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足立敏之
参議院 比例
自由民主党・国民の声
昭和29年5月20日兵庫県西宮市生まれ。(本籍地・京都府福知山市)昭和48年和歌山県立桐蔭高等学校卒業、昭和52年京都大学工学部土木工学科卒業、昭和54年京都大学大学院工学研究科修士課程修了、同年建設省入省後、兵庫県庁、東北及び関東地方整備局、河川局河川計画課河川事業調整官、内閣官房(安全保障・危機管理担当)等を経て、平成15年近畿地方整備局企画部長、平成18年河川局河川計画課長、平成21年四国地方整備局長、平成23年中部地方整備局長、平成24年水管理・国土保全局長、平成25年技監、平成26年国土交通省を退職。平成28年第24回参議院議員通常選挙で初当選○参議院自由民主党副幹事長、災害対策特別委員会理事、国土交通委員会委員、決算委員会委員○著書「激甚化する水害」(日経BP社)
足立敏之
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第203回[参] 災害対策特別委員会 2020/11/27 5号
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自由民主党の足立敏之でございます。
本日は、新妻委員長始め理事の皆様方には、質問の機会を与えていただきまして、感謝を申し上げたいと思います。
私は、御承知のとおり建設省、国土交通省で長年勤務をさせていただきまして、インフラ整備、防災、災害対応、そうした仕事に長年携わってまいりました。
本日は、そういう経験を踏まえまして、被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案、そしてそれに関連する事項につきまして質問をさせていただきますので、よろしくお願いしたいと思います。
まず、今年七月に熊本県南部の球磨川沿川を中心に激甚な水害が発生しました。
お亡くなりになられた皆様の御冥福を謹んでお祈り申し上げますとともに、被害に遭われた皆様、全ての皆様に心からお見舞いを申し上げます。
小此木大臣には、就任直後の九月の二十六日、球磨川沿川の被災状況と復旧復興の状況について把握するために、人吉市そして球磨村に入られました。
そのいつもながらの迅速な対応に心から敬意を表したいと思います。
それでは、被災者生活再建支援法について質問をさせていただきます。
まずは、今回の法改正の経緯について伺いたいと思います。
今回の法改正を行うことになったきっかけは、先ほど申しました今年の球磨川の水害だというふうに思います。
その点につきまして、経緯も含めて青柳政策統括官に確認をさせていただきたいと思います。
よろしくお願いします。
ありがとうございます。
私も、人吉市や球磨村、芦北町、八代市など深刻な浸水被害を受けた地域に、この災害対策特別委員会の委員派遣も含めまして合計五回伺いました。
その際に、浸水が二階にまで及んでいる、想像を絶するような被害を受けているたくさんの家屋を見させていただきました。
人吉市内の商店街でも、浸水深が一メーター以上の全壊、あるいは大規模半壊には至らないものの大変深刻な被害を受けている家屋をたくさん見させていただきました。
それらを見て、できるだけたくさんの浸水家屋の救済ができないか、そのように感じたところであります。
今回の法改正によりまして、球磨川の水害で中規模半壊として救済される家屋がどの程度あるのか、青柳政策統括官に伺います。
ありがとうございます。
現地で受けた印象はもっとたくさんあるなというふうに感じたところなんですけれども、できるだけたくさんの方々が救済されるようにお願いしたいと思います。
さて、今回新たに設けられました中規模半壊なんですけれども、なかなかその判定が難しいんではないかというふうに心配をしております。
この法律の附則には遡って適用できる旨の規定がございますけれども、被災してからかなり時間が経過していること、浸水していた時間もかなり長時間であったこと、こういったこともありまして、中規模半壊と判定するにはどうしたらいいのか心配されます。
具体的にどうやって中規模半壊と認定するのか、青柳政策統括官にお考えを伺いたいと思います。
ありがとうございました。
丁寧な対応をしていただいているようで、感謝を申し上げたいと思います。
やはり、人吉市の現場を見ますと深刻な浸水被害の家屋大変多うございますので、しっかり法案を成立させて、できるだけたくさんの浸水家屋の救済ができるようにお願いをしたいというふうに思います。
次に、球磨川の豪雨災害について伺います。
前回十一月二十日の当委員会では、熊本が御地元の我が党の馬場成志先生からも質問がありましたけれども、球磨川ではこれまでに経験したことのないような洪水に見舞われまして、人吉市や下流の球磨川沿川の市町村が大きな被害を受けました。
私は被災地に伺うたびに、元々計画されていた川辺川ダムがあったらなというふうにいつも感じておりました。
川辺川ダムにつきましては、御承知のとおり、平成二十一年の民主党への政権交代後に当時の前原国土交通大臣の一声で中止されました。
その後、球磨川については、ダムによらない治水を検討する場で議論が積み重ねてこられました。
しかし、結論を得るには至らず、今回の大災害が発生してしまっております。
私は、川辺川ダムが中止される前、平成十九年五月にダムを前提とする河川整備基本方針を策定した際の国土交通省の担当課長でありましたので、川辺川ダムが建設されておらず、大きな被害が出てしまったことについては大いに責任を感じているところであります。
先日の馬場先生の質問の際の井上水管理・国土保全局長の答弁にもありましたけれども、球磨川の治水対策の基本的考え方なんですけれども、球磨川本川と支川の川辺川の合流点にあります人吉盆地には非常に洪水が集まりやすい、そして下流が渓谷となっていてボトルネックとなって水が流れにくい、極めて人吉盆地は浸水被害が発生しやすい地形条件にあります。
また、球磨川本川には県で管理している市房ダムというダムがございますけれども、規模が小さくて洪水調節効果が小さい。
川辺川ダムは八千四百万立方メートルの洪水調節容量を有しておりますので、この大きな洪水調節容量を活用して洪水調節を行うことが不可欠だというふうに私は考えておりました。
ちなみに、洪水調節容量八千四百万立方メートルは、八ツ場ダムの洪水調節容量が六千五百万立方メートルでありまして、その一・三倍もありますので、効果が非常に大きいというふうに考えております。
こうしたこともありまして、七月の豪雨災害の後に国土交通省、県、流域市町村が参加していわゆる検証の場というのが設けられまして、川辺川ダムがあった場合の効果について検証がなされています。
その場に国土交通省が提示した資料の抜粋が、お手元に配付した資料の一、そして資料の二でございます。
人吉地点の水位低下効果が一・九メートル、それから浸水面積の低減効果が約六割との結果が示されています。
改めて、ここで、川辺川ダムがあった場合には今回の豪雨に対してどのような効果があったと見込まれるのか、国土交通省井上水管理・国土保全局長に伺いたいと思います。
よろしくお願いします。
ありがとうございます。
川辺川ダムがあれば大変大きな効果を発揮したのではないかと、皆さんもよく御理解いただけたのではないかと思います。
返す返すも残念なところであります。
こうした検証の場での検討と、その後の流域の関係者へのヒアリングを踏まえまして、熊本県知事の蒲島知事が、十一月十九日に県議会で、川辺川ダムについては、これまでの貯留型のダムから流水型のダムに変更して、緊急治水対策プロジェクトの一環として実施するというふうに表明をされました。
また、翌日の二十日には、知事が上京されまして、赤羽国土交通大臣と面会され、流水型ダムを含む流域治水対策をお願いをしたいというふうに要請され、赤羽大臣も、国としてもスピード感を持って検討したいと答えられたというふうに報道をされておりました。
大変大きな一歩だというふうに思います。
これまでのダムによらない治水から大きく転換されたことにつきましては敬意を表したいというふうに思います。
球磨川につきまして、今後、更に地球温暖化に伴う水害が激甚化することを考えますと、今回の熊本県知事の御発言を踏まえ、川辺川ダムを含めた抜本的な治水対策を早期に進めるべきだというふうに考えますけれども、小此木大臣の御見解を承りたいと思います。
ありがとうございます。
大臣のお言葉は大変重うございますので、温かいお言葉だというふうにしっかり受け止めたいと思います。
さて、利根川水系の八ツ場ダム、皆さんも御記憶にあろうかと思いますけれども、その八ツ場ダムにつきましては、前原国土交通大臣の八ツ場ダムを中止、川辺川ダムを中止という発言を受けまして一時工事が中断したものの、その後、流域内の都県知事の要請を受けまして方針を転換して、再検証を行って継続を決定し、昨年の台風十九号の出水に何とか間に合いまして大きな効果を上げた、そのことは記憶に新しいところであります。
川辺川ダムにつきましても、地球温暖化の進展に伴いまして豪雨災害が頻発化していることを考えますと、一刻も猶予はならないものというふうに考えます。
もちろん、川辺川ダムだけで全てを解決できるものではない、先ほど井上局長がおっしゃられたとおりだと思いますけれども、今回、緊急放流の懸念も示された市房ダムを改造するとか、調整池、堤防整備、河床掘削など、ハード対策を組み合わせ、さらには、情報伝達や避難体制の確立など、ソフト対策をしっかり組み合わせた総合的な治水対策を早期に実施に移すべきだというふうに考えます。
八ツ場ダムの教訓というのを改めて考えると、必要な施設はもうできるだけ早くに、早期に完成すべきというふうに考えますので、川辺川ダムにつきましても、他のハード対策、ソフト対策とを組み合わせて一日も早く完成すべきと考えますが、井上水管理・国土保全局長の見解を伺います。
ありがとうございます。
川辺川ダムにつきましては、是非とも一日も早く建設をされますようお願いを申し上げたいと思います。
球磨川流域の未来のために同じ過ちを二度と繰り返さないように心からお願いを申し上げたいと思います。
ところで、一点心配な点があります。
最近、水管理・国土保全局が打ち出した、先ほどからお話があります流域治水という考え方なんですけれども、お手元の資料三に国交省の資料を添付いたしましたけれども、河川管理者の取組だけでなくて流域に関わる全ての関係者が主体的に治水に取り組むという、これはとてもすばらしい考え方だというふうに私も評価をしたいというふうに思います。
しかし、流域治水についての報道など見ていますと、ダムや堤防だけに頼るのではなくてというところだけが取り上げられて、この考え方によればダムや堤防の整備は要らないというふうに見えるような、ダムを否定するダム反対の論調に戻ろうとしているんじゃないかというところがとても心配になってしまいます。
本来のハード、ソフト両面の施策を総動員して、より効果的な治水対策を進めていくという考え方がゆがめられてはいけません。
本来の流域治水が目指している方向について、改めて井上水管理・国土保全局長の見解を伺いたいと思います。
ありがとうございました。
間違いのないようにしっかり徹底していただくようにお願いしたいと思います。
続いて、流域治水の考え方に関連しまして、国土交通省が提唱している高台まちづくりという施策について伺いたいと思います。
大都市圏の低平地の治水対策としてこれまでスーパー堤防の整備が進められてきましたけれども、近年の地球温暖化の進展に伴う浸水被害の激甚化、これを考えますと、氾濫区域あるいは浸水区域の抜本的な対策が不可欠だというふうに考えます。
現に、関東・東北豪雨の際には常総市が広域に水没し、都市機能が大きな打撃を受けました。
昨年の台風十九号の際には、東京の江東三区などで広域避難、大規模な広域避難についても検討が行われています。
また、今回の球磨川の豪雨でも、人吉市の中心市街地が水没して都市機能が麻痺しています。
こうしたことに対しては、浸水に弱い施設を浸水区域から移転させる。
昨年、都市計画法の改正を行いましたけれども、これによる土地利用規制が最も効果的ではあるんですけれども、やはり既存の市街地でなかなか適用が難しいところもございます。
そこで、重要な鍵を握るのが今御説明をした高台まちづくりだというふうに思います。
資料四に国交省の資料を紹介させていただいておりますが、大都市圏の低平地で、氾濫区域内に浸水をしない、あるいは浸水しても致命的な被害は受けないエリアを人工的につくるというものであります。
スーパー堤防が河川沿いに限られるのに対しまして、川から離れた、例えば駅の周辺部であっても、区画整理や市街地再開発に併せて人工的な高台を造ったり、浸水に強い建物群を造る、そうやって造った高台や建物群を道路だとかペデストリアンデッキで結ぶ、これによりまして、浸水被害があったとしても都市機能を維持できる浸水に強い町をつくるということが、やはり大規模氾濫、大規模浸水時の壊滅的な被害から逃れるためには大事なことではないかというふうに思います。
大都市圏のゼロメートル地帯など低平地で展開する、今の考え方を、流域治水の考え方を低平地で展開するためには、この高台まちづくりの考え方が有効であり、具体的に検討が必要というふうに考えますが、井上水管理・国土保全局長の見解を伺います。
ありがとうございます。
ゼロメートル地帯などでこの施策を進めることによって、気が付いたら浸水に強い町づくりがもうできている、そんなふうにしっかり一歩一歩取り組んでいっていただければ有り難いというふうに思います。
さて、東日本大震災から来年の三月には十年が経過をいたします。
私も、あの東日本大震災からの復興道路として整備が進められている三陸沿岸道路の開通式などにお声が掛かって現地に参りますけれども、その際に、お手元の資料でございます、資料五の気仙沼市の東日本大震災の遺構・伝承館に立ち寄りました。
この施設は、津波で被災した気仙沼の向洋高校という学校の建物を震災遺構として保存するとともに、そのすぐそばに震災伝承館というものを併設して、震災にまつわる様々な展示を行って後世に記憶と教訓を伝えているものであります。
一枚めくっていただきまして、資料六ですけれども、これは陸前高田市の方なんですけれども、東日本大震災津波伝承館、いわてTSUNAMIメモリアルという施設でございます。
この施設も、やはりあの津波で被災した陸前高田市の高田松原に国営公園として整備された高田松原津波復興祈念公園の主要施設として整備されたものであります。
津波で犠牲になられた方々への追悼、鎮魂を祈るとともに、様々な展示を通じて震災の記憶と記録と教訓を後世に伝えようというものでございます。
震災当時、災害対応に全力で頑張った東北地方整備局の災害対策室もそこで再現されています。
是非、本日御出席の先生方には、足を運んでこれらの施設も是非御覧いただければ有り難いというふうに思います。
ところで、各地の復旧復興が進む一方、震災の記憶が少しずつ薄らいできているというのも現実のように思います。
こうしたことを危惧しまして、東北地方では、東北経済連合会だとか東北地域づくり協会など、そうした団体のリーダーシップで産学官民が協力して、三・一一伝承ロードという取組が始まっています。
私が今着けておりますピンバッジがその活動の一環として作られたものなんですけれども。
資料七の方にそのイメージを示しましたけれども、ちょっと小さくて申し訳ありませんが、東日本大震災の教訓を学ぶために、震災の伝承施設のネットワークを活用して防災に関する様々な取組や事業を行うというものでございます。
その活動によって、防災に対する意識の向上を図るとともに、地域や国境を越えた人々の交流を促進させて、災害に強い社会の形成、多数の来訪者との交流により地域の活性化を図ろうという考え方であります。
私自身、非常にすばらしい取組だというふうに思っております。
しかし、残念ながら、首都圏ではこうした取組について知っている方々はまだまだ少ないように思います。
近く十周年を迎える東日本大震災の記憶の伝承のために、この三・一一伝承ロードなど、地域に根差した様々な取組を国としてもしっかり支えていくことが大事だというふうに考えますが、小此木大臣の見解を伺いたいと思います。
大臣、ありがとうございます。
こうした取組をしっかりみんなで支え合って、震災の記憶が引き継がれていくようにしていきたいというふうにお願いしたいと思います。
次に、公共投資による経済対策の方に参ります。
お手元の資料八に示しておりますけれども、新型コロナウイルスの感染拡大に伴いまして、経済的な面でも大きな影響が出ています。
四月から六月にかけてGDPの伸びはマイナス二八・一%、十一月十六日に発表された七月―九月のGDPは二一・四%回復をいたしましたけれども、一月―三月期に比べるとマイナス一二・七%というふうなことになりますので、まだまだ厳しい状況にあるというふうに考えます。
そんな中で、公共投資は四月―六月では四・六%の増、七月―九月についても一・五%の増ということで、景気を下支えする大事な役割を果たしてきております。
このような状況の下に、一次、二次にわたり経済対策が発表されてまいりましたけれども、これまでの補正は感染症対策とコロナの直接的影響への対応に限られていたことから、やはりこの段階で公共投資を含めた更なる経済対策が必要だというふうに考えます。
総理の方からは、十月十日に当面の経済財政運営についてを発表されまして、新たな経済対策を策定するというふうに表明をされておられます。
この経済対策の三つの柱の一つに、防災・減災、国土強靱化、これがしっかり位置付けられておりまして、大変重要な御判断だというふうに心から敬意を表したいと思いますし、しっかり進めていただきたいというふうに思っています。
しかしながら、こうした動きに対しまして、一部には、公共工事を追加する経済対策を行っても、建設分野の人手不足の影響で繰越しが増えるだけだとか、不調、不落ばかりで執行ができないのではないかなどという指摘があり、実際に報道もございました。
実のところは、資料九にお示ししていますが、建設投資がピークであった平成四年当時と比較して、金額ベースで今約三三%減少していますけれども、建設分野の就業者数は約二〇%しか減少しておりませんので、マクロ的に見ましたら施工能力は十分確保できているというふうに考えます。
こうした人手不足の影響で執行ができないという指摘もありますけれども、私が建設分野の方々とお話をしている限りでは、一部のその災害の激しかった地域ではそういったこともあるけれども、現在はもう仕事も不足してきているという声もたくさん聞くようになってきています。
とても大きな乖離があるように思いますが、国交省の認識を天河審議官にお伺いしたいと思います。
ありがとうございました。
どうも人手不足の影響というのは、まあうそだと言うのは良くないかもしれませんけれども、間違った報道ではないかというふうに思います。
さて、今回の経済対策の一つの柱であります防災・減災、国土強靱化対策、平成三十年度から、お手元の資料十に示しましたが、毎年一兆円近い公共事業予算が、当初予算、公共投資は六兆円ですけれども、それに加えて上積みで、別枠で上積みされてきております。
しかし、令和三年度の概算要求では、この分が現時点では事項要求という扱いで、具体的な金額は明示されていないということになっています。
これまでの三か年緊急対策については地方の身近な公共事業に投入されて、例えば河床掘削だとか堤防強化、こういったことで水害が防止されたとか、道路ののり面対策だとか強靱化の施策を行って道路ネットワークが強化されたとか、地方自治体の皆さんから大変大きな効果があったんだという高い評価をいただいております。
このため、全国の知事さんや市町村長さんから、この予算については三か年にとどまることなく五か年でとか、中長期的にしっかり確保してほしいとか、老朽化対策だとか交通ネットワークの整備など事業メニューの拡充もしてほしいとか、いろいろ強く要望されております。
小此木大臣の所信の中でも、三か年緊急対策について言及がございました。
また、政府・与党でも、現在、この予算については五か年に延長するとか別枠で上乗せするとか、いろいろ必要十分な予算を確保すべきという方向で一致しているように見えます。
全国各地から私のところにも声は届いていますが、小此木大臣のところにもいっぱいそういう声は届いておると思いますけれども、今後、この防災・減災、国土強靱化、どのように取り組んでいかれるのか、小此木大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
ありがとうございます。
大変胸に突き刺さるお言葉をいただいたように思います。
本当に、防災面のプロであります小此木大臣にそこまで言っていただけると、何とか明るい、何というか展開が開けてくるんじゃないかというふうに期待をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
日本の公共投資なんですけれども、財政再建ということで平成十年をピークに減少を続けまして、残念ながら、新規事業の着手がおろそかになったり、先ほどダムの話もしましたけれども、ああいう大規模プロジェクトが止まってしまったり、維持管理やメンテナンスが不十分になったり、大きな影響が生じました。
そのツケで日本は地球温暖化に伴う気候変動により災害のリスクが高まっておりまして、毎年大規模な水害、土砂災害が発生する極めて脆弱な国になってしまっているというふうに思います。
また、インフラの整備水準についても、韓国、中国、台湾と比較してももう二流、三流になってしまっているんじゃないかというふうに思います。
現に、港湾、空港、高速道路などの交通インフラが国際競争力を失って、生産性の低い残念な国土になってしまっています。
日本は、ここで大きくかじを切って、安全、安心で強靱な国土、そしてインフラも再び一流レベルに取り戻していく、そういう必要がある。
そのためにしっかりと公共投資を十分していただくようにお願いを申し上げまして、私の方からの質問を終わります。
ありがとうございました。
第203回[参] 国土交通委員会 2020/11/26 2号
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皆さん、おはようございます。
自由民主党の足立敏之でございます。
本日は、江崎委員長を始め理事の皆様に、質問の機会を与えていただきまして、心から感謝を申し上げたいと思います。
私は、建設省、国土交通省で長年勤務をしまして、インフラ整備あるいは防災、災害対応に取り組んでまいりました。
本日は、そうした経験を踏まえまして、少し大野先生とダブるところがありますけれども、お許しをいただきまして質問をさせていただきたいというふうに思います。
よろしくお願いいたします。
まず、新型コロナウイルスの感染拡大に伴いまして、社会的な面だけではなくて経済面でも大きな影響が出ています。
お手元に資料一をお配りをしてございますけれども、四月から六月のGDPの伸びはマイナス二八・一%、十一月十六日に発表されました七月から九月のGDPは二一・四%、済みません、先ほどマイナス二八・一で、今回は二一・四、回復はいたしましたけれども、一月―三月期に比べますとまだマイナス一二・七%と、厳しい状況にあるというふうに考えられます。
そんな中で、小さい字で書いてありますが、公共投資は四月から六月では四・六%の増、七月から九月につきましても一・五%の増と、景気を下支えする大事な役割を果たしてきています。
このような状況の下、これまで一次、二次にわたりまして経済対策が発表されてまいりました。
しかし、これまで補正は感染症対策とコロナの直接的影響への対応に限られており、経済回復が道半ばであることを考えれば、公共投資を含めた更なる経済対策が必要だというふうに考えております。
総理は、十月十日、当面の経済財政運営についてを発表されまして、新たな経済対策を策定することを表明されておられます。
この経済対策の三つの柱のうちの一つに、防災・減災、国土強靱化を機動的、弾力的にしっかり進めるとともに、災害からの復旧復興を加速するなど、安全、安心を確保するという項目がございます。
大変重要な判断だと敬意を表したいと思います。
しっかり進めていただきたいと思います。
しかしながら、こうした動きに対しまして、一部には、公共工事を追加して経済対策を行ったとしても、建設分野の人手不足の影響で繰越しが増えるだけだとか、不調、不落ばかりで執行ができないのではないかなどという指摘がございます。
実際のところ、資料二の方にお示ししましたけれども、建設投資がピークであった平成四年当時と比べまして、金額ベースでは現在三三%減っておりますけれども、建設分野の就業者数という観点で見ますと約二〇%ぐらいしか減少しておらず、マクロ的に見れば施工能力は十分確保できるのではないかというふうに考えております。
私が建設分野の皆さんから聞いている話でも、人手不足は災害の非常に激しかった一部の地域のことで、現在は仕事不足というような状況だというようなことも聞いております。
公共工事が人手不足で執行できないというようなことはないと思いますけれども、国土交通省の認識を青木不動産・建設産業局長にお伺いします。
ありがとうございました。
今回の経済対策の一つの柱であります防災・減災、国土強靱化でございますけれども、資料三にお配りしておりますが、平成三十年度から、三か年緊急対策という形で毎年一兆円近い公共事業予算が六兆円の当初予算に加え別枠で上積みをされてまいりました。
しかしながら、令和三年度の概算要求ではこの分が現時点では事項要求という形で、具体的な金額が明示されていないのが実情でございます。
この三か年緊急対策については、先ほど大野先生からも、赤羽大臣の御答弁の中でもお話ありましたけれども、身近な公共事業に投入されまして、河床掘削あるいは堤防強化で水害を防止したり、道路ののり面対策などによりまして道路ネットワークの強化に活用されるなど、地方自治体の皆さんから、大変大きな効果があったと大きな評価をいただいています。
このため、全国の知事さんや市町村長さんからは、この予算については三か年にとどまらず五か年に延長して中長期的に拡充すること、さらには、老朽化対策や交通ネットワークの整備など事業メニューの充実を図ること、こういう要望もいただいてございます。
また、政府・与党において、国土強靱化につきましては五か年に延長して、当初予算の別枠で上乗せして必要十分な予算を確保すべきというような方向で一致しているというふうにも聞いております。
防災・減災、国土強靱化、今後どのように取り組んでいかれるのか、赤羽国土交通大臣の見解を伺います。
ありがとうございました。
赤羽大臣のリーダーシップでしっかりと予算が確保されるようにお願いしたいと思います。
続きまして、本年七月に激甚な被害が発生しました球磨川の治水対策についてお伺いをいたします。
今年七月にも、国土交通委員会で赤羽大臣に質問をさせていただきました。
熊本県南部を流れる直轄河川の球磨川では、これまでに経験したことのないような洪水に見舞われまして、人吉市や下流の球磨川沿川の市町村、大きな被害を受けました。
赤羽大臣も再三現地に足を運ばれましたけれども、私も、これまで五度にわたり被災地に伺いまして現地を見させていただきまして、元々計画されていた川辺川ダムがあればもう少し被害を軽減できたのではないか、とても残念に思っているところであります。
川辺川ダムにつきましては、御承知のとおり、民主党への政権交代直後に前原国土交通大臣の一声で中止されまして、その後、球磨川につきましては、ダムによらない治水を検討する場、そこで議論を積み重ねてこられました。
しかしながら、結論を得ることができないまま今回の大災害が発生してしまいました。
私は、川辺川ダムを前提とした河川整備基本方針、これを平成十九年に策定した当時の国交省の担当課長でございましたので、川辺川ダムが建設されていない現状につきましては、自らの責任も痛感しているところであります。
今回の豪雨災害後、国土交通省、県、流域市町村が参加して検証の場が設けられました。
川辺川ダムがあった場合の効果について検証がなされています。
その場に国土交通省が示した資料、お手元に資料四、資料五を準備させていただきました。
資料四は、人吉地点で水位は一・九メーター低下したんじゃないかという資料でございます。
もう一点、資料五につきましては、浸水面積についても約六割低減したのではないかという資料でございますけれども、川辺川ダムがあった場合にはこの熊本の豪雨災害に対してどのような効果があったと見込まれるのか、改めて井上水管理・国土保全局長に伺います。
ありがとうございます。
川辺川ダムがあれば大変大きな効果を発揮したものと確信できます。
こうした検証の場での検討と、その後の流域の関係者へのヒアリングを踏まえまして、蒲島熊本県知事が十一月十九日に県議会で、川辺川ダムにつきましては、これまでの貯留型のダムから流水型のダムに変更して、緊急治水対策プロジェクトの一環として実施すると表明をされました。
大変重要な一歩だというふうに思います。
これまでのダムによらない治水から大きく転換されたことにつきましては、心から敬意を表したいというふうに思います。
球磨川につきまして、今後更に地球温暖化に伴って水害が激甚化することを考えますと、今回の熊本県知事の御発言を踏まえて、川辺川ダムを始め様々な対策を急ぐべきだというふうに考えますが、赤羽国土交通大臣の御見解を伺います。
ありがとうございます。
赤羽大臣のリーダーシップに大きく期待したいというふうに思います。
球磨川の流域の未来のために、これまでと同じ過ちは繰り返さないように、心からお願いを申し上げたいというふうに思います。
次に、建設業の被災についての質問に参ります。
今年の台風十号の際に、宮崎県の椎葉村で大変痛ましい災害が発生してしまいました。
資料六にお示ししてございますけれども、大雨によりまして土石流が発生し、建設会社の社屋と住宅が直撃を受けました。
社長さんは何とか助かったんですけれども、奥様と御子息の専務、ベトナム人の技能労働者二名が巻き込まれました。
まだ三名の方が行方不明でございます。
御子息の奥様とお子様は、ずっと下流の安全な日向市に避難されたと聞いております。
実は、被災された方々は、台風通過後の復旧作業のためにそこにとどまって待機をしていて土石流に巻き込まれたというふうに聞きました。
まさに、住んで守っている地域の建設業の役割自体を示した大変悲しい出来事だったというふうに思っております。
国土交通省にはこうした方々への支援方策を現在検討していただいておりますけれども、地域の守り手として災害のときにも頑張っている建設業の方々への適正な評価、そして処遇の改善が必要だというふうに思います。
こうした災害による被害に対しまして、国交省としてどういう支援を考えておられるのか、青木局長に答弁をお願いします。
ありがとうございました。
地域の守り手、建設業にとって少しでも心の支えになれば有り難いと思います。
青木局長は宮崎県でも勤務されましたので地域のことは精通されておられますが、よろしくお願いしたいと思います。
それでは、デジタル化について、残りの時間で御質問させていただきたいと思います。
国交省では、i―Constructionとしまして、ICTやAIを駆使して、さらに、デジタルデータも活用しまして建設分野のデジタル化を進めてこられました。
赤羽大臣の所信の中でも、インフラ、物流分野等のデジタルトランスフォーメーションという文言がございました。
菅義偉内閣の一丁目一番地の政策であるデジタル化について、政府をリードして国交省取り組んでこられたことにつきましては心から敬意を表したいというふうに思います。
お手元の資料、資料七でございますけれども、先日、秋田県の東成瀬村の東北地方整備局が建設を進めている成瀬ダムというダムの現場に伺いました。
台形CSGという最新のダム施工技術で工事が進められているんですけれども、ここでは、自動化施工が全面的に展開されています。
具体的に言いますと、このダム本体の施工をブルドーザーだとか振動ローラーだとか、表面を締め固める章動ローラーだとか、いろんな機械が、重機があるんですけれども、その熟練者の操作を分析してプログラミングして、同時に複数の重機が全自動で動いて作業をしてございます。
私は、二つのダムの現場で担当しておりました経験がございますが、ブルーワークとかそういったものが全自動化なんかできるなんて想定したこともなかったので、現地で大変驚きました。
これからまたダンプトラックも自動運転にして、来年ぐらいになると二十数台の機械が無人化で施工すると、そういうような場面も見られるというふうに伺いまして、大変驚いたところであります。
また、平成二十八年の熊本地震の際には、阿蘇大橋のところで大規模な崩壊がありました。
この危険な現場の施工でも全自動の、遠隔操作ですかね、そういった最新技術を活用したというふうに聞いておりますし、雲仙の砂防ダムや水資源機構の川上ダムなんかでも自動化施工というのが進んできているというふうに伺いました。
こうした建設現場のデジタル化について、国土交通省として今後どのように技術的に取り組んでいかれるのか、東川大臣官房技術審議官にお伺いをいたします。
ありがとうございました。
建設産業の未来に向けて、すばらしい環境となりますように国土交通省でしっかり進めていただければ有り難いと思います。
よろしくお願いします。
以上です。
第201回[参] [閉] 国土交通委員会 2020/07/30 1号
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おはようございます。
自由民主党の足立敏之でございます。
本日は質問の機会を与えていただきまして、田名部委員長、各理事の皆さんに心から感謝を申し上げたいと思います。
私は、建設省、国土交通省で勤務をしまして、インフラ整備、防災、災害対応などに取り組んでまいりました。
本日は、その経験を踏まえまして、熊本県を中心とする豪雨災害について質問をさせていただきたいと思います。
まず、その前に、ゴー・ツー・トラベル事業について伺いたいと思います。
政府では、新型コロナウイルスの影響による観光業等の冷え込みに対する支援策として、旅行需要の喚起を目的としたゴー・ツー・トラベル事業を七月二十二日から開始をしております。
しかし、東京都における感染の拡大を受けまして、先ほど大臣からもお話ありましたとおり、七月十六日に東京都の除外が発表され、それに伴ってキャンセルが相次ぐこととなりました。
国交省は、当初はキャンセル料を補償しないとしていましたけれども、それに対する反発の高まりを受けまして、二十一日に急遽、キャンセル料を支払うとの方向転換を発表されています。
かなり混乱しているのではないかと受け止めた方々も多かったのではないかというふうに思います。
赤羽大臣も大変だったと思いますが、反省をしていただく点もあろうかと思います。
ところで、私は、豪雨災害の視察で、四連休の初日の二十三日に大分県に伺いました。
羽田からの飛行機はそんなに観光の方が多いというふうには感じませんでしたけれども、現地の高速道路の大分道では福岡方面からの乗用車が結構多くて、四連休に向けて九州の中では観光の動きが少し活発化してきているのではないかというふうに感じました。
ただ、大分県内では、日田市だとか由布市など温泉街が一部被災をしておりまして、そうした地域に対しましてはしっかり配慮してゴー・ツー・トラベル事業を行っていただきたいというふうに思います。
観光需要につきましては、インバウンドは二割弱で、国内観光が八割近くあるというふうに言われています。
観光分野の活性化につきましては、まずは、近場を自家用車で観光するような、いわゆるマイクロツーリズムから始めるべきだというような御意見もあるというふうに承っております。
また、本格的な観光需要の回復に向けまして、現段階では旅行する側も受入れ側も新型コロナウイルス対応について慣れていない、そんな状況下にありますので、赤羽大臣の冒頭の御発言でもありましたけれども、ウイズコロナ時代の新たな生活様式に対応した安全、安心な新しい旅のスタイル、新たな観光様式と言ったらいいのかもしれませんけれども、そうしたことを着実に定着させる観点からも、このゴー・ツー・トラベル事業は大事な取組であるというふうに考えています。
赤羽大臣に伺いたいと思います。
ゴー・ツー・トラベル事業につきましては、新型コロナウイルスの感染状況の拡大につながらないという大前提の下で、感染状況も勘案しつつ、ウイズコロナ時代の新たな観光様式を定着させるためにも、引き続きしっかり取り組んでいくべきと考えますが、赤羽大臣の見解を伺います。
ありがとうございます。
私も、被災地の視察の際に宿泊をしておりますけれども、大臣から今お話がありましたとおり、すごく気を遣って丁寧にコロナウイルス対策をやられているなというふうに実感をいたしました。
そういったことが定着していくことがやはり大事でありますので、このゴー・ツー・トラベル・キャンペーンがその後押しになればいいなというふうに思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
さて、七月三日から降り続きました大雨で熊本県南部を中心に激甚な災害が発生しました。
その後も、停滞する前線の影響で、大分県や岐阜県、長野県、また昨日も山形県の最上川で大規模な浸水被害が発生するなど被害は全国に広がっておりまして、二十八日現在、八十人を超える犠牲者が出ているというふうに承っております。
お亡くなりになられた皆様の御冥福を謹んでお祈り申し上げますとともに、被害に遭われた全ての皆様に心からお見舞いを申し上げたいと思います。
私は、熊本県の被災地を二度視察させていただきました。
そのほか、大分県、岐阜県、大臣には及びませんけれども、被災地に足を運んでおります。
またあしたも熊本の被災現場に伺うこととしておりますけれども。
国土交通省では、赤羽大臣の陣頭指揮によりまして、直ちに非常災害対策本部を立ち上げ、お話がありました海上保安庁による救助活動や行方不明者の捜索活動に取り組まれますとともに、テックフォースそして災害対策用機械の派遣など、国交省を挙げて災害対応に全力で取り組まれました。
心から敬意を表したいと思います。
また、新型コロナウイルスの影響下で、現場の最前線で整備局あるいは運輸局とともに災害対応に当たっておられる建設関連産業、あるいは物流関連産業の皆様にも感謝を申し上げたいというふうに思います。
さて、今回の梅雨前線による豪雨災害を始め、ここのところ三年ほどですけれども、三年前の九州北部豪雨、二年前の西日本の豪雨、昨年の台風十九号による東日本の豪雨災害など、近年激甚化する豪雨の発生状況、こういったものを踏まえますと、地球温暖化に伴って気候が大きく変化し、これまで生じていなかったような現象が発生している、そのように私は心配をしております。
地球温暖化に伴う気候変動の影響につきましては、国土交通省水管理・国土保全局において、今後見込まれる降雨量の変化について検討しておられます。
実は私が河川計画課長のときに着手をしたものでございますけれども、資料一の方に最近の検討の概要が、配らせていただきました国交省の資料でございますが、温暖化によりまして気温が、下の方の表ですが、気温が二度上昇すると降雨量が北海道や九州北西部で一五%増加する、ほかの地域でも一〇%増加するというふうに予測されています。
また、より温暖化が進行して気温が四度上昇しますと、北海道や九州北西部では降雨量が約四〇%、その他の地域でも二〇%増加することが見込まれており、これは大変深刻な状況と言わざるを得ないというふうに思っています。
気象庁長官に伺いたいと思います。
近年頻発する水害、土砂災害、地球温暖化に伴う気候変動の深刻な影響と考えられるのかどうなのか、長官の見解を伺います。
ありがとうございました。
気象庁においては、しっかりモニタリングを行っていただきたいと思いますし、地球温暖化に伴う豪雨災害が深刻化しているということが分かった段階では適時的確に情報発信をしていただくように、国民に警鐘を鳴らしていただくようにお願いをしたいというふうに思います。
次に、国による権限代行について伺いたいと思います。
大臣の冒頭の御発言の中にもありましたが、今回の豪雨災害によりまして、熊本県南部では至る所で通行止めが発生しました。
特に、球磨川沿い、渓谷沿いでございますけれども、県管理の国道二百十九号では、先ほどもお話ありました、路面から三メーター、四メーター、あるいは場所によっては五メーターぐらい高いところを水が流れた痕跡がありまして、道路が流されたり橋が落ちたり、大変深刻な被害が出ております。
対岸の県道中津道八代線についても同様でございまして、その周辺を含め、孤立集落がおびただしい数発生をいたしました。
それらについては、国道二百十九号や県道を始め、落橋した十橋を含めて延長百キロ、これまでなかったことだと思いますが、すごい延長について国が権限代行で復旧を行うことになるという発表がありました。
お手元に資料二を配っておりますが、渓谷の狭隘部で、大変技術的にも厳しい復旧となろうかと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
また、球磨川の県管理の支川、九河川約三十三キロについても国が権限代行で対策を実施するというふうに発表がありました。
一枚めくっていただきまして、資料三、河川の権限代行の資料ですが、深刻な被害を各河川受けております。
今回の豪雨災害に対してはこのぐらいの体制を組んでいただかないと、権限代行でないと復旧は難しいというふうに思っておりましたので、整備局の取組には心から感謝を申し上げたいと思います。
なお、権限代行に当たりましては、組織や定員が必要だからといって、打ち出の小づちのようにとよく言われますが、湧いてくるわけではありません。
資料の四にお示しをしておりますけれども、ここのところ豪雨災害が起こるたびに権限代行でいろんな対策を講じていただいているのは有り難いんですけれども、新しい組織をやっぱり必要としておりまして、こういう組織が設置されています。
これに伴いまして整備局の組織、定員の確保が大変厳しい状況にあるんじゃないかというふうに思いますが、災害対応のため国が権限代行で復旧するケース増加しておりますけれども、国交省として組織、定員面での問題が生じていないのか、どこか苦労している点があるのではないかということだと思いますが、官房長に伺いたいと思います。
ありがとうございます。
組織、定員がベースですのでしっかりと、これはここにいらっしゃる委員の皆様方にも応援をいただいて、国交省の定員、組織がしっかり整備されるようにお願いをしたいと思います。
次に、球磨川の治水対策について伺いたいと思います。
今回、熊本県南部を流れる直轄河川の球磨川では激甚な洪水に見舞われまして、人吉市内の商店街、温泉街、住宅街、大変大きな被害を受けました。
資料五に写真を示してございますけれども、被害は二階まで及んでおります。
私も人吉市の中心街を視察しましたけれども、浸水による被害とても大きくて、建物の二階が床上浸水しているというような、なかなか前代未聞の大きな被害を受けておりまして、被害の甚大さに心を痛めたところであります。
また、球磨川沿いの温泉街も被災しておりまして、老舗の温泉旅館の川に面した側の窓ガラスが大きく割れて、内部に洪水が浸入して大量の土砂が堆積するなど、大変な被害を受けていました。
右下の写真がその温泉の内部になります。
一方、人吉市内の青井阿蘇神社という国宝に指定されている伝統のある建物がありますけれども、今回の出水で楼門や拝殿まで浸水しています。
お手元、資料の六でございます。
今回の水害見て取れますが、右側の写真、鳥居が辛うじて頭を出しているぐらいの浸水被害でありました。
宮司さんによりますと、楼門とか拝殿まで浸水するのは寛文九年、一六六九年、あるいは正徳二年、一七一二年、この江戸時代の大洪水以来のことというふうに伺いました。
まさに今回の水害は歴史的洪水であったというふうに言えると思います。
一方、下流の球磨村や芦北町の球磨川の沿川地区あるいは八代市の坂本地区など球磨川の渓谷部でも、次の資料の七になりますが、道路面から三、四メーター、場合によっては五メーター以上の高さまで洪水が達成するなど、深刻な被害が発生しています。
芦北町長からは、水防災事業で宅地のかさ上げを行ったところでも軒先近くまで水が来た、かさ上げしたところでも二階まで、二階近くまで水が来たという話を伺いまして、大変驚きましたけれども、信じられないほど大量の流水で激甚な被害を受けている、そういう状況でございました。
赤羽大臣には、再三現地の方に入っていただきまして、感謝を申し上げたいと思います。
このように球磨川沿いの人吉市、その下流の球磨村がこれまでにない想像を絶するような大きな被害を受けているのを見ますと、元々計画されていた川辺川ダム、これがあればもう少し被害を軽減できたのではないかというふうに残念に思っております。
人吉盆地での氾濫を軽減する方法として考えられるものは、まず、下流の川幅を広げるとか川底を掘る、こうして早くに海に洪水を流してしまうというのが一つの方法としてあるんですけれども、この球磨川では海まで延々と渓谷部を四十キロぐらいにわたり河川改修をしないといけない、そういうふうになってしまうものですから、現実的なものではありません。
したがって、氾濫してたまってしまった分ですね、しまう分をあらかじめ人吉盆地より上流のところでため込んでしまって氾濫量を減らす、その方法がダムということになるんですけれども、こういう方法が必要であったんではないかというふうに思います。
川辺川ダムにつきましては、少し古い話になるので御存じでない先生方もおられますので、おとといも災対特で少しお話をさせていただきました、そのときに出席された先生方には申し訳ないんですけれども、私の方から、少し長くなりますけれども、川辺川ダムの紹介をさせていただきたいと思います。
資料八でございますけれども、こちらの方に川辺川ダムの概要の資料を準備をさせていただきました。
川辺川ダム建設事業ですけれども、昭和四十年七月の球磨川の大水害を踏まえまして計画されました。
昭和四十二年に実施計画調査、昭和四十四年に建設事業に着手されています。
当初は洪水調節とかんがい用水の補給、発電を目的としておりまして、昭和五十一年三月には、特定多目的ダム法という、ダムを建設する際の法律ですけれども、これに基づいて基本計画が策定されています。
なお、既にかんがい用水の補給と発電は事業からの撤退を発表されています。
ダム湖の予定地となるところから移転を余儀なくされるいわゆる水没家屋が五百四十九世帯に上りまして、用地交渉は難航しました。
しかし、平成二年に地権者と補償基準を妥結して、現時点では九九%の地権者が既に頭地代替地と言われる高台などに整備されております代替地に移転済みでございます。
お手元の資料にあるのが頭地代替地でございます。
また、付け替え道路も九割は完成しておりまして、既に切替えが終わっています。
さらに、本体工事のために川の水を切り替える仮排水路トンネルというのを本体工事中には設けますけれども、これも平成十一年に、実は二十年前に完成をしておるというようなことでございます。
しかし、平成初頭以降に全国的にダム反対運動が広がりまして、川辺川ダムにつきましても反対運動が活発化しました。
そんな中、平成十九年五月、十年ほど前ですけれども、川辺川ダムを前提とする河川整備基本方針というのを、当時、潮谷、前の熊本県知事さんでございますけれども、了解をいただきまして策定をしています。
実は、その際、本省の河川計画課長として策定に携わったのが私でございまして、済みません、経緯をかなり詳しく知っているのはそういうことでございます。
そのときの基本的な考え方を申し上げますが、球磨川と支川の川辺川の合流点に人吉盆地がありまして、洪水が非常に集まりやすい構造です。
下流は先ほどから話をしていますとおり渓谷となっていて狭窄部になっていまして、水が下流に流れにくい。
そんな状況で、人吉盆地自体が浸水被害が非常に発生しやすい、そういう地形条件にあります。
球磨川本川には県で管理している市房ダムというダムがあるんですけれども、規模が小さくて洪水調節効果が小さいので、川辺川ダム、これは八千四百万立方メートルの洪水調節容量を予定しておりましたけれども、このダムがやっぱり流域の洪水防御には不可欠だというふうに考えていたところでございます。
ちなみに、この洪水調節容量八千四百万トンは八ツ場ダムの六千五百万トンの一・三倍に当たりますので、効果は非常に大きいというふうに思っております。
しかし、その後、川辺川ダムの受益を最も受ける人吉市だとかダムサイトの相良村などがダムへの反対を表明されまして、それを受けて平成二十年九月に現在の蒲島知事が、計画を白紙撤回し、ダムによらない治水対策を追求すると発言されて検討に入り、平成二十一年九月の政権交代を受けて、前原元国土交通大臣が、ダム本体工事は中止、生活関連対策は継続との方針を発表されまして今日に至っているところであります。
法手続的には何の問題もないプロジェクトが大臣の一存で中止されるというのは、我が国ではこれまでになかったことであります。
その影響が今回の水害にも現れていると私は思っています。
ただ、そのような政権の成立を許してしまったこと、そして、再度、政権交代後も事業を再開できていなかったことにつきましては、残念ですが、我々も反省しなくてはならないことだというふうに思っています。
なお、同じ時期に前原元国土交通大臣が中止を表明されました八ツ場ダムですけれども、流域の都県知事、上田元知事は今退席しておられますけれども、流域の都知事の反対を受けまして再度検証を行うこととなり、その結果、民主党政権下の前田元大臣の下で事業継続というのが打ち出され、再度、政権交代後にダムの本体工事に着手して、去年の十月に完成して、台風十九号のときに利根川流域が洪水に見舞われた際に大きな効果を発揮しました。
そのことは皆さんも御記憶にあろうかと思います。
なお、球磨川につきましては、ダムによらない治水を検討する場で議論を積み重ねてきましたけれども、結論を得るには至らず、現在も継続して協議が進められている状況であります。
こうした経緯がありますので、国土交通省でできるだけ早期に今回の豪雨について分析、検証していただき、県ともしっかり連携して、今後の対応方針を御検討いただきたいというふうに思います。
まだまだ分析の途中だというふうに思いますけれども、今回の豪雨に対する評価についてお聞かせいただきたいと思います。
球磨川流域の降雨量、水位は過去の出水と比較してどう評価できるのか、水管理・国土保全局長の見解を伺います。
ありがとうございます。
大変な水位だというふうに思います。
また、こういう水位を記録する大きな水害でどのような浸水被害が発生したのか、五道水管理・国土保全局長に伺いたいと思います。
ありがとうございました。
いずれにしても、大変歴史的な大きな洪水だったというふうに評価できると思います。
ところで、川辺川ダムの治水効果ですけれども、人吉市地点では水位低下効果が約二・五メートルというふうにされております。
先ほど言いました八千四百万トンという大変大きな洪水調節容量ですので、このぐらいの効果があります。
仮に今回そのような効果があったとすると、被害軽減効果はとても大きかったのではないかというふうに確信をしております。
もちろん、川辺川ダムだけで全てがうまくいくとは思いませんので、例えば川辺川ダムと既存の市房ダム、まあ規模が小さいんですけれども、これをダム再生して有効活用するとか、そのほかの様々な対策と組み合わせて実施することで抜本的な治水対策が実現されることになるというふうに考えています。
是非、被災した人吉市や球磨川沿川の市町村の町並みの再生、こういったものと併せてしっかり御検討いただくようにお願いをしたいと思います。
大臣に伺いたいと思います。
球磨川につきまして、今回の豪雨により激甚な浸水被害が発生してございます。
今後更に地球温暖化に伴う水害が激甚化することなども考え合わせれば、被害の大きかった人吉市や球磨川沿いの町の再生と併せまして、川辺川ダムを含めて抜本的な治水対策を進めるべきだというふうに考えますけれども、国土交通大臣の御見解を伺いたいと思います。
ありがとうございました。
私は、十九、二十日と、岸田政調会長に同行して人吉市など被災現場に伺いました。
その際、人吉市、球磨村、芦北町、八代市などの球磨川沿川の市町村長さんからもお話を伺う貴重な機会がございました。
皆さん、沿川のまちづくりと併せてしっかりと抜本的な治水対策を進めてほしいという、口々にそういうふうに言っておられまして、基本的なベクトルは同じ方向だなというふうに感じております。
是非とも、今大臣からも御決意ございましたけれども、県としっかり連携していただいて、未来に向けて禍根を残さない抜本的な治水対策を何とか進めていっていただくようにお願いしたいと思います。
そして、最後になりますけれども、あした、被災者の支援対策パッケージが発表されるというふうに伺っております。
被災者の方々は、本当に今苦しい環境の中で、家の土砂を出したり、泥を出したり、家財道具の片付けをしたり、本当に、だんだん暑くなってくる中、御苦労をされています。
彼らのやっぱり希望というのを失わさせないためにも、今申しましたような被災者の支援対策パッケージ、これを充実したものとして提供するというのが非常に大事だというふうに思っておりまして、この点につきましても大臣に改めてお願いを申し上げたいと思います。
そして、最後になりますが、長々と川辺川ダムの説明をさせていただきましたが、お聞きいただきました委員の先生方、ありがとうございました。
また、それをお許しいただいた委員長に感謝を申し上げて、質問を終わります。
ありがとうございました。
第201回[参] [閉] 災害対策特別委員会 2020/07/28 1号
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自由民主党の足立敏之でございます。
本日は質問の機会を与えていただきまして、杉委員長、各理事の皆さんに感謝を申し上げたいと思います。
私は、建設省、国土交通省でインフラ整備、防災、災害対応に取り組んでまいりました。
本日は、一緒に被災地を回らせていただいた馬場先生に続きまして、熊本県を中心に大きな被害が発生した豪雨災害について質問をさせていただきます。
まずは、お亡くなりになられた皆様の御冥福を謹んでお祈り申し上げますとともに、被害に遭われた全ての皆様に心からお見舞いを申し上げます。
内閣府におかれましては、直ちに令和二年七月豪雨非常災害対策本部を設置されまして、武田大臣の陣頭指揮によりまして、政府を挙げて人命の救助活動に全力を挙げて取り組まれるとともに、現地の課題を速やかに把握し、プッシュ型支援など先手先手の対応に御尽力をいただきました。
また、現在は対策パッケージの取りまとめを進めておられるということで、心から感謝を申し上げたいと思います。
また、新型コロナウイルスの影響下で災害対応に全力で当たっておられる関係省庁の皆様方にも心から感謝を申し上げたいと思います。
まず、避難情報の見直しについて伺いたいと思います。
今回の豪雨災害におきましては、大雨特別警報や避難指示、避難勧告、様々な情報が発信されています。
昨年の五月から大雨の際の災害の危険度や住民の取るべき行動を五段階の警戒レベルに分けて発表する運用が行われてきていますが、避難勧告と避難指示については同じレベル、危険な場所から全員避難という区分となっておりまして、違いが非常に分かりにくいという指摘がありました。
昨日、内閣府でこれらを統一する方針で検討を進めていると報道がありましたけれども、私自身も国土交通省にいた頃からその曖昧さを度々指摘されておりまして、統一する方向は非常に望ましい方向だというふうに考えています。
避難指示と避難勧告との一本化、現在どのように検討を行っているのか、今後の見通しも含めまして内閣府の青柳政策統括官に伺います。
ありがとうございます。
大変重要なことですので、できるだけ早く検討を進めていただきたいと思います。
次に、最近の豪雨災害の状況等を見ていると、地球温暖化に伴いまして気候が大きく変化していて、これまでにない状況が生じてきているんではないかというふうに強く思います。
その影響かと思いますが、今回も線状降水帯が多数発生しまして、同じ地域に猛烈な雨が降り続いて、九州だけでも十三回にわたって線状降水帯が発生したというふうにも言われています。
このような現象について予測がなかなか難しいという話も聞くんですけれども、人命に関わることでもあり、より精緻な予測が可能となるよう、気象庁に対する期待は非常に大きいものがあるというふうに考えています。
気象庁長官に伺いたいと思います。
線状降水帯を起因とする降水量の予測について、もっと精緻にできないのか、その点について見解をお願いします。
予測について御説明ありました。
あらかじめ正確にきっちりやるというのはなかなか難しいかもしれませんが、例えば六時間前とか三時間前とか一時間前とか、いや、今起こっているということでもいいのかもしれないんですけれども、そういったことをしっかり気象庁として国民に向けて警鐘を鳴らしていただくように、そういう心構えでこれからも取り組んでいただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いします。
次に、道路の関係について御質問をいたします。
先ほど馬場先生からも御質問がありまして、球磨川沿いの国道二百十九号あるいは県道の中津道八代線、こういったところが本当にずたずたな状態になっているところを、今回、権限代行で国が延長百キロ、橋は十橋、これを復旧していただくということになって、本当に感謝を申し上げたいと思います。
また、河川についても、先ほど馬場先生からお話がありましたように、本当にたくさんの数、九本だったですかね、権限代行でやっていただくことになりまして、感謝を申し上げたいと思います。
そのぐらい今回の災害は激甚で、恐らく県の手に負えない、そういったものでございます。
是非しっかりと復旧していただきたいと思いますが、やはり、馬場先生もおっしゃいましたけれども、そうはいっても、整備局の人員、組織、本当に限りがありまして、打ち出の小づちのように出てこないとよく局長も言っていますけれども、そういうような状況を考えたときに、これは政府挙げて、是非ともこういった権限代行を行うときの組織について、組織、人員について政府挙げてしっかり考えていただくように、これは武田大臣にもお願いしておきたいというふうに思います。
よろしくお願いします。
道路関係では、熊本以外の地域でもかなり災害が起こっております。
お手元の資料、資料一は今申しました二百十九号の関係ですが、資料二でございますけれども、岐阜県の国道四十一号です。
これは、私、かつて中部地方整備局長を拝命しておりまして、そのときに管理をしておりました道路でございます。
大変重要な道路で、高山と下呂の間を結ぶ観光や物流でも大変重要な道路なんですけれども、今回、飛騨川の出水によりまして河岸が約五百メーターにわたりまして決壊して、今これ通行止めになってございます。
道路の山側にあるJR高山線についてもその影響で運行停止ということになっておりましたけれども、これは先日再び、道路の方側が整備がされて運行を再開したというふうに聞いておりますが、この道路は非常に重要な道路で、これからも観光面、物流面でも早期復旧が大事でありますので、何としてもしっかりと国土交通省さんによろしくお願いしたいと思います。
またもう一方、同じような状況が国道二百十号、大分県の国道ですけれども、資料の三の方でございますが、とても似たような状況でございまして、これも玖珠川が増水して約百メーターにわたりまして道路が洗掘されて流失してしまっています。
山側にこちらもJRの久大線というのがございますけれども、これ、七月二十三日に現地へ行きましたけれども、両現場とも整備局の皆さんが二十四時間体制で地域の建設業の皆さんと一生懸命復旧に向けて頑張っていただいておりました。
是非とも、この二つの国道の早期復旧に向け、道路局長の御決意をお聞きしたいというふうに思います。
ありがとうございました。
重要な道路ですので、よろしくお願いしたいと思います。
次に、球磨川の洪水被害についての御質問に参ります。
今回、熊本県南部を流れる直轄河川球磨川では、これまでに経験したことのないような洪水に見舞われました。
お手元の資料四の方に、人吉市内の商店街、温泉街の被害状況をお示しをしております。
人吉市の中心街の九日町商店街というところを馬場先生も御一緒に視察させていただきましたけれども、特に中心街の被災は著しくて、建物は二階まで被害を受けておりました。
その被害の甚大さにとても驚いたところであります。
また、資料四の右下のところにありますが、球磨川沿いの温泉街も被災しておりまして、老舗の温泉旅館ですけれども、水圧で川に面した側の窓ガラスが割れて内部に洪水が浸入して、泥、土砂が大変たくさん堆積している、そんなような深刻な状況も見て取れました。
また、次のページですけれども、青井阿蘇神社という国宝の神社が人吉市内にありますけれども、この神社は楼門とか拝殿まで浸水したというのは、江戸時代、寛文九年、一六六九年、あるいは正徳二年、一七一二年、その大洪水以来のことだそうで、明治以来つかったことのなかった楼門だとか拝殿がつかるような大洪水、まさに歴史的な大洪水を今回迎えたというふうに言えると思います。
さらに、下流の渓谷の区間になりますが、その次のページ、資料六でございますけれども、渓谷の中を谷いっぱい水が流れるというような状況になりまして、道路面から三、四メーター、場合によっては五メーターぐらいまで流水が達するなど、深刻な被害が発生しています。
こういうようなその深刻な被害を見ていますと、元々計画されていた川辺川ダムというのがありますけれども、これがあれば被害をもう少し軽減できたのではないかというふうに強く感じられます。
ここで、川辺川ダムについて御存じのない委員もおられると思いますので、私の方から簡単に説明をさせていただきます。
少しお時間をいただければと思います。
川辺川ダム建設事業なんですけれども、昭和四十年七月、資料の七の方にございます、昭和四十年七月の球磨川の大出水を踏まえて計画されたもので、昭和四十二年に実施計画調査、そして昭和四十四年に建設事業に着手されています。
実は水没家屋が五百四十九世帯と大変多くて用地交渉が難航しましたが、平成二年に地権者と補償基準を妥結して、現時点では九九%の地権者が既にここにあります頭地代替地という高台に整備された代替地に移転をして移転済みになっています。
また、付け替え道路も九割ほど既に完成していて、既に切替えも終わっております。
また、本体工事のための、川の水を切り替える、仮排水トンネルとも言いますけれども、これも既にもう平成十一年に完成している、そんな状況ですが、平成の初頭に全国的にダムの反対運動が広がりまして、川辺川ダムについても反対運動が活発化したところであります。
実は、平成十九年の五月に、川辺川ダムを前提とする河川整備基本方針が当時の熊本県知事の了解もいただいて策定をされています。
実はその際の本省の河川計画課長として取りまとめを行っていたのが私でございまして、このプロジェクトには強い思いがあります。
そのときの基本的な考え方としては、球磨川本川と支川の川辺川の合流点にある人吉盆地には洪水が集まりやすい。
下流が渓谷となっていて狭窄部となっておるので、浸水被害が発生しやすい状況にある。
さらに、球磨川本川には市房ダムというダムがありますが、規模が小さくて洪水調節効果が小さい。
したがいまして、八千四百万トンという洪水調節容量を擁する川辺川ダムがこの流域の洪水防御のために不可欠というふうに考えていたところであります。
今申しました川辺川ダムの八千四百万トンというのは、皆さん御承知の八ツ場ダムの六千五百万トンの約一・三倍ということで、効果は非常に大きいというようなことでございます。
しかし、その後、球磨川の流域内で最も川辺川ダムの受益を受ける人吉市だとか、ダムサイトの相良村などがダムへの反対を表明しました。
それを受けまして、平成二十年九月に現知事の蒲島知事が計画を白紙撤回し、ダムによらない治水対策を追求するという発言をされ、検討に入ることになりました。
平成二十一年九月の政権交代を受けまして、前原元国土交通大臣が、ダム本体工事は中止、生活再建対策は継続との方針を発表され、今日に至っているところであります。
法的には何も問題がなかったプロジェクトが大臣の一存で中止されるというのは、我が国ではこれまでなかったことだというふうに思います。
その影響で今回の水害が起こったとすると、これは大変なことだというふうに思います。
同じ時期に中止された八ツ場ダムでございますけれども、流域の都県知事の反対を受けまして再度検証を行って、その結果、事業継続となりまして、昨年十月に完成して、台風十九号の大雨で利根川の流域が洪水に見舞われた際に大きな効果を発揮したのは皆さんの御記憶にあるところだと思います。
球磨川につきまして、今回の豪雨によりまして激甚な浸水被害が発生していますが、今後、更に地球温暖化などで水害が激甚化することを考えますと、今後、被害の大きかった人吉市だとか球磨川沿いの町の再生と併せて、ダムを含め、川辺川ダムを含め、抜本的な治水対策を改めて検討すべきと考えますが、水管理・国土保全局長の見解を伺います。
地元に伺ったときも、沿川の首長さん方からは、やはり抜本的な治水対策を早くつくってくれという声が大変多かったです。
是非とも、国土交通省、責任を持って抜本的な対策に取り組んでほしいというふうに思います。
そして、最後の質問の方に参りたいと思います。
先日、いわゆる骨太の方針が七月の十七日に閣議決定をされています。
その中で、国土強靱化に関する記載についてですけれども、今回の一連の豪雨災害を踏まえまして、今年度までの三か年緊急対策後も中長期的視点に立って計画的に取り組むため、国土強靱化基本計画に基づき、必要十分な予算を確保して、災害に屈しない国土づくりを進めるというふうにされました。
三年前に九州北部豪雨を契機に始まりました防災・減災、国土強靱化の三か年緊急対策ですけれども、今年度が最終年度となっております。
令和二年度が最終年度である、今年度が最終年度であるこの三か年緊急対策ですけれども、引き続き継続して計画的に実施する必要があるというふうに今回の豪雨災害を見ても強く感じますけれども、国土強靱化担当大臣でもある武田防災担当大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
ありがとうございます。
今回被災された方々の尊い犠牲に報いるためにも、できれば五か年計画ぐらいに作り上げていただいて、しっかり進めていただくようにお願いをして、質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
第201回[参] 国土交通委員会 2020/06/02 17号
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おはようございます。
自由民主党の足立敏之でございます。
本日は質問の機会を与えていただきまして、田名部委員長を始め、各党の理事、委員の皆さんに感謝を申し上げたいと思います。
私は、御承知のとおり、建設省、国土交通省で長らく勤務をいたしまして、インフラ整備、防災、災害対応などに取り組んでまいりました。
本日はそうした経験を踏まえまして質問をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
まずは、これまでに新型コロナウイルスによって亡くなられた皆様に謹んで哀悼の意を表しますとともに、感染された皆様方の一日も早い回復をお祈りを申し上げます。
また、医療関係を始め、国民の生活を支えるために様々な分野で新型コロナウイルスと闘ってこられている全ての皆様に心から感謝を申し上げます。
ありがとうございます。
さて、国土交通省では、新型コロナウイルスの感染拡大防止のために海や空などの水際の感染防止対策に、赤羽大臣が陣頭指揮で国交省一丸となって対応をしてこられました。
特に、政府の基本的対処方針で定められました交通ネットワークの確保、重要インフラの維持管理、公共工事など継続が求められている業務の実施に全力で努めてこられました。
特に整備局、運輸局の皆様、さらにはそれを支える建設業、運輸業の皆様方にも心から感謝を申し上げたいというふうに思います。
さて、五月の二十五日、緊急事態宣言が全ての都道府県で解除されました。
これも政府の自粛要請に応えて対応してこられた国民の皆様方、それから各企業の皆様方、そして国土交通省始め関係省庁の皆様方のお一人お一人の御努力のたまものと心から感謝を申し上げたいというふうに思います。
さて、宣言は解除されましたけれども、新型コロナウイルスの影響は様々な分野に波及しております。
我が国経済に与える影響はとても大きいというふうに考えております。
特に、様々な民間企業が深刻な影響を被っておりまして、それに伴って今後の民間投資の減退も見込まれ、景気の長期低迷が懸念されます。
私たちの生活において、密集、密閉、密接の三密の心配のある既存の生活様式を見直して、ソーシャルディスタンスを考慮した新たな生活様式への転換を図っていくことが必要とされておりまして、仕事面でもテレワークを基本とした新たな仕事の仕方が求められています。
こうした状況を考えますと、ちょうど私が国土交通省を退官した平成二十六年なんですけれども、二〇五〇年を見据えて、国土づくりの理念や考え方を示しました国土のグランドデザイン二〇五〇、これを当時取りまとめておりましたけれども、今回の新型コロナウイルスの教訓を踏まえまして、いわゆるポストコロナ時代のグランドデザインとして見直す必要があるのではないかというふうに考えています。
国土のグランドデザイン二〇五〇というのは、お手元の資料に配りましたけれども、資料の一枚目、二枚目に示しましたリニアを軸としたスーパーメガリージョンとか、コンパクト・プラス・ネットワークなどを基本戦略としております。
ポストコロナということを考えると、少しマッチしていないところが出てき始めているんじゃないかなというふうに感じるところでもあります。
グランドデザインの見直しに当たりまして考えるべき点、私見でございますけれども申し上げたいと思いますけれども、まず集中から分散への回帰ということではないかというふうに思います。
東京一極集中の是正も含めまして、都市と地方の役割の見直し、それを踏まえた地方の活性化、こういったことを進める必要があるというふうに考えます。
これまでの集中、集約あるいは高度化、効率化を目指したまちづくり、地域づくりから、もう少しゆとりだとかそういったことを考えた人中心のまちづくり、あるいは、緑や水辺など自然と調和したまちづくり、地域づくりへと転換する必要があるのではないかというふうに考えます。
また、テレワーク、リモートワーク中心の新たな仕事の仕方への転換、これも必要とされておりまして、それを支えるデジタル時代のまちづくり、住まいづくり、こういったことも大事だというふうに考えております。
また一方で、海外に過度に基盤を求めた脆弱なサプライチェーン、かなり今回も指摘がございましたけれども、経済安全保障の観点からも一定程度は国内に回帰させることも必要ではないかというふうに考えております。
さらに、インバウンドに大きく依存した観光産業についても考え直す時点に来ているのではないかというふうにも思います。
赤羽大臣は、先週五月二十九日、経済財政諮問会議において、防災・減災対策及び老朽化対策という二つの大きな課題に集中的に取り組む、そのことに加えて、強靱な経済構造を構築するための生産性の向上や民間投資の誘発に直結する社会資本の整備を戦略的に進める、そのことによりまして、我が国の安心と成長の未来を実現すると主張されておられました。
大変心強い限りでございます。
そうした考え方を基に、新型コロナウイルスの教訓を踏まえまして、ポストコロナ時代にマッチした持続可能な社会という観点で国土のグランドデザインを見直すべきと考えますが、赤羽大臣の見解をお伺いいたします。
ありがとうございました。
現行の国土のグランドデザインは当時の太田大臣の強い思いで作成されたものでございますけれども、今回、コロナの影響を受けまして、赤羽大臣の今お聞かせいただいた熱い思いと強いリーダーシップで、この国土のグランドデザインの見直しを是非お願いをしたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、建設分野への影響について御質問申し上げます。
五月十九日の国土交通委員会でも質問をさせていただきましたけれども、その後の状況も踏まえまして今日は質問させていただきたいと思います。
お手元の資料三にデータを示しましたが、帝国データバンクが四月に実施した調査によりますと、資料の右下のグラフなんですけれども、今年度の業績が既にマイナスの影響があると見込んでいる建設会社が四三・二%、今後マイナスの影響があると見込んでいる社が四四・六%、合わせてマイナスと見込んでいる建設会社が既にもう九割と、大変な数値に上っております。
また、個々の建設会社あるいは住宅建設会社の今年度末の業績見通し、これも左側の方の中に示させていただきましたけれども、現時点で、工事中断等の影響はもうほとんどないんですけれども、今後見込まれるディベロッパーさん、それから不動産、ホテル、物流など民間建設投資の落ち込み、これが大変厳しくて、さらには、後ほど申し上げます海外での建設投資の先行きの不透明感もあって、二割から三割の減益見通しのみならず、五割を超えるような減益の見通しを示している社もあります。
大変深刻な状況と言わざるを得ないというふうに思います。
中でも、海外受注で業績を伸ばしてきた建設会社あるいは住宅建設会社さん、たくさんおられますけれども、この新型コロナウイルスの影響で、海外の現場を閉所して派遣していた社員を帰国させたり、建設コンサルタントについても海外業務を打ち切らざるを得なくなったり、海外事業にも大きな影響が出ているというふうに聞きます。
今後、更に大幅な事業の縮小があると非常に困るなというふうに思っておりますけれども、海外でダメージを受けている国内の建設業や建設コンサルタントの状況について、国交省としてどのように受け止め、今後どのような支援を考えているのか、岡西国際統括官にお聞きしたいと思います。
ありがとうございました。
先週の国土交通委員会で、武田委員から建設分野の方々に対するPCR検査というお願いがありましたけれども、私からも一点お願いがありますが、今お話のありました海外の業務の関係の帰国者だとか渡航者のPCR検査をできるだけ迅速に実施できるような、そういう手だてを是非考えていただきたいと思います。
やっぱり二週間のロスというのは仕事上も大変大きゅうございますので、是非とも企業の海外進出の要とも考えますので、その辺についても御配慮をお願いしたいと思います。
五月二十七日に二次補正が閣議決定されております。
しかし、一次補正、二次補正は基本的に民間投資の冷え込みへの対策までは考慮されておらないと思います。
新型コロナウイルスの感染が一定程度終息した段階で、そこから景気を支えるための次の経済対策が改めて求められるというふうに考えております。
前回、五月十九日もお話ししましたけれども、一九三〇年代の世界大恐慌の後にアメリカで行われたフランクリン・ルーズベルト大統領提唱によるニューディール政策を参考に、日本版ニューディール政策を進めていただくよう大臣にもお願いしたところでございますけれども、本日、新たな国土のグランドデザインの作成もお願いをいたしましたので、その基本的な考え方に沿って、ポストコロナ時代にマッチした日本版ニューディール政策というものを取りまとめていただいて、推進していただくように改めて赤羽大臣にはお願いしたいと思います。
ところで、韓国では、文在寅大統領が今回の新型コロナウイルスの影響への経済対策として、大規模な公共事業を韓国版ニューディールとして実施すると表明されておられます。
お手元の資料四を御覧いただきたいんですけれども、韓国のインフラ整備の予算でございますけれども、二十年間で二・五倍に伸びております。
一方、日本はその間半減をしておりまして、日本を大きく上回るスピードで韓国のインフラ整備は進んでいます。
次のページめくっていただきまして、いろんなインフラの整備状況の比較でございますけれども、高速道路やダム、港湾、空港など、インフラ整備の面で大きな差が付いてしまっているのが実情ではないかというふうに思います。
巨大な仁川空港に到着して、ソウル市内に向かうときに四、五車線もある高速道路をばあんと走っていくというのを皆さんも御経験されていると思います。
私も十年以上前なんですけれども、それを見たときに愕然として、これは日本の方がもうインフラ整備遅れているんじゃないかというふうに危惧したこともありますけれども、先生方も同じ危機感を是非持っていただければ有り難いというふうに思います。
その韓国が韓国版ニューディール政策で更にインフラ整備を進めるということなんですけれども、何とか日本版ニューディール政策についても負けないようにしっかり進めていただきたいと思います。
日韓の公共事業の動向やインフラ整備の進捗状況を踏まえますと、日本でも公共投資をしっかり確保してインフラ整備を進める必要があると考えますが、青木副大臣の見解をお伺いいたします。
ありがとうございます。
ところで、今後、経済対策として公共事業を進めるためには自治体の負担が必要になってまいります。
しかし、新型コロナウイルスによる影響で自治体自体も税収が悪化して、財政事情も非常に厳しい状況になってございます。
今後、経済対策を進める際には、あのリーマン・ショックの際とか東日本大震災の際に実施した直轄事業の負担金の裏負担とか、補助事業、交付金事業の自治体負担分について交付金などで国が支えるという地域の元気交付金というのがありましたけれども、こういう措置が今回も必要ではないかというふうに考えますけれども、国土交通省青木副大臣の御見解をお願いします。
ありがとうございます。
この点、非常に重要ですので、よろしくお願いしたいと思います。
さて、本日の本来のテーマであります都市再生法改正案の質疑の方に移らせていただきたいと思います。
法案の一つの柱であります居心地が良く歩きたくなる町中の創出というのがうたわれておりますけれども、これは先ほどもお話ししましたポストコロナ時代にマッチしたとても大事な考え方ではないかなというふうに考えております。
緊急事態宣言発出時に、私もステイホームをしていたときにウオーキングで町中を歩いて、こんないいところがあるんだという再発見をしたんですけれども、そういうような意味で、いろんな取組が各地で進んでいるというふうに思いますが、こういった施策を総合的に進めるという意味で、今回の法改正、非常に重要だというふうに思っています。
実は、昨年、前の都市局長の青木局長からお勧めいただいて、宮崎県日南市の油津の商店街というのに伺いました。
お手元、資料八というのをお配りしておりますけれども、わざわざ崎田市長さんに御案内いただきましたけれども、なかなかユニークな優れた取組がされておりまして、スーパーマーケットをリノベーションしたサロンのような施設だとか、それから新たな発想のゲストハウスとか、多彩な店舗が入ってカラフルな、この左下にありますけれども、コンテナ村みたいなものが町中にあって、ウオーカブルな範囲内でいろんなそういった取組が進められておりまして、歩いて過ごすのにちょうどいい、そんな感じのまちづくりが行われておりました。
また、一方で、リフォームされたIT系の企業が入っているビルでは、若い人たちが楽しそうににぎやかに仕事をされているのを見て、大変羨ましく思ったこともありますけれども、こういう都市再生の新たな形みたいなものを見せていただいたという感じがしておりまして、こうした取組はしっかりと応援をしていただきたいというふうに思います。
この日南市のようなまちづくりについて国交省としてどのように評価しているのか、そしてこうした取組はどう普及させていくのか、さらには今回の法改正で居心地が良く歩きたくなる町の創出が目指している点について、北村局長にお伺いしたいと思います。
ありがとうございました。
次に、災害対応のお話を質問させていただきたいと思いますけれども、お手元、資料九でございますけれども、昨年の台風十九号による東日本の豪雨災害を始めとする災害で、浸水被害によって多様な被害が生じました。
例えば、佐賀県で工場から油が流出したり、郡山市ではバスが大量水没したり、御承知のとおり、新幹線の車両基地が水没したり、医療機関、病院や高齢者施設などがたくさん水没するなどの影響が出ました。
これらの被害は、恐らくハザードマップの情報というのは事前にちゃんと伝わっていれば未然に防ぐことができたんではないかというふうに考えます。
こういった温暖化の進展で浸水被害が拡大が懸念される中で、やっぱり浸水域管理というようなことも必要ではないかというふうに考えています。
実は、昨年十一月の参議院の国土交通委員会あるいは災害対策特別委員会で、北村局長あるいは内田審議官に、そういう浸水域をしっかり管理して土地利用規制をしたり建築規制をしたり、そういった取組をしてほしいというお話をしまして、局長や審議官からはしっかり受け止めて対応していくんだという決意をお聞かせいただいたんですが、その結果が本日の法改正につながっておるというふうに私も認識しておりまして、局長を始め都市局の皆さんには感謝を申し上げたいと思います。
今回の法改正によりまして、浸水域においてどういった効果を考えているのか、北村局長にお伺いいたします。
浸水域の管理は非常に重要ですので、よろしくお願いしたいと思います。
次に、気候変動に伴う豪雨災害の増加について伺います。
資料番号の十を御覧ください。
温暖化によりまして、今後降雨がどういうふうに変わるかというのが水管理・国土保全局で検討されておりまして、この左側の下に表がありますけれども、気温が二度上昇すると北海道や九州北西部で一五%雨が増加する、気温が四度上がると北海道や九州北西部では降雨量が約四〇%増える、その他の地域でも二〇%増えるというふうな結果が発表されています。
これは大変深刻な状況でございます。
こういう状況を受けまして、国土交通省では、気候変動を踏まえた水災害対策検討小委員会というのを立ち上げて、今現在検討に入られたというふうに聞いております。
ホームページや専門紙の記事で流域治水というような文言を見させていただきましたけれども、非常にいい方向の検討ではないかというふうに思っております。
今後の治水対策についてどのような方向で検討を進めようとしているのか、五道水管理・国土保全局長に伺います。
どうもありがとうございました。
今お話のありました気候変動に備えた防災・減災対策の強化を含めまして、ポストコロナ時代の国土のグランドデザインに沿った日本版ニューディール政策、これをしっかり推進していただくように赤羽大臣を始め国土交通省の幹部の皆様方にお願いをして、私の方からの質問を終えさせていただきます。
以上です。
ありがとうございました。
第201回[参] 国土交通委員会 2020/05/19 13号
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自由民主党の足立敏之でございます。
本日は、質問の機会を与えていただきまして、田名部委員長を始め理事の皆様方には心から感謝を申し上げたいと思います。
まずは、これまでに新型コロナウイルスによって亡くなられた皆様に謹んで哀悼の意を表しますとともに、感染された皆様の一日も早い回復をお祈りを申し上げます。
また、医療分野を始め国民の生活を支えるため様々な現場で新型コロナウイルスと闘っている全ての皆様、赤羽大臣のお言葉で言えばエッセンシャルワーカーということだと思いますけれども、交通ネットワークの確保、重要インフラの維持管理、公共工事など、継続が求められる業務を担っている方々を含めまして、心から感謝を申し上げたいというふうに思います。
さて、新型コロナウイルスの影響によりまして、大手建設会社の中には感染者の発生を契機に現場の閉鎖を行った会社がありました。
また、例年長期に休んでいるゴールデンウイークを利用して現場を閉所したところもあります。
こうしたこともありまして、建設業界全体が工事をストップしていると誤解された方もたくさんおられたようであります。
先週の国土交通委員会で公明党の里見先生から質問がありましたけれども、五月の七日時点だったと思いますが、中断していたのは僅か三%程度だったというふうに記憶しています。
緊急事態宣言が一部解除をされた現在、ほとんどの現場で工事は再開されております。
先生方には是非御承知おきいただければというふうに思っております。
なお、現場を止めますと、その会社だけではなくて、建設分野の特性ですけれども、下請の会社、さらには専門工事業の皆さん、関連資機材のメーカー、生コン会社、重機などのレンタル会社、たくさんの職種の仕事をストップしてしまいます。
さらには、それらを支える様々なサービス業にも大きな影響を与えます。
したがいまして、現場を止めることにつきましてはできるだけ慎重であってほしいと、そういうふうに思いますし、極力現場を止めないで維持していただきたいというふうに思っております。
建設の現場におきまして工事を継続することの重要性について改めて認識をお伺いするとともに、そのために国土交通省が発注者等として講じている措置につきまして青木国土交通副大臣にお伺いしたいと思います。
よろしくお願いします。
ありがとうございます。
ところで、建設産業の分野には、今お話のありました工事の上流側で調査だとか測量、地質調査、設計などを行う業務がございます。
先週、これらの分野の幹部の皆さんとウエブ会議で意見交換をさせていただきましたけれども、発注者の出勤抑制により業務が遅れているとか、発注者と受注者ともテレワークを進めるためのIT環境が必ずしも十分でないとか、民間や海外からの発注が滞っているなどの様々な課題の指摘がございました。
測量設計業、建設コンサルタント業等の業務への新型コロナウイルスの影響について伺いますとともに、国土交通省として今後どのように取り組んでいくのか、青木国土交通副大臣にお伺いしたいと思います。
次に、経済対策について伺いたいと思います。
新型コロナウイルスの影響対策として第一次補正予算が成立し、現在、第二次補正予算について議論が進められております。
もう少し後のタイミングになるんだと思いますけれども、感染が一定程度終息した段階では幅広く経済対策を行うことが必要というふうに考えます。
なぜなら、新型コロナウイルスによってダメージを受けた民間会社の今後の業績見通しは大変厳しくて、民間投資の大幅な減退が予想され、建設投資全体の縮小が見込まれます。
現に、大手建設会社の今年度末決算についても、五四%減というふうに発表した会社もございました。
とても大きく落ち込んでしまうことが見込まれておりまして、抜本的な経済対策が必要だというふうに考えております。
一九三〇年代、世界大恐慌の後に、アメリカではフランクリン・ルーズベルト大統領が提唱しましたニューディール政策が実施され、有名なテネシー川のダムの建設だとかゴールデンゲートブリッジなどの道路整備、こういったものが進められまして経済の再生を図ることができました。
また、ドイツでもヒトラーがアウトバーンの整備を精力的に行ったというふうにも聞きます。
日本でも当時、高橋是清大蔵大臣により、同様の趣旨で公共事業を進める時局匡救事業というのが提唱されまして、治水事業、道路事業、港湾事業、鉄道建設、農業用水路の整備、こういったものが実施され、景気回復につながったというふうに聞いております。
今回、世界大恐慌並みの大きなダメージを受ける可能性も考えられますことから、現在の日本でも、災害に強く、生産性の高い、活力ある国土につくり替えていく、いわゆる日本版のニューディール政策、こういったものを進める必要があるというふうに考えます。
その参考となりますのがお手元に配付させていただきました資料一なんですけれども、未来を開くリーディングプロジェクト、ビヨンド二〇二〇ではないかというふうに思います。
これは、産学官をつなぐ団体であります日本プロジェクト産業協議会、JAPICと申しますけれども、その国土・未来プロジェクト研究会が平成二十九年に発表したものでございます。
赤羽大臣にも、こうした提言を参考に国土交通省として今後日本が実施すべきプロジェクトを取りまとめていただいて、日本版ニューディール政策として推進していただければ有り難いというふうに考えております。
私といたしましては、直面している地球温暖化による気候変動に伴う水害、土砂災害への対応、首都直下地震、南海トラフ巨大地震、日本海溝・千島海溝地震などの大規模地震への対応、インフラの老朽化対策、国土強靱化のための事業の推進はもちろんのことですが、この提言集にあるような地方を元気付ける様々なプロジェクトに今こそ取り組むべきではないかというふうに考えております。
経済対策として日本版ニューディール政策を進め、公共投資を確保して未来の日本をしっかり支えるインフラ整備を進めていくことにつきまして、赤羽大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
赤羽大臣の熱い思いがよく分かりました。
大臣のエネルギッシュなリーダーシップでしっかりと日本版ニューディール政策進めていただければ有り難いというふうに思います。
それでは、本来の、本日のテーマの道路法の改正の方に参りたいと思います。
池田局長の思いのこもったたくさんのメニューがありますが、ちょっと時間の関係で質問が限られます。
おわび申し上げたいと思います。
まず、自動運転について伺います。
自動運転につきましては、私は二つの効果を期待をしております。
まず一点目は、物流の更なる効率化で、我が国の高速道路は欧米諸国と比較して整備が遅れておりまして、まだまだつながっていないミッシングリンクがたくさんあるだけではなくて、つながっていても対面交通を余儀なくされている暫定二車線の区間が高速道路延長の約三八%もございます。
資料四にお示ししているとおりです。
欧米ではそうした道路はほとんど見られません。
そのような影響もありまして、都市間の移動速度、これを比較しますと、欧米が九十キロ以上であるのに対して日本は六十キロと、大きな差がございます。
資料五のとおりでございます。
これを補うためには高速道路の整備や四車線化が必要ですけれども、それと併せて行うべきなのは、自動運転を採用した隊列走行等、こういったことを実現する必要があると思います。
第二点は、地方における貴重な移動手段としての役割です。
長野県の伊那市の長谷地区で、道の駅で実験中と聞いておりますけれども、高齢化が進んで運転者が不足している地方部において、地域内の貴重な移動手段として無人の自動運転が期待されます。
今回のような新型コロナウイルス感染拡大の状況を踏まえると、人を介さない自動運転の役割が再評価されるんじゃないかというふうに思いますけれども、自動運転の導入について具体的にどのようなメリットを考えていらっしゃるのか、道路局長に伺います。
ありがとうございます。
お手元の資料には資料二、資料三と、災害時の復旧の関係の資料を添付させていただきました。
こういう状況からすると、国による代行制度、これが非常に大事でありまして、地方道だとか補助国道の全てを対象に今回していただけるということで、大いに期待をしたいというふうに思っております。
最後になりますが、特車手続の簡素化について伺いたいと思います。
いわゆる特車手続でございますけれども、重量の特別に重い車両、サイズが巨大な大型車両などは、一般道路を通行するためには、その重さに耐えられない橋があったり曲がれない交差点があったり、そういった場合が結構あるため、あらかじめ道路法に基づく許可手続が必要とされています。
この手続は、元々紙ベースで時間が掛かって、私が整備局長をやっている頃も大変評判の悪かった手続だったんですけれども、今回、その煩雑な手続についてデジタル化等を活用して審査期間の短縮化ができるということで、私自身も大いに期待しておりますけれども、特車手続について具体的にどういうことが可能になるのか、道路局長からお願いします。
時間が参りました。
大変重要なメニューのたくさん含まれた法改正ですので、しっかりと進めていただくようによろしくお願いします。
以上です。
第201回[参] 決算委員会 2020/04/01 1号
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自由民主党の足立敏之でございます。
決算委員会での質問は二度目ですけれども、安倍総理に質問をさせていただくのは初めてです。
よろしくお願いいたします。
質問の機会を与えていただきました中川委員長を始め関係の先生方には感謝を申し上げたいと思います。
私は長年、建設省、国土交通省で勤務をした土木の技術屋でございます。
本日は、そうした経験を踏まえまして、西田先生、舞立先生に続いて質問をさせていただきます。
どうかよろしくお願いいたします。
まず、新型コロナウイルスについてでございますけれども、これまでに亡くなられた皆様に謹んで哀悼の意を表しますとともに、感染されました皆様の一日も早い回復をお祈りを申し上げます。
また、医療分野を始め様々な現場で新型コロナウイルスと闘っている全ての皆様に心から敬意を表し、一日も早い終息を願うものでございます。
新型コロナウイルスにつきましては、西田先生、舞立先生からも御指摘がありましたが、自民党では、昨日、財政規模二十兆円、事業規模六十兆円の経済対策を取りまとめ、岸田政調会長が安倍総理に手渡されたと聞いております。
ただ、そのボリューム感につきましては、先ほどから西田先生、舞立先生からもお話がございましたけれども、まだまだ十分ではなくて、そういったところを強化する必要があるというふうに私も考えてございます。
経済対策につきましては、私は西田先生と同様、二段階で講じるべきだというふうに考えています。
まずは、所得が大幅に減少して困っている個人への現金給付、そして中小・小規模事業者への給付金などの緊急経済対策を直ちに実施し、その上で、経済のV字回復のための観光振興あるいは移動の活発化、そういったためのあらゆる施策を講ずることとし、インフラ整備を含めた、これまでにない大型の経済対策を行うべきだというふうに考えています。
私が長らく関わっております建設産業の分野でございますけれども、国土交通省に確認したところ、建設現場は、密閉とか密集とか密接とか、そういう三密というふうな環境にはございません。
直轄の二、三の現場で罹患者が出たという情報はございましたけれども、執行面で大きな問題はないというふうに承っております。
一方、そんな中で、建設業は人手不足で、公共事業を追加しても不調、不落が発生して工事ができないのではないか、そういう声を聞きました。
しかし、建設産業界の皆さんにお聞きしても、住宅などの建築分野の一部において、中国に多くを依存しているトイレのウォシュレットだとか食洗機だとか、そういう製品の納入が滞っていて、その影響で工期の遅れが見受けられるものがあると聞いていますが、土木分野では資材不足はほとんど見られず、三月末に予定どおり工期を終えた工事もたくさんありまして、施工能力は十分あるというふうに聞いています。
今パネルをお示ししてございますけれども、(資料提示)建設産業界の皆さんのデータでございますが、大手建設業の官公庁工事実施額の推移でございます。
平成二十六年度、二〇一四年ですけれども、五・一兆規模でございましたけれども、平成三十年度実施済みは二〇一八年三・八兆円程度でございまして、これは大手の九十六の企業のデータではございますけれども、一・三兆円程度の余力が見受けられます。
建設産業は全部で五十万社とも言われておりますけれども、それを考えますと、まだまだ工事の実施余力はあるというふうに聞いております。
また、建設分野全体では、ピークの平成十年度頃に比較しまして、工事量は約四割減になっていますけれども、人員につきましては二割しか減っていないということでありますし、不調、不落につきましても平年並みで、再度入札することで工事は着実に実施できているというふうに聞いています。
国土交通大臣にお伺いをいたします。
建設産業分野におきまして、経済対策として公共事業が実施される場合に対応ができないのではないかという懸念が示されてございますけれども、その点、実際どうなのか、その辺をお伺いしたいと思います。
どうもありがとうございました。
何としてもこの点の誤解は解いておきたいというふうに思っておりましたので、有り難い限りでございます。
なお、その建設産業でございますけれども、インフラの整備や維持管理の担い手として重要な役割を果たしていますが、その一方で、大規模な災害が発生すると、警察、消防、自衛隊の活躍にどうしても目が行きがちなんですけれども、実際には、建設産業の皆さんが真っ先に現場に駆け付けまして、崩れた土砂の除去、アクセス道路の確保、決壊した堤防の復旧など様々な緊急対応を行い、貴重な地域の守り手として、さらにはその後の復旧復興の担い手として大変重要な役割を果たしています。
総理や閣僚の皆様にも、是非ともそういう大切な役割を御承知おきいただければというふうに思います。
なお、西田先生からお話がございましたけれども、昨年の十月から十二月期のGDPが年換算率でマイナス七・一%でありましたが、公共投資は〇・七%プラスに押し上げる効果を発揮いたしております。
総理にお伺いをいたします。
総理は、新型コロナウイルスの影響に対して、日本経済をV字回復させるために強大な経済財政対策を講じるとおっしゃっておられます。
新たなアベノミクス、大変勇気付けられるところでございます。
国土交通大臣からも、今、経済対策として公共事業を実施することは可能というお話がございました。
インフラ整備に対して思い切った大型の補正予算を実現していただくようにお願いしたいと思いますが、総理のお考えをお願いします。
ありがとうございます。
是非とも今回の経済対策として大規模なインフラ整備、是非お願いをしたいというふうに思います。
よろしくお願いします。
次に、地球温暖化に伴います気候変動の影響について伺いたいと思います。
我が国では、平成二十三年の紀伊半島大水害以降、毎年大規模な水害、土砂災害が発生しています。
特にこの三年、平成二十九年の九州北部豪雨、平成三十年の西日本豪雨、そして昨年、令和元年の台風十九号による水害、土砂災害と、歴史に残るような大規模な水害、土砂災害が連続して発生しております。
気象庁長官に伺います。
地球温暖化に伴いまして、気候がどのように変化していくのか、特に地球温暖化に伴いまして豪雨災害が更に拡大していくのではないか、そういう懸念に対しましてどのように考えておられるのか、伺います。
ありがとうございました。
気象庁においては、今後とも引き続きしっかりモニタリングをしていただき、地球温暖化の影響による気候変化の動向を把握していただきたいというふうに思います。
ところで、地球温暖化対策の柱は、皆さん御承知のとおり、緩和策、ミティゲーションと、適応策、アダプテーションの二本柱であります。
緩和策については、既に地球温暖化対策推進法により先行的に対策が講じられてきました。
一方、適応策につきましては、一昨年の気候変動適応法の制定により初めて法的に取り扱われることとなりました。
しかし、気候変動により激甚化する水害や土砂災害などの自然災害にどのように対処していくのか、そういった適応策の根幹の部分についてはこれまで必ずしも十分な議論が行われておらず、長らくこの件について国土交通省で携わってきました私にとりましては、とても不安に感じているところでございます。
そこで、環境大臣に伺います。
地球温暖化に伴いまして、自然災害の観点で今後どのような影響が生じてくるのか、気象庁長官からは今激甚化への懸念が示されましたけれども、その影響に対しまして、気候変動適応法の制定によりまして特に事前防災の観点でどういった対応を行うことができるようになるのか、伺います。
よろしくお願いします。
ありがとうございます。
私、適応策の中では事前防災が一番大事なことだというふうに考えております。
環境大臣には、適応策の、特に事前防災のリーダー役としてしっかり取り組んでいただくようにお願いしたいというふうに思います。
次に、適応策の具体的な内容について伺いたいと思います。
私が以前伺いましたイギリスのロンドン、テムズ川には、高潮被害を防ぐため、テムズバリアという防潮堤が河口部に設けられています。
その設計に当たりましては、将来の海水面の上昇分を見込むなど、地球温暖化を考慮した設計になっているというふうに承っております。
国土交通省水管理・国土保全局長に伺います。
海外では、地球温暖化に伴う気候変動に対して具体的にどのような対策が講じられているのか、伺いたいと思います。
ありがとうございました。
海外では、既に地球温暖化に伴う気候変動に対して様々な対応が始まっているということだと思います。
それに対して日本ではどうでしょうか。
今お話がありましたが、ちょっと専門的になりまして恐縮ですけれども、国土交通省では、治水計画の前提となります外力、すなわち計画高水量あるいは計画流量について見直しの検討を始めていると聞いています。
それによれば、このパネルにお示しをいたしておりますけれども、地球温暖化に伴いまして、気温が二度上昇しますと約一・一倍、四度上昇しますと約一・三倍降水量が増えるというふうに予測されています。
これに伴いまして、川の計画流量が増え、洪水の発生確率が高まることになります。
そうなると、これまでの河川整備で確保してきた河川の流下能力では不足することになります。
そんなときに大きな効果を発揮するのがダムです。
昨年の台風十九号による出水の際には、利根川上流のダム群で約一億四千五百万立方メートルの洪水を貯留し、下流の基準点で約一メートルの水位低下効果を上げています。
その際、利根川の中流部では計画高水位まであと三十センチのところまで水位が上昇して、一時は越水のおそれがある旨を地元の利根川上流河川事務所が公表するなど、大変切迫した状況だというふうに伺いました。
上流ダム群の効果は絶大だったというふうに言えます。
パネルにお示しをさせていただきましたけれども、皆さんよく御承知の八ツ場ダムでございますが、試験湛水中ではありましたけれども、上流ダム群の一つとして約七千五百万立方メートルの洪水を貯留しました。
ここに写真を示しましたけれども、出水の直前、かなり空っぽの状態のところから出水後には一気にダムの貯水位が上がり、大きな洪水調節効果を発揮しています。
今後、適応策を進めるに当たりましては、ダムの効果を生かして、改めてダムの新設やダムの再生プロジェクトを推進する必要があると考えますけれども、国土交通大臣の見解をお聞きしたいと思います。
ありがとうございました。
昨年の台風十九号では、全国で百四十か所の破堤箇所が発生しています。
私は長らく河川分野で仕事をしましたけれども、これまでに経験のない現象であります。
交通ネットワークも同様で、全国各地で高速道路や幹線道路、鉄道などが寸断され、至る所で孤立集落が発生しました。
こうした現象はこれからも更に増加するというふうに考えられます。
このような状況下ではありますけれども、パネルにお示しをしましたけれども、残念ながら公共事業予算はこの二十年間削減が続いてきました。
その結果、今申しましたような、日本は信じられないほど脆弱な国土になってしまった、そのように考えています。
国土強靱化担当大臣でもある防災担当大臣にお伺いしたいと思います。
地球温暖化に伴い激甚化する災害に対して、国土強靱化の観点から今後どのように対応していくのか、お伺いします。
ありがとうございました。
次に、日本のインフラの整備水準について伺いたいと思います。
今年の一月、私事ですがタイのバンコクに伺いました。
その際、スワンナプーム国際空港が余りにも広大で、そのスケールに驚きました。
それだけではなくて、その後、国際空港からバンコクの中心市街地に移動する高速道路が片側四車線あるいは五車線ありました。
日本に戻って帰宅するときに乗った首都高は幾ら数えても二車線しか片側ありませんでした。
それ以前にも、十年前にシンガポールの港を訪れたときにも、そのスケールの大きさに本当に愕然としたこともあります。
国土交通大臣も最近訪れられたというふうにお伺いしますが、日本のインフラの整備水準が世界水準から見て二流、三流の水準に落ち込んでしまっているのではないか、そういうふうに強く感じたところであります。
お手元の資料、パネルでございますけれども、高速道路の車線数、このデータでございます。
主要国では片側二車線以上必ず確保していますけれども、日本は三八%が片側一車線の対面交通というふうになっています。
韓国は、この二十年間で四割ありました片側一車線を既に解消しているというふうにも聞いています。
こういうような状況でございますけれども、安倍総理に伺いたいと思います。
安倍総理は、地球儀を俯瞰する外交ということで積極的に海外に足を運ばれ、他国のインフラの整備水準についてもよく御存じだというふうに思います。
日本のインフラの整備水準、今申しましたような状況で、私は懸念してございますけれども、総理はどのようにお考えか、お聞かせいただきたいと思います。
ありがとうございました。
大変勇気付けられる御答弁でございました。
経済を一流にするならインフラも一流の水準にしなくちゃいけない、そのように考えておりますので、是非ともよろしくお願いします。
ところで、三十年ほど前にアメリカでは、老朽化した橋梁が落ちたり通行できなくなるような事態が発生し、荒廃するアメリカというふうに大騒ぎになりました。
一九三〇年代のニューディール政策で整備されたインフラが、およそ五十年たって一斉に老朽化したのが原因でした。
アメリカでは、その後、そうした状況を反省し、公共投資を増加させて対応しています。
このパネルに示したとおり、荒廃するアメリカというふうに言われたときから、いわゆる反転攻勢のような形で公共投資を増やして対応をしておられます。
国土交通大臣に伺いたいと思います。
日本のインフラについて、笹子トンネルの例もございますけれども、荒廃するアメリカというような状況と同じような状況にならないためにしっかり手を打っていただく必要があると考えますけれども、よろしく御答弁をお願いします。
ありがとうございました。
日本のインフラを国際的にも恥ずかしくない水準にしていく、これが大事だというふうに思います。
そのためには長期計画に基づいて公共投資をしっかり行う必要がある、西田先生も舞立先生もおっしゃいましたが、そういうふうに思います。
最後に安倍総理の御決意をお聞きして、質問を終えたいと思います。
ありがとうございました。
第200回[参] 災害対策特別委員会 2019/11/20 3号
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自由民主党の足立敏之でございます。
私は、建設省、国土交通省で長年勤務させていただきまして、インフラ整備だとか防災、災害対応、こういったことに取り組んでまいりました。
本日は、そうした経験を踏まえまして、台風十九号等の災害について質問をさせていただきたいと思います。
さて、昨年の西日本の豪雨災害に続きまして、今年も台風十五号による暴風被害、それに続いて、台風十九号による十三都県で大雨特別警報が出され、百人近い方々が犠牲になるという大きな被害を発生しました。
さらに、続いて、台風二十一号の影響で活発化した低気圧により、千葉県を中心に死者、行方不明者が十名を超える大きな被害も発生しています。
お亡くなりになられた皆様の御冥福を謹んでお祈り申し上げますとともに、被害に遭われた全ての皆様に心からお見舞いを申し上げたいと思います。
内閣府におかれましては、非常災害対策本部を設置して、武田大臣のリーダーシップで、政府挙げて人命の救助活動に全力を挙げて取り組まれました。
また、現地の課題を速やかに把握をして、プッシュ型の支援、これを先手先手で手を打っていただいて御尽力をいただきました。
心から感謝を申し上げたいと思います。
まず、台風十九号による被災について考えてみたいと思いますけれども、今回、大河川の直轄管理区間の破堤というのが、めったに起こらない大変珍しい現象です、お手元の資料一あるいは資料二にその状況を示してございます。
今年、私が訪れました長野県の穂保地区の千曲川、宮城県大郷町の吉田川、埼玉県の荒川支川の都幾川を始め直轄区間十二か所で、それから県の管理区間では百二十八か所で破堤が起こっております。
さらに、全国の二百八十五の河川で越水や内水による浸水被害が発生をいたしました。
このような越水や破堤などを生じた場合には、その状況に応じて河川管理者が的確に情報発信することが不可欠であります。
しかし、今回の水害におきましては、茨城県の直轄河川の那珂川、久慈川などで氾濫情報が提供されなかったという問題を生じたと報道されています。
命を守るための行動を取るためには不可欠な情報であり、極めて重大な問題だというふうに考えます。
河川情報の提供がどのような点でおろそかになったのか、その状況と、再発防止に向けてどのような対策を講じるのか、国土交通省水管理・国土保全局に伺います。
言い訳のできない大問題だというふうに思っておりまして、再発防止は徹底していただくようにお願いしたいと思います。
ただし、国土交通省の現場が今どのような状況になっているのかというのは、各委員の皆様に御承知いただきたいんですけれども、お手元に資料の三をお配りしましたけれども、国土交通省の出先機関である整備局は、長年続く定員削減で残念ながら人員が大幅に削減してきています。
その結果、資料四の方なんですけれども、現場の最前線の出張所においては、職員が出張所長だけというような一人体制だとか、出張所長と係長だけという二人体制だとか、そういう致命的な状況になっています。
こんな状況だから情報提供がおろそかになっていいということではないわけですけれども、河川管理の水準を維持するためには人員が不足している状況の改善も併せて行う必要がありまして、各委員の皆様方に是非御承知いただきたいというふうに思います。
今回の出水では、東日本の各地で大きな被害が出ている一方、これまで行ってまいりました数々の治水対策が効果を上げたというふうに考えています。
台風十九号は、昭和三十三年に千二百人を超える死者、行方不明者を出しました狩野川台風に匹敵する台風というふうに言われました。
資料五にお配りしていますが、二つの台風のコースは驚くほど似ています。
この結果、静岡県の伊豆市の湯ケ島雨量観測所での雨量は、総雨量なんですけれども、狩野川台風の際に七百三十九ミリ、そして台風十九号では七百七十八ミリとそれを大きく上回っております。
しかし、今回、狩野川流域では内水被害を除き大きな被害は出ておりません。
これは、狩野川台風後の昭和四十年に完成した放水路トンネル、狩野川放水路と呼びますけれども、これが毎秒百トンの洪水を本川から分派して直接海に放流した効果が大きかったというふうに思っております。
そのほかにも、狩野川放水路以外にも、これまで行われてきた治水対策が効果を発揮して大きな被害が出なかったところがたくさんあったというふうに言われています。
平成二十七年の九月に破堤により大きな被害を受けた鬼怒川もそうでした。
また、利根川の流域でも、首都圏外郭放水路や渡良瀬遊水地などが絶大な効果を発揮したというふうに聞きます。
さらに、資料の六にお示ししたとおり、利根川上流の七つのダムで約一億四千五百万トンの洪水を貯留し、下流の基準点で約一メーターの水位低下効果を上げたということであります。
今回、利根川中流部の加須市では、計画高水位まであと三十センチのところまで利根川の水位が上昇し、一時越水するおそれがある旨を公表するなど大変切迫した状況になったというふうに聞きます。
上流ダム群の効果は絶大だったというふうに言えると思います。
なお、話題となっております八ツ場ダムでございますけれども、試験湛水中ではありましたけれども、約、先ほど言いました一億四千五百万トンのうち七千五百万トンの洪水を貯留し、大変大きな効果を発揮しております。
このように、事前の防災対策を講じておくというのは非常に大事なことでありまして、災害を未然に防ぐためにも、事前防災、大変重要でございますが、大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
ありがとうございます。
事前防災は本当に大事なテーマでありますので、引き続き大臣のリーダーシップでよろしくお願いしたいと思います。
次に、浸水被害について伺いたいと思います。
台風十九号によりまして、東日本を中心に、全壊、半壊、一部損壊が二万九千棟、床上浸水が二万七千棟、床下浸水が三万二千棟という大きな被害を発生しています。
このような浸水被害の発生に伴いまして、資料八にお示ししましたが、佐賀県の水害の際に発生した工場からの油流出、郡山ではバスの大量水没も発生しました。
長野新幹線の車両基地の水没も皆さんよく御存じだと思います。
また、武蔵小杉などのタワーマンションの電気設備等の水没や、医療機関や高齢者施設の水没など、様々な不測の事態が発生をしています。
これらの被害につきましては、ハザードマップの情報があれば未然に防ぐことができたのではないかというふうに考えられます。
今後、浸水の予想されるエリアの被害の未然防止のために、土地利用規制や住宅の建て方の工夫、建築物の建て替えの誘導など、町づくりや土地利用を考えた浸水域管理というか流域管理というか、そういった考え方を導入する必要があるというふうに考えますが、国土交通省都市局の見解を伺いたいと思います。
ハザードマップの整備も進んでいますので、是非とも検討を深めていっていただきたいというふうに思います。
次に、被災者の救済について伺いたいと思います。
今回、台風十九号等による浸水によりまして、大変多くの方々が被災したり避難を余儀なくされております。
私も数多くの被災地に伺いまして、生活となりわいの再建に苦慮されている声を現地でたくさん伺っています。
こうした状況を踏まえまして、安倍総理の指示によりまして、被災者の生活となりわいの再建に向けた対策パッケージが取りまとめられ、約千三百億の予備費を投入することとしたと聞いております。
きめ細やかな対応には心から感謝申し上げたいと思います。
ところで、災害対応の大切な担い手である建設業、あるいはコンサルタント、測量設計業などのいわゆる建設関連産業の皆さんも、今回の水害で社屋が水没したり事業所が水没したり、工事現場の資材や重機が浸水しているようなところもたくさんありました。
こうした災害対応を担う建設関連産業の皆様が浸水によって被災した場合に公的な支援が必要ではないかというふうに考えておりますが、どのような救済策が可能なのか、国土交通省の見解をお伺いいたします。
ありがとうございました。
建設業の皆様方に今言われたようなことがちゃんと伝わるように、パンフレットでも作っていただいて広く周知していただければ有り難いというふうに思っております。
よろしくお願いします。
次に、地球温暖化に伴う気候変動について伺います。
昨年の西日本の豪雨災害や今回の台風十九号による被害などを見ていますと、地球温暖化に伴いまして気候が大きく変化し、これまでは生じていなかったような現象が発生しているのではないかと危惧をされるところであります。
気候変動の影響につきましては、国交省でも降雨量の変化予測を行っておられます。
資料の十一で付けておりますけれども、温暖化により気温が二度上昇すると、降雨量が北海道や九州北西部で一五%増加する、他の地域でも一〇%増加すると予測されています。
また、より温暖化が進行して気温が四度上がると、北海道や九州北西部では降雨量が約四〇%、その他の地域でも二〇%増加するというふうに見込まれています。
大変深刻な状況だというふうに感じております。
地球温暖化に伴いまして激甚化する水害、土砂災害にどのように備えていくのか、水管理・国土保全局に伺いたいと思います。
ありがとうございます。
しっかり検討をお願いしたいと思います。
次に、広域避難について伺いたいと思います。
利根川のような大河川が破堤しますと大変大きな被害が出ます。
昭和二十二年のカスリン台風のときには、群馬県と埼玉県の県境の利根川栗橋地点で破堤が起こり、氾濫流が都内江戸川区の小岩辺りまで流れてきたというふうに言われています。
このような氾濫が起こりますと、一つの市町村のほとんどが水没してしまうようなところも出てまいります。
そうなると、町内の避難所への避難では不十分でありまして、町外に避難せざるを得ない大規模な広域避難が必要になってくると考えられます。
二〇〇五年のハリケーン・カトリーナ、アメリカの台風の際には、アメリカ全体で百万人規模の広域避難が行われたというふうに言われています。
今回の台風十九号の出水の際には、国土交通省の利根川上流河川事務所長が、利根川沿川の首長さんの方に利根川が越水するおそれがあるというふうなホットラインの電話を掛けております。
それを受けまして、加須市で八千五百人、境町で二千二百人、手配したバスでその町外、市外に避難をしたというふうに伺いました。
大変切迫した状況であったんだというふうに思います。
恐らく、全国で初めての大規模な広域避難だというふうに思います。
しかし、広域避難には、実際、誰が判断して誰が実施するのか、あるいは移動手段をどうやって確保していくのか、様々な課題があります。
特に、江東区を始めゼロメートル地帯の五区では二百五十万人逃げなくてはいけないというふうにも言われておりますけれども、広域避難というのは大変大きな問題だというふうに考えています。
今後、地球温暖化でこうした甚大な浸水被害の発生が予想される中、広域避難というのが大事なこれからの進めるべき取組だというふうに考えておりますけれども、内閣府の見解をお聞きしたいと思います。
ありがとうございます。
私は国土交通省の出身でございますけれども、やはり内閣府でリーダーシップを持っていただいて、広域避難のトリガーを引く、そういったようなことも是非御検討いただくように、国土交通省とも連携して検討を進めていただきたいというふうに思います。
よろしくお願いします。
最後の質問になります。
地球温暖化に伴いまして、水害、土砂災害が激甚化していきます。
今後、ますますそういった現象が加速化するというふうに考えています。
それに対しまして、ソフト、ハード両面のあらゆる施策を総動員して、先ほど水管理・国土保全局長からもお話ありましたけれども、対策を講じていくことが必要だというふうに感じておりますし、さらには、そのために必要な予算の確保、これも重要だというふうに考えております。
是非とも、武田大臣には激甚化する災害にしっかり対応して必要な予算も確保していただくようにお願いをしたいと思いますが、大臣の御決意をお願いしたいと思います。
ありがとうございました。
引き続き、武田大臣のリーダーシップに期待したいと思います。
よろしくお願いいたします。
ありがとうございました。
第200回[参] 国土交通委員会 2019/11/05 2号
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おはようございます。
自由民主党の足立敏之でございます。
本日は質問の機会を与えていただきまして、田名部委員長始め各党の理事の皆さん、委員の皆さんに心から感謝を申し上げたいと思います。
私は、建設省、国土交通省で長らく勤務をいたしまして、インフラ整備、防災、災害対策、こういったことに取り組んでまいりました。
本日は、その経験を踏まえまして、台風十九号による豪雨災害等につきまして質問をさせていただきたいと思います。
まず、その前に、沖縄の首里城が火災により焼け落ちてしまいました。
テレビの映像を見て、私もとてもショックを受けました。
世界遺産に登録されており、今回焼けた正殿などの施設は国土交通省の国営公園事業により整備が行われたもので、とても残念に思っております。
是非とも国土交通省が関係機関や沖縄県としっかり連携して再建に向けて御尽力をいただきますよう、赤羽大臣を始め幹部の皆様にお願いを申し上げたいと思います。
よろしくお願いいたします。
さて、昨年は、西日本の豪雨災害によりまして、十一府県で大雨特別警報が出され、死者、行方不明者が二百人を超える大災害となりました。
今年も、台風十五号による千葉県を中心とする暴風被害に続きまして、台風十九号により十三都県で大雨特別警報が出され、百人近い方々が犠牲になるという大きな被害が発生をいたしました。
さらに、続いて、台風二十一号の影響で活発化した低気圧によりまして、千葉県を中心に死者、行方不明者が十人を超える大きな被害も発生をいたしております。
お亡くなりになられた皆様の御冥福を謹んでお祈り申し上げますとともに、被害に遭われた全ての皆様に心からお見舞いを申し上げます。
また、国土交通省におかれましては、赤羽大臣の陣頭指揮により、所管する河川や道路、鉄道などの災害対応に全力を挙げて取り組まれるとともに、テックフォースの派遣や災害対策用機械の派遣などに御尽力をいただき、心から敬意を表しますとともに、感謝を申し上げたいというふうに思います。
私も、発災以降、東京都、神奈川県、長野県、福島県、宮城県などの被災現場に足を運びまして厳しい実情を見てまいりました。
本日は、そうした現場での体験を踏まえまして質問をさせていただきたいと思います。
まず、台風十九号による越水、破堤氾濫など河川関係の被害について伺いたいと思います。
直轄管理区間の破堤というのは大変珍しい現象でありまして、昭和五十一年の長良川の破堤以来、平成十六年の兵庫県の円山川本川及び支川出石川の破堤、平成二十四年の九州北部豪雨の際の福岡県矢部川の破堤、昨年の西日本豪雨の際の高梁川支川の小田川の破堤など、数えるほどしかありません。
一方今年は、私が訪れました長野県、穂保地区の千曲川や、宮城県大崎市の吉田川を始め、直轄区間の十二か所で破堤が起こりました。
お手元の資料一に破堤箇所についてお示しをしてございます。
さらに、県管理区間では百二十八か所の破堤が起こっております。
このように、全国各地で同時多発的におびただしい数の河川で越水、そして破堤氾濫が発生をいたしました。
私が伺った現場の資料をお手元に付けさせていただきました。
資料二が千曲川、資料三が阿武隈川、資料四が宮城県の丸森町と大崎市の吉田川、資料五が多摩川沿川の被害の状況でございます。
なお、皆さん御承知と思いますけれども、堤防は、表面にブロックが張ってある場合もありますけれども、基本的に土でできていまして、越水には非常に脆弱で、越水した水によりまして堤防が浸食されて決壊が起こると、越水だけによる被害や内水による浸水被害とは大きく異なりまして、まるで津波のように押し寄せてくる水によって壊滅的な被害が起こります。
それを防ぐために、先輩たちによりスーパー堤防が考案されるとともに、海岸堤防などでも、津波による越水に強い、粘り強い構造の堤防も考案されてまいりました。
今回の台風十九号等による河川の被害の状況と、堤防の決壊により壊滅的な被害を生じさせないための今後の対策について、水管理・国土保全局に伺います。
ありがとうございました。
なお、今回の災害の復旧に当たりましては、特に県が管理している河川での甚大な被害、こういったものを踏まえまして、西日本豪雨のときと同様、道路や河川の分野で直轄の権限代行で国が代行して災害復旧が行われることになっております。
県の対応能力では限界がありますので、大変有り難い対応だというふうに思っておりまして、感謝を申し上げたいと思います。
続きまして、今回の台風十九号でございますけれども、死者、行方不明者が約千二百人を超えました昭和三十三年九月の狩野川台風に匹敵する台風というふうに言われました。
気象庁がこのように分かりやすい表現で台風の脅威について御説明いただいたことにつきましては、敬意を表したいというふうに思います。
その指摘のとおり、静岡県伊豆市の湯ケ島雨量観測所での総雨量は、狩野川台風のときには七百三十九ミリであったのに対しまして、台風十九号ではそれを上回る七百七十八ミリということでございました。
しかし、今回、幸いにして狩野川流域では大きな被害は出ませんでした。
これは、狩野川台風により被害を受けた後の昭和四十年に完成したトンネル放水路であります狩野川放水路、これが毎秒千二百トン分派したというふうに聞きましたけれども、その効果が大きかったのではないかというふうに考えております。
資料六の方に狩野川放水路の資料を準備させていただきました。
今回の台風と狩野川台風、大変驚くほどコースが似ているというのがお分かりいただけるのではないかというふうに思います。
狩野川台風と台風十九号の被害の比較と、狩野川放水路の整備効果について、水管理・国土保全局に伺います。
ありがとうございました。
狩野川台風の際の被害を見ますと、狩野川の流域内では八百五十人を超える死者、行方不明者が出ておりました。
しかし、実は、神奈川県でも死者、行方不明者が九十四名、東京でも四十六名というふうに言われておりました。
南関東でも当時大きな被害が発生していましたけれども、今回、狩野川台風ということで伊豆半島の被害ばかり考えていなかったかなという点が我々も反省していかなきゃいけない点だというふうに思っておりますし、気象庁と水管理・国土保全局で今後よくその辺の検証をお願いしたいというふうに思います。
狩野川放水路のほかにも、これまで行われてきた河川改修が大きな効果を発揮しまして、被害が出なかった河川がたくさんあったというふうに思っております。
被害が極めて広域的で甚大なため、国土交通省としてはなかなかその効果をアピールしづらい、そういったところがあるというふうに思いますけれども、例えば平成二十七年九月に関東・東北豪雨で堤防決壊により大きな被害を受けました鬼怒川でございますけれども、今回は、復旧工事と併せて行った改修工事が完成しており、前回のような大きな被害は発生をいたしませんでした。
また、利根川流域では、首都圏外郭放水路や渡良瀬遊水地とその周辺の遊水地群、こういったものが絶大な効果を発揮したというふうに思っております。
また、ワールドカップで話題になりましたけれども、日本対スコットランド戦が行われた横浜国際総合競技場周辺の公園は遊水地として機能して水没をいたしておりましたけれども、その川であります鶴見川なども事前に整備した効果が大きかったというふうに言えるというふうに思います。
河川整備に当たりまして、事前の防災、事前防災でしっかり準備をしていくことがやはり重要ではないかというふうなことが認識されたというふうに思いますけれども、水管理・国土保全局の見解をお願いしたいと思います。
水害が発生いたしますと良くないことばかりがクローズアップされる傾向にありますけれども、こうした整備効果を踏まえた事前防災を着実に進めていく必要があるというふうに考えますので、よろしくお願いしたいと思います。
次に、ダムについて話題を変えたいと思います。
さて、今回も、西日本の豪雨災害の際と同様、全国でダムが洪水調節で大きな効果を上げたと聞きます。
上流部にあるダムに一時的に出水をため込むわけですので、下流の洪水軽減効果が必ずあります。
東日本を中心に全国で百四十六のダムが洪水調節を行い、洪水被害の軽減に大きな効果を発揮しています。
資料七の方に昨年との比較を載せてございますが、このようにたくさんのダムで洪水調節が行われてきております。
しかし、その一方で、昨年の西日本の豪雨で課題となりました、ダムの洪水調節容量を使い切ってしまうおそれのある場合にダムからの放流量を増加させて徐々にダムへの流入量に擦り付けていく異常洪水時防災操作、マスコミではよく緊急放流というふうに言われておりましたけれども、そうした操作を行うダムが生じました。
資料八にございます。
模式図で示しておりますけれども、上の方の図が通常の洪水調節であります。
下がいわゆる緊急放流でございまして、計画を超える規模の流入があった場合に、ある時点から放流量を計画放流量より増加させる、この斜めになっているところがそうなんですけれども、そういう操作に移行しているのが分かるかと思います。
なお、ダム湖への流入量より大きな放流をすることはこれを見ていただいてもありませんので、ダムがあることで事態を悪化させるようなことにはなっていない、そういうふうに思いますし、誤解がないようにお願いをしたいと思います。
この操作は、ダムが満杯になって越流してしまうのを防ぐためやむを得ない措置ではありますけれども、台風十九号では、昨年の教訓を踏まえて、そうした操作を行う際には早めに公表し、事前に沿川の皆さんにお知らせするなどきめ細かい対応が取られていたというふうに思います。
その点についてはしっかり評価したいというふうに思います。
台風十九号の際のダムの洪水調節の実施状況と緊急放流の実施状況について、水管理・国土保全局に伺います。
ありがとうございました。
今回、緊急放流では、テレビでも城山ダムが緊急放流を行う、相模川の城山ダムなんですけれども、その報道があったのを皆さんも御記憶にあるんじゃないかというふうに思います。
下流の相模川の流量がそれによって増加するのが懸念されたわけでございますけれども、実は、資料の九でございますけれども、この相模川流域には城山ダムの下流で相模川に合流する中津川という支川がありまして、その中流部に私が建設省の事務所長として建設に携わりました宮ケ瀬ダムというのがございます。
若干手前みそになるかもしれませんが、お許しください。
この宮ケ瀬ダムというのは、ダム高が百五十六メーター、首都圏最大でございます。
貯水容量は一億九千三百万トンでございまして、芦ノ湖にたまっている水の量に匹敵する水量がたまります。
城山ダムの約三倍の総貯水容量があります。
洪水調節容量も城山ダムの二倍の四千五百万トンあります。
宮ケ瀬ダムは、今回、いろんな情報を見ていると、ピーク流量で千九百トンたしか流入しておりましたけれども、その際にも毎秒百トンしか放流していなくて、ほとんどの水をダム湖にため込んで洪水調節を行っていました。
この効果はとても大きかったと思います。
したがいまして、宮ケ瀬ダム、そして城山ダムの効果によりまして相模川下流部では大きな被害が出なかったのではないかというふうに考えております。
こうしたダムの効果についてもしっかりと検証をしていただき、評価していただければというふうに思います。
さて、昨年の緊急放流の問題を教訓にしまして、あらかじめ洪水調節機能を増強するため事前放流というのを実施したダムが複数あったというふうに聞きました。
資料の十が事前放流の模式図でございますけれども、台風が来る前にあらかじめ、本来利水のためにためておく容量の一部を放流することによりまして、水位を下げて洪水を貯留するための容量を所定のルールより多く確保しておく、その結果、洪水調節効果を高める、そうした事前放流を採用したダムがあったと聞きましたが、事前放流の実施状況について、水管理・国土保全局に伺います。
昨日の新聞にも発電ダムの活用というのが出ておりましたけれども、今後も、利水関係者などダムの共同事業者の理解を得て事前放流を強化すべきと考えます。
よろしくお願いしたいと思います。
次に、八ツ場ダムについてお聞きしたいと思います。
赤羽大臣も、十一月二日、現地を訪れられたと報道がありました。
ありがとうございました。
私は、建設省、国土交通省で長らく勤務をし、ダム建設関連の仕事に長年携わる中で、再三八ツ場ダムにも関わらせていただきました。
様々な誤解があるようですので、少々経緯についてお話をさせていただきたいと思います。
平成二十一年の政権交代に伴いまして、当時八ツ場ダムはダム本体工事の発注手続の段階ではありましたけれども、前原大臣から、マニフェストに書いてあるので八ツ場ダムを中止する、全国八十三のダム事業についても一旦中止して検証を行うという方針が示されました。
その後、後任の馬淵大臣の際に、中止の方向性については言及しない、一切予断を持たずに検証する、少し方向転換がございまして、前田大臣が就任されてから、建設省出身の河川技術者でもあり実際に利根川の治水計画にも携わられたこともあったからだと思いますけれども、継続との対応方針を決定し、私が水管理・国土保全局長の際にお仕えした羽田大臣もその方向性を継承され、その後、政権交代により就任された太田大臣が、前田大臣が継続を決定したことを尊重して早期完成を目指すとの方針を表明され、それを受けて八ツ場ダムは建設に向けて再度動き出すことになりました。
こうして振り返ると、大変感慨深いものがあります。
その八ツ場ダムが、本体工事が完了して十月一日から試験湛水を行っていましたけれども、約五百五十万トンたまっていた状態で今回の出水を迎え、約七千五百万トンの水を貯留をいたしました。
資料十一、十二に写真とデータをお示しをいたしております。
実は、その当時、下流の埼玉県加須市で、今回の出水でピーク時には利根川の水位が計画高水位にあと三十センチというところまで迫っておりまして、越水のおそれがある旨を公表するなど、非常に切迫した状態だったというふうに聞いております。
結果的に、八ツ場ダムや下久保ダムなど上流のダム群の効果で下流の利根川の越水や破堤氾濫を防御する大きな効果を上げたというふうに考えています。
私も、十月の十七日に八ツ場ダムに伺わせていただきましたが、ほぼ満水状態のダム湖を見て大変頼もしく思ったところであります。
しかし、それに反論するような形で、八ツ場ダムの洪水調節効果は全くなかったと主張する方々がいらっしゃるようであります。
全く科学的ではありません。
確かに、利根川の上流部には下久保ダムなど複数のダムがあり、これらが連携して洪水被害を軽減を図っておりますので、一つ一つのダムが単体でこういう効果を発揮したというふうに表現するのはなかなか難しいんですけれども、あれだけの量の洪水を貯留したわけでございますので、明らかに大きな効果を発揮したと考えるのは当然のことだというふうに思います。
八ツ場ダムの洪水被害軽減効果について、現地を視察された大臣の思いをお聞かせください。
よろしくお願いします。
大臣、ありがとうございます。
政権交代により、現実的には四、五年工期が、工程が遅れたのは事実でございます。
その苦しい状況を関係者が血のにじむような努力で克服して、何とか今回の出水に間に合わせたというのが私たち関係者の実感でございます。
大臣にも是非その点をお酌み取りいただきたいというふうに思っております。
一方、八ツ場ダムは今回試験湛水中だったから空の状態で水をためることができたので大きな効果を発揮したもので、運用を開始した後ではこんな大きな効果はなかったのではないかというふうに指摘する方々がいらっしゃいます。
ダム技術者の私としては非科学的な指摘で全く驚くばかりでございますけれども、資料の十二に八ツ場ダムの洪水調節計画を載せてございますけれども、洪水調節容量が約六千五百万立方メートルあり、今回のような洪水がダム湖に流入してきても、毎秒二百トンという一定量の放流を行いながら貯留をするという計画どおりの操作をすることにより、所定の効果を上げたということが明らかだというふうに私は思います。
八ツ場ダムは試験湛水中でたまたま大きな効果を発揮した、実際、運用後なら効果はなかったという指摘に対して、水管理・国土保全局の見解をお願いいたします。
局長には詳しい御説明、ありがとうございました。
安心をいたしました。
話題を変えまして、河川改修の方に参りますが、今回、おびただしい箇所で破堤や越水による被害が発生しました。
破堤箇所が百四十か所、越水や内水による浸水箇所は二百八十五の河川に及ぶというふうに言われています。
平成二十四年の九州北部豪雨の際にも議論がありましたけれども、豪雨災害がこう頻発している状況を考えますと、被災箇所を元どおりに原形復旧するということでは不十分で、安全度を上げるために計画対象流量を増加させるなど、いわゆる改良復旧を行う必要があると考えますけれども、水管理・国土保全局の見解を伺います。
台風十九号により、東日本を中心に床上浸水は約三万四千棟、床下浸水は約三万八千棟という大きな被害を受けています。
一方、浸水被害の発生に伴いまして、資料十四の方に準備をさせていただきましたけれども、佐賀県の水害の際に発生しました工場からの油の流出、郡山で発生したバスの大量水没、長野新幹線の車両基地の水没、武蔵小杉などのタワーマンションの電気設備等の水没や、医療機関、高齢者施設の水没など、様々な不測の事態が生じています。
これらの被害は恐らくハザードマップの情報があれば未然に防ぐことができたのではないか、そういうふうに考えられる点が多々あります。
今後、地球温暖化の進展によりまして浸水被害の拡大も懸念されることから、浸水の予想されるエリアの被害の未然防止のために、浸水域管理というんでしょうか、場合によっては流域管理という言葉かもしれませんけれども、そうした考え方が必要ではないかというふうに感じております。
私も河川局時代にかつて都市局、住宅局ともそういった議論をしたことがございますけれども、こうした浸水域で多様な被害を生じたことを踏まえまして、まちづくりや土地利用の観点からどのような対策を講ずべきか、都市局に伺いたいと思います。
ありがとうございます。
最近、避難の情報について考えても、市町村単位で全域に避難勧告、避難指示が出されることが多いんですけれども、こういうハザードマップをベースにしたきめの細かい避難の呼びかけ、そういったものも必要ではないかというふうに感じておりまして、今のその浸水域の管理の中で是非御検討をいただきたいというふうに思います。
続きまして、最近、台風が来襲する前に鉄道の計画運休だとか、デパートやスーパー、コンビニなどの計画休業、学校の計画休校などの対応が取られるようになってまいりました。
台風十九号の際にもそうです。
安全重視の視点からとても重要な取組と私自身評価しております。
こうした取組はタイムラインに基づく行動と考えることができます。
私が水管理・国土保全局長をしていた二〇一二年、平成二十四年にアメリカをハリケーン・サンディが襲いました。
この被害調査のために土木学会と連携して調査団を派遣をいたしましたけれども、その結果報告の中に、アメリカではタイムラインと言われる行動表を関係者が共同で作成し、それに基づいて対応を行うこととしており、ハリケーン・サンディの際にも大きな効果を発揮したというふうなことを聞きました。
日本でも、国土交通省でこの考え方を導入することを、私の後任の水管理・国土保全局長、森北さんでございましたけれども、決定しまして、関係者が協力してタイムラインを策定し、それに基づき対応する取組が始まっています。
資料十五でございますけれども、それがそれのモデルのようなものでございます。
今後、こうした取組を参考に、ハザードマップなども踏まえまして作成したタイムラインをしっかり普及させていくようにお願いをしたいというふうに思います。
なお、防災・減災には、公助のみならず、自助、共助も大事でありますが、鬼怒川の決壊の際の復旧復興を図る中で、マイ・タイムラインというのも今普及が進んでおります。
個人レベルでタイムラインを作るというものでございますが、これも大変有効でありまして、ハザードマップなどの情報をベースに個人レベルで自ら考えマイ・タイムライン作りを進める、こういう実効性のある避難体制づくりを進めていく必要があるというふうに感じています。
今後、ハザードマップの活用を進めるとともに、タイムライン、マイ・タイムラインの普及を図るべきというふうに考えますが、水管理・国土保全局の見解を伺います。
ありがとうございました。
特に、マイ・タイムラインというのは住民の皆様に意識をしていただく上でも大変重要な施策だというふうに思っておりますので、普及をよろしくお願いしたいと思います。
次に、被災者の救済についてお聞きします。
今回、大変たくさんの方々が被災をしたり、避難を余儀なくされています。
多摩川沿川の被災地も伺いましたけれども、町工場や民間の車検場などが被災し、なりわいの再生に苦慮をされているのが実情でございました。
箱根にも伺いましたが、観光面の打撃について懸念するお話も伺いました。
中小企業の被災にはグループ補助金が有効なんですけれども、単独で被災しているケースもあり、どう対応したらいいのか悩んでいる方々もたくさんおられ、そういう個々のケースにも支援の検討をお願いできたらというふうに思っています。
また、長野、福島、宮城に行くと、農地のみならず果樹園や農作物、林産物の生産工場など、地域の基幹産業が大きな被害を受けておりました。
それらの方々への支援も不可欠で、あらゆる手段を講じて対応していただきたいというふうに思います。
なお、災害対応の大切な担い手である建設業の中にも、会社の社屋や事業所が浸水したり、工事現場の資材や重機が浸水しているところがありました。
災害対応を担う建設業の皆さんのなりわいの再建にはやはり公的な支援も行うことも必要ではないかというふうに考えておりまして、是非とも検討をお願いしたいというふうに思います。
そうした状況を踏まえまして、安倍総理から、被災者対策をまとめるようにとの指示があったと聞きます。
被災者の生活となりわいの再建に向けた対策パッケージについて、内閣府に伺います。
ありがとうございました。
しっかり対応をお願いしたいというふうに思います。
さて、被災地に伺いますと、自衛隊、警察、消防などの皆さんの頑張りが目を引きます。
実際に、真っ先に現場に駆け付け、流入してきた土砂の排除だとか傷んだ道路の修繕、崩れたのり面の補修、決壊した堤防の復旧などを行っておりますのは、地域に精通しており、重機を使って機動力も有している地域の建設業の皆さんなんです。
資料十七に彼らの活躍ぶりを写真でお示しをしてございますが。
地域の建設業の皆さんは、ここのところの公共事業予算の削減で、企業の数も大幅に減少し、弱体化をしており、体制の充実強化に向けて真剣に取り組まなきゃならないというふうに考えられます。
資料十六には治水関係予算の推移を示しましたが、削減傾向が見て取れると思います。
このために、彼らが安心して先を見通して事業を進めることができる規模の予算の確保、これが大事でございますし、仕事をすれば必ず利潤が上がる環境の整備が必要でございます。
このため、さきの通常国会で品確法の改正など担い手三法などの改正を行いましたけれども、引き続き、被災地の復興係数、復興歩掛かりなどの対応を含めまして、きめの細かい対策を講じていく必要があるというふうに考えられます。
災害対応の担い手である建設業につきまして、地方の建設業についてよく御存じの青木副大臣の見解をお聞きしたいと思います。
ありがとうございました。
一方、地域のコンサルタントや測量設計業の皆さんも、災害発生時には真っ先に被災現場に駆け付けて被災状況の調査を行い、応急復旧のための調査、測量、設計を行い、さらには、その後の災害査定用の資料の作成支援、こういった重要な役割を担っておりますが、今の建設業と同様、大変厳しい状況下にあります。
この点につきましても青木副大臣の見解をお願いしたいと思います。
ありがとうございました。
トラック、バス、タクシーの体制確保についても伺いたいと思います。
今回の災害では、トラック、バス、タクシーが各地で浸水被害を受け、先ほどもお示ししましたが、郡山のバスの水没を始め多数浸水被害を受けるなど大きな被害が出ました。
一方、それにもかかわらず、トラック業界では、支援物資の輸送等で、国のプッシュ型支援の担い手として大いに活躍をしたと思います。
また、バスについても、広域避難の際の貴重な輸送手段として、さらには鉄道の不通の際の代替輸送の担い手としても大きな役割を果たしています。
また、タクシーについても、避難の際の有効な手段として、特に高齢者の避難所への貴重な移動手段として活躍をしています。
災害対応の観点からも、これらの分野が持続的に発展することが、建設業やコンサルタント、測量設計業と同様、非常に大事なことであるというふうに思います。
トラックでは、昨年、貨物自動車運送業法の一部改正を行いまして標準運賃を定めるという措置を講じることができまして、一定の成果を上げたというふうに思いますけれども、一方、バスやタクシーについては深刻な運転手不足が問題となっておりまして、とりわけタクシーの分野では、運転者の賃金アップなどの労働環境の改善が不可欠であり、災害の際の支援という観点でも、運賃改定などを積極的に進める必要があるというふうに考えています。
トラック、バス、タクシー分野は災害対応上不可欠な分野でございまして、人員の確保やそのための処遇改善など環境整備が必要と考えますけれども、自動車局の見解を伺いたいと思います。
ありがとうございました。
是非ともよろしくお願いします。
今回も、被災地では、全国から派遣されたテックフォースの姿を各地で見かけることができました。
沖縄からも駆け付けてくださいました。
ありがとうございます。
また、排水ポンプ車も随所で活躍をしておる姿を見ました。
資料十九にそういったテックフォースの活躍の状況をお示しをさせていただいております。
一方、国土交通省では、国家公務員全体の定員削減の流れの中で、特に地方で、インフラの整備、管理や災害対策を担っている整備局の人員が長年にわたりまして大幅削減を余儀なくされてきております。
資料二十にお示しをしたとおりでございます。
しかし、最近の災害の頻発の状況を見ますと、整備局の現場事務所と自治体が緊密に連携を取りまして、リエゾンを派遣したりテックフォースや災害対策用機械を派遣するなどの対応が激増しています。
さらには、権限代行で復旧工事を担うケースも増えてきております。
国土交通省も限界だというふうに思います。
にもかかわらず、更に人員を削減しようという定員削減の取組が進んでいます。
今後の我が国の安全の確保の観点からも、是非とも国土交通省などの実動官庁の人員については削減というような乱暴なことは見送りまして、是非とも増員をするようにお願いをしたいと思いますが、大臣の御決意をお聞きしたいと思います。
ありがとうございます。
私も整備局長を四国と中部でやらせていただきました。
どんどん定員が減っていく中で、仕事をやりくりしていくのに大変苦労した思いがあります。
是非とも、大臣の御尽力で何とか増員が可能になるようにお願いをしたいというふうに思っております。
最後の質問になります。
今回の被災を受けまして、短期的には災害復旧のための補正予算の編成が必要であるというふうに考えます。
各地の被災者が安心できるような、大型できめの細かい補正予算が必要だというふうに考えています。
また、もう少し中期的な話ですけれども、令和二年度までの三か年の緊急対策、防災・減災、国土強靱化の緊急対策の恐らく見直しが必要ではないのかというふうに考えておりまして、延長措置や規模の拡大、あるいは新たな緊急対策の策定なのかもしれませんけれども、そうした対応が必要になるのではないかというふうに考えています。
さらに、長期的には、地球温暖化に伴う気候変動の影響などで災害のリスクが拡大している中で、防災・減災、国土強靱化の取組を大幅延長するなど、五か年あるいは十か年の長期的な計画に基づく大規模な公共事業予算の確保が必要ではないかというふうに考えています。
安倍総理も、十月十六日の参議院予算委員会で松山政司先生の質問に答えて、三か年緊急対策を講じた後、後なんですけれども、国土強靱化基本計画に基づき、必要な予算を確保した上で、オールジャパンで国土強靱化を強力に進めるというふうに答弁をされておられます。
これを聞かせていただき私も大いに期待しているわけなんですけれども、大規模な公共事業予算の確保に向けて大臣の御決意を承りたいと思います。
よろしくお願いします。
ありがとうございました。
被災した方々や、それから災害の対応の担い手として頑張っている建設分野の皆様方を始め、たくさんの方々が大変力強い、頼りになる御発言をいただけたというふうに思っていると思います。
しっかりと大臣に頑張っていただきまして、私どももしっかり支えてまいりますので、大規模な補正予算を始め、しっかりとした公共事業予算の確保に向け、何とか夢がかなうようにお願いをして、私の方からの質問を終えさせていただきます。
ありがとうございました。
第198回[参] 国土交通委員会 2019/06/06 17号
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自由民主党の足立敏之でございます。
羽田委員長、酒井理事を始め理事の皆様方には、前回に続きまして質問の機会を与えていただきまして、感謝を申し上げたいと思います。
また、本日は、品確法の一部改正について、全会一致で可決していただきました。
長年こうしたことに取り組んでまいりました私としても、委員会の先生方には厚く御礼を申し上げたいと思います。
ありがとうございました。
それでは、早速質疑に入らせていただきます。
まずは、昨年九月にインドネシアのスラウェシ島で発生した大規模な地震による災害について伺います。
スラウェシ島の地震は、昨年九月二十八日に発生したマグニチュード七・四の大地震で、大きな揺れと津波により、死者、行方不明者が四千五百名を超える大きな被害が出ております。
年末に現地に行かれました自民党国土交通部会長の伊藤忠彦衆議院議員からアドバイスをいただきまして、私も今年一月五日から被災地に伺い、調査を行いました。
資料二でございますけれども、地震による建物被害の状況をお示ししています。
スラウェシ島の災害は、発生直後は津波の被害として日本に紹介されましたけれども、現地に伺いまして驚いたのは、それよりも、地震に伴う液状化によって地盤が大規模に流動化し、資料三にお示ししてございますけれども、それに伴って家屋などの建物が地盤にのみ込まれまして大きな被害を発生していったということでございます。
まず、津波被害の方ですけれども、沿岸部では十メーターを超える津波に見舞われたとの報道もございましたけれども、それは津波の水しぶきの高さで、実際は、浸水深としては約三メーター程度であったというふうに聞いております。
パル湾の沿岸部を調査しましたが、沿岸の道路が背後地もろとも地すべりのように海に落ち込んでおりまして、その影響で津波が発生したとも言われておりまして、沿岸部の建物が津波により破壊されるなど、大きな被害を発生していました。
資料四、航空写真ですが、これによりまして津波被害の状況も分かるかと思います。
一方、地震に伴う液状化によりまして地盤の大規模な流動化現象が発生し、パル市周辺のペトボ地区、ジョノオゲ地区、バラロア地区などで大きな被害を発生していました。
なお、液状化による被害の状況は、衛星写真を基に日本の航空測量会社さんに分析をしていただきました。
ありがとうございました。
まず、資料五がペトボ地区でございます。
勾配が大変緩くて一%程度でございますけれども、幅一キロ、長さ二・五キロの範囲で地震に伴う液状化によりまして地盤の大規模流動を生じており、千戸を超える家屋が流され破壊されたり、流動化した土砂にのみ込まれたりして大きな被害を発生しています。
続いて、資料六は隣のジョノオゲ地区でございますが、この地区でも、先ほど言いましたペトボ地区と同様、勾配が一%程度と非常に平たんであるにもかかわらず、幅一・五キロ、長さ三・五キロの範囲で液状化による大規模な流動により大きな被害を発生していました。
なお、この地区は、流動化による被害に続いて洪水が発生して被害を拡大しています。
この洪水は恐らく被圧地下水の噴出やかんがい水路の決壊による水の流出などが原因と考えられておりますけれども、地震に伴う洪水というのは、日本においてはため池の決壊、こういったものが原因となるものは経験してございますけれども、被圧地下水がその一因というのは私も初めて聞く話でありました。
次に、西側の地区で唯一液状化による大規模流動の被害を受けた、資料七でございますが、バラロア地区でございます。
先ほどの二地区とほぼ同じで、勾配は二%程度なんですけれども、やはりかなり平たんであるにもかかわらず、幅〇・四キロ、長さ一キロの範囲で液状化による大規模な流動により激甚な被害を発生していました。
こちらは元々人家が非常に密集している地域でもありまして、たくさんの家屋が破壊され地盤にのみ込まれるなど、大きな被害が出ていました。
建物の中には三百メーターぐらい移動したというような状況も確認されているというようなことでございました。
なお、このバラロア地区付近では、何か所か地表面に今回の地震で動いた断層が現れております。
道がクランク状になっていますが、元々は一直線だったものでございまして、資料八の方にお示しをしてございますが、現地で、大きいところでは四・五メーターの横ずれを確認できまして、大変驚きました。
なお、現地の原住民カイリ族には、ナロドという泥に吸い込まれるという意味の液状化を示す呼び名があるということで、こうした現象が過去にも起こっていたということを示唆しています。
ところで、この液状化に伴う大規模流動は世界的にも大変珍しい現象だというふうに考えられます。
この現象のメカニズム、発生メカニズムの解明や今後の復旧復興計画の策定に、JICAの専門家としてインドネシアに派遣されている多田さん、早川さんという、かつて私と国交省の河川計画課で一緒に勤務をしたことのあるメンバーを始め、日本から派遣された民間の技術者の皆さんが超人的に活躍をされていました。
特に復興計画の策定に当たりましては、災害リスク評価に基づく空間計画の策定など、東日本大震災のノウハウを生かした計画作りを進めており、このメンバーがいなければスラウェシ島の復旧復興は考えられないというふうに強く感じました。
まず、国土交通省にお伺いをいたします。
国土交通省として、これまでどのような支援を行ってきたのか、さらには今後どのような支援を行っていこうとしているのか、伺います。
ありがとうございました。
これからも引き続き御支援のほどよろしくお願いしたいと思います。
一方、スラウェシ島の災害復旧に当たりましては、お話がございましたとおり、国際協力事業団、JICAが大きな支援をしていました。
インドネシア政府の信頼も厚く、大変頼もしい思いを私もいたしました。
現地でJICAから派遣されている皆さんの頑張りぶりを見せていただき、大変感激もしたところでございます。
外務省に伺いたいと思います。
国際協力という観点でこれまでどのような支援を行い、今後どのような支援を行うことを考えているのか、さらには、今後こうした激甚な災害が海外で発生した場合に日本としてどのように対応していくのか、伺いたいと思います。
ありがとうございました。
今回の外務省の支援につきましては、心から感謝を申し上げたいと思います。
特に、復興計画策定には日本の支援が不可欠です。
引き続きこの点の技術支援をお願いしたいと思います。
なお、パル川河口の第四橋梁、資料三に写っております黄色い橋です、落橋しておりましたけれども、これを今回追加で再建の支援を行うこととなったというふうに伺いました。
これはパル市の象徴として市民から愛されていた橋梁だというふうに現地で聞きまして、この橋の再建の支援を日本が行うということは大変意義深いことだというふうに思っております。
この点については評価したいと思います。
さて、日本では、東日本大震災を始め、様々な大規模災害の経験があります。
こうした経験を生かして、災害で被災した国に対して引き続きしっかりとした支援を続けていくことが国際協力の観点からも重要だというふうに考えております。
資料九にお示しをしましたけれども、平成二十三年にタイでチャオプラヤ川が氾濫し、日本から進出した企業の多い工業団地などが大きな被害を受けました。
そのとき私が中部地方整備局長をしておりましたけれども、その管内の排水ポンプ車十台、日本の技術者と共に国際緊急援助隊としてタイに派遣し、排水活動に大いに貢献して高い評価をいただいたことがあります。
こうした経験も何とか生かしていきたいというふうに思います。
今回のスラウェシ島の災害復旧にこれからも国土交通省でどのような支援を行っていくのか、大臣の御決意を伺います。
また、今後同様な災害が海外で発生した場合にどのように取り組んでいくのか、場合によっては日本のテックフォースのような組織を海外に派遣することも大事ではないかというふうに思っておりますが、大臣のお考えをお聞かせいただければと思います。
よろしくお願いします。
ありがとうございました。
日本の災害対応能力は世界最高だというふうに思っております。
国際協力の観点から、是非ともその能力を引き続き迅速かつ的確に活用していただくように、石井大臣にはお願いしたいと思います。
次に、日本のインフラの整備水準についてお伺いしたいと思います。
安倍総理の指示に基づきまして実施した重要インフラの緊急点検を踏まえまして、事業費ベースで七兆円規模の三か年緊急対策が実施されています。
六兆円規模でここ六年程度横ばいを続けてきました公共事業予算の状況からしますと、三年間、一兆円以上の上乗せ予算は大変有り難いことであります。
しかし、これからの日本を考えますと、五年前に策定した二〇五〇年を見据えた国土のグランドデザインはありますが、インフラ整備について具体的な目標だのが定められているわけではありません。
今後、どの程度の水準までインフラ整備を進めるのか、そのための投資がどの程度必要なのか、しっかりとしたビジョンづくりを行う必要があるというふうに考えております。
さて、我が国のインフラの整備水準について見ると、後ほど詳しく紹介をさせていただきますが、欧米やアジアの国々と比較しても大変遅れた水準にあると言わざるを得ません。
ところが、財政審では、資料十にお示ししておりますが、高速道路、新幹線、空港、港湾、生活関連施設等の社会資本整備水準は大きく向上しており、社会インフラは概成しつつあるというふうに主張しています。
しかし、日本のインフラの現状からすると、とても概成などと言えるような状況ではないというふうに思います。
このような状況で厳しい国際競争を勝ち抜いていけるんでしょうか。
まだまだミッシングリンクがつながっていない地域の皆さんや高速道路が走っていない地域の皆さんからすると、とんでもないということではないでしょうか。
毎年激甚な災害に見舞われている日本の状況をどのように考えているんでしょうか。
国土交通委員会の先生方にも是非、御自分の経験に照らして、日本のインフラの現状についてよくお考えをいただければというふうに思います。
それでは、まず、道路の整備水準について指摘をさせていただきます。
昨年一月、タイの首都バンコクに伺いました。
その際、驚いたのは、資料十一に写真を載せましたけれども、国際空港からバンコクの中心市街地に移動する際の高速道路が、タイの方は片側四車線、五車線ありました。
日本に戻って帰宅する際に乗った首都高は幾ら数えても二車線しかないということでございまして、さらには、今年一月に台北にも伺いましたけれども、あちらの方の高速道路は非常に充実していて、日本のインフラの整備水準が世界水準から見ると二流、三流の水準に落ち込んでしまっている、そういうふうに感じています。
平成二十九年度の国土交通白書によりますと、一万台当たり高速道路延長は、ドイツが二・六五キロメートル、フランスが二・九七キロメートル、米国が三・九七キロメートルに対して、日本は一・四七と低い水準になっています。
日本はまだまだ高速道路が整備途上と言えるというふうに思います。
なお、資料十二の方に中国の状況をお示ししました。
年間七、八千キロと次元の異なるスピードで整備が進んでおりまして、驚きます。
日本の状況もそこには入っておるんですけれども、全く横ばいでございまして、何とかしなければ国際競争に負けてしまう、そういうふうに強く感じます。
一方、高速道路の車線数を見ますと、資料十三にお示ししてございますが、主要国ではほとんど片側二車線以上を確保していますが、日本は三八%が片側一車線の暫定二車線になっています。
資料十四の方にお示ししましたが、韓国も二十年前には四割ぐらい暫定二車線があったそうなんですけれども、既にこの二十年間で解消されています。
その結果、高速道路の事故による死者が大幅に削減されているというふうな情報もありました。
こうしたことが影響しているというふうに考えますが、資料十五にお示ししましたが、都市間の連絡速度というものを見ると、日本はかなり低い水準であります。
これでは物流コストが高くなり、生産性の面でも大いにマイナスです。
産業面の国際競争力という観点からも残念な状況だというふうに言わざるを得ません。
日本の高速道路の整備水準について、大臣は海外にもよく足を運んでおられると思いますけれども、欧米諸国と比較して一流の域にあると考えておられるのか、大臣のお考えを伺いたいと思います。
ありがとうございました。
日本の道路インフラを一流のものに取り戻していくために、特に高速道路のミッシングリンクの解消、そして暫定二車線の四車線化についても是非ともよろしくお願いしたいと思います。
続いて、道路の維持管理の観点からの道路の整備水準について御指摘をいたします。
お手元の資料十六、十七に日本の道路の整備状況をお示しをしました。
これを見ても、非常に老朽化が進んでいて一流とは言えない状況にあるのではないかというふうに思います。
三十年ほど前にアメリカでは老朽化した橋が落ちたり通行できなくなるような事態が頻発しまして、荒廃するアメリカというふうに呼ばれました。
一九三〇年代のニューディール政策の頃に整備したインフラが、五十年ぐらい経過しますと一斉に老朽化したということが原因でございます。
日本においても高度成長期に整備したインフラが今一斉に老朽化を迎え始めており、笹子トンネルの事故が象徴されるように、日本でもかつてのアメリカと同じようなことが起こり始めているのではないかと心配になります。
日本の道路について、維持管理の面から見て深刻な状況にあり、荒廃する日本と言われる前に何とか手を打つ必要があると考えますが、見解を伺います。
ありがとうございました。
しっかり予算を確保して、道路の維持管理レベルを従来の健全な状態に戻していただきたいというふうに思います。
続いて、港湾の整備水準について指摘をしたいというふうに思います。
港湾につきましては、国際的にコンテナ船の大型化が進んでいます。
大型のコンテナ船が着岸可能な水深十六メーター級のコンテナ岸壁の延長は、アジアのライバルである中国、韓国、台湾、シンガポールなどと比較しても、資料十八にお示ししてございますが、後れを取っております。
その結果、資料十九に示しておりますが、アジアの主要港と比較してコンテナの取扱量がオーダーの異なるぐらい劣っています。
やはり二流、三流と言わざるを得ないと思います。
また、バルク貨物にしましても、資料二十でございますが、石炭を扱う岸壁を見ましても、アジアの近隣諸国と比較して、岸壁の水深が見劣りするだけでなくて老朽化も進んでいます。
港湾の貨物取扱い能力は国際競争力に直結するものであり、早急な対応が必要と考えます。
日本の港湾の整備水準についてどのように評価されるのか、そして今後どのように整備に取り組んでいくのか、伺いたいと思います。
ありがとうございました。
現状のようなことではいけないというふうに思います。
国際競争力を高めるためにも、港湾の整備促進をお願いしたいというふうに思います。
次に、治水面の整備水準について指摘したいと思います。
まず、諸外国の主要河川の治水安全度の目標と整備の進捗状況について、お手元の資料二十一でございます。
国土の四分の一が海面下のオランダでは、ライン川など主要河川は、二千年に一回あるいは一万年に一回の治水安全度で堤防がほぼ概成しています。
イギリスのロンドンのテムズ川でも、人口や産業の集積している下流の高潮区間では千年に一度の安全度でテムズバリアという防潮堤を完成させています。
一方、日本の荒川などについて見ますと、諸外国に比べ低いレベルにとどまっており、大変不安な状況だというふうに言えると思います。
ところで、昨年の西日本の豪雨災害、平成二十九年の九州北部豪雨など、近年、全国各地で激甚な水害、土砂災害が頻発しています。
また、平成二十八年には観測史上初めて一週間に三つの台風が直接北海道を襲い、迷走台風十号が観測史上初めて東北の太平洋側に上陸をしています。
このように、最近の激烈な雨の降り方や、これまで経験したことのないような台風の動き、従来とは異なる気象現象が起こり始めているように感じられます。
地球温暖化による今後の温度上昇の見通しについて伺うとともに、温暖化により豪雨災害が拡大しているのではないか、そして今後更に拡大していくのではないかとの懸念に対する気象庁の見解を伺いたいと思います。
ありがとうございます。
気象庁において今後とも引き続きしっかりモニタリングを行っていただいて、地球温暖化の脅威について警鐘を鳴らしていただくようにお願いをしたいと思います。
全国的に発生している施設規模あるいは計画規模を上回るような大雨は、これからも地球温暖化の進行に伴いまして増加すると考えられます。
そうであれば、これまでの延長線上の対応では不十分であり、全く新たな視点での対応が必要となってくるというふうに考えています。
国交省では、昨年四月、水管理・国土保全局で気候変動を踏まえた治水計画に係る技術検討会を立ち上げたというふうに聞いております。
ここの検討によりますと、資料二十二でございますけれども、将来の降雨予測ですけれども、今世紀末には百年に一度の確率降雨が日本の北部で三〇%から四〇%、中南部で二〇%から三〇%程度増加するというふうに見込んでいます。
これは大変深刻な状況というふうに言わざるを得ないというふうに思います。
水管理・国土保全局において気候変動を踏まえた治水計画の在り方について早急に検討を進め、海外に後れを取ることなく対策に着手していただくようにお願いをしたいと思います。
地球温暖化に伴う治水面の影響に対して今後どのように対応していくのか伺います。
是非しっかり対応していただきたいというふうに思います。
最後に、今後の公共投資の必要性について指摘をさせていただきます。
これまで話をしてきました日本のインフラ整備が遅れている状況を考えますと、公共投資を再びしっかり進めていく必要があるのは明らかであります。
日本の公共投資は平成十年度をピークに削減を続けまして、半分以下に縮小してきています。
なぜ公共投資を減らしてきたのか、その根拠となったのが、資料二十四、一般政府の総固定資本形成とその対GDP比でございます。
日本は、従来、非常に高い割合だったという指摘を受けまして、欧米並みに引き下げるようにという議論を受けまして、公共投資の削減を行いました。
しかし、今考えると、それが正しいことだったのかというところでございます。
資料二十五でございますが、日本の公共事業の特性というのを諸外国と比較してよく考えてみる必要があるんじゃないかと思います。
ヨーロッパの国々というのは氷河で削られた平らな、平たんな台地でありまして、日本は山あり谷ありの急峻な地形です。
トンネルや橋梁などの構造物の比率が日本は非常に多いという道路構造となっておりまして、欧米に比べて費用が掛かります。
また、日本は有数の地震国でございまして、厳格な耐震設計が求められます。
橋梁一つ取っても、日本のものは欧米に比べて太くて頑丈です。
さらに、日本は欧米と異なり、風水害、土砂災害が頻発しておりまして、さらには南海トラフ巨大地震など大規模地震による脅威にも直面していることもありまして、事前防災に多額の費用を要しています。
そうしたことからすると、公共投資の対GDPの比率を欧米並みに削減してきたこと自体が問題があったのではないか、そのように考えます。
資料二十六にお示ししましたが、横軸が一般政府総固定資本形成、いわゆる公共投資でございますが、縦軸はGDPです。
公共投資を半減させている日本と諸外国と比較しますと、やはり公共投資を伸ばしている国はGDPを伸ばして経済発展をしているというのが分かるかと思います。
日本は経済で一流を目指すのであれば、しっかりとした公共投資を行って、インフラの整備水準も先進国並みに引き上げていく必要があるというふうに思います。
日本のインフラを国際的にも恥ずかしくない水準にしていくために公共投資をしっかり行う必要があると考えますけれども、副大臣のお考えをお聞かせいただければと思います。
ありがとうございます。
冒頭にも申し上げましたけれども、これからの日本を考えますと、五年前に策定した二〇五〇年を見据えた国土のグランドデザインはあるんですけれども、インフラ整備について具体的な目標などが定められているわけではなくて、今後、どの程度の水準までインフラ整備を進めるのか、そのための投資がどの程度必要なのか、明らかにする必要があるというふうに考えています。
例えば、高速道路ネットワークについては、一万四千キロのネットワークをベースに、新たに求められる路線や、地域高規格として整備をしている区間を含め再整備し、さらには高速道路らしく四車線で整備すべき区間も明示することなども併せまして、日本の高速道路の完成形というんでしょうか、そういったものを示す必要があるというふうに考えています。
鉄道のネットワークも同じでして、リニア新幹線や在来型の新幹線を含めてどこまでネットワークとして整備するのか、明らかにする必要があります。
治水対策でも、温暖化に対してどこまで備えるのか、そういったことをしっかり示す必要もあるというふうに考えます。
令和という新たな時代を迎え、昭和から平成にかけて進めてきたインフラ整備について改めて評価を行った上で、今後、どの程度の水準まで個々のインフラの整備を行うのか、そのための投資がどの程度必要なのか、明らかにする必要があると考えますが、大臣のお考えをお聞かせいただければと思います。
はい。
ありがとうございました。
日本が未来に向けましてどのレベルまでインフラ整備を行うのか、今しっかり描き直す必要があるというふうに考えます。
石井大臣のリーダーシップで是非御検討いただきますようお願いを申し上げ、質問を終わります。
以上です。
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