などを優秀な成績で卒業しているようなエリートが行った行為であるということを考えると、大変恐ろしい。何を私が心配しているかというと、今、世界はアメリカ対イスラム過激派の対立構造になって戦争がずっと続いておりますが、イスラム国は、かつてアメリカが大義なき戦争をしかけてイラクという国をめちゃくちゃに壊してしまった、崩壊させた、そのときのイラクの高官、軍人たちが逃亡して今再び立ち上がって、イスラム国というものを再建しようとしているわけです。 Angry: 0.588 Disgust: 0.416 Fear: 0.596 Happy: 0.336 Sad: 0.397 Surprise: 0.464
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01:20:27 ~ 01:21:12 鳥越参考人
そのためには、自爆テロでもいわゆる爆破テロでも何でも、我々から見ればとんでもないひどいことをやっても構わないということで彼らはやっているわけです。問題は、集団的自衛権の議論の中で、いろいろ聞いておりますと、安倍総理の発言などでもそうですけれども、日本の自衛隊は極東条項といって、これまで極東でのアメリカ軍との共同はあったけれども、極東を離れるということは、ホルムズ海峡の掃海というのは事例としてありますけれども、これは戦闘行為ではありません。 Angry: 0.832 Disgust: 0.431 Fear: 0.434 Happy: 0.426 Sad: 0.296 Surprise: 0.333
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01:21:12 ~ 01:22:04 鳥越参考人
集団的自衛権の今回の解釈改憲という議論の中で見ておりますと、アメリカ軍が行くところは世界のどこでも、地球の裏でも行くことがある。つまり中東地域にも、米軍が行って助けが欲しいというときには後方支援を日本の自衛隊はやる可能性が、やるのかどうかはわかりませんが、議論を聞いていると、そういうことになる可能性がある。そうなった場合に、イスラム過激派の認識としては、これまで日本というのは全く彼らの視線外にあったと思うんですね。 Angry: 0.481 Disgust: 0.282 Fear: 0.571 Happy: 0.479 Sad: 0.309 Surprise: 0.615
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01:22:04 ~ 01:23:12 鳥越参考人
日本が別にイスラム過激派の連中もしくはイスラム国に対して何か悪いことをしかけた、そういうことではありませんので全く視線の中には入っていなかったわけですけれども、先日のエジプトでの安倍総理の二億ドル供与という発言、あれで一気にイスラム過激派の連中は日本が視野に入ってきた。それで、後藤健二さんを殺害するという事態に陥った。この構造は、将来、日本の自衛隊がアメリカ軍の後方支援でどこかに、中東地域かどこかわかりませんが行った場合に、明らかに日本の自衛隊はアメリカの友軍である、友達である、つまり、彼らの論理からすれば、イスラム教国、イスラムの国にとっての敵であるという認識を持つ可能性がある。 Angry: 0.665 Disgust: 0.361 Fear: 0.593 Happy: 0.388 Sad: 0.304 Surprise: 0.468
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01:23:12 ~ 01:24:33 鳥越参考人
これは可能性ですよ。そうすると、二〇〇三年にイラク戦争がありましたけれども、二〇〇四年にマドリッドで列車爆破事件がありました。あのときは、私のあれによりますと百九十一人が亡くなっております。さらに、二〇〇五年にはロンドンで同時多発、列車とバスが爆破されました。これは、明らかにアメリカがしかけたイラク戦争への報復として、スペインとイギリスが自爆テロ、テロリストの攻撃の標的になったということですね。そういうことを考えると、将来、日本も自衛隊が集団的自衛権行使ということで、もしイスラム過激派が敵だなと思ったときには、ここにいらっしゃる方も、日本の国のほとんどの人はイスラムなんて全く自分たちにはかかわりのないことだと思っていらっしゃるかもしれませんけれども、実は、将来ひょっとすると日本が標的になる可能性がある、これは集団的自衛権行使と深くかかわっている可能性がある。 Angry: 0.542 Disgust: 0.360 Fear: 0.623 Happy: 0.338 Sad: 0.354 Surprise: 0.522
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01:24:33 ~ 01:25:00 鳥越参考人
私がもしイスラム原理主義のテロリストだとすれば、まず最初に考えるのは、皆さんの御想像どおり新幹線です。新幹線は今のところ、新幹線と原発と言われていますけれども、原発はある程度セキュリティーがちゃんとしています、しかし、新幹線のセキュリティーというのはないに等しいですよね、自由に誰でも乗れるわけですから。 Angry: 0.679 Disgust: 0.215 Fear: 0.457 Happy: 0.516 Sad: 0.282 Surprise: 0.510
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01:25:00 ~ 01:26:06 鳥越参考人
爆弾を持ち込む、きのうはガソリンを持ち込んだわけですけれども、爆弾を誰かが持ち込んで爆破しても何の不思議でもない。そうしますと、恐らく千人を超える犠牲者が出る。私は何もそういうことがあると肯定しているわけではないし、そういうことは避けたいという立場からこれを申し上げているんですけれども、そういうことを一応念頭に入れて、イスラム教過激派というのは世界でアメリカと対立して紛争、戦争を起こしている、そういう中に日本が集団的自衛権ということで突っ込んでいくことの危険性についても、ぜひ一考願いたいなというのが第一点でございます。もう一つは、今回、この委員会とも関係があると思うんですけれども、先日の自民党本部で行われた文化芸術懇話会、三十七人の議員、百田さんという作家が講演をされた。 Angry: 0.550 Disgust: 0.355 Fear: 0.566 Happy: 0.418 Sad: 0.378 Surprise: 0.508
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01:26:06 ~ 01:27:07 鳥越参考人
この席上で、マスコミを懲らしめるには広告収入を減らせ、不買運動を起こすために経団連に働きかけよと。それから、講師である百田さんは、沖縄の二つの新聞は潰せ、潰した方がいいというようなことをおっしゃいました。皆さんも国会議員の方ならば、これが明らかに憲法二十一条の、私は覚えていないので読み上げますが、「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。」と憲法二十一条に書いてある、これに真っ向から反する。つまり、これはその辺の居酒屋で酔っぱらっておだを上げて、マスコミなんか潰してしまえと言っているのとわけが違うわけです。 Angry: 0.779 Disgust: 0.445 Fear: 0.462 Happy: 0.418 Sad: 0.250 Surprise: 0.428
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01:27:07 ~ 01:28:29 鳥越参考人
自民党という与党、絶対多数を誇る与党の議員が自民党本部の会議室で、しかも、そこには政府の官房副長官と党の総裁補佐、党と政府の幹部が入った中で行われた。しかも、これは私は確かめておりませんが、新聞報道などによると、この若手議員の皆さんは安倍総理に近い立場の人である、つまり安倍応援団であるというふうに書かれております。そういう人たちがああいう議論をされたということに非常に危機感を覚えます。それは恐らく、きょうたまたま朝出てくるときにあったので見てきたんですが、共同通信が世論調査をやりまして、集団的自衛権行使を可能にする安全保障関連法案に対してどう思うかという世論調査ですけれども、ことしの六月二十日、二十一日に実施された世論調査では、反対が五八・七%、賛成が二七・三%。 Angry: 0.765 Disgust: 0.292 Fear: 0.525 Happy: 0.345 Sad: 0.257 Surprise: 0.472
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01:28:29 ~ 01:29:03 鳥越参考人
これは、一年前は賛成は五四%、反対は三四%。一年後、反対がふえ、賛成が減っているわけです。国会では絶対多数をとっているにもかかわらず、憲法審査会では与党推薦の参考人までが、この安全保障の法案は違憲である、三人とも違憲というふうに言われている。そして、世論調査では国民は反対をしている。 Angry: 0.637 Disgust: 0.285 Fear: 0.526 Happy: 0.474 Sad: 0.311 Surprise: 0.593
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01:29:03 ~ 01:30:04 鳥越参考人
こういう状況に恐らくいらいらされたというか、不満がある、このままではいけない、これはマスコミが要らぬこと、余計なことを報じるからこういうことになっているんだと、自民党の、与党の思うとおりにならないその原因をマスコミのせいにして、だからマスコミがいろいろ書くからだめだというふうに発言されるんだと思います。言論の自由、表現の自由というのは基本的人権の中の中核をなすものであって、アメリカを初め先進国、世界各国の共通の価値観なんですね。言論、報道、表現、集会等々の、国民が自分の意見を述べる自由を保障するというのは共通の価値観。 Angry: 0.767 Disgust: 0.296 Fear: 0.380 Happy: 0.505 Sad: 0.250 Surprise: 0.441
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01:30:04 ~ 01:31:28 鳥越参考人
これに真っ向から今回は挑戦をされたというわけで、私は大変危機感を覚えました。こんなことでいいのかというふうに思います。皆さんは憲法に保障されているからだめだというふうに議論を展開されるんですけれども、実はメディアというのは、歴史的に見ると、間接民主主義、つまり代議制民主主義の中で国民が税金を出して政府と議会に委託しているわけですけれども、その税金の使い方が、ちゃんと使われているかどうかということをチェックする道具としては何もない、しかし、歴史の中で新聞というものがやがて育っていって、納税者つまりタックスペイヤーの税金、自分たちが払った税金がちゃんと使われているかどうかということをチェックする機能をメディアに、新聞に与えたわけですね。 Angry: 0.524 Disgust: 0.321 Fear: 0.612 Happy: 0.391 Sad: 0.359 Surprise: 0.518
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01:31:28 ~ 01:32:06 鳥越参考人
つまり、それは新聞のミッションとして、権力つまり政府及び国会がちゃんと税金を使っているかどうかをチェックする機能、これを権力のチェックというふうに呼んでおりますけれども、英語で言うとウオッチドッグと言われていますが、そういう機能を与えたわけで、これは何も恣意的に新聞が反政府的になっているわけではなくて、問題があればチェックするというミッション、使命を帯びている、歴史的にそういうものが形成されているということですね。 Angry: 0.819 Disgust: 0.234 Fear: 0.488 Happy: 0.439 Sad: 0.112 Surprise: 0.578
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01:32:06 ~ 01:33:06 鳥越参考人
したがって、時には政府に批判的なことを書くこともあるでしょう。そうでない新聞もあるようですけれども、それは別として。そういう本来の使命からして批判的になったから、政府に批判的で集団的自衛権の安全保障法制がなかなか前へ進まない、これはみんなマスコミのせいだというふうにして、そんなものは懲らしめろというような考え方は、当委員会の委員の皆さん方の中にはいらっしゃらないと、小野寺さん、思いますが、いかがですか。ぜひその点は御理解願って、マスコミにはマスコミ、メディアにはメディアの歴史的に与えられた使命というものがあるんだということ、そしてそれを行使しているということです。 Angry: 0.669 Disgust: 0.273 Fear: 0.447 Happy: 0.490 Sad: 0.334 Surprise: 0.490
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Angry: 0.415 Disgust: 0.300 Fear: 0.293 Happy: 0.785 Sad: 0.494 Surprise: 0.493
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01:33:28 ~ 01:34:05 柳澤参考人
おはようございます。柳澤でございます。私は、大体四つぐらいの点について、国会の論議を、一日テレビを見ているわけにもまいりませんので報道を通じて拝見している中で、私自身非常にいらいら感もあり、もっとこういうところを議論してほしいのにと感じるところがございますので、そういう点を中心に申し上げたいと思っております。 Angry: 0.507 Disgust: 0.315 Fear: 0.339 Happy: 0.722 Sad: 0.412 Surprise: 0.473
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01:34:05 ~ 01:35:05 柳澤参考人
この部屋は、実は、周辺事態法を審議いただくときに私は防衛庁運用局長で、当時まだ政府委員の制度がございまして、本当に随分長いこと日参させていただいた記憶がございます。本当に何というか、かなり細かいところまで議論されていた。細かいところを時間をかけて議論すればいいということではないと思いますが、時間というよりは、本当に論点が出尽くしたという感覚が私にとっては一番大事なことだろうと思うのであります。まず、存立危機事態とは一体どういうことかということが、これは冒頭からかなりの議論をされておりますが、十分認識が収れんしていったという感覚がない。 Angry: 0.460 Disgust: 0.210 Fear: 0.570 Happy: 0.400 Sad: 0.388 Surprise: 0.655
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01:35:05 ~ 01:36:12 柳澤参考人
これはある意味抽象的な話と具体的な話のミックスで非常にやりにくい議論なのかもしれないんですけれども、私の実感として申しますと、今まで自衛隊が多くの国民に支持をされてきた、その背景には、この憲法のもとでも、我が国が攻撃を受ければそれは自衛隊が立ち上がって戦わなければいけないよねというところで、国民もそこは納得していた、そして自衛隊もそこは覚悟していた、政治もそのように理解していた、そういう自衛隊、国民、政治、三者の合意点がそこにあったんだと思うんですね。それを今度はお変えになろうという法律でありますから、今度の要件は何だといえば、他国に対する武力攻撃が発生し、そこまでは一応ファクトの問題としてわかるのかもしれない。 Angry: 0.667 Disgust: 0.305 Fear: 0.505 Happy: 0.436 Sad: 0.305 Surprise: 0.465
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01:36:12 ~ 01:37:05 柳澤参考人
しかし、それが要件ではなくて、そのことによって我が国の存立が脅かされるかどうかということが武力行使の要件となるということになると、これは一種の価値判断の問題ということなので、ですから、なかなかそこが詰まり切らないんだろう。あるいは、ホルムズ海峡の話も随分出ましたが、最近では北朝鮮からのミサイル警戒中の米艦の話が出ている。後者については私もかねてから、現役時代から、個別的自衛権の応用動作で何とかしなきゃいけないという問題意識も持っておりました。つまり、遠いところの議論をすると非常に存立危機との関連、因果関係が薄まってしまって、近いところの議論をすると個別的自衛権との切り分けが難しくなっていく。 Angry: 0.391 Disgust: 0.299 Fear: 0.654 Happy: 0.380 Sad: 0.441 Surprise: 0.593
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01:37:05 ~ 01:38:23 柳澤参考人
だから、どういうすき間があるのかというようなこと、少なくともそこが合意されないと、そして国民がそれを納得し、自衛隊がそれを覚悟するというプロセスとしてこれはぜひ必要な、抽象的な神学論争ということではなくて、そのための議論、国民と自衛隊が理解を共有するためにも必要な議論ということでやっていただきたいと思います。それから、私の立場で申しますと、やはり隊員の安全確保というのは非常に重要な問題であると思っております。リスクは当然新しい任務に伴ってある、けれどもそれをできるだけ局限する、最小化するということを政府は御答弁されていると思いますけれども、私の実感として言えば、例えばイラクで、バグダッド以北にC130を飛ばすようにするときに本当に脅威見積もりをしました。 Angry: 0.644 Disgust: 0.377 Fear: 0.383 Happy: 0.586 Sad: 0.332 Surprise: 0.363
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01:38:23 ~ 01:39:05 柳澤参考人
ガンを積んで低空を飛びながら作戦行動をしているようなC130もありました。これは一機撃ち落とされていますけれども。問題は、高度六千メートルを飛ぶC130がどの程度の脅威にさらされているかということで、航空幕僚監部にお願いして、できるだけ詳細なデータをとった上で、総理に、確かに一般的なリスクはある、しかし今度の任務で飛んでいるようなC130については今まで直接攻撃、撃墜された例はありませんということを自信を持って報告ができたわけですね。 Angry: 0.530 Disgust: 0.354 Fear: 0.545 Happy: 0.536 Sad: 0.298 Surprise: 0.540
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01:39:05 ~ 01:40:08 柳澤参考人
そういう作業を内閣官房あるいは防衛省は当然やらなければいけないはずなので、この新しい任務についてのリスク分析といったようなこと、これは、どこまでこの委員会の場で議論していただくかは別として、しっかり認識した上で御議論いただきたい。そして、特に、日本の場合はまだ経験がございませんけれども、各国はPKOなどの業務でも既に犠牲者を出しているケースがあるわけですから、せめてそういう事例検討ぐらいはちゃんとやらないと、私は本当に、防衛官僚としても自信を持って安全確保できますとはとても大臣や総理には進言できない問題であるという感覚をぬぐい去ることができないのであります。三つ目に、これから大きく我が国の、特に自衛隊の国際的な活動の場が広がっていく、そういう法制になっております。 Angry: 0.566 Disgust: 0.282 Fear: 0.445 Happy: 0.492 Sad: 0.410 Surprise: 0.476
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01:40:08 ~ 01:41:23 柳澤参考人
このときに、イラクには六百人を出して、そのうち業務支援隊として復興業務を実際にやっていたのは百名程度ということなのでありますが、道路を直し、病院を直し、学校を直しという仕事をしてきた。私はそれはそれで部隊はよく頑張ったし、立派な仕事をしてきたと思って、私もそこはプライドを持っているところでありますけれども、しかし、恐らくその辺の成果は、その後のあの地域の混乱の中で多分もうほとんど跡形もなくなっているのかもしれないという危惧もございます。果たしてどういうスタンスであの地域のそこに責任を持ってどこまでやるのかというところが、正直申し上げますと、あのときは復興のための国連決議もございましたけれども、やはり日米同盟維持という観点で、アメリカへの協力、国際社会への協力が両立する任務としてイラク復興支援ということをやっていったわけですが、サマーワという地域に限定した支援活動であった。 Angry: 0.599 Disgust: 0.253 Fear: 0.511 Happy: 0.452 Sad: 0.355 Surprise: 0.479
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01:41:23 ~ 01:42:12 柳澤参考人
今度はもっとたくさんのことができる法律になる。そうすると、そこに我が国はどういう姿勢で臨んでいくのか。ブレア政権は、戦局を左右するぐらいの兵力を出さないと、国際的な、特にアメリカに対する発言力はないということで、最大八千人ぐらいだったと思いますが、兵力を出し、そして多くの戦死者を出し、今、結果的には必ずしも成功とは評価されていない、そういう経験もございます。我が国はこれまで実際に戦争をしていないものですから、よその国の例を参考にしながら教訓を酌み取っていく、これはこれとしてまた長い時間がかかることではあると思いますが、そうしたところもぜひ問題意識にのせていただきたい。 Angry: 0.533 Disgust: 0.342 Fear: 0.395 Happy: 0.639 Sad: 0.428 Surprise: 0.469
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01:42:12 ~ 01:43:05 柳澤参考人
そして、さっき伊勢崎参考人のお話にもございました。ずっと私がやっているころからの法律にも同じ問題が実はあったんです。というのは、海外で自衛隊員が行う武器使用の法律には何と書いてあるか。主語は「自衛官は、」なんですね。自衛隊法八十八条の防衛出動のときのケースは、主語は「自衛隊は、」なんです。自衛隊は武力の行使ができる。ところが、海外の武器使用は、自衛官は武器の使用ができる。つまり、防衛出動を受けて自衛隊として行動する、それは国家の意思としての武力行使、つまり人を殺傷し物を破壊する行為と法律上定義づけられております。 Angry: 0.536 Disgust: 0.357 Fear: 0.469 Happy: 0.589 Sad: 0.359 Surprise: 0.557
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01:43:05 ~ 01:44:17 柳澤参考人
同じことを、国際紛争の一環にはならないかもしれないけれども、「自衛官は、」ということで、自衛官個人の責任として実はやっていかなきゃいけない。ここに対するケアのための法制というのは、なかなか実は軍法会議とかいったものはこの憲法のもとでは難しいんだと思います。そういうところの矛盾がやはり現地、現場の隊員一人一人に向かうことは避けられないわけですから、そこへの問題意識も持ってどうケアしていくのかということ、法的なケア。まさか一切無罪にするという法律はつくれないと思います。しかし、立法府としてどんな対応ができるんだろうかということもぜひお考えいただかなければいけないなと、私は個人的に思います。最後に、やはり大きなテーマは、先ほど小川参考人からもございましたが、結論はともかくとして全く私も同感するところがあって、要は、これで抑止力という観点から見てどうなんだということをしっかり議論していただく必要があるんだろうと思います。 Angry: 0.561 Disgust: 0.248 Fear: 0.455 Happy: 0.510 Sad: 0.438 Surprise: 0.485
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01:44:17 ~ 01:45:15 柳澤参考人
例えば、アメリカの船を守ることによって日米が強固であるということが伝えられる、それによって抑止力が強化されて、我が国が戦争に巻き込まれる可能性がなくなるというのは一つの筋書きであります。しかし、もう一つの筋書き、それは、今の筋書きが成り立ちますのは、つまり、相手がそれによって日本にはその意思と能力がある、当然アメリカにもあるということを認識し、そして相手が自粛して手を出さない、それが抑止ということだと思うんですね。逆に、相手がそれで、そうはいっても本当に、本気で日本がやってくるのか、本気でアメリカがやってくるのかというところに疑いがあれば、あるいは相手がそれでもなおかつやるんだという覚悟を持っていれば抑止は成立しないわけですね。 Angry: 0.477 Disgust: 0.352 Fear: 0.637 Happy: 0.319 Sad: 0.433 Surprise: 0.547
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01:45:15 ~ 01:46:02 柳澤参考人
どうもそこのところが防衛計画大綱を見てもガイドラインを見ても、プレゼンスによる抑止という概念は私はあると思いますね、その流れの中でアセット防護というようなことが強調されております。しかし、現場において軍対軍を対峙させることによる抑止、それは一種の拒否的抑止として成り立つのかもしれないけれども、それは逆に緊張を高める要因もある。そして、間違えて撃っちゃったらそれが拡大する可能性もある。それをどう政治的に防ぐのかというその仕組みをしっかり考えていく。武器使用の拡大をするならば、事態の拡大防止は政治の責任でありますから、そこの仕組みをどう考えていくのか。 Angry: 0.586 Disgust: 0.457 Fear: 0.586 Happy: 0.427 Sad: 0.304 Surprise: 0.484
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01:46:02 ~ 01:47:14 柳澤参考人
特に、自衛隊法九十五条の二という条文で平時から、これはかつては集団的自衛権の問題として安保法制懇でも議論されていた分野ですけれども、これを平時の武器使用権限として付与する条文があるわけですから、それがどのように拡大しないようにするかということも、これは政治の責任として御議論いただく必要があるだろう。そして、最後に、私は冷戦時代に長いこと実務をやってまいりました。七六年の防衛大綱の中では、米ソの大規模な戦争、本格的な戦争はまず核抑止力もあって起こりにくい、ほとんどないだろうという前提に立ち、我が国にあるとすれば、極東ソ連軍が今の体制から一種奇襲的に来るような限定小規模な侵略であって、それに対して独力で対処するということを理念に掲げ、そして陸上自衛隊十八万、海上自衛隊約六十隻、航空自衛隊四百三十機という体制で日本の防衛をやっていたんですね。 Angry: 0.548 Disgust: 0.290 Fear: 0.570 Happy: 0.482 Sad: 0.262 Surprise: 0.602
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01:47:14 ~ 01:48:07 柳澤参考人
さっき小川先生がおっしゃったように、アメリカの極東における最大の拠点である日本自身を守るということが、アメリカの世界戦略とも合致している状態であったわけであります。今度は、南シナ海のこと、あるいはインド洋のシーレーンなんかが盛んに議論されております。そういうところに海上自衛隊を展開するということは、やはり遠いんですね。冷戦当時六十隻ですが、今四十七隻、海上自衛隊の勢力があります。そのうち、海賊対処でローテーションも含めると六隻がとられています、中期防で七隻ふやすことにはなっておりますが。そこのやはり優先順位と資源配分といったもの、これも当然、法律の中でできる範囲でやるさというのは一つの答えかもしれない。 Angry: 0.318 Disgust: 0.276 Fear: 0.579 Happy: 0.616 Sad: 0.395 Surprise: 0.671
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01:48:07 ~ 01:48:36 柳澤参考人
しかし、では本当にそれで何ができるんですかということも問われなければいけない。その所要防衛力、あるいは作戦の優先度といったようなところも、これは何も細かいところは数字まではいいのではないかと思いますけれども、ぜひ委員会の問題意識に加えて議論をしていただきたい、こんなことを今までの審議を拝見しながら感じているところでございます。以上でございます。 Angry: 0.501 Disgust: 0.363 Fear: 0.567 Happy: 0.440 Sad: 0.385 Surprise: 0.610
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01:48:36 ~ 01:48:53 浜田委員長
ありがとうございました。以上で参考人の意見の開陳は終わりました。これより参考人に対する質疑を行います。質疑の申し出がありますので、順次これを許します。原田義昭君。 Angry: 0.644 Disgust: 0.456 Fear: 0.382 Happy: 0.631 Sad: 0.423 Surprise: 0.409
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01:48:53 ~ 01:49:10 原田(義)委員
自由民主党の原田義昭でございます。五人の先生方におかれましては、忙しいところ、こうして委員会に出席いただきまして、御高説を拝聴したところであります。 Angry: 0.519 Disgust: 0.424 Fear: 0.437 Happy: 0.645 Sad: 0.369 Surprise: 0.501
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01:49:10 ~ 01:50:25 原田(義)委員
また、私ども、これからの審議にしっかり役立てていかなければならないな、こういうふうに思っております。その上で、まずお手元に簡単な資料をお配りしております。ガリ刷りで恐縮でありますけれども、これは、同志の今津寛理事が丹精込めてつくられたのを、私が少し手直ししてお配りさせていただいておるところであります。これは、現在の日本の安全保障環境、一目瞭然のところはございますけれども、このことに思いをいたさなければ今何でこのような議論をやっているんだろうかということがなかなかわからない方もおろうかと思いますから、簡単に説明しますけれども、一ページ目はそういうことで、日本を取り囲むそれぞれの危機、脅威ということだろうと思います。 Angry: 0.454 Disgust: 0.256 Fear: 0.491 Happy: 0.601 Sad: 0.440 Surprise: 0.500
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01:50:25 ~ 01:51:22 原田(義)委員
今、世界全体、また東アジアはとりわけパワーバランスが非常に変化しておりますけれども、北朝鮮のミサイル配備、核開発の問題、さらには何といっても中国の軍事的台頭、先ほどからいろいろ御指摘もございました。さらには、これは特に三ページ目を見ていただきますと、世界じゅうで、テロの脅威、宇宙やサイバーなど、今までなかなか経験したことのない新たな領域における脅威の出現、こういうこともあるわけでございまして、しかも、これは観念的な脅威というわけではありませんで、この一ページ目を見ましても、いずれもあしたにもあり得る脅威でございます。 Angry: 0.395 Disgust: 0.280 Fear: 0.637 Happy: 0.514 Sad: 0.270 Surprise: 0.642
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01:51:22 ~ 01:52:20 原田(義)委員
例えば、真ん中あたりに尖閣諸島というところがありまして、これは先ほど小川先生からもちょっと触れられましたけれども、ほとんど連日これは接続水域に入ってきておりますし、あろうことか月に大体三回から四回は間違いなく領海に侵入してきているということで、これはとんでもない話でございます。いずれにしましても、こういうような危機にあるということ、そしてもう一つは、先ほど新幹線のお話が鳥越先生から出ましたけれども、まさにこの種の事故というのは今まで経験したことのない、体験したことのない、いつ起こるかわからない、これが私は現実の社会だろうと思っております。 Angry: 0.324 Disgust: 0.243 Fear: 0.664 Happy: 0.538 Sad: 0.316 Surprise: 0.660
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01:52:20 ~ 01:53:24 原田(義)委員
さすれば、とにかく万全の対策をとっておくということが何よりも大事なことであるし、また国民が安心する、安全を感ずる大事なことではないか、こう思うわけであります。私はそうした観点から、きょうは抑止力という言葉がそれぞれの先生から出てまいりました。紛争を未然に防止する力、危機を加える、圧倒する、攻撃する、他国にそういう気持ちを起こさせない力というのは私は極めて大事なことだと思っておりまして、現在私どもが議論しておる平和法制はまさにそのために資するものだ、こういうふうに思っております。 Angry: 0.549 Disgust: 0.351 Fear: 0.474 Happy: 0.538 Sad: 0.416 Surprise: 0.427
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01:53:24 ~ 01:54:07 原田(義)委員
各先生方から、抑止力の重要性、とりわけ日米安保を通じて、さらに今回集団的自衛権の概念がそれに大きく資するものだというふうな御理解があったと言っておりまして、私もまさにそういう観点から、この抑止力がそもそも必要だということとあわせて今回の平和法制が非常にそのために役立っている、こう思っておるところであります。 Angry: 0.469 Disgust: 0.243 Fear: 0.442 Happy: 0.569 Sad: 0.241 Surprise: 0.662
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01:54:07 ~ 01:55:25 原田(義)委員
そういう意味では、私どもはこの平和安全法制を、内閣もそうでありますし、安倍総理も先頭に立ってこれこそ平和を目指した平和法制だということを何度にもわたって力説しておられましたし、ぜひその辺をしっかり国民の皆さんにわかっていただかなきゃいけない。まさに日本の自衛力、みずからを守る力、それを強化すればするほど抑止力が高まり、そのことがよそからの侵略ないし侵害を防ぐことになるという意味では、紛れもなくこれは平和を目指した法制である、こういうふうに考えております。ただ、最後の柳澤先生が、抑止力というのはそういう側面もあるけれども、同時に、逆に軍拡競争とは言いませんけれども、向こうがするならこっちからもやるよ、こういうようなことでお互いエスカレートし合わないかというような御懸念も出されました。 Angry: 0.752 Disgust: 0.369 Fear: 0.383 Happy: 0.484 Sad: 0.364 Surprise: 0.350
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01:55:25 ~ 01:56:00 原田(義)委員
私は、ここはもちろん、今や単に軍事だけの問題ではなくて、外交、さまざまな交流も行われているところでありますから、しかし、持つべきものはしっかり持たなければ諸外国に侮りを与えるという意味では、やはり必要最小限の抑止力を持たなければ国として維持できないというような感じがするところであります。 Angry: 0.511 Disgust: 0.297 Fear: 0.505 Happy: 0.604 Sad: 0.389 Surprise: 0.484
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01:56:00 ~ 01:56:32 原田(義)委員
そういう意味では、抑止力の重要性ということを改めてお聞きしたいなと思っておりますが、折木先生、一言、先ほど言われましたけれども、そのことについて改めて述べていただきたいのと、もう一つは、今回の平和安全法制の中でそれが十分に機能するんだということについても述べていただきたいな、こう思います。 Angry: 0.467 Disgust: 0.143 Fear: 0.330 Happy: 0.567 Sad: 0.603 Surprise: 0.461
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01:56:32 ~ 01:57:16 折木参考人
今、抑止力のお話がございましたけれども、安全保障全般を考える上で、紛争を含めて未然に防止するというのは、これは軍事力だけの話ではなくて外交も含めて非常に大事なことで、これが一つは要点だというふうに思っています。そういう面で、抑止力全般を考えたときに、相手にその気にさせないということなんですけれども、それは、先ほど言いました軍事力だけではないということを前提に置きながら軍事的に焦点を絞りますと、やはり力の空白をつくらないという一つ大きなものがあるというふうに思っています。 Angry: 0.527 Disgust: 0.299 Fear: 0.533 Happy: 0.546 Sad: 0.344 Surprise: 0.505
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01:57:16 ~ 01:58:13 折木参考人
一つは、南シナ海、いろいろな状態で、今厳しい状態にありますけれども、時代それから情勢はいろいろ変わっておりますけれども、例えば、米軍が一九九一年までフィリピンのスービックとクラークに存在したわけです。二〇〇二年までソ連それからロシアの太平洋艦隊の一部がカムラン湾に存在したわけです。そういう軍事力が存在することで力の空白をつくらないというのも一つあるのではないかというふうに思っています。あとは、国家の意思というのが物すごく、私は、一番基本的なことがあって、不法なものにはきっちり対応する、それから日本の国益、日本の安定、平和を乱す者に関してはきっちり対応するという、その意思が常に示されていなければならないというふうに思っています。 Angry: 0.606 Disgust: 0.340 Fear: 0.478 Happy: 0.453 Sad: 0.414 Surprise: 0.476
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01:58:13 ~ 01:59:09 折木参考人
次は、備えをしっかりするということで、今回の法制整備もそうなんですけれども、事前にきっちりとした形で、これは国民の、国家の意思にもかかわりますけれども、日本はこういう備えをするんだ、法的にも基盤を与えるんだというのが一つ大きな抑止力の一環だというふうに私は思っています。それを踏まえて、例えば今回の法制では日米の共同訓練ももっとシナリオに、予想される情勢に沿って訓練もできますし、そういうことによって力を高めることができる、実効性を高めることができる、それがつながっていくというふうに思っています。あとは、現場としてしっかり訓練をできる体制を整えるとか、そういう基盤的なものをしっかり整えていくことによって抑止力につながっていくというふうに私自身は考えております。 Angry: 0.391 Disgust: 0.258 Fear: 0.349 Happy: 0.785 Sad: 0.396 Surprise: 0.576
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01:59:09 ~ 02:00:39 原田(義)委員
先ほど鳥越先生から、イスラムから始まりましていろいろお話がありましたけれども、ただ非常に気になりますのが、何となく集団的自衛権ができれば日本の軍隊が世界の裏までアメリカと一緒に行くのではないか、さすればイスラム諸国から非常に嫌われ、危険がられて日本が危なくなるのではないかと。その間には相当な因果関係の離れといいますか、そんな感じがいたします。まず、日本が無条件にというか、地球の裏側まで自衛隊が行くということは私は基本的にはないと思っております。極めて条文上も限定的な、そういうところでいろいろな活動をするということはあっても、とにかく今言われるような形で、何か集団的自衛権が認められればすぐにでも行くのではないかというようなことは私は断じてないというふうに考えておりまして、先生のような影響力のある先生方が、やはりその辺はしっかりとした正しい情報を国民の皆さんに与えていただく。 Angry: 0.410 Disgust: 0.271 Fear: 0.569 Happy: 0.514 Sad: 0.419 Surprise: 0.535
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02:00:39 ~ 02:01:28 原田(義)委員
とにかく日本の防衛政策は、当然のことながら極めて厳しい。例えば新三要件も含め、PKOの五要件も含めて、いかなる意味でもこの国の安全というのは、まずは日本の自衛を確保しながら、しかし国際平和にも決して責任放棄はしないという観点ではございますけれども、その辺をしっかりとまた国民にわかっていただくような御努力をお願いできればありがたい、こういうふうに思っているところであります。 Angry: 0.562 Disgust: 0.347 Fear: 0.436 Happy: 0.427 Sad: 0.560 Surprise: 0.414
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Angry: 0.483 Disgust: 0.153 Fear: 0.383 Happy: 0.618 Sad: 0.494 Surprise: 0.543
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02:01:46 ~ 02:02:12 鳥越参考人
お答えします。私も、必ずしも自衛隊が世界じゅうどこでも行くというふうに思っているわけでもありませんが、国会の討論を聞いている限りにおいては、絶対に行かない、総理は戦場には行かないというふうなことはおっしゃっていますけれども、絶対に例えば極東地域から外には出ないというようなことは誰もおっしゃっていませんね。 Angry: 0.643 Disgust: 0.408 Fear: 0.372 Happy: 0.628 Sad: 0.472 Surprise: 0.383
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02:02:12 ~ 02:03:10 鳥越参考人
つまり、可能性としてはあるわけですね。また、ホルムズ海峡というのは日本からはるかに離れているわけですから、そういう意味で、これはどなたの答弁だったか覚えていませんが、たしか中谷さんだったと思いますが、地球のどこでも行けるという解釈であるというふうな答弁を聞いておりますので、全く、集団的自衛権行使となった場合に、米軍の行くところを、ここは行かない、ここは行くというふうに区分けするようなことには今はなっていない。つまり、可能性としてはどこでも行ける。ただし、そう簡単には行かないというふうに今はおっしゃっているけれども、現実にそういうふうな状況が来た場合に、行ける道が残されているというのが僕は心配なわけです。 Angry: 0.374 Disgust: 0.337 Fear: 0.573 Happy: 0.499 Sad: 0.547 Surprise: 0.489
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02:03:10 ~ 02:04:08 鳥越参考人
例えば、例えばの話ですからこうなるかどうかわかりませんが、今はオバマ政権は、イスラム国に対して空爆という作戦をとっているんです。つまり、地上部隊は出さないというふうに言っております。これは、イラク戦争をやって、アフガニスタンでも地上部隊を出して、出したけれども、一定の成果は上げたけれども、根本的な解決には至っていないというようなことがあるし、それから軍事費の削減ということもあって、米国は地上部隊はイスラム国に対しては出さないという方針であることは先生も御存じのとおりですけれども、もし次の大統領が民主党ではなくて共和党になった場合はどうか、ブッシュさんの弟さんがもし大統領になったとしたらどうか。 Angry: 0.657 Disgust: 0.317 Fear: 0.468 Happy: 0.547 Sad: 0.297 Surprise: 0.497
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02:04:08 ~ 02:04:39 鳥越参考人
ひょっとしたら、イスラム国を壊滅させるためには地上部隊を出さなきゃいけないというような話になるかもしれない。かもですよ、僕がそうなると言っているわけじゃないです。でも、そういう可能性がある。その場合に日本の自衛隊が全く無関係のままでいるのかどうか、その辺はやはり曖昧なままであるということです。ちょっと時間が来ました。済みません。 Angry: 0.538 Disgust: 0.371 Fear: 0.584 Happy: 0.391 Sad: 0.440 Surprise: 0.543
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02:04:39 ~ 02:05:12 原田(義)委員
時間が来ておりますので、もう一つ、柳澤参考人を指名してお話ししたいと思います。実は、イラク派遣部隊の自衛官は自殺の比率が高いという話がございます。 Angry: 0.474 Disgust: 0.316 Fear: 0.344 Happy: 0.703 Sad: 0.443 Surprise: 0.475
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02:05:12 ~ 02:06:05 原田(義)委員
これは先生からいただいた資料にもそう書いておりまして、手元に、六月十三日の週刊現代、これで私はびっくりしたんですね。一般のイラクの自衛隊の自殺率、「これは世間一般の一・五倍と多い。しかしイラク派遣部隊の数字は、さらにその約十倍になるのです。」こういう書き方をしております。これは多分先生も誤解されているのではないかなということで、実は同じような記事が、後で聞いたんですけれども、東京新聞で出たんですけれども、それが後で削除されたケースがございます。 Angry: 0.407 Disgust: 0.185 Fear: 0.457 Happy: 0.664 Sad: 0.289 Surprise: 0.651
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02:06:05 ~ 02:07:03 原田(義)委員
資料四枚目を見ていただきますと、「自衛官の自殺について」という、これは防衛省につくらせた数字であります。これは十万人当たりで、イラク特措法に基づいて派遣された自衛官が三十三人、一般の男性自衛官が三十五人、一般成人男性が四十人、こういうことが出ておりまして、多いか少ないかは別としまして、少なくとも、先生が感じておられるような、イラク派遣部隊の数字がさらにその十倍になるという表現はあるいは誤解ではないかなと思いますけれども、これについては、先生、いかがでございましょうか。 Angry: 0.655 Disgust: 0.321 Fear: 0.505 Happy: 0.579 Sad: 0.226 Surprise: 0.545
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02:07:03 ~ 02:08:09 柳澤参考人
自殺については、私も先日、後輩の人事局長から同じデータをいただいております。当時、私が人事局長をやっておりますときから隊員の自殺は大体年に七、八十人あって、これは普通科二個小隊なんですね。平時の自衛隊でそれだけ失われているということを非常に深刻に受けとめておりました。イラクの場合は、今まで一万人に対して二十九人と言われている。私が申し上げてきたのは、平均的に言うと、日本人全体では人口十万当たり約二十人で、イラクの自衛隊で母数を同じにすれば二百九十人ということになるんだろう、そして一般の自衛隊員は実は年間七百人ぐらいになっちゃう、こういう話で、いずれも深刻な話ではあるんです。 Angry: 0.437 Disgust: 0.306 Fear: 0.579 Happy: 0.530 Sad: 0.354 Surprise: 0.599
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02:08:09 ~ 02:09:09 柳澤参考人
このデータをどう見たらいいかというのは、私は専門家ではございませんが、二十歳から五十九歳までの三十年以上の平均勤続年数の中でたまったストレッサーによる自殺の話と、イラクに出ていた自衛隊、陸の隊員の場合は平均三、四カ月であったと思います、三、四カ月の間に、多分、基本的にメンタルに問題のない子を選んで派遣しているはずだということを前提にしますと、イラクにいる数カ月の期間に受けとめたストレッサーによる自殺ということで、ここは単に数だけではなくて役所もしっかり分析をしていただきたいと思いますので、これ自体、私は決して少ない数字だとは思っておりません。 Angry: 0.685 Disgust: 0.338 Fear: 0.545 Happy: 0.317 Sad: 0.284 Surprise: 0.468
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02:09:09 ~ 02:09:57 原田(義)委員
少ない数字と私は申し上げませんけれども、少なくとも、ここのデータに入っておりますように、一般成人ないし男性自衛官に比べて十倍だというような発言については、これはもちろん自衛隊の御家族のみならず国民全体にあらぬ不安やら心配を与えることでありますから、統計のとり方だからいろいろありますけれども、そこは先生、しっかり分析されまして、正しい情報を国民に提供していただきたいなと。非常に国民が心配をしているところであります。時間が来ましたので、以上です。 Angry: 0.572 Disgust: 0.296 Fear: 0.518 Happy: 0.422 Sad: 0.489 Surprise: 0.449
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02:10:05 ~ 02:11:11 大串(博)委員
おはようございます。民主党の大串博志でございます。きょうは、参考人の先生方には、大変貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございました。大変勉強になりました。さらにこの質疑を通して深めさせていただきたいと思います。まず、鳥越参考人にお尋ねさせていただきたいと思いますが、先ほど来後段の方でお話のありました、今般の自民党内の勉強会を含めた報道に対するさまざまな意見についてのことでございます。私は、この安全保障法制特別委員会で議論をしていて、今回かけられている案件は、いずれにしても、国民の皆さんがしっかり内容を知っていただいて判断いただいて、その上でいろいろな議論が巻き起こった上で最終的な結論が出されるべきものだというふうに思います。そういった意味で、健全な議論が日本全国で行われる、そのためにも、マスコミの皆さんがいろいろな見地から、いろいろな立場からの種々の情報を流していただく、これは非常に大切なことだと思うんです。 Angry: 0.460 Disgust: 0.263 Fear: 0.435 Happy: 0.634 Sad: 0.457 Surprise: 0.518
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02:11:11 ~ 02:12:09 大串(博)委員
そういう意味で、報道の自由の問題は、殊さらに今回のような大きな課題が国会にかけられているときには大切なことだというふうに私は思う中で、先般のような自民党の勉強会での、マスコミを懲らしめる、しかも安全保障法制の理解との関係でそういう発言が出るというのは、私自身は極めて残念だというふうに思いますし、そうであってはならないというふうに思う。特に、私自身も、安倍総理自身の、マスコミに対して編集内容がおかしいじゃないかというふうにおっしゃった発言を予算委員会でも取り上げて、報道に対して萎縮効果を持たないかということを取り上げたこともあります。さらには、そのときにあわせて、自民党の方から報道各局、テレビ局に対して公正な選挙報道を頼むというふうな文書が出されたことも一緒に取り上げて、報道の萎縮を招かないかということを取り上げたこともあります。 Angry: 0.806 Disgust: 0.326 Fear: 0.434 Happy: 0.214 Sad: 0.445 Surprise: 0.333
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02:12:09 ~ 02:12:37 大串(博)委員
私自身は報道の世界にいたことがないものですから経験がないんですけれども、今回起こっているようなマスコミの皆さんへのいろいろな言辞、言葉、あるいはプレッシャーというのかもしれません、こういったことが、私は五十年しか生きていないんですけれども、先生の経験の中で、過去こんなようなことがあったんだろうかというようなことを教えていただけたらというふうに思います。 Angry: 0.367 Disgust: 0.175 Fear: 0.433 Happy: 0.469 Sad: 0.624 Surprise: 0.483
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02:12:37 ~ 02:13:03 鳥越参考人
お答えします。過去あったかどうかということですが、ありました。それは、戦前です。戦前は、報道に対する規制が治安維持法という名のもとでありました。その結果、日本は、言論の自由、報道の自由はなくなりました。 Angry: 0.563 Disgust: 0.400 Fear: 0.469 Happy: 0.548 Sad: 0.437 Surprise: 0.493
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02:13:03 ~ 02:14:09 鳥越参考人
そして、戦争に全部賛成をするという意見しか通らなくなった。これは皆さん、歴史を学べば御存じのとおりです。それは朝日新聞から始まって、毎日新聞も、東京日日と言いましたけれども、当時はテレビはございませんでしたが、新聞は全紙とも、大政翼賛会のもとで戦争大賛成というふうになったことは御存じのとおりだと思います。それ以後は、戦後はもちろんそういうことはなかったわけです。ただ、私が五十年間報道に携わっていて今感じているのは、安倍政権になってから、政権のマスコミ、メディアに対する対応が変わった、非常に神経質な対応になったなというのを感じております。 Angry: 0.532 Disgust: 0.321 Fear: 0.476 Happy: 0.557 Sad: 0.361 Surprise: 0.539
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02:14:09 ~ 02:15:03 鳥越参考人
これは恐らく安倍さん、安倍総理の個性にも基づいているんだと思いますが、思い出していただきたいのは、NHKの従軍慰安婦の問題のときに、安倍さん初め数人の自民党の議員が放送内容にかかわって、一部変更があったというふうに言われております。そして、思い起こせば、安倍さん自身が、ニュース23の放送の中で、街頭のインタビューの内容が気に食わないということでぶち切れたということがございました。そのほか、NHKとテレビ朝日ですけれども、事情聴取される。 Angry: 0.665 Disgust: 0.319 Fear: 0.466 Happy: 0.426 Sad: 0.375 Surprise: 0.457
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02:15:03 ~ 02:16:07 鳥越参考人
これは今までやったことはないんですね。権力、与党の政党が個別にテレビ局を呼んで事情聴取というようなことは、これまではございませんでした。これはやはり一定の抑制効果を生むだろうと思います。そのほか幾つかそういうのは散見されるわけで、恐らく、これまでの自民党政権も見てきておりますが、自民党政権の中では、これほどマスコミに過敏に反応した政権はございませんでした。安倍政権になって初めてこういうことが起きている。その結果、恐らく一定の萎縮効果、やっぱりちょっとここは少し言うのはやめておこうかというような萎縮効果を生んでいることは間違いないと思うんですね。具体的にどれだというふうに言われると、ちょっと私も答えようがありませんが、そういう感想を抱いております。 Angry: 0.576 Disgust: 0.370 Fear: 0.515 Happy: 0.440 Sad: 0.363 Surprise: 0.513
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Angry: 0.713 Disgust: 0.472 Fear: 0.452 Happy: 0.495 Sad: 0.451 Surprise: 0.429
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02:16:09 ~ 02:17:16 大串(博)委員
実は私、過去にありましたでしょうかという質問とあわせて、それを受けて現場の雰囲気はどのような状況なんでしょうかと、私、メディアに所属したことがございませんものですから、お尋ねしようと思っていたのですけれども、今あわせて教えていただきました。一定の抑制というか、萎縮効果があるということのお話でございました。今回のような極めて国民の皆さんの平和と命にかかわる案件を議論している際には、そういうふうな、いつもそうですけれども、やはり萎縮効果というのはあってはいけないと思うんですね。その辺を私たちも心にしっかりとめながら、これからさらに議論をしていかなければならないというふうに思っております。それから、鳥越参考人にもう一つお尋ねしたいと思うんですけれども、先ほど、日本が全世界に、米国とともにいろいろな活動にこれから参画していくと見られる、そういった場合に、例えばイスラムの過激派からテロの対象となり得る可能性がまた高まる可能性もあるというふうな話がございました。 Angry: 0.408 Disgust: 0.324 Fear: 0.484 Happy: 0.563 Sad: 0.491 Surprise: 0.488
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02:17:16 ~ 02:18:01 大串(博)委員
裏から教えていただきたいんです。すなわち、今、逆に言うと、これまでは、日本は憲法九条を持つ中で、今までの体制をとってきました。この中で日本というのは、中東においても、あるいはイスラムの皆さんにとってもかなり融和的な存在だったんじゃないかなと思うんです。先ほどの話の逆で、これまで日本はどういうふうに中東の皆さんから見られて、それはどういうふうに日本にプラスなりマイナスなりあったのか、そこを教えていただきたいと思います。 Angry: 0.446 Disgust: 0.288 Fear: 0.464 Happy: 0.590 Sad: 0.477 Surprise: 0.526
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02:18:01 ~ 02:19:14 鳥越参考人
お答えします。私は、一九八四年から五年までイランに特派員としておりました。そのころは、ペルシャ湾でIJPCという三井物産が進めているプロジェクトがありました。そのため、安倍晋太郎外務大臣、安倍総理のお父さんが何度もイランに来られていろいろと会談をされた。つまり、イランと日本は当時は非常に友好関係があったわけですね。その友好関係の先頭に立って安倍晋太郎外務大臣が努力されていた、その姿を私は現場で見ております。そういう意味で、その後、中東各地をあちこち私は取材に歩いたんですけれども、そこで聞かれる日本に対する声は、日本は米軍と戦って原子爆弾を二発落とされた、にもかかわらず、今は経済的に発展して平和的な国になっている、大したものだなというお褒めの言葉を必ず聞いた。 Angry: 0.541 Disgust: 0.313 Fear: 0.403 Happy: 0.642 Sad: 0.381 Surprise: 0.518
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02:19:14 ~ 02:19:51 鳥越参考人
日本に対する敵対心、敵がい心というのは一回も聞いたことがないです、それは間違いなく。トルコなどでは、日露戦争のときのバルチック艦隊との戦いで日本が勝利したということを取り上げて、日本を称賛するような声もありましたけれども、それは別として、基本的に日本は平和的な国であるという認識でこれまでいたことは間違いないです。ただ、この間、後藤さんが殺されたことについては、やはり非常にこれまでとは違うなという印象を抱いております。以上です。 Angry: 0.562 Disgust: 0.350 Fear: 0.486 Happy: 0.514 Sad: 0.389 Surprise: 0.492
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Angry: 0.266 Disgust: 0.284 Fear: 0.286 Happy: 0.830 Sad: 0.640 Surprise: 0.410
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02:20:02 ~ 02:21:15 大串(博)委員
国際環境、安保環境はやはり日々刻々変化している。先ほどおっしゃったように、前半二十年冷戦期、後半二十年ポスト冷戦期と、歴史を教えていただきました。その中で、私ども、民主党政権、政権を担う時期をいただいて、その歴史の変遷と格闘してきた。我々、二二大綱というのをつくり、当時、折木参考人も統幕長として大変な力をいただきました。ありがとうございました。当時まで基盤的防衛力構想ということで、その内容はかなりいろいろ変わってきたわけではございますけれども、基本的には、北方からの脅威に対して、北海道を中心として、一定の量を保ちながら日本を守っていこうという流れの中で、それが、安保環境が変わってきて、南西諸島、中国も含めていろいろなことがありました。こういった事実関係を踏まえて、南西諸島に対して、今度は、動的防衛力構想ということで、より柔軟に動的に、質的にも、そういう視点から日本の南西諸島も含めた守りを固めていこうと。 Angry: 0.395 Disgust: 0.259 Fear: 0.468 Happy: 0.683 Sad: 0.399 Surprise: 0.587
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02:21:15 ~ 02:21:54 大串(博)委員
当時、私たちは、個別的自衛権をきちんと念頭に置きながらやっていこうということを考え、二二大綱をつくりベースをしいた。それは、私は大転換だったと思うんです。当時、統幕長でいらっしゃった折木統幕長にも、各幕の中のいろいろな意見調整も含めて、大変な御努力をいただいたと思うんです。私は、そういった流れは決して間違っていなかったし、日本が目指すべき一つの大きな方向性だったというふうに思うんですね。この辺に関する折木参考人の御意見、御所見をいただけたらというふうに思います。 Angry: 0.361 Disgust: 0.253 Fear: 0.428 Happy: 0.697 Sad: 0.495 Surprise: 0.554
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Angry: 0.617 Disgust: 0.417 Fear: 0.421 Happy: 0.583 Sad: 0.309 Surprise: 0.469
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02:22:00 ~ 02:23:14 折木参考人
今御案内がありましたように、二二大綱のときも大分議論の中に入らせていただきまして、つくらせていただきました。そういう中で、今御指摘がありましたように、安全保障環境というものが非常に変わってきて、南西諸島ももちろんですけれども、世界的にも情勢が大きく変わってきた。そういう中で、日本の自衛隊が持っている資源それからパワーといいますか、それを有効に活用するためにはどうすればいいんだということを皆さんに考えていただいたというふうに私は思っています。そういう中で、南西諸島に、例えば陸上自衛隊でいいますと空白地帯があるわけで、与那国島に今建築されていますけれども、そういうことも含めて、機動力というのをしっかりつけて、いろいろな事態に対応できるようにやっていこうという、私は、北方重視から、南西諸島重視とは言いませんけれども、要するにそういう転換をしたということは、状況に物すごく対応しながら防衛力整備をやっていこうということを国で決めていただいたというふうに思っていますし、大変感謝しております。 Angry: 0.261 Disgust: 0.169 Fear: 0.350 Happy: 0.821 Sad: 0.418 Surprise: 0.628
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02:23:14 ~ 02:24:08 大串(博)委員
ありがとうございます。そのときそのときの安保環境の変化において対応してきたというのは、どこの政権でも同じだと思うんですね。それを、そのときそのときで誤りなく、もちろん憲法の大きな枠組みもございますので、その中でやっていくということだと思うんです。その上で、安保環境の変化も含めて今この法案が提案されているわけですけれども、柳澤参考人にお尋ねしたいというふうに思います。今回の法案の中で、これまでこの委員会の中でも大変議論してきているのは、特に集団的自衛権の課題につきましては、新三要件と言われているもの、特に存立危機事態、我が国の国民の皆さんの権利が根底から覆される、これをどうやって判定するのか、この判断する基準が極めてあやふやではないかというところが大きく取り上げられています。 Angry: 0.492 Disgust: 0.304 Fear: 0.374 Happy: 0.680 Sad: 0.433 Surprise: 0.473
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02:24:08 ~ 02:25:14 大串(博)委員
柳澤参考人は、内閣官房副長官補、安全保障を担当される方として、官邸の中で、まさにそういうことが起こったときに、どうやって意思決定をしていくかということを支えてこられた方でございます。私も役人でおったので、ちょっと想像するんですけれども、一体、この存立事態になりそうになったとき、これからなっていくかもしれないなと思ったときに、どうやって政府の中の意思決定をしていくんだろうというのが、正直言ってよく見えないんです。というのは、基準がはっきりしないという思いがあるものですから、その準備段階で、各所各所、つかさつかさが、例えばどういった資料を集め、どういった分析をし、どういった起案書、ペーパーを書いて、政府の中の一つ一つの部局の調整をしながら、最終的には総理の決断を得ていくような、きちっとした体系的な議論が一体できるんだろうかという気がするんですね。この委員会の中でもよく、総理が担当大臣や事務方の答弁を制止しながら御自分でいろいろなことを答えられるという光景を見ます。 Angry: 0.437 Disgust: 0.229 Fear: 0.537 Happy: 0.593 Sad: 0.331 Surprise: 0.617
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02:25:14 ~ 02:25:41 大串(博)委員
かなり総理の判断に今でも依拠している。それが、まさに存立危機事態となると、かなりその面が大きいんじゃないかなというふうに思うんです。一体どうやってつかさつかさの動きもつくっていくのか、いけるのかという観点からも含めて、新三要件の具体性に関してどういうふうに感じていらっしゃるか、教えていただけたらと思います。 Angry: 0.309 Disgust: 0.251 Fear: 0.624 Happy: 0.539 Sad: 0.367 Surprise: 0.719
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02:25:41 ~ 02:26:05 柳澤参考人
大変難しい御質問だと思います。その前に、さっき原田先生へのお答えの流れの中で、ちょっと私、単純計算ミスをして、もしかして、一般隊員の場合は十万人当たり七百とかいう、それはもともと十万人当たり四十という数字ですので、単純な間違いでございました。 Angry: 0.232 Disgust: 0.280 Fear: 0.711 Happy: 0.517 Sad: 0.390 Surprise: 0.683
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02:26:05 ~ 02:27:06 柳澤参考人
官邸の中での重大な意思決定というのは、実はそこまで私自身は遭遇したことはないのですが、イラクの派遣をいつ終わらせるとか、出すの出さないのといったようなところは、私の感覚では、やはり皆、総理の方を見るわけですね。いろいろな、つかさつかさによって、私の経験した当時は、こういう問題はあるということは言ってくれるんですが、そういう問題がある上で、つまり、ある程度やはり自分のところのリスクはちゃんと口にしておかなければいけない、しかし、その上で判断するならしてくださいということで、総理の決断というのは、私、拝見していて、非常に孤独だし、非常に重たい。 Angry: 0.414 Disgust: 0.117 Fear: 0.496 Happy: 0.587 Sad: 0.492 Surprise: 0.583
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02:27:06 ~ 02:28:23 柳澤参考人
我々も、意見として、それはやるべきですと言ったこともあります。海上警備行動の発令のようなときに、やるべきですと言った。それは、非常に法律的にもはっきりしていたようなことはそれで言えるんですが、ただ、本当にこの存立危機事態というようなことになると、恐らく、日ごろからある程度の事態を、ちょうどガイドラインの計画策定作業を米側とやっていくわけでありますから、その中での問題意識も見ながら、どういうケースがどうなんだということを、多分そこで日米の共同のオペレーションが前提になってくると思います。問題は、表には基本的に出ないわけでありますが、それがタイムリーにちゃんと総理にまで認識として上がって、ただ、やはりその中でも幾つかの選択肢はありますよ、どれをおとりになることによってこういうリスクはあるというような、そういうマトリックスがしっかり整理されているかどうかということが政府内の意思決定としては問題。 Angry: 0.624 Disgust: 0.259 Fear: 0.464 Happy: 0.571 Sad: 0.289 Surprise: 0.524
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02:28:23 ~ 02:28:59 柳澤参考人
そして、それはやはり総理が責任をおとりになる以外にないだろうということ。もう一つの問題は国会承認ということになるとは思うんですが、そういう作業が、いざそういうことが起きるまで実はオープンにされないというところですね。その辺をどう国会との間で意思疎通していくのかというのは、それは国会の審議の実効性の観点から、議会としてお考えいただく必要があるのではないかなというふうに思います。 Angry: 0.584 Disgust: 0.268 Fear: 0.492 Happy: 0.460 Sad: 0.399 Surprise: 0.510
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02:29:01 ~ 02:29:46 大串(博)委員
柳澤参考人、もう一つお尋ねしたいと思うんです。安保環境の変化なんですけれども、さまざま、やはり安保環境、これまでも厳しいときもあったし、今でも厳しいものもあると思います。るる説明のあった中で、ただ、今の時期において、今の時点において絶対に集団的自衛権を憲法解釈の変更をしてまででも、先ほどのお話にタイミングの話もありましたけれども、今やらなければならないほどの安保環境の変化がこの足元で起こったのかどうか、私も専門家ではないものですからよくわからないところがあるんです。この辺が国民の皆さんの関心だろうと私は思うんですけれども。安保環境の変化、集団的自衛権を憲法解釈を変更してまで今入れなければならないようなものが起こっているのか、この辺に関する御所見を教えてください。 Angry: 0.563 Disgust: 0.289 Fear: 0.412 Happy: 0.524 Sad: 0.483 Surprise: 0.433
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Angry: 0.223 Disgust: 0.294 Fear: 0.470 Happy: 0.709 Sad: 0.615 Surprise: 0.542
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02:29:53 ~ 02:30:19 柳澤参考人
私は、いろいろな大きな変化の中で何が一番政策立案の面で見て大きな要素かといえば、実は、アメリカの軍事的な軍事力行使の意思が非常にあやふやになってきているということがあるだろうと思うんですね。 Angry: 0.235 Disgust: 0.148 Fear: 0.472 Happy: 0.767 Sad: 0.274 Surprise: 0.808
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02:30:19 ~ 02:31:24 柳澤参考人
数的に判断できる海軍力とかパワーバランスの違いというのは認識可能なんですが、その面ではまだ当分アメリカの圧倒的優位は続くというふうに私は評価しておりますけれども、問題は、それを本当に、非常に単純に言えば、中国と本気で戦争をするんだろうかということ。中国の方も、本気でアメリカに盾突いて一戦を交える気があるんだろうか。そこら辺が非常にわかりにくくなっているところが、それは両者の国益が非常に曖昧に対立しダブっている、そういうことを反映していると思うんですが、それが今そのはざまにある日本が置かれている安全保障環境の一番の不透明感の源にあるんじゃないか、その中でどういうかじ取りをしていくのかということが今問われているというふうに私は認識をしております。 Angry: 0.545 Disgust: 0.320 Fear: 0.585 Happy: 0.434 Sad: 0.352 Surprise: 0.546
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Angry: 0.524 Disgust: 0.478 Fear: 0.374 Happy: 0.611 Sad: 0.589 Surprise: 0.369
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02:31:41 ~ 02:32:33 谷畑委員
維新の党の谷畑でございます。五人の参考人の先生方、本当に貴重な意見をいただきまして、ありがとうございました。まず冒頭に、鳥越参考人にお聞きをしたいと思います。過日、六月二十六日から二十八日に行われた日経新聞の世論調査で、安全保障法制の成立に六割近くが反対している、この法案を憲法違反とする回答も過半数を上回っている、そして、説明が不十分、これも八〇%を超えている。 Angry: 0.576 Disgust: 0.349 Fear: 0.412 Happy: 0.600 Sad: 0.385 Surprise: 0.498
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02:32:33 ~ 02:33:10 谷畑委員
これは何も日経新聞だけではなくて、この法案を審議し出して一カ月、六十八時間やっている、にもかかわらず、やればやるほど支持率が下がっていく。それから、憲法審査会で与党が呼んだ参考人が憲法違反だと言ってみたり、また、過日の参考人におきましても、内閣の法制の番人とも言われる元法制局長官もこれは憲法違反だと言っている。 Angry: 0.761 Disgust: 0.284 Fear: 0.545 Happy: 0.286 Sad: 0.267 Surprise: 0.549
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02:33:10 ~ 02:33:31 谷畑委員
こうなってきたら国民は、わけがわからぬ、なぜこの法案を急ぐんだと。これが世論調査の結果だと私は思っておるんですけれども、ジャーナリストとして鳥越参考人はどう思われるか。 Angry: 0.706 Disgust: 0.278 Fear: 0.501 Happy: 0.388 Sad: 0.301 Surprise: 0.557
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02:33:31 ~ 02:34:13 鳥越参考人
お答えします。基本的には安保法制の中身がわからないという意見が一番多いんですね、八割ですか。国民はわかっていないというのが基本的にあると思いますけれども、しかし、わかっていないにもかかわらず反対が多いというのは、何かやはり、憲法を解釈改憲するということについての国民の不安感がそこにはにじんでいるのであろうというふうに私は思います。 Angry: 0.516 Disgust: 0.345 Fear: 0.508 Happy: 0.531 Sad: 0.410 Surprise: 0.496
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02:34:13 ~ 02:34:47 鳥越参考人
そうでない限り、これだけ圧倒的な与党体制の中で行われている今回の法制が、ここまで国民の理解を得られないというのはどう考えてもおかしい。どこかに無理があるんだろうなと。この話はやはり、基本的に国民が望んでいないということのあらわれだというふうに私は思います。 Angry: 0.607 Disgust: 0.386 Fear: 0.545 Happy: 0.315 Sad: 0.484 Surprise: 0.460
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02:35:04 ~ 02:36:17 谷畑委員
そのときに町会の婦人の皆さんや町会議員の皆さんが泡盛を持ってきてくれて、三線も弾いてくれて、同時に戦争体験を聞いたりして、私はそのときに沖縄の置かれた立場というのを勉強しました。そういう中で、私も長いこと自由民主党に所属しておったんですけれども、自由民主党の場合も小渕元総理だとかあるいは当時の首脳部は非常に沖縄にも理解が深くて、東京以外のサミットを初めて沖縄でやると。私どもも、清和会に属しておったんですけれども、沖縄で研修をやろうということになって、皆が理解をしようというのは相当あったんですよ。ところが、今回、若手の自民党の勉強会、まさしく言論に対する圧力というのか、非常にけしからぬと私は思いますけれども、同時に沖縄に対する認識も全くできていないんじゃないか。 Angry: 0.461 Disgust: 0.229 Fear: 0.509 Happy: 0.587 Sad: 0.353 Surprise: 0.591
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02:36:17 ~ 02:37:02 谷畑委員
日本の安全保障というものを推進していこうとすれば、やはり沖縄の置かれた状況、とりわけ第二次世界大戦末期で四十万人の人口で十万人も死ぬ、しかも返還がおくれてアメリカの施政下に入る、そして基地が、米軍基地を含めて七十数%が沖縄に集中している、ここはしっかりと理解して日本の安全保障を進めなきゃならぬ、私はそう思うんですけれども、一言コメントがあればよろしくお願いします。 Angry: 0.543 Disgust: 0.290 Fear: 0.482 Happy: 0.592 Sad: 0.318 Surprise: 0.430
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02:37:02 ~ 02:38:00 鳥越参考人
お答えします。私は沖縄には何度も取材に行っておりますので、沖縄の実情はある程度自分で実感としてつかんでいるつもりでおりますけれども、この間の勉強会、文化芸術懇話会で、たしか大西議員だと思いますけれども、沖縄の新聞は非常に政権に批判的でどうしたらいいかというふうな誘導質問をされて、それに百田さんが……ある議員、名前言えない、ある議員。百田さんが、沖縄の二つの新聞は潰さないといかぬというふうにおっしゃった。 Angry: 0.671 Disgust: 0.365 Fear: 0.449 Happy: 0.553 Sad: 0.375 Surprise: 0.437
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02:38:00 ~ 02:39:15 鳥越参考人
これはやはりメディアの問題でもありますけれども、沖縄に対する蔑視ですよね。沖縄の人に全く上から目線で、沖縄の新聞はけしからぬ、潰してしまえというのは、これはどう考えても普通じゃないですね。沖縄は、皆さん御存じのように、太平洋戦争の終末期において多くの、十万人の犠牲を出して、そして本土上陸をそこで食いとめた。多くの犠牲を出しながら食いとめた。したがって、九州の上陸作戦、オリンピック作戦はできなかったというようなことがあって、私は九州の出身ですから、余計に沖縄の人たちにはやはりどこかで申しわけないなという気持ちは持っております。沖縄に対する日本の本土からのそういった視線、目線、それから言い分がやはり少し偏っているな、もう少し沖縄のことをちゃんと受けとめていただきたいなというふうに思っております。 Angry: 0.536 Disgust: 0.319 Fear: 0.447 Happy: 0.575 Sad: 0.445 Surprise: 0.475
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02:39:15 ~ 02:40:08 谷畑委員
それでは、次に、小川参考人にお聞きしたいと思うんです。戦後七十年、日本は、個別的自衛権は独立国として当然あるし、同時に集団的自衛権も当然ある。しかし、歴代の内閣は、憲法上これは行使しない、ずっとこう来たわけで、昨年の七月一日に安倍内閣で集団的自衛権の限定行使を容認すると。これは大変な大転換ですよね。ここらが国民自身がなかなか理解できない大きな要因だと思うので、ぜひひとつ、政府が言えないその背景、なぜ集団的自衛権の限定的行使という背景になってきたのか。 Angry: 0.604 Disgust: 0.321 Fear: 0.508 Happy: 0.401 Sad: 0.384 Surprise: 0.511
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02:40:08 ~ 02:40:28 谷畑委員
もちろん、アメリカの地位の低下だとか、あるいは中国の尖閣諸島等を含めてのいわゆる領土内における公船の侵犯だとか言われています。そこで、ずばりと、政府が言えないような話をひとつお願いしたいと思います。 Angry: 0.716 Disgust: 0.223 Fear: 0.356 Happy: 0.445 Sad: 0.441 Surprise: 0.373
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02:40:28 ~ 02:41:02 小川参考人
どうもありがとうございます。政府が言えないことを私が言えるわけないんです。ただ、一般的に、臆測でアメリカが圧力をかけたとかいうような議論がありますが、そういったことで今回の集団的自衛権の限定行使容認というものがあるわけではない。本来、集団的自衛権というのは、先ほど私の意見陳述で申し上げましたように、同盟関係を選択する以上、前提条件になる。 Angry: 0.665 Disgust: 0.394 Fear: 0.412 Happy: 0.459 Sad: 0.419 Surprise: 0.389
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02:41:02 ~ 02:42:09 小川参考人
それを、日本でしか通用しない議論によって、権利はあれども行使せずといったようなことで言ってきた。それを当たり前に直そうというのが今の安倍首相の姿勢だと思います。だから、これをきちんと、自分たちだけの防衛力で今の安全を獲得しようとするのか、あるいは同盟関係をとことん研究して活用してやろうとするのか、どちらかしか選択肢はありません、それについて国民の皆さん考えてくださいというのをもう一回政府が問い直さなきゃいけない、その辺はあると思うんですよ。だから、これは何かどこかから圧力があってとかいうのは、よく聞く話だけれども、私は余り感じたことはないんですね。もう一つは、周辺の安全保障環境の変化というのはもちろんありますけれども、それを受けて動くのではなくて、本来、独立した国が備えなければいけない安全保障の体制とはいかにあるべきかということから積み上げていく、それで向き合っていくことが最初になきゃいけない。 Angry: 0.607 Disgust: 0.393 Fear: 0.439 Happy: 0.519 Sad: 0.410 Surprise: 0.424
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02:42:09 ~ 02:43:09 小川参考人
そうじゃないと、状況対応型の議論になって、ソ連が強力なときは北方脅威論があってというような話になっちゃうんです。これは先ほど来いろいろな方のお答えの中にもありましたけれども、抑止力についてもやはり整理しなきゃいけないんです。抑止力が高まれば安全が実現するという一方、それによって相手が出てくるんじゃないかというお話もありました。これは一般論です。とにかくアメリカが例えば日本列島をどれぐらい重視しているかというのは、この三年ぐらいの間、直接アメリカが習近平さんに対して警告をしているということがあります。一つは、三年前の九月十七日ですが、当時のパネッタ国防長官が習近平国家副主席に対して、尖閣諸島といえどもアメリカの国益であることをお忘れなくということを言っています。 Angry: 0.464 Disgust: 0.320 Fear: 0.526 Happy: 0.503 Sad: 0.466 Surprise: 0.536
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02:43:09 ~ 02:44:12 小川参考人
日米同盟云々よりもアメリカの国益が前提なんですね。そして、おととしの六月にはオバマ大統領が習近平国家主席に対して、中国はアメリカと日本が特別な関係にあることを理解すべきですと言っている。これはちゃんと報道されています。これは、とにかく日本列島がなければアメリカのリーダーシップが崩れる、それだけのものを置いている、それだけの重要性がある、だから容赦しませんよということを警告しているわけです。その辺のことをきちっと押さえながらいくと、一般論というのは成り立ちにくい。それから、集団的自衛権の問題と抑止力の問題でお話をしますと、戦後、アメリカの同盟国で攻撃された国はないんです。もちろん今は国家間の戦争とは別にテロとの闘いということで考えなきゃいけないけれども、まずは国家同士の戦争では、アメリカの同盟国で攻撃されたことはない。 Angry: 0.674 Disgust: 0.334 Fear: 0.494 Happy: 0.399 Sad: 0.364 Surprise: 0.510
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02:44:12 ~ 02:45:02 小川参考人
それは、アメリカが怖いからじゃなくて、アメリカという国がたくさん同盟国を持っている、その同盟国もまた別に同盟関係を結んでいるところもある、だから、アメリカの同盟国を攻撃するということは世界を敵にするほどの覚悟が必要だからやらなかった。ある意味で例外的なのはアメリカの同盟国であるイギリスの領土であるフォークランド諸島をアルゼンチンが攻撃したケースですが、これはとにかく、NATO条約の域外であって、集団的自衛権によって反撃されないということがわかっているからやったんです。だから、その辺のことは、抑止力が高まるという意味で集団的自衛権についてはお考えいただき、周辺の安全保障環境の変化というのは当然押さえなきゃいけないけれども、まず本来的に国家として備えなければいけない能力を備える、そういったところで議論をお進めいただければと思っております。 Angry: 0.659 Disgust: 0.329 Fear: 0.568 Happy: 0.333 Sad: 0.358 Surprise: 0.445
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02:45:06 ~ 02:46:07 谷畑委員
ちょっと、持ち時間が余りありませんので。維新の党というのは、最初から反対だということではなくて、独自法案を出していこう、そういう立場であります。その中で、柳澤参考人にお聞きしたいんですけれども、日米のガイドライン、これは三回改定している。前回は北朝鮮の関係で改定したはずです。今回は中国の、尖閣等を含めて、そういう背景の中でと言われているわけでありますけれども、このガイドラインの評価について少しコメントしていただきたいと思います。 Angry: 0.612 Disgust: 0.310 Fear: 0.420 Happy: 0.523 Sad: 0.424 Surprise: 0.501
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02:46:07 ~ 02:47:20 柳澤参考人
非常に従来のものと違っているなと感じました。それは、私も担当させていただきましたが、九七年のガイドラインというのは、事態がはっきり認識されていた、そしてアメリカは当然日本を拠点にして朝鮮半島危機に対応する、したがって日本は本土と周辺における後方支援をやっていくというイメージがはっきりあっての作業であったわけですね。今度は、あらゆるところであらゆる事態に対して日米の協力関係ということでありますので、その意味で事態が特定されていないというところがまず大きな特徴。そして、おっしゃったシーレーン防衛の観点で中国への対応という意味では、さっきもちょっと申し上げましたが、海洋安全保障というワーディング、そしてアセット防護というワーディングが平時から事態の深刻化の中で何度も使われているということでありますね。 Angry: 0.447 Disgust: 0.299 Fear: 0.574 Happy: 0.546 Sad: 0.311 Surprise: 0.579
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02:47:20 ~ 02:48:15 柳澤参考人
ですから、これが従来のものと違うのは、アメリカが何をやるかがはっきりわかるから自衛隊がどういう協力をするかという答えが出てきた、今度は、そこがよくわからないけれども、そこを共同計画をつくっていこうということでなされている。そして、もう一つの大きな特徴は、今までは共同計画を検討すると言っていたんです。それはなぜかといえば、それを日本国としてオーソライズできるのは、実際に事態が起きたときの閣議決定のときを待たなければいけないからですね。今度は2プラス2の監督のもとにそれを平時から策定するとなって、平時からの政策的な一体化というものがある意味制度的にインプットされているようなのが非常に大きな特徴かなと。 Angry: 0.583 Disgust: 0.288 Fear: 0.510 Happy: 0.490 Sad: 0.317 Surprise: 0.587
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02:48:15 ~ 02:49:00 柳澤参考人
そこのところがアメリカの意図との、やはり脅威認識のずれ、あるいは国益も完全に一体ではありませんので、その辺を踏まえてどう運用していくか、その辺のところがはっきりしないところに、逆に、国民というか批判する側からする巻き込まれの恐怖というものもある。一方で、アメリカの方も日本の冒険的な行動に巻き込まれたくないという思いもあったり、その辺の調整というのが、今度のガイドラインは実はスタートであって、非常に大変なものになるな、そんな思いで見たところであります。 Angry: 0.378 Disgust: 0.402 Fear: 0.761 Happy: 0.343 Sad: 0.386 Surprise: 0.520
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02:49:00 ~ 02:50:06 谷畑委員
柳澤さんにもう一度、このガイドラインで。私がちょっと不思議だと思うのは、せっかく安全保障関連法案を今審議しているわけですよ。本来、この審議が終わって、この法案が可決されて、そしてガイドラインの改定、手続はそうでなければならぬのじゃないか。そうしないと、審議も、法案も成立しない中で先取りをした、日米の関係でガイドラインというのは、先取りをずっとこの指針の中にされている。これは僕は下手をしたらやはり憲法違反じゃないかと。まあちょっと、私が発言しておるのですから。そんなことを思い、国民もそういうように思う場合があると思いますので、ちょっとそのあたりを教えていただけたらありがたいと思います。 Angry: 0.628 Disgust: 0.291 Fear: 0.483 Happy: 0.467 Sad: 0.365 Surprise: 0.537
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02:50:06 ~ 02:51:04 柳澤参考人
実は、九七年のガイドライン改定も、先に行政の作業が先行してはおったんですね。ただ、そこは、どのように違いを評価するかというのはいろいろな御意見があるとは思うんですが。当時私も苦労したのは、どんどんメディアにいろいろなことが書かれて、そして朝鮮半島有事を念頭にということで、事実上その辺の議論はもう国会でも随分、法律を出す前からかなり御議論があったというふうに思います。今回の話からいきますと、中間報告というのはあったけれども、ほとんど、余り国会で審議いただいたという記憶はない。そして、やはり特徴的には、総理が非常にシンボリックな行動をおとりになるわけですね。 Angry: 0.469 Disgust: 0.273 Fear: 0.493 Happy: 0.590 Sad: 0.357 Surprise: 0.605
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02:51:04 ~ 02:51:43 柳澤参考人
アメリカを訪問して、夏までに法案を成立させる、このガイドラインは歴史的な変化であるということをアメリカで先におっしゃってしまう。やはり、こういう大きな変化は、少なくとも、バイパルチザンというか、野党も含めた、あらかたの方向性の合意が先行しないとなかなか難しいというのも事実であります。そういうところに差しかかっているというのが今回のガイドラインの背景にもあるがゆえに、そういう手順が今改めて問題にされているんだろうというふうに思います。 Angry: 0.348 Disgust: 0.331 Fear: 0.553 Happy: 0.511 Sad: 0.505 Surprise: 0.568
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02:51:43 ~ 02:52:00 谷畑委員
私自身は反対しているわけではないんです。むしろ、国民の理解、そういう世論の中でしないとガイドラインというのは本当は生きてこない、そんなことを思います。たくさん準備しておったんですけれども、時間が来ましたので、これで終わりたいと思います。 Angry: 0.528 Disgust: 0.321 Fear: 0.403 Happy: 0.536 Sad: 0.531 Surprise: 0.461
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Angry: 0.419 Disgust: 0.400 Fear: 0.259 Happy: 0.837 Sad: 0.569 Surprise: 0.377
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02:52:09 ~ 02:53:09 伊佐委員
公明党の伊佐進一です。本日は、五人の参考人の皆様、本当に貴重なお話をいただきまして、ありがとうございます。限られた時間でありますので、皆様全員に質問させていただくことはできないかもしれませんが、御容赦をいただければと存じます。まず、小川参考人に伺いたいと思います。日米同盟について。東シナ海と南シナ海は違うんだと。非常に興味を持って聞かせていただきました。東シナ海は日米同盟の抑止力が非常にきいているんだというお話で、だから遠慮している、いろいろな周りの国も遠慮して、そして安定をしているというお話だったと思います。つまり、そういう意味では、日米同盟というのは、単にアメリカに守ってもらっている、こういう片務的なものじゃなくて、だからアメリカに逆らえない、何も物が言えない、こういうことじゃなくて、もっと大きい、重いものがあるんだ、日本の貢献というのはもっと大きいんだ、こういうお話だったと伺っております。 Angry: 0.369 Disgust: 0.233 Fear: 0.418 Happy: 0.636 Sad: 0.503 Surprise: 0.612
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02:53:09 ~ 02:53:55 伊佐委員
その文脈の中で、日米同盟、日本というのは支店とか営業所じゃなくて本社機能という言葉を使われたと思いますが、私が理解したのは、日米同盟というのは、戦うためだけの同盟じゃないということじゃないかと思います。つまり、出撃機能と言われますが、駐留米軍がいて、兵隊がいてまた戦闘機がいて出撃していく、こういう機能だけじゃなくて、もっと多角的な、もっといろいろな側面があるのがこの日米同盟じゃないかというふうに私は理解いたしましたが、この日米同盟の特異性、多角的な観点という点で何か御所見をいただければと思います。 Angry: 0.512 Disgust: 0.258 Fear: 0.473 Happy: 0.571 Sad: 0.347 Surprise: 0.581
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Angry: 0.348 Disgust: 0.299 Fear: 0.406 Happy: 0.618 Sad: 0.657 Surprise: 0.474
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02:54:04 ~ 02:55:09 小川参考人
一九八四年、アメリカ政府の許可のもとに、全部米軍基地を歩いて、基地司令官の聞き取りをやり、国防総省の資料を出させ、全部読んで分析したら、ほかの同盟国が本当に、会社に例えたら支店か営業所のレベルなのに、日本には本社機能が置いてあるということが明らかになった。そういう立場で来ていて、アメリカ政府と話をしても、それを否定したりされたことはありません。例えば、基地を提供しているかわりに守ってもらっているという言い方がよくあるけれども、頭の中にみんなあるのは、兵隊がいて、飛行機がいて、船がいてという話なんです。これは出撃機能なんです、今おっしゃったように。ただ、国家のレベルで考えると、兵隊の規模も何万人、何十万人を動かさなきゃいけない。それを前提にすると、あと二つ重要な機能が必要になってくる。一つが補給、兵たん、ロジスティクス、もう一つが情報、インテリジェンスなんです。日本列島に置かれた米軍の機能は、出撃機能、ロジスティクスの機能、インテリジェンスの機能、この三拍子そろって、アメリカ本国に近いんです。 Angry: 0.530 Disgust: 0.301 Fear: 0.519 Happy: 0.489 Sad: 0.393 Surprise: 0.583
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02:55:09 ~ 02:56:02 小川参考人
例えば、ロジスティクスの機能。これは公表されているのに、なぜ当時の防衛庁や自衛隊や外務省は知らなかったのか不思議なんだけれども、国防総省管内で二番目の大きさの燃料貯蔵施設、横浜の鶴見を中心に展開している。三番目の大きさの燃料貯蔵施設は長崎県の佐世保を中心に展開している。そして、あと七万バレルが青森県の八戸にあるけれども、合わせて一千百七万バレル。海上自衛隊が二年もつだけの量ですよ。当時、外務省がフィリピンのスービックは海外最大の米軍基地でとか言っていたのは、あれはジャングルを切り開いているからで、面積が広いだけで、燃料の貯蔵能力だって佐世保の半分以下、二百四十万バレルしかなかった。公表されている資料を知らない日本政府、国会、マスコミ、学界、何だという話です。 Angry: 0.547 Disgust: 0.252 Fear: 0.558 Happy: 0.493 Sad: 0.280 Surprise: 0.678
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02:56:02 ~ 02:57:01 小川参考人
だから、やはりそこをちゃんと押さえていく。それが日本の抑止力として非常に機能していて、やはり中国としても日本に対する手出しをためらわざるを得ない一番大もとにある。だから、領海侵犯を繰り返す、あるいはレーダー照射事件がある、異常接近を戦闘機がやる、あるいは防空識別圏を設定する、これを全部トータルで読むと、東シナ海において日米と摩擦を起こさないために、危機管理のメカニズムを話し合って、尖閣諸島の領有権については中国側からすると事実上の棚上げ状態に持っていきたい、そういう狙いがあるわけであります。だから、とにかく、これは中国の立場で考えればわかるんですが、東シナ海でぶつかる相手は日米です。下手をすると世界的な紛争にエスカレートする可能性がある。そうなると、国際資本が中国から逃げ出す。天安門事件の二の舞なんです。 Angry: 0.692 Disgust: 0.381 Fear: 0.519 Happy: 0.370 Sad: 0.386 Surprise: 0.473
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02:57:01 ~ 02:57:37 小川参考人
その危機感はすごい。だから、とにかく東シナ海では紛争を起こさないように必死になっているということを我々は読まなきゃいけないんですね。だから、レーダー照射事件のときも、当時の佐世保地方総監の吉田海将が沖縄県知事に対して説明をしたのは、とにかく緊張は国有化以来高まっているけれども、中国や日本のマスコミが言うように今にも戦争が始まりそうな状態は一切ありません、安定しております、これがプロの見方であります。以上です。ありがとうございます。 Angry: 0.453 Disgust: 0.302 Fear: 0.509 Happy: 0.532 Sad: 0.477 Surprise: 0.516
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02:57:37 ~ 02:58:07 伊佐委員
数字も言っていただいて、非常に精緻な御説明をいただきまして、ありがとうございます。先ほど、陳述の中でも、在日米軍、第七艦隊というのが喜望峰までということもおっしゃいました。日付変更線からということを考えると、まさしく地球の半分ぐらいをカバーするぐらい、日本のアメリカに対する貢献、日米同盟への貢献というのは非常に大きいものであって、まさしく対等の日米同盟という中で今回の法案を議論しているというように私は理解をさせていただきました。 Angry: 0.332 Disgust: 0.204 Fear: 0.344 Happy: 0.831 Sad: 0.387 Surprise: 0.579
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02:58:07 ~ 02:59:03 伊佐委員
その上で、小川参考人にもう一つ伺いたいんですが、歯どめとして三つ挙げておられました。国連憲章と集団的自衛権、あと戦力投射能力なき軍事力ということをおっしゃっていただきました。つまり、戦力投射能力なき軍事力、よく批判されるのは、これから戦争できる国になるんだというような批判もございます。そもそも、他国に行って戦争をする戦力がないんだ、これが歯どめになって戦力投射能力がないという意味だと思いますが、ただ、批判する方からすれば、いやいや、今回の法改正で、制度が先に、制度を整えればその後で後追いできるじゃないか、しっかりと軍備力を増強して、防衛力を増強して、そこから戦争できる国になっていくじゃないか、その一歩なんだという批判もございます。 Angry: 0.567 Disgust: 0.359 Fear: 0.494 Happy: 0.540 Sad: 0.354 Surprise: 0.483
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02:59:03 ~ 02:59:30 伊佐委員
そういう意味で、伺いたいのは、では、そもそも戦争できる国というのがどういう国で、その国と今の日本の現状の防衛力というのがどれぐらい乖離があるのかというところ。もし普通の国というふうに言うとすれば、その普通の国になるためにどれぐらいの実力が必要で、今の日本の防衛力とどれぐらいかけ離れているかということについて伺いたいと思います。 Angry: 0.354 Disgust: 0.326 Fear: 0.533 Happy: 0.489 Sad: 0.564 Surprise: 0.538
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02:59:30 ~ 03:00:02 小川参考人
ありがとうございます。普通の国というと、何か思い出す政治家の顔もありますけれども、ただ、日本は海に囲まれている国です。だから、満遍なく軍事力を備えて、どこかの国を軍事的に圧倒しよう、あるいは占領してしまおうと思ったら、海を渡らなきゃいけない。海を渡って向こうの国の軍隊と戦って、勝って首都を押さえてということまでいかないと、戦争目的を達成できない。 Angry: 0.448 Disgust: 0.248 Fear: 0.444 Happy: 0.558 Sad: 0.552 Surprise: 0.497
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03:00:02 ~ 03:01:05 小川参考人
そうすると、日本の周り、海を渡ってどこの国に行くかというのは語弊があるから言いませんが、陸軍だけで五十万人ぐらいの規模の部隊を出撃させなきゃいけない。それを支えるだけの海軍と空軍が量的にも構造的にもなきゃいけない、こういうことなんです。ところが、自衛隊というのは、とにかく自立できない構造だと申し上げましたが、世界的な水準にあるのは、海上自衛隊の潜水艦に対する能力が世界で二番目ぐらいのレベル、あと航空自衛隊の日本列島を空の脅威から守る防空能力が世界で三番目か四番目のレベル。このレベルにそこを持っていこうとすると大変高性能な兵器が必要で、一つ一つ高い、数もそろえないと機能しない、そこで防衛費のかなりの部分は食われる。だから、あとは平均的な能力か、最初から諦めている部分が多いんです。だから、満遍なく軍事力を持っている国と同じように最初から錯覚を持って語ってしまうと、おかしなことになるということなんですね。 Angry: 0.402 Disgust: 0.296 Fear: 0.582 Happy: 0.483 Sad: 0.438 Surprise: 0.584
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03:01:05 ~ 03:02:08 小川参考人
ですから、それをきちんと押さえながら、やはり地球の裏側まで行くのか。それは、自衛官をアメリカの軍艦に乗せて、二十人ぐらい何かの任務で送るなんというのは、地球の裏側まで行けますよ。ただ、例えば陸上自衛隊の部隊を旅団規模、師団規模で地球の裏側まで持っていって米軍と一緒に戦闘行動をさせることができるかというのは、これは物理的にもできないし、そういったことをやろうとすると、どういう立場であろうとも、憲法改正が必要になるんです。これは、国際平和協力活動などに自衛隊を出すときの線引きが、残念ながら日本の官僚機構は軍事に弱いから、知識がない結果、できていませんけれども、そういったこともやはり視野に入れながら、本当に、武力行使だと言われるような形じゃないものを国際平和協力活動に出す、あるいは米軍と一緒に行動する場合でも、こういったものしか出せないんだということを明確にしていくことがある程度重要になってくるかなという感じがいたします。 Angry: 0.496 Disgust: 0.265 Fear: 0.475 Happy: 0.601 Sad: 0.405 Surprise: 0.516
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Angry: 0.419 Disgust: 0.400 Fear: 0.259 Happy: 0.837 Sad: 0.569 Surprise: 0.377
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03:02:10 ~ 03:03:00 伊佐委員
ありがとうございました。次に、もう少し現場のお話を聞かせていただきたい。折木参考人に伺いたいと思います。今回の法改正、ほかの批判を申し上げると、戦死者が必ず出るんだというような批判もあります。武器使用の基準が緩和されて、それによってリスクが高まるというような批判もございます。折木参考人は現場に長くいらっしゃったと伺っております。きょうの陳述の中でゴラン高原の例を挙げられておりましたが、それ以外にも、ハイチとか南スーダンにも行かれたというふうに伺っております。例えば駆けつけ警護、これは武器を使った任務なので非常に危ないんだ、リスクが高まるんだ、こういう御批判なわけですが、実際私が聞いている話は、相当現場で苦労をされている。 Angry: 0.423 Disgust: 0.329 Fear: 0.494 Happy: 0.564 Sad: 0.509 Surprise: 0.506
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03:03:00 ~ 03:04:09 伊佐委員
例えば、ザイールで展開中のPKOがあって、NGOで、医療のNGOも来ていた。そのNGOが車両を盗まれた。盗まれたときに、その医療NGOから展開中の日本のPKOに対して、ぜひ救援してくれ、助けてくれという依頼があった。ところが、駆けつけ警護ができないので自衛隊は動けない。結局どうしたかというと、輸送というような任務をわざわざつくり出して現場に行って邦人救出をした、こういう話を伺っております。あるいは、東ティモールでも同じようなことがあった。いろいろな理由をつくり出して、何とか今の法制度に合うものを現場でひねくり出して、そこで邦人救出に向かっている、こういうような話を伺いました。結局、駆けつけ警護は今現状できないんだけれども、それでも自衛官は現場で何とか知恵を絞ってやっているわけです。邦人が困っている、命が狙われているということになれば、自衛官の使命感とかあるいは責任感で、何とかして行こうとするわけです。 Angry: 0.503 Disgust: 0.326 Fear: 0.533 Happy: 0.453 Sad: 0.505 Surprise: 0.493
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03:04:09 ~ 03:04:51 伊佐委員
そのときに、今の法律が縛りになっていて、例えば武器使用権限だって、自己保存型しか使えませんから、あえて武器を使わずに丸腰で飛び込んでいって、撃たれて初めてやっと撃ち返して、そこで邦人を守っていく。これこそまさしく自衛隊をリスクにさらしていて、また自衛隊を危険にさらしているということじゃないかと思っております。そういう意味で、今回の法整備というのをきちっとすることで現場の自衛官のリスクを減らすことになるんだというふうに私は思いますが、現場にいらっしゃった感触として、どのようにお感じになるでしょうか。 Angry: 0.509 Disgust: 0.387 Fear: 0.554 Happy: 0.517 Sad: 0.350 Surprise: 0.518
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03:04:51 ~ 03:05:12 折木参考人
リスクに関してはいろいろな議論があるんですけれども、法全体を見てリスクが高まるとか低まるとかそういう話ではなくて、やはり一つ一つの、今度の法制でありますけれども、法の中身で、リスクには量と質の問題があると思うんですね。 Angry: 0.558 Disgust: 0.255 Fear: 0.408 Happy: 0.716 Sad: 0.261 Surprise: 0.567
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03:05:12 ~ 03:06:14 折木参考人
量の議論もよく出ていますけれども、質の議論も、今のお話ですと、私は多分質じゃないかと思っています。そういうお話だと。だから、一つ一つの法の状況とかそういうことで判断をしていかなきゃいけないし、自衛官が何を苦労しているかというと、先ほどからお話がありました、毎日毎日、いろいろな現場に派遣された自衛隊というのは危険見積もりをし、どういうふうにしてこの任務に対応すればいいんだということを考えながらやっているんです。それでリスクを自分たちで軽減している部分というのもあるかもしれません。駆けつけ警護に関して申し上げれば、確かに、先ほどのザイールというか、ルワンダの話かもしれませんけれども、そういう状況があって、やはり邦人がそばにいてそれを救出できないということは、人道的にも道義的にも、それは、任務上はもちろんですけれども、本当につらいものというか厳しいものがあると思うんですね。 Angry: 0.560 Disgust: 0.369 Fear: 0.469 Happy: 0.489 Sad: 0.412 Surprise: 0.496
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03:06:14 ~ 03:07:12 折木参考人
そういう面で、自分たちが現在派遣をされ、任務を与えられている権限の中でひねくりというか、そういう話ではないと思いますけれども、とにかく適用できる部分を自分たちで理解して今までやってきたというふうに私は理解しています。そういう中で、今回法整備を検討していただいて、今、駆けつけ警護の部分は、駆けつけ警護のための、要するに任務遂行といいますか安全確保のための武器使用ができるというふうになっています。ただ、危害防止の許容の範囲内というのは正当防衛、緊急避難ですから、むやみやたらにやっていいという話ではありませんけれども、それでも、使用できるということを法的に裏づけをやっていただけると現場というのは非常に対応しやすい、それからいろいろな見積もりもやりやすい。 Angry: 0.553 Disgust: 0.330 Fear: 0.495 Happy: 0.544 Sad: 0.390 Surprise: 0.437
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03:07:20 ~ 03:08:03 伊佐委員
ありがとうございます。現場のリスク、質の部分でのリスクを下げることにつながるんだというお話だったと思います。もう一問、折木参考人に引き続き質問させていただきますが、平素からの備えについて伺います。先ほど訓練について触れられたと思いますけれども、今回の法制度の中で、日ごろからの訓練、とりわけ今まで多国間の訓練というのがなかなか難しかったものが、これが充実されると我々は思っております。日本が今までオブザーバーとしてしか参加できなかったものが、本当に多国間の連携の中で訓練ができる、こういう備えが充実するというところもあると思いますし、あるいは、今回新法ができました。 Angry: 0.250 Disgust: 0.242 Fear: 0.400 Happy: 0.753 Sad: 0.547 Surprise: 0.549
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03:08:03 ~ 03:09:02 伊佐委員
国際的な平和と安定にどう貢献していくかという中で、これはいろいろな議論があったんです。新法を特措法にしていくのか、特措法のままでいくのか、それとも恒久法をつくるのかという議論がございました。その中で、最終的には恒久法にしようということになったわけですが、そこで議論があった。それは何かというと、恒久法にした方がまず迅速に対応できる。備えですね。これは当然、法を根拠とした訓練、平素からの訓練ができるという点もありました。また、国際社会の中で早く手を挙げることができる。そうすると、自衛隊に合った、自衛隊が得意なミッションというものを早目に選択できる。あるいは、これは余り政府の方は言わないかもしれませんが、早く手を挙げることで、より安全な地域を確保できるというようなメリットもあるというふうな理解をいたしまして、その上で恒久法というものを今回つくった。 Angry: 0.496 Disgust: 0.360 Fear: 0.481 Happy: 0.627 Sad: 0.335 Surprise: 0.580
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03:09:02 ~ 03:09:34 伊佐委員
ただ、当然、恒久法とするためには、いろいろな歯どめをかけて、発動するための要件をしっかりつくりましょう、これが今回の議論だったと私は思っております。そういう意味で、現場をこれまで何度も預かられたわけですから、なかなかこれまでできなかった備えが、これからこういうことができるんだ、こう変わるんだ、その御感触について伺いたいと思います。 Angry: 0.282 Disgust: 0.236 Fear: 0.522 Happy: 0.645 Sad: 0.509 Surprise: 0.574
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03:09:34 ~ 03:10:00 折木参考人
全体として、今度恒久法ができて何が一番メリット、部隊にとって大事になってくるかというと、今先生からお話がありました、訓練ができるということだと思うんですね。それは何かというと、やはり自衛隊は、先ほどのリスクの話じゃないんですけれども、例えば災害派遣の場合は、起こったことに対する取り組みですから、そこにはリスクの変化というのは余りないんです。 Angry: 0.386 Disgust: 0.212 Fear: 0.561 Happy: 0.493 Sad: 0.535 Surprise: 0.546
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03:10:00 ~ 03:10:55 折木参考人
ところが、一般的な任務で、海外での任務もそうですし、いろいろな戦い、予想される戦いだったらそうですけれども、それは状況がどんどん変わっていくんですね。そのための最悪の見積もりをしながら対応していかなきゃいけない。そうすると、恒久法そのものを全体の枠として整えていただいた場合に、今回の法制の場合は、多分、今までやってきたイラク特措法とか対テロのテロ特とか、私はそういうものもイメージ的には包括をした一般法だと思いますけれども、そういうものが、今までの経験も生かしながら、先の脅威も見積もりながら訓練ができる、それを繰り返し繰り返しやることができる、それは指揮官の判断も含めてですね。だから、そこに一番メリットがあるというふうに私は認識しています。 Angry: 0.437 Disgust: 0.341 Fear: 0.534 Happy: 0.544 Sad: 0.432 Surprise: 0.536
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03:10:55 ~ 03:11:20 伊佐委員
もう時間になりましたので終わりたいと思いますが、今回、備えであるとか現場のリスクを下げるという点について質問させていただいたのは、よく集団的自衛権の話をすると、アメリカの若者が血を流すのに日本の若者が血を流さなくていいのか、こういう議論、こういうことを言われるわけですが、私が思うのは、いかに血を流さないかというのが今回の法制度だと思っております。 Angry: 0.710 Disgust: 0.316 Fear: 0.553 Happy: 0.371 Sad: 0.315 Surprise: 0.373
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03:11:35 ~ 03:12:03 宮本(徹)委員
日本共産党の宮本徹です。きょうは、五人の参考人の皆様、お忙しい中、本当にありがとうございます。まず、私は、伊勢崎参考人にお伺いしたいと思います。きょう、国連PKOを取り巻く環境は激変しているということが大変よくわかりました。今回のPKO法改正の中で自衛隊の任務が拡大され、駆けつけ警護、そして安全確保業務というのが拡大されます。 Angry: 0.384 Disgust: 0.329 Fear: 0.453 Happy: 0.624 Sad: 0.542 Surprise: 0.501
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03:12:03 ~ 03:12:23 宮本(徹)委員
その中で任務遂行のための武器使用まで可能になるということになっておりますが、こういう法改正がやられた場合、自衛隊員が殺してしまう危険、殺される危険、こういうことについてどうお考えでしょうか。 Angry: 0.442 Disgust: 0.240 Fear: 0.842 Happy: 0.241 Sad: 0.405 Surprise: 0.400
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03:12:23 ~ 03:13:09 伊勢崎参考人
カンボジア以来、いわゆる国連PKOでずっと自衛隊が頑張ってきましたけれども、一発も撃たずに済んできました。事故は起きていません。これをどう捉えるかの話なんですけれども、政府の管制能力がしっかりしていてそれを未然に防いだという言い方もできると思いますけれども、現場の感覚ではちょっと違います。僕は、さっき冒頭で陳述したように、自衛隊は撃てないんですね。それを一番わかっていたのは自衛隊員なんです。つまり、撃てる環境の法整備をして送っていないので、撃てないことがわかっているのは自衛隊員なわけですね、どんな危険な目に遭おうとも。 Angry: 0.608 Disgust: 0.377 Fear: 0.529 Happy: 0.433 Sad: 0.420 Surprise: 0.462
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03:13:09 ~ 03:14:00 伊勢崎参考人
ですから、今まで無事故で済んだのは、これはひとえに、現場に送られた自衛隊員の工夫と、薄氷を踏むような思いでの任務遂行の態度で乗り切ってきたんだと思います。今までが事故が起きていないのは奇跡です。これは僕は、自衛隊に限らず、国連PKOその他、NATOの現場にも、アフガニスタンみたいなところにおいて多国籍軍と一緒に活動し、その一部を統括する任務も負ってきましたので、これははっきり現場感覚的にまず言えますけれども、自衛隊が今まで無事故で済んだのは、これは奇跡と捉えた方がよろしいと思います。今回の安保法制でその任務が拡大するわけですから、奇跡で済む可能性は非常に薄くなる。 Angry: 0.424 Disgust: 0.284 Fear: 0.573 Happy: 0.518 Sad: 0.357 Surprise: 0.597
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03:14:00 ~ 03:14:16 伊勢崎参考人
これからは多分、冒頭の陳述で僕が言ったような、根本的な法的な枠組みを考えてあげないと事故は起こります。そのときに我々はどうするかということであります。 Angry: 0.752 Disgust: 0.496 Fear: 0.419 Happy: 0.490 Sad: 0.402 Surprise: 0.360
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03:14:16 ~ 03:15:05 宮本(徹)委員
ありがとうございました。続きまして、柳澤参考人にお伺いします。きょう、柳澤さん、存立危機事態の問題について、ファクトではなく価値判断の問題になっているという御発言がありました。ネットを見ていましたら、ダイヤモンド・オンラインでは、柳澤さんは、今までの憲法解釈や法律によれば、我が国に対する武力攻撃があった場合にはという非常にわかりやすい基準があったが、今度はそれがないと指摘されて、もともと日本が攻撃を受けていないのに存立危機事態になるということはあり得ないので、政府は基準を示せない、こう言われておりますが、この点について説明していただけるでしょうか。 Angry: 0.372 Disgust: 0.247 Fear: 0.467 Happy: 0.679 Sad: 0.443 Surprise: 0.515
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03:15:05 ~ 03:16:32 柳澤参考人
まさに今委員がお読みいただいた部分そのままでありまして、やはり他国への武力攻撃があってというのはファクトとしてわかるとしても、それがどういう因果関係を通じて我が国の存立を脅かすようになるのかというのは一義的な定義ができないんだ、私はもともとそういう概念なんだろうと思うんですね。そして、先ほども申し上げましたけれども、今までの国民の自衛隊に対する支持、憲法九条との関係での支持のあり方というのは、まさに我が国が攻撃を受けた場合で、四十七年政府見解にありますように、そのときは国民の権利が根底から脅かされるということになるから、そこは自衛のための武力行使はできる、しかし、我が国が攻撃を受けていなければそうはならないので集団的自衛権は行使できないという政府の理解と国民の理解がまさに合っていた部分だと思うんですね。 Angry: 0.508 Disgust: 0.324 Fear: 0.530 Happy: 0.442 Sad: 0.374 Surprise: 0.462
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03:16:32 ~ 03:17:10 柳澤参考人
そういうことを前提に自衛隊への支持も非常に高くいただいていたということだと思いますから、それを外したときに、私もいまだに、だから具体例で言うしかない、例えばという話をするしかない、しかし、どの例えばをとってみても、さっきも申し上げたように、存立が脅かされるというところまでいく因果関係が納得できない。少なくとも私はわからないし、近場で起きたことでしたら、それは個別的自衛権のお話になってしまうのではないか、そこの区別がつかないということで。 Angry: 0.473 Disgust: 0.224 Fear: 0.599 Happy: 0.302 Sad: 0.594 Surprise: 0.480
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03:17:10 ~ 03:17:56 柳澤参考人
そうすると、結局、存立危機事態なる概念そのものがやはり非常に、そういう概念を立てていくこと自体に無理があるんじゃないか。むしろ安保条約を改定して憲法を変えて集団的自衛権を使うんですという話の方がまだ議論がかみ合ってわかりやすいのだけれども、そこを何とかかみ合わせようとしている。私は、官僚としてはとてもそこまでかみ合わせるのは無理だなと思いますし、だから、もともと説明できない概念をおつくりになったんじゃないかというのが私の印象であります。 Angry: 0.595 Disgust: 0.380 Fear: 0.560 Happy: 0.311 Sad: 0.426 Surprise: 0.425
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03:18:01 ~ 03:18:42 宮本(徹)委員
続きまして柳澤さんにお伺いしますが、新ガイドラインについて、毎日新聞の記事の中で柳澤さんはこうおっしゃっています。日本有事や朝鮮半島有事は安保条約の五条、六条を根拠としていたが、今回の地球規模での協力は安保条約上の根拠がないと指摘されて、さらに、関係法律が成立した場合、自衛隊が米軍に従属化していくようになる、こう述べられているのを見ました。自衛隊が米軍に従属化していくというのは、具体的にはどういうことでしょうか。 Angry: 0.519 Disgust: 0.237 Fear: 0.480 Happy: 0.583 Sad: 0.363 Surprise: 0.554
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03:18:42 ~ 03:19:09 柳澤参考人
その点について申しますと、今度のガイドラインでも宇宙、サイバー防衛というような新たな項目が言われておりますけれども、従来から、アメリカのネットワークの中に自衛隊も全体としてリンケージをしていく、そして、そうしなければ現代の戦争は実は戦えなくなってきているわけですね。 Angry: 0.142 Disgust: 0.127 Fear: 0.586 Happy: 0.722 Sad: 0.320 Surprise: 0.781
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03:19:09 ~ 03:20:07 柳澤参考人
ですから、私も現役のころから、そういう流れはそれはそれとして、しかし、日本有事を前提とした日米共同訓練でそういうものを実証しながら運用上の一体化を高めていく、そういうトレンドにある、それをまた推進してきたわけですけれども、それが今度は日本有事だけではなくてやっていくことになると、結局、どこに必要な事態がある、あるいは米艦防護、アセット防護にしても、どこから脅威が来ている、どの船のどのミサイルで対応するのが適当だといういわゆるウエポンアサインメントの話にしても、それはアメリカの情報ネットワークの中で、アメリカのネットワークの一環として動かざるを得ない。 Angry: 0.675 Disgust: 0.226 Fear: 0.546 Happy: 0.493 Sad: 0.198 Surprise: 0.560
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03:20:07 ~ 03:20:42 柳澤参考人
それは現実としてそうなので、そこは仕方がないんだけれども、日本防衛ならばいいけれども、そうでない場面でもそういうことになっていくという意味でオペレーション上の一体化が進む。それは言いかえれば、情報を持って主導権を持っている方が主従関係からいえば主に決まっているわけですから、言い方をかえれば、より従属を深めていくというふうに評価できるということを申し上げたと思います。 Angry: 0.518 Disgust: 0.383 Fear: 0.485 Happy: 0.624 Sad: 0.328 Surprise: 0.476
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03:20:42 ~ 03:21:18 宮本(徹)委員
情報を持っているアメリカが主になって、その中で動いていくということになるというお話でしたが、今回、自衛隊法改正案の九十五条の二で、米軍などの武器防護を対象に加えるということになりました。これによって平時でも重要影響事態でも米艦防護のために自衛隊は武器の使用ができるということを政府も答弁されているわけですが、柳澤さんの書かれたものを見ますと、これで米海軍と海上自衛隊が同じROE、交戦規定を持つと指摘されております。 Angry: 0.451 Disgust: 0.260 Fear: 0.489 Happy: 0.713 Sad: 0.258 Surprise: 0.583
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03:21:18 ~ 03:21:45 宮本(徹)委員
この場合の指揮というのは、先ほど情報はアメリカから来るというお話でしたけれども、指揮というのは具体的にはどうなるんでしょうか。米軍の現場の指揮官の判断で自衛隊が戦闘状態に入って、事実上の集団的自衛権の行使になっていくということなんでしょうか。 Angry: 0.447 Disgust: 0.314 Fear: 0.585 Happy: 0.423 Sad: 0.471 Surprise: 0.544
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03:21:45 ~ 03:22:51 柳澤参考人
結局、艦隊を組む、艦隊を組んでいなくても同じ作戦目的で、同じネットワークの中で行動している友軍同士の相互のアセット防護の関係ということでいえば、より広域の脅威情報を持っている者からの情報に基づいて、そしてトータルとしてアセット防護をし合うわけですから、そこは、指揮中枢艦となるような船の、それを法律的な指揮と呼ぶかどうかは別として、ネットワーク上のまさに統制といったらいいのか、あるいは運用調整といってもいいんですが、いずれにしても、そういうデータをもとに、それに従って反撃の武器を使用するということが求められる。 Angry: 0.612 Disgust: 0.441 Fear: 0.596 Happy: 0.478 Sad: 0.189 Surprise: 0.525
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03:22:51 ~ 03:23:09 柳澤参考人
そして、その限りで、米海軍はユニットセルフディフェンスという概念で、平時からそういう形でやっているというふうにも聞いておりますが、そういうネットワークの中に平時から自衛隊も入っていくことができる。 Angry: 0.281 Disgust: 0.284 Fear: 0.491 Happy: 0.790 Sad: 0.363 Surprise: 0.661
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03:23:09 ~ 03:23:46 柳澤参考人
今までは、日本有事であれば米艦の防護というのは個別的自衛権の範囲でできるという政府の見解が中曽根内閣のときにございましたけれども、それが平時からできるようになる。それをいいことと言うか悪いことと言うかという問題はあるけれども、しかし、それはやはり事態の拡大を政治がどのようにコントロールできるのかということとセットで議論されなければ、本来、危うい話になるのではないかということだと思います。 Angry: 0.644 Disgust: 0.291 Fear: 0.505 Happy: 0.517 Sad: 0.276 Surprise: 0.503
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03:23:46 ~ 03:24:04 宮本(徹)委員
ユニットセルフディフェンスというのは日本語にすれば部隊自衛ということになるのかと思いますけれども、事態の推移が、政治がコントロールできないまま、この九十五条の二によってどんどん進んでいくということははっきりしているというふうに思います。 Angry: 0.368 Disgust: 0.115 Fear: 0.523 Happy: 0.576 Sad: 0.443 Surprise: 0.596
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03:24:04 ~ 03:24:44 宮本(徹)委員
それで、引き続き柳澤さんにお伺いしますが、テロ特措法やイラク特措法にあった非戦闘地域という概念は憲法上のつじつま合わせだけではなかった、実質的に自衛隊を戦闘部隊の指揮下に入れず、直接の戦闘に巻き込ませないという意味があった、新たにつくる恒久法では戦闘を行っている部隊の指揮下に入ることになる、朝日のインタビューで柳澤さんはこう指摘されておりましたが、この戦闘部隊の指揮下に入るというのはどういうことでしょうか。 Angry: 0.709 Disgust: 0.189 Fear: 0.561 Happy: 0.315 Sad: 0.304 Surprise: 0.451
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03:24:44 ~ 03:25:31 柳澤参考人
指揮下に入るというのは、ですからこれも、法律的に指揮下に入るかどうか。国連PKOなんかでは指図という言葉を使ったりしていますが。つまり、従来の私どものイメージで言う非戦闘地域ではないところで活動しようとすれば、それはつまりその地域で戦闘を統制している師団なりの部隊がいるわけですから、そこに補給活動で入っていこうとしたら、それは、いつ、どのルートを通っていくのかというようなことについて司令部のコントロールのもとで動かなければ、かえって危ないわけですね。 Angry: 0.445 Disgust: 0.286 Fear: 0.592 Happy: 0.521 Sad: 0.380 Surprise: 0.586
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03:25:31 ~ 03:26:01 柳澤参考人
同士打ちの危険もあるし。状況によれば、途中で脅威情報を与えてくれて、とめることもできるかもしれないし、あるいは救援してくれることもできるかもしれないという意味で、それぐらい密接なコントロールのもとに入るという意味で、象徴的に例えばそれを指揮下に入ると言うこともあるかもしれないということで私は申し上げたところであります。 Angry: 0.340 Disgust: 0.378 Fear: 0.732 Happy: 0.413 Sad: 0.446 Surprise: 0.529
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03:26:01 ~ 03:26:33 宮本(徹)委員
密接なコントロール下に入るということで、後方支援がアメリカ軍の武力行使と一体化するというのが非常によくわかったお話だったと思います。それで、柳澤さんは、イラク特措法のとき以上のことをやれば必ず戦死者が出るとこの間いろいろなところでおっしゃっていますが、この法案で戦死者が出るというのはどういうことなんでしょうか。 Angry: 0.531 Disgust: 0.302 Fear: 0.584 Happy: 0.433 Sad: 0.303 Surprise: 0.570
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03:26:33 ~ 03:27:03 柳澤参考人
まさに法律の話ですから、それは政府の運用によって犠牲のないような運用をしていただきたいとは思うんですけれども、法律の議論ですから、法律の一番外側のところを全部使った場合にどうなるかということを考えなければいけない。そして、私の実感は、さっき伊勢崎参考人は奇跡だとおっしゃいました。 Angry: 0.403 Disgust: 0.274 Fear: 0.503 Happy: 0.549 Sad: 0.490 Surprise: 0.540
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03:27:03 ~ 03:28:08 柳澤参考人
私はあえて奇跡とまでは言いません。今まで犠牲者が出ていなかったのは非常にラッキーな要素もあったというふうに受けとめています。けれども、それは、背景にあったのは、こちらから進んで一発の弾も撃っていないわけですね。だから、イラクでいえばサマーワで一発撃ったら何発返ってくるんだという世界であるわけなので、そこを非常に抑制的にして、それは現場は非常な御苦労があったと思いますけれども、それがあるがゆえにむしろ敵視されずに来た、現地の住民たちから。それが結果として、それにプラス、ラッキーな要素もあって犠牲者が出ずに済んでいるというふうに私は実感として受けとめております。ですから、今度は進んで武器を使う任務を与えていくということであれば、それは常識的に犠牲者が出るということは当然覚悟しなければいけない。 Angry: 0.521 Disgust: 0.351 Fear: 0.477 Happy: 0.495 Sad: 0.447 Surprise: 0.460
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03:28:08 ~ 03:28:47 柳澤参考人
もちろん、折木さんがおっしゃったように、最大限の訓練やら努力はされると思いますけれども、しかし、相手がその気で攻撃してくるものを、基本的には第一撃を防ぐ手だてというのは非常に難しいわけですから、つまり、こちらから進んで銃を使うような任務を与えれば、それ相応のリスク、犠牲を当然覚悟しなければいけない。私はそのように自分の実感として確信しております。 Angry: 0.415 Disgust: 0.388 Fear: 0.449 Happy: 0.664 Sad: 0.460 Surprise: 0.416
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03:28:47 ~ 03:29:11 宮本(徹)委員
引き続き柳澤参考人にお伺いしますが、戦闘作戦行動のために発進準備中の航空機に対する給油及び整備について、これまでの周辺事態法などでは除外されるということになっていたわけですが、今回の法改正ではできるということになりました。 Angry: 0.261 Disgust: 0.233 Fear: 0.621 Happy: 0.751 Sad: 0.358 Surprise: 0.587
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03:29:11 ~ 03:29:33 宮本(徹)委員
戦闘に向けて発進準備中の米軍機への給油というのは、当然、米軍の発進準備命令があるもとでやるということになると思うんですが、これは米軍の指揮下でやるということになるんでしょうか。 Angry: 0.336 Disgust: 0.270 Fear: 0.736 Happy: 0.411 Sad: 0.322 Surprise: 0.738
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03:29:33 ~ 03:30:10 柳澤参考人
九七年ガイドラインや周辺事態法のときもその問題意識の議論はありました。私の認識は、発進準備中の航空機に給油をする、あるいは、本当に急ぐ場合はエンジンをとめずにそのまま給油するような作業もあります。そして当然メンテナンスの役務の提供も含まれているわけですから、つまり、撃ち尽くしたミサイルを補充するとか、そういう仕事も入ってくることになる。 Angry: 0.498 Disgust: 0.406 Fear: 0.565 Happy: 0.537 Sad: 0.339 Surprise: 0.555
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03:30:10 ~ 03:31:07 柳澤参考人
そして、飛行機の主要な部分の点検もやるような地上での仕事、一連の仕事がやれるということになるんだと思うんですけれども、九七年のときの認識はそういうことはやはり、では、それで飛んでいってボタンを押してミサイルが出なかったら誰が責任をとるんだということになるので、通常は必ず整備小隊とセットで戦闘機は動くんだろうと思いますね。そういう意味で、通常はニーズはまずないだろうと私は思っておりました。そして、そこまでやるとすれば、指揮下は、どっちの指揮というのは、それは我が方が指揮しちゃうかもしれませんけれども、いずれにしても、そこまでいくとさすがに、そこから発進していくわけですから、武力行使との一体化は避けられるということはとても言えない。 Angry: 0.383 Disgust: 0.263 Fear: 0.553 Happy: 0.596 Sad: 0.395 Surprise: 0.605
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03:31:07 ~ 03:31:28 柳澤参考人
当時、そういう認識もありましたけれども、整理としては、さっき申し上げたような理由で、基本的にニーズはなかろうということで除外したということ。今回はどうも、ニーズの話とそれから憲法解釈の話と、もう一回ちゃんと議論し直す必要があるんじゃないかなと思っております。 Angry: 0.415 Disgust: 0.287 Fear: 0.457 Happy: 0.686 Sad: 0.423 Surprise: 0.508
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03:31:28 ~ 03:31:46 宮本(徹)委員
時間が来ましたのでこれで質問を終わりますが、本法案の危険性がきょうの質疑を通じてもいよいよますます明らかになったというふうに思いますので、本法案の撤回を求めてさらに議論していきたいと思います。終わります。ありがとうございました。 Angry: 0.559 Disgust: 0.403 Fear: 0.410 Happy: 0.589 Sad: 0.516 Surprise: 0.361
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